JP2021176461A - 空気殺菌ハンドドライヤー - Google Patents

空気殺菌ハンドドライヤー Download PDF

Info

Publication number
JP2021176461A
JP2021176461A JP2020097256A JP2020097256A JP2021176461A JP 2021176461 A JP2021176461 A JP 2021176461A JP 2020097256 A JP2020097256 A JP 2020097256A JP 2020097256 A JP2020097256 A JP 2020097256A JP 2021176461 A JP2021176461 A JP 2021176461A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hand
air
sterilization
driving
hand dryer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020097256A
Other languages
English (en)
Inventor
國昭 永山
Kuniaki Nagayama
修 吉田
Osamu Yoshida
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
N Em Lab Co Ltd
Original Assignee
N Em Lab Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by N Em Lab Co Ltd filed Critical N Em Lab Co Ltd
Priority to JP2020097256A priority Critical patent/JP2021176461A/ja
Publication of JP2021176461A publication Critical patent/JP2021176461A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Disinfection Or Sterilisation (AREA)

Abstract

【課題】ハンドドライヤーからの感染性ウイルルスや細菌のトイレ内放出を防止するハンドドライヤーの提供。【解決手段】ハンドドライヤー内空気殺菌装置は、密閉殺菌管50を持ち、ハンドドライング上部導通管51、57はハンドドライング部ダクト53、55に結合され、ハンドドライング部ダクト53、55はハンドドライング底部導通管54で結合され、中央部で空気ポンプ吸気口41、空気ポンプ42、空気ポンプ排気口43に結合され密閉殺菌管50に結合した円環構造で、左と右のハンドドライング内空間22、24と密閉殺菌管空間20が密閉円環気流接合され、空間内空気を空気ポンプ42の働きで循環させ、密閉殺菌管50の内壁に設置された複数個の紫外線源100により循環空気を強力紫外線照明することで、円形開口ノズル52,56より噴出される殺菌済み空気により手を乾燥させるとともに、手から飛散するウイルスや細菌を不活化する。【選択図】図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、ハンドドライヤー内のウイルスや細菌等の殺菌および滅菌技術に関する。より詳しくは、手洗い水栓機近辺において、ハンドドライヤーを使用する際に飛散する水滴に乗ったウイルスや細菌を殺菌除去し、手洗い水栓機近辺環境が感染源となることを遮断する独立型装置に関する。
本発明者の一人は、新型コロナウイルス感染COVID−19が糞口感染症である可能性を示唆する最近の知見(非特許文献1〜3)をもとに、トイレ環境という感染源を無菌化する独立型装置、便器内空気殺菌装置を出願した(特許文献1)。しかし、トイレ環境における感染源として便器のみならず、手の水を切るために使用されるハンドドライヤーも看過できない感染源の1つであることに思い至った。
ハンドドライヤーは、多くのトイレ、特に公共のトイレに常設されるタオル等で手を拭かずに手洗い後の手の水を清潔に乾燥するための機器だが、ハンドドライヤーの強烈な送風によりトイレ内に飛散する水滴には、当然のことながら、手に残ったウイルスや細菌等が含まれており、感染源になる可能性が高い。ハンドドライヤーで室内に拡散される細菌やウイルス量は極めて多いとの報告も行われている(非特許文献4)。このことは既に多くのハンドドライヤーメーカーにより認識されており、ハンドドライヤーに紫外線源を有する殺菌灯を組み込んだモデルも発明出願されている(特許文献2〜6)。しかし、これらはいずれも手を直接殺菌灯で照明する形態をとっており、紫外線が皮膚に有害であることによる照明強度の制限、そして何よりも空気循環型ではないことと送風量が多く滞留時間が短いため空気殺菌効率が貧弱であるという問題を抱えている。
なお本発明で呼称するハンドドライングとは手を乾燥させる作業を指す。ハンドドライヤーとは、送風により手を乾燥させる装置を指す。トイレとは、人が入室し用便を行う便器を擁した個室を指す。
便器内空気殺菌装置、特許出願人(N−EMラボラトリーズ株式会社)、2020年4月27日出願 特開2000−023874号公報 特開2005−177415号公報 特開2013−184022号公報 特開2013−184023号公報 特開2013−244248号公報
Fei Xiao,et al.,Evidence for gastrointestinal infection of SARS−CoV−2.Gastroenterol 2020;DOI:10.1053/j.gastro.2020.02.055. 】Yong Zhang,et al.,Isolation of 2019−nCoV from a stool specimen of a laboratory−confirmed case of the coronavirus disease 2019(COVID−19).Chinese Center for Disease Control and Prevention Weekly.2:123−124,2020. Ryoichi Matsuda,Fart and toilet air maybe routes for fecal−oral infection,possibly for 2019−nCoV.,論文投稿中 P.T.Kimmitt and K.F.Redway,Evaluation of the potential for virus dispersal during hand drying:a comparison of three methods.J.Appl.Microbiol.,120:478−486,2015. https://www.iwasaki.co.jp/optics/chishiki/uv/02.html、岩崎電機株式会社ホームページ、照明、光応用の知識、紫外線殺菌、2.紫外線による殺菌・不活化、表2。
従来のハンドクリーナー機器では、ハンドクリーニングの際水滴に乗り飛散されるウイルスや細菌による感染が発生する危険がある。ハンドクリーナーを通しての感染を、社会に容易に実装される形で遮断するためには以下の課題を同時に解決する必要がある。
1、ハンドドライヤー使用時にウイルスや細菌が飛散しないようにハンドクリーナー内で迅速殺菌すること(密閉性)、
2、殺菌率はハンドクリーナー使用時に手から飛散するウイルスや細菌の99%以上であること(殺菌能力;ただし、ここで使用する殺菌率は、細菌の場合生菌を殺す率を、ウイルスの場合感染機能の不活化率を指す)、
3、手法が無害であること(安全性)、
4、無人連続運転に耐えること(頑強性)、
5、コンパクトでどのようなトイレにも設置できること(一般性)。
既に述べたように、従来のハンドクリーナー機器では、上記課題の特に1,2に抵触する。上記5つの課題を同時に解決する新技術思想の装置が必須である。
第1の発明は、手洗い水栓機近くに設置されるハンドドライング機構において、ハンドドライヤー内に内壁が鏡面仕上げされた密閉殺菌管を持ち、前記密閉殺菌管は、管上部のハンドドライング上部導通ダクト左側および左ハンドドライング部ダクトリム部を通じ左ハンドドライング部に、ハンドドライング上部導通ダクト右側および右ハンドドライング部ダクトリム部を通じ右ハンドドライング部に結合され、前記左と右のハンドドライング部の上部には、それぞれ対応する左右の人の手を挿入する開口があり、前記左と右のハンドドライング部の底部はハンドドライング底部導通ダクトを通じ空気ポンプに結合され、空気ポンプは前記密閉殺菌管底部に結合され、前記左ハンドドライング部空間およびと前記右ハンドドライング部空間と前記密閉殺菌管空間とはそれぞれ密閉円環気流接合され、密閉円環気流接合された空間内空気を前記空気ポンプの働きで循環させ、前記密閉殺菌管内に設置された1個乃至複数個の紫外線源により循環空気を紫外線照明することで、空気中に浮遊するウイルスや細菌を殺菌除去するとともに、左と右のハンドドライング部ダクトリム部ノズルより噴出される殺菌済み空気により手を乾燥させることを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第1の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、ハンドクリーニング時に手より送風に乗って飛散するウイルスや細菌をハンドクリーニング時に高効率かつ迅速に殺菌でき、ハンドドライヤーやトイレの環境が感染源となることを防止できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記左と右のハンドドライング上部開口の内縁はソフト素材で縁どられており、手挿入時の密閉性を補助することを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第2の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、左と右のハンドドライング上部の開口より手を挿入する際、開口内縁のソフト素材により手腕部分が覆われるため、密閉性が補強され殺菌効率を向上させることができる。
第3の発明は、第1乃至第2のいずれかの発明において、前記ハンドドライング底部導通ダクトは、下底側に吸水性の素材より構成される吸水兼水分放散機能を持つ着脱平板を持ち、前記着脱平板の下方面は外界に接しており、本装置底部にたまる水分を自動的に外界に放散させ得ることを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第3の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、装置底部にたまる水分を自動的に外界に徐々に放散させ得るので、通常ハンドドライヤーと同様に手から飛散する水の後処理を不要とする。これはハンドドライヤー内部の乾燥をメインテナンスフリーで実現する仕組みである。また前記平板は着脱式であるため、ハンドドライヤー内部のクリーニングや点検時に外され得る利便性を持っている。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、前記左と右のハンドドライング上部開口内縁を縁取る前記ソフト素材は、本装置使用時以外にも装置予備運転を暫時行うことで、紫外線照明により発生するオゾンによる抗菌処理が自動的に進行することを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第4の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、密閉性確保のために手の腕をカバーするソフト素材を紫外線照明起源オゾンに常時曝し抗菌処理するため安全性が図られる。
第5の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、前記密閉殺菌管は、内壁は鏡面仕上げされ、内壁の反射率が50%以上であることを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第5に発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、前記密閉殺菌管内に設置された前記紫外線源から射出された紫外線が内壁により何回も反射されながら前記密閉殺菌管内空気を照明するため、紫外線照明強度が実効的に増大し殺菌効率を高めることができる。
第6の発明は、第1から第3のいずれかの発明において、前記紫外線発生源は、波長範囲が180nmから379nmのいずれかに中心波長をもつ紫外線を発生する紫外線ランプを1個乃至複数個有することを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第6の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、前記密閉殺菌管内空気を紫外線で殺菌することで、循環する装置内空気を殺菌し結果的にハンドドライヤー内を空気殺菌することができる。
第7の発明は、第1または第3のいずれかの発明において、前記紫外線発生源は、波長範囲が180nmから379nmのいずれかに中心波長をもつ紫外線を発生する紫外線LEDを1個乃至複数個有することを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第7の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、前記密閉殺菌管内空気を紫外線で殺菌することで、循環する装置内空気を殺菌し結果的にハンドドライヤー内を空気殺菌することができる。
第8の発明は、第1または第3のいずれかの発明において、前記空気ポンプは、前記ハンドドライヤー内空気全量を10秒以内に排気する能力を有することを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第8の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、ハンドドライング中のハンドドライヤー内空気全量を迅速に前記密閉殺菌管に送ることができるので、ハンドクリーニング時に手より送風に乗って飛散するウイルスや細菌をその場で直ちに殺菌できる。
第9の発明は、第1または第3のいずれかの発明において、前記密閉円環気流接合の空気循環機構は、紫外線源と空気ポンプの始動と停止を、ハンドドライング上部開口への人の手の挿入を探知し自動的に行う感知センサーを具備することを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤーである。
第9の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、ハンドドライング時にハンドドライヤー内に手から飛散するウイルスや細菌の効率的な殺菌を自動的に行いかつ省エネルギーで実現できる。
第10の発明は、第1または第3のいずれかの発明において、ハンドドライング底部導通ダクト着脱平板は、手より飛散した水分を吸水し外界放散する機能を賦活化するため、電気加熱されるヒーターを付置することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤーである。
第10の発明に係る空気殺菌ハンドドライヤーによれば、ハンドドライング底部導通ダクト着脱平板からの水分外界放散が加熱により効率的に行われるため、ハンドドライヤー内部を乾燥状態に保つことができ、乾燥空気を人の手に吹き付けるので乾燥効率が向上する。また着脱平板ヒーターにより温められたオゾンにより常時左右ハンドドライング上部開口のソフト素材を効率的に抗菌化できる。
本願発明によりハンドドライヤー内に浮遊する細菌やウイルス等を紫外線で迅速に殺菌し機能し得る経済的で人に害を与えない安全な空気殺菌ハンドドライヤーを実現することができる。
空気殺菌ハンドドライヤーの概要図。a.空気殺菌ハンドドライヤーの正面図 b.空気殺菌ハンドドライヤーの側面断面図なお以下の図において、循環する気流の流れは図中にところどころ矢印で示されている。
空気殺菌ハンドドライヤーの使用時の概要図。 紫外LED光出力推計のための密閉殺菌管モデル
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。また本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
本願装置10の形態の概略は図1に示すようになる。左右ハンドドライング部22、24など図中のところどころに矢印で示されている気流の流れに従い、装置の部分を説明すると、空気ポンプ42から排気口43を通り密閉殺菌管内部20に向かって強送風された空気は、左右のハンドドライング上部導通ダクト51、57で左右に分岐し、左右ハンドドライング部ダクトリム部ノズル52,56より吹き出し、濡れた人の左右の手を乾燥させる。水分を含んだ空気は左右ハンドドライング部下方に流れハンドドライング底部導通ダクト54を介し空気ポンプ42の吸気口41に至り空気ポンプに還流し空気循環を完了する。4つの空間、対称的に作られた左と右のハンドドライング部空間、密閉殺菌管内空間そしてハンドドライング底部導通ダト空間は、同じ容積になるよう作りこまれている。密閉殺菌管50の内壁には、この実施例では、深紫外LED100が管の上部に2個と底部に2個それぞれに貼付され、殺菌管内の空気殺菌に供される。深紫外LEDは殺菌管の形態及び必要な殺菌能に依存し、1〜100個の選択が可能である。また殺菌管内壁は紫外線の効率的利用を可能ならしめる鏡面仕上げが施され、内壁反射による紫外線照明増強が図られている。図1では電気系統は省略されているが、各深紫外LED100及び空気ポンプ42に配線される。また運転制御系統も省略されているが、本装置は自動運転であり、人の手の挿入気配を感じ始動し、人の手が装置から出された後もしばらくの間送風を持続し自動的に止まる。またハンドドライング底部導通ダクト着脱平板はハンドドライヤー内部空気の乾燥化のため運転時は常時電熱加熱される。
実施例の技術思想は以下である。無害性を保証しつつハンドドライヤー内空気に浮遊するウイルス細菌を強力な紫外線で殺菌処理するには、密閉殺菌管50をハンドドライング部外に用意し、そこにハンドドライヤー内空気を導き強力な紫外線照明を施し、その後ウイルス細菌の殺菌除去で無菌化された空気を再度ハンドドライング部に戻し、ハンドドライヤー内を循環させればよい。紫外線は一切外部に漏れないので無害であるばかりでなく、室内で通常使用される以上の強力な紫外線源100を密閉殺菌管50内部に設置できるため、迅速かつ高殺菌率の殺菌が可能となる。また気流は循環されるため同一空気が何度も密閉殺菌箱密管を通過し殺菌効率は増倍される。密閉殺菌管50のもう一つの利点として、内面を鏡面仕上げにすることで紫外線反射が繰り返し起こるため、実効的照射強度増加による殺菌効率増強が図られる。反射率をx%とすれば、増強率は1/(1ー0.01x)となる。例えば、照射強度は反射率90%では10倍に、反射率80%では5倍にまで増強される。なお本願装置における空気循環は、効率性、気流低負荷性、装置構造の単純性からハンドドライヤー内の2分岐1方向循環を基本とした。
本装置は上記技術思想により設計されたものであり、装置各部分が気流を通じて円環的に気密に接合された状態を密閉円環気流接合と呼称する。
次に本実施例装置の実効性を推計するために、紫外線源100に要求される紫外線光出力性能について紫外線殺菌率をもとに見積もってみる。すでに種々のウイルスや細菌についてたとえば254nm波長の水銀ランプでの99.9%不活化(殺菌)に必要な紫外線照射量(単位:mJ/cm)が知られている(非特許文献5)。それによれば、大腸菌、赤痢菌、コレラ菌などは、10mJ/cm前後。インフルエンザウイルスは7mJ/cm、ロタウイルスは24mJ/cmである。新型コロナウイルスの紫外線照射量は不明だが、本願では2つのウイルスの中間値を取り20mJ/cmを仮定する。
そこで水銀ランプと同様な短波長をもつ深紫外LEDを鏡面仕上げの底面に1個張り付けた密閉殺菌管(図2参照)を用い、本願発明の設計指針を具体的に検討する。
左右それぞれのハンドドライング部内空間と同じ容積V(cm)を持つ殺菌管を用い、空気ポンプによる空気送風量をv(cm/sec)とすると、左右のハンドドライング部内を空気が通過する時間はV/vsecとなる。殺菌管の長さをL、断面積をSとすると、V=LS。ここで深紫外LED1個の光出力をQ(W=J/sec))とすると、鏡面反射による増強率がMの場合、MQの光出力が上面から殺菌管長手方向に反射を伴い放出される。殺菌管断面積はSなので、左右のハンドドライング部内を空気が通過する時間での照射量は以下となる。
Figure 2021176461
上式において、Q,V(=LS),vは固定の装置定数で、L,SとMは設計パラメーターとする。Mも固定であれば、MQ(V/v)は一定であり、Sを小さくとれば、[数1]で示される照射量はいくらでも大きくなる。また[数1]等式の右辺より、Lを大きくとれば、照射量はいくらでも大きくなる。すなわち細長ければ細長いほど数式的には照射量は大となる。しかし、反射率とMとの関係は、相対する2つの鏡面に光が垂直入射・反射を繰り返しながら同一反射率で無限回反射するときの照射増強定数であり、細長い管では照射角度の広いLEDの場合、照射方向が管の長手方向よりずれ側面反射が生ずるので、上記の仮定が崩れることによるMの減弱が生ずる。その場合、[数1]に示す照射量LMQ/vはLに単純に比例せずLMに対する評価が必要となる。
ここでMの減弱をLEDから45度方向に射出する紫外線を例に考えてみる。計算を単純化するため、殺菌管の曲率を考えず平面反射としかつLEDは射出面上の殺菌管壁面に接する配置とする(光は管の縁から45度方向出射)。密閉殺菌管の長径をL、半径をlとすると、長手方向に2l進むごとに側面反射するので、LEDから出た光が射出対抗面に届くまでの反射回数nはn=L/(2l)となる。反射ごとに光強度は一定の反射率で減少することを考慮すると、反射率x%の場合、照射増強定数Mは、M=((2l/L)(1−(0.01x))/(1−0.01x)となる。射出対抗面から続いて、入射光が反射し、強度をLED面射出に比べ(0.01x)と減弱して射出されるが、側面反射を繰り返しながらLED面に向かってもと来た光路を折り返すと仮定する。この過程が無限回繰り返されると、M=((2l/L)(1−(0.01x))/((1−0.01x)(1−(0.01x)))となり、最終的な照射増強定数Mは、M=(2l/L)/(1−0.01x)となる。体積は、V=πlLで与えられるので、45度方向照射による照射増強定数Mは、M=2(V/(πL1/2)/(1−0.01x)となる。すなわちLM=2(V/(πL))1/2)/(1−0.01x)となり、LMが長さLのルートに逆比例して減弱することになるため、長径・半径比(=長径/半径)L/lの大きい細長い殺菌管ではかえって殺菌効率が下がることになる。
長径・半径比L/lが小さいとき、側面反射回数は1回程度なので、照射増強定数Mは光の垂直入射・反射のみを仮定した場合と同じくM=(1/(1−0.01x))となると仮定できる。その場合、LM=L(1/(1−0.01x))となる。長さLに比例するようになるので、M減弱の議論と合わせると、LMのL依存性には上限値が存在することになる。ただし、この上限値が現実にどのようになり、その時のLがいくつになるかは、LEDの照射角強度スペクトルを考慮した積分計算を必要としかつ殺菌管の内壁反射率や構造に複雑に依存するので本願では追求しない。端的に、殺菌管は細長い方が殺菌効率に寄与することを指摘する。また以後の装置性能推計作業において、長径・半径比L/lが10倍以内では、MのL依存は無視できると仮定し、M=(1/(1−0.01x))とする。
ハンドドライヤー使用者側の立場に立つと、重要なのは手を挿入する許容時間に手の乾燥と殺菌が終了するかである。そこで[数1]をT(=V/v)で変形し、許容時間Tを新たな設計パラメーターとする。ハンドドライヤー内空気の殺菌率を99.9%として、変形された[数1]で表わされる照射量が、99.9%殺菌に必要な照射量qを超えるという条件を課すと以下が導かれる。
Figure 2021176461
ここで具体的な数値を入れると、
M=5(内壁の反射率を80%と見積もる場合)、
Q=50mW(市販深紫外LEDで最高性能)、
T=15sec(許容時間15秒を仮定)、
q=20mJ/cm(99.9%殺菌照射量をインフルエンザとロタウイルスの中間とした)
すると[数2]より断面積Sは以下で与えられる。
Figure 2021176461
殺菌管断面積は、187.5cmあればよいことになるが、これは半径約7.5cmの殺菌管を意味し、大人の手の挿入を許容する。先の実施例でも示したように、殺菌管の容積は全空気容量の約4分の1を想定しているので、この4倍の紫外線照射量が必要となる。そのために図1に示したように、深紫外LED4個を底面または上面に添付することになる。
殺菌管の長さLについては、手を挿入して底にぶつからない長さの左右ハンドドライング部と同程度とすれば、例えば55cmを設定できる。この場合、殺菌管容積は約10,000cm(10
Figure 2021176461
手の水の迅速な乾燥を考えると送風量は大きいほど良い。ヘヤードライヤーなみの送風量1,0
Figure 2021176461
るため、殺菌効率は送風速度に依存しない。送風速度が早ければ殺菌管内の滞留時間は減るが、それは循環回数の増大で補われ結果は同一となる。これが本願技術思想の根幹をなす密閉円環気流接合の利点である。
図1の実施例装置が具体的にどのように使用されるかの日常的実例を図3に示した。両手をハンドドライング上部の開口より中に差し込み15秒ほど待つと手が乾きかつ紫外線照明により生成されたオゾンによる殺菌が行われる。
本願発明による空気殺菌ハンドドライヤーは、手洗水栓機近く(公衆トイレなど)に設置されることにより、感染性のあるウイルスや細菌の飛散を防ぎ、人々が安心して外出し、活動できるようになる。結果、感染拡大による経済のロックダウン等の大きな社会問題の発生を防ぐことができる。
10 空気殺菌ハンドドライヤー
11 殺菌装置本体収納箱天井板
12 左ハンドドライング上部開口部ソフト素材
13 殺菌装置本体収納箱左側板
14 殺菌装置本体収納箱下底板
15 殺菌装置本体収納箱右側板
16 右ハンドドライング上部開口部ソフト素材
20 密閉殺菌管内空間
21 左右ハンドドライング上部導通管左側内空間
22 左ハンドドライング部内空間
23 左右ハンドドライング底部導通管内空間
24 右ハンドドライング部内空間
25 左右ハンドドライング上部導通管右側内空間
31 左腕
32 右腕
41 空気ポンプ吸気口
42 空気ポンプ
43 空気ポンプ排気口
50 密閉殺菌管
51 左右ハンドドライング上部導通管左側
52 左ハンドドライング部ダクトリム部ノズル
53 左ハンドドライング部ダクト
53a左ハンドドライング部ダクトリム部
54 左右ハンドドライング底部導通管
55 右ハンドドライング部ダクト
55a右ハンドドライング部ダクトリム部
56 右ハンドドライング部ダクトリム部ノズル
57 左右ハンドドライング上部導通管右側
60 殺菌装置本体収納箱内空隙
100 深紫外LED
ハンドドライヤーは、多くのトイレ、特に公共のトイレに常設されるタオル等で手を拭かずに手洗い後の手の水を清潔に乾燥するための機器だが、ハンドドライヤーの強烈な送風によりトイレ内に飛散する水滴には、当然のことながら、手に残ったウイルスや細菌等が含まれており、感染源になる可能性が高い。ハンドドライヤーで室内に拡散される細菌やウイルス量は極めて多いとの報告も行われている(非特許文献4)。このことは既に多くのハンドドライヤーメーカーにより認識されており、ハンドドライヤーに紫外線源を有する殺菌灯を組み込んだモデルも発明出願されている(特許文献2〜6)。しかし、これらはいずれも手を直接殺菌灯で照明する形態をとっており、紫外線が皮膚に有害であることによる照明強度の制限、そして何よりも空気循環型ではないことと送風量が多く滞留時間が短いため空気殺菌効率が貧弱であるという問題を抱えている。
なお本発明で呼称するハンドドライングとは手を乾燥させる作業を指す。ハンドドライヤーとは、送風により手を乾燥させる装置を指す。トイレとは、人が入室し用便を行う便器を擁した個室を指す。また殺菌は、「ウイルスや細菌など感染源全般の不活化」を指す。
本願装置10の形態の概略は図1に示すようになる。左右ハンドドライング部22、24など図中のところどころに矢印で示されている気流の流れに従い、装置の部分を説明すると、空気ポンプ42から排気口43を通り密閉殺菌管内部20に向かって強送風された空気は、左右のハンドドライング上部導通ダクト51、57で左右に分岐し、左右ハンドドライング部ダクトリム部ノズル52,56より吹き出し、濡れた人の左右の手を乾燥させる。水分を含んだ空気は左右ハンドドライング部下方に流れハンドドライング底部導通ダクト54を介し空気ポンプ42の吸気口41に至り空気ポンプに還流し空気循環を完了する。4つの空間、対称的に作られた左と右のハンドドライング部空間、密閉殺菌管内空間そしてハンドドライング底部導通ダト空間は、同じ容積になるよう作りこまれている。密閉殺菌管50の内壁には、この実施例では、深紫外LED100が管の上部に2個と底部に2個それぞれに貼付され、殺菌管内の空気殺菌に供される。深紫外LEDは殺菌管の形態及び必要な殺菌能に依存し、1〜100個の選択が可能である。また殺菌管内壁は紫外線の効率的利用を可能ならしめる鏡面仕上げが施され、内壁反射による紫外線照明増強が図られている。図1では電気系統は省略されているが、各深紫外LED100及び空気ポンプ42に配線される。また運転制御系統も省略されているが、本装置は自動運転であり、人の手の挿入気配を感じ始動し、人の手が装置から出された後もしばらくの間送風を持続し自動的に止まる。またハンドドライング底部導通ダクト着脱平板はハンドドライヤー内部空気の乾燥化のため運転時は常時電熱加熱される。なお本願における空気ポンプは、空気を送気、送風する機構を持つ電動型機械を指すものとする。

Claims (10)

  1. 手洗い水栓機近くに設置されるハンドドライング機構において、ハンドドライヤー内に内壁が鏡面仕上げされた密閉殺菌管を持ち、
    前記密閉殺菌管は、管上部のハンドドライング上部導通ダクト左側および左ハンドドライング部ダクトリム部を通じ左ハンドドライング部に、ハンドドライング上部導通ダクト右側および右ハンドドライング部ダクトリム部を通じ右ハンドドライング部に結合され、
    前記左と右のハンドドライング部の上部には、それぞれ対応する左右の人の手を挿入する開口があり、
    前記左と右のハンドドライング部の底部は、ハンドドライング底部導通ダクトを通じ空気ポンプに結合され、
    空気ポンプは前記密閉殺菌管底部に結合され、
    前記左ハンドドライング部空間および右ハンドドライング部空間と前記密閉殺菌管空間とはそれぞれ密閉円環円気流接合され、
    密閉円環気流接合された空間内空気を前記空気ポンプの働きで循環させ、
    前記密閉殺菌管内に設置された1個乃至複数個の紫外線源により循環空気を紫外線照明することで空気中に浮遊するウイルスや細菌を殺菌除去するとともに、
    前記左と右のハンドドライング部ダクトリム部ノズルより噴出される殺菌済み空気により手を乾燥させる、
    ことを特徴とする空気殺菌ハンドドライヤー。
  2. 前記左と右のハンドドライング部上部開口は、内縁がソフト素材で縁どられており、 手挿入時の密閉性を補助する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  3. 前記ハンドドライング底部導通ダクトは、下底側に吸水性の素材により構成される吸水兼水分外部放散機能を持つ着脱平板を持ち、前記着脱平板の下方面は外界に接しており、本装置底部にたまる水分を自動的に外界に放散させ得る、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  4. 前記左と右のハンドドライング上部開口内縁を縁取る前記ソフト素材は、本装置使用時以外にも装置予備運転を暫時行うことで、
    紫外線照明により発生するオゾンによる抗菌処理が自動的に進行し常時殺菌を可能とする、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  5. 前記密閉殺菌管は、鏡面仕上げされた内壁の反射率が50%以上である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  6. 前記紫外線発生源は、波長範囲が180nmから379nmのいずれかに中心波長をもつ紫外線を発生する紫外線ランプを1個乃至複数個有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  7. 前記紫外線発生源は、波長範囲が180nmから379nmのいずれかに中心波長をもつ紫外線を発生する紫外線LEDを1個乃至複数個有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  8. 前記空気ポンプは、前記左右ハンドドライング部内空気全量を10秒以内に循環させる能力を有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  9. 前記密閉円環気流接合の空気循環機構は、紫外線源と空気ポンプの始動と停止を、ハンドドライング上部開口への人の手の挿入を探知し自動的に行う感知センサーを具備する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
  10. 前記ハンドドライング底部導通ダクト着脱平板は、手より飛散した水分を吸水し外界放散する機能を賦活化するため、電気加熱されるヒーターを付置する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の空気殺菌ハンドドライヤー。
JP2020097256A 2020-05-04 2020-05-04 空気殺菌ハンドドライヤー Pending JP2021176461A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020097256A JP2021176461A (ja) 2020-05-04 2020-05-04 空気殺菌ハンドドライヤー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020097256A JP2021176461A (ja) 2020-05-04 2020-05-04 空気殺菌ハンドドライヤー

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021176461A true JP2021176461A (ja) 2021-11-11

Family

ID=78409093

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020097256A Pending JP2021176461A (ja) 2020-05-04 2020-05-04 空気殺菌ハンドドライヤー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021176461A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2019017457A1 (ja) * 2017-07-19 2020-08-06 大日本印刷株式会社 電池用包装材料、電池用包装材料の製造方法、及び電池

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2019017457A1 (ja) * 2017-07-19 2020-08-06 大日本印刷株式会社 電池用包装材料、電池用包装材料の製造方法、及び電池
JP7207305B2 (ja) 2017-07-19 2023-01-18 大日本印刷株式会社 電池用包装材料、電池用包装材料の製造方法、及び電池
JP7468715B2 (ja) 2017-07-19 2024-04-16 大日本印刷株式会社 電池用包装材料、電池用包装材料の製造方法、及び電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7180804B2 (ja) ランプ、及び、uv放射線を生成するための装置
JP6975478B2 (ja) 殺菌装置
JP2022116056A (ja) 乾燥殺菌装置および乾燥殺菌方法
BR102017019533A2 (pt) Secador de mão tendo fluxo de ar administrado
KR20100089410A (ko) 엘리베이터 직접조사 자외선 살균시스템
JP2003336856A (ja) 空気調和機
JP2021176461A (ja) 空気殺菌ハンドドライヤー
KR20120002300A (ko) 살균 건조부를 포함하는 비데
KR200348688Y1 (ko) 살균기가 구비된 핸드 드라이어
JP2005342496A (ja) 手指乾燥装置
JP2022027412A (ja) 空気殺菌・ウイルス不活性化装置
JP2005305031A (ja) 手指殺菌装置
JP7023798B2 (ja) 紫外線照射装置
KR102350241B1 (ko) 마스크 살균, 건조 및 탈취를 위한 장치
JP5500529B2 (ja) 手指乾燥器
JP2021023529A (ja) シンク用殺菌装置
JP2011142930A (ja) 手乾燥除菌装置
TW201416022A (zh) 動物用紫外線照射燈
JP2022187275A (ja) ハンドドライヤー
KR20180054127A (ko) 고온 건조식 대인 소독장치
JP2021183157A (ja) 室内殺菌装置
JP2021180825A (ja) 局所空気殺菌装置
ES2851450T3 (es) Cuarto de aseo para un vehículo ferroviario
JP2022023740A (ja) ハンドドライヤー
CN219461988U (zh) 一种消毒灯及应用该消毒灯的消毒设备

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200714