JP2021175830A - 極細繊維製造装置 - Google Patents

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Tatsuhiro Oshita
信一 垰口
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Abstract

【課題】溶融ポリマーの滞留を防止し、溶融ポリマーを樹脂ノズルから安定して吐出し、極細繊維を製造することが可能な装置を提供する。【解決手段】支持部13には複数のダイ14が第1方向に沿って設けられ、ダイにはそれぞれ複数の樹脂ノズル16が第1方向に沿って設けられており、中心軸が、略水平方向に沿って設置されおりエアノズルを該樹脂ノズルに隣接して備えている。また、各ダイにはそれぞれ溶融ポリマーを樹脂ノズルに向けて流すポンプが設けられている。【選択図】図1

Description

本発明は、極細繊維製造装置に関する。
特許文献1には、空気分配装置が、前記ノズル支持体の長手方向側面に分配配置される複数の分配セグメントにより、隣接する分配セグメント間にそれぞれ1つの膨張代を備えて形成されており、ノズル支持体の長さにかかわらず、ノズル支持体の全長にわたって高温のプロセス空気の確実な空気供給が可能なメルトブロー用の装置が開示されている。
特許第6187925号
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、紡糸ポンプの数が少なく、熱可塑性樹脂の溶融物(以下、溶融ポリマーという)が通路内で熱劣化することにより、滞留しノズルが詰まるおそれがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、溶融ポリマーの滞留を防止し、溶融ポリマーを樹脂ノズルから安定して吐出することができる極細繊維製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係る極細繊維製造装置は、例えば、長手方向が水平方向である第1方向に延設された略棒状の支持部と、前記支持部に設けられた複数のダイと、前記ダイに設けられた複数の樹脂ノズルであって、中心軸が鉛直方向に略沿っており、溶融ポリマーを吐出する樹脂ノズルと、前記溶融ポリマーを前記樹脂ノズルに向けて流すポンプであって、前記ダイにそれぞれ設けられたポンプと、を備え、前記支持部には、複数の前記ダイが前記第1方向に沿って設けられ、前記ダイには、それぞれ、複数の前記樹脂ノズルが前記第1方向に沿って設けられていることを特徴とする。
本発明に係る極細繊維製造装置によれば、支持部には複数のダイが第1方向に沿って設けられ、ダイにはそれぞれ複数の樹脂ノズルが第1方向に沿って設けられている。また、各ダイにはそれぞれ溶融ポリマーを樹脂ノズルに向けて流すポンプが設けられている。これにより、溶融ポリマーの滞留を防止し、溶融ポリマーを樹脂ノズルから安定して吐出することができる。
前記ダイの内部には、ポリマー流路が形成されており、前記ポリマー流路は、下流側に向かうにつれて分岐しており、前記樹脂ノズルは、前記ポリマー流路のうちの最下流の流路にそれぞれ設けられており、前記ポンプは、前記ポリマー流路のうちの最上流の流路にそれぞれ設けられている。これにより、溶融ポリマーがポリマー流路内で詰まり難くなり、樹脂ノズルからの溶融ポリマーの吐出を安定させることができる。
前記ポンプには、それぞれ駆動部が設けられており、複数の前記樹脂ノズルからの前記溶融ポリマーの吐出量は略同一である。これにより、樹脂ノズルの位置によらず安定して極細繊維を製造することができる。
前記ポンプには、それぞれ駆動部が設けられており、前記支持部の中央近傍に配置された前記ポンプの回転数は、前記支持部の中央及び両端近傍以外に配置された前記ポンプの回転数より少なく、前記支持部の両端近傍に配置された前記ポンプの回転数は、前記支持部の中央及び両端近傍以外に配置された前記ポンプの回転数より多い。これにより、ダイ毎に溶融ポリマーの吐出量を調整することができる。
前記ダイにおいて、隣接する前記樹脂ノズルの間隔は略20mm〜略40mmである。これにより、溶融ポリマーの流れを安定させつつ、樹脂ノズルをできるだけ多く設けることができる。
前記樹脂ノズルに隣接して設けられたエアノズルを備え、前記エアノズルの中心軸は、略水平方向に沿っており、前記エアノズルは、前記樹脂ノズルの中心軸と交差する位置に配置されている。これにより、溶融ポリマーをできるだけ早い段階で空気流に乗せることで、空気による延伸の効果を高くすることができる。
前記溶融ポリマーが前記エアノズルから吐出された空気により延伸されて生成された繊維状の樹脂を捕集する捕集部と、過熱蒸気を生成する過熱器と、前記過熱器で生成された過熱蒸気を吐出する過熱蒸気ノズルと、を有する過熱蒸気供給部を備え、前記過熱蒸気ノズルは、前記樹脂ノズル、前記エアノズル及び前記捕集部により囲まれた空間に過熱蒸気を供給する。これにより、繊維径を小さくすることができる。
本発明によれば、溶融ポリマーの滞留を防止し、溶融ポリマーを樹脂ノズルから安定して吐出することができる。
メルトブロー装置1の概略を示す模式図である。 樹脂供給部10が有する支持部13及びダイ14の概略を示す図である。 ダイ14及び樹脂ノズル16の概略を示す図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。本発明の極細繊維製造装置は、例えば、熱可塑性プラスチック樹脂を溶融して押出機のノズルから吐出し、高速高温の気流で吹き出すメルトブロー法により、繊維径の小さい繊維(ナノファイバー等の極細繊維)を製造するのに用いられるメルトブロー装置である。ただし、極細繊維製造装置はメルトブロー装置に限られない。
<第1の実施の形態>
図1は、メルトブロー装置1の概略を示す模式図である。以下、水平方向をx方向、y方向とし、鉛直方向をz方向とする。また、水平方向のうち、溶融ポリマーが延伸された繊維状の樹脂の流れ方向をx方向とし、x方向と略直交する方向をy方向とする。
メルトブロー装置1は、主として、樹脂供給部10と、空気流発生部20と、捕集部30と、過熱蒸気供給部40と、を有する。
樹脂供給部10は、主として、ホッパ11と、押出機12と、支持部13と、ダイ14と、樹脂ノズル16と、を有する。熱可塑性プラスチック樹脂の原料チップをホッパ11に投入し、押出機12に備えられた図示しないヒータで加熱して熱可塑性プラスチック樹脂を溶融し、溶融ポリマーを得る。押出機12は、管12aを介して溶融ポリマーを支持部13へと押し出す。
支持部13は、長手方向がy方向に延設された略棒状の部材である。支持部13には、複数のダイ14が設けられている。
ダイ14には、複数の樹脂ノズル16が設けられている。樹脂ノズル16は、中心軸がz方向に略沿っており、溶融ポリマーを上方から下方に向けて吐出する。
本実施の形態では、熱可塑性プラスチック樹脂として、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリ乳酸(PLA)、ナイロンが用いられるが、これに限定されるものではない。
図2は、支持部13及びダイ14の概略を示す図である。なお、図2では、樹脂ノズル16の図示を省略している。
支持部13には、複数のダイ14がy方向に沿って設けられている。図2に示す形態では、12個のダイ14が支持部13に設けられている。
ダイ14には、ポンプ15がそれぞれ設けられている。ポンプ15は、全樹脂ノズル16からの溶融ポリマーの吐出量を略同一にするための流量調節機能を有する。ポンプ15は、例えばギアポンプであり、溶融ポリマーを樹脂ノズル16に向けて流す。ポンプ15には、それぞれ図示しないモータ等の駆動源が接続される。したがって、ポンプ15毎にそれぞれ回転数の調整が可能である。
図3は、ダイ14及び樹脂ノズル16の概略を示す図である。図3では、ダイ14の要部を透視している。図3の点線矢印は、溶融ポリマーの流れを示す。
ダイ14には、複数の樹脂ノズル16がy方向に沿って設けられている。図3に示す形態では、8個の樹脂ノズル16がダイ14に設けられている。
ダイ14の内部には、ポリマー流路14aが形成されている。ポリマー流路14aは、下流側に向かうにつれて分岐しているトーナメント方式の流路である。溶融ポリマーは、分岐点14bを通過する毎に、複数のポリマー流に分割される。
本実施の形態では、ポリマー流路14aは、各分岐点14bにおいて2個に分岐されている。ポリマー流路14aは7個の分岐点14bを有し、最上流側のポリマー流路14cは8個の最下流側のポリマー流路14dに分枝している。
ポリマー流路14dには、それぞれ樹脂ノズル16が設けられている。ポリマー流路14dに流入した溶融ポリマーは、樹脂ノズル16から吐出される。
本実施の形態では、ダイ14の幅w1は160mmであり、ポリマー流路14dは8個であるため、ダイ14において隣接する樹脂ノズル16の間隔w2は略20mmである。
ポリマー流路14cには、ポンプ15がそれぞれ設けられている。ポンプ15は、溶融ポリマーをポリマー流路14cからポリマー流路14dに向けて押し出すことで、溶融ポリマーの流れを速くして、ダイ14の内部における溶融ポリマーの流れを安定させる。したがって、支持部13に12個のダイ14を設け、ダイ14に各8個の樹脂ノズル16を設け、合計98個の樹脂ノズル16をy方向に沿って一列に設けても、各樹脂ノズル16から安定して樹脂が吐出される。
図2の説明に戻る。支持部13の中央近傍に配置されたポンプ15の回転数は、支持部13の中央及び両端近傍以外に配置されたポンプ15の回転数より少ない。これにより、支持部13の中央近傍に設けられたダイ14に溶融ポリマーが流れ込み過ぎて、樹脂ノズル16の孔径に対して溶融ポリマーの量が過剰になることで、樹脂ノズル16が詰まることを防止することができる。
また、支持部13の両端近傍に配置されたポンプ15の回転数は、支持部13の中央及び両端近傍以外に配置されたポンプ15の回転数より多い。これにより、支持部13の両端近傍に設けられたダイ14に溶融ポリマーが流れ難く、ダイ14の内部で樹脂が滞留し、熱劣化により樹脂ノズル16が詰まることを防止することができる。
図1の説明に戻る。空気流発生部20は、主として、圧縮空気を生成するコンプレッサ21と、圧縮空気が通過する配管22と、レギュレータ23と、配管22を加熱するヒータ24と、エアノズル25と、を有する。
エアノズル25は、樹脂ノズル16に隣接して設けられており、高温かつ高圧の空気を吐出する。また、エアノズル25は、y方向に沿って、樹脂ノズル16毎にそれぞれ設けられている。
本実施の形態では、エアノズル25から吐出するときの空気の温度が略700℃となるように、ヒータ24で配管22を加熱する。エアノズル25が樹脂ノズル16と別の部材であるため、エアノズル25から吐出するときの空気の温度をポリマーの熱分解温度以上にすることができる。
樹脂ノズル16の中心軸は略鉛直方向に沿っているため、樹脂ノズル16から吐出された溶融ポリマーは、自重で鉛直下向きに落下する。また、エアノズル25の中心軸が略水平方向に沿っているため、高温かつ高圧の空気は、エアノズル25から水平方向に噴き出す。
エアノズル25から吐出される空気は大風量(約70リットル/分)であり、風速も音速程度と早いため、エアノズル25の周囲には、エアノズル25から吐出される空気に沿った水平方向の随伴流が発生する。
樹脂ノズル16から吐出された溶融ポリマーは、まず随伴流に乗ってx方向に吹き飛ばされ、その後エアノズル25から吐出された空気により前方に吹き飛ばされることで延伸されて極細繊維となり、エアノズル25の前方(+x方向)に配置されたサクションドラム31に吹き付けられる。
エアノズル25は、樹脂ノズル16の中心軸と交差する。つまり、エアノズル25の先端は、樹脂ノズル16の中心軸よりも前方(+x方向)に位置する。このように、エアノズル25を樹脂ノズル16の中心軸と交差する位置に配置することで、自重で落下する溶融ポリマーをできるだけ早い段階で空気流に乗せることができる。したがって、空気による延伸の効果を高くすることができる
捕集部30は、主として、繊維状の樹脂を捕集する略円筒形状のサクションドラム31と、ブロワ32と、ブロワ32に接続された吸引部33と、不織布51、52が巻回された不織布ロール34、35と、巻取りドラム36と、を有する。ここで、不織布51は基材であり、不織布52はカバー材である。
エアノズル25から吐出された空気により、樹脂ノズル16から吐出された溶融ポリマーは極細繊維となり、サクションドラム31に吹き付けられる。サクションドラム31には不織布ロール34から引き出された不織布51が巻き掛けられており、吸引部33から空気が吸引されることで極細繊維が不織布51の表面に吸着する。
不織布51の端は巻取りドラム36に設けられている。巻取りドラム36が一定の速度で回転することで、極細繊維が表面に吸着した不織布51は、巻取りドラム36に向けて一定速度で移動する。
また、不織布ロール35から引き出された不織布52も、端が巻取りドラム36に設けられている。したがって、巻取りドラム36が一定の速度で回転することで、不織布52が不織布51表面の極細繊維層を覆う。そして、不織布52が不織布51表面の極細繊維層を覆ったものをカレンダー加工等により一体化することで、極細繊維が不織布51、52によって挟持された完成品(布状の製品)となり、巻取りドラム36に巻回される。この布状の製品は、例えば濾材として用いることができる。極細繊維が不織布51、52によって狭持されることにより形成された濾材は、空隙率が高く、通期抵抗が低いという利点がある。
過熱蒸気供給部40は、樹脂ノズル16、エアノズル25及びサクションドラム31により囲まれた空間に過熱蒸気を供給する。樹脂ノズル16、エアノズル25及びサクションドラム31により囲まれた空間は、エアノズル25から噴き出された空気が溶融ポリマーを繊維化する領域である。
過熱蒸気供給部40は、主として、過熱蒸気を発生させる過熱器41と、配管42と、過熱蒸気ノズル43と、を有する。過熱器41は、ボイラー(図示せず)等により発生する飽和蒸気をさらに熱し、高い温度の過熱蒸気を発生させる。過熱蒸気は、沸点より高い温度の乾いた水蒸気であり、例えば200℃から700℃程度の温度帯で使用される。過熱器41で生成された過熱蒸気は、配管42を介して過熱蒸気ノズル43に供給され、過熱蒸気ノズル43から吐出される。
過熱蒸気供給部40は、過熱蒸気ノズル43から合わせて略20kg/時間の過熱蒸気を供給する。過熱蒸気を大量に供給することで、樹脂ノズル16、エアノズル25及びサクションドラム31により囲まれた空間を高温高湿雰囲気下におくことができる。
過熱蒸気ノズル43は、中心軸が水平方向に対して傾いており、エアノズル25の下方(−z方向)かつ後方(-x方向)からエアノズル25に向けて過熱蒸気を吐出する。過熱蒸気ノズル43から吐出された過熱蒸気は、随伴流に乗って水平方向に流れる。その結果、過熱蒸気は、樹脂ノズル16、エアノズル25及びサクションドラム31により囲まれた空間に供給される。
樹脂ノズル16から吐出された溶融ポリマーは、過熱蒸気が樹脂ノズル16、エアノズル25及びサクションドラム31により囲まれた空間に供給されているため、高温高湿雰囲気下で延伸されて極細繊維となる。
本実施の形態によれば、支持部13をy方向に沿った略棒状とし、複数のダイ14をy方向に沿って支持部13に設け、複数の樹脂ノズル16をy方向に沿ってダイ14に設け、各ダイ14にポンプ15を設けることで、支持部13の幅が広く樹脂ノズル16の数が多い場合にも、樹脂ノズル16からの溶融ポリマーの吐出を安定させることができる。
例えば、各ダイ14にポンプ15を設けない場合には、支持部13の幅が広く樹脂ノズル16の数を多くすると、支持部13の両端近傍に設けられたダイ14に溶融ポリマーが流れ難く、ダイ14の内部で樹脂が滞留し、熱劣化により樹脂ノズル16が詰まるおそれがある。
それに対し、本実施の形態のように、各ダイ14にポンプ15を設け、支持部13の両端近傍に設けられたダイ14に溶融ポリマーを強制的に送り込むことで、ポリマー流路14a内に溶融ポリマーの流れを発生させる。その結果、ポリマー流路14a内に溶融ポリマーが滞留せず、樹脂ノズル16からの溶融ポリマーの吐出を安定させることができる。
そして、y方向に沿って並べられた複数の樹脂ノズル16からの溶融ポリマーの吐出を安定させることで、生産性を向上させることができる。表1は、従来のメルトブロー装置を用いた場合と、本発明のメルトブロー装置1を用いた場合との生産性を比較したものである。
Figure 2021175830
なお、30目付ライン速度とは、目付量30g/mの濾材を生産するための巻取り速度である。表1に示すように、本発明のメルトブロー装置1は、従来の形態のメルトブロー装置に比べ、極細繊維を吹き付ける不織布51の幅を広くすることができる。また、本発明のメルトブロー装置1は、従来の形態のメルトブロー装置に比べ、単位面積、単位時間あたりの紡糸量が多く、ライン速度をより速くすることができる。
また、本実施の形態によれば、各ダイ14にポンプ15を設け、ポンプ15毎に駆動源を設けることで、ダイ14毎に溶融ポリマーの流量を調整することができる。
例えば、各ダイ14にポンプ15を設けないときには、支持部13の幅が広く樹脂ノズル16の数を多くした場合、支持部13の中央近傍に設けられたダイ14に溶融ポリマーが流れ込み過ぎ、樹脂ノズル16の孔径に対して溶融ポリマーの量が過剰になることで、樹脂ノズル16が詰まるおそれがある。
それに対し、本実施の形態のように、各ダイ14にポンプ15を設けることで、ダイ14毎に溶融ポリマーの流量を調整することができるため、ダイ14及び樹脂ノズル16の配設位置によらず、樹脂ノズル16からの溶融ポリマーの吐出を安定させることができる。また、各ダイ14にポンプ15を設けることで、全樹脂ノズル16からの吐出量を略同一にし、樹脂ノズル16の位置によらず安定して極細繊維を製造することができる。
また、本実施の形態によれば、ダイ14の内部に形成されたポリマー流路14aが、下流側に向かうにつれて分岐しているため、溶融ポリマーがポリマー流路14a内を流れやすくなる。そして、ポリマー流路14aうちの最上流側のポリマー流路14cにポンプ15を設けることで、溶融ポリマーをポリマー流路14a内で詰まり難くし、樹脂ノズル16からの溶融ポリマーの吐出を安定させることができる。
なお、本実施の形態では、支持部13に12個のダイ14を設け、ダイ14に各8個の樹脂ノズル16を設けることで、合計98個の樹脂ノズル16がy方向に沿って設けたが、支持部13に設けるダイ14の数や、ダイ14に設ける樹脂ノズル16の数はこれに限られない。
また、本実施の形態では、ダイ14の幅w1が160mmであり、樹脂ノズル16の数が8個であり、隣接する樹脂ノズル16の間隔w2は略20mmであったが、ダイ14の幅w1が160mm程度である場合に、溶融ポリマーの流れを安定させつつ、樹脂ノズル16をできるだけ多く設けるためには、樹脂ノズル16の数は4〜8個、すなわち隣接する樹脂ノズル16の間隔w2は略20mm〜略40mmであることが望ましい。
なお、隣接する樹脂ノズル16の間隔w2を略20mm〜略40mmとすることで、ダイ14の幅によって異なるが、ダイ14に設ける樹脂ノズル16の数を4〜32個の範囲で設けることができる。
また、本実施の形態では、ポンプ15としてギアポンプを用いたが、ギアポンプに限らず、溶融ポリマーの流れを作ることができる様々な種類のポンプを用いることができる。例えば、ギアポンプやねじポンプ等の容積式の回転ポンプや渦巻きポンプをポンプ15として用いる場合には、ポンプ15毎に回転数を変え、支持部13の中央近傍に配置されたポンプ15の回転数を支持部13の中央及び両端近傍以外に配置されたポンプ15の回転数より少なくし、支持部13の両端近傍に配置されたポンプ15の回転数を支持部13の中央及び両端近傍以外に配置されたポンプ15の回転数より多くすることで、全樹脂ノズル16からの吐出量が略同一になる。
また、本実施の形態では、ポンプ15として同一のギアポンプを用いたが、ポンプ毎にギアポンプのスペック、例えば押しのけ容積を異ならせてもよい。例えば、各ポンプの回転数は変えず、支持部13の中央近傍に配置されたポンプ15の押しのけ容積を小さくし、支持部13の両端近傍に配置されたポンプ15の押しのけ容積を大きくし、ポンプ毎に駆動源を設けてもよい。この場合にも、複数の樹脂ノズルからの溶融ポリマーの吐出量は略同一になる。
また、本実施の形態では、エアノズル25の中心軸が水平方向に略沿っていたが、エアノズル25の中心軸は鉛直方向に略沿っていてもよい。ただし、エアノズル25から吐出する空気を高温にし、かつ、空気による溶融ポリマーの延伸の効果を高めるためには、エアノズル25の中心軸を水平方向に略沿って設けることが望ましい。また、本実施の形態では、エアノズル25の先端を樹脂ノズル16の中心軸よりも前方(+x方向)に配置し、エアノズル25が樹脂ノズル16の中心軸と交差したが、エアノズル25の先端位置はこれに限られず、例えばエアノズル25の先端が樹脂ノズル16の中心軸よりも後方(−x方向)に位置してもよい。ただし、随伴流で溶融ポリマーを延伸させるためには、エアノズル25を樹脂ノズル16の中心軸と交差する位置に配置することが望ましい。
また、本実施の形態では、メルトブロー装置1が過熱蒸気供給部40を有したが、過熱蒸気供給部40は必須ではない。ただし、過熱蒸気供給部40により、樹脂ノズル16、エアノズル25及びサクションドラム31により囲まれた空間を過熱蒸気で満たし、過熱蒸気による高温高湿雰囲気下で溶融ポリマーを繊維化するため、生成される極細繊維の繊維径を小さくすることができる。
また、過熱蒸気供給部40における過熱蒸気ノズル43の配置位置はこれに限られない。過熱蒸気ノズル43は、水平方向の位置がエアノズル25とサクションドラム31との間に位置するように設けられていてもよい。
なお、本実施の形態では、極細繊維を紡糸し、当該紡糸した極細繊維を不織布51、52によって挟持された布状の製品を製造したが、紡糸した極細繊維の形態はこれに限られない。例えば、紡糸した極細繊維を固めて綿形状としてもよい。
以上、この発明の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、上記の実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、実施形態の構成に他の構成の追加、削除、置換等をすることが可能である。
また、本発明において、「略」とは、厳密に同一である場合のみでなく、同一性を失わない程度の誤差や変形を含む概念である。例えば、「略鉛直方向」とは、厳密に鉛直方向の場合には限られず、例えば数度程度の誤差を含む概念である。また、例えば、単に直交、平行、一致等と表現する場合において、厳密に直交、平行、一致等の場合のみでなく、略平行、略直交、略一致等の場合を含むものとする。
また、本発明において「近傍」とは、基準となる位置の近くのある範囲(任意に定めることができる)の領域を含むことを意味する。例えば、端近傍という場合に、端の近くのある範囲の領域であって、端を含んでもいても含んでいなくてもよいことを示す概念である。
1 :メルトブロー装置
10 :樹脂供給部
11 :ホッパ
12 :押出機
12a :管
13 :支持部
14 :ダイ
14a、14c、14d:ポリマー流路
14b :分岐点
15 :ポンプ
16 :樹脂ノズル
20 :空気流発生部
21 :コンプレッサ
22 :配管
23 :レギュレータ
24 :ヒータ
25 :エアノズル
30 :捕集部
31 :サクションドラム
32 :ブロワ
33 :吸引部
34、35:不織布ロール
36 :巻取りドラム
40 :過熱蒸気供給部
41 :過熱器
42 :配管
43 :過熱蒸気ノズル
51、52:不織布

Claims (7)

  1. 長手方向が水平方向である第1方向に延設された略棒状の支持部と、
    前記支持部に設けられた複数のダイと、
    前記ダイに設けられた複数の樹脂ノズルであって、中心軸が鉛直方向に略沿っており、溶融ポリマーを吐出する樹脂ノズルと、
    前記溶融ポリマーを前記樹脂ノズルに向けて流すポンプであって、前記ダイにそれぞれ設けられたポンプと、
    を備え、
    前記支持部には、複数の前記ダイが前記第1方向に沿って設けられ、
    前記ダイには、それぞれ、複数の前記樹脂ノズルが前記第1方向に沿って設けられている
    ことを特徴とする極細繊維製造装置。
  2. 前記ダイの内部には、ポリマー流路が形成されており、
    前記ポリマー流路は、下流側に向かうにつれて分岐しており、
    前記樹脂ノズルは、前記ポリマー流路のうちの最下流の流路にそれぞれ設けられており、
    前記ポンプは、前記ポリマー流路のうちの最上流の流路にそれぞれ設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の極細繊維製造装置。
  3. 前記ポンプには、それぞれ駆動部が設けられており、
    複数の前記樹脂ノズルからの前記溶融ポリマーの吐出量は略同一である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の極細繊維製造装置。
  4. 前記ポンプには、それぞれ駆動部が設けられており、
    前記支持部の中央近傍に配置された前記ポンプの回転数は、前記支持部の中央及び両端近傍以外に配置された前記ポンプの回転数より少なく、
    前記支持部の両端近傍に配置された前記ポンプの回転数は、前記支持部の中央及び両端近傍以外に配置された前記ポンプの回転数より多い
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の極細繊維製造装置。
  5. 前記ダイにおいて、隣接する前記樹脂ノズルの間隔は略20mm〜略40mmである
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の極細繊維製造装置。
  6. 前記樹脂ノズルに隣接して設けられたエアノズルを備え、
    前記エアノズルの中心軸は、略水平方向に沿っており、
    前記エアノズルは、前記樹脂ノズルの中心軸と交差する位置に配置されている
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の極細繊維製造装置。
  7. 前記溶融ポリマーが前記エアノズルから吐出された空気により延伸されて生成された繊維状の樹脂を捕集する捕集部と、
    過熱蒸気を生成する過熱器と、前記過熱器で生成された過熱蒸気を吐出する過熱蒸気ノズルと、を有する過熱蒸気供給部を備え、
    前記過熱蒸気ノズルは、前記樹脂ノズル及び前記捕集部により囲まれた空間に過熱蒸気を供給する
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の極細繊維製造装置。
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