JP2016204774A - ナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド及びナノファイバー製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 短繊維化あるいは粒子化を引き起こすことなく、製造量を確保しつつ細径化が可能なナノファイバー形成用噴射ノズルヘッドを提供する。【解決手段】 溶融状態の高分子材料を略水平方向に噴射する1以上の高分子材料噴射口と、高分子材料の温度より高温に加熱されたエアを、高分子材料の噴射速度より高速で、略水平方向に噴射するエア噴射口と、を有するナノファイバー形成用噴射ノズルヘッドであって、1以上の高分子材料噴射口から噴射する高分子材料が、エア噴射口から噴射するエアの流れに巻き込まれて、噴射方向に延伸するように、1以上の高分子材料噴射口は、エア噴射口の周方向半円の上側に設けられる。【選択図】 図1

Description

本発明は、ナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド及びナノファイバー製造装置に関し、より詳細には、短繊維化あるいは粒子化を引き起こすことなく、製造量を確保しつつ細径化が可能なナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド及びナノファイバー製造装置に関する。
ナノファイバーは、超比表面積効果、ナノサイズ効果及び超分子配列効果という固有の効果が知られており、これらの効果より以下のような特性を呈する。
具体的には、超比表面積効果より分子認識性及び吸着特性が、ナノサイズ効果より流体力学的特性及び光学特性が、超分子配列効果より電気的特性、力学的特性及び熱的特性が、それぞれ従来には見られない特性として認識される。これらの新規な特性に基づいて、例えば、電気電子分野、フィルタ分野、医療分野、衣料分野、バイオテクノロジー分野、自動車分野、建材分野、エネルギー分野など多様な用途への途が模索されている。
従来の高分子材料を原料とするナノファイバーの製造方法には、メルト式ブロー法によるマイクロファイバーの製造方法がある(例えば、非特許文献1参照)。
この方式は、熱可塑性樹脂から1段階で不織布を形成する溶融紡糸法である。押し出し機により溶融した熱可塑性樹脂を幅方向1メートル当たり数百ないし1000個以上の口金を有するノズルから高温高圧の空気流れを利用して糸状に下方向に吹き出し、繊維状に延伸された熱可塑性樹脂をコンペアー上で集積し、その間に繊維同士の絡み合い及び融着が起こる。これにより、バインダー不要な自己接着型極細繊維のウェブが形成される。
しかしながら、非特許文献1のメルトブロー法によるマイクロファイバーの製造方法には、以下のような技術的問題点がある。
第1に、熱可塑性樹脂の細径化は、マイクロレベルであり、ナノファイバーを製造することが困難な点である。
より詳細には、熱可塑性樹脂用吹き出し口から噴射する熱可塑性樹脂の流れに対して、エア吹き出しノズルから噴射する高速エアの流れをぶつけている。より細径化をするためにエアを高速化すると、延伸化の際、短繊維化あるいは粒子化を引き起こす。さらに、エアを高速化すると、溶融状態の熱可塑性樹脂が冷却され、延伸化が制限される。
第2に、製造されるファイバーが不織布に限定され、様々な態様のファイバーを製造するのが困難な点である。
タピルス株式会社ホームページ Melt-Blown(メルトブロー)製造方法 (URL: http://www.tapyrus.co.jp/jap/one_hierarchy/meltblown.html)
以上の技術的問題点に鑑み、本発明の目的は、短繊維化あるいは粒子化を引き起こすことなく、製造量を確保しつつ細径化が可能なナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド及びナノファイバーの製造装置を提供することである。
上記課題を達成するために、本発明のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッドは、溶融状態の高分子材料を略水平方向に噴射する1以上の高分子材料噴射口と、高分子材料の温度より高温に加熱されたエアを、高分子材料の噴射速度より高速で、略水平方向に噴射するエア噴射口と、を有し、1以上の高分子材料噴射口から噴射する高分子材料が、エア噴射口から噴射するエアの流れに巻き込まれて、噴射方向に延伸するように、1以上の高分子材料噴射口は、エア噴射口の周方向半円の上側に設けられることを特徴とする。
本発明のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッドによれば、短繊維化あるいは粒子化を引き起こすことなく、製造量を確保しつつ細径化が可能なナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド及びナノファイバーの製造装置を提供することが可能となる。
本実施形態のナノファイバー製造装置のブロック図である。 本実施形態のナノファイバー製造装置の全体構成図である。 本実施形態のナノファイバー製造装置の噴射ノズルヘッドの断面図である。 本実施形態のナノファイバー製造装置の噴射ノズルヘッドの端面図である。 本実施形態のナノファイバー製造装置の噴射ノズルヘッドの端面図である。 本実施形態のナノファイバー製造装置の噴射ノズルヘッドから噴射される熱可塑性樹脂及びエアの相互作用を示す概念図である。 本実施形態のナノファイバー製造装置の噴射ノズルヘッドの他の形態の断面図である。
以下に、本実施形態のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド及びナノファイバー製造装置を、図を参照して説明する。
ナノファイバーの原料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリエチレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ-m-フェニレンテレフタレート、ポリ-p-フェニレンイソフタレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン-アクリレート共重合体、ポリアクリロニトリル、ポリアクリロニトリル-メタクリレート共重合体、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステルカーボネート、ポリアミド、アラミド、ポリイミド等の熱可塑性樹脂を使用できる。ナノファイバーの原料は、これらより選ばれる一種でもよく、複数の種類が混在してもよい。
図1に示すように、本実施形態のナノファイバー製造装置10は、ナノファイバー形成用の噴射ノズルヘッド12と、噴射ノズルヘッド12に熱可塑性樹脂を供給する熱可塑性樹脂供給部14と、噴射ノズルヘッド12にエアを供給するエア供給部16とを有する。熱可塑性樹脂供給部14は、熱可塑性樹脂を加熱して混練する混練搬送部20を有する。エア供給部16は、エア加熱部22を有する。
図2に示すように、熱可塑性樹脂供給部14は、内部に熱可塑性樹脂の混練搬送スペース26を構成する筒体のバレルを有する。バレルには、ビーズ状又はペレット状の熱可塑性樹脂原料を受け入れるホッパー28が設けられる。混練搬送スペース26には、熱可塑性樹脂原料を混練搬送する螺旋状スクリュー30が配置される。筒体の混練搬送スペース26に相当する部分の外周面には、バンド状ヒータ−32A、B、Cが、バレルの軸線方向に互いに間隔を隔てた状態で巻き付けられる。噴射ノズルヘッド12は、その軸線方向が、螺旋状スクリュー30の軸線方向と一致するように、他方の端面54Bが筒体の端面と突き合わせられる。これにより、噴射ノズルヘッド12は、螺旋状スクリュー30の前方に設けられる。噴射ノズルヘッド12は、螺合形態で複数のねじ穴57を介して、バレル側に連結固定される。螺旋状スクリュー30の先端は、後に説明する噴射ノズルヘッド12の溶融樹脂溜まり部62に臨むように設けられる。
螺旋状スクリュー30は、その基端でスクリュー駆動モーター31と連結され、回転軸受(図示せず)を介してバレルにより支持される。螺旋状スクリュー30は、スクリュー駆動モーター31により、バレルの軸線方向を中心に回転駆動される。
熱可塑性樹脂をバレルに供給するための漏斗状のホッパー28が、バレルの基端部側に取り付けられる。熱可塑性樹脂は、ペレット状あるいはビーズ状でホッパー28を通じてバレルの混練搬送スペース26内に供給される。
バレルは、軸線方向に沿って複数の温度制御ゾーン、例えば、Z1〜Z5に区分けされる。各温度制御ゾーンZ2〜Z4に対応して、バンド式ヒーター32A、B、Cがバレルの周囲を囲むように設けられる。温度制御ゾーンZ5に対応して、噴射ノズルヘッド12の周側面56には、バレルと同様に、バンド式ヒーター32Dが設置される。
熱可塑性樹脂の温度が熱可塑性樹脂噴射口42に近づくに連れて、徐々に溶融状態となるように、バレルの外表面温度は、バンド式ヒーター32Aの加熱温度<バンド式ヒーター32B、Cの加熱温度<バンド式ヒーター32Dの加熱温度となるように設定する。これにより各温度制御ゾーンZ2〜Z4に対応するバレル内の熱可塑性樹脂の温度を調整する。
図3から5に示すように、噴射ノズルヘッド12は、溶融状態の熱可塑性樹脂を略水平方向に噴射する1以上の熱可塑性樹脂噴射口42と、溶融状態の熱可塑性樹脂の温度より高温に加熱されたエアを、溶融状態の熱可塑性樹脂の噴射速度より高速で、略水平方向に噴射するエア噴射口44とを有し、熱可塑性樹脂噴射口42は、所定の半径を有する、エア噴射口44の上側半円の周方向に設けられる。
熱可塑性樹脂噴射口42は、円形形状であり、例えば、径は、0.4ミリである。単一エア噴射口44は、円形形状であり、例えば、径は、2ミリである。ただし、熱可塑性樹脂噴射口42からの熱可塑性樹脂の噴出量を均等化するためには、熱可塑性樹脂噴射口42Cの内径>熱可塑性樹脂噴射口42B、Dの内径>熱可塑性樹脂噴射口42A、Eの内径としてもよい。これは、噴射ノズルヘッド12は、略水平方向に噴出するように設置されることから、下方の熱可塑性樹脂噴射口42の方が噴出量が多くなる傾向があるからである。これにより、樹脂の吐出量を均等化でき繊維径のバラつきを防ぎ、品質の安定化につながる。
熱可塑性樹脂噴射口42から噴射する溶融状態の熱可塑性樹脂が、エア噴射口44から噴射するエアの流れに巻き込まれて、噴射方向に延伸するように、熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eは、所定の半径のエア噴射口44の上側半円周上の角度範囲に亘って、均等な角度間隔で設けられる。
圧縮空気を形成するエアコンプレッサー16が、外部エア搬送管61の先端に設けられる。エアコンプレッサー16は、外部エア搬送管61及び内部エア搬送管60を介して、圧縮空気を供給する。外部エア搬送管61は、噴射ノズルヘッド12に螺合形態で内部エア搬送管60と連通可能に接続される。外部エア搬送管61の外周面には、バンド式エアヒータ−22が巻き付けられる。エアコンプレッサー16から圧送されるエアが外部エア搬送管61内を流れる際、バンド式エアヒーター22によりエアを熱可塑性樹脂の溶融温度より高い温度に加熱する。
エア噴射口44は、所定長さの中空棒状の延長ノズル48の先端に備わる。噴射ノズルヘッド12は、エアの噴射方向に開口する開口部と底部を有する凹部50をさらに備え、延長ノズル48の末端が凹部50の底部に取り付けられる。凹部50は、対称軸線をエア噴射方向に沿うように配置した軸対称構造な円錐台状であり、エア噴射口44は、円形開口であり、対称軸線がその中心を通るように配置される。
圧縮され加熱されたエアは、エア噴射口44から噴出した瞬間から温度が低下する。エアの温度が低下した場合には、熱可塑性樹脂の延伸化が阻害される。そのため、エア噴射口44の位置は可能な限り、熱可塑性樹脂噴射口42の下流方向に位置させ、噴射するエアの温度を維持することが好ましい。本実施形態ではエア噴射口44を延長ノズル48の先端に配置することにより、エア噴射口44の位置の調整を容易にし、エアの温度低下を可能な限り防いでいる。
本実施形態の延長ノズル48において、延長ノズル48の末端が凹部50の底部に取り付けられることが好ましい。凹部50が備わることにより、エア噴射口44の背面に空気層が存在することになり、エア噴射口44から噴射されるエアの中心流れA及び周辺流れBの領域が安定化する。
次に、熱可塑性樹脂噴射口42は、凹部50の外側で、エア噴射口44を中心にした上側の周方向に所定半径の同心円状に配置される。周方向に互いに隣接する熱可塑性樹脂噴射口42は、所定の角度間隔を隔てる。本実施形態では、5つの熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eが、等角度間隔を隔てて配置される。なお、周方向に隣接する熱可塑性樹脂噴射口42の角度間隔は、後に説明するように、それぞれの噴射口から噴射された熱可塑性樹脂が、エアの流れに巻き込まれるまでに互いに接触せず、かつ、延伸化された後、捕集部70まで空中を飛行中に、互いに絡み合って進むところ、このような絡み合いの程度を考慮して、設定すればよい。
噴射ノズルヘッド12は、対向する端面54A、Bと、端面54A、B間の周側面56とを有する。噴射ノズルヘッド12は、略円柱状であり、その材質は、SUS製である。熱可塑性樹脂噴射口42及び凹部50が、端面54A上に形成される。噴射ノズルヘッド12には、一方の端開口が熱可塑性樹脂噴射口42を形成し熱可塑性樹脂の流路を構成する熱可塑性樹脂用貫通孔58が設けられ、さらに、エアの流路を構成するエア用貫通孔60が設けられる。延長ノズル48は、エア用貫通孔60の他方の端開口に連通し、端面54Aに向かって延びる貫通路として構成される。また、本実施形態において、熱可塑性樹脂噴射口42とエア噴射口44とは、端面54Aと同一面に配置される。これにより、エアの熱が低下しないため繊維径が極細径化する。また、熱可塑性樹脂の吐出量(スクリューモーターの回転数15Hz→22Hzに上げる)を3〜4割増やす事が可能となる。なお、熱可塑性樹脂噴射口42とエア噴射口44とは端面54Aとは同一面ではなく、ある程度突出、もしくは、後退させてもよい。ただし、エア噴射口44を突出させる場合には、数ミリを限度とするのがよい。
熱可塑性樹脂用貫通孔58は、溶融樹脂溜め部62に連通する拡径部58と、熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eに連通する縮径部59と、拡径部58と縮径部59とを接続するテーパー部55とを有する。拡径部58と溶融樹脂溜め部62とが、熱可塑性樹脂のバッファスペースとなり、熱可塑性樹脂噴射口42からの熱可塑性樹脂の円滑な噴射を確保できる。
熱可塑性樹脂用貫通孔58の他方の端開口は、端面54B上に設けられる。熱可塑性樹脂用貫通孔58は、噴射ノズルヘッド12の長手方向に延びる。エア用貫通孔60の他方の端開口は、周側面56上に設けられる。エア用貫通孔60は、噴射ノズルヘッド12の長手方向に交差する方向に延びる部分を有する。
端面54B上には、窪み状の溶融樹脂溜め部62が形成される。溶融樹脂溜め部62は、噴射ノズルヘッド12をバレルの端面に螺合形態で固定する際、バレル内の混練搬送スペース26と連通する。図2に示すように、螺旋状スクリュー30の先端は、溶融樹脂溜め部62まで及ぶ。熱可塑性樹脂用貫通孔58は、溶融樹脂溜め部62に連通する。溶融樹脂溜め部62は、噴射上流方向に先細形状をなし、例えば、軸対称構造な円錐台状でよい。
捕集部70は、例えば、捕集ドラムからなり、ドラムの周表面に、ナノファイバーを捕集する。ナノファイバー部材又はナノファイバー綿を製造する場合、層厚を調整するために、捕集ドラムをドラムの軸線方向に往復移動させてもよい。
以上の構成を有する噴射ノズルヘッド12によれば、溶融状態の熱可塑性樹脂の流れがエアの流れに巻き込まれる際、エアによって融点以下に冷却されることなしに、エアの流れにより、噴射方向に延伸される。熱可塑性樹脂の種類に応じて、例えば、溶融状態の熱可塑性樹脂の流量を下げる一方、エアの噴射速度を上げる等の調整により、ナノファイバーを形成することができる。
以上の構成を有する本実施形態のナノファイバー製造装置10の作用について、図6を参照して詳細に説明する。
エアコンプレッサー16を駆動して、熱可塑性樹脂の噴射速度より高い噴射速度となるように、外部搬送管61を通じてエアを噴射ノズルヘッド12に向かって供給する。その際、バンド式ヒーター22により、熱可塑性樹脂の溶融温度より高い温度となるようにエアを加熱する。次いで、内部搬送管60を通じて、エア噴射口44から高温高圧エアを略水平方向に噴射する。その際、高温高圧エアにより中心流れAが発生し、中心流れAのまわりに、気圧差を発生し、中心流れAより低速低圧エアの周辺流れBが生じる。
次いで、熱可塑性樹脂を熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eから噴射する。より詳細には、ホッパー28からバレル内にビーズ状あるいはペレット状の熱可塑性樹脂原料が供給され、熱可塑性樹脂原料は、バレルの外周面に設けられたバンド式ヒーター32A、B、Cにより加熱されるとともに、駆動モーター61により回転する螺旋スクリュー30により、噴射ノズルヘッド12に向かって混練搬送される。
この場合、バンド式ヒーター32A、B、Cにより、熱可塑性樹脂原料が混練搬送されながら、徐々に加熱されて、溶融状態となるようにする。
次いで、溶融状態の熱可塑性樹脂原料は、溶融樹脂溜まり部62に一時的に溜まる。溶融状態の熱可塑性樹脂原料は、熱可塑性樹脂用貫通孔58A〜Eを介して、熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eから略水平方向に噴射する。より詳細には、溶融樹脂溜まり部62に溜まっている溶融状態の熱可塑性樹脂原料は、ほぼ均等に、熱可塑性樹脂用貫通孔58A〜Eに供給され、拡径部58、テーパー部55及び縮径部59を介して、熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eに到る。これにより、拡径部58がさらに一時的な溜め部として機能し、熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eから滞りを生じることなしに、溶融状態の熱可塑性樹脂原料が円滑に略水平方向に噴射する。
次いで、加熱溶融した熱可塑性樹脂を糸状に噴射させつつ、熱可塑性樹脂の流れを巻き込むように、熱可塑性樹脂の噴射速度より高い噴射速度で、加熱温度より高い温度に加熱したエアを略水平方向に噴射する。これにより、糸状の溶融熱可塑性樹脂を延伸してナノレベルまで細経化する。
図6に示すように、エアを噴射する際、噴射方向に沿って、高速の中心流れ領域Aと、そのまわりの、中心流れ領域Aより低速の周辺流れ領域Bとが生じる。熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eそれぞれから糸状に噴射する溶融状態の熱可塑性樹脂原料は、エア噴射口44から噴射されるエア流れの周辺流れ領域Bの外側周辺から中心流れ領域Aに向かって徐々に巻き込まれることにより、延伸化される。
より詳細には、熱可塑性樹脂の流れCを、まず低速の周辺流れBに中心流れAに向かって巻き込み、ここで、糸状の熱可塑性樹脂が延伸化され、さらに、中心流れAに巻き込まれて、より延伸化され、糸状の熱可塑性樹脂が細径化され、D3が延伸化領域を形成する。
このようにして、溶融状態に維持された糸状の熱可塑性樹脂の流れが徐々に段階的に延伸化されて、空中で絡み合いながら捕集部70まで進む。これにより、従来のように、熱可塑性樹脂の流れが急激に延伸化されて短繊維化あるいは粒子化するのを有効に防止できる。
好ましくは、本実施形態のように、熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eをエア噴射口44のまわりに、エア噴射口44を中心とする同心配置するのがよい。これにより、熱可塑性樹脂噴射口42A〜Eにおいて、エア噴射口44を共用化し、熱可塑性樹脂噴射口とエア噴射口とを一対一対応させる場合に比べて、ナノファイバーを製造するのに必要なエア量を低減することできる。
エア噴射口44と熱可塑性樹脂噴射口42との半径方向の距離D1を調整することにより、エアの噴射流量が一定の場合、熱可塑性樹脂のエア流れへの巻き込みの程度を調整することができる。
なお、本実施形態においては、凹部50を円錐台状としているが、図7に示すように、径D5の円筒状としてもよい。また、凹部50は他の形状であってもよい。
以上、本発明の実施形態を詳細に説明したが、本発明の範囲から逸脱しない範囲内において、当業者であれば、種々の修正あるいは変更が可能である。
本実施形態において、ナノファイバーの原料として、熱可塑性樹脂として説明したが、それに限定されない。溶融加熱した原料を噴射して、高速エアの流れに巻き込ませて、延伸化か可能である限り、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリ酢酸ビニル、ポリペプチド等及びこれらの共重合体も適用できる。
本実施形態において、熱可塑性樹脂噴射口及びエア噴射口の形状及び配置に関し、熱可塑性樹脂噴射口及びエア噴射口いずれも円形開口であり、周方向に隣接する熱可塑性樹脂噴射口の角度間隔は、すべて同じものとして説明したが、それに限定されない。ナノファイバーに要求される仕様を達成可能である限り、円形開口でなく、非円形開口、例えば矩形開口、環状開口でもよい。
本実施形態において、1種類のビーズ状の熱可塑性樹脂原料を用いて、混練中に加熱溶融させるものとして説明したが、それに限定されない。溶融状態の熱可塑性樹脂を噴射口より噴射可能である限り、複数種類の熱可塑性樹脂原料を用いてもよい。
本実施形態において、ナノファイバー製品として、糸状の長繊維(フィラメントヤーン)のものとして説明したが、それに限定されない。二次元化(平面化)しか製品形態であるフィルム、織物、不織布、編物等や、三次元(立体化)した製品形態である立体成型物、立体織物・編物、組紐等々、さらには、織物、不織布、編物の上にナノファイバーをコーティングしたり、酵素や微生物と複合した高分子として紡糸するのに利用することもできる。
10:ナノファイバー製造装置
12:噴射ノズルヘッド
42:熱可塑性樹脂噴射口
44:エア噴射口
48:延長ノズル
50:凹部

Claims (9)

  1. 溶融状態の高分子材料を略水平方向に噴射する1以上の高分子材料噴射口と、
    前記高分子材料の温度より高温に加熱されたエアを、前記高分子材料の噴射速度より高速で、前記略水平方向に噴射するエア噴射口とを有し、
    前記1以上の高分子材料噴射口から噴射する前記高分子材料が、前記エア噴射口から噴射するエアの流れに巻き込まれて、噴射方向に延伸するように、前記1以上の高分子材料噴射口は、前記エア噴射口の上側の半円周上に設けられる、ことを特徴とするナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  2. 前記エア噴射口を先端に備えた棒状の延長ノズルをさらに有する、請求項1に記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  3. 前記エアの噴射方向に開口する開口部を有する凹部をさらに備え、
    前記延長ノズルは、前記凹部内に配置される、請求項2に記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  4. 前記高分子材料噴射口と前記エア噴射口とは同一面に存在する、請求項1から3のいずれかに記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  5. 前記凹部は、円筒状若しくは円錐台状である、請求項1から4のいずれかに記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  6. 前記高分子材料噴射口は、前記エア噴射口を中心にそのまわりに同心円状に複数配置され、周方向に隣接する前記高分子材料噴射口は、所定の角度間隔を隔てる、請求項1から5のいずれかに記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  7. 溶融状態の高分子材料が所定量滞留する窪み状の高分子材料溜め部をさらに有し、
    前記高分子材料噴射口は、前記高分子材料溜め部に連通する、請求項1から6のいずれかに記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  8. 前記複数の高分子材料噴射口において、上方に位置する高分子材料噴射口の噴射口径は、下方に位置する高分子材料噴射口の噴射口径より大きい、請求項6または7に記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッド。
  9. 請求項1から8のいずれかに記載のナノファイバー形成用噴射ノズルヘッドを有することを特徴とするナノファイバー製造装置。
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JP2018080405A (ja) * 2016-11-14 2018-05-24 関西電子株式会社 樹脂ファイバの製造方法、これに用いられるノズルヘッド及び製造装置

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