JP2021175765A - イミド樹脂、硬化性樹脂組成物、イミド樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物の製造方法、硬化物、及び硬化物の製造方法 - Google Patents

イミド樹脂、硬化性樹脂組成物、イミド樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物の製造方法、硬化物、及び硬化物の製造方法 Download PDF

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康介 桑田
Kosuke Kuwata
洋一 谷本
Yoichi Tanimoto
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Abstract

【課題】優れた柔軟性を有するとともに、基板との密着性が高い樹脂膜を形成可能なイミド樹脂、かかるイミド樹脂を含有する硬化性樹脂組成物及びその硬化物、並びにこれらの製造方法を提供する。【解決手段】本発明のイミド樹脂は、ウレタン結合及び尿素結合を含む主骨格(a)を有し、前記主骨格(a)は、2価の鎖状基及び2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物(a1)と、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a2)と、2個以上のカルボン酸無水物基を有する酸無水物基含有化合物(a3)と、水及び/又は2個以上のアミノ基を有するアミン化合物(a4)とを必須の原料として反応させてなることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、イミド樹脂、硬化性樹脂組成物、イミド樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物の製造方法、硬化物、及び硬化物の製造方法に関する。
イミド樹脂は、耐熱性、電気特性、機械的強度に優れ、電気電子産業の分野をはじめ様々な分野で利用されている。一般的に化学的及び物理的に高い物性を発現する芳香族イミド樹脂は、イミド基とフェニル基との間の分子間電荷移動(CT)錯体形成によって有機溶剤に溶解し難い。そのため、製品としては、フィルムやその前駆体溶液として提供されている。しかしながら、フィルムでは、成形、加工又は塗工が困難であり、また、前駆体では、イミド化工程を高温で行う必要があったり、適用用途や応用面での制限が大きかった。
上記問題点を解決するため、芳香族イミド樹脂に代えて、有機溶剤に対する可溶性を有するブタジエン変性ソフトイミド樹脂を用いた製品が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。このようなブタジエン変性ソフトイミド樹脂を用いた半導体用基板では、ブタジエン由来の柔軟な骨格が基板の応力緩和性能を発現し、半導体製造時における熱による基板の反りを緩和できるという特徴を有する。
一方で、かかるイミド樹脂は、ブタジエン由来の骨格の存在により、多層基板を作製する際の熱履歴により硬化して、多層基板の柔軟性、及び基板同士の間の密着性が損なわれることが判明した。そこで、仮に、ブタジエン由来の骨格を有さなくとも、優れた柔軟性及び基板との高い密着性を有するイミド樹脂が求められている。
特開2007−146188号公報
本発明は、優れた柔軟性を有するとともに、基板との密着性が高い樹脂膜を形成可能なイミド樹脂、かかるイミド樹脂を含有する硬化性樹脂組成物及びその硬化物、並びにこれらの製造方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、所定の化合物を反応させて得られる、ウレタン結合及び尿素結合を含むイミド樹脂、或いはかかるイミド樹脂と硬化剤とを含有する硬化性樹脂組成物を使用すれば、柔軟性に優れ、基板との密着性が高い樹脂膜(硬化物)を形成し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(19)に関する。
(1) 本発明のイミド樹脂は、ウレタン結合及び尿素結合を含む主骨格(a)を有するイミド樹脂であって、
前記主骨格(a)は、2価の鎖状基及び2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物(a1)と、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a2)と、2個以上のカルボン酸無水物基を有する酸無水物基含有化合物(a3)と、水及び/又は2個以上のアミノ基を有するアミン化合物(a4)とを必須の原料として反応させてなることを特徴とする。
(2) 本発明のイミド樹脂では、前記水酸基含有化合物(a1)は、前記水酸基含有化合物(a1)は、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリシロキサンポリオールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(3) 本発明のイミド樹脂では、前記水酸基含有化合物(a1)は、前記2価の鎖状基が飽和していることが好ましい。
(4) 本発明のイミド樹脂では、前記イソシアネート化合物(a2)は、脂環式イソシアネート化合物であることが好ましい。
(5) 本発明のイミド樹脂では、前記酸無水物基含有化合物(a3)は、テトラカルボン酸二無水物であることが好ましい。
(6) 本発明のイミド樹脂では、前記テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、シクロブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
(7) 本発明のイミド樹脂では、前記アミン化合物(a4)は、環状構造を有することが好ましい。
(8) 本発明のイミド樹脂は、その数平均分子量が400〜20,000であることが好ましい。
(9) 本発明のイミド樹脂では、前記主骨格(a)は、その主鎖の少なくとも1つの末端にイソシアネート基を備え、
さらに、前記主骨格(a)の前記イソシアネート基と反応し得る反応性基及び重合性基を有する反応性化合物(b)を必須の原料として反応させてなる硬化性イミド樹脂であることが好ましい。
(10) 本発明のイミド樹脂では、前記反応性化合物(b)の前記反応性基は、水酸基であることが好ましい。
(11) 本発明のイミド樹脂では、前記反応性化合物(b)の前記重合性基は、フェノール性水酸基であることが好ましい。
(12) 本発明の硬化性樹脂組成物は、本発明のイミド樹脂と、
前記イミド樹脂を硬化させ得る硬化剤とを含有することを特徴とする。
(13) 本発明の硬化性樹脂組成物では、前記硬化剤は、エポキシ樹脂であることが好ましい。
(14) 本発明の硬化性樹脂組成物では、前記エポキシ樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂であることが好ましい。
(15) 本発明の硬化性樹脂組成物では、前記エポキシ樹脂は、その軟化点が50〜120℃であることが好ましい。
(16) 本発明のイミド樹脂の製造方法は、ウレタン結合及び尿素結合を含む主骨格(a)を有するイミド樹脂の製造方法であって、
2価の鎖状基及び2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物(a1)と、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a2)と、2個以上のカルボン酸無水物基を有する酸無水物基含有化合物(a3)と、水及び/又は2個以上のアミノ基を有するアミン化合物(a4)とを必須の原料として反応させて、前記主骨格(a)を得る工程を有することを特徴とする。
(17) 本発明の硬化性樹脂組成物の製造方法は、本発明のイミド樹脂と、前記イミド樹脂を硬化させ得る硬化剤とを配合する工程を有することを特徴とする。
(18) 本発明の硬化物は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする。
(19) 本発明の硬化物の製造方法は、本発明の硬化性樹脂組成物を硬化する工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、ウレタン結合及び尿素結合を含むため、優れた柔軟性を有するとともに、基板との密着性が高い樹脂膜(硬化物)を形成可能なイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物、並びに柔軟性に優れ、低誘電化された硬化物が得られる。また、本発明によれば、イミド樹脂、硬化性樹脂組成物及び硬化物を効率よく製造することができる。
以下、本発明のイミド樹脂、硬化性樹脂組成物、イミド樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物の製造方法、硬化物、及び硬化物の製造方法について、好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のイミド樹脂の製造方法は、ウレタン結合及び尿素結合を含む主骨格(a)を有するイミド樹脂を製造する方法である。かかるイミド樹脂の製造方法は、2価の鎖状基及び2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物(a1)と、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a2)と、2個以上のカルボン酸無水物基を有する酸無水物基含有化合物(a3)と、水及び/又は2個以上のアミノ基を有するアミン化合物(a4)とを必須の原料として反応させて、主骨格(a)を得る工程を有する。
従って、主骨格(a)は、ウレタン結合及び尿素結合を有することになる。ウレタン結合及び尿素結合の存在により、主骨格(a)の柔軟性及び極性が高まる。特に、きょう疎結合の高い水素結合能により、イミド樹脂の分子同士の間での凝集力が向上する。このため、かかるイミド樹脂を用いて得られる樹脂膜は、優れた柔軟性を有するとともに、基板との密着性が高かまる。
かかるイミド樹脂及びこれを含有する硬化性樹脂組成物は、各種耐熱性コーティング材料や電気絶縁材料、例えばプリント配線基板の層間絶縁材料、ビルドアップ材料、ソルダーレジスト材料、カバーレイフィルム材料、プリプレグ含浸材料、半導体素子の絶縁材料、半導体素子の封止材料(モールドアンダーフィル材料)、耐熱性接着剤等として好適に使用される。
上記構成により、本発明のイミド樹脂は、比較的長い鎖状構造(すなわちソフトセグメント)を有するため、これを含有する硬化性樹脂組成物を用いて形成された樹脂膜は、高い柔軟性を有する。
本発明のイミド樹脂が有する主骨格(a)としては、例えば、下記(式1)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021175765
[Raは、下記(式2)で表される構造単位であり、Rbは、下記(式3)で表される構造単位であり、2つのRcは、それぞれ独立して、イソシアネート基(−NCO)又は下記(式4)で表される基であり、Reは、アミン化合物(a4)の残基を表し、l、m、o及びpは、それぞれ独立して0〜15の整数であり、nは0または1である。水により尿素結合を導入した場合には、m及びnは共に0であり、アミン化合物(a4)で尿素結合を導入した場合には、nは1である。]
Figure 2021175765
[Rは、水酸基含有化合物(a1)の残基(2価の鎖状基)であり、Rは、イソシアネート化合物(a2)の残基であり、xは、1〜15の整数である。]
Figure 2021175765
[Rは、酸無水物基含有化合物(a3)の残基である。]
Figure 2021175765
[Rは、上記(式3)のRと同一である。]
かかる主骨格(a)を有するイミド樹脂では、ウレタン結合及び尿素結合を含み、2個のウレタン結合同士の間に、2価の鎖状基が位置する構造を有するため、柔軟性が十分に高く、よって、得られる樹脂膜の柔軟性も高くなる。
また、主骨格(a)を有するイミド樹脂は、ウレタン結合及び尿素結合を含むことから極性が高く、よって、得られる樹脂膜の基板に対する密着性も高くなる。
さらに、主骨格(a)では、その末端構造がイソシアネート基及び/又は上記(式4)に示す基である。
水酸基含有化合物(a1)は、2価の鎖状基及び2個以上の水酸基を有し、イミド樹脂(樹脂膜)に柔軟性を付与すること等を目的として使用される成分である。
2価の鎖状基は、イミド樹脂に柔軟性を付与することができればよく、直鎖構造であっても、分岐構造であってもよい。2価の鎖状基としては、炭素原子、水素原子、酸素原子、水素原子、珪素原子等を含有する飽和又は不飽和の構造が挙げられる。
水酸基含有化合物(a1)の数平均分子量は、200〜5,000程度であることが好ましく、800〜3,000程度であることがより好ましい。かかる数平均分子量の水酸基含有化合物(a1)を使用することにより、樹脂膜に十分に高い柔軟性を付与するとともに、樹脂膜の機械的強度も高めることができる。
なお、水酸基含有化合物(a1)のガラス転移温度(Tg)は、0℃以下であることが好ましく、−150〜0℃程度であることがより好ましい。水酸基含有化合物(a1)のTgを上記範囲とすれば、樹脂膜(硬化膜)の柔軟性を高く設計できる観点から好ましい。
水酸基含有化合物(a1)は、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリシロキサンポリオールからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。これらの水酸基含有化合物(a1)を使用することにより、樹脂膜の柔軟性をより高めることができる。
また、水酸基含有化合物(a1)には、上記ポリオールのうちの2種以上の共重縮合構造を有するポリオール類を使用することもできる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば、ポリオレフィン構造やポリジエン構造を有するポリオール化合物等が挙げられる。ポリオレフィンポリオールの具体例としては、例えば、ポリエチレン系ポリオール、ポリプロピレン系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、水添ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、水添ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリブチレングリコールのようなポリアルキレンエーテルポリオールや、これらのポリアルキレンポリオールの共重合体等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えば、プロピレンジオール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、メチルペンタンジオール、シクロヘキサンジメタノール等から得られるポリアルキレンカーボネートポリオール、ビスフェノールA、F、Sのようなアルキレンオキサイド付加ジオール等から得られるポリカーボネートポリオールや、これらのポリオールの共重合体等が挙げられる。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、アルキレンジオールと多価カルボン酸とのエステル化物、多価カルボン酸のアルキルエステルとのエステル交換反応物、εカプロラクトン系ポリラクトンポリオールのようなポリラクトンポリオール等が挙げられる。
ポリシロキサンポリオールとしては、例えば、ジメチルポリシロキサンポリオール、メチルフェニルポリシロキサンポリオール等が挙げられる。
水酸基含有化合物(a1)としては、樹脂膜の誘電特性等を向上させたい場合は、ポリオレフィンポリオールやポリシロキサンポリオールであることが好ましく、樹脂膜の物性と耐加水分解性とを向上させたい場合は、ポリカーボネートポリオールであることが好ましく、樹脂膜の柔軟性を向上させたい場合は、ポリオレフィンポリオールであることが好ましい。
水酸基含有化合物(a1)は、合成のし易さを考慮した場合、水酸基を2〜4個有するポリオールであることが好ましく、水酸基を2個有するポリオール(ジオール)であることがより好ましい。
ジオールとしては、ポリオレフィンジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリエステルジオール、ポリシロキサンジオール等が挙げられるが、ポリブタジエンジオール及び/又は水添ポリブタジエンジオールが好ましい。かかるジオールを使用することにより、種々の物性が良好な樹脂膜を形成し易い。
なお、ポリブタジエンジオール又は水添ポリブタジエンジオールには、G−1000、G−3000、GI−1000、GI−3000(いずれも日本曹達株式会社製)、R−45EPI(出光石油化学株式会社製)等を使用することができる。
中でも、水酸基含有化合物(a1)としては、2価の鎖状基が飽和しているポリオールであることが好ましい。
かかる水酸基含有化合物(a1)を用いれば、得られるイミド樹脂の構造中にブタジエン由来の骨格が存在しないようにすることができる。このため、多層基板を作製する際の熱履歴によりイミド樹脂が硬化して、多層基板の柔軟性、及び基板同士の間の密着性が損なわれることを好適に防止することができる。
イソシアネート化合物(a2)は、2個以上のイソシアネート基を有し、主骨格(a)に後述する反応性化合物(b)との反応性を付与するとともに、イミド樹脂の汎用溶剤に対する溶解性を向上させること等を目的として使用される成分である。
かかるイソシアネート化合物(a2)は、全イソシアネート原料の70質量%以上であることが好ましい。また、反応時に、イミド樹脂が経時的に結晶化するのを抑制する観点からは、イソシアネート化合物(a2)は、全イソシアネート原料の80質量%以上であることがより好ましい。
イソシアネート化合物(a2)としては、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物等が挙げられる。なお、イソシアネート化合物は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、フェニレンジイソシアネート(p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート)、キシレンジイソシアネート(p−キシレンジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート)、トルエンジイソシアネート(トルエン−2,4−ジイソシアネート、トルエン−2,6−ジイソシアネート)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジエチルジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、m−キシレンジイソシアネート、1,3−ビス(α,α−ジメチルイソシアナートメチル)ベンゼン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ジフェニレンエーテル−4,4’−ジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート(NBDI)等の脂環式イソシアネート化合物、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、水添キシレンジイソシアネート(HXDI)等が挙げられる。
中でも、イソシアネート化合物(a2)としては、上記脂環式イソシアネート化合物(脂環式ジイソシアネート)であることが好ましく、イソホロンジイソシアネート(IPDI)がより好ましい。これらのイソシアネートを使用することにより、イミド樹脂の汎用溶剤に対する溶解性をより向上することができる。
また、イソシアネート化合物(a2)には、上記ジイソシアネートと各種ポリオール成分とを、イソシアネート基を過剰量で予め反応させたイソシアネートプレポリマーを単独で使用、又は併用することもできる。
イミド樹脂は、分岐構造を有すれば、溶剤溶解性や他の樹脂成分(硬化剤等)との相溶性が向上するため好ましい。
イミド樹脂を分岐構造とする手法としては、ジイソシアネートのイソシアヌレート体であるイソシアヌレート環を有する3官能以上のイソシアヌレート型ポリイソシアネートの単独での使用、あるいはイソシアヌレート型ポリイソシアネートと他のポリイソシアネートとの混合物の使用等が挙げられる。
イソシアヌレート型ポリイソシアネートは、例えば、少なくとも1種の上記ジイソシアネートを、第4級アンモニウム塩のようなイソシアヌレート化触媒の存在下あるいは非存在下において、イソシアヌレート化することにより得られた3量体、5量体、7量体のようなイソシアヌレート体等が挙げられる。
上記ジイソシアネートのイソシアヌレート体の具体例としては、例えば、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(IPDI3N)、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(HDI3N)、水添キシレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(HXDI3N)、ノルボルネンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート(NBDI3N)のような脂肪族系ポリイソシアネート類や、ジフェニルメタンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、トリレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、キシレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネート、ナフタレンジイソシアネートのイソシアヌレート型ポリイソシアネートのような芳香族系ポリイソシアネート類等が挙げられる。
イソシアネート化合物(a2)としては、ジイソシアネートとイソシアヌレート型ポリイソシアネートとを併用する場合、ジイソシアネートとしての芳香族ジイソシアネートと、イソシアヌレート型ポリイソシアネートとしての脂肪族ジイソシアネートのイソシヌレート型ポリイソシアネート及び/又は脂環式ジイソシアネートのイソシヌレート型ポリイソシアネートとの混合物を使用することが好ましい。
脂肪族ジイソシアネート(特に、脂環式ジイソシアネート)を使用すれば、溶解性に優れるイミド樹脂が得られ、且つ低誘電化を含む様々な電気特性が良好な樹脂膜(硬化物)が得られることから好ましい。
酸無水物基含有化合物(a3)は、2個以上のカルボン酸無水物基を有し、主骨格(a)に後述する反応性化合物(b)との反応性を付与するとともに、イミド結合を生成してイミド樹脂に優れた耐熱性を付与すること等を目的として使用される成分である。
酸無水物基含有化合物(a3)としては、比較的入手が容易なことから、2個のカルボン酸無水物基を有する化合物(すなわち、テトラカルボン酸二無水物)であることが好ましい。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物)、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ベンゼン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,2’,3,3’−テトラカルボン酸二無水物、ビフェニル−2,3,3’,4−テトラカルボン酸二無水物)、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物)、デカヒドロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、4,8−ジメチル−1,2,3,5,6,7−ヘキサヒドロナフタレン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、ジクロロナフタレンテトラカルボン酸二無水物(2,6−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、2,7−ジクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物)、2,3,6,7−テトラクロロナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸二無水物、フェナントレン−1,3,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ベリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸二無水物、ビス(ジカルボキシフェニル)メタン二無水物(ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物)、ビス(ジカルボキシフェニル)エタン二無水物(1,1−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物、1,1−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物)、ビス(ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物(2,2−ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物、2,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物)、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、シクロブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオン、エチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、プロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ブタンジオールビスアンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコールビスアンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコールビスアンヒドロトリメリテート等が挙げられる。
中でも、酸無水物基含有化合物(a3)としては、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、シクロブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
なお、これらのテトラカルボン酸二無水物は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、酸無水物基含有化合物(a3)としては、芳香族テトラカルボン酸二酸無水物に、芳香族トリカルボン酸無水物や芳香族テトラカルボン酸一無水物を混合するようにしてもよい。
主骨格(a)を合成する際には、イソシアネート化合物(a2)に対して、水酸基含有化合物(a1)と酸無水物基含有化合物(a3)と水及び/又はアミン化合物(a4)とがそれぞれ反応する。
主骨格(a)の分子末端にイソシアネート基(−NCO)を残存させるためには、イソシアネート化合物(a2)中のイソシアネート基のモル数m(a2)が、水酸基含有化合物(a1)中の水酸基のモル数m(a1)と、酸無水物基含有化合物(a3)中のカルボン酸無水物基のモル数m(a3)と、水及び/又はアミン化合物(a4)の水酸基及び/又は活性水素基のモル数m(a4)との合計量より過剰となる条件で反応させることが好ましい。
特に好ましい範囲として合成上の安定性や得られる樹脂膜の各種性能を向上させる観点から、[m(a2)/{m(a1)+m(a3)+m(a4)}]が1〜10程度であることが好ましく、1.1〜7程度であることがより好ましい。
また、主骨格(a)の分子末端にカルボン酸無水物基を残存させるためには、水酸基含有化合物(a1)中の水酸基のモル数m(a1)と、酸無水物基含有化合物(a3)中のカルボン酸無水物基のモル数m(a3)と、水及び/又はアミン化合物(a4)の水酸基及び/又は活性水素基のモル数m(a4)との合計量が、イソシアネート化合物(a2)中のイソシアネート基のモル数m(a2)モルより過剰となる条件で反応させることが好ましい。
特に好ましい範囲として合成上の安定性や得られる樹脂膜の各種性能を向上させる観点から、[{m(a1)+m(a3)+m(a4)}/m(a2)]が1〜10程度であることが好ましく、1.1〜7程度であることがより好ましい。
なお、主骨格(a)の分子末端にイソシアネート基及びカルボン酸無水物基のいずれを残存させる場合においても、m(a1)とm(a2)とm(a3)との合計に対して、m(a1)、m(a2)及びm(a3)は、それぞれ5%以上であることがより好ましく、10%以上であることがより好ましい。
水及び/又はアミン化合物(a4)は、イソシアネート基との反応により、イミド樹脂の分子構造内に尿素結合を導入すること等を目的として使用される成分である。
アミン化合物(a4)は、環状構造を有することが好ましい。アミン化合物(a4)が環状構造を有することにより、得られるイミド樹脂は、2個の尿素結合同士の間にアミン化合物(a4)に由来する環状構造を有するようになる。その結果、樹脂膜の形成時において、イミド樹脂の分子同士のスタッキング効果をより高めることができる。
かかるアミン化合物(a4)としては、例えば、フェニレンジアミン、トルエンジアミン、キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、ベンジジン、イソホロンジアミン(IPDA)、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、水添キシレンジアミン(HXDA)、ノルボルネンジアミン(NBDA)、リジンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンのような2官能アミンが挙げられる。これらの2官能アミンは、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
なお、環状構造は、脂環構造であっても、芳香環構造であってもよいが、脂環構造であるのが好ましい。この場合、イミド樹脂の分子同士の間での凝集力が必要以上に高まるのを防止または抑制することができる。また、イミド樹脂の耐熱性がより向上することからも好ましい。
主骨格(a)は、より具体的には、以下の方法を用いて合成することができる。
1) 水酸基含有化合物(a1)とイソシアネート化合物(a2)とを反応容器に仕込み、攪拌及び加熱することにより、ウレタン化反応を行い、末端がイソシアネート基のオリゴマーを合成する。
2) 次に、反応容器に水及び/又はアミン化合物(a4)を仕込み、攪拌及び加熱することにより、尿素結合を形成し、オリゴマー同士を結合する。
3) その後、反応容器に酸無水物基含有化合物(a3)を仕込み、攪拌及び加熱することにより、残存するイソシアネート基と酸無水物基含有化合物(a3)のカルボン酸無水物基とによるイミド化反応を行う。
以上の工程を経て、ウレタン結合及び尿素結合を含む主骨格(a)が得られる。
水酸基含有化合物(a1)とイソシアネート化合物(a2)と酸無水物基含有化合物(a3)と水及び/又はアミン化合物(a4)とを反応させる際の反応温度は、50〜250℃程度であることが好ましく、70〜180℃程度であることがより好ましい。かかる範囲に反応温度を設定することにより、原料成分の反応速度を十分に高めつつ、副反応の発生を抑制することができる。
上記反応を行う際には、有機溶剤を使用することが、均一な反応を進行し得ることから好ましい。ここで、有機溶剤は、反応系内に予め供給してから反応を開始しても、反応系内に反応の途中で供給してもよい。
また、適切な反応速度を維持するためには、反応系内に含まれる有機溶剤の割合は、反応系の80質量%以下であるのが好ましく、10〜70質量%程度であることがより好ましい。
有機溶剤としては、例えば、窒素原子又は硫黄原子を有する極性溶媒を用いることもできるが、尿素化反応において水やアミン化合物(a4)との親和性に優れる窒素原子及び硫黄原子を含有しない極性溶剤を用いることが好ましい。かかる極性溶剤を用いることにより、環境への負荷を低減し易い。また、上記反応において、イミド樹脂の分子成長が妨げられないため、硬化性樹脂組成物の物性が低下し難く、さらに得られる樹脂膜において「はじき」等の欠陥が生じ難くもなる。
窒素原子及び硫黄原子を含有しない極性溶剤は、非プロトン性溶剤であることが好ましい。非プロトン性溶剤を用いることにより、環境への負荷をより低減し易くなる。
また、非プロトン性溶剤は、イソシアネート化合物(a2)や酸無水物基含有化合物(a3)との反応性が乏しい。このため、イミド樹脂の分子成長を阻害する可能性が低い。また、非プロトン性溶剤は、イソシアネート基のブロック化剤にもなり難く、硬化性樹脂組成物の熱硬化時に、イミド樹脂は他の硬化成分(例えば、エポキシ化合物等)と効率よく反応することで、良好な物性を得易い。さらに、ブロック化剤の離脱による使用機器や他の材料の汚染も起こし難い。
非プロトン性溶剤としては、水酸基を有さない溶剤、例えば、エーテル系溶剤、エステル系溶剤、ケトン系溶剤等が挙げられるが、水酸基を有さないエーテル系溶剤が好ましい。エーテル系溶剤は、弱い極性を有するため、上記反応において優れた反応場を提供することができる。
かかるエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル類;ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジブチルエーテル等のポリエチレングリコールジアルキルエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;プロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールジブチルエーテル等のプロピレングリコールジアルキルエーテル類;ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジブチルエーテル、トリプロピレングリコールジメチルエーテル、トリプロピレングリコールジエチルエーテル、トリプロピレングリコールジブチルエーテル等のポリプロピレングリコールジアルキルエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のポリプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類;低分子のエチレン−プロピレン共重合体等の共重合ポリエーテルグリコールのジアルキルエーテル類;共重合ポリエーテルグリコールのモノアセテートモノアルキルエーテル類;共重合ポリエーテルグリコールのアルキルエステル類;共重合ポリエーテルグリコールのモノアルキルエステルモノアルキルエーテル類等が挙げられる。
主骨格(a)を合成する際には、各種イミド化触媒を使用することによりイミド化反応を進めてもよい。
イミド化触媒としては、例えば、テトラメチルブタンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルピペリジン、α−メチルベンジルジメチルアミン、N−メチルモルホリン、トリエチレンジアミンのような三級アミン、ジブチル錫ラウレート、ジメチル錫ジクロライド、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛のような有機金属触媒等が挙げられる。なお、これらの触媒は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
中でも、イミド化触媒としては、トリエチレンジアミンが好ましい。
ウレタン化反応/尿素化反応/イミド化反応では、水酸基、アミノ基又はカルボン酸無水物基とイソシアネート基とがウレタン結合、尿素結合又はイミド結合を形成する。なお、ウレタン化反応/尿素化反応/イミド化反応の進行は、赤外スベクトルや、酸価、イソシアネート基の定量等の分析手段により追跡することができる。
例えば、イミド化反応では、赤外スペクトルにおいて、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1の吸収ピークが反応とともに減少し、さらに1860cm−1と850cm−1とに、特性吸収を有するカルボン酸無水物基の吸収ピークが減少する。一方、1770cm−1と1720cm−1とに、イミド結合の吸収ピークが増加する。
ウレタン化反応/尿素化反応/イミド化反応は、目的とする酸価、粘度、分子量等を確認しながら行うことができる。水酸基含有化合物(a1)とイソシアネート化合物(a2)と酸無水物基含有化合物(a3)と水及び/又はアミン化合物(a4)との仕込み量を調整し、ウレタン化反応/尿素化反応/イミド化反応を行うことにより、分子末端にイソシアネート基及び/又はカルボン酸無水物基を有する主骨格(a)が得られる。
本発明のイミド樹脂は、主骨格(a)の分子末端(イソシアネート基及び/又はカルボン酸無水物基)と反応し得る反応性基及び重合性基を有する反応性化合物(b)を、主骨格(a)と反応させることにより、主骨格(a)の分子末端を封止する構造としてもよい。反応性化合物(b)は、重合性基を有するため、主骨格(a)と反応性化合物(b)とを反応させてなるイミド樹脂は、硬化性イミド樹脂と言うことができる。
なお、反応性化合物(b)と主骨格(a)とを反応させる方法は、特に限定されないが、主骨格(a)を合成する過程で、反応性化合物(b)を分子末端と反応させることが好ましい。
具体的には、主骨格(a)を上記方法により合成する場合には、工程(3)終了段階で、加熱及び攪拌を維持しながら、反応容器に反応性化合物(b)を仕込む(投入する)ことにより、主骨格(a)の分子末端と反応性基とが反応し、主骨格(a)の分子末端が封止された構造を得ることができる。
なお、工程(3)において、反応容器に酸無水物基含有化合物(a3)と、反応性化合物(b)とを同時に仕込むこともできる。この場合でも、系内に残存するイソシアネート基と酸無水物基含有化合物(a3)のカルボン酸無水物基とによるイミド化反応が優先的に進行し、主骨格(a)が生成した後に、主骨格(a)の分子末端と反応性基とが反応して、主骨格(a)の分子末端が封止された構造を得ることができる。
主骨格(a)と反応性化合物(b)とを反応させてなるイミド樹脂は、比較的長い鎖状構造と、分子末端に結合する反応性化合物(b)に由来する重合性基とを有する。
また、かかるイミド樹脂では、それが有する重合性基の種類に応じて、加熱及び/又は活性エネルギー線の照射により硬化可能である。すなわち、かかるイミド樹脂は、熱硬化性及び/又は活性エネルギー線硬化性を有する。本発明の硬化性樹脂組成物は、例えば、活性エネルギー線硬化性を有するイミド樹脂を含む場合、フォトリソグラフィにより微細加工された樹脂膜を形成することができる。
ここで、本明細書中において、「分子末端」とは、イミド樹脂のポリマー鎖(主鎖)の両末端のこと、またポリマー鎖が分岐構造を有する場合は、主鎖及び側鎖の各末端のことを言う。したがって、本発明における重合性基には、主鎖の途中で、主鎖を構成する炭素原子(例えば、ベンゼン環の炭素原子等)に直接結合する重合性基は含まれない。
主骨格(a)の少なくとも1つの分子末端がイソシアネート基である場合には、反応性化合物(b)の反応性基としては、例えば、水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボキシル基、活性メチレン基等が挙げられる。また、主骨格(a)の少なくとも1つの分子末端がカルボン酸無水物基である場合には、反応性化合物(b)の反応性基としては、例えば、水酸基、エポキシ基、オキセタニル基、アミノ基、イソシアネート基等が挙げられる。
イソシアネート基及びカルボン酸無水物基のいずれの場合も、高い反応性を有するという観点から、反応性基は、水酸基であることが好ましい。
反応性基が水酸基であれば、イソシアネート基で構成された分子末端に、ウレタン結合を介して反応性化合物(b)を結合させて、主骨格(a)の分子末端を封止することができる。また、カルボン酸無水物基で構成された分子末端に、エステル結合を介して反応性化合物(b)を結合させるとともに、カルボキシル基を生じさせて、主骨格(a)の分子末端を封止することができる。
上述の通り、分子末端に結合した反応性化合物(b)が有する重合性基の種類により、得られるイミド樹脂は、熱硬化性及び/又は活性エネルギー線硬化性を有することになる。熱硬化性の重合性基としては、例えば、フェノール性水酸基、グリシジル基、脂環式エポキシ基、マレイミド基、シアネート基等が挙げられ、活性エネルギー線硬化性の重合性基としては、エチレン性不飽和基等が挙げられる。
熱硬化性の重合性基を有するイミド樹脂は、重合性基が加熱により重合することにより硬化して、耐熱性、電気特性、機械的強度に優れた樹脂膜(硬化物)が得られる。
かかる重合性基としては、フェノール性水酸基が好ましい。従って、加熱により重合可能な反応性化合物(b)の具体例としては、2個以上のフェノール性水酸基を含有するフェノール性化合物(モノマー、オリゴマー、プレポリマー及びポリマーを含む。)であることが好ましい。また、フェノール性化合物としては、フェノール類、カテコール類又はピロガロール類のいずれであってもよい。このような反応性化合物(b)は、主骨格(a)との相溶性も高いため、均一な物性(機械的特性、誘電特性等)を有するイミド樹脂を得ることができる。かかるイミド樹脂によれば、特に優れた耐熱性、電気特性及び機械的強度を有する樹脂膜(硬化物)を得ることができる。
活性エネルギー線硬化性の重合性基を有するイミド樹脂は、重合性基が活性エネルギー線の照射により重合することにより硬化して、耐熱性、電気特性、機械的強度に優れた樹脂膜(硬化物)を得ることができる。活性エネルギー線硬化性の重合性基及びカルボキシル基を有するイミド樹脂であれば、アルカリ現像性も有することになり、この場合、本発明のイミド樹脂及び硬化性樹脂組成物を、フォトリソグラフィ用の材料として好適に使用することができる。
かかる重合性基としては、活性エネルギー線の照射により重合可能であればよく、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニルオキシ基等が挙げられるが、(メタ)アクリロイル基であることが好ましい。(メタ)アクリロイル基は、各種活性エネルギー線の照射により迅速に重合反応するためである。
ここで、活性エネルギー線とは、紫外線、電子線、赤外線のようなラジカル、カチオン、アニオン等の重合反応のきっかけとなる物質を生成し得るエネルギー線のことを言う。中でも、活性エネルギー線としては、比較的安価な装置を使用することができることから、紫外線が好ましい。
紫外線を照射する光源としては、例えば、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、紫外線レーザー等が挙げられる。
活性エネルギー線の照射により重合可能な反応性化合物(b)の具体例としては、例えば、反応性基が水酸基である、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ビス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
主骨格(a)中に含まれるイソシアネート基及び/又はカルボン酸無水物基のモル数(X)と、反応性化合物(b)中に含まれる反応性基のモル数(Y)とは、以下の式を満足することが好ましい。すなわち、2>((Y)/(X))>0.6を満足することが好ましく、1.3>((Y)/(X))>0.8を満足することがより好ましい。かかる量で反応性化合物(b)を使用することにより、硬化性イミド樹脂の収率を十分に高めることができる。
反応温度は、30〜230℃程度であることが好ましく、50〜160℃程度であることがより好ましい。かかる温度範囲で封止反応を行えば、副反応や分解等の発生を防止しつつ、適度な反応速度に設定し易い。
この封止反応の進行も、赤外スベクトルや、イソシアネート基及び/又はカルボン酸無水物基の定量等の分析手段により追跡することができる。
また、封止反応は、目的とする酸価、粘度、分子量等を確認しながら、反応停止剤の添加や降温により終了させてもよい。
なお、反応中や反応後は、イミド樹脂の物性を損なわない範囲で、触媒、酸化防止剤、界面活性剤、その他溶剤等を添加してもよい。
本発明のイミド樹脂(特に、カルボン酸無水物基を有する主骨格(a)を末端封止したイミド樹脂)は、その酸価が固形分換算で10〜150mgKOH/g程度であることが好ましく、固形分換算で20〜100mgKOH/g程度であることがより好ましい。かかる酸価を有するイミド樹脂は、優れた硬化物性を発揮することができる。
なお、酸価とは、1gのイミド樹脂骨格中に存在するカルボキシル基を中和するに必要な水酸化カリウム(KOH)のmg数であり、単位mgKOH/gで示される値である。
また、本発明のイミド樹脂は、その数平均分子量が400〜20,000程度であることが好ましく、500〜15,000程度であることがより好ましい。かかる数平均分子量のイミド樹脂であれば、高い柔軟性を維持しつつ、各種汎用溶媒に対して高い溶解性を示すことから好ましい。
なお、数平均分子量(Mn)とは、分子量が既知のポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により求めた値である。
このようなイミド樹脂の一例としては、例えば、下記(式5)及び(式6)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2021175765
[R、R、R、1、m、n、o及びpは、それぞれ上記と同一であり、rは、1以上であり、q+r+sは、1〜20である。]
Figure 2021175765
[R、R、R、R、1、m、n、o、p、q、r及びsは、それぞれ上記と同一であり、Acは、(メタ)アクリロイル基を含有する1価の有機基である。]
上記(式1)、(式5)及び(式6)のイミド樹脂は、イソシアネート基、カルボン酸無水物基、フェノール性水酸基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基のような極性基を有する。このため、樹脂膜を金属基材(例えば、銅基材)上に形成する場合には、分子末端の極性基を介して、樹脂膜が金属基材と接触(接合)することになる。その結果、樹脂膜は金属基材に対する高い密着性も発現する。
また、イミド樹脂は、上述したように、熱硬化性及び/又は活性エネルギー線硬化性を有するため、優れた特性(硬化物性)を示すようになる。また、得られる樹脂膜(硬化物)は、架橋密度が増大するため、機械的強度も向上する。
なお、末端封止されていないイミド樹脂(主骨格(a))も、イソシアネート基及び/又はカルボン酸無水物基を有することから、熱硬化性を有する。
熱硬化性のイミド樹脂には、例えば、イミド樹脂を硬化させ得る硬化剤を添加することにより硬化性樹脂組成物(本発明の硬化性樹脂組成物)として利用することができる。かかる硬化性樹脂組成物の製造方法は、イミド樹脂と硬化剤とを配合する工程を有する。
硬化剤としては、特に制限されないが、例えば、エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、樹脂膜(硬化性樹脂組成物の硬化物)の耐熱性をより向上し得ることから、エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂のようなノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
また、エポキシ樹脂の軟化点は、50〜120℃程度であることが好ましい。かかる軟化点のエポキシ樹脂を使用することにより、硬化性樹脂組成物の物性がより良好になる。
なお、硬化性樹脂組成物は、硬化促進剤を含有してもよい。硬化促進剤は、硬化剤による硬化反応を促進すること等を目的として使用される成分である。
かかる硬化促進剤としては、例えば、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が好適に使用される。なお、これらの化合物は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
硬化促進剤の添加量は、硬化剤100質量部に対して1〜10質量部程度であることが好ましい。
一方、活性エネルギー線硬化性のイミド樹脂には、例えば、光重合開始剤を添加することにより硬化性樹脂組成物として利用することができる。かかる硬化性樹脂組成物の製造方法は、イミド樹脂と光重合開始剤とを配合する工程を有する。
光重合開始剤は、照射する活性エネルギー線の種類等により適宜選択して使用することができる。また、光重合開始剤は、アミン化合物、尿素化合物、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物、ニトリル化合物等の光増感剤と併用してもよい。
光重合開始剤の具体例としては、例えば、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、4’−(メチルチオ)−α−モルホリノ−α−メチルプロピオフェノンのようなアルキルフェノン系光重合開始剤;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイドのようなアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤;ベンゾフェノン化合物のような分子内水素引き抜き型光重合開始剤等が挙げられる。これらの化合物は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の市販品としては、例えば、BASF社製「IRGACURE127」、「IRGACURE184」、「IRGACURE250」、「IRGACURE270」、「IRGACURE290」、「IRGACURE369E」、「IRGACURE379EG」、「IRGACURE500」、「IRGACURE651」、「IRGACURE754」、「IRGACURE819」、「IRGACURE907」、「IRGACURE1173」、「IRGACURE2959」、「IRGACURE MBF」、「IRGACURE TPO」、「IRGACURE OXE 01」、「IRGACURE OXE 02」、IGM RESINS社製「OMNIRAD184」、「OMNIRAD250」、「OMNIRAD369」、「OMNIRAD369E」、「OMNIRAD651」、「OMNIRAD907FF」、「OMNIRAD1173」等が挙げられる。
光重合開始剤の添加量は、硬化性樹脂組成物の溶剤以外の成分の合計量(固形成分の全量)に対して、0.05〜15質量%程度であることが好ましく、0.1〜10質量%程度であることがより好ましい。
本発明の硬化性樹脂組成物は、イミド樹脂以外の樹脂成分を含有してもよい。この樹脂成分としては、例えば、各種(メタ)アクリレートモノマー等が挙げられる。
アクリレートモノマーとしては、モノ(メタ)アクリレート又はその変性物、ジ(メタ)アクリレート又はその変性物、トリ(メタ)アクリレート又はその変性物、4官能以上のポリ(メタ)アクリレート又はその変性物等が挙げられる。これらのアクリレート又はその変性物は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
モノ(メタ)アクリレート又はその変性物の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートのような脂肪族モノ(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチルモノ(メタ)アクリレートのような脂環式モノ(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレートのような複素環式モノ(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ベンジルベンジル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレートのような芳香族モノ(メタ)アクリレート;上記モノ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖のようなポリオキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性モノ(メタ)アクリレート;上記モノ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性モノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
ジ(メタ)アクリレート又はその変性物の具体例としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートのような脂肪族ジ(メタ)アクリレート;1,4−シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジ(メタ)アクリレート、ノルボルナンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートのような脂環式ジ(メタ)アクリレート;ビフェノールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールジ(メタ)アクリレートのような芳香族ジ(メタ)アクリレート;上記ジ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖のような(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入したポリオキシアルキレン変性ジ(メタ)アクリレート;上記ジ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
トリ(メタ)アクリレート又はその変性物の具体例としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレートのような脂肪族トリ(メタ)アクリレート;脂肪族トリ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖のような(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性トリ(メタ)アクリレート;脂肪族トリ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ポリ(メタ)アクリレート又はその変性物の具体例としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートのような脂肪族ポリ(メタ)アクリレート;脂肪族ポリ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)オキシエチレン鎖、(ポリ)オキシプロピレン鎖、(ポリ)オキシテトラメチレン鎖のような(ポリ)オキシアルキレン鎖を導入した(ポリ)オキシアルキレン変性ポリ(メタ)アクリレート;脂肪族ポリ(メタ)アクリレートの分子構造中に(ポリ)ラクトン構造を導入したラクトン変性ポリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
本発明の硬化性樹脂組成物は、その粘度を調節する目的等により、有機溶剤を含有してもよい。有機溶剤の種類や添加量は、所望の性能に応じて適宜調整される。一般には、有機溶剤の量は、硬化性樹脂組成物の全量の10〜90質量%程度の範囲で使用される。
有機溶剤の具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソランのような環状エーテル系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチルのようなエステル系溶剤;トルエン、キシレンのような芳香族系溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンのような脂環族系溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなアルコール系溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテートのようなグリコールエーテル系溶剤等が挙げられる。なお、これらの溶剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の硬化性樹脂組成物は、この他、無機系又は有機系の微粒子、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、難燃剤、保存安定化剤のような各種添加剤を含有してもよい。
本発明のイミド樹脂は、長い可使時間という優れた取扱い性を有している。そして、その硬化物(樹脂膜)は、電気特性、耐熱性、機械的強度に加えて、特に柔軟性に優れている。この他、本発明のイミド樹脂は、溶剤溶解性や、その硬化物の基材密着性、仮乾燥後の非粘着性等にも優れる特徴を有する。
本発明の硬化性樹脂組成物(イミド樹脂)は、例えば、次のような用途における材料に好適に使用することができる。
すなわち、半導体デバイスの用途においては、ソルダーレジスト材料、層間絶縁材料、パッケージ材料、アンダーフィル材料、回路素子用のパッケージ接着材料、集積回路素子と回路基板との接着材料として使用することができる。また、LCD、OELDのような薄型ディスプレイの用途においては、薄膜トランジスタの保護材料、液晶カラーフィルタの保護材料、カラーフィルタの着色材料、ブラックマトリックスの黒色材料、スペーサ材料として好適に使用することができる。
中でも、本発明の硬化性樹脂組成物は、ソルダーレジスト材料に用いることがより好ましい。活性エネルギー線硬化性のイミド樹脂を含有する硬化性樹脂組成物の場合、イミド樹脂、光重合開始剤及び各種添加剤に加え、例えば、上述した硬化剤及び硬化促進剤等の各成分を含有することができる。
本発明の硬化物は、上記硬化性樹脂組成物を硬化してなる。また、本発明の硬化物の製造方法は、上記硬化性樹脂組成物を硬化する工程を有する。
なお、熱硬化性のイミド樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を使用して樹脂膜(硬化塗膜)を形成する方法としては、例えば、硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜(液状被膜)を形成し、140〜180℃程度の温度で塗膜を加熱硬化させる方法等が挙げられる。
また、活性エネルギー線硬化性のイミド樹脂を含有する硬化性樹脂組成物を使用して樹脂膜(硬化塗膜)を形成する方法としては、例えば、硬化性樹脂組成物を基材上に塗布して塗膜(液状被膜)を形成し、60〜100℃程度の温度で塗膜から有機溶剤を除去した後、所望のパターン形状を有するフォトマスクを介して活性エネルギー線(紫外線、電子線等)を照射することにより露光し、アルカリ溶液にて未露光領域を現像し、140〜180℃程度の温度で加熱硬化させる方法等が挙げられる。
以上、本発明のイミド樹脂、硬化性樹脂組成物、イミド樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物の製造方法、硬化物、及び硬化物の製造方法について説明したが、本発明は、上述した実施形態の構成に限定されるものではない。
本発明のイミド樹脂、硬化性樹脂組成物及び硬化物は、上述した実施形態に構成において、他の任意の構成を追加して有していてもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
また、本発明のイミド樹脂の製造方法、硬化性樹脂組成物の製造方法及び硬化物の製造方法は、上述した実施形態に構成において、他の任意の工程を追加して有していてもよいし、同様の機能を発揮する任意の工程と置換されていてよい。
以下、本発明を実施例及び比較例によって、より具体的に説明する。
なお、以下の説明において、イミド樹脂が有するフェノール性水酸基の含有率(X)は、以下の式により算出される。
X[mmol/g]=(P−(I−H−R))÷全仕込み質量×1000
P:フェノール性水酸基のモル数(なお、本実施例で用いたオルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂は、1分子中に平均5.5個のフェノール性水酸基を有する。)
I:イソシアネート基のモル数
H:水酸基及び/又は活性水素基のモル数
R:カルボン酸無水物基のモル数
1.イミド樹脂溶液の調製
[イミド樹脂溶液(A)]
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに、169.9gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)と、44.4g(0.20mol)のイソホロンジイソシアネート(IPDI)と、49.5g(0.15mol)のOH基末端ポリカーボネート(クラレ株式会社製「C−590」、水酸基価:227mgKOH/g)とを供給し、この混合溶液を100℃まで昇温した後、この温度に1時間保持した。
イソシアネート基の量が所定値以下であることを確認し、混合溶液(反応溶液)を70℃まで降温した後、7.7g(0.045mol)のイソホロンジアミン(IPDA)を滴下により添加して、1時間反応を継続した。
その後、混合溶液に、66.9g(0.10mol)のオルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂と、1.6g(0.005mol)のベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)とを添加した。その後、混合溶液を140℃まで昇温した後、4時間反応を継続した。
赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1の吸収ピークが完全に消滅したことを確認した後、粘度の上昇が収まったところで反応を終了した。混合溶液を100℃まで降温した後、84.4gのイソプロピルアルコール(IPA)を添加した。以上のようにして、分子末端がフェノール樹脂(オルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂)で封止された構造を有するイミド樹脂を合成した。
かかるイミド樹脂を含有する混合溶液は、フェノール性水酸基の含有率が1.33mmol/gであり、不揮発分の含有量が40.8質量%であり、粘度(25℃)が764mPa・sであり、尿素結合量が0.530mmol/gであった。この混合溶液をイミド樹脂溶液(A)とした。
[イミド樹脂溶液(B)]
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに、328.7gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)と、66.7g(0.30mol)のイソホロンジイソシアネート(IPDI)と、147.8g(0.15mol)のOH基末端ポリカーボネート(クラレ株式会社製「C−1090」、水酸基価:114mgKOH/g)とを供給し、この混合溶液を100℃まで昇温した後、この温度に1時間保持した。
イソシアネート基の量が所定値以下であることを確認し、混合溶液(反応溶液)を70℃まで降温した後、11.5g(0.068mol)のイソホロンジアミン(IPDA)を滴下により添加して、1時間反応を継続した。
その後、混合溶液に、100.3g(0.15mol)のオルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂と、2.4g(0.008mol)のベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)とを添加した。その後、混合溶液を140℃まで昇温した後、4時間反応を継続した。
赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1の吸収ピークが完全に消滅したことを確認した後、粘度の上昇が収まったところで反応を終了した。混合溶液を100℃まで降温した後、163.3gのイソプロピルアルコール(IPA)を添加した。以上のようにして、分子末端がフェノール樹脂(オルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂)で封止された構造を有するイミド樹脂を合成した。
かかるイミド樹脂を含有する混合溶液は、フェノール性水酸基の含有率が1.03mmol/gであり、不揮発分の含有量が40.1質量%であり、粘度(25℃)が1331mPa・sであり、尿素結合量が0.411mmol/gであった。この混合溶液をイミド樹脂溶液(B)とした。
[イミド樹脂溶液(C)]
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに、299.3gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)と、66.6g(0.30mol)のイソホロンジイソシアネート(IPDI)と、98.9g(0.20mol)のOH基末端ポリカーボネート(クラレ株式会社製「C−590」、水酸基価:227mgKOH/g)とを供給し、この混合溶液を100℃まで昇温した後、この温度に1時間保持した。
イソシアネート基の量が所定値以下であることを確認し、混合溶液(反応溶液)に、133.8g(0.20mol)のオルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂と、1.6g(0.005mol)のベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)とを添加した。その後、混合溶液を140℃まで昇温した後、4時間反応を継続した。
赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1の吸収ピークが完全に消滅したことを確認した後、粘度の上昇が収まったところで反応を終了した。以上のようにして、分子末端がフェノール樹脂(オルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂)で封止された構造を有するイミド樹脂を合成した。
かかるイミド樹脂を含有する混合溶液は、フェノール性水酸基の含有率が1.50mmol/gであり、不揮発分の含有量が50.0質量%であり、粘度(25℃)が2205mPa・sであり、尿素結合量が0mmol/gであった。この混合溶液をイミド樹脂溶液(C)とした。
[イミド樹脂溶液(D)]
撹拌装置、温度計、コンデンサーを備えたフラスコに、199.4gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAc)と、33.3g(0.15mol)のイソホロンジイソシアネート(IPDI)と、98.4g(0.10mol)のOH基末端ポリカーボネート(クラレ株式会社製「C−1090」、水酸基価:114mgKOH/g)とを供給し、この混合溶液を100℃まで昇温した後、この温度に1時間保持した。
イソシアネート基の量が所定値以下であることを確認し、混合溶液(反応溶液)に、66.9g(0.10mol)のオルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂と、0.8g(0.003mol)のベンソフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)とを添加した。その後、混合溶液を140℃まで昇温した後、4時間反応を継続した。
赤外スペクトルにて特性吸収を測定し、イソシアネート基の特性吸収である2270cm−1の吸収ピークが完全に消滅したことを確認した後、粘度の上昇が収まったところで反応を終了した。以上のようにして、分子末端がフェノール樹脂(オルソクレゾールノボラック型フェノール樹脂)で封止された構造を有するイミド樹脂を合成した。
かかるイミド樹脂を含有する混合溶液は、フェノール性水酸基の含有率が1.13mmol/gであり、不揮発分の含有量が50.1質量%であり、粘度(25℃)が4051mPa・sであり、尿素結合量が0mmol/gであった。この混合溶液をイミド樹脂溶液(D)とした。
2.硬化性樹脂組成物の調製
(実施例1)
まず、100質量部のイミド樹脂溶液(A)と、22質量部のナフトールノボラック型エポキシ樹脂(DIC(株)社製「EPICLON HP−4710」、エポキシ当量:172g/eq)と、0.6質量部のイミダゾール系硬化促進剤(四国化成(株)社製「2,4−DMZ」)とを混合して、硬化性樹脂組成物を調整した。なお、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂が有するエポキシ基(E)に対する、イミド樹脂溶液(A)に含まれるイミド樹脂が有するフェノール性水酸基(P)のモル比(P/E)は、1.0であった。
(実施例2、比較例1及び比較例2)
各成分の種類及び混合量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、硬化性樹脂組成物を調製した。なお、P/Eを1.0で統一した。
3.評価
3−1.柔軟性評価
調製された硬化性樹脂組成物をアプリケータにより、鏡面アルミ基板上に乾燥膜厚が30μmとなる塗工して、塗膜を形成した。
次いで、この塗膜を150℃×1時間で硬化させてアルミ基板上に樹脂膜(硬化性樹脂組成物の硬化物)を形成した。
その後、樹脂膜をアルミ基板から剥離して180°折り曲げ、その柔軟性を、以下の基準に従って評価した。
[評価基準]
○:破断なし
×:破断あり
3−2.密着性評価
調製された硬化性樹脂組成物をアプリケータにより、銅箔上に乾燥膜厚が30μmとなる塗工して、塗膜を形成した。
次いで、この塗膜を150℃×1時間で硬化させて銅箔上に樹脂膜(硬化性樹脂組成物の硬化物)を形成し、サンプル片とした。
その後、サンプル片の樹脂膜に100(10×10)マスの碁盤目状に切り込みを入れ、セロハンテープを用いた剥離試験を実施した。そして、その密着性を剥離後の残膜率(マスの残存率)で評価した。
以上の結果を、以下の表1に示す。
Figure 2021175765
表1に示すように、実施例1及び2のイミド樹脂を用いて得られた樹脂膜は、ウレタン結合及び尿素結合を有するため、これらの結合を有さない比較例1及び2のイミド樹脂を用いて得られた樹脂膜に比べて、柔軟性及び密着性に優れていた。

Claims (19)

  1. ウレタン結合及び尿素結合を含む主骨格(a)を有するイミド樹脂であって、
    前記主骨格(a)は、2価の鎖状基及び2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物(a1)と、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a2)と、2個以上のカルボン酸無水物基を有する酸無水物基含有化合物(a3)と、水及び/又は2個以上のアミノ基を有するアミン化合物(a4)とを必須の原料として反応させてなることを特徴とするイミド樹脂。
  2. 前記水酸基含有化合物(a1)は、ポリオレフィンポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリシロキサンポリオールからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1に記載のイミド樹脂。
  3. 前記水酸基含有化合物(a1)は、前記2価の鎖状基が飽和している請求項1又は2に記載のイミド樹脂。
  4. 前記イソシアネート化合物(a2)は、脂環式イソシアネート化合物である請求項1〜3のいずれか1項に記載のイミド樹脂。
  5. 前記酸無水物基含有化合物(a3)は、テトラカルボン酸二無水物である請求項1〜4のいずれか1項に記載のイミド樹脂。
  6. 前記テトラカルボン酸二無水物は、ピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、オキシジフタル酸無水物、p−フェニレンビス(トリメリテート無水物)、4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフタル酸無水物、シクロブタンテトラカルボン酸無水物、シクロペンタンテトラカルボン酸無水物、3,3’−4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物及び1,3,3a,4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]フラン−1,3−ジオンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5に記載のイミド樹脂。
  7. 前記アミン化合物(a4)は、環状構造を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のイミド樹脂。
  8. 当該イミド樹脂は、その数平均分子量が400〜20,000である請求項1〜7のいずれか1項に記載のイミド樹脂。
  9. 前記主骨格(a)は、その主鎖の少なくとも1つの末端にイソシアネート基を備え、
    さらに、前記主骨格(a)の前記イソシアネート基と反応し得る反応性基及び重合性基を有する反応性化合物(b)を必須の原料として反応させてなる硬化性イミド樹脂である請求項1〜8のいずれか1項に記載のイミド樹脂。
  10. 前記反応性化合物(b)の前記反応性基は、水酸基である請求項9に記載のイミド樹脂。
  11. 前記反応性化合物(b)の前記重合性基は、フェノール性水酸基である請求項9又は10に記載のイミド樹脂。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のイミド樹脂と、
    前記イミド樹脂を硬化させ得る硬化剤とを含有することを特徴とする硬化性樹脂組成物。
  13. 前記硬化剤は、エポキシ樹脂である請求項12に記載の硬化性樹脂組成物。
  14. 前記エポキシ樹脂は、ノボラック型エポキシ樹脂である請求項13に記載の硬化性樹脂組成物。
  15. 前記エポキシ樹脂は、その軟化点が50〜120℃である請求項13又は14に記載の硬化性樹脂組成物。
  16. ウレタン結合及び尿素結合を含む主骨格(a)を有するイミド樹脂の製造方法であって、
    2価の鎖状基及び2個以上の水酸基を有する水酸基含有化合物(a1)と、2個以上のイソシアネート基を有するイソシアネート化合物(a2)と、2個以上のカルボン酸無水物基を有する酸無水物基含有化合物(a3)と、水及び/又は2個以上のアミノ基を有するアミン化合物(a4)とを必須の原料として反応させて、前記主骨格(a)を得る工程を有することを特徴とするイミド樹脂の製造方法。
  17. 請求項1〜11のいずれか1項に記載のイミド樹脂と、前記イミド樹脂を硬化させ得る硬化剤とを配合する工程を有することを特徴とする硬化性樹脂組成物の製造方法。
  18. 請求項12〜15のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化してなることを特徴とする硬化物。
  19. 請求項12〜15のいずれか1項に記載の硬化性樹脂組成物を硬化する工程を有することを特徴とする硬化物の製造方法。
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