JP2021173944A - フォトマスクの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
透過性基板上に下層膜を有し、前記下層膜上に上層膜を有するフォトマスクブランクスを準備する工程と、
前記上層膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を露光し、露光量の異なる第1の領域、第2の領域及び第3の領域を形成する露光工程と、
前記第1の領域を選択的に除去する第1のレジスト除去工程と、
前記上層膜及び前記下層膜をエッチングする第1のエッチング工程と、
前記第2の領域を選択的に除去する第2のレジスト除去工程と、
前記上層膜をエッチングする第2のエッチング工程と、
前記第3の領域を除去する工程とを含むことを特徴とする。
前記下層膜と前記上層膜とが異なる材料から構成されていることを特徴とする。
前記露光工程において、前記第1の領域の露光量は、前記第2の領域の露光量より多く、前記第3の領域の露光量が0であることを特徴とする。
また、製造工程でのコスト削減に寄与することができる。
前記下層膜がハーフトーン膜であることを特徴とする。
前記下層膜が位相シフト膜であることを特徴とする。
図1、2は、実施形態1によるフォトマスク100の主要製造工程を示す断面図である。以下、図面を参照して、フォトマスク100の製造方法を説明する。
図1(a)に示すように、合成石英ガラス等の透過性基板1を準備し、透過性基板1上に、例えばCr系金属化合物、Si系化合物、金属シリサイド化合物等の公知の材料からなる半透過性の下層膜2をスパッタ法、蒸着法等により(例えば膜厚5[nm]〜20[nm])成膜する。
また、半透過性とは、露光光に含まれる代表波長に対して、透過率が、透過性基板1の透過率よりも低く、後述する積層構造膜の透過率よりも高いことを意味する。
なお、露光光は、例えばi線、h線若しくはg線であってもよく、又はこれらの少なくとも2つの光を含む混合光であってもよい。また、露光光は、これらに限定するものではない。
例えば、下層膜2をハーフトーン膜として利用する場合、代表波長に対して、下層膜2の透過率が10〜70%(10%≦透過率≦70%)になるよう設定する。また、位相シフト量は小さく(略0°、例えば0〜20°)に設定すればよい。
また、例えば、下層膜2を位相シフト膜として利用する場合、露光光に含まれる代表波長に対して、下層膜2の透過率が3〜15%(3%≦透過率≦15%)、位相シフト量が略180°(160°≦位相シフト量≦200°)、さらに好適には170°≦位相シフト量≦190°になるよう設定する。
下層膜2のハーフトーン膜及び位相シフト膜としての光学的性質は、例えば、組成及び膜厚を調整することにより、実現が可能である。
上層膜3の代表波長に対する透過率は、上層膜3と下層膜2との積層膜が遮光性を有するように上層膜3の材料(組成)及び膜厚を調整すればよい。本積層膜の代表波長に対する透過率は、例えば1%以下(0%≦透過率≦1%)である。換言すれば、機能性膜2、エッチングストッパ膜3及び遮光膜4の積層領域において遮光膜4の材質(組成)及び膜厚を調整することで光学濃度(OD値)が3.0以上を満たせばよい。
予め上記構成のフォトマスクブランクスを複数枚準備し、保管しておいてもよい。顧客等から発注された際に、予め準備されていた上記構成のフォトマスクブランクスを利用することで、工期の短縮に寄与することができる。
次に、図1(b)に示すように、上層膜3上に(フォト)レジスト膜4を塗布法、スプレイ法等により形成する。
次に、図1(c)に示すように、露光(描画)装置(例えばレーザー描画装置)に、フォトマスクブランクスをロード(露光装置内の露光用ステージ上に載置)し、レジスト膜4を露光する。
このとき、レジスト膜4には、露光量が異なる3つの領域、すなわち高ドーズ領域4c(第1の領域)、低ドーズ領域4b(第2の領域)、未露光領域4a(第3の領域)が形成される。
ここで、未露光領域4aとは露光しない領域即ち露光量が0の領域であり、低ドーズ領域4bとは相対的に低い露光量で露光された領域であり、高ドーズ領域4cとは相対的に高い露光量で露光された領域である。
露光装置による描画方法は、レーザー描画に限定されるものではない。例えば電子線を用いてもよい。
低ドーズ量の設定は、上記範囲内で適宜設定が可能であるが、第2の現像工程のプロセス工程時間を考慮する必要があることは言うまでもない。
次に、図1(d)に示すように、第1の現像工程において、現像液により高ドーズ領域4cのレジスト膜4のみを選択的に除去し、レジスト膜4をパターニングする。
後述するように、レジスト膜4の現像液による溶解特性が、露光量(ドーズ)に依存するため、露光量に応じて露光されたレジスト膜4を選択的に順次除去することが可能となる。第1の現像工程においては、高ドーズ領域4cの溶解速度が、未露光領域4a及び低ドーズ領域4bの溶解速度に対して十分に(例えば、数倍から1桁)高くなる現像条件で現像(現像液による溶解)を行うことで、選択的に高ドーズ領域4cのみを除去できる。
なお、図1(d)に示すように、低ドーズ領域4bのレジスト膜厚は、未露光領域4aのレジスト膜厚と比較して薄くなる。
次に、図2(a)に示すように、パターニングされたレジスト膜4、即ち未露光領域4a及び低ドーズ領域4bのレジスト膜4をエッチングマスクにして、上層膜3をウェットエッチング法又はドライエッチング法によりエッチングし、その後下層膜2をウェットエッチング法又はドライエッチング法によりエッチングし、透過性基板1の表面を露出する。
上層膜3と下層膜2とは、互いに異なる材料を採用することにより、下層膜2がエッチングされないエッチャント(薬液又はガス)を用いて、上層膜3を選択的にエッチングすることができる。その後、上層膜3がエッチングされないエッチャント(薬液又はガス)を用いて、下層膜2を選択的にエッチングすることができる。
次に、図2(b)に示すように、第2の現像工程において、現像液により低ドーズ領域4bのレジスト膜4のみを選択的に除去し、レジスト膜4をパターニングする。この工程において、未露光領域4aのみが上層膜3上に残置する。
第1の現像工程及び第2の現像工程に示すように露光量の異なるレジスト膜4を露光量に依存して順次除去できるのは、溶解速度が現像条件(時間等)に非線形に依存する現象があるためである。溶解速度が変化(増大)する変化点が露光量に依存して変化する特性を利用することで露光量の異なる領域を選択的に順次除去することができる。
第2の現像工程では、低ドーズ領域4bの溶解速度が、未露光領域4aの溶解速度に対して十分に高くなる現像条件で現像(溶解)を行い、選択的に低ドーズ領域4bのみを除去できる。
次に、図2(c)に示すように、未露光領域4aをエッチングマスクにして、下層膜2がエッチングされないエッチャント(薬液又はガス)を用いて、上層膜3をウェットエッチング法又はドライエッチング法により選択的にエッチングする。
図2(c)においては、下層膜2と上層膜3の積層から構成されているパターンの両側に下層膜2のみから構成されているパターンが形成されている。
下層膜2のみから構成されているパターンは、低ドーズ領域4bにより確定されるため、図1(c)に示す露光工程において光学的に設定できる。
次に、図2(d)に示すように、アッシング法又はレジスト剥離液に浸漬することにより、未露光領域4aのレジスト膜4を除去する。
以上により、下層膜2及び上層膜3を含む積層から構成された遮光領域5と、下層膜2から構成された半透過領域6と、透過性基板1が露出した透過領域7を備えたフォトマスク100を得ることができる。
フォトマスク100は、下層膜2として上記ハーフトーン膜としての条件を採用することで多階調のハーフトーンマスクそして機能する。また、フォトマスク100は、下層膜2として上記位相シフト膜としての条件を採用することで、位相シフトマスクとしての機能させることができる。特にこの場合、露光工程での重ね合わせ誤差の発生が抑制されるため、遮光領域5の両側に対称的に半透過領域6のリム部を設けることができ、精細なパターン形成を可能にする位相シフトマスクを得ることができる。
しかし、図3(b)に示すように、第2の現像工程後においては、未露光領域4aのレジスト膜4の断面は急峻な形状を示す。すなわち、図1(c)に示す露光工程において確定された低ドーズ領域4bのレジスト膜4が、第2の現像工程において選択的に除去され、未露光領域4aは光学的に、正確に確定されることを示す。
その後、図2に示す工程によって、半透過領域6と遮光領域5とを互いに離隔して形成することができる。
従って、遮光領域5及び半透過領域6は、光学的に所望のパターンに設定でき、フォトマスク100のパターン設計の自由度が、特許文献1、2に開示された方法と比較して、大きく向上する。
なお、半透過領域6と遮光領域7とが互いに離隔したパターンと、半透過領域6と遮光領域7とが互いに隣接したパターンが混在するパターン配置とすることも可能である。
半透過領域6と遮光領域7とのパターン配置について、上記のとおり種々の配置が可能であることは、他の実施形態についても同様である。
実施形態1では、1回の露光処理によりレジスト膜4に、未露光領域4a低ドーズ領域4b及び高ドーズ領域4cの3種の領域を形成し、透過領域、半透過領域、遮光領域の3階調のフォトマスクを製造できることを示した。
実施形態2によれば、さらに多階調のフォトマスク100を提供することも可能となる。
下層膜2と上層膜3との積層である遮光領域5、透明基板1が露出した透過領域7、膜厚が相対的に薄い第1の下層膜2aから構成される第1の半透過領域61及び膜厚が相対的に厚い第2の下層膜2bから構成される第2の半透過領域62が形成される。
従って、透過領域7及び遮光領域5、並びに透過率の異なる第1の半透過領域61及び第2の半透過領域62の4階調のフォトマスク100を得ることができる。
図5(c)に示す工程において、露光量が2番目に多い第2の領域4eを選択的に除去後、第3の領域4f、第4の領域4gのレジスト膜4をマスクにして、図2(c)に示す工程と同様に、上層膜3のみを選択的にエッチングして除去し、下層膜2の表面を露出させる。(図6(a)参照。)
上層膜3の膜厚を減少させることで得られた薄膜上層膜3aは、代表波長に対する透過率が増大し、半透過膜となる。
透明基板1が露出した透過領域7、下層膜2から構成される第1の半透過領域61、下層膜2と相対的に膜厚が薄い第1の上層膜3aとの積層から構成される第2の半透過領域62及び下層膜2と相対的に膜厚が厚い第2の上層膜3bとの積層である遮光領域5が形成される。第2の半透過領域62は、下層膜2の上層に第1の上層膜3a(薄膜上層膜3a)を備えるため第1の半透過領域61と比較して、透過率が低くなる。また、第1の上層膜3aは上層膜3より膜厚が薄く透過率が増大するため、第2の半透過領域62は遮光領域5(下層膜2と厚膜上層膜3bとの積層)より透過率が高い半透過領域となる。
従って、それぞれ透過率の異なる透過領域7、第1の半透過領域61、第2の半透過領域62及び遮光領域5を備えた4階調のフォトマスク100を得ることができる。
本フォトマスクを、表示装置等の製品の生産工程で用いることにより、製品の性能向上等に寄与することができ、産業上の利用可能性は大きい。
2 下層膜
2a 第1の下層膜(薄膜下層膜)
2b 第2の下層膜(厚膜下層膜)
3 上層膜
3a 第1の上層膜(薄膜上層膜)
3b 第2の上層膜(厚膜上層膜)
4 (フォト)レジスト膜
4a 未露光領域(第3の領域)
4b 低ドーズ領域(第2の領域)
4c 高ドーズ領域(第1の領域)
4d 第1の領域
4e 第2の領域
4f 第3の領域
4g 第4の領域
5 遮光領域
6 半透過領域
61 第1の半透過領域
62 第2の半透過領域
7 透過領域
100 フォトマスク
Claims (5)
- 透過性基板上に下層膜を有し、前記下層膜上に上層膜を有するフォトマスクブランクスを準備する工程と、
前記上層膜上にレジスト膜を形成する工程と、
前記レジスト膜を露光し、露光量の異なる第1の領域、第2の領域及び第3の領域を形成する露光工程と、
前記第1の領域を選択的に除去する第1のレジスト除去工程と、
前記上層膜及び前記下層膜をエッチングする第1のエッチング工程と、
前記第2の領域を選択的に除去する第2のレジスト除去工程と、
前記上層膜をエッチングする第2のエッチング工程と、
前記第3の領域を除去する工程とを含むことを特徴とするフォトマスクの製造方法。 - 前記下層膜と前記上層膜とが異なる材料から構成されていることを特徴とする請求項1記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記露光工程において、前記第1の領域の露光量は、前記第2の領域の露光量より多く、前記第3の領域の露光量が0であることを特徴とする請求項1又は2記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記下層膜がハーフトーン膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のフォトマスクの製造方法。
- 前記下層膜が位相シフト膜であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のフォトマスクの製造方法。
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