JP2021173617A - ビーム計測装置、光透過部材、及び計測方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数部材のアライメント調整が不要であるビーム計測装置を提供する。【解決手段】光学ビームのパラメータを計測するビーム計測装置において、光透過部材と、光透過部材を通過した光学ビームの光強度を検出する検出手段と、光強度の検出結果から光学ビームのパラメータを算出する算出手段と、を有し、光透過部材は、内部に形成された、光が透過する第1領域より透過率の低い第2領域、を備え、検出手段は、光学ビーム内を第2領域が通過したときの光学ビームの光強度を検出することを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、ビーム計測装置、光透過部材、及び計測方法置に関する。
レーザ加工機において、所望の加工品質を確保するためには、ビーム(レーザ)のスポット位置や照射角度、もしくはビーム光強度、ビーム径、ビームの集光性等を示す数値であるM2といった光学パラメータを把握する必要がある。そのため、ビームの光学パラメータを計測する装置が求められている。
特許文献1では、M2を計測するビーム計測装置及び計測方法を開示している。特許文献1では、ビームを遮蔽することのできるブレード(計測面)でビームを遮蔽した際のビーム光強度の変化を計測することで、ブレードで遮蔽したビーム伝搬方向位置でのビーム径を算出する。そして、ビーム伝搬方向において異なる複数の位置にブレードを配置することで、各ビーム伝搬方向位置でのビーム径が算出できるため、M2を算出することができる。
ここで、特許文献1のような方法では、複数のブレードの位置についてアライメント調整が必要であり、ブレードの枚数によってアライメント調整に時間が掛かってしまう問題があった。
そこで本発明は、例えば、複数部材のアライメント調整が不要であるビーム計測装置を提供することを目的とする。
その目的を達成するために、本発明は、光学ビームのパラメータを計測するビーム計測装置において、光透過部材と、光透過部材を通過した光学ビームの光強度を検出する検出手段と、光強度の検出結果から光学ビームのパラメータを算出する算出手段と、を有し、光透過部材は、内部に形成された、光が透過する第1領域より透過率の低い第2領域、を備え、検出手段は、光学ビーム内を第2領域が通過したときの光学ビームの光強度を検出することを特徴とする。
本発明によれば、例えば、複数部材のアライメント調整が不要であるビーム計測装置を提供することができる。
以下に、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について実施例を用いて説明する。なお、各図において、同一の部材ないし要素については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略ないし簡略化する。
〔実施例1〕
図1は本実施例に係るビーム計測装置1の一例を示した図である。以下、図1を参照して、本実施例に係るビーム計測装置1を説明する。ビーム計測装置1は、ユニット(光学部材)2を通過する不図示の光源より照射された光学ビーム(レーザ、ビーム光)8の光学パラメータを計測する計測装置である。ビーム計測装置1は、ユニット2と、ユニット駆動装置3と、光検出器4と、演算処理器5とで構成されうる。なお、図1に例示しているように、光検出器4に対して光学ビーム8を照射する光源の光軸に平行な方向であるビーム伝搬方向(ビーム照射方向)をZ軸とし、Z軸に垂直な平面内において互いに直交する方向をX軸及びY軸とする。
図1は本実施例に係るビーム計測装置1の一例を示した図である。以下、図1を参照して、本実施例に係るビーム計測装置1を説明する。ビーム計測装置1は、ユニット(光学部材)2を通過する不図示の光源より照射された光学ビーム(レーザ、ビーム光)8の光学パラメータを計測する計測装置である。ビーム計測装置1は、ユニット2と、ユニット駆動装置3と、光検出器4と、演算処理器5とで構成されうる。なお、図1に例示しているように、光検出器4に対して光学ビーム8を照射する光源の光軸に平行な方向であるビーム伝搬方向(ビーム照射方向)をZ軸とし、Z軸に垂直な平面内において互いに直交する方向をX軸及びY軸とする。
ユニット2は、単一の光透過部材で形成されており、測定面6(第2の測定面)及び測定面7(第1の測定面)を備えうる。測定面6は、ユニット2の表面側、即ちユニット2のユニット2の外部側に構成される。なお、測定面6は、ユニット2の表面側に限らず裏面側に構成するようにしてもよく。表面側と裏面側にそれぞれ構成するようにしてもよい。測定面7は、ユニット2の内側、即ちユニット2の内部側に構成される。これらの測定面の数および位置は図1に例示したものに限定されない。例えば、測定面は全て、ユニット2の内部に構成されていてもよいし、測定面を2つ以上構成するようにしてもよい。後述のように、ユニット2の表面側と内部側の測定面である測定面6,7はそれぞれ、光学ビーム8が透過する透過領域(第1領域)10と、光学ビーム8を遮蔽する遮蔽領域(第2領域)9を形成する。
また、ユニット2は後述するユニット駆動装置3を用いて駆動する。本実施例におけるユニット2の測定面は、光学ビーム8の照射中にユニット2の表面または内部の少なくとも一方に形成される遮蔽領域を通過した光学ビーム8の光パラメータを測定した光学ビーム8の被測定面(遮蔽領域が形成される面)とする。遮蔽領域に照射する光学ビーム8は、ユニット駆動装置3によってユニット2を駆動させている状態で照射する。
ユニット2の形状は、図1に例示しているように、ユニット2の中心(回転中心)に貫通孔を有する中空円筒形の形状をしているが、これに限らず、中空円筒形でZ軸方向の面を凹面または凸面形状に加工した形状であってもよい。さらに矩形の平板であってもよい。ユニット2の貫通孔をユニット駆動装置3のシャフトに取付けた後、ユニット2がシャフトから脱落または傾きの無いように固定機構(不図示)によってシャフトに固定される。ユニット2の貫通孔の径はシャフトの径によって変更されうる。またユニット2は、単一の光透過部材に限らず、複数の光透過部材を貼り合わせて形成するようにしてもよい。
ユニット2を形成する光透過部材は、本実施例においてはガラスを使用するが、ユニット2を形成する光透過部材はガラスのみに限られない。例えば、アクリルのような樹脂材料や、透明セラミックスであってもよい。ガラスは耐熱性に優れ、光学ビームを照射した際に熱的影響を抑制できる。また、耐薬品性にも優れるため、硫酸やアセトンなどの薬品を用いてユニット2を洗浄できる。アクリルのような樹脂材料は、材料のコストを抑えることができ、ユニット2の軽量化も可能となる。透明セラミックスは、紫外領域において高い透過性を有するため、紫外線等を用いたレーザの計測に利用できる。
また、ユニット2の少なくとも一部分に膜状のコーティングを施してもよい。膜状のコーティングは、表面もしくは裏面またはその両方に施すようにしてもよい。例えば、光学ビーム8を減光する特性を有する薄膜をユニット2の表面にコーティングする。一般的に、光学ビーム8の光強度が強い場合には光検出器4が計測不可となるまたは破壊される可能性がある。しかし、ユニット2の表面上に施したコーティングによって、ユニット2を通過した光学ビーム8の光強度を弱めることができる。そのため、光学ビーム8の光強度が強い場合でも光検出器4が計測不可となるまたは破壊されることなく光学ビーム8の光学パラメータ計測が可能になる。ここで、光学ビームを減光する特性を有するコーティングは、薄膜のコーティングを例として説明したが、コーティングする薄膜はこれに限らない。コーティングする薄膜は特定の波長帯域のみを減光する薄膜でもよいし、特定の波長帯域の波長をカットする薄膜でもよいし、ユニット2の表面反射を防止する薄膜でもよいし、ユニット2に汚れが付着するのを防止する薄膜でもよい。
ユニット駆動装置(駆動部)3は、ユニット駆動装置3の中央に配置され、光源の方向(−Z軸方向)に延設しているシャフトを駆動させることで、シャフトに固定されるユニット2を駆動させることのできる駆動手段として機能する。ユニット駆動装置3は、θ(Z軸周りの回転)方向に回転駆動する。本実施例では、ユニット駆動装置3としてアクチュエータを用いており、ユニット駆動装置3に適用可能なアクチュエータは、例えば、リニアモータやサーボモータまたはステッピングモータ等を含みうる。また、駆動方法はアクチュエータに限られない。例えば、ユニット駆動装置3は並進方向に駆動できる駆動ステージで構成されてもよい。この場合、ユニット駆動装置3は、光学ビーム8のビーム伝搬方向と垂直に交わる平面において、1次元方向に駆動できてもよいし、2次元方向に駆動できてもよい。さらに、ユニット駆動装置3は操作者が手動で駆動するような構成にしてもよい。また、ユニット駆動装置3は、ユニット2のθ(Z軸周りの回転)方向の位置やユニット2の傾きを調整するためのチルト機能を有するように構成されていてもよい。
光検出器(検出部)4は、不図示の光源から照射され、ユニット2を通過した光学ビーム8の光強度を検出する検出手段として機能する。光検出器4は、例えば光量センサを用いるが、光検出器4として使用されるものは光量センサのみに限定されない。例えば、CCDセンサや、CMOSセンサといったイメージセンサを使用してもよい。イメージセンサを使用した場合では、光学ビーム8の光強度分布を直接計測することが可能となる。光検出器4で検出された光学ビーム8の光強度の検出結果は、演算処理器5に伝送される。
演算処理器(制御部)5は、光検出器4で検出された光強度の検出結果から光学ビーム8の光パラメータを算出する算出手段として機能する。また、演算処理器5としてCPUやメモリなどを含むコンピュータを用いたが、演算処理器5として使用されるものはコンピュータのみに限定されない。例えば、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いた電気回路であってもよい。演算処理器5は、光学パラメータの算出に加え、演算処理器5をユニット駆動装置3に有線また無線によって接続することで、ユニット駆動装置3の動作及び調整や回転速度などをメモリに格納されたプログラムに従って制御する制御手段としても機能してもよい。演算処理器5は、演算処理器5をユニット駆動装置3に有線また無線によって接続されている場合、ユニット駆動装置3の他の部分と一体で(共通の筐体内に)構成してもよい。
図2は、本実施例に係るユニット2の測定面の上面側及び側面側の一例を示す図である。図2(A)は、ユニット2の測定面の上面側を示す一例の図である。図2(B)は、ユニット2の測定面の側面側を示す一例の図である。測定面6,7はそれぞれ、光学ビーム8が透過する透過領域10と、光学ビーム8を遮蔽する遮蔽領域9を有する。透過領域10と遮蔽領域9は、1つの測定面、例えば測定面6,7に対して少なくとも1つ以上形成され、図2に例示しているように本実施例のユニット2は、それぞれ透過領域10と遮蔽領域9を1つ形成している。しかしこれに限らず、1つの測定面に透過領域10と遮蔽領域9を複数形成するようにしてもよい。例えば、遮蔽領域9を複数設け、透過領域を1つ設けるようにしてもよく、その逆であってもよい。さらに透過領域10と遮蔽領域9はユニット2の内部の異なる位置に複数形成されるように構成してもよい。
なお、本実施例において透過領域10は、光学ビーム8の通過させることのできる透過率の高い領域として説明する。遮蔽領域9は、完全に光学ビーム8を遮蔽する構造ではなく、光学ビーム8を減光または散乱させるような構造等で光学ビーム8の通過を抑制する透過率の低い領域として説明する。しかしこれに限らず、遮蔽領域9は完全に光学ビーム8を遮蔽する構造を有する領域としてもよい。
また、図2(B)に例示しているように、測定面6,7は、ユニット2の厚さ方向にずらして構成している。即ち、ユニット2に対して照射する光学ビーム8のビーム伝搬方向に対して間隔を空けて構成している。さらに、測定面6,7の少なくとも一方は、ビーム伝搬方向に対して垂直な平面として構成される。また、本実施例の測定面6の透過領域10と遮蔽領域9及び測定面7の透過領域10と遮蔽領域9は、それぞれ位相をずらして形成している。即ち、光学ビーム8のビーム伝搬方向に対して重ならないように形成する。しかしこれに限らず、例えば、遮蔽領域9をそれぞれの計測面で位相を揃えるように形成してもよい。また、透過領域10と遮蔽領域9は厚さ方向にずらして形成してもよい。
遮蔽領域9には、光学ビーム8を減光または散乱させるような構造(光遮蔽構造)として、いわゆるクラックが形成されている。該クラックは、通常の機械加工では加工することは困難であるため、レーザ加工をするものとして、例えばレーザ彫刻技術等を用いる。これにより、ユニット2の内部に任意の形状をした遮蔽領域を形成することが可能となる。また、光学ビーム8を減光または散乱させるような構造はこれに限らず、光学ビーム8の遮蔽領域9と透過領域10を通過した際の光学ビーム8の光強度が変化する構造であればよい。さらに、遮蔽構造は、光透過部材を変質させることで、遮蔽領域9の屈折率を変化させるまたは吸光性を持たせるようにしてもよい。
以下、本実施例におけるビーム計測装置1を用いた光学ビーム8の光学パラメータの算出について、図3を参照して説明する。図3は、本実施例のビーム計測装置1の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
まず、ステップ(工程)S100では、ユニット駆動装置3によってユニット2を回転駆動させる。ユニット駆動装置3は演算処理器5によって駆動を制御してもよいし、操作者が手動で駆動させるようにしてもよい。次に、ステップS101では、不図時の光源より光学ビーム8をユニット2を通過するように光検出器4に対し照射させる。光学ビーム8の照射の時間や強度等は、操作者が任意の値に調整するようにしてもよい。ユニット2が回転駆動している際に遮蔽領域9が光学ビーム8を横切ると、光学ビーム8は遮蔽され、透過領域10が光学ビーム8を横切ると、光学ビーム8はユニット2を通過する。次に、ステップS102で、光学ビーム8が遮蔽される際の光強度を光検出器4で検出する。ここで、光学ビーム8が遮蔽される際とは、光学ビーム内を遮蔽領域が通過したときである。次に、ステップS103では演算処理器5は、光検出器4で検出した光学ビーム8の光強度の検出結果から光学ビーム8の光学パラメータを算出する。
なお、ステップS100の前にステップS101を実施するようにしてもよい。具体的には、光学ビーム8をユニット2を通過するように光検出器4に対し照射させた後に、ユニット駆動装置3によってユニット2を回転駆動させるようにしてもよい。
ここで、ステップS103での光学パラメータの算出に際し、本実施例においては測定面6,7にそれぞれ遮蔽領域9が存在するため、異なるビーム伝搬方向位置での光学ビーム8の光学パラメータが算出される。光学ビーム8が遮蔽領域9に照射された際に、光学ビーム8がクラックに当たり散乱、減光もしくは回折する。これにより、光学ビーム8が遮蔽領域9を通過した場合では、光学ビーム8が透過領域10を通過した場合と比べて、光検出器4で検出される光量が小さくなる。
そして、光学ビーム8のビーム伝搬方向に対して測定面6,7の間隔を短くすることで、ビーム伝搬方向位置の計測分解能を高くできる。計測分解能は各測定面の間隔によって決まる。従来技術では、計測分解能はブレードの厚みによって決定される。そして、計測分解能を高くするためにはブレードを薄くし、ビーム伝搬方向においてブレード同士の間隔を小さく(狭く)する必要があるが、ブレードの剛性を保つためにはブレードは所定の厚みを必要とする。そのため、ビーム伝搬方向の計測分解能がブレードの厚みによって制限され、所望の計測分解能が得られないという問題があった。本実施例のビーム計測装置1では測定面7がユニット2の内部に存在するため、ユニット2の厚みに制限されることなく、各測定面のZ軸方向における間隔を短くすることができる。つまり、ビーム伝搬方向位置の計測分解能を高くすることができる。
図4は、本実施例に係るユニット2の測定面上の遮蔽領域9が光学ビーム8を通過する過程での光強度の検出結果の一例を示す図である。図4に示すように、遮蔽領域9が光学ビーム8を通過する過程では、光学ビーム8が遮られることにより光強度が徐々に低下し、完全に光学ビーム8が遮られると光強度が下限値をとる。測定面上での光学ビーム8のビーム径によって、光強度の遷移領域の幅は異なりうる。
図5は、本実施例に係るユニット2の測定面6,7上の遮蔽領域9を通過した際の光強度の検出結果の一例を示す図である。図5に示すように、測定面6上の遮蔽領域9を通過した場合の遷移領域が測定面7上の遮蔽領域9を通過した場合の遷移領域より大きい場合、測定面7上の光学ビーム8のビーム径が測定面6上のビーム径よりも小さいことが分かる。このことから、光学ビーム8の焦点位置は、測定面6よりも測定面7の方が近いことが分かる。なお、本実施例では、測定面が2つの場合を説明しているが、これに限らず、さらに測定面を増やすことでより詳細な焦点位置を把握することが可能になる。
図6は、本実施例に係るユニット2の遮蔽領域9と透過領域10における構成例について示す図である。ここで測定面6,7は、遮蔽領域11のような短冊形の遮蔽領域を備えていてもよいし、透過領域13のようなピンホール型の透過領域や、透過領域14のようなスリット型の透過領域を備えていてもよい。ピンホール型の透過領域を用いた場合では、ピンホールが光学ビーム8の外周部を遮る空間フィルタの役割を持ち、光学ビーム8の不規則な散乱の影響を抑制して光強度を計測することができる。また、各測定面に複数の透過領域もしくは複数の遮蔽領域を備えていてもよい。
図7は、測定面上に短冊型の遮蔽領域が2つある場合の遮蔽領域と透過領域の構成例を示す図である。図7に例示するように、ある測定面上に遮蔽領域17,18がある場合を考える。ここで、光学ビーム8のスポット位置は、ユニット2の回転中心19を基準とした半径(半径位置)Rs、ある位置を基準とした角度位置θs(ここでは、X軸を基準とする)で表現できる。ユニット2の回転中心19を基準として光学ビーム8のスポット位置を線上に持つ半径Rsの円20は、遮蔽領域17,18の光学ビーム8を横切る境界線と、それぞれ交点21,22で交わる。交点21は、光学ビーム8を横切る遮蔽領域17の境界線と円20の交点であり、交点22は、光学ビーム8を横切る遮蔽領域18の境界線と円20の交点である。回転中心19を頂点として交点21,22と回転中心19からなる角度をθvとする。ここで、遮蔽領域17,18は、角度θvが半径Rsの値によって変化するように配置される。つまり、角度θvは半径Rsの関数である。
図8は、図7の遮蔽領域17の配置での光強度の検出結果の一例を示す図である。図8に例示するように、所定の角度位置を基準として、ユニット2がθ1回転した際に光強度が立ち下りはじめる。即ち、光学ビーム8が遮蔽領域18を通過し始める。そして、θ2回転後に光強度が立ち上がり終わる。即ち、光学ビーム8が遮蔽領域18を通過し終える。そして、ユニット2がθ3回転後に再度光強度が立ち下りはじめる。即ち、光学ビーム8が遮蔽領域17を通過し始める。このとき、光学ビーム8のスポット角度位置は、θ1とθ2の中心であるため、θ1とθ2の角度位置情報から角度θsが計算できる。θ2とθ3の間隔から、角度θvが分かる。ここで、角度θvは半径Rsの関数であり、遮蔽領域17,18の位置関係から半径Rsと角度θvの関係が分かるため、角度θvから半径Rsが計算できる。つまり、θ2とθ3の角度位置情報から半径Rsが計算できる。したがって、ある測定面上における光学ビーム8の半径Rsおよび位置θsが特定できるため、光学ビーム8のスポット位置が特定できる。
また、上記の方法は短冊型の遮蔽領域の場合に限らず、スリット型の透過領域を用いた場合にも適用できる。さらに、上記の方法で光学ビーム8のスポット位置を特定するためには、ある遮蔽領域もしくはある透過領域が、光学ビーム8を互いに異なる2つ以上の方向から横断できる形状または姿勢とする必要があり、これらを測定面6,7の一方または両方に形成する。ここで、姿勢は、3次元空間におけるロール(Roll)、ピッチ(Pitch)、ヨー(Yaw)の3つの角度成分(3次元角度情報)によって表されるもので、回転または傾き具合のことである。また、例えば、遮蔽領域17,18が光学ビーム8を横断しない部分において繋がっており、1つの遮蔽領域として形成されていてもよい。また、並進駆動の場合でも、光学ビーム8を互いに異なる2方向から横断できるように遮蔽領域(もしくはスリット型の遮蔽領域)を形成することで、光学ビーム8の位置を計算することができる。
本実施例におけるビーム計測装置1は、光学ビーム8をユニット2に対し照射する際に入射角度を調整して入射させて、光学パラメータを計測することも可能である。以下、図9を参照しながら説明する。図9は、光学ビーム8がユニット2に対して斜めに入射した際の光路の一例を示す図である。なお、図9において、光学ビーム8がユニット2を通過する場合の光路23は実践矢印で、空気中を通過する場合の光路24は破線矢印で示している。
光学ビーム8はユニット2を通過して光検出器4で光強度を検出されるが、前述のように本実施例ではユニット2は光透過部材で形成されているため、空気と屈折率が異なる。そのため、空気中を通過する光学ビーム8の光学パラメータとユニット2を通過する場合の光学パラメータには差異が生じる。本実施例では、ユニット2はガラスで形成するため、光学ビームが入射角φairでユニット2に入射した場合、ガラスと空気の屈折率が異なるため、光学ビームは屈折角φglassで屈折する。空気の屈折率をnair、ガラスの屈折率をnglassとすると、入射角φairと屈折角φglassの関係はスネルの法則より、以下の式(1)で表わされる。
nair×sin(φair)=nglass×sin(φglass)・・・(1)
ここで、測定面上のスポット位置は上記で示した通り計測可能であるため、測定面6,7上のスポット位置の幾何学的位置関係から屈折角φglassが計算できる。
nair×sin(φair)=nglass×sin(φglass)・・・(1)
ここで、測定面上のスポット位置は上記で示した通り計測可能であるため、測定面6,7上のスポット位置の幾何学的位置関係から屈折角φglassが計算できる。
また、ガラスの屈折率は空気の1.5倍(nglass/nair=1.5)であるとすると、上記式(1)の関係から入射角φairが計算できる。屈折の影響により、光学ビーム8は空気とガラスを通過した場合に異なる光路23,24を通る。光学ビーム8が光路23もしくは光路24を通過した際、両者の測定面7上におけるスポット位置の差分eとする。この差分eは、屈折角φglassと測定面6と測定面7との間隔Δzを用いて、以下の式(2)で表される。
e=Δz×{tan(φair)−tan(φglass)}・・・(2)
ここで、Δzはユニット2の設計情報であるから既知の値であり、入射角φairと屈折角φglassも計算できることから、差分eも計算できる。
e=Δz×{tan(φair)−tan(φglass)}・・・(2)
ここで、Δzはユニット2の設計情報であるから既知の値であり、入射角φairと屈折角φglassも計算できることから、差分eも計算できる。
測定面7上のスポット位置の計算結果に対して差分eを加算することで、光学ビーム8が空気中を通過する際のスポット位置を計算できる。このように、光学ビーム8の光学パラメータを計算する際に、ユニット2の光学的影響を考慮して計測された値(計測値)を補正することで、空気中を通過した場合の光学パラメータを計算できる。光学的影響として、屈折率の違いによる位置ズレ等に限らず、光学パラメータを計算する際に生じる他の影響も考慮してもよい。また、光学ビーム8をユニット2に対して垂直に入射させた場合でも計測された値を補正するようにしてもよい。また、測定面6と測定面7の間隔Δzを光学距離に換算して、光学ビーム8の光学パラメータを計算してもよい。
以上、本実施例のビーム計測装置1は、ユニット2を単一の部材で構成しているため、アライメント調整が不要になる。また、ユニット2における測定面を少なくとも1つ以上内部に設けることができ、さらに測定面同士の間隔を任意の間隔にすることができるため、より詳細な焦点位置を把握した上で光学パラメータを計測することが可能となる。
〔実施例2〕
本実施例におけるビーム計測装置1は、実施例1のビーム計測装置1におけるユニット駆動装置3に、駆動量計測器16を備える。以下、実施例2に係るビーム計測装置1について、図10を参照しながら説明する。図10は、実施例2のビーム計測装置1の構成の一例を示す概略図である。なお、実施例1のビーム計測装置1及びユニット2と同様の構成については説明を省略する。
本実施例におけるビーム計測装置1は、実施例1のビーム計測装置1におけるユニット駆動装置3に、駆動量計測器16を備える。以下、実施例2に係るビーム計測装置1について、図10を参照しながら説明する。図10は、実施例2のビーム計測装置1の構成の一例を示す概略図である。なお、実施例1のビーム計測装置1及びユニット2と同様の構成については説明を省略する。
駆動量計測器16は、ユニット2の駆動速度を計測する計測手段として機能する。駆動量計測器16として、例えば、回転角度計測方法がインクリメンタル方式のロータリエンコーダを用いる。これにより、ユニット2を連続的に駆動させながらユニット2の相対的な回転角度変化を算出できる。そのため、ユニット2の駆動と光学ビーム8の光学パラメータ計測を同時に実施できる。これにより、ユニット2を駆動させながらユニット2の相対的な位置変化を算出することができる。
駆動量計測器16は、所定の位置を基準とした駆動量を計測できる機能を含む計測器であってもよい。駆動量計測器16として用いるロータリエンコーダが、例えば、基準位置の検出機能を有する機能(Z相出力)を持つインクリメンタル方式や、アブソリュート方式のものであってもよい。これにより、所定の位置を基準として光学ビーム8の光強度を検出できる。さらに、駆動量計測器16をユニット2の内部に配置するようにしてよい。駆動量計測器16を用いることで、測定面上の光学ビーム8のスポット位置やビーム径を計測することができる。また、各測定面上でのビーム径の計測結果から、M2を求めることができる。ここで、ユニット2を並進駆動させる場合では、並進方向の計測器として例えば、リニアエンコーダを用いればよい。
以上より、本実施例のビーム計測装置1は、実施例1のビーム計測装置1の構成にさらに駆動量計測器16を備えさせることにより、光学ビーム8の光学パラメータ計測に加え、ユニット2の相対的な位置変化を算出することができる。
〔その他の実施例〕
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
以上、本発明をその好適な実施例に基づいて詳述してきたが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨に基づき種々の変形が可能であり、それらを本発明の範囲から除外するものではない。
1 ビーム計測装置
2 ユニット
3 ユニット駆動部
4 光検出器
5 演算処理器
6 測定面
7 測定面
8 光学ビーム
2 ユニット
3 ユニット駆動部
4 光検出器
5 演算処理器
6 測定面
7 測定面
8 光学ビーム
Claims (15)
- 光学ビームのパラメータを計測するビーム計測装置において、
光透過部材と、
前記光透過部材を通過した前記光学ビームの光強度を検出する検出手段と、
前記光強度の検出結果から前記光学ビームの前記パラメータを算出する算出手段と、を有し、
前記光透過部材は、内部に形成された、光が透過する第1領域より透過率の低い第2領域、を備え、
前記検出手段は、前記光学ビーム内を前記第2領域が通過したときの前記光学ビームの前記光強度を検出することを特徴とするビーム計測装置。 - 前記第2領域は、前記光透過部材の表面に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のビーム計測装置。
- 前記第2領域は、前記光透過部材の内部または表面のいずれかを含む異なる位置に複数形成されていることを特徴とする請求項2に記載のビーム計測装置。
- 前記光透過部材の内部に形成された前記第2領域は、前記光透過部材の表面に形成された前記第2領域と位相がずれていることを特徴とする請求項2または3に記載のビーム計測装置。
- 前記光透過部材の内部に形成された前記第2領域と、前記光透過部材の表面に形成された前記第2領域とが前記光学ビームを横切るように前記光透過部材を駆動させる駆動手段を有することを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載のビーム計測装置。
- 前記駆動手段によって駆動される前記光透過部材の駆動速度を計測する計測手段を有することを特徴とする請求項5に記載のビーム計測装置。
- 前記計測手段は、所定の位置を基準として前記光透過部材の駆動量を計測することを特徴とする請求項6に記載のビーム計測装置。
- 前記光透過部材の内部と表面にそれぞれ形成された前記第2領域は、前記光学ビームを互いに異なる2つ以上の方向から横断する形状または姿勢のいずれかで構成されていることを特徴とする請求項2〜7のいずれか1項に記載のビーム計測装置。
- 前記算出手段は、前記光学ビームが前記光透過部材を通過した際の計測値を補正し、前記補正した計測値に基づいて前記パラメータを算出することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載のビーム計測装置。
- 少なくとも前記第2領域は、レーザ加工によって形成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載のビーム計測装置。
- 前記光透過部材の少なくとも一部にコーティングが施されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載のビーム計測装置。
- 前記光透過部材の内部に形成された前記第2領域を有する面と、前記光透過部材の表面に形成された前記第2領域を有する面の少なくとも一方は、前記光学ビームの照射方向に対して垂直な平面であることを特徴とする請求項2〜11のいずれか1項に記載のビーム計測装置。
- 前記光透過部材の内部に形成された前記第2領域を有する面と、前記光透過部材の表面に形成された前記第2領域を有する面は前記光透過部材の厚さ方向にずれていることを特徴とする請求項2〜12のいずれか1項に記載のビーム計測装置。
- 光学ビームのパラメータを計測するビーム計測装置に用いる光透過部材であって、
前記光透過部材は内部に形成された、光が透過する第1領域より透過率の低い第2領域を備えることを特徴とする光透過部材。 - 光学ビームのパラメータを計測する計測方法であって、
前記光学ビームを通過させる光透過部材は内部に形成された、光が透過する第1領域より透過率の低い第2領域を備え、
前記光透過部材を通過した前記光学ビームの光強度を検出する検出ステップと、
前記光強度の検出結果から前記光学ビームの前記パラメータを算出する算出ステップと、を有し、
前記検出ステップは、前記光学ビーム内を前記第2領域が通過したときの前記光学ビームの前記光強度を検出することを特徴とする計測方法。
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JP2020077104A JP2021173617A (ja) | 2020-04-24 | 2020-04-24 | ビーム計測装置、光透過部材、及び計測方法 |
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