JP2021173454A - 冷凍サイクル装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】トリフルオロヨードメタンを含むGWPが低い不燃性の混合冷媒を用いており、冷媒の劣化に伴う高GWP化が持続的に抑制される、環境適合性や信頼性が高い冷凍サイクル装置を提供する。【解決手段】冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する減圧器と、減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、蒸発器で蒸発した液滴を含む冷媒から液滴を分離して一時的に蓄えるアキュムレータ9と、冷媒中の水分を除去する乾燥器と、を備える冷凍サイクル装置であって、冷媒は、トリフルオロヨードメタンを含む混合冷媒であって、25℃における蒸気圧が1.1MPa以上1.8MPa以下であり、圧縮機は、密閉容器内に、圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動するモータと、を備え、且つ、摺動部を潤滑する冷凍機油が充填されている密閉型電動圧縮機であり、アキュムレータ9内に、トリフルオロメタンを吸着する吸着剤46を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、地球温暖化係数(Global Warming Potential:GWP)が小さい冷媒を用いた冷凍サイクル装置に関する。
従来、地球温暖化の防止のために、気候変動に対する種々の方策が国際的に講じられている。2015年に開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議(COP21)では、パリ協定が採択され、今後達成すべき長期目標が定められた。パリ協定は、世界的な平均気温の上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保つと共に1.5℃に抑える努力を追求する旨を目的としている。
日本では、地球温暖化防止のための法整備が、フッ素化合物に関係する分野を中心に進んでいる。冷凍空調機器に用いるフッ素系冷媒の使用や管理に関しては、「フロン類の使用の合理化及び管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」に規制対象機器と規制対象物質が規定されている。
規制対象物質としては、「特定物質等の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」に規定されるオゾン層破壊物質(主に塩素或いは臭素が結合したフッ素化合物)と、「地球温暖化対策の推進に関する法律」に掲げられる温室効果ガス物質(主に水素とフッ素と炭素からなる高GWPの物質)が挙げられる。
現在、環境影響度を表す指標であるGWPは、フロン排出抑制法の改正により、指定製品毎の加重平均で目標値が設定されるようになっている。家庭用エアコンについては、2018年までに750に、店舗・オフィス用エアコンについては、2020年までに750に、コンデンシングユニット及び定置式冷凍冷蔵ユニット(以下、冷凍機等と略する。)については、2025年までに1500にすることが目標になっている。
従来、冷凍空調装置の冷媒としては、R410A[HFC(Hydrofluorocarbon)32/HFC125(50/50重量%)]や、R404A[HFC125/HFC143a/HFC134a(44/52/4重量%)]が使用されてきた。しかし、R410Aは、GWP=1924、R404Aは、GWP=3943と高いため、近年では、よりGWPが低い代替冷媒への置き換えが進められている。冷媒のGWPと燃焼性とは相反する関係にあり、冷媒を低GWP化すると、燃焼性が高くなる傾向がある。
代替冷媒としては、熱物性、低GWP、低毒性、低燃焼性等の理由から、ジフルオロメタン(HFC32)(GWP=677)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO(Hydrofluoroolefin)1234yf)(GWP=0)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)(GWP=1)、トリフルオロエテン(HFO1123)(GWP<1)、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO1243zf)(GWP=0)が知られている。
また、HFOとHFC32、HFC125、HFC134a等との混合冷媒や、プロパン、プロピレン等のハイドロカーボンや、モノフルオロエタン(HFC161)、ジフルオロエタン(HFC152a)等の低GWPであるハイドロフルオロカーボンが知られている。また、ヨウ素、臭素、塩素等でハロゲン化して不燃性化させた低沸点化合物も知られている。
家庭用エアコンについては、他の法令の改正もあって、大半が微燃性のHFC32に切り替えられつつある。高圧ガス保安法の冷凍保安規則の改正(2016年11月)では、HFC32、HFO1234yf、HFO1234zeが「不活性ガス」として分類された。しかし、これらの冷媒は、微燃性であるため、「特定不活性ガス」としても掲名されている。5冷凍トン以上の装置については、漏洩した冷媒を滞留させないための換気装置・設備構造が必要であるし、漏洩した冷媒が滞留し易い場所に検知警報設備の設置が必要である。
このような背景から、より冷凍能力が要求されるビル用マルチエアコン(多室型空気調和機)や冷凍機では、低GWP冷媒への置き換えが進んでなく、現在でもR410Aが使用されている。ビル用マルチエアコンや冷凍機は、冷媒封入量が多く、冷媒漏洩時のリスクが高いため、GWPが低い微燃性冷媒の使用が難しい現状がある。
一方、冷凍機用の冷媒としては、フロン排出抑制法との関係から、GWPが1500以下であり、HFO1234yfやHFO1234zeを含む不燃性の混合冷媒が注目されてきた。例えば、R448A(HFC32/HFC125/HFC134a/HFO1234ze/HFO1234yf)や、R449A(HFC32/HFC125/HFC134a/HFO1234yf)を用いた冷凍機の開発が進められている。しかし、R448AやR449Aは、GWPを1100〜1400程度に留めないと不燃化させることができないため、低GWP化を進めるにあたって、燃焼性の抑制が必要とされている。
従来、地球温暖化防止のための国際的な対策としては、モントリオール議定書による規制が強化されてきた。当初の規制対象物質は、日本の「特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律」に規定される特定物質であった。しかし、2016年10月にルワンダ・キガリで開催された第28回モントリオール議定書締約国会議(MOP28)では、日本の「地球温暖化の推進に関する法律」に掲げられる代替フロン等に対しても規制が拡大されることになった。
キガリ改正では、規制物質の生産量および消費量を、2011年から2013年を基準として、2019年に−10%、2024年に−40%、2029年に−70%、2034年に−80%、2036年に−85%とすることが合意された。これに対し、2024年までは、現行のフロン排出抑制法によって目標値を達成できる見通しである。しかし、2029年以降については、目標値の達成が難しい見込みである。
このような状況下、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含み、低GWPで不燃性の混合冷媒が注目されている。トリフルオロヨードメタンを含む混合冷媒によると、冷媒の燃焼性を抑制しつつ、現在のビル用マルチエアコン等で使用されているR410Aに近い冷凍能力が得られるため、大きな設計変更を伴わなくとも、環境適合性が高い冷凍空調装置が実現されると期待されている。
特許文献1には、薄膜製造プロセスにおけるエッチング剤や、クリーニング剤として利用されているモノフルオロメタンを精製するための技術が記載されている。この技術では、モノフルオロメタンからトリフルオロメタン(CHF)を化学吸収によって分離している。化学吸収には、アミドおよび塩基を含む処理液を用いている。
特開2012−121855号公報
ジフルオロメタン(HFC32)等の冷媒にトリフルオロヨードメタン(CFI)を混合すると、GWPを低く保ちつつ、燃焼性を抑制することができる。そのため、低GWPであり、且つ、燃焼性が低い冷媒を得ることができる。しかし、トリフルオロヨードメタンは、水分、酸素、熱等の存在下、化学反応を起こして分解し、ハイドロフルオロカーボンの一種であるトリフルオロメタン(CHF)や、フッ化水素、ヨウ化水素等を生成する。
冷凍空調装置等の冷凍サイクル装置は、冷媒が通流する冷凍サイクル内に、銅管、黄銅製等のフレアナット、銀ろう等による接合部をはじめ、種々の金属材を備えている。これらの金属材は、トリフルオロヨードメタンの分解や、分解に伴う下流側の反応を触媒する可能性がある。また、冷凍サイクル内を循環する冷媒には、圧縮機において摺動熱等が加わるし、水素原子が結合した有機分子である冷凍機油が共存している。そのため、冷凍サイクル装置の運転を続けると、触媒や熱の存在下、冷媒の劣化や劣化反応生成物の濃度上昇が進行することが懸念される。
トリフルオロヨードメタンの分解に伴って生成する劣化反応生成物のうち、トリフルオロメタンは、GWP=12400であり、温室効果が高い物質である。トリフルオロメタンの濃度が上昇すると、冷媒のGWPが大きくなるという問題がある。また、冷凍能力等に悪影響が及ぶ可能性もある。そのため、冷凍サイクル内におけるトリフルオロメタンの濃度上昇を抑制する技術が望まれている。
特許文献1に記載されている技術は、トリフルオロメタン(CHF)を、アミドおよび塩基を含む処理液に化学吸収させるものである。このような技術を冷凍サイクル内で用いると、トリフルオロヨードメタン自体も劣化してしまう。トリフルオロヨードメタンを含む混合冷媒に、アミドの存在下、圧縮機の摺動熱等が加わると、トリフルオロメタンの濃度が却って上昇する可能性がある。また、冷媒だけでなく冷凍機油も劣化するため、冷凍サイクル装置の信頼性が大幅に低下することになる。
そこで、本発明は、トリフルオロヨードメタンを含むGWPが低い不燃性の混合冷媒を用いており、冷媒の劣化に伴う高GWP化が持続的に抑制される、環境適合性や信頼性が高い冷凍サイクル装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明に係る冷凍空調サイクル装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する減圧器と、前記減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した液滴を含む冷媒から液滴を分離して一時的に蓄えるアキュムレータと、冷媒中の水分を除去する乾燥器と、を備える冷凍サイクル装置であって、前記冷媒は、トリフルオロヨードメタンを含む混合冷媒であって、25℃における蒸気圧が1.1MPa以上1.8MPa以下であり、前記圧縮機は、密閉容器内に、圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動するモータと、を備え、且つ、摺動部を潤滑する冷凍機油が充填されている密閉型電動圧縮機であり、前記アキュムレータ内に、トリフルオロメタンを吸着する吸着剤を備える。
本発明によると、トリフルオロヨードメタンを含むGWPが低い不燃性の混合冷媒を用いており、冷媒の劣化に伴う高GWP化が持続的に抑制される、環境適合性や信頼性が高い冷凍サイクル装置を提供することができる。
冷凍サイクル装置であるビル用マルチエアコンの一例を示す冷凍サイクル構成図である。 密閉型電動圧縮機の一例を示す縦断面図である。 アキュムレータの一例を示す縦断面図である。 レシーバタンクの一例を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る冷凍サイクル装置について、図を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の各図において、共通する構成については同一の符号を付して重複した説明を省略する。
<冷凍サイクル装置>
本実施形態に係る冷凍サイクル装置は、冷媒が形成する熱力学的な冷凍サイクルを利用して冷却対象を冷却する能力を備えた装置である。冷凍サイクル装置は、冷却を行う能力を備える限り、冷凍サイクルと反対の熱サイクルを行う能力を備えていてもよい。この冷凍サイクル装置は、例えば、空気調和機、冷凍機等の各種の冷凍空調装置に適用することができる。
本実施形態に係る冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮する圧縮機と、圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する減圧器と、減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、を備える。圧縮機としては、密閉容器内に、圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動するモータと、を備え、且つ、摺動部を潤滑する冷凍機油が充填されている密閉型電動圧縮機が用いられる。
また、本実施形態に係る冷凍サイクル装置は、これらの圧縮機、凝縮器、減圧器および蒸発器に加え、蒸発器で蒸発した液滴を含む冷媒から液滴を分離して一時的に蓄えるアキュムレータと、冷媒中の水分を除去する乾燥器と、を備える。この冷凍サイクル装置は、アキュムレータや乾燥器に加え、余剰冷媒を調整するレシーバタンクを備えることができる。
本実施形態に係る冷凍サイクル装置において、冷媒としては、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒が用いられる。アキュムレータやレシーバタンクは、冷媒が通流する冷凍サイクル内において、冷媒の流速が遅い箇所であり、トリフルオロヨードメタンの分解によって生成するトリフルオロメタン(CHF)が滞留し易い箇所に該当する。
本実施形態に係る冷凍サイクル装置では、このような箇所に、トリフルオロメタンを吸着する吸着剤を設置する。トリフルオロメタンを吸着する吸着剤を設置することによって、冷凍サイクル内におけるトリフルオロメタンの濃度の上昇を抑制し、冷媒の劣化に伴う高GWP化を持続的に抑制して、冷凍サイクル装置の環境適合性や信頼性を確保する。
ここで、本実施形態に係る冷凍サイクル装置や、冷凍サイクル装置に用いられる圧縮機について、具体例を示して説明する。
図1は、冷凍サイクル装置であるビル用マルチエアコンの一例を示す冷凍サイクル構成図である。
本実施形態に係る冷凍サイクル装置は、図1に示すようなビル用マルチエアコン(多室型空気調和機)等の空気調和機として適用することができる。
図1に示すように、ビル用マルチエアコン100は、室外機1と、室内機2a,2bと、を備えている。なお、図1において、ビル用マルチエアコン100は、2台の室内機2a,2bを備えている。しかしながら、ビル用マルチエアコン100は、3台以上の任意の数の室内機(2a,2b,・・・)を備えることができる。
室外機1は、圧縮機3と、四方弁4と、室外熱交換器(凝縮器/蒸発器)5と、レシーバタンク6と、ドライヤ(乾燥器)7と、室外膨張弁(減圧器)8と、アキュムレータ9と、室外送風機10と、を備えている。
四方弁4と、アキュムレータ9と、圧縮機3とは、冷媒配管を介して閉環状に接続されている。また、四方弁4の別の接続部には、室内機2a,2bが、冷媒配管を介して接続されている。四方弁4の残りの接続部には、室外熱交換器5、レシーバタンク6、ドライヤ7、室外膨張弁8、室内機2a,2bが、この順に冷媒配管を介して接続されている。
これらの機器や、機器同士を繋ぐ冷媒配管は、室外機1と室内機2a,2bとの間に、冷媒を循環させる循環路としての冷凍サイクルを形成している。冷凍サイクル内には、後記する所定の冷媒が封入される。また、圧縮機3には、潤滑、冷媒の密封、冷却等の目的で、後記する所定の冷凍機油が封入される。
圧縮機3は、密閉型電動圧縮機であり、密閉容器内に、圧縮機構部と、圧縮機構部を駆動するモータとが内蔵されている。四方弁4は、圧縮機3から吐出される冷媒の冷凍サイクル内での循環方向を、熱力学的サイクルに応じて切り替えることができる。室外熱交換器5は、冷媒と外気との熱交換を行い、冷房運転時には凝縮器として働き、暖房運転時には蒸発器として働く。
レシーバタンク6は、余剰冷媒を調整するための容器である。レシーバタンク6には、液冷媒から分離されたガス冷媒が一時的に蓄えられる。レシーバタンク6から室外膨張弁8には、実質的に液冷媒のみが送られる。なお、図1に示す冷凍サイクルには、レシーバタンク6が設置されているが、レシーバタンク6は設置されなくてもよい。レシーバタンク6は、冷凍サイクル装置の機種によっては非設置の仕様もある。
ドライヤ7は、冷媒中の水分を除去するための機器である。図1に示すドライヤ7は、インライン型のストレーナとされている。ドライヤ7の内部には、冷媒や冷凍機油の劣化の要因となる水分を除去するために、乾燥剤が充填される。
乾燥剤としては、水を吸着する細孔径を持つ合成ゼオライト、例えば、モレキュラシーブ等のゼオライトや、シリカゲル、活性アルミナ等を用いることができる。乾燥剤としては、細孔の大きさが、水の有効径以下であり、冷媒成分、冷凍機油、添加剤、トリフルオロメタン等の有効径よりも大きいものが好ましい。すなわち、水を選択的に吸着して、水よりも大きい冷媒成分、冷凍機油、添加剤、トリフルオロメタン等を吸着し難いものが好ましい。
なお、図1において、ドライヤ7は、冷凍サイクル内のバイパスに設置されている。バイパスは、レシーバタンク6と室外膨張弁8との間に本流配管に対して並列状に設けられている。このような区間に設置することにより、乾燥剤に高温の冷媒が接触するのが防止されている。また、バイパスに設置することにより、ドライヤ7による圧力損失や、高流速の冷媒による乾燥剤の摩耗・粉砕が抑制されている。但し、ドライヤ7は、レシーバタンク6と室外膨張弁8との間の本流配管等に設置してもよい。ドライヤ7を本流配管に設置すると、冷凍サイクルを構成する部品の点数を削減することができる。
室外膨張弁8は、例えば、電子膨張弁、温度式膨張弁等で構成され、冷房運転時には減圧器として働く。アキュムレータ9は、冷媒ガスと液冷媒との気液分離を行う装置であり、液滴を含む冷媒から液滴を分離して一時的に蓄える。室外送風機10は、室外熱交換器5に外気を送風するために備えられており、冷媒と外気との熱交換を促進する。
室内機2a,2bは、それぞれ、室内熱交換器(蒸発器/凝縮器)11a,11bと、室内膨張弁(減圧器)12a,12bと、室内送風機13a,13bと、を備えている。ビル用マルチエアコン100が2台以上の室内機(2a,2b,・・・)を備える場合、各室内機は、同様の構成に設けて、並列状の冷凍サイクルを形成するように冷媒配管で繋ぐことができる。
室内熱交換器11a,11bは、冷媒と室内の空気との熱交換を行い、冷房運転時には蒸発器として働き、暖房運転時には凝縮器として働く。室内膨張弁12a,12bは、例えば、電子膨張弁、温度式膨張弁等で構成され、暖房運転時には減圧器として働く。室内送風機13a,13bは、室内熱交換器11a,11bに室内の空気を送風するために備えられており、冷媒と室内の空気との熱交換を促進する。
ビル用マルチエアコン100による冷房は、次の原理で行われる。圧縮機3で断熱圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、四方弁4を通って、室外熱交換器5に送られる。そして、冷媒ガスは、凝縮器として働く室外熱交換器5で外気との熱交換によって冷却されて高圧の液冷媒となる。高圧の液冷媒は、レシーバタンク6に入り、凝縮しきれていない冷媒ガスが分離される。液冷媒に含まれる水分は、ドライヤ7によって除去される。冷媒ガスが分離された高圧の液冷媒は、室外膨張弁8で減圧されて膨張し、気液二相冷媒(僅かに冷媒ガスを含む低温低圧の液冷媒)となる。
室外膨張弁8で減圧された気液二相冷媒は、個々の室内熱交換器11a,11bに送られる。そして、蒸発器として働く室内熱交換器11a,11bで、室内の空気との熱交換によって蒸発して熱を奪い低温低圧のガス冷媒となる。低温低圧のガス冷媒は、四方弁4を通って、アキュムレータ9に入り、蒸発しきれていない低温低圧の液冷媒が分離される。液冷媒が分離された低温低圧のガス冷媒は、圧縮機3に戻る。その後、同様のサイクルが繰り返されて冷房が続けられる。
ビル用マルチエアコン100による暖房は、冷房時とは反対のサイクルで行われる。圧縮機3で断熱圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、四方弁4の切り替えによって、個々の室内熱交換器11a,11bに送られる。そして、凝縮器として働く室内熱交換器11a,11bで室内の空気に熱を与え、その後、蒸発器として働く室外熱交換器5で外気から熱を奪う。このような同様のサイクルが繰り返されて暖房が続けられる。
図2は、密閉型電動圧縮機の一例を示す縦断面図である。
本実施形態に係る冷凍サイクル装置は、冷媒を圧縮する圧縮機として、例えば、図2に示すようなスクロール式の密閉型電動圧縮機を備えることができる。密閉型電動圧縮機は、図1に示すビル用マルチエアコン100の圧縮機3として利用することができる。
図2に示すように、密閉型電動圧縮機3は、端板に垂直に設けられた渦巻き状の固定ラップ20aを有する固定スクロール部材20と、固定ラップ20aと実質的に同一形状である渦巻き状の旋回ラップ21aを有する旋回スクロール部材21と、フレーム22と、旋回スクロール部材21を旋回運動させるクランクシャフト23と、クランクシャフト23を駆動するモータ24と、これらを内蔵する密閉容器25と、を備えている。
固定スクロール部材20は、フレーム22にボルトで固定されている。旋回スクロール部材21には、旋回スクロール部材21の自転を規制するオルダムリングが摺動可能な状態で係合している。旋回スクロール部材21は、旋回軸受に支持されている。旋回軸受には、旋回スクロール部材21を偏心駆動させる偏心ピンが嵌め込まれている。
固定スクロール部材20と旋回スクロール部材21とは、固定ラップ20aと旋回ラップ21aとが互いに噛み合うように対向して配置されており、冷媒の圧縮を行う圧縮機構部を形成している。固定ラップ20aと旋回ラップ21aとの間には、圧縮室26が形成されている。
クランクシャフト23は、主軸部が、転がり軸受である主軸受30に回動可能な状態で支持されている。また、副軸部が、転がり軸受である副軸受31に回動可能な状態で支持されている。クランクシャフト23の中間部には、バランスウェイトが取り付けられている。
クランクシャフト23は、モータ24によって、一定の回転速度またはインバータ制御による電圧に応じた回転速度で回転が駆動される。旋回スクロール部材21は、モータ24の作動によってクランクシャフト23が回転すると、固定スクロール部材20に対して偏心して旋回運動するようになっている。
密閉型電動圧縮機3において、密閉容器25の上部には、冷媒の循環路としての冷凍サイクルから冷媒を吸い込む吸込パイプが備えられている。吸込パイプは、固定スクロール部材20の外側に設けられた圧縮室26への吸込口に連通している。旋回スクロール部材21が旋回運動すると、最も外側に位置している圧縮室26が、容積を次第に縮小しながら、圧縮機構部の中央に向かって移動していく。この動作に伴って、吸込口を通じて圧縮室26に導入されてくる冷媒が連続的に圧縮される。
圧縮室26は、圧縮機構部の中央まで移動すると、固定スクロール部材20に貫通して設けられた吐出口27と連通する。密閉容器25内には、固定スクロール部材20を挟んで、上方空間と下方空間とがある。圧縮室26で圧縮された冷媒ガスは、吐出口27から密閉容器25内の上方空間に放出される。上方空間に放出された冷媒ガスは、固定スクロール部材20を貫通する複数の吐出ガス通路を通じて下方空間に移動する。そして、下方空間に設けられた密閉容器25を貫通する吐出パイプ28から、冷媒の循環路としての冷凍サイクルに吐出される。
密閉容器25内には、モータ24の下方に、冷凍機油を溜める油溜め部32が設けられている。油溜め部32の冷凍機油は、圧縮機構部の作動中に圧力差によって吸引される。そして、クランクシャフト23に設けられている油孔29を通り、旋回スクロール部材21とクランクシャフト23との摺動部や、クランクシャフト23の主軸部を支持する主軸受30の転がり軸受や、クランクシャフト23の副軸部を支持する副軸受31の転がり軸受等に供給される。
なお、図2において、密閉型電動圧縮機3は、スクロール圧縮機とされているが、冷凍サイクル装置を構成する圧縮機としては、スクロール圧縮機の他に、例えば、スクリュー圧縮機、ロータリー圧縮機、ツインロータリー圧縮機、2段圧縮ロータリー圧縮機、ローラとベーンが一体化されたスイング式圧縮機等を用いることもできる。
図3は、アキュムレータの一例を示す縦断面図である。
図3に示すように、アキュムレータ9は、本体を構成する容器40と、容器40内に冷媒を流入させる流入管41と、容器40内から冷媒ガスを流出させる流出管42と、混合液43の液面よりも上方に位置するように容器40内の上部に支持された仕切部材45と、を備えることができる。
アキュムレータ9は、容器40に流入したガス冷媒から液滴を分離して、液滴を容器40内に一時的に蓄えるための機器である。容器40は、図3において、有底の筒状に設けられている。容器40の上部は、蓋部材によって密閉されている。容器40の蓋部材には、流入管41と流出管42が、容器40の内外を貫通するように取り付けられている。
流入管41は、図3において、L字管として設けられている。流入管41の一端は、配管を介して、四方弁4の出口側と接続される。流入管41は、容器40の上方から容器40内に蓋部材を貫通して延び、容器40内の上部で側方に曲がっている。流入管41の他端は、容器40内の上部に側方を向いて開口している。流入管41の他端には、開口部として、容器40内に冷媒を流入させる流入口41aが形成されている。
流出管42は、図3において、左右の長さが異なるU字管として設けられている。流出管42の一端は、容器40内の上部に上方を向いて開口している。流出管42は、容器40内の上部から容器40内の下部に延び、容器40内の下部で折れ曲がり、容器40内の下部から容器40の上方に向けて蓋部材を貫通して延びている。流出管42の他端は、配管を介して、圧縮機3の吸入側と接続される。
容器40には、冷凍サイクルの運転中に、混合液43が一時的に貯留される。混合液43は、液体状の液冷媒と冷凍機油とが混合した液体であり、ガス冷媒から分離された液滴に由来する。容器40内の下部には、流出管42の中間部が位置している。流出管42の中間部には、混合液43に浸漬する位置に、油戻し孔44が設けられている。
冷凍サイクルの運転中において、室内熱交換器11a,11bで生じたガス冷媒は、流入管41を通じて、容器40内に流入する。このガス冷媒には、室内熱交換器11a,11bで蒸発しきれなかった液冷媒の液滴や、冷凍機油の液滴が含まれている。このようなガス冷媒が容器40内に流入すると、液冷媒や冷凍機油がガス冷媒から比重差によって分離される。液冷媒が分離されることにより、圧縮機3における圧縮不良や潤滑不足による焼き付きが防止される。
ガス冷媒から分離された液冷媒や冷凍機油は、容器40内に流入すると、容器40の底部に流下し、容器40内に一時的に貯留される。一方、ガス冷媒は、容器40内の気相部から流出管42に入る。ガス冷媒は、流出管42の他端から圧縮機3に吸入される。ガス冷媒が圧縮機3に吸入される間に、容器40内に貯留される混合液43の一部も、油戻し孔44を通じて吸引される。油戻し孔44を通じて冷凍機油が吸入されることにより、圧縮機3における潤滑が行われる。
なお、図3において、流出管42には、油戻し孔44を設けた例を示している。しかしながら、流出管42には、油戻し孔44以外に、冷媒の乾き度を調整するための他の油戻し孔や、圧縮機3の起動時のオーバーフロー等を防止するための均圧孔を設けることもできる。追加的な油戻し孔は、例えば、油戻し孔44よりも上方の液相部に位置する高さの直管部等に設けることができる。均圧孔は、流出管42の上部の気相部に位置する高さの直管部等に設けることができる。
図3に示すように、トリフルオロメタン(CHF)を吸着する吸着剤46は、アキュムレータ9の容器40内に配置することができる。吸着剤46は、アキュムレータ9の気相部に配置することが好ましく、流入口41aよりも上方に配置することがより好ましい。トリフルオロメタンは、冷媒の作動温度において気体である。また、アキュムレータ9の上部は、相対的に温度が低いし、冷媒成分や冷凍機油が少ない。そのため、このような配置とすると、液冷媒から分離して気相部に拡散したトリフルオロメタンを効率的に吸着することができる。
図3において、吸着剤46は、仕切部材45上に設置されている。仕切部材45は、気体が通過できるように、メッシュ状に設けられており、容器40内の上部を上下に仕切るように略水平状に取り付けられている。但し、仕切部材45は、通気性や部材としての強度が確保される限り、一以上の貫通孔を有する有孔状や、多数の貫通孔を有する多孔状等に設けられてもよい。多孔状の仕切部材45としては、メタルラス、ワイヤラス、パンチングメタル等が挙げられる。
このような仕切部材45は、吸着剤46の設置のために、容器40内に取り付けることができる。仕切部材45は、容器40に対して固定されてもよいし、容器40に対して着脱自在に取り付けられてもよい。仕切部材45の形状は、特に制限されるものではない。仕切部材45は、容器40の横断面の全体を上下に仕切る形状に設けてもよいし、横断面の一部を上下に仕切る形状に設けてもよい。
仕切部材45の横断面の全部を上下に仕切る形状としては、多孔状等のフィルタの機能を兼ねる形状等が挙げられる。また、横断面の一部を上下に仕切る形状としては、例えば、壁面に支持される棚状、かご状等が挙げられる。このような形状の場合、仕切部材45は、有孔状や多孔状ではなく、無孔状の板等で形成されてもよい。
図4は、レシーバタンクの一例を示す縦断面図である。
図4に示すように、レシーバタンク6は、本体を構成する容器50と、容器50内に冷媒を流入させる流入管51と、容器50内から冷媒ガスを流出させる流出管52と、混合液53の液面よりも上方に位置するように容器50内の上部に支持された仕切部材54と、を備えることができる。
レシーバタンク6は、余剰冷媒を調整するための機器であり、容器50に流入した液冷媒を容器50内に一時的に蓄え、ガス冷媒が分離された液冷媒を室外膨張弁8に制限的に供給する。容器50は、図4において、有底の筒状に設けられている。容器50の上部は、蓋部材によって密閉されている。容器50の蓋部材には、流入管51と流出管52が、容器50の内外を貫通するように取り付けられている。
流入管51は、図4において、L字管として設けられており、容器50の上部に開口を下に向けて倒立L字状に取り付けられている。流入管51の一端は、配管を介して、室外熱交換器5の出口側と接続される。流入管51は、容器50の上方から容器50内の下部に蓋部材を貫通して延びている。流入管51の他端は、容器50内の下部に下方を向いて開口している。
流出管52は、図4において、流入管51と同様にL字管として設けられており、流入管51と対称的に、容器50の上部に開口を下に向けて倒立L字状に取り付けられている。流出管52の一端は、容器40内の下部に下方を向いて開口している。流出管52は、容器50内の下部から容器50の上方に向けて蓋部材を貫通して延びている。流出管52の他端は、配管を介して、室外膨張弁8の吸入側と接続される。
容器50には、冷凍サイクルの運転中に、液冷媒53が一時的に貯留される。液冷媒53の一部が余剰冷媒として貯留されることによって、室外膨張弁8に向けて供給される冷媒の量が調整される。液冷媒53は、凝縮しきれていない冷媒ガスが容器50内で分離されてから、室外膨張弁8に向けて供給される。
図4に示すように、トリフルオロメタン(CHF)を吸着する吸着剤55は、レシーバタンク6の容器50内に配置することができる。吸着剤55は、レシーバタンク6の気相部に配置することが好ましく、レシーバタンク6内に貯留される余剰冷媒の最高液位よりも上方に配置することが好ましい。トリフルオロメタンは、冷媒の作動温度において気体である。また、レシーバタンク6の上部は、相対的に温度が低いし、冷媒成分や冷凍機油が少ない。そのため、このような配置とすると、液冷媒から分離して気相部に拡散したトリフルオロメタンを効率的に吸着することができる。
図4において、吸着剤55は、仕切部材54上に設置されている。仕切部材54は、気体が通過できるように、メッシュ状に設けられており、容器50内の上部を上下に仕切るように略水平状に取り付けられている。但し、仕切部材54は、仕切部材45と同様に、通気性や部材としての強度が確保される限り、一以上の貫通孔を有する有孔状や、多数の貫通孔を有する多孔状等に設けられてもよい。
このような仕切部材54は、吸着剤55の設置のために、容器50内に取り付けることができる。仕切部材54は、容器50に対して固定されてもよいし、容器50に対して着脱自在に取り付けられてもよい。仕切部材54の形状は、特に制限されるものではない。仕切部材54は、仕切部材45と同様に、容器50の横断面の全体を上下に仕切る形状に設けてもよいし、横断面の一部を上下に仕切る形状に設けてもよい。
仕切部材54の横断面の全部を上下に仕切る形状としては、多孔状等のフィルタの機能を兼ねる形状が挙げられる。また、横断面の一部を上下に仕切る形状としては、例えば、壁面に支持される棚状、かご状等が挙げられる。このような形状の場合、仕切部材54は、有孔状や多孔状ではなく、無孔状の板等で形成されてもよい。
本実施形態に係る冷凍サイクル装置は、トリフルオロメタン(CHF)を吸着する吸着剤を、図3に示すようなアキュムレータ9のみに備えてもよいし、図4に示すようなレシーバタンク6のみに備えてもよいし、アキュムレータ9とレシーバタンク6の両方に備えてもよい。
但し、トリフルオロメタンを吸着する吸着剤は、効率的な吸着を行う観点からは、温度が低い箇所に配置することが好ましく、少なくともアキュムレータ9に備えることが好ましい。なお、アキュムレータ9やレシーバタンク6は、容器の形状、流入管や流出管の形状、流入管や流出管の接続位置等が、特に制限されるものではない。
以下、本実施形態に係る冷凍サイクル装置で使用する冷媒および冷凍機油の詳細について説明する。
<冷媒>
冷凍サイクル装置の冷媒としては、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒を用いる。冷媒としては、ジフルオロメタン(HFC32)、ペンタフルオロエタン(HFC125)およびトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒を用いることが好ましい。混合冷媒は、これらの三成分のみを冷媒成分として含んでもよいし、これらの三成分以外に他の冷媒成分を含んでもよい。混合冷媒は、添加剤が添加されてもよいし、添加剤が添加されなくてもよい。
冷媒成分のうち、ジフルオロメタンは、主に、高い冷凍能力やエネルギ効率を確保するために用いられる。また、ペンタフルオロエタンは、主に、温度勾配を縮小させるために用いられる。また、トリフルオロヨードメタンは、主に、混合冷媒自体のGWPや燃焼性を低下させるために用いられる。なお、本明細書において、温度勾配とは、冷媒の相変化(蒸発・凝縮)の開始温度と終了温度との温度差を意味する。
これらの三成分を含む混合冷媒によると、優れた冷凍能力やエネルギ効率、小さい温度勾配、低GWPや低燃焼性を得ることができる。そのため、このような混合冷媒を用いると、安全性や環境適合性が高く、且つ、冷凍能力や電力効率に優れた冷凍サイクル装置を得ることができる。
冷凍サイクル装置の冷媒は、地球温暖化係数(GWP)が、750以下であり、好ましくは500以下であり、より好ましくは150以下である。GWPが750以下であると、環境性能に優れた冷媒となり、法令上の規制に対する適合性が高く、冷凍機だけでなく空気調和機にも使用可能になる。
冷媒のGWPは、混合冷媒の組成比を変えることによって750以下に調整することができる。ジフルオロメタン(HFC32)は、GWP=677、ペンタフルオロエタン(HFC125)は、GWP=3500、トリフルオロヨードメタン(CFI)は、GWP=0.4である。
冷凍サイクル装置の冷媒は、25℃における飽和蒸気圧が1.1MPa以上1.8MPa以下であることが好ましい。飽和蒸気圧がこの範囲であると、R32、R410A、R404A等を用いた従来の一般的な冷凍サイクル装置に対し、システム、設計、冷媒配管の施工法等に大きな変更を加えなくとも、同等の冷凍能力や、冷媒の封入性等を得ることができる。
冷媒の飽和蒸気圧は、混合冷媒の組成比を変えることによって1.1MPa以上1.8MPa以下に調整することができる。25℃における飽和蒸気圧は、ジフルオロメタン(HFC32):約1.69MPa、ペンタフルオロエタン(HFC125):約1.38MPa、トリフルオロヨードメタン(CFI):約0.5MPaである。
冷凍サイクル装置の冷媒は、ジフルオロメタン(HFC32)が、好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上80重量%以下、更に好ましくは20重量%以上60重量%以下、特に好ましくは30重量%以上50重量%以下である。また、ペンタフルオロエタン(HFC125)が、好ましくは5重量%以上25重量%以下である。また、トリフルオロヨードメタン(CFI)が、好ましくは30重量%以上60重量%以下である。
このような組成であると、微燃性であるジフルオロメタンを含む混合冷媒を、ペンタフルオロエタンで疑似共沸化し、トリフルオロヨードメタンで低GWP化し、且つ、少量のペンタフルオロエタンとトリフルオロヨードメタンとで十分に不燃性化させることができる。
冷凍サイクル装置の冷媒は、前記の三成分以外に、他の冷媒成分として、CO、炭化水素、エーテル、フルオロエーテル、フルオロアルケン、HFC、HFO、HClFO、HBrFO等を含んでもよい。
なお、「HFC」は、ハイドロフルオロカーボンを示す。「HFO」は、炭素原子、フッ素原子および水素原子からなるハイドロフルオロオレフィンであり、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。「HClFO」は、炭素原子、塩素原子、フッ素原子および水素原子からなり、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。「HBrFO」は、炭素原子、臭素原子、フッ素原子および水素原子からなり、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する。
HFCとしては、ジフルオロメタン(HFC32)、ペンタフルオロエタン(HFC125)、1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC134a)、トリフルオロエタン(HFC143a)、ジフルオロエタン(HFC152a)、1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFC227ea)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン(HFC236fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC245fa)、1,1,1,3,3−ペンタフルオロブタン(HFC365mfc)が例示される。
フルオロアルケンとしては、フルオロエテン、フルオロプロペン、フルオロブテン、クロロフルオロエテン、クロロフルオロプロペン、クロロフルオロブテンが例示される。フルオロプロペンとしては、3,3,3−トリフルオロプロペン(HFO1243zf)、1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234ze)、2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO1234yf)、HFO1225が例示される。フルオロブテンとしては、C(HFO1354)、C(HFO1345)、C(HFO1336)が例示される。
クロロフルオロエテンとしては、CCl(CTFE)が例示される。クロロフルオロプロペンとしては、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(HCFO1233xf)、1−クロロ−3,3,3−トリフルオロ−1−プロペン(HCFO1233zd)が例示される。
<冷凍機油>
冷凍サイクル装置の冷凍機油としては、ポリオールエステル油(POE)や、ポリビニルエーテル油(PVE)を用いることができる。
ポリオールエステル油は、多価アルコールと一価の脂肪酸との縮合反応によって得られる。多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。一価の脂肪酸としては、n−ペンタン酸、n−ヘキサン酸、n−ヘプタン酸、n−オクタン酸、2−メチルブタン酸、2−メチルペンタン酸、2−メチルヘキサン酸、2−エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、3、5、5−トリメチルヘキサン酸等が挙げられる。多価アルコールや一価の脂肪酸としては、一種を用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
ポリビニルエーテル油としては、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルエチルエーテル、ポリビニルイソブチルエーテル等のアルコキシビニルの重合体が用いられる。
冷凍サイクル装置の冷凍機油としては、ポリオールエステル油が好ましい。ポリビニルエーテル油は、トリフルオロヨードメタン(CFI)と共存下で加熱されると、トリフルオロメタン(CHF)を生成し易い。圧縮機の摺動部の付近や吐出口の周辺は高温になるため、ポリビニルエーテル油を用いる場合、トリフルオロヨードメタンの劣化を防止する添加剤の必要性が高くなる。
これに対し、ポリオールエステル油を用いると、このような添加剤の有無にかかわらず、冷凍機油としての性能を確保することができる。また、ポリオールエステル油は、摺動面に形成する油膜が破断し難い特徴を持つため、トリクレジルホスフェート等の極圧剤の有無にかかわらず、良好な潤滑性を得ることができる。
ポリオールエステル油としては、下記化学式(1)で表されるペンタエリスリトール系化合物、または、下記化学式(2)で表されるジペンタエリスリトール系化合物、または、これらの混合物が好ましい。[但し、化学式(1)および(2)中、Rは、炭素数4〜9のアルキル基を表し、互いに同一であっても異なっていてもよい。]
Figure 2021173454
Figure 2021173454
としては、直鎖状のアルキル基、および、分枝状のアルキル基のいずれであってもよい。Rの具体例としては、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルペンチル基、イソへキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
化学式(1)で表されるペンタエリスリトール系化合物、および、下記化学式(2)で表されるジペンタエリスリトール系化合物は、Rとして、分枝状のアルキル基のみを有することが好ましい。分枝状のアルキル基で置換されていると、エステル基が、冷凍サイクル内に混入している水分等と反応し難くなるため、劣化し難い冷凍機油を得ることができる。
なお、一般的な冷凍機油としては、ポリオールエステル油以外に、ポリアルキレングリコール油、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、ポリαオレフィン油、ソフト型アルキルベンゼン油等も知られている。しかし、これらの油は、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒と併用した場合に、十分な熱的安定性や化学的安定性が確保され難いため、前記の混合冷媒と併用する冷凍機油として適切ではない。
冷凍サイクル装置の冷凍機油は、40℃における動粘度が22mm/s以上84mm/s以下であることが好ましい。このような動粘度であると、冷媒に対して低温でも十分に相溶させることができるため、様々な形式の密閉型電動圧縮機において支障なく使用することができる。圧縮機の形式にかかわらず、圧縮機の摺動部の潤滑性や、圧縮室の密閉性を適切に確保することができる。
冷凍機油の動粘度は、主としてポリオールエステル油の組成を変えることによって調整することができる。冷凍機油の動粘度は、ISO(International Organization for Standardization、国際標準化機構)3104、ASTM(American Society for Testing and Materials、米国材料試験協会)D445、D7042等の規格に基づいて測定することができる。
冷凍サイクル装置の冷凍機油は、冷凍サイクル内に冷媒と共に封入された状態において、水分量が300重量ppm以下に保持されることが好ましい。一般に、冷凍機油の水分量は製造時に低減されている。しかし、水分は、圧縮機への充填時に冷凍機油に混入したり、冷凍サイクル装置の製造時に冷凍サイクル内に侵入したりする。このような水分は、冷凍サイクル装置の運転時には、冷媒の相ではなく、主として冷凍機油の相に局在する。
冷凍機油の水分量が300重量ppm以下に低減されていると、水分とトリフルオロヨードメタン(CFI)や冷凍機油との反応量が極めて小さくなるため、トリフルオロヨードメタンの分解や冷凍機油の劣化が大きく抑制される。その結果、トリフルオロメタン(CHF)の生成量も抑制される。トリフルオロメタンの延べ生成量を抑制し、吸着剤の持続性を向上させることができるため、混合冷媒自体の劣化や冷凍機油の劣化を長期間にわたって抑制することができる。
冷凍機油の水分量は、冷凍サイクル内に冷媒と共に封入された状態において、より好ましくは200重量ppm以下、更に好ましくは150重量ppm以下、特に好ましくは100重量ppm以下である。冷凍機油の水分量が低減されているほど、混合冷媒自体の劣化や冷凍機油の劣化を持続的に抑制することができる。
冷凍機油の水分量は、例えば、冷凍機油の乾燥処理や、冷凍機油の充填時における雰囲気の調整や、冷凍機油の充填時に冷凍サイクルに施す真空引きの減圧度合(真空度等)や、冷凍サイクル内への乾燥器・乾燥剤の設置等によって低減することができる。これらの水分量を低減する手段は、適宜組み合わせて用いてもよい。
冷凍機油の水分量は、例えば、冷媒と相溶している冷凍機油を冷凍サイクル内から採取し、カールフィッシャー式電量滴定法を用いて測定することができる。水分量(油中水分量)の測定は、JIS K 2275−3:2015「原油及び石油製品−水分の求め方−第3部:カールフィッシャー式電量滴定法」に準じて行うことができる。
冷凍サイクル装置の冷凍機油は、前記の三成分を含む混合冷媒との低温側臨界溶解温度が、−10℃以下であることが好ましい。低温側臨界溶解温度が−10℃以下であると、冷凍機油と冷媒とに十分な相溶性があるため、冷凍機油と冷媒とが冷凍サイクル中で二層分離するのを防止することができる。圧縮機に戻る冷凍機油の油戻り量が改善するため、圧縮機における摺動部の潤滑性、冷媒の密封性、摺動部の冷却性等を適切に保つことができる。
低温側臨界溶解温度は、主として冷凍機油の組成を変えることによって調整することができる。低温側臨界溶解温度は、JIS K 2211に規定される相溶性試験方法に準じて測定することができる。冷凍機油と冷媒とを、耐圧ガラス容器に封入し、温度を変化させて内容物の観察を行う。内容物が白濁している場合、溶液が二層に分離しており、内容物が透明である場合、相溶していると判断することができる。溶液が二層分離するときの温度を、低温側臨界溶解温度として求めることができる。
冷凍サイクル装置の冷凍機油は、添加剤として、潤滑性向上剤、酸化防止剤、安定剤、酸捕捉剤、消泡剤、金属不活性化剤等を含むことができる。特に、銅パイプ内面の腐食を防止する観点から、ベンゾトリアゾール等の金属不活性化剤を配合することが望ましい。
潤滑性向上剤としては、熱化学的に安定な第三級ホスフェート類からなる極圧剤、例えば、トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、トリス(2−エチルヘキシル)ホスフェート等を用いることができる。
極圧剤は、添加剤として添加する場合には、冷凍機油に対して0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。但し、ポリオールエステル油は、極圧剤を添加しなくとも潤滑性が良好である。また、第三級ホスフェート類等のリン酸エステルは、トリフルオロヨードメタン(CFI)の分解に伴って生成する劣化因子の存在下、分解され易い。そのため、冷凍機油としてポリオールエステル油を用いる場合には、極圧剤を添加しなくてもよい。
酸化防止剤としては、例えば、DBPC(2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール)等のフェノール系酸化防止剤等を用いることができる。一般的に、冷凍機油中は、酸化防止剤が消費され難い環境であるといえる。しかし、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒を使用した場合、トリフルオロヨードメタンの分解に伴って、酸化剤として働くヨウ素酸(HIO)等が生成する。そのため、冷凍機油には、酸化防止剤を添加することが好ましい。酸化防止剤は、冷凍機油に対して0.1質量%以上21.0質量%以下であることが好ましい。
酸捕捉剤としては、例えば、脂環式エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物、モノテルペン化合物等を用いることができる。脂環式エポキシ化合物は、冷凍サイクル内で長期的に残存して全酸価の増加を抑制する作用を示す。脂肪族エポキシ化合物は、低温で水分と反応するため、冷凍機油に含まれる水分を、冷凍サイクル装置の運転の初期に、速やかに捕捉することができる。また、トリフルオロヨードメタン(CFI)の分解に伴って生成する酸性物質を効率良く捕捉することができる。
脂環式エポキシ化合物としては、例えば、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシシクロペンタン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、エキソ−2,3−エポキシノルボルナン、ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、2−(7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル)−スピロ(1,3−ジオキサン−5,3’−[7]オキサビシクロ[4.1.0]ヘプタン、4−(1’−メチルエポキシエチル)−1,2−エポキシ−2−メチルシクロヘキサン、4−エポキシエチル−1,2−エポキシシクロヘキサン等が挙げられる。
脂環式エポキシ化合物としては、下記化学式(3)で表される3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートが特に好ましい。
Figure 2021173454
脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、アルキルグリシジルエステル化合物、アルキルグリシジルエーテル化合物等が挙げられる。
アルキルグリシジルエステル化合物としては、下記化学式(4)で表される化合物が挙げられる。[但し、化学式(4)中、Rは、炭素数4〜12のアルキル基を表す。]
Figure 2021173454
アルキルグリシジルエーテル化合物としては、下記化学式(5)で表される化合物が挙げられる。[但し、化学式(5)中、Rは、炭素数4〜12のアルキル基を表す。]
Figure 2021173454
やRとしては、直鎖状のアルキル基、および、分枝状のアルキル基のいずれであってもよい。RやRの具体例としては、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、sec−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、1−エチルペンチル基、イソへキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
モノテルペン化合物としては、例えば、単環式モノテルペン、多環式モノテルペン、非環式モノテルペン等が挙げられる。モノテルペン化合物としては、単環式モノテルペンが好ましい。単環式モノテルペンとしては、例えば、リモネン、α−ピネン、β−ピネン、γ−テルピネン等が挙げられる。
酸捕捉剤は、冷凍機油に対して0.1質量%以上2.0質量%以下であることが好ましい。
次に、本実施形態に係る冷凍サイクル装置で使用するトリフルオロメタン(CHF)を吸着する吸着剤の詳細について説明する。
<吸着剤>
吸着剤としては、例えば、トリフルオロメタン(CHF)を吸着可能な細孔や極性を有する多孔質の材料を用いることができる。吸着剤としては、細孔の大きさが、トリフルオロメタンの有効径以下であり、トリフルオロヨードメタン等の冷媒成分、冷凍機油、添加剤等の有効径よりも大きいものが好ましい。すなわち、トリフルオロメタンを選択的に吸着して、トリフルオロメタンよりも大きいトリフルオロヨードメタン等の冷媒成分、冷凍機油、添加剤等を吸着し難いものが好ましい。
吸着剤の形態は、粉末状、塊状、球状、板状、鱗片状、繊維状、モノリス状等のいずれであってもよい。例えば、粉末状等の吸着剤は、不織布、樹脂製網、金属製網、通気性のフィルム等で形成された外装体に収納して、冷凍サイクル内に設置することができる。また、吸着剤は、トリフルオロメタンを吸着する活性成分に加え、バインダ、担体等を含んでもよい。
吸着剤の具体例としては、酸化アルミニウム(Al)、シリカアルミナ、活性炭、モレキュラシーブ5A、XH−10等のゼオライト等が挙げられる。酸化アルミニウムとしては、α−アルミナ、γ−アルミナ(活性アルミナ)等が挙げられる。酸化アルミニウムは、バイヤー法、その他の熱分解法等による合成アルミナや、焼結アルミナ(アルミナセラミックス)等のいずれであってもよい。吸着剤としては、一種を用いてもよいし、複数種を用いてもよい。
吸着剤としては、酸化アルミニウムが好ましく、活性アルミナが特に好ましい。所定の細孔径を有する活性アルミナは、トリフルオロメタン(CHF)を選択的に吸着する能力が高い。一方、混合冷媒中に微量に含まれる水分については、冷凍サイクル上のドライヤによって、選択的に除去することができる。そのため、吸着剤として適切な細孔径の活性アルミナを用いると、冷凍サイクル内のトリフルオロメタンを選択的に効率よく除去することができる。
一般に、活性アルミナの形態としては、粉末状、塊状、球状等が広く知られている。また、一般的な活性アルミナの中心粒径は、1μm〜10mm程度である。吸着剤としては、このような適宜の活性アルミナを用いることができる。吸着剤として用いる活性アルミナは、形態や粒径が特に制限されるものではなく、商業的に入手可能なものであってもよいし、所定の細孔分布となるように分級されたものであってもよい。
吸着剤の細孔径は、トリフルオロメタン(CHF)を選択的に吸着する観点から、0.5〜1.0nmであることが好ましく、0.6〜0.9nmであることがより好ましい。また、吸着剤の比表面積は、100m/gを超えることが好ましく、150m/g以上であることがより好ましい。吸着剤の細孔容積は、0.3cm/g以上であることが好ましい。活性アルミナ等の吸着剤は、比表面積や細孔容積が大きいほど、吸着剤の単位重量当たりの吸着量が多くなるため、冷凍サイクル内のトリフルオロメタンを効率的且つ持続的に除去することができる。
吸着剤の比表面積や細孔容積は、BET1点法によって求めることができる。BET法は、試料の表面に対する単分子層のガスの吸着に基づき、平衡時の吸着量と圧力との関係を表すBETの式を用いてガスの吸着量を求める方法である。BET1点法では、凝縮係数が1よりも顕著に大きいとの仮定の下で、BETの式の近似を行い、近似式に一つの測定結果を代入して計算する。
また、BET法において、吸着の際の圧力を飽和蒸気圧付近であると仮定すると、細孔内に吸着したガスが毛管凝縮現象によって液相となる現象を利用することができる。そのため、ケルビンの関係式にガスの吸着量を代入することにより、比表面積だけでなく、細孔分布についても求めることができる。測定用の吸着ガスとしては、窒素、アルゴン等を用いることができる。
吸着剤は、表面の活性度を向上するために前処理を施すことが好ましい。例えば、220℃の真空恒温槽に吸着剤を5時間入れることで表面に吸着したガス分子や水分を除去することができ、吸着剤表面に対するR23の吸着性を向上できる。前処理温度は150℃から300℃以下が好ましい。前処理後の吸着剤は乾燥デシケーターなどに保存しておく。
以上の本実施形態に係る冷凍サイクル装置によると、冷媒としてトリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒を用いるが、冷凍サイクル内の気相部にトリフルオロメタン(CHF)を吸着する吸着剤を設置するため、冷媒の劣化に伴うトリフルオロメタンの濃度の上昇を効率的且つ持続的に抑制することができる。冷凍サイクル装置の運転を継続した場合であっても、トリフルオロメタンの濃度が抑制されるため、混合冷媒の高GWP化を防ぐことができる。また、冷凍サイクル上にドライヤを備えるため、トリフルオロメタンを生じるトリフルオロヨードメタン自体の分解や、冷凍機油の劣化についても、持続的に抑制することができる。トリフルオロメタンを吸着する吸着剤と、ドライヤに用いられる乾燥剤とは、冷凍サイクル上で適切に配置分けされるため、個別の吸着能力を活かして、各吸着対象を効率よく吸着することができる。例えば、吸着対象の有効径が水と同等以下である乾燥剤と、吸着対象の有効径がトリフルオロメタンと同等以下である吸着剤とを併用して、水分とトリフルオロメタンとの競合吸着を低減することができる。よって、冷凍サイクル装置の性能や安全性を長期間にわたって適切に維持し、環境適合性や信頼性が高い冷凍サイクル装置を提供することができる。
以上、本発明に係る冷凍サイクル装置の実施形態について説明したが、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、技術的範囲を逸脱しない限り、様々な変形例が含まれる。例えば、前記の実施形態は、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、或る実施形態の構成の一部を他の構成に置き換えたり、或る実施形態の構成に他の構成を加えたりすることが可能である。また、或る実施形態の構成の一部について、他の構成の追加、構成の削除、構成の置換をすることも可能である。
例えば、前記の実施形態では、冷凍サイクル装置の具体例として、ビル用マルチエアコンを示したが、本発明に係る冷凍サイクル装置は、1台の室内機を備えるルームエアコンやパッケージエアコンに適用してもよい。また、本発明に係る冷凍サイクル装置は、冷蔵庫、冷凍庫、冷凍機内蔵型ショーケース、冷凍機別置型ショーケース、ヒートポンプ式給湯装置等に適用してもよい。
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<実施例1〜4>
トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒と、種々の冷凍機油との組み合わせについて、トリフルオロメタン(CHF)の生成量の傾向を評価するため、加熱による加速劣化試験を行った。
冷媒としては、ジフルオロメタン(HFC32)と、ペンタフルオロエタン(HFC125)と、トリフルオロヨードメタン(CFI)との重量比が、ビル用マルチエアコンを想定したHFC32:HFC125:CFI=50:10:40である混合冷媒を用いた。
冷凍機油としては、次の(記号POE)で表されるポリオールエステル油、または、次の(記号PVE)で表されるポリビニルエーテル油を用いた。なお、各冷凍機油には、酸化防止剤であるDBPCを0.3重量%配合した。また、脂環式エポキシ化合物である3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートと、脂肪族エポキシ化合物であるアルキルグリシジルエステル化合物を、合計で0.5重量%配合した。また、ポリビニルエーテル油のみに対して、トリクレジルホスフェート(TCP)を1.0重量%配合した。
(記号POE)ヒンダードタイプポリオールエステル油(ペンタエリスリトール系の2−エチルヘキサン酸/3,5,5−トリメチルヘキサン酸の混合脂肪酸エステル油、40℃における動粘度=64.9mm/s)
(記号PVE)ポリビニルエーテル油(アルコキシビニルの重合体でありアルコキシ基がエチルオキシ基およびイソブチルオキシ基である共重合体エーテル油、40℃における動粘度=66.8mm/s)
(加速劣化試験)
加速劣化試験は、次の手順で行った。はじめに、洗浄した圧力容器(耐圧:最大20MPa、内容積:220mL)に、ポリテトラフルオロエチレン(polytetrafluoroethylene:PTFE)容器を入れた。そして、このPTFE容器に、60gの冷凍機油と金属触媒を入れた。冷凍機油中の水分量(油中水分量)は、100重量ppm未満、または、500重量ppmに調節した。
油中水分量は、JIS K 2275−3に準じてカールフィッシャー式電量滴定法によって測定した。金属触媒としては、アルミニウム、銅および鉄(径:2.0mm、長さ:300mm)を、紙やすりで研磨し、アセトンおよびエタノールで洗浄した後、コイル状に巻回して入れた。
続いて、冷凍機油と金属触媒を入れた圧力容器を、100Pa以下に減圧して真空引きした後、12gの冷媒を導入して密閉した。そして、この圧力容器を、恒温槽に入れて、150℃で504時間にわたって加熱した。加熱後に圧力容器を開封し、冷凍機油の全酸価と、冷凍機油中のヨウ素量(油中ヨウ素量)を測定した。油中ヨウ素量は、トリフルオロヨードメタン(CFI)の分解に由来する冷凍機油中のヨウ素成分の量を表し、冷媒自体の分解や冷凍機油等の劣化の指標となる。
全酸価は、JIS K 2501:2003「石油製品及び潤滑油−中和価試験方法」に準じて測定した。また、油中ヨウ素量は、燃焼式イオンクロマトグラフィーを用いて測定した。試験油を1000℃で燃焼させてヨウ素成分を過酸化水素水で捕集した後、この試料液をイオンクロマトグラフに注入し、溶離液を送液して電気伝導度検出器で測定した。溶離液としては、NaCO/NaHCO混合液を用いた。溶離液の流量は、1.5mL/minとした。
また、加速劣化試験の試験前および試験後には、PTFE容器中のガスを、恒温槽のガス側バルブからサンプリングバッグ(テドラーバッグ)に採取し、酸捕捉剤の残存量と、ガス組成を、ガスクロマトグラフィーを用いて定量的に分析した。
次の表1に、冷凍機油の種類、冷凍機油中の水分量(油中水分量)、冷凍機油の全酸価、冷凍機油中のヨウ素量(油中ヨウ素量)、酸捕捉剤の残存量、試料のガス組成の分析結果を示す。
Figure 2021173454
表1に示すように、実施例1、2は、冷凍機油がポリオールエステル油であるが、冷凍機油の全酸価は、初期値(0.01mgKOH/g以下)に対する増加が小さくなり、冷凍機油の劣化が十分に抑制された。油中ヨウ素量は、検出感度以下になり、トリフルオロヨードメタン(CFI)の分解が抑制された。酸捕捉剤の残存量は、比較的高い値となり、劣化因子が抑制されることが確認された。試料のガス組成を解析した結果、トリフルオロメタン(CHF)は微量であることが確認された。
一方、実施例3、4は、冷凍機油がポリビニルエーテル油であるが、冷凍機油の全酸価が大きくなり、冷凍機油の劣化がある程度進む傾向がみられた。油中ヨウ素量は、比較的高い値となり、トリフルオロヨードメタン(CFI)の分解に伴ってヨウ素成分が油中に取り込まれたことが示唆された。酸捕捉剤の残存量は、0となり、略完全に消費されていることが確認された。試料のガス組成を解析した結果、トリフルオロメタン(CHF)がある程度生成しており、トリフルオロヨードメタンの分解の進行が示唆された。
表1の結果によると、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒を、冷凍機油との共存下で加熱すると、トリフルオロメタン(CHF)の生成が進むことが確認された。トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒と併用する冷凍機油としては、ポリビニルエーテル油(PVE)と比較して、ポリオールエステル油(POE)が好ましいといえる。
<実施例5〜11>
トリフルオロメタン(CHF)に対する吸着剤の性能を、混合冷媒の存在下において評価するため、吸着剤の種類毎の吸着試験を行った。
冷媒としては、前記の加速劣化試験と同様のビル用マルチエアコンを想定した混合冷媒を用いた。この混合冷媒に対して、トリフルオロメタン(CHF)を3000ppmとなるように添加した。
吸着剤としては、粒径や細孔容積や比表面積が互いに異なる活性アルミナ、活性炭、モレキュラシーブを用いた。活性アルミナとしては、脱水および不純物除去用吸着剤の活性アルミナ「D−201」(ユニオン昭和社製、メッシュ7〜12、粒径1.6〜3.0mm)を分級して用いた。活性炭としては、粒状活性炭「気相用4GG」(アズワン社製、ペレット4mm)を用いた。モレキュラシーブとしては、モレキュラシーブスXH−10(細孔径0.8nm)を用いた。
(吸着試験)
吸着試験は、次の手順で行った。はじめに、洗浄した圧力容器(耐圧:最大20MPa、内容積:220mL)に、PTFE容器を入れた。そして、このPTFE容器に、5gの吸着剤を入れた。続いて、吸着剤を入れた圧力容器を、100Pa以下に減圧して真空引きした後、8gの冷媒を導入して密閉した。そして、この圧力容器を、恒温槽に入れて、20℃で168時間にわたって放置した。
その後、PTFE容器中のガスを、恒温槽のガス側バルブからサンプリングバッグ(テドラーバッグ)に採取し、トリフルオロメタン(CHF)の濃度を、ガスクロマトグラフィーを用いて定量的に分析した。吸着試験の間には、各吸着剤の取り扱いを、不活性ガス雰囲気に調整したグローブボックス内で行った。
次の表2に、吸着剤の種類、中心粒径、細孔容積、比表面積、吸着試験後のトリフルオロメタン(CHF)の濃度の分析結果を示す。
Figure 2021173454
表2に示すように、実施例5〜11は、いずれも、吸着試験後のトリフルオロメタン(CHF)の濃度が、初期値(3000ppm)に対して低くなった。比表面積が大きい活性アルミナを用いた実施例8、9は、吸着試験後のトリフルオロメタン(CHF)の濃度が特に低くなり、吸着の効果が高いことが確認された。
<実施例12>
アキュムレータに吸着剤を配置した冷凍サイクル装置と、吸着剤を配置していない冷凍サイクル装置について、高速高負荷条件における3000時間の耐久試験を実施した。
冷凍サイクル装置としては、スクロール式の密閉型電動圧縮機を搭載した装置であって、冷房能力が28kWのビル用マルチエアコン用の装置を用いた。圧縮機の回転速度は、6000min−1とした。モータの鉄心とコイルとの絶縁には、厚さが250μmの耐熱PETフィルム(B種、温度指数:130℃)を用いた。コイルには、ポリエステルイミド−アミドイミドのダブルコートを施した二重被覆銅線を用いた。
冷媒としては、前記の加速劣化試験と同様のビル用マルチエアコンを想定した混合冷媒を用いた。冷媒は、冷凍サイクル内に8000gを封入した。冷凍機油としては、前記の加速劣化試験と同様の(記号POE)で表されるポリオールエステル油を用いた。吸着剤は、図3に示すように、アキュムレータの容器内の気相部に配置した。吸着剤としては、活性アルミナを用いた。
乾燥器としては、モレキュラシーブスXH−10(細孔径0.8nm)を充填した容器を冷凍サイクル上に設置した。アキュムレータに吸着剤を配置した冷凍サイクル装置については、油中水分量が200重量ppm以下となるように脱水した冷凍機油を、圧縮機内に1500mL封入した。一方、吸着剤を配置していない冷凍サイクル装置については、油中水分量が600重量ppmとなるように調整した冷凍機油を、圧縮機内に1500mL封入した。
アキュムレータに吸着剤を配置した冷凍サイクル装置と、吸着剤を配置していない冷凍サイクル装置は、それぞれ、3000時間にわたって運転した。その後、各アキュムレータ内のガスを、アキュムレータの上部のガス回収ポートからサンプリングバッグ(テドラーバッグ)に採取し、トリフルオロメタン(CHF)の濃度を、ガスクロマトグラフィーを用いて定量的に分析した。
その結果、吸着剤を配置していない冷凍サイクル装置では、アキュムレータから採取されたガスのトリフルオロメタン(CHF)の濃度が約4500ppmとなった。これに対し、アキュムレータに吸着剤を配置した冷凍サイクル装置では、500ppm以下に低減された。
以上の結果から、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含む混合冷媒を用いた冷凍サイクル装置に関して、トリフルオロメタン(CHF)を吸着する吸着剤を冷凍サイクル内の気相部に設置すると、トリフルオロメタンの濃度を長期間にわたって抑制できることが確認された。
1 室外機
2 室内機
3 圧縮機
4 四方弁
5 室外熱交換器(凝縮器/蒸発器)
6 レシーバタンク
7 ドライヤ(乾燥器)
8 室外膨張弁(減圧器)
9 アキュムレータ
10 室外送風機
11 室内熱交換器(蒸発器/凝縮器)
12 室内膨張弁(減圧器)
13 室内送風機
20 固定スクロール部材
20a 固定ラップ
21 旋回スクロール部材
21a 旋回ラップ
22 フレーム
23 クランクシャフト
24 モータ
25 密閉容器
26 圧縮室
27 吐出口
28 吐出パイプ
29 油孔
30 主軸受
31 副軸受
32 油溜め部
40 容器
41 流入管
41a 流入口
42 流出管
43 混合液
44 油戻し孔
45 仕切部材
46 吸着剤
50 容器
51 流入管
52 流出管
53 混合液
54 仕切部材
55 吸着剤

Claims (8)

  1. 冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する減圧器と、前記減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した液滴を含む冷媒から液滴を分離して一時的に蓄えるアキュムレータと、冷媒中の水分を除去する乾燥器と、を備える冷凍サイクル装置であって、
    前記冷媒は、トリフルオロヨードメタンを含む混合冷媒であって、25℃における蒸気圧が1.1MPa以上1.8MPa以下であり、
    前記圧縮機は、密閉容器内に、圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動するモータと、を備え、且つ、摺動部を潤滑する冷凍機油が充填されている密閉型電動圧縮機であり、
    前記アキュムレータ内に、トリフルオロメタンを吸着する吸着剤を備える冷凍サイクル装置。
  2. 請求項1に記載の冷凍サイクル装置において、
    前記吸着剤が、前記アキュムレータ内に前記冷媒を流入させる流入口よりも上方に配置されている冷凍サイクル装置。
  3. 冷媒を圧縮する圧縮機と、前記圧縮機で圧縮された冷媒を凝縮させる凝縮器と、前記凝縮器で凝縮された冷媒を減圧する減圧器と、前記減圧器で減圧された冷媒を蒸発させる蒸発器と、前記蒸発器で蒸発した液滴を含む冷媒から液滴を分離して一時的に蓄えるアキュムレータと、冷媒中の水分を除去する乾燥器と、余剰冷媒を調整するレシーバタンクと、を備える冷凍サイクル装置であって、
    前記冷媒は、トリフルオロヨードメタンを含む混合冷媒であって、25℃における蒸気圧が1.1MPa以上1.8MPa以下であり、
    前記圧縮機は、密閉容器内に、圧縮機構部と、前記圧縮機構部を駆動するモータと、を備え、且つ、摺動部を潤滑する冷凍機油が充填されている密閉型電動圧縮機であり、
    前記レシーバタンク内に、トリフルオロメタンを吸着する吸着剤を備える冷凍サイクル装置。
  4. 請求項3に記載の冷凍サイクル装置において、
    前記吸着剤が、前記レシーバタンク内の上部、または、前記アキュムレータ内に前記冷媒を流入させる流入口よりも上方に配置されている冷凍サイクル装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置において、
    前記冷凍機油は、ポリオールエステル油である冷凍サイクル装置。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の冷凍サイクル装置において、
    前記吸着剤は、酸化アルミニウムである冷凍サイクル装置。
  7. 請求項6に記載の冷凍サイクル装置において、
    前記酸化アルミニウムがγ−アルミナである冷凍サイクル装置。
  8. 請求項7に記載の冷凍サイクル装置において、
    前記γ−アルミナの比表面積が100m/gを超える冷凍サイクル装置。
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