JP2021172856A - 金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法及び、金属回収方法 - Google Patents

金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法及び、金属回収方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コバルトイオン及び/又はニッケルイオンを含み、さらに不純物のマグネシウムイオンが含まれる金属含有溶液から、マグネシウムイオンを有効に除去することができる金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法及び、金属回収方法を提供する。【解決手段】リチウムイオン電池廃棄物の電池粉に対して湿式処理を施して得られた金属含有溶液からマグネシウムイオンを除去する方法であって、前記金属含有溶液が、コバルトイオン及びニッケルイオンのうちの少なくとも一種の金属イオンと、マグネシウムイオンとを含み、前記金属含有溶液に対し、カルボン酸系抽出剤を含む溶媒を使用し、抽出時の平衡pHを6.8〜7.2、O/A比を1.0〜1.5としてマグネシウムイオンを液中に残しつつ前記金属イオンを前記溶媒に抽出し、前記金属イオンを抽出した前記溶媒から当該金属イオンを逆抽出するマグネシウムイオン除去工程を含む。【選択図】なし

Description

この明細書は、金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法及び、金属回収方法に関する技術について開示するものである。
たとえば、リチウムイオン電池廃棄物から有価金属を回収するための処理では、コバルト及びニッケルのうちの一方又は両方が溶解した金属含有溶液が得られることがある。かかる金属含有溶液からコバルト及び/又はニッケルを取り出すには、所定の適切な抽出剤を用いた溶媒抽出法が使用され得る。
これに関連して、特許文献1には、「銅濃度が10g/L以上、コバルト濃度が5g/L以下であって、前記銅濃度/前記コバルト濃度の比が5以上である水溶液からコバルトを回収する方法であって、銅を、カルボン酸系抽出剤を用いて溶媒抽出する銅抽出ステップと、銅を含む抽出後液を、酸性キレート樹脂に通液する銅吸着ステップと、銅が除去された溶液に含まれるコバルトを溶媒抽出するコバルト抽出ステップと、コバルトを含む溶液を電解処理することによってコバルトを回収するコバルト回収ステップとを含み、前記銅抽出ステップでは、銅濃度を200mg/L以下とすることを特徴とする方法」、「前記コバルト抽出ステップでは、リン酸エステル系抽出剤を用いることを特徴とする方法」が開示されている(請求項1、5)。なお、特許文献1では、「銅抽出ステップ」で「カルボン酸系抽出剤VA−10(シェル化学社製)」を用いることとし、「抽出pHは、コバルトが抽出されず、かつ、銅が選択的に抽出される範囲であり、好ましくは3.0以上、より好ましくは3.5以上、および好ましくは5.0以下、好ましくは4.0以下である」とされている(段落0021、0022、0034)。また、「コバルト抽出ステップ」では、「リン酸エステル系抽出剤」として「PC−88A(大八化学社製)」を用いることが記載されている(段落0030)。
特許文献2では、「リチウムと、マンガンと、ニッケル及びコバルトのうちの一種以上の元素とを含むリチウムイオン電池リサイクル原料から、対象金属を回収する方法であって、リチウムイオン電池リサイクル原料を酸のみと接触させて、対象金属を浸出させるとともに、マンガンの少なくとも一部を残渣中に残す浸出工程と、浸出工程で得られた浸出後液から残渣を分離させて分離後液を得る分離工程と、前記分離後液から対象金属を回収する回収工程とを有する、リチウムイオン電池リサイクル原料からの金属の回収方法」で、「前記リチウムイオン電池リサイクル原料が、ニッケル及びコバルトを含み、前記回収工程で、コバルト、ニッケル、リチウムの順に回収する」こと、「前記回収工程で、コバルト及びニッケルを溶媒抽出により回収する」ことが提案されている(請求項1、3及び4)。より詳細には、コバルトの回収で、「ホスホン酸エステル系抽出剤を使用して溶媒抽出」すること、「ホスホン酸エステル系抽出剤としては特に制限はないが、ニッケルとコバルトの分離効率の観点から2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル(商品名:PC−88A、Ionquest801)が好ましい」ことが開示されている(段落0044)。またニッケルの回収では、「カルボン酸系抽出剤を使用して溶媒抽出」すること、「カルボン酸系抽出剤としては、限定的ではないがネオデカン酸、ナフテン酸等が挙げられ、ニッケルの抽出能力の理由によりネオデカン酸が好ましい」ことが記載されている(段落0046)。特許文献2の実施例では、ニッケルの抽出に「ネオデカン酸系抽出剤(商品名:VA−10)」が用いられている(段落0060、0065)。
特許文献3には、「ニッケル及び/又はコバルトを含む金属分A と、亜鉛、クロム及びカドミウムのうちの少なくとも一種を含む金属分Bとを含有する金属混合水溶液から、金属を除去する方法であって、金属分Aと金属分Bとを含有する前記金属混合水溶液に対し、工程(1):ホスホン酸エステル系抽出剤及びカルボン酸系抽出剤を含有する第一混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該金属混合溶液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程、及び/又は、工程(2):燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を含有する第二混合抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液から金属分Bに属する少なくとも一部の金属を分離する工程を行うことを含む、金属混合水溶液からの金属の除去方法」で、「金属分Aがコバルトを含み、工程(3):前記工程(1)後の抽出残液又は前記工程(2)後の抽出残液に対して、ホスホン酸エステル系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からコバルトを分離する工程を行うことをさらに含む」こと、「工程(4):前記工程(3)後の抽出残液に対して、カルボン酸系抽出剤を使用して溶媒抽出し、当該抽出残液からニッケルを分離する工程を行うことをさらに含む」ことが記載されている(請求項1、10及び11)。「ホスホン酸エステル系抽出剤」としては「2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル(商品名:PC−88A、Ionquest801)」が、また「カルボン酸系抽出剤」としては「ネオデカン酸、ナフテン酸等」、「ネオデカン酸(ヘキシオンスペシャルティーケミカルズ商品名:VA−10)」がそれぞれ挙げられている(段落0046、0051及び0061)。また、「工程(4)」に関し、「但し、抽出時の平衡pHは高すぎるとニッケルの水酸化物が発生する一方で、低すぎるとニッケルの抽出率が低下することから、6〜8とするのが好ましく、6.8〜7.2とするのがより好ましい。」と記載されている(段落0052)。
特開2014−29008号公報 特開2016−186113号公報 特開2016−194105号公報
ところで、上述した金属含有溶液には、コバルトイオンやニッケルイオンの他、不純物としてマグネシウムイオンが含まれる場合があることが新たに解かった。マグネシウムイオンを含む金属含有溶液に対して、これまでのようにコバルトイオン等を抽出するための所定の条件にて溶媒抽出法による抽出及び逆抽出を行うと、コバルトイオン等とともにマグネシウムイオンも抽出されるとともに逆抽出される。その結果、そのようなマグネシウムは、コバルト等を回収する際に不純物として混入し、さらにはコバルト等の製品にも含まれてその純度の低下を招く。
この明細書では、コバルトイオン及び/又はニッケルイオンを含み、さらに不純物のマグネシウムイオンが含まれる金属含有溶液から、当該不純物を有効に除去することができる金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法及び、金属回収方法を提案する。
この明細書で開示する金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法は、リチウムイオン電池廃棄物の電池粉に対して湿式処理を施して得られた金属含有溶液からマグネシウムイオンを除去する方法であって、前記金属含有溶液が、コバルトイオン及びニッケルイオンのうちの少なくとも一種の金属イオンと、マグネシウムイオンとを含み、前記金属含有溶液に対し、カルボン酸系抽出剤を含む溶媒を使用し、抽出時の平衡pHを6.8〜7.2、O/A比を1.0〜1.5としてマグネシウムイオンを液中に残しつつ前記金属イオンを前記溶媒に抽出し、前記金属イオンを抽出した前記溶媒から当該金属イオンを逆抽出するマグネシウムイオン除去工程を含むものである。
この明細書で開示する金属回収方法は、上記の金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法における前記マグネシウムイオン除去工程の逆抽出後に得られる逆抽出後液から、前記金属イオンの金属を回収する金属回収工程を含むものである。
上述した金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法及び、金属回収方法によれば、金属含有溶液から不純物のマグネシウムイオンを有効に除去することができる。
一の実施形態に係る金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法におけるマグネシウムイオン除去工程を含む金属回収方法の一例を示すフロー図である。
以下に、上述した金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法及び、金属回収方法の実施の形態について詳細に説明する。
一の実施形態に係る金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法では、金属含有溶液は、リチウムイオン電池廃棄物の電池粉に対して湿式処理を施して得られるものであって、コバルトイオン及びニッケルイオンのうちの少なくとも一種の金属イオンと、不純物としてのマグネシウムイオンとを含む。そしてここでは、この金属含有溶液に対し、カルボン酸系抽出剤を含む溶媒を使用し、抽出時の平衡pHを6.8〜7.2、O/A比を1.0〜1.5として不純物を液中に残しつつ前記金属イオンを前記溶媒に抽出し、前記金属イオンを抽出した溶媒から当該金属イオンを逆抽出するマグネシウムイオン除去工程を行う。
このようなマグネシウムイオン除去方法は、たとえば図1に示すような、リチウムイオン電池廃棄物からの金属の回収方法に適用することが可能である。ここでは、図1の一例のフローに従って以下に説明するが、これに限らない。
(リチウムイオン電池廃棄物)
対象とするリチウムイオン電池廃棄物は、携帯電話その他の種々の電子機器等で使用され得るリチウムイオン電池で、電池製品の寿命や製造不良またはその他の理由によって廃棄されたものである。このようなリチウムイオン電池廃棄物から有価金属を回収することは、資源の有効活用の観点から好ましい。またここでは、有価金属であるコバルト及びニッケルのうちの少なくとも一種を高純度で回収し、リチウムイオン電池の製造に再度使用できるものとすることを目的とする。
リチウムイオン電池廃棄物は、その周囲を包み込む外装として、アルミニウムを含む筐体を有する。この筐体としては、たとえば、アルミニウムのみからなるものや、アルミニウム及び鉄、アルミラミネート等を含むものがある。また、リチウムイオン電池廃棄物は、上記の筐体内に、リチウム、ニッケル、コバルト及びマンガンからなる群から選択される一種の単独金属酸化物又は、二種以上の複合金属酸化物等からなる正極活物質や、正極活物質が、たとえばポリフッ化ビニリデン(PVDF)その他の有機バインダー等によって塗布されて固着されたアルミニウム箔(正極基材)を含むことがある。またその他に、リチウムイオン電池廃棄物には、銅、鉄等が含まれる場合がある。さらに、リチウムイオン電池廃棄物には通常、筐体内に電解液が含まれる。電解液としては、たとえば、エチレンカルボナート、ジエチルカルボナート等が使用されることがある。
また、リチウムイオン電池廃棄物には、マグネシウムが含まれることがある。マグネシウムは、たとえば、正極材に用いられるアルミニウム箔の添加剤等として使用され得る。このようなマグネシウムは、後述の浸出工程で酸性浸出液に溶け出して浸出後液にイオンとして含まれ、中和工程及びMn/Al抽出工程で除去されずに、金属含有溶液に含まれる。ここでは、金属含有溶液中のマグネシウムイオンをマグネシウムイオン除去工程で取り除き、金属回収工程で回収される金属に含まれないようにする。
(焙焼工程)
焙焼工程では、上記のリチウムイオン電池廃棄物を加熱する。この焙焼工程は、たとえば、リチウムイオン電池廃棄物に含まれるリチウム、コバルト等の金属を、溶かしやすい形態に変化させること等を目的として行う。焙焼工程では、リチウムイオン電池廃棄物を、たとえば450℃〜1000℃、好ましくは600℃〜800℃の温度範囲で0.5時間〜4時間にわたって保持する加熱を行うことが好適である。この焙焼工程は、ロータリーキルン炉その他の各種の炉や、大気雰囲気で加熱を行う炉等の様々な加熱設備を用いて行うことができる。
なお焙焼後は、リチウムイオン電池廃棄物の筐体から正極材及び負極材を取り出すための破砕を行うことができる。破砕は、リチウムイオン電池廃棄物の筐体を破壊するとともに、正極活物質が塗布されたアルミニウム箔から正極活物質を選択的に分離させるために行う。
ここでは、種々の公知の装置ないし機器を用いることができるが、特に、リチウムイオン電池廃棄物を切断しながら衝撃を加えて破砕することのできる衝撃式の粉砕機を用いることが好ましい。この衝撃式の粉砕機としては、サンプルミル、ハンマーミル、ピンミル、ウィングミル、トルネードミル、ハンマークラッシャ等を挙げることができる。なお、粉砕機の出口にはスクリーンを設置することができ、それにより、リチウムイオン電池廃棄物は、スクリーンを通過できる程度の大きさにまで粉砕されると粉砕機よりスクリーンを通じて排出される。
また破砕の後、たとえばアルミニウムの粉末を除去する目的で、適切な目開きの篩を用いて篩別する。それにより、篩上にはアルミニウムや銅が残り、篩下にはアルミニウムや銅がある程度除去された電池粉を得ることができる。この電池粉に対しては、以下の述べる湿式処理を施すことができる。
(浸出工程)
浸出工程では、上述した電池粉を、硫酸等の酸性浸出液に添加して浸出させる。浸出工程は公知の方法ないし条件で行うことができるが、pHは0.0〜2.0とすること、酸化還元電位(ORP値、銀/塩化銀電位基準)を0mV以下とすることが好適である。
なお必要に応じて、上記の酸性浸出液による浸出の前に予め、電池粉を水と接触させ、電池粉に含まれるリチウムのみを浸出して分離させてもよい。この場合、電池粉を水と接触させた後の残渣を、上記の酸性浸出液に添加して酸浸出を行う。
酸浸出後、所定の金属が溶解した浸出後液が得られる。所定の金属には、コバルト及びニッケルのうちの少なくとも一種と、マグネシウムとが含まれる。所定の金属はさらに、マンガン、アルミニウム、銅、鉄等を含むことがある。
たとえば、浸出後液中のコバルト濃度は0g/L〜50g/L、ニッケル濃度は0g/L〜50g/L、マグネシウム濃度は0.001g/L〜0.1g/L、マンガン濃度は1g/L〜50g/L、アルミニウム濃度は0.01g/L〜10g/L、銅濃度は0.001g/L〜5g/L、鉄濃度は0.1g/L〜5g/Lである場合がある。
(中和工程)
浸出後液に対しては中和工程を行う。中和工程では、はじめに、浸出後液に水酸化ナトリウム等のアルカリを添加して所定のpHになるように中和する。これにより、浸出後液に溶解していたアルミニウムの一部が沈殿する。そして、フィルタープレスやシックナー等を用いた固液分離により、当該アルミニウムの一部を含む残渣を除去することができる。
ここでは、アルカリの添加によりpHを4.0〜6.0とすることがより好ましい。またここで、浸出後液の酸化還元電位(ORPvsAg/AgCl)は−500mV〜100mVとすることが好ましい。液温は50℃〜90℃とすることが好適である。
その後、酸化剤を添加するとともに、pHを3.0〜4.0の範囲内に調整することにより、液中の鉄を沈殿させることができる。酸化剤の添加により液中の鉄が2価から3価へ酸化され、3価の鉄は2価の鉄よりも低いpHで酸化物又は水酸化物として沈殿する。多くの場合、鉄は、水酸化鉄(Fe(OH)3)等の固体となって沈殿する。沈殿した鉄は、固液分離により除去することができる。
鉄を沈殿させるため、酸化時のORP値は、好ましくは300mV〜900mVとする。なお、酸化剤の添加に先立って、pHを低下させるため、たとえば、硫酸、塩酸、硝酸等の酸を添加することができる。
酸化剤は、鉄を酸化できるものであれば特に限定されないが、二酸化マンガン、正極活物質、及び/又は、正極活物質を浸出して得られるマンガン含有浸出残渣とすることが好ましい。正極活物質を酸等により浸出して得られるマンガン含有浸出残渣には、二酸化マンガンが含まれ得る。酸化剤として上記の正極活物質等を用いる場合、液中に溶解しているマンガンが二酸化マンガンとなる析出反応が生じるので、析出したマンガンを鉄とともに除去することができる。
酸化剤の添加後は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等のアルカリを添加して、pHを所定の範囲に調整することができる。
(Mn/Al抽出工程)
中和工程後に得られる中和後液に対しては、マンガン及び/又は、アルミニウムの残部を抽出して除去するMn/Al抽出工程を行う。それにより、マンガン及び/又はアルミニウムが除去された抽出残液(水相)としての金属含有溶液が得られる。
具体的には、中和後液に対して、燐酸エステル系抽出剤及びオキシム系抽出剤を含有する混合抽出剤を使用することが好ましい。ここで、燐酸エステル系抽出剤としては、たとえばジ−2−エチルヘキシルリン酸(商品名:D2EHPA又はDP8R)等が挙げられる。オキシム系抽出剤は、アルドキシムやアルドキシムが主成分のものが好ましい。具体的には、たとえば2−ヒドロキシ−5−ノニルアセトフェノンオキシム(商品名:LIX84)、5−ドデシルサリシルアルドオキシム(商品名:LIX860)、LIX84とLIX860の混合物(商品名:LIX984)、5−ノニルサリチルアルドキシム(商品名:ACORGAM5640)等があり、そのなかでも価格面等から5−ノニルサリチルアルドキシムが好ましい。
アルミニウム及びマンガンを抽出する際の溶媒抽出では、抽出時の平衡pHを、好ましくは2.5〜4.0、より好ましくは2.8〜3.3とする。
Mn/Al抽出工程により得られる金属含有溶液は、コバルトイオン及びニッケルイオンのうちの少なくとも一種の金属イオンと、不純物としてのマグネシウムイオンとを含むものである。
金属含有溶液中のマグネシウム濃度は、たとえば0.001g/L〜0.100g/L、典型的には0.001g/L〜0.01g/Lである。また、コバルト濃度は、たとえば0g/L〜50g/L、典型的には1g/L〜15g/Lであり、ニッケル濃度は、たとえば0g/L〜50g/L、典型的には1g/L〜15g/Lである。
なお金属含有溶液は、不純物として、上記のマグネシウムイオンの他、ナトリウムイオンを含む場合がある。この場合、金属含有溶液中のナトリウム濃度は、たとえば5g/L〜40g/L、典型的には10g/L〜30g/Lである。
(マグネシウムイオン除去工程)
マグネシウムイオン除去工程では、溶媒抽出法により、上記の金属含有溶液中のコバルトイオン及び/又はニッケルイオンは抽出する一方で、マグネシウムイオンは液中に残して除去する。このとき、金属含有溶液にナトリウムイオンが含まれる場合、ナトリウムイオンも液中に残って除去される。
これにより、後の金属回収工程でのマグネシウムイオン等の不純物の混入を抑制することができる。仮にマグネシウムイオン除去工程を行わないと、たとえば、金属回収工程のコバルトイオンの抽出及び逆抽出の際に、マグネシウムイオンがコバルトイオンとともに抽出・逆抽出されて、コバルト回収時の不純物になること等が懸念される。
マグネシウムイオン除去工程では、金属含有溶液に対し、カルボン酸系抽出剤を含む溶媒を使用し、抽出時の平衡pHを6.8〜7.2、O/A比を1.0〜1.5として、コバルトイオン及び/又はニッケルイオンを抽出する。ここでは、マグネシウムイオン等の不純物は、抽出されずに抽出残液である液中に残る。
平衡pHが6.8未満である場合は、コバルトイオン及び/又はニッケルイオンが十分に抽出されず、マグネシウムイオン等とともに抽出残液に残ってしまう。一方、平衡pHが7.2を超える場合は、マグネシウムイオンが溶媒中に抽出されて、マグネシウムイオンの除去が不十分になる。それ故に、抽出時の平衡pHは6.8〜7.2とする。好ましくは、平衡pHは6.9〜7.0である。
またO/A比は1.0〜1.5とする。溶媒抽出では一般に、水相(溶液)に含まれる金属が油相(溶媒)に移動するにつれて油相の比重が大きくなる。ここで、O/A比を1.0よりも小さくすると、油相の比重が大きくなって水の比重に近くなり(あるいは水の比重よりも重くなり)、分相性が悪化する。それにより、水相と油相とを分離することが難しくなるので、油相が水相に入ってコバルトイオン及び/又はニッケルイオンを十分に抽出できず、また水相が油相に入ってマグネシウムイオンまでも抽出される。一方、O/A比を1.5よりも大きくすると、水相に含まれるマグネシウムイオンまでも抽出される。このような観点から、O/A比は1.0〜1.5とし、好ましくは1.0〜1.2とする。O/A比は、水相に対する油相の体積比を意味する。
マグネシウムイオンの抽出に用いるカルボン酸系抽出剤としては、限定的ではないがネオデカン酸、ナフテン酸等が挙げられる。なかでも、マグネシウムイオンをできるだけ抽出せずにコバルトイオンやニッケルイオンを抽出するとの観点から、ネオデカン酸が好ましい。また、カルボン酸系抽出剤は、炭素数8〜16のカルボン酸を含むことが好適である。具体的には、シェル化学社製のVersatic Acid 10(「VA−10」ともいう。)等を使用可能である。
上記のカルボン酸系抽出剤は、典型的には炭化水素系有機溶剤で希釈して溶媒として用いられ得る。有機溶剤としては芳香族系、パラフィン系、ナフテン系等が挙げられる。ここで、溶媒中のカルボン酸系抽出剤の濃度は、20体積%〜30体積%とすることが好適である。カルボン酸系抽出剤の濃度を20体積%よりも低くした場合、抽出効率を高めるために多くの量の油相が必要になるおそれがある。一方、カルボン酸系抽出剤の濃度を30体積%よりも高くした場合、油相の粘性が高くなって分相性が悪化し、水相と油相との分離が難しくなるので、油相が水相に混入してコバルトイオン及び/又はニッケルイオンを十分に抽出できないこと、水相が油相に混入してマグネシウムイオンまでもある程度抽出してしまうことの懸念がある。
このようなマグネシウムイオン除去工程では、上述した抽出を一段階のみ行うと、先述したようにO/A比を1.0〜1.5で行うことにも起因して、コバルトイオン及び/又はニッケルイオンが十分に抽出されないおそれがある。これに対処するため、必要に応じて複数段階の抽出を行ってもよい。
複数段階の抽出の場合、一段階目の抽出で溶媒に移行せずに水相(抽出残液)に残ったコバルトイオン及び/又はニッケルイオンを、二段階目以降の抽出で取り出すことができる。それにより、マグネシウムイオンを水相に残しつつ、より多くのコバルトイオン及びニッケルイオンを抽出することが可能になる。
複数段階の抽出を行う場合、一段階目の抽出は先に述べた条件とし、当該抽出時の平衡pHは6.8〜7.2とすることができる。そして、一段階目の抽出後の抽出残液に対する二段階目以降の抽出は、平衡pHを6.5〜6.7とすることが好ましい。一段階目の抽出後の抽出残液では、一段階目にコバルトイオン及び/ニッケルイオンを抽出したことにより、マグネシウムイオンの割合が多くなっている。このため、二段階目以降の抽出では、上記のように平衡pHをやや低くすることが、マグネシウムイオンの抽出を抑制できる点で好適である。なお、二段階目以降の抽出でも、カルボン酸系抽出剤を含む溶媒を使用する等といったように、pH以外の条件については一段階目の抽出と同様とすることができる。
上記の抽出は、一般的な手法に基いて行うことができる。その一例としては、溶液(水相)と溶媒(有機相)を接触させ、典型的にはミキサーにより、これらをたとえば5〜60分間攪拌混合し、イオンを抽出剤と反応させる。抽出時の温度は、常温(15〜25℃程度)〜60℃以下とし、抽出速度、分相性、有機溶剤の蒸発の理由により35〜45℃で実施することが好ましい。その後、セトラーにより、混合した有機相と水相を比重差により分離する。
その後、逆抽出では、上述したようにコバルトイオン及び/ニッケルイオンを抽出した溶媒を、硫酸、塩酸等の逆抽出液と混合させ、ミキサー等により、たとえば5〜60分間撹拌することができる。逆抽出液としては硫酸を使用することが好ましい。逆抽出液の酸濃度は、溶媒中のマンガンイオン、コバルトイオン、ニッケルイオンを効果的に逆抽出するため、0.05〜200g/l(pH:−0.6〜3.0)に調整することが好ましく、1.5〜15g/l(pH:0.5〜1.5)に調整することがより好ましい。逆抽出の温度は、常温〜60℃以下とすることができ、逆抽出速度、分相性、有機溶剤の蒸発の理由により35〜45℃で実施することが好ましい。
逆抽出後に得られる逆抽出後液には、コバルトイオン及び/又はニッケルイオンが含まれる。この一方で、抽出及び逆抽出でマグネシウムイオンが除去されたことにより、逆抽出後液には、マグネシウムイオンがほぼ含まれない。また、逆抽出後液では、ナトリウムイオンも除去されている。
具体的には、逆抽出後液中のマグネシウム濃度は、たとえば0.01g/L以下、典型的には0.001g/L以下である。また、ナトリウム濃度は、たとえば0.3g/L以下、典型的には0.2g/L以下である。コバルト濃度は、たとえば0g/L〜50g/L、典型的には1g/L〜15g/Lであり、ニッケル濃度は、たとえば0g/L〜50g/L、典型的には1g/L〜15g/Lである。
(金属回収工程)
金属回収工程では、マグネシウムイオン除去工程で得られる逆抽出後液から、コバルト及び/又はニッケル等の金属を回収する。ここでは、様々な手法によりそれらの金属を回収することができる。
たとえば、マグネシウムイオン除去工程での逆抽出後液にコバルトイオンが含まれる場合、金属回収工程では、逆抽出後液からコバルトイオンを、好ましくはホスホン酸エステル系抽出剤を含む溶媒で抽出するとともに、その溶媒から硫酸等の酸性溶液に逆抽出することを含むコバルト回収工程を行うことができる。ここでは、上述したマグネシウムイオン除去工程でマグネシウムイオンが除去されていることから、コバルトイオンとともにマグネシウムイオンが抽出及び逆抽出されることが抑制される。なお、上記のホスホン酸エステル系抽出剤としては、ニッケルとコバルトの分離効率等の観点から2−エチルヘキシルホスホン酸2−エチルヘキシル(商品名:PC−88A、Ionquest801)が好ましい。また、コバルト回収工程の抽出では、pHを、好ましくは4.5〜5.5、より好ましくは4.8〜5.2とする。抽出後のコバルトを含有する溶媒に対しては、硫酸を用いて逆抽出を行うことができる。逆抽出で水相側に移動したコバルトは、電解採取等によって回収可能である。
マグネシウムイオン除去工程での逆抽出後液にニッケルイオンが含まれる場合、金属回収工程では、逆抽出後液からニッケルイオンを、好ましくはカルボン酸系抽出剤を含む溶媒で抽出するとともに、その溶媒から硫酸等の酸性溶液に逆抽出することを含むニッケル回収工程を行うことができる。逆抽出後液がコバルトイオン及びニッケルイオンの両方を含む場合は、上述したコバルト回収工程での抽出残液に対して、ニッケル回収工程を行う。カルボン酸系抽出剤としては、たとえばネオデカン酸、ナフテン酸等があるが、なかでもニッケルの抽出能力の理由によりネオデカン酸が好ましい。ニッケル回収工程の溶媒抽出では、pHを、好ましくは6.0〜8.0、より好ましくは6.8〜7.2とする。抽出後のニッケルを含有する溶媒に対しては、硫酸、塩酸、硝酸等の酸性水溶液等を用いて逆抽出を行うことができる。水相側に移動したニッケルは、電解採取等によって回収できる。
上述したようなコバルト及びニッケルをそれぞれ別個に回収するコバルト回収工程及びニッケル回収工程に代えて、コバルト及びニッケルの両方を回収するコバルト・ニッケル回収工程を行ってもよい。
コバルト・ニッケル回収工程では、マグネシウムイオン除去工程での逆抽出後液に対して、抽出及び逆抽出を行うが、この際に、コバルト及びニッケルが両方とも抽出・逆抽出される条件とする。これにより、硫酸、塩酸、硝酸のいずれかの酸で逆抽出した後に、コバルト及びニッケルが溶解した硫酸、塩酸又は硝酸のいずれかの混合溶液が得られる。なお、コバルト及びニッケルの混合溶液に対し、必要に応じて濃縮した後に晶析させる晶析工程を行うことにより、コバルト及びニッケルの硫酸塩、塩酸塩又は硝酸塩等の混合塩を得ることができる。あるいは、上記の混合溶液に水酸化ナトリウム等のアルカリを添加すると、ニッケル及びマンガンを沈殿し、コバルト及びニッケルの水酸化物等の混合塩が得られる。かかる混合塩は、たとえばリチウムイオン電池の製造等に有効に用いることができる。
次に、上述したような金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法を試験的に実施し、その効果を確認したので以下に説明する。但し、ここでの説明は単なる例示を目的とするものであり、これに限定されることを意図するものではない。
図1に示すように、リチウムイオン電池廃棄物に対して焙焼等の前処理及び湿式処理を施して、マンガン/アルミニウム抽出工程の抽出残液として金属含有溶液を得た。この金属含有溶液中の所定の金属イオンの濃度を表1に示す。
上記の金属含有溶液に対し、VA−10を含む溶媒を使用し、平衡時のpHを7.2、O/A比を1.0として抽出を行った。pHの調整にはNaOHを用いた。ここでは、溶媒中のVA−10の濃度が25体積%になるように、VA−10を炭化水素系有機溶剤(商品名:シェルゾールD70)で希釈して用いた。抽出では、具体的には、当該溶媒と金属含有溶液とを接触させ、20℃の温度下で、撹拌機により20分にわたって攪拌して混合した後に静置し、セトラーにより有機相(溶媒)と水相とを分離させた。
その後、上記の溶媒をpH2.0の希硫酸とO/A比:1.0で混合し、ミキサーで20分にわたって攪拌して混合した。それにより逆抽出後液を得た。逆抽出後液中の所定の金属イオンの濃度を表1に示す。なお、濃度の測定にはICPを用いた。
Figure 2021172856
また、表2に示す金属イオンの濃度の金属含有溶液を用いたこと、及び、抽出時の平衡pHを7.0としたことを除いて、上述したところと同様にして、抽出及び逆抽出を行い、逆抽出後液を得た。その逆抽出後液の金属イオンの濃度を表2に示す。
Figure 2021172856
表1及び2より、抽出・逆抽出の前後で、Co濃度及びNi濃度はほぼ同程度であったのに対し、Mg濃度は0.003g/Lから0.001g/L未満、0.01g/Lから0.001g/Lにそれぞれ低減されていた。また表1では、Na濃度も、66.0g/Lから0.2g/Lに低下したことが解かる。
このことから、ここで開示した金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法によれば、金属含有溶液から不純物のマグネシウムイオンを有効に除去できることが解かった。

Claims (10)

  1. リチウムイオン電池廃棄物の電池粉に対して湿式処理を施して得られた金属含有溶液からマグネシウムイオンを除去する方法であって、
    前記金属含有溶液が、コバルトイオン及びニッケルイオンのうちの少なくとも一種の金属イオンと、マグネシウムイオンとを含み、
    前記金属含有溶液に対し、カルボン酸系抽出剤を含む溶媒を使用し、抽出時の平衡pHを6.8〜7.2、O/A比を1.0〜1.5としてマグネシウムイオンを液中に残しつつ前記金属イオンを前記溶媒に抽出し、前記金属イオンを抽出した前記溶媒から当該金属イオンを逆抽出するマグネシウムイオン除去工程を含む、金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法。
  2. マグネシウムイオン除去工程で、前記金属イオンの抽出に用いる前記溶媒中のカルボン酸系抽出剤の濃度を、20体積%〜30体積%とする、請求項1に記載の金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法。
  3. マグネシウムイオン除去工程で、カルボン酸系抽出剤を含む溶媒を使用する抽出を複数段階にわたって行い、抽出時の平衡pHを6.8〜7.2とする一段階目の抽出後に、その抽出残液に残った前記金属イオンを、二段階目以降の抽出で溶媒に移行させ、
    二段階目以降の抽出での抽出時の平衡pHを6.5〜6.7とする、請求項1又は2に記載の金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法。
  4. 前記カルボン酸系抽出剤が、炭素数8〜16のカルボン酸を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法。
  5. 前記金属含有溶液のマグネシウム濃度が0.001g/L〜0.100g/Lであり、コバルト濃度が0g/L〜50g/Lであり、ニッケル濃度が0g/L〜50g/Lである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属含有溶液中のマグネシウムイオン除去方法における前記マグネシウムイオン除去工程の逆抽出後に得られる逆抽出後液から、前記金属イオンの金属を回収する金属回収工程を含む金属回収方法。
  7. 前記電池粉が、コバルト及び/又はニッケルとマグネシウムとを含有する、請求項6に記載の金属回収方法。
  8. 前記電池粉が、マンガン及び/又はアルミニウムをさらに含有し、
    前記湿式処理で、溶媒抽出により液中のマンガンイオン及び/又はアルミニウムイオンを抽出して分離させ、その抽出残液として前記金属含有溶液を得るマンガン/アルミニウム抽出工程を含む、請求項7に記載の金属回収方法。
  9. 前記金属イオンがコバルトイオンを含み、
    金属回収工程が、前記逆抽出後液に対し、ホスホン酸エステル系抽出剤を使用してコバルトイオンを抽出するとともに逆抽出するコバルト回収工程を含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の金属回収方法。
  10. 前記金属イオンがコバルトイオン及びニッケルイオンの両方を含み、
    前記マグネシウムイオン除去工程の逆抽出後に得られる逆抽出後液から、コバルト及びニッケルの混合塩を得る晶析工程を含む、請求項6〜8のいずれか一項に記載の金属回収方法。
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