JP2021172790A - 2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料 - Google Patents

2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料 Download PDF

Info

Publication number
JP2021172790A
JP2021172790A JP2020080279A JP2020080279A JP2021172790A JP 2021172790 A JP2021172790 A JP 2021172790A JP 2020080279 A JP2020080279 A JP 2020080279A JP 2020080279 A JP2020080279 A JP 2020080279A JP 2021172790 A JP2021172790 A JP 2021172790A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acrylic resin
main agent
coating material
meth
polyurethane coating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2020080279A
Other languages
English (en)
Inventor
利明 柿沼
Toshiaki Kakinuma
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toei Kasei Co Ltd
Original Assignee
Toei Kasei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toei Kasei Co Ltd filed Critical Toei Kasei Co Ltd
Priority to JP2020080279A priority Critical patent/JP2021172790A/ja
Publication of JP2021172790A publication Critical patent/JP2021172790A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)

Abstract

【課題】2液型ポリウレタン塗料の主剤に用いたときに、適正な塗装粘度を有し、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が充分に長く、常温硬化性に優れる2液型ポリウレタン塗料が得られる2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂を提供する。【解決手段】アクリル樹脂及び金属触媒を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とを含む2液型ポリウレタン塗料の前記主剤に用いられるアクリル樹脂であって、水酸基及び酸性基を有し、固形酸価が0.02〜7mgKOH/gであり、重量平均分子量が2万〜7万である、2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料に関する。
水酸基含有アクリル樹脂のようなポリオール樹脂を含む主剤と、ポリイソシアネートを含む硬化剤とからなる2液型ポリウレタン塗料は、常温硬化が可能であり、塗装外観が良く、優れた塗膜強度を持ち良好な耐酸性をも有することから、建築、土木及び車両塗装等の幅広い分野で使用されている。
2液型ポリウレタン塗料の主剤には、意匠性を高めるための顔料(酸化チタン、カーボンブラック等)や各種添加剤(紫外線吸収剤、光安定剤、レベリング剤等)を添加することがある。
また、常温下での硬化反応を促進する目的で、主剤と硬化剤のほかに硬化触媒を配合することがある。また、塗装時の作業性等を考慮し、主剤又は硬化剤に予め硬化触媒を添加しておくことがある。
特許文献1には、重量平均分子量3,000〜20,000、水酸基価が100〜200mgKOH/gの範囲内である水酸基含有アクリル樹脂と、ポリイソシアネート化合物と、硬化触媒と、特定の表面調整剤を含有するプラスチック用塗料組成物が記載されている。硬化触媒としては、ジブチル錫ラウレート等の金属触媒が用いられている。
特開2014−19714号公報
主剤に用いられるポリオール樹脂には、硬化剤との反応性を高める目的で、又は顔料を安定的かつ均一に分散し外観の良い塗膜を形成させる目的で、構造中にカルボキシ基等の酸性基を導入することがある。酸硬化剤との反応性が高まることで、常温での硬化性が向上し、得られる塗膜の物性の向上や、必要な塗膜強度が発現するまでの硬化時間の短縮が可能となる。
しかし、構造中に酸性基を有するポリオール樹脂を含む主剤に金属触媒を添加すると、それらの相互作用により、主剤の粘度が上昇することがある。特に酸価の高いポリオール樹脂を主剤として使用した場合はその傾向が顕著となり、場合によっては硬化剤と配合する前に主剤の粘度が著しく上昇してしまう。主剤の粘度が著しく上昇すると、硬化剤と主剤とを均一に混ぜることが困難になったり、硬化剤を配合した後の可使時間が著しく短くなったりして塗装作業性が損なわれる。
主剤の粘度を低くする方法として、ポリオール樹脂の分子量を低くすること、例えば特許文献1のように重量平均分子量を20,000以下とすることが考えられる。
しかし、ポリオール樹脂の分子量を低くすると、特に特許文献1のように低分子量かつ高水酸基価の樹脂を用いた場合、得られる塗膜の耐久性が低下し、塗膜にクラックが入りやすい等の問題がある。
本発明は、2液型ポリウレタン塗料の主剤に用いたときに、適正な塗装粘度を有し、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が充分に長く、常温硬化性に優れる2液型ポリウレタン塗料が得られる2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂、及び適正な塗装粘度を有し、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が充分に長く、常温硬化性に優れる2液型ポリウレタン塗料を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
[1]アクリル樹脂及び金属触媒を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とを含む2液型ポリウレタン塗料の前記主剤に用いられるアクリル樹脂であって、
水酸基及び酸性基を有し、固形酸価が0.02〜7mgKOH/gであり、重量平均分子量が2万〜7万である、2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂。
[2]固形水酸基価が5〜70mgKOH/gである、前記[1]の2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂。
[3]前記金属触媒が有機錫化合物及び有機亜鉛化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、前記[1]又は[2]の2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかの2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び金属触媒を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とを含む、2液型ポリウレタン塗料。
本発明の2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂は、2液型ポリウレタン塗料の主剤に用いたときに、適正な塗装粘度を有し、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が充分に長く、常温硬化性に優れる2液型ポリウレタン塗料が得られる。
本発明の2液型ポリウレタン塗料は、適正な塗装粘度を有し、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が充分に長く、常温硬化性に優れる。
〔2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂〕
本発明の2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂(以下、「本アクリル樹脂」とも記す。)は、アクリル樹脂及び金属触媒を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とを含む2液型ポリウレタン塗料の主剤に用いられるものであって、水酸基及び酸性基を有し、固形酸価が0.02〜7mgKOH/gであり、重量平均分子量が2万〜7万である。
本アクリル樹脂は、水酸基を有することで、硬化剤のポリイソシアネート化合物と反応する。
水酸基は、水酸基含有重合性不飽和単量体に由来するものであることが好ましい。すなわち、本アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和単量体単位を有することが好ましい。
水酸基含有重合性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸と2価アルコールのモノエステル化物、これらモノエステル化物のε−カプロラクタム変性物、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、アリルアルコール、分子末端に水酸基を有するポリオキシエチレン鎖を持つ(メタ)アクリル酸エステル等を例示することができる。これらの水酸基含有重合性不飽和単量体は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。水酸基含有重合性不飽和単量体の少なくとも一部は、水酸基含有(メタ)アクリル系単量体であることが好ましい。
なお、本明細書での「重合性不飽和単量体」は、重合性炭素−炭素二重結合等の重合性不飽和結合を有する化合物を示す。「(メタ)アクリル系単量体」は、(メタ)アクリロイル基を有する化合物を示す。「(メタ)アクリロイル」はアクリロイル又はメタクリロイルを示す。「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸又はメタクリル酸を示す。「(メタ)アクリル酸エステル」はアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルを示す。
本アクリル樹脂は、酸性基を有することで、硬化剤のポリイソシアネート化合物との反応性に優れる。また、主剤が意匠性を高めるための顔料等を含む場合に、顔料等を安定的かつ均一に分散させることができ、得られる塗膜の外観が向上する。
酸性基としては、カルボキシ基、リン酸基、スルフォン酸基等が挙げられる。酸性基は、ナトリウム塩、アンモニウム塩等の塩を形成していてもよい。
酸性基は、酸性基含有重合性不飽和単量体に由来するものであることが好ましい。すなわち、本アクリル樹脂は、酸性基含有重合性不飽和単量体単位を有することが好ましい。
酸性基含有重合性不飽和単量体としては、(メタ)アクリル酸、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アリロイルオキシエチル、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等のカルボキシ基含有重合性不飽和単量体、2−(メタ)アクリロイルエチルアシッドフォスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルアシッドフォスフェート等のリン酸基有重合性不飽和単量体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、2−スルフォエチル(メタ)アクリレート、アリルスルフォン酸、4−スチレンスルフォン酸等のスルフォン酸基含有重合性不飽和単量体、及びこれらスルフォン酸基含有重合性不飽和単量体のナトリウム塩やアンモニウム塩等を例示することができる。これらの酸性基含有重合性不飽和単量体は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。酸性基含有重合性不飽和単量体の少なくとも一部は、酸性基含有(メタ)アクリル系単量体であることが好ましい。
本アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和単量体単位と、酸性基含有重合性不飽和単量体単位とを有することが好ましい。
本アクリル樹脂は、水酸基含有重合性不飽和単量体単位及び酸性基含有重合性不飽和単量体単位以外の他の重合性不飽和単量体単位を有していてもよい。
他の重合性不飽和単量体は、前述の水酸基含有重合性不飽和単量体及び酸性基含有重合性不飽和単量体と共重合可能なものであればよく、2液型ポリウレタン塗料の主剤に使用されるアクリル樹脂に求められる特性に応じて適宜選択できる。
他の重合性不飽和単量体としては、以下のような化合物を例示することができる。これらの化合物は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル。
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカニル等の(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル。
スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル酸ベンジル等の芳香環含有重合性不飽和単量体。
ビニルメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基含有重合性不飽和単量体。
(メタ)アクリル酸パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチルエチル等の(メタ)アクリル酸フッ素化アルキルエステル。
(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等の含窒素重合性不飽和単量体。
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸β−メチルグリシジル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルメチル、(メタ)アクリル酸3,4−エポキシシクロヘキシルエチル、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和単量体。
ジ(メタ)アクリル酸1−4ブタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール等の、重合性不飽和基を分子中に2個以上有する重合性不飽和単量体。
2−ヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の、紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和単量体。
4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6,−テトラメチルピペリジン等の、紫外線安定性官能基を有する重合性不飽和単量体。
(メタ)アクリル酸アセトアセトキシエチル、(メタ)アクロレイン、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ホルミルスチロール等のカルボニル基含有重合性不飽和単量体。
本アクリル樹脂は、得られる塗膜の表面硬度、透明性及び耐薬品性の点では、他の重合性不飽和単量体単位として少なくとも、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル単位及び芳香環含有重合性不飽和単量体単位からなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本アクリル樹脂中、水酸基含有重合性不飽和単量体単位の含有量は、本アクリル樹脂を構成する全ての重合性不飽和単量体単位の合計100質量%に対し、1〜45質量%が好ましく、2〜38質量%がより好ましく、4〜32質量%がさらに好ましい。水酸基含有重合性不飽和単量体単位の含有量が前記範囲内であれば、本アクリル樹脂の固形水酸基価を後述する好ましい範囲内としやすい。
酸性基含有重合性不飽和単量体単位の含有量は、本アクリル樹脂を構成する全ての重合性不飽和単量体単位の合計100質量%に対し、0.01〜6質量%が好ましく、0.1〜4質量%がより好ましく、0.2〜2質量%がさらに好ましい。酸性基含有重合性不飽和単量体単位の含有量が前記範囲内であれば、本アクリル樹脂の固形酸価を後述する好ましい範囲内としやすい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単位、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル単位及び芳香環含有重合性不飽和単量体単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の単位の含有量は、本アクリル樹脂を構成する全ての重合性不飽和単量体単位の合計100質量%に対し、54〜98質量%が好ましく、61〜97質量%がより好ましく、67〜95質量%がさらに好ましい。
本アクリル樹脂の固形水酸基価は、5〜70mgKOH/gが好ましく、10〜60mgKOH/gがより好ましく、20〜50mgKOH/gがさらに好ましい。固形水酸基価が前記下限値以上であれば、得られる塗膜の柔軟性、割れ防止性がより優れ、前記上限値以下であれば、得られる塗膜の耐久性、耐薬品性がより優れる。
固形水酸基価は、水酸基の含有量の指標であり、後述する実施例に記載の方法により算出される。
本アクリル樹脂の固形酸価は、0.02〜7mgKOH/gであり、1〜6mgKOH/gが好ましく、2〜5mgKOH/gがより好ましい。固形酸価が7mgKOH/g以下であれば、本アクリル樹脂と金属触媒との相互作用による増粘が抑制され、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が充分に長くなる。固形酸価が0.02mgKOH/g以上であれば、主剤中での顔料等の分散性、塗装後の常温硬化性、得られる塗膜の被塗物への密着性が優れる。
固形酸価は、酸性基の含有量の指標であり、後述する実施例に記載の方法により算出される。
本アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、2万〜7万であり、2万1千〜6万5千が好ましく、2万5千〜6万がより好ましく、3万〜5万がさらに好ましい。重量平均分子量が前記下限値以上であれば、得られる塗膜の強度に優れ、前記上限値以下であれば、適正な塗装粘度を確保できる。
本アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定される標準ポリスチレン換算値である。
本アクリル樹脂のガラス転移温度は、特に制限を受けるものではないが、得られる塗膜の硬度と伸びのバランス及び耐水性の観点から、20〜80℃が好ましく、30〜70℃がより好ましく、40〜60℃がさらに好ましい。
本アクリル樹脂のガラス転移温度は、共重合する重合性不飽和単量体の種類とその比率を変えることによって容易に調整できる。
本アクリル樹脂のガラス転移温度は、下記のFoxの式より算出される値(計算ガラス転移温度)である。
1/Tg(K)=W/Tg+W/Tg+W/Tg・・・・・・+W/Tg
ただし、Tgは、樹脂のガラス転移温度(K)を示し、W(iは1〜nの整数)は、共重合される重合性不飽和単量体(i)の質量分率を示し、Tgは、共重合される重合性不飽和単量体(i)のホモポリマーのガラス転移温度(K)を示す。
ホモポリマーのガラス転移温度は、Polymer Handbook ThirdEdition(Wiley−Interscience1989)等の文献に記載された値を用いることができる。
<アクリル樹脂の製造方法>
本アクリル樹脂は、例えば、重合開始剤の存在下で、水酸基含有重合性不飽和単量体と酸性基含有重合性不飽和単量体とを含む重合性不飽和単量体混合物を、重量平均分子量が2万〜7万となるように共重合することで製造できる。
重合性不飽和単量体混合物は、必要に応じて他の重合性不飽和単量体を含んでいてもよい。重合性不飽和単量体混合物の組成は、得られるアクリル樹脂の固形酸価が0.02〜7mgKOH/gとなるように、好ましくはさらに固形水酸基価が5〜70mgKOH/gとなるように調整される。
重合開始剤は、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート等のパーオキサイド系重合開始剤等の公知の重合開始剤の中から適宜選んで使用することができる。これらの重合開始剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
重合方法は特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の中から適宜選択することができ、複数の重合方法を組み合わせることも可能である。
本アクリル樹脂を溶液重合法で製造する方法としては、例えば前述の重合性不飽和単量体混合物を有機溶剤中に溶解又は分散させ、前述の重合開始剤の存在下で50℃〜200℃程度まで撹拌しながら加温し、1〜24時間程度反応させる方法が挙げられる。
溶液重合法で使用される有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ノルマルブチル、酢酸イソブチル、酢酸ノルマルプロピル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系有機溶剤、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系有機溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系有機溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、イソブタノール等のアルコール系有機溶剤、トルエン、キシレン、スワゾール1000(コスモ松山石油株式会社製)等の芳香族有機溶剤を例示することができる。これらの有機溶剤は1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔2液型ポリウレタン塗料〕
本発明の2液型ポリウレタン塗料は、主剤と硬化剤とを含む。
<主剤>
主剤は、前記した本アクリル樹脂及び金属触媒を含む。
金属触媒は、本アクリル樹脂の水酸基と硬化剤のポリイソシアネート化合物との反応を促進する目的で配合される。
金属触媒としては、テトラブチル錫、塩化トリブチル錫、二塩化ジブチル錫、三塩化ブチル錫、トリブチル錫シアネート、オクチル酸錫、オレイン酸錫、ジブチル錫ジラウリレート、ジベンジル錫ジ(2−エチルヘキシレート)等の有機錫化合物、2−エチルヘキシル酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛等の有機亜鉛化合物、ステアリン酸鉛、2−エチルヘキシル酸鉛、ナフテン酸鉛等の有機鉛化合物、2−エチルヘキシル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等の有機ビスマス化合物、有機アルミ化合物、有機チタネート化合物等が挙げられる。
金属触媒としては、低温硬化性及び塗装の仕上げの観点から、有機錫化合物及び有機亜鉛化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、環境対応の点から有機亜鉛化合物がより好ましい。
金属触媒の含有量は、本アクリル樹脂100質量部に対して0.1〜5.0質量部が好ましく、0.5〜3.5質量部がより好ましい。
主剤は、典型的には、液状媒体を含む。液状媒体としては、例えば、有機溶剤、水が挙げられる。有機溶剤としては、例えば、前記した溶液重合法で使用される有機溶剤と同様のものが挙げられる。
主剤は、必要に応じて、本アクリル樹脂、金属触媒、ポリイソシアネート化合物及び液状媒体以外の他の成分を含んでいてもよい。
他の成分としては、意匠性を高めるための着色成分、顔料分散剤、顔料分散用樹脂、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、沈降防止剤、表面調整剤等が挙げられる。
着色成分としては、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー等の着色顔料、アルミニウムペースト、パールパウダー等の光輝顔料、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、シリカ、タルク等の体質顔料、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料等が挙げられる。
主剤の粘度は、25℃において、500〜9000mPa・sが好ましく、1000〜5000mPa・sがより好ましい。
粘度は、B型粘度計(ブルックフィールド回転粘度計)により測定される。
主剤の不揮発分濃度は、所望の粘度に応じて適宜設定できるが、例えば、主剤の総質量に対し、30〜60質量%が好ましく、40〜50質量%がより好ましい。
不揮発分は、試料を105℃±2.5℃で2時間乾燥させた後の残分である。
主剤は、例えば、本アクリル樹脂が有機溶剤に溶解したアクリル樹脂溶液に金属触媒及び必要に応じて他の成分を添加することで調製できる。
着色成分を添加する場合、着色成分はそのままアクリル樹脂溶液に添加してもよく、顔料分散剤や顔料分散用樹脂等と合わせてアクリル樹脂溶液に添加してもよい。顔料分散剤や顔料分散用樹脂及びそれらを使用した分散方法等は公知のものを使用することができる。
<硬化剤>
硬化剤は、ポリイソシアネート化合物を含む。
ポリイソシアネート化合物は、1分子中に2個以上の遊離イソシアネート基を有する化合物である。ポリイソシアネート化合物としては、公知のものを使用でき、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、シクロへキシレンジイソシアネート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、イソホロンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトカプロエート、3−イソシアナトメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の3価以上の有機ポリイソシアネート化合物、これらポリイソシアネート化合物の2量体又は3量体、ポリイソシアネート化合物と多価アルコールや低分子量ポリエステル樹脂等をイソシアネート基が過剰となる条件でウレタン化反応させて得られるプレポリマー等が挙げられる。これらのポリイソシアネート化合物はいずれか1種を単独で用いてもよく2種以上を組み合わせて用いてもよい。
硬化剤は、必要に応じて、液状媒体を含んでいてもよい。液状媒体としては、例えば、前記した主剤における液状媒体と同様のものが挙げられる。
硬化剤は、必要に応じて、本アクリル樹脂、金属触媒及びポリイソシアネート化合物以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、例えば、前記した主剤における他の成分と同様のものが挙げられる。
本発明の2液型ポリウレタン塗料において、主剤と硬化剤との配合比率は、特に制約を受けるものではないが、硬化剤に含まれるポリイソシアネート化合物のイソシアネート基と主剤に含まれる樹脂の水酸基価との当量比(NCO/OH)が、通常0.5〜2.0、好ましくは0.9〜1.3の範囲となるよう設定することが好ましい。
〔塗装物品の製造方法〕
本発明の2液型ポリウレタン塗料の主剤と硬化剤とを混合し、被塗物上に塗装することにより、被塗物とその上に形成された塗膜とを有する塗装物品を得ることができる。
粘度調整のため、主剤及び硬化剤とともに、液状媒体を混合してもよい。液状媒体としては、例えば、前記した主剤における液状媒体と同様のものが挙げられる。
被塗物への塗装時の2液型ポリウレタン塗料全体の粘度は、25℃において、100〜3000mPa・sが好ましく、500〜2000mPa・sがより好ましい。
被塗物としては、特に制限を受けるものではないが、鉄、アルミニウム、真鍮、ステンレス、ブリキ等の金属基材、ポリエチレン、ポロプロピレン等のポリオレイン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン樹脂(ABS樹脂)、ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、合成ゴム等のプラスチック基材やそれらプラスチック基材を組み合わせたハイブリッド基材、ガラス繊維やカーボン繊維を各種樹脂に組み込んだ繊維強化型プラスチック基材、木材、アスファルト、コンクリート等の各種建築用材料等が例示できる。
塗装方法としては、特に制限を受けるものではないが、刷毛塗り、ローラー塗り、カーテンフロー塗装、エアスプレー塗装、エアレススプレー塗装、浸漬塗装等を例示することができる。
塗装後、硬化反応が進行して塗膜(硬化塗膜)が形成される。硬化反応は常温下でも進行するが、硬化反応の促進のために加熱してもよい。
硬化条件は、特に制約を受けるものではなく、屋外塗装時の外気温に依存した自然条件から乾燥炉での強制加熱条件までの中から任意の加熱条件を選択することができる。
また、必要に応じて乾燥炉での加熱を行う際には、塗装直後の塗膜からの揮発分を減少させ、塗膜に気泡等を発生させないために、セッティング及び/又は予備加熱を追加することも可能である。予備加熱を行う場合、予備加熱方法は、エアブローや赤外線ヒーター等、公知の方法から適宜選択することができる。
本発明の2液型ポリウレタン塗料から形成される塗膜(硬化塗膜)の膜厚は、特に制限を受けるものではなく、例えば、一般的な塗膜の膜厚である10〜1000μmの範囲で任意に設定することができる。
本発明の2液型ポリウレタン塗料は、常温硬化性に優れることから、屋外塗装用として有用である。屋外塗装の例としては、屋外建築物の屋根、壁及び床等の塗装が挙げられる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、“部”及び“%”は別記しない限り、“質量部”及び“質量%”を示す。
(アクリル樹脂の特性(計算値))
<ガラス転移温度(℃)>
ガラス転移温度は、前記したFoxの式より算出した。
<固形水酸基価(mgKOH/g)>
固形水酸基価は下記式により算出した。
固形水酸基価=Σ(561×100/E×F×G)
E:水酸基含有重合性不飽和単量体の分子量
F:水酸基含有重合性不飽和単量体中の水酸基の個数
G:樹脂を構成する重合性単量体の内、水酸基含有重合性単量体の質量分率
<固形酸価(mgKOH/g)>
固形酸価は下記式により算出した。
固形酸価=Σ(561×100/H×I×J)
H:酸性基含有重合性不飽和単量体の分子量
I:酸性基含有重合性不飽和単量体中の酸性官能基の個数
J:樹脂を構成する重合性単量体の内、酸性基含有重合性不飽和単量体の質量分率
(アクリル樹脂の重量平均分子量)
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により標準ポリスチレンの検量線を用いて測定した。
ゲルパーミエーションクロマトグラフとして、GPC−8020(東ソー株式会社製)を使用し、カラムとして「TSKgel SuperH4000、H3000、H2000」、「TSKguardcolumn SuperH−H」の計4本、検出器として示差屈折率計、展開液としてテトラヒドロフランを使用し、測定温度40℃、流速1mL/分の条件下で測定した。
(溶液特性)
<不揮発分濃度(%)>
試料を105℃±2.5℃で2時間乾燥させた後の残分(不揮発分)の質量からを測定し、不揮発分濃度(%)を求めた。
<B型粘度(mPa・s)>
B型粘度計(東機産業(株)製、ローター番号1番と2番)を用い、25℃における粘度を測定した。
<酸価(mgKOH/g)>
JIS K 5601−2−1に準拠して、1gの溶液を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数を求めた。
(アクリル樹脂溶液の製造)
<製造例1(アクリル樹脂溶液1の製造)>
撹拌装置、温度計、還流冷却器、温度制御装置及び滴下装置を備えた反応容器にキシレン70部を仕込み、内温を120℃まで昇温した後、表1記載の重合性不飽和単量体混合物(合計100部)に重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部加えたものを、滴下装置を用いて4時間かけて滴下した。滴下終了後、120℃を1時間維持し、その後、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5部とキシレン15部の混合物を1時間かけて滴下した。その後1.5時間、内温120℃を維持して熟成させたのち、キシレン15部を投入して反応を終了させた。これにより、アクリル樹脂溶液1を得た。
<製造例2〜12(アクリル樹脂溶液2〜12の製造)>
使用する重合性不飽和単量体混合物と、重量平均分子量を調整する目的で重合性不飽和単量体混合物と混合するt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの配合部数を表1に記載のとおり変更した以外は製造例1と同様の方法で、アクリル樹脂溶液2〜12を得た。
各アクリル樹脂溶液に含まれるアクリル樹脂の特性(ガラス転移温度(℃)、固形分酸価(mgKOH/g)、固形分水酸基価(mgKOH/g)それぞれの計算値及び重量平均分子量)、各アクリル樹脂溶液の不揮発分(%)、B型粘度(mPa・s)及び酸価(mgKOH/g)を表1に示す。
(2液型ポリウレタン塗料用の主剤の製造)
<主剤1の製造>
アクリル樹脂溶液1の100部に、2−エチルヘキシル酸亜鉛1部をキシレンの15部に溶解した金属触媒溶液を加えて、主剤1を得た。
<主剤2〜9、11〜13の製造>
使用するアクリル樹脂溶液を、表2に記載のとおり変更した以外は主剤1の製造例と同様の方法で、主剤2〜9、主剤11〜13を得た。
<主剤10の製造>
アクリル樹脂溶液1の100部に、2−エチルヘキシル酸亜鉛1部をキシレン7.5部に溶解した金属触媒溶液と、Tinuvin292(BASF製、光安定剤)1部をキシレン7.5部に溶解した光安定剤溶液を加えて、主剤10を得た。
<主剤14の製造>
アクリル樹脂溶液1の100部にキシレン15部のみを加えて、主剤14を得た。
(主剤の増粘率の評価)
得られた主剤を25℃で2時間静置し、B型粘度(mPa・s)を測定し、その値をAとした。
主剤に用いたアクリル樹脂溶液100部に、キシレン15部のみを加えて対照品を得た。得られた対照品を25℃で2時間静置し、B型粘度(mPa・s)を測定し、その値をBとした。
測定結果から、下記式により主剤の増粘率(%)を算出した。結果を表2に示す。
主剤の増粘率(%)=A/B×100
主剤の増粘率を下記基準で評価した。結果を表2に示す。
5:増粘率が、100%以上150%未満である。
4:増粘率が、150%以上250%未満である。
3:増粘率が、250%以上350%未満である。
2:増粘率が、350%以上500%未満である。
1:増粘率が、500%以上である。
(塗料の製造)
<実施例1(塗料1の製造)>
デュラネートTPA−100(旭化成株式会社製、ポリイソシアネート化合物)のキシレン50%希釈液を硬化剤とした。
主剤1の100部に、硬化剤の5.5部、キシレンの5.8部を配合し、塗料1を得た。
<実施例2〜10、比較例1〜4(塗料2〜14の製造)>
使用する主剤と、NCO/OH比及び塗料不揮発分を調整する目的で硬化剤及びキシレンの配合量を表3に記載のとおり変更した以外は実施例1と同様の方法で、塗料2〜14を得た。
(塗料のポットライフの評価)
製造直後(デュラネートTPA−100及びキシレンの配合から5分後)の塗料のB型粘度(mPa・s)を測定し、その値をCとした。
25℃で3時間静置した塗料のB型粘度(mPa・s)を測定し、その値をDとした。
測定結果から、下記式により塗料の増粘率(%)を算出した。結果を表3に示す。
塗料の増粘率(%)=D/C×100
塗料の増粘率を下記基準で評価した。結果を表3に示す。
5:増粘率が、100%以上125%未満である。
4:増粘率が、125%以上150%未満である。
3:増粘率が、150%以上200%未満である。
2:増粘率が、200%以上300%未満である。
1:増粘率が、300%以上、あるいは固化する。
(常温硬化塗膜の硬度の評価)
得られた塗料を、脱脂処理した冷間圧延鋼板上に、乾燥後の塗装膜厚が30μmとなるようにバーコーター#33で塗装し、室温で1日間又は3日間乾燥して塗膜(常温硬化塗膜)を形成した。得られた塗膜の鉛筆硬度(JIS K 5600−5−4 引っ掻き硬度、鉛筆法)を測定し、下記基準で常温硬化塗膜の硬度を評価した。結果を表3に示す。
5:鉛筆硬度が、F同等か、それより硬い。
4:鉛筆硬度が、HB。
3:鉛筆硬度が、B。
2:鉛筆硬度が、2B。
1:鉛筆硬度が、3B同等か、それより軟らかい。
(常温硬化塗膜の耐薬品性の評価)
得られた塗料を、脱脂処理した冷間圧延鋼板上に、乾燥後の塗装膜厚が30μmとなるようにバーコーター#33で塗装し、室温で1日間又は3日間乾燥して塗膜(常温硬化塗膜)を形成した。得られた塗膜に常温のキシレン1mLを滴下し、25℃で4時間静置した後、塗膜外観の変化を観察し、下記基準で常温硬化塗膜の耐薬品性(キシレンに対する耐性)を評価した。結果を表3に示す。
5:外観変化なし。
4:薄く液滴の跡が残る。
3:液滴の跡が、はっきりと残る。
2:液滴の跡が残るに加え、塗膜に若干の縮みが出る。
1:塗膜に大きな縮みがある。あるいは、塗膜が溶けて、下地が見える。
Figure 2021172790
Figure 2021172790
Figure 2021172790
実施例1〜10の塗料は、主剤の増粘率が低く、静置後も適正な塗装粘度を有していた。また、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が充分に長かった。また、常温硬化塗膜の硬度及び耐薬品性が良好であり、常温硬化性に優れていた。
アクリル樹脂の固形酸価が7mgKOH/g超である比較例1の塗料は、主剤の増粘率が高かった。また、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が短かった。
アクリル樹脂の重量平均分子量が2万未満である比較例2の塗料は、常温硬化性に劣っていた。
アクリル樹脂の重量平均分子量が7万超である比較例3の塗料は、主剤の増粘率が高かった。また、主剤と硬化剤との配合後の可使時間が短かった。
主剤が金属触媒を含まない比較例4の塗料は、常温硬化性に劣っていた。

Claims (4)

  1. アクリル樹脂及び金属触媒を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とを含む2液型ポリウレタン塗料の前記主剤に用いられるアクリル樹脂であって、
    水酸基及び酸性基を有し、固形酸価が0.02〜7mgKOH/gであり、重量平均分子量が2万〜7万である、2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂。
  2. 固形水酸基価が5〜70mgKOH/gである、請求項1に記載の2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂。
  3. 前記金属触媒が有機錫化合物及び有機亜鉛化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1又は2に記載の2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び金属触媒を含む主剤と、ポリイソシアネート化合物を含む硬化剤とを含む、2液型ポリウレタン塗料。
JP2020080279A 2020-04-30 2020-04-30 2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料 Pending JP2021172790A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020080279A JP2021172790A (ja) 2020-04-30 2020-04-30 2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020080279A JP2021172790A (ja) 2020-04-30 2020-04-30 2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021172790A true JP2021172790A (ja) 2021-11-01

Family

ID=78279169

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020080279A Pending JP2021172790A (ja) 2020-04-30 2020-04-30 2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021172790A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2746311B1 (en) Waterborne two component polyurethane coating compositions comprising alicyclic rigid polyols
US7875672B2 (en) Two component waterborne polyurethane coatings for anti-graffiti application
JP3835014B2 (ja) 硬化性組成物
WO2008041766A1 (en) Composition for two-component fluorine coating material
US4532300A (en) Production of coatings
DE10021139B4 (de) Mehrkomponentenbeschichtungsstoffe, -klebstoffe und -dichtungsmassen und ihre Verwendung
JP4919078B2 (ja) ウレタン塗膜防水用トップコート組成物
US20020128379A1 (en) Curing type water base resin composition
JP2004307666A (ja) 塗料用含フッ素共重合体、塗料用組成物および塗料
JP2019123790A (ja) 水性樹脂分散体、水性塗料及び塗装物
US11845829B2 (en) Two-component polyurethane composition
JPH1036767A (ja) 2液型水性塗料組成物
JP2021172790A (ja) 2液型ポリウレタン塗料用アクリル樹脂及び2液型ポリウレタン塗料
JP2002097412A (ja) 塗料用樹脂組成物及び硬化性塗料組成物
US11945902B2 (en) Two-component polyurethane composition
JP2002241680A (ja) 塗料用組成物
JP2019123789A (ja) 水性樹脂分散体、水性塗料及び塗装物
JP2002069130A (ja) (メタ)アクリル酸エステル系樹脂組成物
US11732082B2 (en) Two-component polyurethane composition
JP2001011278A (ja) 重合体組成物及び該組成物からなる硬化性組成物並びに塗料用組成物
JP2017115092A (ja) 水性被覆材
CA1297609C (en) Resin compositions
JP2002226768A (ja) 高耐候性の塗料用樹脂組成物
JPH0548792B2 (ja)
JP2016040361A (ja) 重合体分散液の製造方法、重合体分散液から得られる被覆材および塗装物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20211112

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20211112

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20230303

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20231113

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20231205