JP2021172532A - 合わせガラス及び合わせガラスユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】調光素子が封入され、かつ耐衝撃性の高い合わせガラス及び合わせガラスユニットを提供する。【解決手段】一対のガラス板11、12と、ガラス板11、12の間に設けられる中間層13と、中間層13内に設けられ、調光層153、導電膜152、及び、導電膜152を支持して調光層153の全周にわたって調光層153よりも外側まで延在する基材151を備える調光素子15と、を備え、基材151が中間層13よりも25℃における引張弾性率が高い部材で構成されている、合わせガラス10。【選択図】図2

Description

本発明は、合わせガラス及び合わせガラスユニットに関する。
例えば特許文献1に示すように、調光素子を中間層に封入した合わせガラスが知られている。このような調光素子には、機能層に通電するための導電膜が基材上に形成されている。
特開2018−141891号公報
このような合わせガラスは、例えば車両に用いる場合などにおいて、耐衝撃性が求められる。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、耐衝撃性を向上可能な合わせガラス及び合わせガラスユニットを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本開示に係る合わせガラスは、一対のガラス板と、前記一対のガラス板の間に設けられる中間層と、前記中間層内に設けられ、調光層、導電膜、及び、前記導電膜を支持して前記調光層の全周にわたって前記調光層よりも外側まで延在する基材を備える調光素子と、を備え、前記基材は、前記中間層よりも25℃における引張弾性率が高い部材で構成されている。
本発明によれば、耐衝撃性を向上できる。
図1は、第1実施形態実施形態に係る合わせガラスの模式図である。 図2は、本実施形態に係る合わせガラスの模式的な断面図である。 図3は、合わせガラスを枠部に取り付けた例を示す模式図である。 図4は、第1実施形態において電極が接続されている箇所の模式的な断面図である。 図5は、電極の取り付け構造の他の例を示す模式図である。 図6は、電極の取り付け構造の他の例を示す模式図である。 図7は、第2実施形態に係る合わせガラスの模式的な断面図である。 図8は、第2実施形態において電極が接続されている箇所の模式的な断面図である。 図9は、実施例に係る合わせガラスの寸法を説明する模式図である。
以下に添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。また、数値については四捨五入の範囲が含まれる。
(第1実施形態)
(合わせガラス)
図1は、第1実施形態実施形態に係る合わせガラスの模式図である。図1に示す第1実施形態に係る合わせガラス10は、車両用の合わせガラスである。合わせガラス10は、例えば、車両用のルーフガラス、リアガラス、リアサイドガラス、リアクォーターガラス、エクストラガラス、フロントガラス等に適用できる。なお、エクストラガラスとは、車両の運転者の後方視認性を向上させるために、車両のリア側に取り付けられるガラスである。ここでの車両とは、代表的には自動車であるが、電車、船舶、航空機等を含む、ガラスを有する移動体を指すものとする。ただし、合わせガラス10の用途は車両に限られない。
図1は、合わせガラス10を車両に取り付けて車室外から車室内に視認した様子を模式的に示している。図1では、合わせガラス10を平板形状に示しているが、それに限られず、長手方向及び短手方向に湾曲した形状であってもよい。また、合わせガラス10は、長手方向のみに湾曲した形状や、短手方向のみに湾曲した形状であってもよい。
また、図1では、合わせガラス10の平面形状を矩形状としているが、合わせガラス10の平面形状は矩形状には限定されず、台形状等を含む任意の形状として構わない。ここでの平面形状とは、合わせガラス10の所定領域を合わせガラス10の車内側の面の法線方向から視た形状を指すものとする。また、以降の平面視とは、合わせガラス10の所定領域を、方向Zに向けて(すなわち合わせガラス10の車内側の面の法線方向から)視ることを指す。
図2は、本実施形態に係る合わせガラスの模式的な断面図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。図2に示すように、合わせガラス10は、ガラス板11、12と、中間層13と、遮蔽層14と、調光素子15とを備える。車内側から車外側に向かう方向を方向Zとすると、合わせガラス10は、方向Zにむけて、遮蔽層14、ガラス板111、中間層13及び調光素子15、ガラス板12、の順で積層されている。方向Zは、積層方向であるともいえる。なお、遮蔽層14は、必要に応じて設けられる。
合わせガラス10の総厚T0は、2.8mm以上10mm以下であることが好ましい。合わせガラス10の総厚T0が2.8mm以上であれば、十分な剛性を確保できる。又、合わせガラス10の総厚が10mm以下であれば、十分な透過率が得られると共にヘイズを低減できる。なお、ここでの総厚や、以降で記載する厚みとは、Z方向における長さを指す。
合わせガラス10の少なくとも1辺において、ガラス板11とガラス板12の板ずれが1.5mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。ここで、ガラス板11とガラス板12の板ずれとは、平面視におけるガラス板11の端部(周縁部)11Tとガラス板12の端部(周縁部)12Tとのずれ量である。合わせガラス10の少なくとも1辺において、ガラス板11とガラス板12の板ずれが1.5mm以下であると、外観を損なわない点で好適である。合わせガラス10の少なくとも1辺において、ガラス板11とガラス板12の板ずれが1.0mm以下であると、外観を損なわない点で更に好適である。
(ガラス板)
ガラス板11とガラス板12とは、互いに対向する一対のガラス板である。中間層13及び調光素子15は、ガラス板11とガラス板12との間に位置している。ガラス板11とガラス板12とは、中間層13及び調光素子15を挟持した状態で固着されている。
ガラス板11は、合わせガラス10を車両に取り付けたときに車内側となる車内側ガラス板である。ガラス板12は、合わせガラス10を車両に取り付けたときに車外側となる車外側ガラス板である。ガラス板11、12は、所定の曲率を有していてもよい。
ガラス板11及び12は、無機ガラスであっても有機ガラスであってもよい。無機ガラスとしては、例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス、ホウ珪酸ガラス、無アルカリガラス、石英ガラス等が特に制限なく用いられる。合わせガラス10の外側に位置するガラス板12は、耐傷付き性の観点から無機ガラスであることが好ましく、成形性の点からソーダライムガラスであることが好ましい。ガラス板11及び12がソーダライムガラスである場合、クリアガラス、鉄成分を所定量以上含むグリーンガラス及びUVカットグリーンガラスが好適に使用できる。
無機ガラスは、未強化ガラス、強化ガラスの何れでもよい。未強化ガラスは、溶融ガラスを板状に成形し、徐冷したものである。強化ガラスは、未強化ガラスの表面に圧縮応力層を形成したものである。
強化ガラスは、例えば風冷強化ガラス等の物理強化ガラス、化学強化ガラスの何れでもよい。物理強化ガラスである場合は、例えば、曲げ成形において均一に加熱したガラス板を軟化点付近の温度から急冷させる等、徐冷以外の操作により、ガラス表面とガラス内部との温度差によってガラス表面に圧縮応力層を生じさせることで、ガラス表面を強化できる。
化学強化ガラスである場合は、例えば、曲げ成形の後、イオン交換法等によってガラス表面に圧縮応力を生じさせることでガラス表面を強化できる。又、紫外線又は赤外線を吸収するガラスを用いてもよく、更に、透明であることが好ましいが、透明性を損なわない程度に着色されたガラス板を用いてもよい。
一方、有機ガラスの材料としては、ポリカーボネート、例えばポリメチルメタクリレート等のアクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン等の透明樹脂が挙げられる。
ガラス板11及び12の形状は、特に矩形状に限定されるものではなく、種々の形状及び曲率に加工された形状であってもよい。ガラス板11及び12の曲げ成形には、重力成形、プレス成形、ローラー成形等が用いられる。ガラス板11及び12の成形法についても特に限定されないが、例えば、無機ガラスの場合はフロート法等により成形されたガラス板が好ましい。
ガラス板12の厚みT1は、特に限られないが、一般的には0.1mm以上10mm以下の範囲で、合わせガラス10が適用される車両の種類や部位等により適宜選択できる。ガラス板12の厚みT1が0.3mm以上であることで、耐衝撃性を適切に保って耐飛び石性能等の強度が十分となり、0.5mm以上がより好ましく、0.7mm以上が更に好ましく、1.1mm以上が特に好ましく、1.6mm以上が最も好ましい。
また、ガラス板12の厚みT1は、3mm以下であることで、合わせガラス10の質量が大きくなり過ぎず、車両の燃費の点で好ましい。ガラス板12の厚みT1は、2.6mm以下がより好ましく、2.2mm以下が更に好ましく、2.1mm以下が特に好ましい。なお、ここでの厚みT1は、ガラス板12の最薄部の厚みであることが好ましい。
ガラス板12は、車両用として十分な耐衝撃性を備えることが好ましい。なお、ここでの耐衝撃性は、UN R43における耐衝撃試験を用いて評価することが可能である。耐衝撃性試験は、例えば、自動車用の合わせガラスのような安全ガラスが、小さな硬い飛来物の衝撃に対して必要な粘着性または強度の有無を調べる試験である。具体的に、該試験は、合わせガラス(安全ガラス)を、所定の温度に保持した後、車外側に位置するガラスの面を上にして支持枠に置き、所定の高さから鋼球を自然落下させることにより行う。
ガラス板11の厚みT2についても、ガラス板12の厚みT1と同様のことが言える。なお、ガラス板12は、ガラス板11とは異なる組成を有し、および/またはガラス板11とは異なる厚みを有してもよい。例えば、ガラス板11は、ガラス板12より薄くてもよい。
ガラス板11の厚みT2が1mm以下である場合は、強度の観点から、ガラス板11は化学強化ガラスであることが好ましい。
ガラス板11及び12の少なくとも一方の外側に、撥水、紫外線や赤外線カットの機能を有する被膜や、低反射特性、低放射特性、防汚性を有する被膜、結露防止特性を有する被膜を設けてもよい。また、ガラス板11及び12の少なくとも一方の中間層13と接する側に、紫外線や赤外線カット、低放射特性、可視光吸収、着色等の被膜を設けてもよい。また、ガラス板11の車内側の面に低放射コーティングを形成してもよい。
すなわち、ガラス板11及び12の少なくとも一方は、撥水層、紫外線遮断層、赤外線反射層、低反射率層、低放射率層、結露防止層、可視光吸収層、着色層の何れか一つ以上を有してもよい。なお、これらの層は、ガラス板11及び12と、中間層13と、調光素子16の後述する基材20A及び20Bとの、少なくとも一つが有していてよい。
ガラス板11及び12は、平板形状であっても湾曲形状であってもよい。ガラス板11及び12が湾曲形状の無機ガラスである場合、ガラス板11及び12は、フロート法による成形の後、中間層13による接着前に、曲げ成形される。曲げ成形は、ガラスを加熱により軟化させて行われる。曲げ成形時のガラスの加熱温度は、大凡550℃以上700℃以下である。
(中間層)
中間層13は、ガラス板11とガラス板12とを接合する膜である。中間層13は、例えば、ガラス板11と接合する中間層131と、ガラス板12と接合する中間層132と、中間層131と中間層132との間に位置して調光素子15の外周を包囲する額縁状の中間層133とを有している。ただし、中間層13は、中間層133を有していなくてもよい。中間層133を有していない場合も、合わせガラス10の製造工程における圧着時に、中間層131と中間層132との少なくとも1つにより、調光素子15の外周は包囲される。
なお、本実施形態では、中間層13は、中間層131、132、133のそれぞれが別体であって、合わせガラス10の製造時に接合されるが、それに限られず、例えば流動性の高い材料をガラス板11、12の間に流し込んで中間層13を形成する場合などには、中間層13が一体であってもよい。
中間層13としては、熱可塑性樹脂が多く用いられ、例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、アイオノマー樹脂等の従来からこの種の用途に用いられている熱可塑性樹脂が挙げられる。又、特許第6065221号に記載されている変性ブロック共重合体水素化物を含有する樹脂組成物も好適に使用できる。
中間層13の材料としては、これらの中でも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂における「可塑化」とは、可塑剤の添加により可塑化されていることを意味する。その他の可塑化樹脂についても同様である。
但し、中間層13に調光素子15を封入する場合、封入する物の種類によっては特定の可塑剤により劣化することがあり、その場合には、その可塑剤を実質的に含有していない樹脂を用いることが好ましい。つまり、中間層13が可塑剤を含まないことが好ましい場合がある。可塑剤を含有していない樹脂としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂等が挙げられる。
上記ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルアルコール(以下、必要に応じて「PVA」と言うこともある)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール系樹脂、PVAとn−ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(以下、必要に応じて「PVB」と言うこともある)等が挙げられ、特に、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、PVBが好適なものとして挙げられる。なお、これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
中間層13として、Optical Clear Resin;(OCR)ともいわれる硬化型透明樹脂や、Optical Clear Adhesive(OCA)ともいわれる透明粘着シートを用いてもよい。硬化型透明樹脂や透明粘着シートを用いることで、常温での積層体作製が可能となり、より望ましい。硬化型透明樹脂や透明粘着シートとしては、アクリル系、シリコーン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系などが用いられる。なお、これらの硬化型透明樹脂や透明粘着シートは、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
中間層13は、25℃でのせん断弾性率が1.0×10Pa以上、2.0×10Pa以下であることが好ましい。25℃でのせん断弾性率が1.0×10Pa以上、2.0×10Pa以下であると、合わせガラスの製造が容易になるため望ましい。なお、本明細書におけるせん断弾性率は、検体を、周波数1Hzの条件下、せん断法、例えばアントンパール社製、MCR301により動的粘弾性試験に供することで測定できる。
また、中間層13が、OCRのように硬化させて使用する物質の場合は、硬化後の25℃でのせん断弾性率が1.0×10Pa以上、2.0×10Pa以下であることが好ましい。なお、中間層13が複数の材料で形成されている場合には、最も大きいせん断弾性率を示す材料について、上記関係を満たすことが好ましい。
但し、中間層13を形成する材料は、熱可塑性樹脂には限定されない。又、中間層13は、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、発光剤等の機能性粒子を含んでもよい。又、中間層13は、シェードバンドと呼ばれる着色部を有してもよい。
中間層13の厚みは、最薄部で0.3mm以上であることが好ましい。中間層13の最薄部の厚みが0.3mm以上であると合わせガラス10として必要な耐衝撃性が十分となる。中間層13の厚みは、最厚部で3mm以下であることが好ましい。中間層13の厚みの最大値が3mm以下であると、合わせガラス10の質量が大きくなり過ぎない。中間層13の厚みの最大値は2.8mm以下がより好ましく、2.6mm以下が更に好ましい。
なお、中間層13の厚みとは、調光素子15の厚みを除いた中間層13のみの厚みを指す。そのため、中間層13の厚みは、中間層131のガラス板11側の表面から中間層132のガラス板12側の表面までの厚みT3から、調光素子15の厚みT4を除いた長さを指す。
また、中間層13の最厚部とは、例えば、調光素子15を挟み込んでいない部分(平面視で調光素子15と重ならない部分)を指すため、中間層13の最厚部の厚みは、調光素子15が存在しないため、厚みT3になるといえる。一方、中間層13の最薄部とは、例えば、調光素子15を挟み込んだ部分(平面視で調光素子15と重なる部分)を指すため、中間層13の最薄部の厚みは、厚みT3から調光素子15の厚みT4を差し引いた値になるといえる。
なお、中間層13は、4層以上の層を有していてもよい。例えば、中間層13を4層以上から形成し、両側の層を除く何れかの層のせん断弾性率を可塑剤の調整等により両側の層のせん断弾性率よりも小さくすることにより、合わせガラス10の遮音性を向上できる。この場合、両側の層のせん断弾性率は同じでもよいし、異なってもよい。
又、中間層13に含まれる中間層131、132、及び133は、全て同一の材料で形成することが望ましいが、中間層131、132、及び133の一部又は全部を異なる材料で形成してもよい。
例えば、中間層133のせん断弾性率が、中間層131、132のせん断弾性率よりも小さい材料であってもよい。中間層133のせん断弾性率が、中間層131、132のせん断弾性率よりも小さい場合、合わせガラス10の遮音性を向上できる。
なお、中間層131のせん断弾性率が、中間層132、133のせん断弾性率よりも小さい場合であっても合わせガラス10の遮音性を向上できる。又、中間層132のせん断弾性率が、中間層131、133のせん断弾性率よりも小さい場合であっても合わせガラス10の遮音性を向上できる。但し、ガラス板11及び12との接着性、或いは合わせガラス10の中に入れ込む機能材料等の観点から、中間層13の膜厚の50%以上は上記の材料を使うことが望ましい。
中間層13を作製するには、例えば、中間層となる上記の樹脂材料を適宜選択し、押出機を用い、加熱溶融状態で押し出し成形する。押出機の押出速度等の押出条件は均一となるように設定する。その後、押し出し成形された樹脂膜を、合わせガラス10のデザインに合わせて、上辺及び下辺に曲率を持たせるために、例えば必要に応じ伸展することで、中間層13が完成する。
(遮蔽層)
遮蔽層14は、不透明な層であり、例えば、合わせガラス10の周縁部に沿って帯状に設けることができる。遮蔽層14は、例えば、不透明な(例えば、黒色の)着色セラミック層である。遮蔽層14は、遮光性を持つ着色中間膜や着色フィルム、着色中間膜と着色セラミック層の組み合わせであってもよい。着色フィルムは、赤外線反射フィルム等と一体化されていてもよい。
合わせガラス10に不透明な遮蔽層14が存在することで、合わせガラス10の周縁部を車体に保持するウレタン等の樹脂の紫外線による劣化を抑制できる。又、調光素子15と電気的に接続される電極や電極取出し配線を、車外側及び車内側の少なくとも一方から視認しにくいように隠蔽できる。
遮蔽層14は、例えば、黒色顔料を含有する溶融性ガラスフリットを含むセラミックカラーペーストをガラス板上にスクリーン印刷等により塗布し、焼成することで形成できるが、これには限定されない。遮蔽層14は、例えば、黒色又は濃色顔料を含有する有機インクをガラス板上にスクリーン印刷等により塗布し、乾燥させて形成してもよい。
図2の例では、遮蔽層14は、ガラス板11の車内側の面の周縁部と、ガラス板12の車内側の面の周縁部とに設けられている。ただし、それに限られず、遮蔽層14は、ガラス板11の車内側の面の周縁部と、ガラス板12の車内側の面の周縁部との少なくとも一方に設けられていてもよい。
(調光素子)
調光素子15は、合わせガラス10の光の透過率を切り替え可能な素子である。調光素子15は、必要に応じて、合わせガラス10の略全体に配置してもよいし、一部のみに配置してもよい。調光素子15の平面形状は、例えば、合わせガラス10の平面形状よりも小さな矩形である。ただし、調光素子15の平面形状は矩形でなくてもよい。図1の例では、調光素子15の周縁部は遮蔽層14と平面視で重複する位置にある。
図2に示すように、調光素子15は、第1基材としての基材151Aと、導電膜152Aと、調光層153と、導電膜152Bと、第2基材としての基材151Bとを備えており、中間層13に封入されている。すなわち、調光素子15は、中間層13によって周囲を覆われている。調光素子15は、方向Zに向けて、基材151A、導電膜152A、調光層153、導電膜152B、基材151Bの順で積層されている。
以下、基材151Aと基材151Bとを区別しない場合は、基材151と記載し、導電膜152Aと導電膜152Bとを区別しない場合は、導電膜152と記載する。なお、調光素子15は、電極30(図1参照)も備えている。
調光素子15は、例えば、フィルム状である。調光素子15の厚みT4は、例えば、0.05mm以上0.5mm以下であり、0.1mm以上0.4mm以下が好ましい。なお、調光素子15の電極30には、電極30を外部回路と接続するための電極取出し配線32が接続されている(図4参照)。
(基材)
基材151A、151Bは、導電膜152A、152Bを支持して、調光層153を挟持する一対の基板である。基材151Aは、調光層153よりもガラス板11側に位置しており、基材151Bは、調光層153よりもガラス板12側に位置している。
基材151は、中間層13よりも25℃における引張弾性率が高い部材で構成されている。基材151は、耐衝撃性の観点から、25℃における引張弾性率が1000MPa以上であることが好ましい。本実施形態では、基材151は、25℃における引張弾性率が中間層13よりも高いため、中間層13よりも耐衝撃性が高くなっている。ただし、本実施形態では、基材151A及び基材151Bのうち、少なくとも、外側まで延伸している基材151Bが、中間層13よりも25℃における引張弾性率が高い部材で構成されていればよい。
基材151の25℃における引張弾性率をEs、中間層13の25℃における引張弾性率をEiとした時、3<Es/Ei/1000<1400であることが好ましく、10<Es/Ei/1000<800であることがより好ましく、20<Es/Ei/1000<400であることが更に好ましい。Es/Eiをこの数値範囲とすることで、基材151によって耐衝撃性を適切に向上できる。
また、中間層13がOCRの場合には、OCRは弾性率が低く変形しやすく、25℃における引張弾性率Eを直接測定できないため、ポアソン比νを用いて25℃におけるせん断弾性率Gとの相関式G=E/2(1+ν)の値から換算したEの値を25℃における引張弾性率とする。
基材151は、透明な樹脂層であることが好ましい。基材151は、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリスチレン、環状ポリオレフィン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、アラミド、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマーの群から選択される1以上を含有することが好ましい。
なお、基材151Aと基材151Bとは、例えば以上に示した同じ材料で構成されるが、それに限られず、別の材料で構成されていてもよい。この場合、外側まで延伸している基材151Bが、基材151Aよりも耐衝撃性が高い部材で構成されていてよい。
基材151の厚みT5は、例えば、5μm以上500μm以下であるが、好ましくは10μm以上200μm以下であり、更に好ましくは50μm以上150μm以下である。厚みT5が5μmであることで、合わせガラス10の耐衝撃性の低下を好適に抑制し、500μm以下であることで、合わせガラス10の質量が大きくなり過ぎない。
なお、基材151Aと基材151Bとは、同じ厚みT5であるが、厚みが異なってもよい。この場合、本実施形態においては、外側まで延伸している基材151Bの厚みが、基材151Bの厚みより大きくてよい。
また、基材151の厚みT5は、厚みT3に対して、2.5%以上50%以下であることが好ましく、3%以上40%以下であることがより好ましく、4%以上18%以下であることが更に好ましい。厚みT3に対する厚みT5が2.5%以上であることで、耐衝撃性を適切に向上でき、50%以下であることで、相対的に中間層13の厚みが小さくなりすぎることを抑制できる。
基材151Bは、調光層153よりも外側まで延伸している。ここでの外側とは、平面視における合わせガラス10の中心軸Axを中心とした場合における、放射方向の外側を指す。さらに言えば、図1に示すように、基材151Bは、調光層153の全周において、調光層153よりも外側まで延伸している。そのため、基材151Bは、平面視において、調光層153と重なる領域AR1と、調光層153に重ならない領域AR2とを含んでいるといえる。領域AR2は、平面視において領域AR1の全周を囲うように形成されている。
言い換えれば、図2に示すように、基材151Bの放射方向外側の端部(周縁部)151BTは、調光層153の放射方向外側の端部(周縁部)153Tよりも、調光層153の全周において、放射方向外側に位置しているともいえる。なお、調光層153の端部153Tとは、後述する調光部153Aの外周を囲う封止材153Bの放射方向外側の端部(外周面)である。
ここで、調光層153の端部153Tから基材151Bの端部151BTまでの平面視における距離を、距離D1とする。この場合、距離D1は、5mm以上500mm以下であることが好ましく、5mm以上300mm以下であることがより好ましく、5mm以上150mm以下であることが更に好ましい。なお、ここでの距離D1は、平面視において、調光層153の端部153Tから、その端部153Tに対して最も近い基材151Bの端部151BTまでの距離を指してよい。
距離D1が5mm以上であることで、調光層153が設けられない部分における耐衝撃性を適切に高めることが可能となり、距離D1が500mm以下となることで、合わせガラス作製時に取り扱い性の悪化を抑制できる。なお、調光層153の端部153Tから基材151Bの端部151BTまでの距離は、例えば電極30が形成される部分だけでなく、調光層153の全周にわたって、距離D1に保たれていることが好ましい。
また、基材151Bの周縁部は、ガラス板11、12の周縁部に対して、放射方向において同じ位置、又は内側に設けられている。すなわち、基材151Bの端部151BTは、全周において、ガラス板11の端部11T及びガラス板12の端部12Tに対して、放射方向において同じ位置、又は内側に設けられている。
ここで、基材151Bの端部151BTからガラス板11の端部11Tまでの平面視における距離、又は、基材151Bの端部151BTからガラス板12の端部12Tまでの平面視における距離を、距離D2とする。この場合、距離D2は、0mm以上20mm以下であることが好ましく、5mm以上15mm以下であることがより好ましく、3mm以上12mm以下であることが更に好ましい。
距離D2が0mm以上であることで、基材151Bの外部への露出が抑制され、20mm以下であることで、合わせガラス10の周縁近傍における耐衝撃性の低下を適切に抑制できる。なお、ここでの距離D2は、平面視において、基材151Bの端部151BTから、その端部151BTに対して最も近いガラス板11の端部11T(又はガラス板12の端部12T)までの距離を指してよい。
また、調光層153の端部153Tからガラス板11の端部11Tまでの平面視における距離、又は、調光層153の端部153Tからガラス板12の端部12Tまでの平面視における距離を、距離D3とする。なお、ここでの距離D3は、平面視において、調光層153の端部153Tから、その端部153Tに対して最も近いガラス板11の端部11T(又はガラス板12の端部12T)までの距離を指してよい。
また、距離D1は、距離D3に対して、50%以上100%以下であることが好ましく、60%以上90%以下であることがより好ましく、65%以上85%以下であることが更に好ましい。距離D1は、距離D3に対して50%以上となることで、調光層153が設けられない部分における耐衝撃性を適切に高めることが可能となり、100%以下となることで、相対的に調光層153の面積が小さくなりすぎることを抑制できる。
図3は、合わせガラスを枠部に取り付けた例を示す模式図である。図3に示すように、合わせガラス10は、枠部110に取り付けられる場合がある。枠部110は、合わせガラス10を車両に搭載する際に合わせガラス10の周縁部に取り付けられる枠である。枠部110は、例えばゴム製の部材であるが、任意の部材であってよい。枠部110は、任意の形状であったよいが、例えば周縁部110Aと、突出部110Bとを含む。周縁部110Aは、合わせガラス10の側面に対向する部分である。突出部110Bは、周縁部110Aの一方側の端部と他方側の端部から突出する部分である。例えば、これらの2つの突出部110Bで、合わせガラス10の外縁部分を挟持する。
このように合わせガラス10に枠部110を取り付けた場合において、基材151Bの端部151BTは、突出部110Bの放射方向の内側の端部(内周部)110B1よりも、全周にわたって、放射方向外側に位置していることが好ましい。すなわち、基材151Bは、突出部110Bが保持している外縁部分にまで延伸しているといえる。
ここで、基材151Bの端部151BTと、基材151Bの端部151BTとの間の、平面視における距離を、距離D4とする。この場合、距離D4は、1mm以上20mm以下であることが好ましく、3mm以上15mm以下であることがより好ましく、5mm以上10mm以下であることが更に好ましい。
距離D4が1mm以上であることで、合わせガラス10の周縁近傍における耐衝撃性の低下を適切に抑制でき、20mm以下であることで、相対的に枠部110が合わせガラス10の内側まで突出しすぎて意匠性が悪化することを抑制できる。なお、合わせガラス10と枠部110とを合わせて、ガラスユニット100と呼んでよい。また、突出部110Bは車内面側だけにあってもよい。車外面側に突出部が無いことで、意匠性の悪化を抑制することができる。
本実施形態では、基材151Aは、調光層153よりも外側まで延伸しない。すなわち、基材151Aの放射方向外側の端部151ATは、調光層153の端部153Tよりも外側に延伸しない。より詳しくは、基材151Aの端部151ATは、放射方向において、調光層153の端部153Tと同じ位置にある。ただし、基材151Aは、調光層153の全周にわたっては調光層153よりも外側まで延伸しないが、調光層153の全周の一部の区間において、調光層153よりも外側まで延伸してもよい。例えば、基材151Aは、電極30が形成されている部分において、調光層153よりも外側まで延伸してもよい。
このように、本実施形態においては、基材151Bが、調光層153の全周において調光層153よりも外側まで延伸し、基材151Aが、調光層153の全周においては調光層153の外側まで延伸しない。ただし、これに限られず、例えば基材151Aが、調光層153の全周において調光層153よりも外側まで延伸し、基材151Bは、調光層153の全周においては調光層153の外側まで延伸しなくてもよい。この場合の基材151Aの寸法は、上記で説明した基材151Bの寸法と同様になり、基材151Bの寸法は、上記で説明した基材151Aの寸法と同様になる。
(導電膜)
導電膜152Aは、基材151Aのガラス板12側の面に形成されており、調光層153のガラス板11側の面に接している。導電膜152Bは、基材151Bのガラス板11側の面に形成されており、調光層153のガラス板12側の面に接している。すなわち、導電膜152A及び152Bは、調光層153を挟む一対の導電膜である。
導電膜152としては、例えば、透明導電性酸化物(TCO:transparent conductive oxide)を用いることができる。TCOとしては、例えば、スズ添加酸化インジウム(ITO:tin-doped indium oxide)、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO:aluminum doped zinc oxide)、インジウム添加酸化カドミウム等が挙げられるが、これらには限定されない。
導電膜152として、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)又はポリ(4,4-ジオクチルシクロペンタジチオフェン)等の透明導電性ポリマーも好適に使用できる。又、導電膜152として、金属層と誘電体層との積層膜、銀ナノワイヤー、銀や銅のメタルメッシュ等も好適に使用できる。
導電膜152は、例えば、スパッタ法や真空蒸着法やイオンプレーティング法等の物理蒸着法(PVD:Physical Vapor Deposition)を用いて形成できる。導電膜152は、化学蒸着法(CVD:Chemical Vapor Deposition)やウェットコーティング法を用いて形成してもよい。
なお、本実施形態では、導電膜152A、152Bが、それぞれ基材151A、151Bの全面にわたって形成される、それに限られず、それぞれ基材151A、151Bの一部の領域にのみ形成されてもよい。例えば、導電膜152Bは、電極30に接続される箇所以外では、基材151Bの、調光層153と重ならない領域AR2には形成されなくてもよい。また、導電膜152A、152Bが、それぞれ基材151A、151Bの全面にわたって形成され、かつ調光層153と重ならない領域AR2と調光層と重なる領域AR1が電気的に絶縁されていてもよい。
(調光層)
調光層153は、導電膜152Aが形成された基材151Aと導電膜152Bが形成された基材151Bとの間に位置する。調光層153は、調光を行う調光部153Aと、調光部153Aの外側を封止する封止材153Bとを備える。調光部153Aとしては、例えば、懸濁粒子デバイス(SPD:Suspended Particle Device)、ゲストホスト液晶、フォトクロミック、エレクトロクロミック、エレクトロキネティック、高分子分散型液晶、高分子ネットワーク液晶、有機EL(Electro-Luminescence)、無機ELの群から選択される何れか一つ以上を選択できる。例えば調光部153Aが液晶などを含まず、封止材153Bが不要な場合は、封止材153Bを設けなくてよい。この場合、調光部153Aの外側の端部が、調光層153の端部153Tとなる。
言い換えれば、調光素子15は、互いに対向して配置された、導電膜152Aが形成された基材151Aと、導電膜152Bが形成された基材151Bと、対向する導電膜152Aと導電膜152Bとの間に配置された懸濁粒子デバイス、ゲストホスト液晶、フォトクロミック、エレクトロクロミック、エレクトロキネティックの群から選択される何れか一つ以上からなる調光層153とを有する。
懸濁粒子デバイスとしては、電圧の印加により配向可能な懸濁粒子を含有するポリマー層を、導電膜を内側にコートした2枚の基材で挟み込むようにして構成された、一般的なSPDフィルムが使用可能である。このようなSPDフィルムは、電源スイッチをオンにして透明導電膜間に電圧を印加することにより、ポリマー層中の懸濁粒子が配向することで可視光透過率が高く、透明性が高い状態になる。電源スイッチがオフの状態では、ポリマー層中の懸濁粒子が配向することがなく可視光透過率が低く、透明性が低い状態となる。
SPDフィルムとしては、例えば、LCF−1103DHA(商品名、日立化成社製)、等の市販品を用いることができる。なお、このような市販品は、所定の大きさで供給されるため、所望の大きさに切断して使用する。なお、SPDフィルムの厚みとしては、特に制限されないが、取り扱い性及び入手容易性の観点から0.1mm以上0.4mm以下が好ましい。
なお、調光部153Aとしては、例えば、ゲストホスト液晶、TN(Twisted Nematic)型液晶、PC(Phase Change)型液晶、STN(Super Twisted Nematic)型液晶、ECB(Electrically Controlled Birefringence)型液晶、OCB(Optically Compensated Bend)型液晶、IPS(In-Place Switching)型液晶、VA(Vertical Alignment)型液晶、FFS(Fringe Field Switching)型液晶、FPA(Field-induced Photo-reactive Alignment)型液晶、エレクトロクロミック、エレクトロキネティック、有機EL(Electro-Luminescence)、無機ELの群から選択される少なくとも1つを用いてもよい。
(電極)
図4は、第1実施形態において電極が接続されている箇所の模式的な断面図である。図4は、図1のB−B線に沿う断面図である。電極30は、導電膜152に接続されて、外部装置からの電圧を導電膜152に印加する。図1の例においては、電極30は、合わせガラス10の長辺側に位置しているが、電極30の位置はそれに限られず任意であり、例えば短辺側に位置してもよい。
図4に示すように、電極30は、例えば、平面視で遮蔽層14と重複する位置に配置される。本実施形態では、基材151A及び導電膜152Aは、電極30が形成されている領域において、調光層153よりも、放射方向の外側まで延伸されている。電極30は、導電膜152Aと導電膜152Bとの間に挿入されている。電極30の第1主面及び第2主面は、中間層13以外の膜と接している。ここで、電極30の第1主面は、ガラス板11側を向く面である。又、電極30の第2主面は、第1主面の反対面であり、ガラス板12側を向く面である。
電極30は、図示しない絶縁層を介して上下に電気的に分離されており、上下の一方は導電膜152Aと電気的に接続され、上下の他方は導電膜152Bと電気的に接続されており、導電膜152A及び152Bに通電して調光層153を駆動する。つまり、電極30の第1主面は導電膜152Aと接し、電極30の第2主面は導電膜152Bと接している。
電極30の一方の極は例えば正極であり、電極30の一方の極と電気的に接続された電極取出し配線32を介して、車両に搭載されたバッテリー等の電源の正側と接続される。又、電極30の他方の極は例えば負極であり、電極30の他方の極と電気的に接続された電極取出し配線32を介して、車両に搭載されたバッテリー等の電源の負側と接続される。電極取出し配線32は、電極30と一体で形成されていてもよい。
バッテリー等の電源から電極30を介して調光層153に電圧が供給されると、電圧に応じて調光層153の透過率が切り替わる。
電極30の素材は、導電性材料であれば特に制限はないが、例えば、金属材料が挙げられる。金属材料の一例としては、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、白金、パラジウム、ニッケル、コバルト、チタン、イリジウム、亜鉛、マグネシウム、又はスズ等が挙げられる。又、これらの金属はメッキ加工されていてもよく、合金又は樹脂とのコンポジットに構成されたものであってもよい。
電極30には、コスト及び入手容易性の観点から、銅リボン又は平編み銅線、FPC(Flexible Printed Circuit)を好適に使用できる。銅リボン又は平編み導線には、銅以外の金属がメッキされていてもよい。電極30は、電極取出し配線32と一体で形成されていてもよい。
電極30は、導電性粘着材(導電性接着層)、異方性導電フィルム、はんだの何れかにより、導電膜152及び154と接合できる。また、電極30は、導電性粘着材、異方性導電フィルム、はんだを介さずに、導電膜152A及び152Bに直接接触させてもよい。或いは、電極30は、スクリーン印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、又はグラビア印刷等の印刷方式で形成されてもよい。
電極30は、調光素子15に通電するうえで必要十分な長さ、形状を有する。電極30の形状は、特に制限はないが、一般的には略矩形状である。電極30は、遮蔽層14に隠蔽する必要性があることから、例えば、調光素子15の長手方向の何れか一方の端部(何れか一方の短辺側)に、ガラス板11及び12の周縁部と略平行に配置される。
電極30は、ガラス板11及び12の周縁部(端部11T、12T)から5mm以上内側に配置されていることが好ましく、8mm以上内側に配置されていることがより好ましい。このような配置により、ガラス板11及び12の周縁部から水分が侵入し、電極30の腐食や異電位間での短絡が生じるおそれを低減できる。
電極30の長さは、特に制限はないが、通電機能を十分に確保すること及び作業性の向上を考慮し、5mm以上であることが好ましい。なお、電極30は複数存在することもあり、それらが同一辺に配置される場合もあれば、対向辺に向かい合うように配置される場合や、隣り合う辺に配置される場合もある。
電極30の短手方向の長さw(=電極30の幅)は、好ましくは3mm〜200mm、より好ましくは4mm〜150mm、更に好ましくは4mm〜100mmである。電極30の短手方向の長さwを3mm以上とすることで、取り扱い性が良好となり、又、導電膜152A及び152Bとの接触面積を十分に確保できるため、電極としての機能を十分に発揮可能となる。又、電極30の短手方向の長さwを200mm以下とすることで、遮蔽層14による隠蔽が容易となり、デザイン性が向上する。
電極30の厚みは、0.05mm〜0.4mmであることが好ましい。電極30の厚みを0.05mm以上とすることで、十分な強度が得られるため、断線等の不具合の発生を抑制できる。又、電極30の厚みを0.4mm以下とすることで、電極と他の部分との厚み偏差が低減される。これにより、ガラス板11及び12に発生する応力を抑制可能となり、ガラス板11及び12が割れるおそれを低減できる。
電極取出し配線32の短手方向の長さw(=電極取出し配線32の幅)は、好ましくは2mm〜50mm、より好ましくは3mm〜30mm、更に好ましくは3mm〜20mmである。電極取出し配線32の短手方向の長さwを2mm以上とすることで、強度が十分に担保可能となり、断線のリスクを低減可能となる。又、電極取出し配線32の短手方向の長さwを50mm以下とすることで、脱気性が十分に確保でき、合わせガラスの作成が容易となり、好ましい。
図4の例では、電極30と導電膜152Aとの間と、電極30と導電膜152Bとの間に、異方性導電フィルム34が設けられている。異方性導電フィルム34は、Z方向において導電性を有し、Z方向に直交する方向には絶縁性を有するように構成されていてよい。異方性導電フィルム34を設けることで、横方向の短絡を適切に抑制できる。
ただし、電極30の取り付け構造は、図4の例に限られない。図5及び図6は、電極の取り付け構造の他の例を示す模式図である。図5に示すように、導電膜152Aと導電膜152Bとの間であって、放射方向における電極30と調光層153との間には、絶縁層36が設けられていてもよい。絶縁層36を設けることで、導電膜152Aと導電膜152Bとの短絡を抑制できる。
また、図6の例に示すように、電極30を複数設けてもよい。この場合、一方の電極30は、導電膜152Bに接続されている。また、他方の電極30は、一方の電極30と異なる位置において調光層153より外側に延伸した基材151A上の導電膜152Aに接続されている。
(合わせガラスの製造方法)
次に、以上説明した合わせガラス10の製造方法について説明する。合わせガラス10を製造するには、ガラス板11とガラス板12との間に、中間層13及び調光素子15を挟んで積層体を作製する。そして、例えば、この積層体をゴム袋の中に入れ、−100kPa以上−65kPa以下の真空中で、温度約50℃以上110℃以下で予備圧着する。予備圧着の加熱条件、温度条件、真空条件、及び積層方法は、調光素子15の性質を考慮して、積層中に劣化しないように適宜選択される。
更に、例えば80℃以上150℃以下、圧力0.6MPa以上1.3MPa以下の条件で、オートクレーブで加熱加圧する圧着処理を行うことで、より耐久性の優れた合わせガラス10を得られる。但し、場合によっては工程の簡略化、並びに合わせガラス10中に封入する材料の特性を考慮して、この加熱加圧工程を使用しない場合もある。
積層体を作製する工程において、中間層13として透明粘着シート(OCA)を用いる場合には、ガラス板12に中間層13の一部となる中間層132を介して調光素子15を貼り付けた第1積層体を作製し、第1積層体の調光素子15側に中間層13の一部となる中間層131を介してガラス板11を貼り付けて積層体を作製してもよい。この場合、中間層13には粘着フィルムを用い、予備圧着工程はゴム袋の代わりに、ローラーを用いて行ってもよい。
温度条件、真空条件は中間層13、調光素子15の性質を考慮して、積層中に劣化しないように適宜選択される。特に、常温で貼合することで、製造が容易になるので望ましい。又、中間層131と中間層132の間に位置して調光素子15の外周を包囲する額縁状の中間層133を追加してもよい。
また、積層体を作製する工程において、中間層13として硬化型透明樹脂(OCR)を用いる場合には、例えば、ガラス板12とガラス板11との間の空間に調光素子15を挿入して、ガラス板12とガラス板11との間の空間における調光素子15の位置を固定する。そして、ガラス板12とガラス板11との間の空間の周囲をテープなどで封止して、その空間を外部と区切る。そして、その空間に硬化型透明樹脂を流入させ、空間を硬化型透明樹脂で満たす。そして、その硬化型透明樹脂を硬化させることにより、中間層13を形成する。なお、硬化型透明樹脂の硬化方法は任意であるが、例えば、熱硬化、光硬化、湿気硬化などが挙げられる。
なお、合わせガラス10が湾曲形状である場合、ガラス板11とガラス板12は、従来から既知の曲げ方法によって曲げ成形されてよい。例えば、ガラス板11とガラス板12とを重ねてリング状の金型に載置し、軟化点以上まで加熱して、自重によって曲げ成形してもよい。又、ガラス板11とガラス板12を加熱した状態で、それぞれ、又は重ねてプレス成形してもよい。
なお、以上の合わせガラス10の製造工程は一例であり、例えば、コールドベンドの手法を用いて合わせガラス10を製造してもよい。
(本実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態に係る合わせガラス10は、一対のガラス板11、12と、一対のガラス板11、12の間に設けられる中間層13と、中間層13内に設けられる調光素子15とを備える。調光素子15は、調光層153と、導電膜152と、基材151とを備える。基材151は、導電膜152を支持して、調光層153の全周にわたって、調光層153よりも外側まで延在する。基材151は、中間層13よりも25℃における引張弾性率が高い部材で構成されている。合わせガラス10は、調光層153が設けられていない外側の領域において、耐衝撃性が低下する傾向にある。
それに対して、本実施形態に係る合わせガラス10は、基材151を、調光層153よりも外側まで延伸させている。それによって、調光層153が設けられていない外側の領域を、中間層13よりも弾性率の高い基材151で補強することが可能となり、合わせガラス10の耐衝撃性を向上できる。また、調光素子15に用いられる基材151を、外側の領域の補強に利用するため、補強するために別の部材を設ける必要がなく、製造工程の複雑化も抑制できる。
さらに、合わせガラス10においては、製造時の加圧により、調光層153の膜厚偏差が生じて、色ムラが起こるおそれがある。色ムラとは、調光素子15の面内において透過率のばらつきが大きくなる現象や、部分的に動作しない領域が発生する現象である。それに備えて、調光層153の膜厚偏差を抑制するような中間層13を用いる場合があるが、そのような中間層13は、耐衝撃性が低い。そのため、このような中間層13を用いた場合には、本実施形態に係る合わせガラス10は、耐衝撃性の低下に特に有効となる。
また、導電膜152は、調光層153を挟んで一対設けられており、基材151は、一方の導電膜152Aの調光層153と反対側の表面に設けられる第1基材151Aと、他方の導電膜152Bの調光層153と反対側の表面に設けられる第2基材151Bと、を含むことが好ましい。この合わせガラス10によると、基材151を調光層153よりも外側まで延伸させることで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
また、第1基材151Aと第2基材151Bとの一方が、調光層153の全周にわたって調光層153よりも外側まで延在することが好ましい。この合わせガラス10によると、第1基材151Aと第2基材151Bとの一方を調光層153よりも外側まで延伸させることで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
また、基材151の厚みT5は、5μm以上500μm以下であることが好ましい。基材151の厚みT5をこの範囲とすることで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
また、平面視における基材151の端部と調光層153の端部153Tとの間の距離D1は、5mm以上500mm以下であることが好ましい。距離D1をこの範囲とすることで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
また、平面視における基材151の端部は、ガラス板11、12の端部11T、12Tに対して、放射方向において同じ位置、又は内側に位置している。平面視における基材151の端部とガラス板11、12の端部11T、12Tとの距離D2は、0mm以上20mm以下であることが好ましい。距離D2をこの範囲とすることで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
また、導電膜152は、調光層153の外側において、異方性導電フィルム34を介して電極30に接続されている。この合わせガラス10によると、異方性導電フィルム34を用いることで、短絡を抑制しつつ適切に電極と接続できる。
また、中間層13は、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、アイオノマー樹脂の群から選択される1以上を含有することが好ましい。このような中間層13を用いることで、調光層153の膜厚偏差に起因する色ムラを抑制できる。さらに、このような中間層13に対して、本実施形態のような基材151を設けることで、耐衝撃性の低下に特に有効となる。
中間層13として、硬化型透明樹脂(OCR)と、透明粘着シート(CA)との少なくとも1つ用いてもよい。硬化型透明樹脂や透明粘着シートを用いることで、常温での積層体作製が可能となり、より望ましい。硬化型透明樹脂や透明粘着シートとしては、アクリル系、シリコーン系、ウレタンアクリレート系、エポキシ系などが用いられる。
また、基材151は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、アラミド、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマーの群から選択される1以上を含有することが好ましい。このような材料の基材151を用いることで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
また、本実施形態に係る合わせガラス10は、車両用のガラスであることが好ましい。本実施形態に係る合わせガラス10は、耐衝撃性が向上されるので、車両用のガラスに特に有効となる。
また、本実施形態に係るガラスユニット100は、合わせガラス10と、合わせガラス10の周縁部に取り付けられる枠部110と、を備え、基材151は、枠部110の内側の端部(内周部)110B1よりも、放射方向外側まで延在している。本実施形態に係るガラスユニット100は、基材151を枠部110で支持されている領域にまで延伸することで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、基材151A、151Bの両方が調光層153よりも外側まで延在する点で、第1実施形態と異なる。第2実施形態において第1実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図7は、第2実施形態に係る合わせガラスの模式的な断面図である。図7に示すように、第1実施形態においては、基材151Bに加え、基材151Aも、調光層153の全周において、調光層153よりも外側まで延在する。第2実施形態における基材151Aの形状は、第1実施形態における基材151Bと同様であるため、説明を省略する。このように、第2実施形態においては、基材151Aと第2基材151Bとの両方が、調光層153の全周にわたって調光層153よりも外側まで延在することで、合わせガラス10の耐衝撃性を適切に向上できる。
なお、第2実施形態においては、導電膜152は、調光層153よりも外側(領域AR2)における部分と調光層153に重なる箇所(領域AR1)における部分とが、絶縁されている。例えば、導電膜152は、調光層153よりも外側(領域AR2)における部分と調光層153に重なる箇所(領域AR1)における部分とが断線部152Cを介して離れている。この断線部152Cは、例えば、導電膜152の領域AR1と領域AR2との境界部分を、レーザ光などで除去することにより形成される。なお、図7の例では、導電膜152A、152Bの両方に断線部152Cが形成されているが、導電膜152A、152Bの少なくとも1つに断線部152Cが形成されていれてよい。
図8は、第2実施形態において電極が接続されている箇所の模式的な断面図である。図8に示すように、第2実施形態においては、基材151Aも、調光層153の全周にわたって調光層153よりも外側まで延在している。そのため、図8に示すように、電極30が設けられる箇所以外においても、基材151Aが外側まで延在している。なお、第2実施形態においても、図5に示したように絶縁層36を設けたり、図6に示したように電極を複数設けたりしてもよい。
(実施例)
次に、実施例について説明する。図9は、実施例に係る合わせガラスの寸法を説明する模式図である。
(例1)
例1においては、ガラス基体G1として、X方向の長さが300mmの長さ、X方向と直交するY方向の長さが300mm、厚さが2mmのものを準備した。また、基材G2として、厚さが50μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを準備した。また、中間膜として、Momentive社製SN3001を準備した。そして、調光層G3として、液晶調光フィルムを準備した。
そして、厚さ方向に、ガラス基体G1、中間膜、2枚の基材G2で調光層G3を挟んだ調光素子、中間膜、ガラス基体G1の順で配置して、中間膜を硬化させて、合わせガラスを製造した。中間膜は、ノードソン社製2液混合(1:1)ハンドガンを用い、狙い厚さ0.4mmになるよう適量吐出し、1日室温で養生し、硬化させた。
例1においては、図9に示すように、基材G2の左側(X方向の一方側)の側端部から調光層G3の左側の側端部までの距離D1aを5mmとし、基材G2の右側(X方向の他方側)の側端部から調光層G3の右側の側端部までの距離D1bを185mmとし、基材G2の上側(Y方向の一方側)の側端部から調光層G3の上側の側端部までの距離D1cを95mmとし、基材G2の下側(Y方向の他方側)の側端部から調光層G3の上側の側端部までの距離D1dを95mmとした。
また、例1においては、ガラス基体G1の左側の側端部から基材G2の左側の側端部までの距離D2a、ガラス基体G1の右側の側端部から基材G2の右側の側端部までの距離D2b、ガラス基体G1の上側の側端部から基材G2の上側の側端部までの距離D2c、及び、ガラス基体G1の下側の側端部から基材G2の下側の側端部までの距離D2dを、5mmとした。
また、例1においては、基材G2の引張弾性率Esが2800MPaであり、中間膜の引張弾性率Eiが0.03MPaであり、Es/Ei/1000が93であった。なお、引張弾性率Es、Eiは材料に基づく文献値を用いた。なお、引張弾性率Es、Eiは、IT計測制御社製、DVA220を用いて25℃ 1Hzで測定した。なお、中間層がOCRの場合には、OCRは弾性率が低く変形しやすく、引張弾性率Eを直接測定できないため、ポアソン比νを用いてせん断弾性率Gとの相関式G=E/2(1+ν)の値から換算した数値を用いた。
(例2)
例2においては、基材G2として、厚さが50μmのPC(ポリカーボネート)フィルムを用いた点以外は、例1と同じ方法で、合わせガラスを製造した。例2においては、基材G2の引張弾性率Esが2000MPaであり、中間膜の引張弾性率Eiが0.6MPaであり、Es/Ei/1000が3.3であった。
(例3)
例3においては、基材G2として、厚さが50μmのPETフィルムを用いた点以外は、例1と同じ方法で、合わせガラスを製造した。例3においては、基材G2の引張弾性率Esが4000MPaであり、中間膜の引張弾性率Eiが0.003MPaであり、Gs/Gi/1000が1333であった。
(例4)
例4においては、基材G2として、大きさが調光層G3と同じものを用いた。すなわち、例4においては、距離D1a、D1b、D1c、D1dが0であり、距離D2a、D2b、D2c、D2が、それぞれ、10mm、190mm、100mm、100mmである。例4の基材G2は、大きさ以外は、例1と同じものを用いた。それ以外については、例1と同じ方法で、合わせガラスを製造した。例4においては、中間膜の引張弾性率Eiが0.3MPaであった。
例1から例4の合わせガラスのそれぞれについて、UN R43で規定する耐衝撃試験を行った。UN R43で規定する耐衝撃試験を合格となった場合に丸、不合格となった場合にバツとした。例1から例4の試験結果を表1に示す。
Figure 2021172532
表1に示すように、基材G2を延伸した実施例に係る例1から例3では、合格となり、基材G2を延伸しなかった比較例に係る例4では、不合格となった。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
10 合わせガラス
11、12 ガラス板
13 中間層
14 遮蔽層
15 調光素子
151、151A、151B 基材
152、152A、152B 導電膜
153 調光層

Claims (15)

  1. 一対のガラス板と、
    前記一対のガラス板の間に設けられる中間層と、
    前記中間層内に設けられ、調光層、導電膜、及び、前記導電膜を支持して前記調光層の全周にわたって前記調光層よりも外側まで延在する基材を備える調光素子と、
    を備え、
    前記基材は、前記中間層よりも25℃における引張弾性率が高い部材で構成されている、
    合わせガラス。
  2. 前記導電膜は、前記調光層を挟んで一対設けられており、
    前記基材は、一方の前記導電膜の前記調光層と反対側の表面に設けられる第1基材と、他方の前記導電膜の前記調光層と反対側の表面に設けられる第2基材と、を含む、請求項1に記載の合わせガラス。
  3. 前記第1基材と前記第2基材との一方が、前記調光層の全周にわたって前記調光層よりも外側まで延在する、請求項2に記載の合わせガラス。
  4. 前記第1基材と前記第2基材との両方が、前記調光層の全周にわたって前記調光層よりも外側まで延在する、請求項2に記載の合わせガラス。
  5. 前記基材の厚みは、5μm以上500μmである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  6. 平面視における前記基材の端部と前記調光層の端部との間の距離は、5mm以上500mm以下である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  7. 平面視における前記基材の端部は、前記ガラス板の端部に対して、放射方向において同じ位置、又は内側に位置しており、
    平面視における前記基材の端部と前記ガラス板の端部との距離は、0mm以上20mm以下である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  8. 前記導電膜は、前記調光層の外側において、異方性導電性フィルムを介して電極に接続されている、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  9. 前記中間層は、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体系樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、アイオノマー樹脂の群から選択される1以上を含有する、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  10. 前記中間層は、透明粘着シート及び硬化型透明樹脂の少なくとも1つを含む、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  11. 前記基材は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、アラミド、ポリブチレンテレフタレート、トリアセチルセルロース、ポリウレタン、シクロオレフィンポリマーの群から選択される1以上を含有する、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  12. 前記基材の25℃における引張弾性率をEs、前記中間層の25℃における引張弾性率をEiとした場合に、3<Es/Ei/1000<1400である、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  13. 前記中間層は、測定周波数1Hzでの動的粘弾性測定において25℃でのせん断弾性率が1.0×10Pa以上、2.0×10Pa以下である、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  14. 車両用のガラスである、請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の合わせガラス。
  15. 請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の合わせガラスと、前記合わせガラスの周縁部に取り付けられる枠部と、を備え、
    前記基材は、前記枠部の内周部よりも、放射方向外側まで延在している、
    合わせガラスユニット。
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