JP2021171714A - 帯電ミスト発生装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物に対して効果的にミストを噴霧できる帯電ミスト発生装置を提供する。【解決手段】帯電ミスト発生装置100は、複数の貫通孔11が形成された金属製で板状の第1電極10であって、グランド電位に印加される第1電極10と、複数の貫通孔11からミストMを発生させるミスト発生部110と、ミストMが通過できる貫通部21が形成された第2電極20と、第1電極10に対して第2電極20に正の電圧を印加するための電圧印加部120と、第2電極20に正の電圧を電圧印加部120に印加させる第1制御と、第2電極20に電圧を電圧印加部120に印加させない第2制御とを選択的に切り替える制御部190と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、帯電ミスト発生装置に関する。
従来、除菌、脱臭等に用いられるミストを発生させる装置が知られている。この種のミストが噴霧される人間等の対象物は、正又は負に帯電している場合が多い。そのため、この種のミストは、当該対象物に応じて電極等を用いて正又は負に帯電される。これにより、ミストは、対象物に噴霧されやすくなる。
特許文献1には、薬液にグランド電圧を印加し、当該薬液をノズルから吐出し、さらに、当該薬液を、高電圧が印加された環状電極の近傍を通過させて帯電させる噴霧装置が開示されている。また、特許文献2には、対向電極と、液体と接触する電極との間に電圧を印加し、当該液体をノズルから吐出させて帯電させる噴霧装置が開示されている。
特開2007−216164号公報 特開2013−094718号公報
このような帯電したミストを発生する装置には、対象物に対して効果的にミストを噴霧できることが要求される。
本発明は、対象物に対して効果的にミストを噴霧できる帯電ミスト発生装置を提供する。
本発明の一態様に係る帯電ミスト発生装置は、複数の貫通孔が形成された金属製で板状の第1電極であって、グランド電位が印加される第1電極と、前記複数の貫通孔からミストを発生させるミスト発生部と、前記ミストが通過できる貫通部が形成された第2電極と、前記第1電極に対して前記第2電極に正の電圧を印加するための電圧印加部と、前記第2電極に正の電圧を前記電圧印加部に印加させる第1制御と、前記第2電極に電圧を前記電圧印加部に印加させない第2制御とを選択的に切り替える制御部と、を備える。
本発明によれば、対象物に対して効果的にミストを噴霧できる帯電ミスト発生装置を提供できる。
図1は、実施の形態に係る帯電ミスト発生装置の構成を示す概略下面図である。 図2は、図1のII−II線における、実施の形態に係る帯電ミスト発生装置の断面図である。 図3は、図2のIII線で囲まれた領域を拡大して示す、実施の形態に係る帯電ミスト発生装置が備えるミスト発生部の断面図である。 図4は、帯電列を例示する図である。
以下では、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺等は必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する場合がある。
また、本明細書において、殺菌とは、例えば、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌等の菌類、Escherichia coli.(大腸菌)、Pseudomonas sp.(緑膿菌)、Klebsiella sp.(肺炎桿菌)等の細菌、Cladosporium. sp.(黒カビ)、Aspergillus(黒コウジカビ)等のカビ類を含む真菌類、及び/又は、ノロウィルス等のウィルスを分解して菌等の全体数を減らすことを意味し、除菌又は滅菌する意味も含む。なお、上記の殺菌の対象とする菌類、細菌類、真菌、ウィルス等は一例であり、限定されるものではない。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向又は前方とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。なお、Z軸正方向を鉛直上方とし、Z軸負方向側に向けてミストを発生するとして説明する。
(実施の形態)
図1は、実施の形態に係る帯電ミスト発生装置100の構成を示す概略断面図である。図2は、図1のII−II線における、実施の形態に係る帯電ミスト発生装置100の断面図である。図3は、図2のIII線で囲まれた領域を拡大して示す、実施の形態に係る帯電ミスト発生装置100が備えるミスト発生部110の断面図である。
なお、図1においては、電圧印加部120の図示を省略している。また、図3においては、電圧印加部120と電気的に接続されている配線の図示を省略している。
帯電ミスト発生装置100は、液体Lをミスト化して、大気中で浮遊する浮遊性を有するミストMを噴出する噴霧装置である。例えば、帯電ミスト発生装置100は、ミスト発生部110によって液体Lをミスト化することでミストMを発生し、発生したミストに電圧を印加することで、ミストMを帯電させる装置である。帯電ミスト発生装置100は、図示しないポンプ等によって第1電極10上に供給された液体Lを、ミスト発生部110によってミスト化することで無数のミストMを複数の貫通孔11から発生する。
ミストMは、液体Lがミスト化されたミストを構成する複数の液体粒子のうちの1つである。帯電ミスト発生装置100は、例えば、加湿装置又は冷却装置等に利用される。
ミストMは、例えば、μmオーダの径の微細な液体粒子であり、大気中で浮遊する浮遊性を有する。例えば、ミストMの外径は、数μm程度である。例えば、ミストMの外径は、100μm以下である。また、例えば、ミストMの外径は、6μm〜20μmである。
なお、例えば、液体Lは水であるが、液体Lが香料成分を含む場合には、帯電ミスト発生装置100は、香料成分を含むミストMを発生する香り発生器である。
帯電ミスト発生装置100は、第1電極10と、第2電極20と、ミスト発生部110と、電圧印加部120と、気流生成部130と、筐体140と、取り付け台150と、支持体160と、制御部190と、を備える。
なお、図1及び図2では、制御部190を機能的なブロックとして表している。制御部190は、例えば、マイコン(マイクロコントローラ)等で実現され、帯電ミスト発生装置100の図示しない外殻筐体の内部に配置されている。制御部190は、例えば、筐体140の外側に取り付けられていてもよい。
また、気流生成部130は、例えば、ファンであるが、図2では、ファンを模式的に示している。
第1電極10は、複数の貫通孔11が形成された金属製で板状の電極である。第1電極10は、例えば、板厚が略均一である。また、複数の貫通孔11は、それぞれ上面及び下面と直交する方向に延在しており、上面及び下面を貫通している。
なお、貫通孔11の数は、第1電極10に複数形成されていればよく、特に限定されない。
第1電極10は、第1電極10と対となる電極である第2電極20に対向して配置される。具体的には、第1電極10に形成された複数の貫通孔11は、第2電極20に形成された貫通部21と対向して配置されている。また、第1電極10は、筐体140に収容されている。
第1電極10は、グランドと接続されており、グランド電位(0V)が印加される。また、第1電極10に形成された複数の貫通孔11から、第1電極10上の供給された液体Lが、ミスト発生部110によってミスト化されて放出される。具体的には、第1電極10に形成された複数の貫通孔11からは、ミスト発生部110によって第1電極10が振動されることで、液体Lが放出されてミストMが発生される。
第1電極10は、導電性を有し、例えば、ステンレス等の金属材料を用いて形成されている。
複数の貫通孔11は、それぞれ、第1電極10を板厚方向(すなわち、Z軸方向)に貫通している。複数の貫通孔11の形状は、それぞれ扁平な円柱状である。なお、複数の貫通孔11の開口の形状は、円形でなくてもよく、正方形、長方形、又は、楕円形等でもよい。
なお、複数の貫通孔11の口径は、特に限定されない。要求されるミストMの粒径に応じて適宜変更がなされてよい。
ミスト発生部110は、複数の貫通孔11からミストMを発生させる。具体的には、ミスト発生部110は、複数の貫通孔11から液体Lを放出させることでミストMを発生させる。本実施の形態では、ミスト発生部110は、第1電極10を振動させることにより、複数の貫通孔11からミストMを発生させる圧電振動子である。例えば、当該圧電振動子は、第1電極10と固定されている。そのため、当該圧電振動子が振動することで、第1電極10も振動する。本実施の形態では、当該圧電振動子は、Z軸方向に振動する。
当該圧電振動子は、例えば、グランド電位(0V)が印加される第3電極30と、第3電極との間に電圧が印加される第4電極40と、第3電極30と第4電極40との間に位置する圧電素子50と、を有する。つまり、第4電極40には、第3電極30の電圧を基準とした交流電圧が印加(具体的には、第3電極30に印加される電圧に対して交流電圧が印加)される。また、本実施の形態では、第1電極10と第3電極30とは、電気的に接続されている。より具体的には、第1電極10と第3電極30とは、接触して配置されている。
ミスト発生部110は、取り付け台150に取り付けられている。
取り付け台150は、ミスト発生部110が取り付けられる台である。ミスト発生部110は、例えば、ねじ180等によって取り付け台150に取り付けられている。取り付け台150は、例えば、樹脂材料等によって形成されている。
また、本実施の形態では、ミスト発生部110は、弾性体170を介して取り付け台150に取り付けられている。
弾性体170は、弾性を有し、取り付け台150とミスト発生部110との間に配置される弾性部材である。弾性体170は、例えば、ばね、ゴム等の樹脂材料である。本実施の形態では、弾性体170は、オーリングである。
また、ミスト発生部110(より具体的には、第3電極30)と弾性体170とは、隙間なく密着されている。また、弾性体170と取り付け台150とは、隙間なく密着されている。また、本実施の形態では、複数の貫通孔11は、それぞれ口径が6μm〜10μm程度である。これにより、第1電極10上に位置する液体Lは、ミスト発生部110により第1電極10が振動されなければ、第1電極10上に保持された状態となる。
また、取り付け台150は、第2電極20の上下を覆う支持体160(より具体的には、第2電極20の上面側に配置された支持体160の上面)に固定されている。
第2電極20は、ミストMが通過できる貫通部21が形成された電極である。本実施の形態では、第2電極20は、環状である。具体的には、貫通部21は、例えば、上面視で第2電極20の中央に設けられており、帯電ミスト発生装置100がミストMを発生する方向(噴霧方向)に、第2電極20を貫通するように設けられている。また、本実施の形態では、帯電ミスト発生装置100の噴霧方向は、ミスト発生部110である圧電振動子の振動方向、及び、複数の貫通孔11の貫通方向それぞれと平行な方向である。
第1電極10に形成された複数の貫通孔11から発生されたミストMは、第2電極20に向けて発生される。第2電極20には、複数の貫通孔11に対向する位置に、貫通部21が設けられている。具体的には、第2電極20には、複数の貫通孔11から発生したミストMが通過する位置に貫通部21が設けられている。これにより、ミストMは、貫通部21を介して第2電極20の下方に発生される。
また、例えば、複数の貫通孔11は、それぞれ、ミストMを発生する側(本実施の形態では、Z軸負方向側)に向けて孔径が漸次縮径している。例えば、複数の貫通孔11は、それぞれ、漏斗状となっている。具体的には、図3に示すように、複数の貫通孔11には、それぞれ、ミストMを発生する方向(本実施の形態では、Z軸負方向)に対して傾斜したテーパ状の面である傾斜部12が形成されている。
なお、貫通孔11における上側の孔径(液体Lが貫通孔11に導入される側の開口部)と、貫通孔11における下側の孔径(ミストMが発生される側の開口部)との比率は、特に限定されない。貫通孔11における下側の孔径が10μm程度の場合、ミストMの粒径は、10μm〜20μm程度となる。
第2電極20は、筐体140の外部(より具体的には、筐体140の下方)に配置されている。具体的には、筐体140の下側には開放された開口部が設けられており、当該開口部に第2電極20が配置されている。
第2電極20は、例えば、平板状である。第2電極20は、例えば、板厚が略均一である。
また、第2電極20は、例えば、第1電極10と平行になるように配置されている。具体的には、第1電極10の下面は、第2電極20の上面と平行である。
第2電極20は、導電性を有し、例えば、ステンレス等の金属材料を用いて形成されている。
貫通部21は、第2電極20を板厚方向(すなわち、Z軸方向)に貫通している。また、貫通部21は、第1電極10に形成された複数の貫通孔11から発生されたミストMを通過させるために設けられている。貫通部21の形状は、例えば、扁平な円柱状である。なお、貫通部21の開口の形状は、円形でなくてもよく、正方形、長方形、又は、楕円形等でもよい。
また、第2電極20は、支持体160によって上下から挟まれている。なお、第2電極20の側方側(例えば、下面視した場合に第2電極20の中央側)は、支持体160によって覆われておらず、露出している。
支持体160は、第2電極20を保護する保護部材である。支持体160には、貫通部21と対応する位置(例えば、下面視した場合に貫通部21と重なる位置)に貫通孔11が形成されている。
また、第2電極20の上方に位置する支持体160には、筐体140及び取り付け台150が固定されている。
また、第2電極20の下方に位置する支持体160は、下方に向かうにつれて当該開口部が拡径している。これにより、当該開口部から発生されるミストMが支持体160に付着しにくくなる。
支持体160は、例えば、樹脂材料等によって形成されている。
なお、第2電極20と支持体160とは、一体に形成されていてもよい。
電圧印加部120は、第1電極10にグランド電位(0V)を印加し、且つ、第2電極20に正の高電圧を印加するための電源部である。本実施の形態では、電圧印加部120は、第1電圧印加部121と、第2電圧印加部122と、を備える。
第1電圧印加部121は、第2電極20に正の高電圧を印加する。第1電圧印加部121は、第2電極20と金属配線等を介して電気的に接続されている。
第1電圧印加部121は、第2電極20に高電圧を印加することで、第1電極10に形成された複数の貫通孔11から発生されたミストMを帯電させる。ここで、高電圧とは、例えば、グランド電位(0V)を基準とした場合に、1kV程度以上であるが、特に限定されない。本実施の形態では、第1電圧印加部121は、第2電極20に5kVを印加する。
また、第1電圧印加部121は、例えば、第1電極10に電圧が印加されている状態においても、第2電極20に電圧を印加しないように、第2電極20に電圧を印加する場合と印加しない場合とが選択的に切り替えられるようになっている。選択的に電圧の印加のするしないを切り替えるための構成要路は、特に限定されない。例えば、第1電圧印加部121は、選択的に電圧の印加のするしないを切り替えるための構成要路として、スイッチを備える。
第1電圧印加部121は、例えば、コンバータ等を含む昇圧電源回路で実現される。例えば、第1電圧印加部121は、商用電源等の図示しない外部電源から受けた電力に基づいて上記した電圧を生成して、生成した電圧を第1電極10と第2電極20とに印加することで、ミストMを正又は負に帯電させる。
第2電圧印加部122は、第3電極30及び第4電極40に電圧を印加する。本実施の形態では、第2電圧印加部122は、第3電極30にグランド電位を印加し、第3電極30と第4電極40との間に交流電圧を印加する。具体的には、第2電圧印加部122は、第3電極30に印加される電圧を基準とした交流電圧を第4電極40に印加する。より具体的には、第2電圧印加部122が第3電極30をグランドに接続する(つまり、第3電極30にグランド電位(0V)を印加する)ことで、第3電極30と電気的に接続された第1電極10は、第3電極30と同じグランド電位(0V)となる。第2電圧印加部122は、第3電極30と第4電極40とに金属配線等を介して電気的に接続されている。
なお、第1電圧印加部121が、第1電極10と第2電極20とに電圧を印加し、第2電圧印加部122が、第3電極30と第4電極40とに電圧を印加してもよい。この場合、第1電極10と第3電極30とは、電気的に絶縁していてもよい。
第2電圧印加部122は、例えば、コンバータ等を含む昇圧電源回路で実現される。例えば、第2電圧印加部122は、商用電源等の図示しない外部電源から受けた電力に基づいて上記した電圧を生成して、生成した電圧を第3電極30と第4電極40とに印加することで、第1電極10を振動させる。
気流生成部130は、ミスト発生部110の外側を通過して、貫通部21を通過する気流Aを生成するファンである。例えば、気流生成部130は、筐体140の外部から筐体140の内部に向かうように気流Aを生成する。
気流生成部130は、例えば、筐体140の上部に配置される。具体的には、筐体140の上側には開放された開口部が設けられており、当該開口部に気流生成部130が配置されている。
筐体140は、ミスト発生部110を収容し、第2電極20及び気流生成部130が配置される箱体である。また、例えば、気流生成部130は、ミスト発生部110と筐体140との間を通過して、さらに、貫通部21を通過する気流Aを生成する。
本実施の形態では、筐体140は、上下両側が開放された筒状となっている。筐体140の上側の開口部には気流生成部130が配置されており、筐体140の下側の開口部には第2電極20が配置されている。
また、例えば、気流生成部130とミスト発生部110と第2電極20とは、並んで配置されている。本実施の形態では、気流生成部130とミスト発生部110と第2電極20とは、この順にZ軸方向に並んで配置されている。
なお、気流生成部130とミスト発生部110と第2電極20との並び順は、この順に限定されない。
例えば、気流生成部130とミスト発生部110と第2電極20との並び方向(本実施の形態では、Z軸方向)から見た場合に、ミスト発生部110は、貫通部21に配置され、ミスト発生部110と第2電極20との間には、空間Sが設けられている。
空間Sは、気流生成部130が生成した気流Aが通過する流路である。空間Sが設けられることにより、気流生成部130で生成された気流Aは、第1電極10に形成された複数の貫通孔11から発生されたミストMを、側方に広げずに貫通部21から帯電ミスト発生装置100の外部に発生させやすくすることができる。
制御部190は、帯電ミスト発生装置100の全体的な動作を制御する制御装置である。具体的には、制御部190は、電圧印加部120及び気流生成部130の動作を制御する。例えば、制御部190は、第1電圧印加部121を制御することで、第2電極20に電圧を印加するタイミング、及び、電圧の大きさ等を制御する。また、制御部190は、第2電極20に正の電圧を電圧印加部120(より具体的には、第1電圧印加部121)に印加させる第1制御と、第2電極20に電圧を電圧印加部120(より具体的には、第1電圧印加部121)に印加させない第2制御とを選択的に切り替える。例えば、制御部190は、第1電圧印加部121が備えるスイッチを制御することで、上記した第1制御と、上記した第2制御とを選択的に切り替える。
例えば、制御部190は、第1制御と第2制御とを繰り返し切り替える。例えば、制御部190は、第1所定時間、第1制御を実行し、その後に、第2所定時間、第2制御を実行し、さらにその後に、第1所定時間、第1制御を実行するように、第1制御と第2制御とを交互に実行し続ける。
なお、第1所定時間と第2所定時間とは、同じでもよいし異なってもよい。また、これらの所定時間は、予め任意に定めらえてよく、特に限定されない。これらの所定時間は、例えば、1秒でもよいし、10秒でもよいし、100秒でもよい。例えば、帯電ミスト発生装置100は、ユーザからのこれらの所定時間を指示する指示情報を受け付けるボタン、タッチパネル等の図示しない受付部を備えてもよい。制御部190は、当該受付部が受け付けた指示情報に基づいて、これらの所定時間を設定してもよい。また、制御部190は、時間を計測するためにRTC(Real Time Clock)等の計時部を備えてもよい。
また、例えば、制御部190は、第2電圧印加部122を制御することで、第3電極30と第4電極40に電圧を印加するタイミング、及び、電圧の大きさ等を制御する。また、例えば、制御部190は、気流生成部130を制御することで、気流生成部130に気流を生成させるタイミング、及び、風量等を制御する。さらに、例えば、帯電ミスト発生装置100は、図2に示す液体Lが収容される空間に液体Lを供給するポンプ及び配管等の供給部を備えてもよい。また、当該空間に収容された液体Lの量を検出する水位センサ等のセンサを備えてもよい。この場合、例えば、制御部190は、液体Lを連続的に同じ水量で供給するため、水位センサ等で水量をリアルタイムにセンシングしながら、水量が減少した際には、図示しないポンプ等で液体Lを追加供給する制御を持っていてもよい。
制御部190は、例えば、マイクロコントローラ等で実現される。具体的には、制御部190は、電圧印加部120及び気流生成部130等と通信するための通信インターフェース、プログラムが格納された不揮発性メモリ、プログラムを実行するための一時的な記憶領域である揮発性メモリ、入出力ポート、プログラムを実行するプロセッサ等で実現される。制御部190は、各動作を実行する専用の電子回路で実現されてもよい。
なお、制御部190は、電圧印加部120及び気流生成部130を制御することができればよく、無線信号を送信することで電圧印加部120及び気流生成部130を制御してもよいし、電圧印加部120及び気流生成部130と制御線等により接続されていてもよい。
[効果等]
以上説明したように、実施の形態に係る帯電ミスト発生装置100は、複数の貫通孔11が形成された金属製で板状の第1電極10であって、グランド電位が印加される第1電極10と、複数の貫通孔11からミストMを発生させるミスト発生部110と、ミストMが通過できる貫通部21が形成された第2電極20と、第1電極10に対して第2電極20に正の電圧を印加するための電圧印加部120と、第2電極20に正の電圧を電圧印加部120に印加させる第1制御と、第2電極20に電圧を電圧印加部120に印加させない第2制御とを選択的に切り替える制御部190と、を備える。
図4は、帯電列を例示する図である。
例えば、帯電ミスト発生装置100が発生するミストMが噴霧される対象物となる人間及び植物等は、正に帯電している。帯電ミスト発生装置100は、第2電極20に正の電圧を印加することで第2電極20を正に帯電させる。これにより、ミストMは、負に帯電される。そのため、帯電ミスト発生装置100が発生するミストMが噴霧される対象物となる人間及び植物等にミストMが付着されやすくなる。
例えば、この種のミストを発生する従来の装置では、ミストを発生する部分は、ノズル(筒体)となっている。そのため、従来の装置では、ミストを発生するノズルの先端とミストが通過する電極との間に高電圧を印加することで、ミストの電荷量を多くできるが、ミストの発生量を多くできない。また、ノズルを多くすることでミストの発生量を多くできるが、この場合、ノズルの先端の位置によっては当該先端とミストが通過する電極との間に印加する電圧が安定しない。そのため、この場合、ミストの電荷量を多くできない。
そこで、帯電ミスト発生装置100がミストMを発生する複数の貫通孔11が形成された第1電極10は、平板状となっている。これにより、帯電ミスト発生装置100は、複数の貫通孔11によってミストMを多く発生でき、且つ、第1電極10が平板状であることで第1電極10と第2電極20との間に印加される電圧が安定するため、ミストMの帯電量を多くできる。
また、対象物となる人間及び植物等は、正に帯電していたとしても、負に帯電しているミストMが噴霧され続けると、その表面がミストMによって負に帯電する。そのため、対象物となる人間及び植物等が正に帯電していたとしても、負に帯電しているミストMが噴霧し続けると、効果的に対象物にミストMが噴霧(暴露)されにくくなる。そこで、帯電ミスト発生装置100は、第2電極20に正の電圧を電圧印加部120に印加させる第1制御と、第2電極20に電圧を電圧印加部120に印加させない第2制御とを選択的に切り替える。
これによれば、制御部190が第2制御を実行している場合、液体Lは、貫通孔11を通過する際に、第1電極10との噴出帯電の原理によって正に帯電する。噴出帯電の原理とは、ミスト発生部110による振動によって液体Lに加わる高圧力で、貫通孔11が負に帯電し、液体Lが正に帯電し、液体Lの電荷の中和が追い付かずにミストMとして貫通孔11から放出されるため、正に帯電したミストMが発生する原理である。これにより、制御部190が第2制御を実行している場合、貫通孔11から発生されるミストMは、正に帯電する。そのため、帯電ミスト発生装置100は、元々が正に帯電している人間及び植物等の表面がミストMによって負に帯電したとしても、正に帯電したミストMを噴霧することで、対象物に対して効果的にミストMを噴霧し続けることができる。また、例えば、正又は負の一方の電荷で対象物の表面が覆われた場合に、他方の電荷に帯電したミストMを噴霧することで、当該対象物の裏面にミストMが回り込んで当該対象物に付着する性質であるミストMの回り込み性を上げることができる。以上のことから、帯電ミスト発生装置100によれば、ミストMを多く発生でき、ミストMの帯電量を多くでき、且つ、対象物に対して効果的にミストMを噴霧できる。
また、例えば、複数の貫通孔11は、それぞれ、ミストMを発生する側に向けて孔径が漸次縮径している。
このような構成によれば、貫通孔11の孔径が一定の場合と比較して、液体LがミストMとなる際に液体Lに加わる水圧を高めることができる。これによれば、液体Lに加わる摩擦力が大きくできるため、ミストMの帯電量をさらに増やすことができる。
また、例えば、ミスト発生部110は、第1電極10を振動させることにより、複数の貫通孔11からミストMを発生させる圧電振動子である。
このような構成によれば、簡便な構成で、所望のタイミングで第1電極10に形成された複数の貫通孔11からミストMを発生させることができる。
また、例えば、当該圧電振動子は、グランド電位が印加される第3電極30と、第3電極30の電圧を基準とした交流電圧が印加される第4電極40と、第3電極30と第4電極40との間に位置する圧電素子50と、を有し、第1電極10と第3電極30とは、電気的に接続されている。
このような構成によれば、第1電極10の電位を、第3電極30の電位と同じ電位であるグランド電位(0V)にすることができる。そのため、第1電極10の電位が変動なく安定するため、高電圧が印加される第2電極20と第1電極10との電圧が一定に保たれやすくなる。これにより、第1電極10と第2電極20との間に安定した電界が形成されることから、ミストMの安定した帯電が可能になる。
また、第1電極10は、0V以下の電圧が印加される圧電振動子の第3電極30と電気的に接続されている。そのため、第1電極10で噴出帯電が連続的に発生した場合に、第1電極10が過剰に負に帯電することなく、圧電振動子の回路(例えば、第2電圧印加部122)に負の電荷を逃がすことができる。これにより、第1電極10で連続的な噴出帯電による正に帯電したミストMの放出が可能となる。同様に、第2電極20によってミストMを連続的に負に帯電させる場合においても、第1電極10が正に帯電することなく、圧電振動子の回路(例えば、第2電圧印加部122)に正の電荷を逃がすことができる。これにより、第1電極10で連続的な噴出帯電による負に帯電したミストMの放出が可能となる。
また、例えば、制御部190は、第1制御と第2制御とを繰り返し切り替える。
このような構成によれば、帯電ミスト発生装置100は、切り替えるタイミングを適切に制御することで、対象物に対してさらに効果的にミストMを噴霧し続けることができる。
また、例えば、帯電ミスト発生装置100は、さらに、ミスト発生部110の外側を通過して、貫通部21を通過する気流Aを生成する気流生成部130を備える。
このような構成によれば、気流生成部130で生成された気流Aによって、第1電極10に形成された複数の貫通孔11から発生されたミストMを、貫通部21から帯電ミスト発生装置100の外部に発生させやすくすることができる。
また、例えば、帯電ミスト発生装置100は、さらに、ミスト発生部110を収容し、第2電極20及び気流生成部130が配置される筐体140を備え、気流生成部130は、ミスト発生部110と筐体140との間を通過して、貫通部21を通過する気流Aを生成する。
このような構成によれば、筐体140によって気流Aが流れる方向が制限されるため、気流生成部130で生成された気流Aによって、第1電極10に形成された複数の貫通孔11から発生されたミストMを、さらに側方に広げにくくして貫通部21から帯電ミスト発生装置100の外部に発生させやすくすることができる。
また、例えば、気流生成部130とミスト発生部110と第2電極20との並び方向から見た場合に、ミスト発生部110は、貫通部21に配置され、ミスト発生部110と第2電極20との間には、空間Sが設けられている。
このような構成によれば、空間Sが設けられることにより、気流生成部130で生成された気流Aによって、第1電極10に形成された複数の貫通孔11から発生されたミストMを、さらに側方に広げにくくして貫通部21から帯電ミスト発生装置100の外部にさらに発生させやすくすることができる。
(その他の実施の形態)
以上、本発明に係る帯電ミスト発生装置について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、帯電ミスト発生装置100は、下方にミストMを発生するが、これに限らない。帯電ミスト発生装置100によるミストMの噴霧方向は、下方に限らず、上方、側方又は斜め方向でもよい。
また、例えば、液体Lは、加湿又は冷却するための水道水でもよいし、殺菌等の効果を有する次亜塩素酸を含む水性の液体でもよいし、香料等を含む油性の液体等でもよい。
また、例えば、制御部190は、RTC(Real Time Clock)等の時間を計測するための計時部をさらに備えてもよい。例えば、制御部190は、予め任意に定められた時刻に、ミストMを発生させてもよい。
また、上記実施の形態において、制御部190等の構成要素の全部又は一部は、専用のハードウェアで構成されてもよく、或いは、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPU(Central Processing Unit)又はプロセッサ等のプログラム実行部が、HDD(Hard Disk Drive)又は半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
また、制御部190等の構成要素は、1つ又は複数の電子回路で構成されてもよい。1つ又は複数の電子回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
1つ又は複数の電子回路には、例えば、半導体装置、IC(Integrated Circuit)又はLSI(Large Scale Integration)等が含まれてもよい。IC又はLSIは、1つのチップに集積されてもよく、複数のチップに集積されてもよい。ここでは、IC又はLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、又は、ULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるかもしれない。また、LSIの製造後にプログラムされるFPGA(Field Programmable Gate Array)も同じ目的で使うことができる。
また、本発明の全般的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路又はコンピュータプログラムで実現されてもよい。或いは、当該コンピュータプログラムが記憶された光学ディスク、HDD若しくは半導体メモリ等のコンピュータ読み取り可能な非一時的記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
10 第1電極
11 貫通孔
20 第2電極
21 貫通部
30 第3電極
40 第4電極
50 圧電素子
100 帯電ミスト発生装置
110 ミスト発生部
120 電圧印加部
121 第1電圧印加部
122 第2電圧印加部
130 気流生成部
140 筐体
190 制御部
A 気流
L 液体
M ミスト
S 空間

Claims (8)

  1. 複数の貫通孔が形成された金属製で板状の第1電極であって、グランド電位が印加される第1電極と、
    前記複数の貫通孔からミストを発生させるミスト発生部と、
    前記ミストが通過できる貫通部が形成された第2電極と、
    前記第1電極に対して前記第2電極に正の電圧を印加するための電圧印加部と、
    前記第2電極に正の電圧を前記電圧印加部に印加させる第1制御と、前記第2電極に電圧を前記電圧印加部に印加させない第2制御とを選択的に切り替える制御部と、を備える
    帯電ミスト発生装置。
  2. 前記複数の貫通孔は、それぞれ、前記ミストを発生する側に向けて孔径が漸次縮径している
    請求項1に記載の帯電ミスト発生装置。
  3. 前記ミスト発生部は、前記第1電極を振動させることにより、前記複数の貫通孔から前記ミストを発生させる圧電振動子である
    請求項1又は2に記載の帯電ミスト発生装置。
  4. 前記圧電振動子は、グランド電位が印加される第3電極と、前記第3電極の電圧を基準とした交流電圧が印加される第4電極と、前記第3電極と前記第4電極との間に位置する圧電素子と、を有し、
    前記第1電極と前記第3電極とは、電気的に接続されている
    請求項3に記載の帯電ミスト発生装置。
  5. 前記制御部は、前記第1制御と前記第2制御とを繰り返し切り替える
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の帯電ミスト発生装置。
  6. さらに、前記ミスト発生部の外側を通過して、前記貫通部を通過する気流を生成する気流生成部を備える
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の帯電ミスト発生装置。
  7. さらに、前記ミスト発生部を収容し、前記第2電極及び前記気流生成部が配置される筐体を備え、
    前記気流生成部は、前記ミスト発生部と前記筐体との間を通過して、前記貫通部を通過する気流を生成する
    請求項6に記載の帯電ミスト発生装置。
  8. 前記気流生成部と前記ミスト発生部と前記第2電極との並び方向から見た場合に、
    前記ミスト発生部は、前記貫通部に配置され、
    前記ミスト発生部と前記第2電極との間には、空間が設けられている
    請求項6又は7に記載の帯電ミスト発生装置。
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