以下、添付の図面を参照して、実施の形態について説明する。各図における同一の符号は、同一の部分または相当する部分を示す。本開示では、重複する説明については、適宜に簡略化または省略する。なお、本開示は、以下の各実施の形態で説明する構成のあらゆる組み合わせを含み得るものである。
実施の形態1.
本実施の形態1に係る電気掃除機は、掃除機本体をベルトで保持して吊り下げて使用する肩掛け形態と、スティック形態とのいずれかの形態で使用することができる。
まず、肩掛け形態での構成について説明する。図1〜図4は、本開示の実施の形態1に係る電掃除機を、肩掛け形態とした状態を示す図である。図1はベルトの長手方向に平行かつ幅方向に対して垂直な方向の断面の模式図、図2及び図3は、斜視図であり、図4は、肩掛け形態での電気掃除機1の使用状態を示す側面図である。
図1から図3に示されるように、電気掃除機1は、例えば、略円筒型の掃除機本体2を備えている。図1に示されるように、掃除機本体2は、含塵空気から塵埃を分離して清浄空気を送出する。掃除機本体2には、集塵部4と電動送風機5とが備えられている。電動送風機5は気流を発生させることで、被清掃面の粉塵を含む含塵空気を吸引する。集塵部4は、掃除機本体2へと流入した含塵空気中の塵埃を捕集する。
集塵部4には1次フィルター41と2次フィルター42とが配置されている。1次フィルター41は、例えば、紙パック又は布のフィルターである。2次フィルター42は、1次フィルター41よりも塵埃捕集率の高いフィルターである。2次フィルター42は、例えば、HEPAフィルター(High Efficiency Particulate Air Filter)又はULPAフィルター(Ultra Low Penetration Air Filter)である。集塵部4は、1次フィルター41と2次フィルター42と共に、掃除機本体2から取り外すことができる。1次フィルター41と2次フィルター42とは、集塵部4から取り外すことができ、これにより集塵部4と1次フィルター41と2次フィルター42とは個別に清掃可能である。
掃除機本体2は、接続管6、吸込口7、及び、排気口8を備えている。吸込口7は、掃除機本体2の長手方向の端部に配置されている。吸込口7は、掃除機本体2に含塵空気を吸引するための開口である。排気口8は、掃除機本体2の側面部に配置されている。排気口8は、掃除機本体2から清浄空気を送出するための開口である。
掃除機本体2には、バッテリー9と制御部10とが備えられている。バッテリー9は、外部の充電装置から、掃除機本体2の図示しない充電端子を介して供給される電力を蓄えることができる。制御部10は、バッテリー9に蓄えられた電力によって電動送風機5を駆動させる。接続管6内には、電気信号線及び電力供給線からなる電気配線11が配置されている。電気配線11は、バッテリー9に蓄えられた電力、及び、制御部10から送出される信号を伝達することができる。
掃除機本体2の重心Gは、電動送風機5付近に位置しており、掃除機本体2の長手方向の中央に対し吸込口7とは反対側の位置にある。
肩掛け形態で電気掃除機1を使用する場合、図1〜図3に示されるように、掃除機本体2には、ベース12が取り付けられる。ベース12は、板状の部材であり、掃除機本体2と着脱可能に構成されている。ベース12の長手方向の長さは、掃除機本体2の長手方向の長さと一致する。ベース12には、取り外しボタン13が備えられている。取り外しボタン13が押されると、ベース12と掃除機本体2との嵌合が解除されて、ベース12は、掃除機本体2から分離される。
ベース12の、排気口8側の端部には第1の保持部14が配置され、吸込口7側の端部には第2の保持部15が配置されている。2つの保持部14、15それぞれは、細長い円柱の両端側の一部を折り曲げた形状の部材であり、例えば金属材料により形成されている。2つの保持部14、15のそれぞれは、円柱形状の中心軸が長手方向に対し概ね垂直となるようにして、ベース12の長手方向の端部付近に配置され、折り曲げられた両端部が、それぞれベース12に固定されている。これによりベース12の、2つの保持部14、15が設置された面(以下、「保持面」とも称する)と、2つの保持部14、15それぞれとの間には、長手方向に貫通する隙間が形成されている。
ベルト3は、周長が、掃除機本体2の長さの少なくとも2倍以上の長さの、環形に形成された樹脂繊維の部材である。ベルト3の厚さは、掃除機本体2の保持に必要な強度が確保できる程度の厚さであり、具体的に例えば、0.2cmである。また、ベルト3の幅は、2つの保持部14、15それぞれと、ベース12の保持面との間の隙間の幅より僅かに小さい。ベルト3は、長手方向の一部が、ベース112の保持面の長手方向に沿って配置されると共に、2つの保持部14、15それぞれとベース12との間に形成された隙間に貫通するように配置されることで、ベース12に取り付けられている。ベルト3は、2つの保持部14,15に摺動可能な状態で保持されるため、ベルト3の保持位置を任意に変更することができる。
なお、一例として、掃除機本体2のサイズは、外径8cm、長手方向の長さ28cmであり、この場合、ベース12のサイズは、例えば、長手方向の長さ28cm、幅6cm、厚さ1.5cm、ベルト3は、例えば、長さ84cm、幅5cm、厚さ0.2cmである。
ベルト3には、滑り止め20が取り付けられている。滑り止め20は、ゴム等の弾性部材で構成されている。滑り止め20は、中空の筒状に形成されており、内部にベルト3が通されている。滑り止め20はベルト3に対し移動可能であり、使用者は、滑り止め20のベルト3に対する相対位置を任意に変更できる。使用者が、電気掃除機1を図1に示されるような肩掛け形態で使用する場合、掃除機本体2をベルト3によって吊り上げた状態で、ベルト3を肩に掛ける。このとき滑り止め20が肩に当接するように滑り止め20を移動させることのより、ベルト3が肩からずり落ちしにくくなる。掃除機本体2を、図1のように水平に吊り下げた場合、滑り止め20は、掃除機本体2の重心Gの鉛直上よりも若干前方に位置する。しかし、肩と滑り止め20との摩擦抵抗によって、掃除機本体2の重心方向への傾斜を抑制することができる。
図2及び図3に示されるように、ベース12の、2つの保持部14、15が取り付けられた保持面側には、揺動抑制部材34が設置されている。揺動抑制部材34は、掃除機本体2を肩掛け形態で用いる場合の、掃除機本体2の揺動を抑制する部材である。揺動抑制部材34は、受け部341と支持部342とを備えている。
受け部341は、例えば、樹脂により形成された板状の部材であり、長手方向の長さは、少なくとも掃除機本体2の半径より長い。支持部342は、受け部341の一端側を回転可能な状態でベース12に支持する。受け部341は、支持部342を軸として時計回りと反時計回りとの両方向に約90度回転可能となっている。但し、受け部341は、約90度の最大回転角の位置で係止され、それ以上は回転しないように構成されている。
図2には、受け部341が収納された状態が示されている。受け部341は、図2に示されるように、長手方向が、ベース12の長手方向に向く状態で、ベース12及び掃除機本体2から幅方向に突出することなく、ベース12とベルト3との間に収納される。
一方、図3には、受け部341を使用する際の状態が示されている。受け部341は、支持部342を中心に約90度回動した状態で使用される。この状態では、図3に示されるように、受け部341の先端側の一部が、ベルト3の幅方向に向けて、掃除機本体2よりも外側に突出する。図4に示されるように、掃除機本体2が使用者の脇に挟まれた肩掛け形態で使用される場合、受け部341は使用者の上腕の後方に当接する。これにより、電気掃除機1が肩掛け形態で使用されている場合の、電気掃除機1の前方向への移動が抑制される。なお、受け部341は、回動方向を変えることができるため、左右の肩のいずれにベルト3を掛けても、受け部341を上腕後方に当接させることができる。
揺動抑制部材34は、受け部341の、上腕と当接する長手方向に平行な2つの外周面に、受け部341よりも軟質な材料で形成された軟質部材が取り付けられた構成としてもよい。また、この軟質部材は、着脱可能に形成されていてもよい。この場合、使用者は、左右の肩のどちらに掃除機本体2をかけるかによって、上腕後方に当接する側の側面に、軟質部材を取り付けることができる。
図4に示されるように、電気掃除機1が肩がけ形態で使用される場合、ホース21が接続管6に連結され、ホース21の先にハンドルノズル22が連結される。ハンドルノズル22は、内部に風路が形成されたくの字状のノズルである。ハンドルノズル22は風路の一部として機能するとともに、使用者が保持するハンドルとしても機能する。
ハンドルノズル22には、操作部23が形成され、操作部23には電気配線221(図7参照)が接続されている。また、図1に示されるように、ホース21には内部に電気配線211が備えられている。ハンドルノズル22とホース21と接続管6とが連結された状態において、ハンドルノズル22の電気配線221(図7参照)は、ホース21の電気配線211を介して、電気配線11に接続されている。
ハンドルノズル22とホース21と接続管6とが連結されると、使用者は、操作部23から電気掃除機1の運転、停止の操作を行うことができる。ハンドルノズル22の先端には手元ブラシ24が備えられている。手元ブラシ24はハンドルノズル22の先端で回動可能に設けられている。机上や高所の清掃を行う場合、植毛が前方に向くように手元ブラシ24をセットする。
なお、排気口8は、掃除機本体2の側面の、ベース12に対向する側に形成されている。掃除機本体2が吊り下げられた状態で使用されている場合、排気口8から送出される排気風は、下方に向けて送出される。従って、掃除機本体2を肩に掛けて清掃作業を行う場合にも、排気風が使用者に当たるのを抑制することができる。
電気掃除機1を肩掛け形態で使用することで、手元にかかる電気掃除機1の本体重量による負荷を小さくすることができる。これにより清掃作業時の手や腕の疲労を軽減することができる。また、使用者の場所移動負荷は、掃除機本体2を肩に掛けた状態の方が、掃除機本体2を手で持った状態よりも小さい。したがって使用者の清掃作業の負担を軽減することができる。
また、肩掛け形態での掃除作業の際、使用者が、例えば前にかがんだ姿勢をとるなどして掃除機本体2に前方に移動する力がかかった場合、受け部341が使用者の上腕の後方に当接して、掃除機本体2が前方に移動することを抑制する。また、使用者の姿勢の変更により、ベルト3が肩から外れる方向に力を受けるが、滑り止め20が肩との摩擦抵抗によって滑らずに肩に掛かった状態を維持することができる。
本実施の形態1に係る電気掃除機1は、肩掛け形態から、ベース12をベルト3と共に取り外し、スティック形態用のアタッチメントに付け替えることで、スティック形態に切り替えることができる。これに関し、まず以下に、ベース12と掃除機本体2との着脱鉄順について説明する。図5及び図6は、ベース12を、掃除機本体2から取り外した状態の電気掃除機1を示す図であり、図5は側面図、図6は斜視図である。
図5及び図6に示されるように、掃除機本体2の、ベース12に対向する面である嵌合面には、距離を隔てて2つのフック121が配置されている。ベース12の掃除機本体2に対向する面である嵌合面(即ち、ベース12の保持面とは反対側の面)のフック121に対応する位置には、2つの嵌合穴122が形成されている。ベース12の2つの嵌合穴122のそれぞれに隣接して、ラッチ123が配置されている。ラッチ123はベース12内でバネ等の弾性体によって、嵌合穴122を狭める方向に付勢されている。ラッチ123は、ベース12の内部で取り外しボタン13に連結され、取り外しボタン13が押されると、それに連動して、嵌合穴122を広める方向にスライドするように構成されている。
使用者は、取り外しボタン13を押して掃除機本体2とベース12とを分離できる。より具体的に、取り外しボタン13を押すと、2つのラッチ123がスライドして、嵌合穴122の開口を広くする。これにより、嵌合穴122とフック121との係合が解除される。この状態で、ベース12を掃除機本体2から離すことで、ベース12と掃除機本体2とを分離することができる。
一方、ベース12を掃除機本体2に取り付ける場合、使用者は、嵌合穴122をフック121の位置に合わせてベース12を掃除機本体2に押し付ける。これにより、ラッチ123は、フック121に押し付けられ、フック121の傾斜面によってバネ等の付勢力に抗して嵌合穴122を広くする方向にスライドする。フック121が嵌合穴122に嵌合すると、ラッチ123は嵌合穴122を狭める方向にスライドする。これにより嵌合穴122にフック121が固定され、ベース12を掃除機本体2に取り付けることができる。
次に、電気掃除機1のスティック状態又は肩掛け形態で使用されるアタッチメント部品について説明する。図7は、掃除機本体2と、掃除機本体2に接続可能なアタッチメント部品とを分離した状態の側面図である。
第1のパイプ25は円筒状の風路を形成するアタッチメント部品である。第1のパイプ25は、掃除機本体2を着脱するための嵌合部250を有する。嵌合部250が有する掃除機本体2との着脱のための部品の構成は、ベース12と掃除機本体2との着脱のための部品の構成と概ね同一である。
具体的に、嵌合部250の掃除機本体2と対向する面側の、掃除機本体2の2つのフック121に対応する位置には、2つの嵌合穴251が備えられている。2つの嵌合穴122のそれぞれに隣接する位置には、ラッチ253が備えられている。ラッチ253は、嵌合部250内で、バネ等の弾性体によって嵌合穴122を狭める方向に付勢されている。嵌合部250の長手方向の一端面側には、取り外しボタン252が配置されている。ラッチ253は、嵌合部250内で取り外しボタン252に連結され、取り外しボタン252が押されると、それに連動して、嵌合穴251を広める方向にスライドする。
掃除機本体2を第1のパイプ25に取り付ける場合、使用者は、フック121を嵌合穴251の位置に合わせて掃除機本体2を第1のパイプ25に押し付ける。ラッチ253はフック121の傾斜面によってバネ等の付勢力に抗して嵌合穴251を広くする方向にスライドする。フック121が嵌合穴251に嵌合すると、ラッチ253は嵌合穴251を狭める方向にスライドし、フック121を固定する。これにより、掃除機本体2を第1のパイプ25に取り付けることができる。
また、取り外しボタン252が押されると、ラッチ253はスライドして嵌合穴251の開口を広くする。これにより嵌合穴251とフック121との係合が解除される。この状態で、掃除機本体2を第1のパイプ25から離すことで、掃除機本体2と第1のパイプ25とを分離することができる。
第1のパイプ25の上端側には、ハンドルノズル22、第2のパイプ26、又は、中継ダクト27を連結することができる。第1のパイプ25の下端側には、吸込口体28又は第2のパイプ26を連結することができる。
中継ダクト27は、第1のパイプ25を、掃除機本体2の接続管6に連結し、第1のパイプ25内の風路と吸込口7とを連通させるアタッチメント部品である。中継ダクト27の上端側は、ハンドルノズル22又は第2のパイプ26に連結することができる。但し、連結された状態においても、ハンドルノズル22又は第2のパイプ26の内部と、中継ダクト27内の風路とは連通しない。なお、このハンドルノズル22は、上述の肩掛け形態でホース21に連結されるハンドルノズル22と同じものである。但し、ハンドルノズル22に、中継ダクト27、第1のパイプ25,又は、第2のパイプ26と連結されて用いられる場合、ハンドルノズル22の手元ブラシ24は、植毛が後方(即ち、ハンドルノズル22側)に向くようにセットされる。
吸込口体28は、底面に開口を備え、開口から床面のゴミを吸引するアタッチメント部品である。吸込口体28は、ブラシヘッド281と延長管282とヒンジ部283とを備える。ブラシヘッド281は、略直方体に形成され、外周に植毛を有する回転ブラシ284が備えられている。回転ブラシ284は、ブラシヘッド281の底面の開口から突出し、図示しない回転ブラシ駆動モーターによって駆動される。ヒンジ部283は、延長管282をブラシヘッド281に対して回動自在に軸支する。
第2のパイプ26は、円筒状の風路を形成するアタッチメント部品である。第2のパイプ26の上端側は、ハンドルノズル22又は第1のパイプ25の下端側に連結することができる。また、第2のパイプ26の下端側は、第1のパイプ25の上端側、中継ダクト27、吸込口体28と連結することができる。
図7に示されるように、第1のパイプ25及び第2のパイプ26のそれぞれには、電気配線254及び電気配線261のそれぞれが、上端から下端に渡って配置されている。また、中継ダクト27には、電気配線271が配置されている。電気配線271は、上端から下端に渡って配置されるとともに、掃除機本体2側への風路に沿うように途中で分岐して、掃除機本体2側の電気配線11に接続できるようになっている。ハンドルノズル22の内部には、電気配線221が配置されている。吸込口体28の内部には電気配線285が配置されている。電気配線285は延長管282の上端からヒンジ部283を経由してブラシヘッド281に渡って配置されている。電気配線285は回転ブラシ駆動モーターに接続されている。電気配線254、261、271、221、及び、285は、それぞれ、電力線と信号線と備えている。
上述のように、電気掃除機1は、着脱可能な複数のアタッチメント部品を備えている。これらアタッチメント部品の連結方法によって、使用形態を複数の状態に変更することができる。図8〜図10は、電気掃除機の使用形態の例を示す側面図である。
図8に示される例では、ハンドルノズル22、第1のパイプ25、第2のパイプ26、及び、吸込口体28が、順に連結されている。このように連結されたアタッチメント部品は、肩掛け形態で電気掃除機1を使用する際、ホース21の先端に取り付けて使用することができる。即ち、図8のように連結されたアタッチメント部品のハンドルノズル22の端部をホース21に連結する。これにより、肩掛け形態で、吸込口体28の底面の開口から、掃除機本体2の吸込口7までの風路が連通される。
また、ハンドルノズル22、第1のパイプ25、第2のパイプ26、及び、吸込口体28が連結されると、それぞれに備えられた電気配線221、254、261、及び、285が接続される。電気配線221は、ホース21の電気配線211を介して掃除機本体2の電気配線11に接続される。これにより吸込口体28の回転ブラシ駆動モーターに電力が供給される。そして、操作部23から電気掃除機1の運転、停止に合わせて回転ブラシの駆動、停止が行われる。
図8に示されるアタッチメントを用いることで、肩掛け形態での電気掃除機1の使用時にも、使用者から比較的離れた位置の床面等のフラットな部分を、吸込口体28によって清掃することができる。肩掛け形態では、手元にかかる電気掃除機1の本体重量の負荷を小さく抑えることができる。従って、吸込口体28の移動は容易となり、スムーズに清掃作業を行うことができる。
なお、図8の例の第1のパイプ25又は第2のパイプ26を取り外した形態でアタッチメント部品を使用することもできる。つまり、ハンドルノズル22、第1のパイプ25又は第2のパイプ26、及び、吸込口体28を連結して、ハンドルノズル22を、ホース21の先端部に連結することで、同様に肩掛け形態で、電気掃除機1を床面等の清掃に用いることができる。
更に、図8の例の第1のパイプ25と第2のパイプ26との両方を取り外した形態でアタッチメント部品を使用することもできる。つまり、ハンドルノズル22に直接吸込口体28を連結して使用することができる。これにより使用者は、ハンドルノズル22を持って、階段やソファーなどを容易に清掃することができる。
上述したように、本実施の形態1に係る電気掃除機1は、使用者が姿勢を変更した場合にも、揺動抑制部材34によって掃除機本体2の揺動が抑制される。従って、アタッチメント部材を様々な使用形態で付け替えることで、より広い範囲の清掃を、肩掛け形態で容易に行うことができる。
図9に示される例は、上重心のスティック形態での電気掃除機1の使用例である。電気掃除機1をスティック形態で使用する場合、図9に示されるように、掃除機本体2は第1のパイプ25に取り付けられ、中継ダクト27によって、第1のパイプ25の上端と掃除機本体2の接続管6とが連結される。そして、重心位置の高い上重心のスティック形態とする場合には、中継ダクト27の上端には、ハンドルノズル22が連結される。第1のパイプ25の下端には第2のパイプ26が連結され、第2のパイプ26の下端には吸込口体28が連結される。これにより、吸込口体28底面の開口から、掃除機本体2の吸込口7までの風路が連通する。
また、この連結により、掃除機本体2の電気配線11に、電気配線271、電気配線254、電気配線261、及び、電気配線285が接続され、電気配線271と電気配線221とが接続される。これにより、操作部23から電気掃除機1の運転及び停止と、回転ブラシの駆動及び停止とを操作することができる。
これにより重心位置の高いスティック形態で清掃作業を行うことができる。スティック形態では、肩掛け形態の場合に比べて、掃除機本体2を体から遠くに離した状態で清掃作業を行うことができる。また上重心のスティック形態では、吸込口体28の移動が容易となる。
また、図10に示される例は、下重心のスティック形態での電気掃除機1の使用例である。電気掃除機1を重心位置の低いスティック形態とする場合、掃除機本体2と第1のパイプ25と中継ダクト27とを取り付けた状態で、中継ダクト27の上端には、第2のパイプ26が連結され、第2のパイプ26の上端には、ハンドルノズル22が連結される。第1のパイプ25の下端には、吸込口体28が連結される。これにより、吸込口体28底面の開口から、掃除機本体2の吸込口7までの風路が連通する。
また、この連結により、掃除機本体2の電気配線11に、電気配線271、電気配線254、及び、電気配線285が接続され、電気配線271、電気配線261、及び、電気配線221が接続される。これにより、操作部23から、電気掃除機1の運転及び停止と、回転ブラシの駆動及び停止とを操作することができる。
これにより電気掃除機1の重心位置の低いスティック形態で清掃作業を行うことができる。下重心のスティック形態では、ハンドルノズル22の操作負荷を小さくすることができる。
なお、電気掃除機1は、図9の形態から、第2のパイプ26を取り外した形態で使用することもできる。
本実施の形態に係る電気掃除機1では、肩掛け形態とスティック形態とを簡単に切り替えることができる。また、ベース12及び第1のパイプ25等のアタッチメント部品は、掃除機本体2から取り外すことができる。従って、収納形態の選択肢を増やすことができる。
実施の形態2.
図11〜図13は、実施の形態2に係る電気掃除機を肩掛け形態又は腰巻き形態とした状態を示す図であり、図11は側面図、図12及び図13は斜視図である。実施の形態2に係る電気掃除機1は、第3の保持部16とバックル18とを有する点を除き、実施の形態1に係る電気掃除機1の構成と同一である。実施の形態1に係る電気掃除機1と同一または相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化又は省略する。
本実施の形態では、ベルト3に、バックル18が備えられている。図11及び図12にはバックル18が嵌合された状態、図13にはバックル18の嵌合が外された状態が示されている。図13に示されるように、バックル18は、連結及び分離可能な一対の部品で構成される。一対の部品の一方は、嵌合爪182を有し、他方は、嵌合爪182と嵌合する嵌合部を有している。嵌合爪182を押しながら引き離すことによって、バックル18は分離された状態となる。嵌合爪182が嵌合部に押し込まれることで、一対の部品が嵌合し、バックル18が連結された状態となる。
バックル18には、ベルト3の両端がそれぞれ接続されている。バックル18が連結されると、ベルト3は環状となる。図13に示されるように、ベルト3の両端部はそれぞれ、バックル18の孔181で折り返されてバックル18に固定されている。ベルト3の端部の折り返し部31の内側となる面(即ち、ベルト3と当接する面)には、面状ファスナーが配置され、ベルト3の、折り返し部31と当接する範囲には、受け側となる面状ファスナーが配置されている。折り返し部31は、折り返された状態で対向するベルト3の表面の面状ファスナーに固定される。折り返し部31の長さを調節することにより、ベルト3の環状となる部分の長さ、即ち、掃除機本体2を保持する部分の長さである周長を調節することができる。
実施の形態2のベルト3の長さは、標準とするベルト3の周長と、標準とする周長にした場合の折り返し部31の標準の長さと、バックル18の長さとから、次式により決定される。
ベルトの長さ=標準とする周長+折返し部分の長さ×2−バックルの長さ
例えば、ベルト3の両端の折り返し部31の長さを、それぞれ8cmとし、バックル18の長さを10cmとし、実施の形態1の例と同様にベルト3の周長84cmとすると、ベルト3の長さは、84+8×2−10=90cmとされる。また、この例で、両端の折り返し部31の長さを、例えば、4cmとすると、バックル18を含む環状部の周長は92cmとなる。また、両端の折り返し部31の長さを例えば12cmとすると、バックル18を含む環状部の周長は76cmとなる。このように折り返し部31の長さの調節で環状のベルト3の周長を調節することができる。
本実施の形態2の電気掃除機1は、肩掛け形態から腰巻き形態に切り替えて使用することができる。図14は、腰巻き形態での電気掃除機1の使用状態を示す側面図である。使用者は、掃除機本体2を腰に装着する際、まず、バックル18の嵌合爪182を押しながら嵌合部から引き離すことによって、バックル18を分離する。次に、ベルト3の両端を持って掃除機本体2を腰に当てる。この状態で、バックル18の嵌合爪182を嵌合部に押し込んでバックル18を連結し、ベルト3を環状にする。肩掛け形態での使用時と同様に、接続管6にはホース21を取り付け、ホース21の先には、ハンドルノズル22を連結する。このように、ベルト3にバックル18を備えることにより、肩掛け形態と腰巻き形態とを容易に切り替えることができる。
電気掃除機1を腰巻き形態で使用することで、手元にかかる電気掃除機1の本体重量の負荷がより小さく抑えられる。従って、清掃作業時の手や腕の疲労を軽減することができる。また掃除機本体2を腰に装着した状態での使用者の場所移動負荷は、掃除機本体2を手で持った状態あるいは肩に掛けた状態での場所移動負荷よりも小さい。したがって、清掃作業を、より容易にすることができる。
また、図11〜図13に示されるように、実施の形態2に係る電気掃除機1は、ベース12の、第1の保持部14と第2の保持部15との間に、第3の保持部16を有している。第3の保持部16は、柔軟性のある材料によって形成されている。第3の保持部16は、第1の保持部14と第2の保持部15の間においてベルト3をベース12に保持するための部材である。第3の保持部16には、連結部材17が配置されている。連結部材17によって、第3の保持部は、連結状態及び分離状態に切り替えられる。
図15〜図17は、肩掛け形態での電気掃除機1の使用時に、ベルト3を第3の保持部16で保持した状態を示す図であり、図15及び図16は斜視図、図17は、側面図である。
例えば、電気掃除機1を図14の腰巻き形態から肩掛け形態に切り替える場合、使用者は、まず、第3の保持部16の連結部材17を外す。そして、バックル18が第1の保持部14に近づく方向にベルト3をずらす。このとき、ベルト3は2つの保持部14、15に保持された状態のまま、保持部14、15に摺動させながらずらすことが可能である。その後、第3の保持部16によってベルト3を挟み込み、連結部材17を連結する。
肩掛け形態では、図15に示されるように、ベルト3は第1の保持部14で折り返されて第3の保持部16によって保持される。つまり、ベルト3の第1の保持部14と第3の保持部16との間の部分は、ベース12に沿った状態で重なって保持される。この状態のとき、ベルト3の掃除機本体2を保持する部分の周長は、バックルを含む環状部の周長から、折り返し部分の長さ(つまり、第1の保持部14から第3の保持部16の第2の保持部15側の端部までの長さの2倍)を差し引いた長さとなる。例えば、上述した環状部の周長を84cmとする例において、第3の保持部16によるベルト3の折り返し部分の長さを24cmとすると、掃除機本体2を保持する部分の周長は84−24=60cmとなる。
使用者は、図15に示された状態でベルト3を持ち上げると、掃除機本体2は第2の保持部15と第3の保持部16とによって掃除機本体2に支持され吊り上げられる。このとき第3の保持部16は重心Gに近接して配置されているため、掃除機本体2は第3の保持部16及び第1の保持部14側が下がる方向に傾斜する。環状のベルト3は第1〜第3の保持部14、15,16に摺動可能に支持されているため、吊り上げたときベルト3の頂点となる付近が、掃除機本体2の重心Gの鉛直上方付近の位置である。従って、この頂点付近に、滑り止め20を移動させる。この状態で、図17に示されるように、滑り止め20を肩の上に合わせてベルト3を肩に掛ける。これにより掃除機本体2は第2の保持部15側が上がる方向に傾斜した状態で安定する。
本実施の形態に係る電気掃除機1では、肩掛け形態で、第3の保持部16によりベルト3を支持した状態とすることで、掃除機本体2を保持する部分のベルト3の周長が短くなり、かつ、掃除機本体2が傾斜して掃除機本体2の位置が使用者の脇に近くなる。従って、使用者は掃除機本体2を胴と上腕の間に挟んだ状態で用いることができ、これにより使用者が姿勢を変化させた場合にも、掃除機本体2の揺動を抑制することができる。また、ベルト3の周長が短く、かつ、掃除機本体2の揺動も小さく抑えられるため、ベルト3が使用者の肩からずり落ちにくくなる。
また、肩掛け形態では、揺動抑制部材34の受け部341を回転させ、受け部341を、ベース12より外側の上腕後ろ側に張り出させることができる。これにより、揺動抑制部材34を上腕の後側に当接させることができる。従って、使用者が清掃作業中に、前かがみ姿勢になるような場合にも、掃除機本体2が前方に移動することを抑制することができ、掃除機本体2の揺動による掃除効率の低下を抑制することができる。
肩掛け形態での清掃作業は、腰巻き形態での清掃作業に比べると、使用者の肩周辺に掃除機本体2が位置するため、腕の動きは制限される。一方、ベルト3を肩に掛ける作業は、ベルト3を腰に巻く作業に比べて容易である。また、電気掃除機1を使用後に体から離す際の作業も、肩掛け形態の方が腰巻き形態よりも容易である。この点、本実施の形態2の電気掃除機1によれば、腰巻き形態と肩掛け形態とを容易に切り替えることができるため、清掃作業の内容や作業時間などの状況に応じて、使用者にとって最適な形態を自由に選択して電気掃除機1を使用することができる。
なお、本実施の形態2の第3の保持部16は、ベース12に対する位置が固定されていて、第1の保持部14から第3の保持部16までの長さが固定された構成となっている。しかし、第3の保持部16は、ベース12に対する位置を変更可能な構成としてもよい。第3の保持部16のベース12に対する位置を変更することにより、掃除機本体2を保持する部分のベルト3の周長を調節することができる。また、第3の保持部16は、長さを調節する機能を有してもよい。第3の保持部16の長さを調節することにより、ベルト3の第3の保持部16によって保持されている部分とベース12との間隔を調節することができる。これにより、ベルト3のうちの肩に掛けられる環状の部分の周長を調節することが可能となる。
またベルト3は、ベース12と、第1の保持部14及び第2の保持部15との間の隙間に通されて保持される。従って、ベルト3のベース12に対する保持位置は任意に変更することができる。これにより、使用者は、バックル18が肩に当たらないように調節することができる。
実施の形態3.
図18及び図19は実施の形態3に係る電気掃除機を肩掛け形態で使用するときの状態を示す図であり、図18は斜視図、図19は側面図である。実施の形態3に係る電気掃除機1は、ベース12に揺動抑制部材34を有さず、ベルト3に揺動抑制部材35を備える点を除き、実施の形態2に係る電気掃除機1と同一の構成を有している。実施の形態1又は2と同一または相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化又は省略する。
実施の形態3に係る電気掃除機1の揺動抑制部材35は、受け部351と支持部352とを備える。受け部351は、その中央部が、支持部352によってバックル18に取り付けられている。受け部351は樹脂等で構成された板状の部材である。受け部351は、支持部352を中心に回転可能である。受け部351は、回転により、長手方向がベルト3に沿う方向と、ベルト3の周方向に対して垂直になる方向とに切り替えて使用することができる。
図18及び図19には、受け部351を、ベルト3の周方向に対し垂直とした状態が表されている。掃除機本体2が肩掛け形態で使用され、使用者の脇に挟まれた状態において、受け部351を、ベルト3の周方向に対して垂直に突出させることで、受け部351は、使用者の背中と上腕の後方との両方向に当接する。これにより、使用者が姿勢を変えることで掃除機本体2が前方に向かう力を受ける場合にも、受け部351が使用者の背中及び上腕の後方の両方に当接する。従って、上述した実施の形態1及び2に係る電気掃除機1の揺動抑制部材34に比べて、掃除機本体2の前方への移動抑制効果を高くすることができる。
実施の形態4.
図20は実施の形態4に係る電気掃除機1を肩掛け形態で使用する状態を示す斜視図である。実施の形態4の電気掃除機1は、揺動抑制部材36を更に備える点を除き、実施の形態3の電気掃除機1と同一の構成を有している。実施の形態1〜3と同一又は相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化又は省略する。
揺動抑制部材36は、紐体361、上側フック362、下側フック363、及び、長さ調節部364を備えている。上側フック362及び下側フック363は、紐体361の端部にそれぞれ接続されている。上側フック362及び下側フック363は、2つの保持部14、15と着脱することができる。紐体361は長さ調節部364内に、その一部が収納されている。長さ調節部364は、図示しない固定手段及び解除手段を備え、これにより紐体361の長さを調節することができる。
使用者は、電気掃除機1を肩掛け形態で使用する場合、まず、上側フック362を第2の保持部15から取り外した状態とし、下側フック363を第1の保持部14に取り付けた状態として、ベルト3を肩に掛ける。次に、紐体361を、腰を経由させて、ベルト3を掛けていない側の肩の上に回す。そして、上側フック362を、第2の保持部15に取り付ける。このとき、紐体361にたるみが生じない程度に、紐体361の長さを、長さ調節部364によって予め調節しておくことが望ましい。
揺動抑制部材36が、使用者の腰から肩に回された状態にすることにより、使用者が前にかがんだ姿勢になっても、掃除機本体2の前方への移動が抑制される。したがって、本実施の形態4に係る電気掃除機1によれば、肩掛け形態での清掃作業で使用者が姿勢を変更する場合にも、揺動抑制部材35と揺動抑制部材36とによって、掃除機本体2の揺動を効果的に抑制することができ、清掃作業を容易にすることができる。
実施の形態5.
図21及び図22は、実施の形態5に係る電気掃除機1の肩掛け形態での使用状態を示す図であり、図21及び図22は斜視図、図23は肩掛け形態において左右となる方向に対して垂直な断面を模式的に示す図である。実施の形態5に係る電気掃除機1は、揺動抑制部材34に替えて揺動抑制部材46を有する点、集塵部4に替えて集塵部47を有する点を除き、実施の形態2に係る電気掃除機1と同一の構成を有している。実施の形態1〜4に係る電気掃除機と同一または相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化および省略する。
揺動抑制部材46は、受け部461と支持部462によって構成されている。支持部462は、受け部461の長手方向の接続管6に近い側の端部を、回転可能な状態でベース12に支持する。受け部461は例えば樹脂により形成された部材であり、ベース12側に膨らむように湾曲した板状の部材である。
図21には、受け部461が収納された状態が表されている。図21に示されるように、受け部461は、収納時には、長手方向がベース12の長手方向に沿った状態となる。受け部461は支持部462を中心に時計回りと反時計回りとの両方向に約90°回動可能に構成されている。図22には、受け部461を反時計回りに約90°回動させた状態が表されている。電気掃除機1の肩掛け形態での使用に際し、受け部461を使用する場合、図22に示されるように、受け部461は、長手方向に対し垂直な方向に配置され、先端部が掃除機本体2の側面よりも突き出た状態とされる。
図23は、掃除機本体2の接続管6が使用者の下前方に向くようにして、電気掃除機1を肩掛け形態で装着した状態を表している。このように装着すると、掃除機本体2は使用者の上腕の後側に当接する。また、掃除機本体2の重心Gが肩より後方に位置するため、掃除機本体2は上腕の後側に押し当てられて安定的に使用することができる。また、このとき、受け部461をベース12より外側に張り出した使用時の状態とすることで、受け部461を上腕の後側に当接することができる。受け部461が湾曲形状に形成されていることで、上腕後部と受け部461との当接面積を広く確保することができる。これにより掃除機本体2を上腕から外れにくい状態とすることができる。これにより、使用者は、清掃作業中の動作が大きくなる場合にも、良好な使い勝手で電気掃除機1を使用することができる。
また、本実施の形態に係る電気掃除機1では、図21〜図23に示されるように、第1の保持部14と第2の保持部15との間において、ベルト3を2枚重ねた状態で保持している。このように保持する場合、バックル18は、ベルト3の外側(即ち、掃除機本体2とは反対側)に位置するようにして、滑り止め20はベルト3の内側(即ち、掃除機本体2に対向する側)となるように配置する。図21〜図23に示されるベルト3を重ねた形態と、図17に示されるような環状にしたベルト3の内側に肩を通す形態とを使用可能にするため、滑り止め20が第1の保持部14及び第2の保持部15の一方を通過して移動できる構成とするか、滑り止め20をベルト3から着脱可能な構成とする。
本実施の形態に係る電気掃除機1の集塵部47は、サイクロン集塵器である。集塵部47は、集塵ケース471とフィルター部472とを備えている。集塵ケース471は、フィルター部472の端部に設けられた隔壁473によって、分離旋回部474と塵埃捕集部475とに分割されている。分離旋回部474の側面には開口476が備えられている。開口476は風路477を介して吸込口7に連通している。分離旋回部474には側面に細孔を備えた円筒フィルター478が備えられている。円筒フィルター478の下流には、HEPAフィルター479が備えられている。フィルター部472は、隔壁473、円筒フィルター478、及び、HEPAフィルター479が一体となって形成されたものである。集塵ケース471とフィルター部472とは、掃除機本体2から取り外すことができ、それぞれ個別に清掃することが可能となっている。
電動送風機5が駆動されると、吸込口7から、風路477を経由して開口476に含塵空気が吸引され、分離旋回部474で旋回される。その結果、含塵空気中の塵埃は遠心力により分離旋回部474の壁面側に分離され、塵埃捕集部475に移動して滞留する。分離旋回部474で分離しきれずに円筒フィルター478を通過した微細塵はHEPAフィルター479で捕集される。HEPAフィルター479を通過する清浄空気は電動送風機5を通過して排気口8から送出される。
本実施の形態に係る電気掃除機1のように集塵部47をサイクロン集塵器である場合、塵埃捕集部475に捕集された塵埃が吸込口7から下方に落下することはない。また、図23に示されるように、接続管6が下前方に向く状態で保持することで、塵埃捕集部475が、分離旋回部474より下方側に位置する。これにより捕集された塵埃の塵埃捕集部475外への移動が抑制され、衛生的に電気掃除機1を保持して使用することができる。
また、接続管6が下前方に向く構成では、ホース21の掃除機本体2との連結位置が低くなるため、掃除作業においてホース21先端のハンドルノズル22の操作負荷が小さくなり、使い勝手が向上する。
実施の形態6.
図24〜図26は実施の形態6に係る肩掛け形態での電気掃除機1の使用状態を示す図であり、図24及び図25は斜視図、図26は肩掛け形態での使用時における左右方向に垂直な断面を模式的に示す図である。実施の形態6に係る電気掃除機1は、揺動抑制部材46に替えて、揺動抑制部材48を有する点を除き、実施の形態5と同一の構成を有している。実施の形態1〜5と同一または相当する部分については、同じ符号を付して説明を簡略化又は省略する。
本実施の形態に係る電気掃除機1は、ベース12に揺動抑制部材48を備えている。図24〜図26に示されるように、揺動抑制部材48は、受け部481とヒンジ482とを備える。受け部481は樹脂等の材料で形成された部材である。受け部481は、湾曲した板状の部材であり、受け部481が収納された状態において、受け部481の長手方向に垂直な断面の中央部がベース12とは反対側に膨らんだ形状となっている。ヒンジ482は、ベース12に固定され、受け部481を回動可能に支持する支持部である。ヒンジ482は、長手方向の一辺側が、ベース12の長手方向の一辺側に沿うように固定されている。
図24に示されるように、受け部481は、ベース12の保持面に対向するように折り畳んで収納することができる。電気掃除機1を腰巻き形態で使用する場合には、受け部481を収納した状態で使用する。これにより、受け部481が使用者に当たることはなく、受け部481が清掃作業の邪魔になることはない。
一方、電気掃除機1を肩掛け形態で使用する場合、図25及び図26に示されるように、受け部481を、ヒンジ482を軸として、ベース12の外側に180°回転させた位置に係止する。受け部481は、この状態でベルト3側の面が凹むように形成されている。
電気掃除機1を、掃除機本体2の接続管6が下前方に向くように装着して肩掛け形態で使用する場合、掃除機本体2は使用者の上腕の後側に当接する。このとき掃除機本体2の重心Gは、肩より後方に位置する。従って、掃除機本体2は、使用者の上腕の後側に押し当てられて安定する。このとき受け部481は、ベース12より外側に張り出され、上腕の後側に当接する。従って、掃除機本体2が上腕から外れにくくなる。受け部481は湾曲して形成されている。従って、受け部481の上腕への当接面積を広くとることができ、上腕にかかる圧力を分散することができると共に、受け部481が、上腕から外れにくくなり、清掃作業中の動作が大きく変化する場合にも、良好な使い勝手で電気掃除機1を使用することができる。
なお、揺動抑制部材48は、受け部481の上腕と当接する部分に、受け部481よりも軟質な材料で形成された部材を配置した構成としてもよい。また、揺動抑制部材48はベース12の片側にのみ備えられているが、両側に備えられた構成であってもよい。また、揺動抑制部材48を、ボルト等により、左右に着脱可能な構成とし、使用者が左右何れかを選択して取り付けられる構成としてもよい。
以上の実施の形態1〜6において説明した構成は、互いに組み合わせて用いることができる。例えば、実施の形態2の第3の保持部16は、実施の形態1の電気掃除機1に追加することができる。また、例えば、実施の形態2のバックル18は、実施の形態1の電気掃除機1に追加することができる。また、例えば、実施の形態3、4の、ベルト3側に揺動抑制部材を配置する構成を、実施の形態1、2、及び5に適用することができる。また、実施の形態4の揺動抑制部材36を、他の実施の形態の電気掃除機1に追加することができる。