JP2021171014A - 幹細胞の分離方法ならびに培養および分化誘導方法 - Google Patents

幹細胞の分離方法ならびに培養および分化誘導方法 Download PDF

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Abstract

【課題】培養肉の生産のために有用となりうる筋肉組織由来の増殖性細胞を効率よく分離する方法、およびそのような方法によって分離することができる細胞集団を提供する。【解決手段】鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞群を、非鯨偶蹄目動物の免疫原を用いて作製された特定のモノクローナル抗体と接触させること、およびそのモノクローナル抗体に結合した細胞を分離することを含む、細胞の分離方法。【選択図】図3

Description

本開示は、幹細胞の分離方法ならびに培養および分化誘導方法に関する。より具体的には、本開示は、食肉の製造のために有用となりうる幹細胞の分離方法ならびに培養および分化誘導方法に関する。
世界的にみると、食肉の消費量は急激に増加している。食肉は重要なタンパク質源であり多くの人に好まれる食品である一方、食肉を生産するための畜産活動には温室効果ガスの排出、感染症の発生等の問題も付随している。また、動物愛護の観点、宗教上の理由、健康上の理由等に基づいて、動物から生産される食肉の消費を減らすあるいは完全に排除する人々も多数存在する。
動物から生産される食肉に代わる代替品として、植物をベースとする「肉」、特にダイズをベースとするソイミートが既に一般的になっている。しかしながら、風味や食感という点では植物肉は本物の食肉を模倣しきることはできていない。
より近年になって、培養肉という概念が発達してきた。培養肉は、動物の体細胞を体外で培養して、食用の組織塊としたものである。培養肉は、本物の動物細胞からできていながら動物の飼育も殺生も必要としない、画期的な新食品を提供しうるものである。これまで開発されてきた培養肉の典型的な欠点としては、美味しくないこと(適度に脂肪が混じっている本物の肉とは異なり、培養肉は通常赤身すなわち筋組織だけからなる)、遺伝子操作を伴う(あるいは伴う可能性を想起させる)ため社会的抵抗があること、生産コストおよび商品価格が高いこと、等が挙げられる。
通常食肉を形成する骨格筋は筋繊維から主に構成されるが、その筋繊維は、未分化幹細胞から筋芽細胞への分化、筋芽細胞から多核の筋管細胞への融合、および筋管細胞から筋繊維への発達を少なくとも含み得る多彩な発生段階を経て生じるものである。実際に食されるのは筋繊維であっても、筋繊維自体は細胞分裂をしないため、培養肉の産業的生産のためにはより初期の発生段階の筋肉系統細胞を出発材料として採取することが重要になりうる。
非特許文献1は、CD31,CD45,CD56,CD29というマーカーの組合せに基づいて、筋芽細胞へ分化可能な筋前駆細胞(筋サテライト細胞)をウシの筋組織から分離したことを記載している。具体的には、非特許文献1は、抗ヒツジCD31抗体(BIO−RAD社、カタログ番号MCA1097F、クローンCO.3E1D4のモノクローナル抗体)および抗ヒツジCD45抗体(BIO−RAD社、カタログ番号MCA2220F、クローン1.11.32のモノクローナル抗体)によるネガティブセレクションに加えて、抗ヒトCD56抗体(BD社、カタログ番号335826、クローンNCAM16.2のモノクローナル抗体)および抗ヒトCD29抗体(BioLegend社、カタログ番号303008、クローンTS2/16のモノクローナル抗体)によるポジティブセレクションを組み合わせて、ウシの筋組織から細胞群を分離している。
培養肉を生産するためには、必ずしも、筋肉の発生系統に本来的に属する細胞を出発材料としたり、本来的な筋肉の発生過程を経たりする必要はないことが理解される。例えば、非特許文献2は人工多能性幹(iPS)細胞から筋細胞を分化させることを記載しており、理論上どんな体細胞でもいったん遺伝子操作でiPS細胞にリプログラミングすれば筋肉細胞に分化させ得ると考えられる。
Scientific Reports (2018) 8:10808 Stem Cell Research 25 (2017) 98-106
本開示は、培養肉の生産のために有用となりうる筋肉組織由来の増殖性細胞を効率よく分離する方法、およびそのような方法によって分離することができる細胞集団を提供する。
本開示は以下の実施形態を含む。
[1]
鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞群を、クローンHa2/5、クローンIM7、またはクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体と接触させること、および
前記モノクローナル抗体に結合した幹細胞を分離すること
を含む、幹細胞の分離方法。
[2]
前記鯨偶蹄目動物は、ウシ、ブタ、またはヒツジである、[1]に記載の方法。
[3]
フローサイトメトリーを用いた細胞ソーティングによって前記分離が行われる、[1]または[2]に記載の方法。
[4]
[1]〜[3]のいずれか一項に記載の方法により分離された幹細胞を、フィブロネクチンでコーティングされた培養容器中で増殖させることを含む、幹細胞の培養方法。
[5]
[1]〜[3]のいずれか一項に記載の方法により分離された幹細胞を、ウマ血清を含む培地中で培養することを含む、幹細胞から筋芽細胞および/または筋肉への分化誘導方法。
[6]
[1]〜[3]のいずれか一項に記載の方法により分離された幹細胞を、脂肪酸を含む培地中で培養することを含む、幹細胞から脂肪細胞への分化誘導方法。
[7]
鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞群を、クローンHa2/5、クローンIM7、またはクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体と接触させること、および
前記モノクローナル抗体に結合した幹細胞を分離すること
を含む、細胞の分離方法によって分離された細胞集団。
[8]
(1)筋芽細胞および/または筋肉へ分化する能力と
(2)脂肪細胞へ分化する能力と
(3)湾曲底の培養容器中で培養された場合に三次元的な組織塊であるオルガノイドを形成する能力と
を備える、鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞集団。
本開示の実施形態によれば、鯨偶蹄目動物の筋肉組織から、増殖能力を持たない細胞を効率的に排除すること、すなわち増殖能力を持つ少数の細胞を効率的に純化することができる。
本開示の実施形態によれば、例えば筋肉系細胞と脂肪系細胞を別個に分離したり、多数の分離手段を組み合わせて使用したりする代わりに、少数の(最少1回の)シンプルな分離工程で、両系譜に分化可能な幹細胞を取得することができるため、比較的短時間・低コストで、本物の食肉により近い培養肉を生産するための材料が得られる。
本開示の実施形態により分離される細胞は、筋肉系と脂肪系の両方への分化能を有するだけでなく、著しく高い効率で増殖させることができ、三次元的組織塊(オルガノイド)へと自己組織化することもできる。従って、培養肉という新しい産業分野に主要な貢献をし得るものである。
図1は、ウシの筋肉組織由来細胞と交差反応しうる抗体をフローサイトメトリーでスクリーニングした実験のデータを示す。 図2のAは、Ha2/5抗体、IM7抗体、およびCH3A4A7抗体を用いたフローサイトメトリーのデータ(下)、およびそれぞれの抗体でソーティングされた陽性画分を固形培地上に播種し培養することによって形成されたコロニーの写真(上)を示す。コロニーはクリスタルバイオレットで染色されている。右端は、ソーティングする前の細胞群すなわち全生細胞群を播種し培養した場合のコロニー形成を示している(播種細胞数が2桁多いことに注意)。図2のBは、非コーティングのプレートで培養する場合と比べて、フィブロネクチンでコーティングされたプレートでの培養によって食肉幹細胞の増殖効率が劇的に上昇することを示すデータである。 図3は、Ha2/5陽性細胞から分化された筋肉系細胞(左)および脂肪系細胞(右)を示す。 図4は、ウシ、ブタ、ヒツジ組織からの食肉幹細胞の分離を示す。図4のAは、Ha2/5抗体を用いたフローサイトメトリーのデータであり、陽性細胞群を枠で囲って示している。図4のBはHa2/5陽性ブタ細胞から筋肉系細胞への分化を示す。 図5は、食肉幹細胞がオルガノイドを形成する様子を示す。
一側面において、本開示は、鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞群を、クローンHa2/5のモノクローナル抗体(以下、Ha2/5抗体ともいう)、クローンIM7のモノクローナル抗体(以下、IM7抗体ともいう)、またはクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体(以下、CH3A4A7抗体ともいう)と接触させること、およびそのモノクローナル抗体に結合した幹細胞を分離することを含む、幹細胞の分離方法を提供する。本開示においてこのような文脈における「分離」という用語は、抗体に結合する細胞を元の細胞群から選択的に取り出すことによって細胞集団を単離することを意味する。
鯨偶蹄目動物は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、シカ、クジラ、ブタ、イノシシ、ラクダ等が含まれ、本実施形態はこれらいずれの動物にも適用できるが、食用にされる頻度が高いウシ、ヒツジ、ブタが特に好適である。
筋肉組織とは、動物の体のうち通常の食用に供される部分を意味し、精肉店で販売されるいわゆる食肉は筋肉組織である。筋肉組織は通常、大部分が筋肉細胞(特に、骨格筋細胞)からなるが、そのほかにも少なくとも脂肪細胞と幹細胞を含み、さらに血管細胞、血液細胞、神経細胞等も含み得ることが理解される。本実施形態の方法により、筋肉組織から、微量要素である幹細胞を分離することができる。
本実施形態の方法では、筋肉組織由来の細胞群が、上記抗体に接触される。筋肉組織由来の細胞群とは、筋肉組織を構成する細胞そのものの群を意味する。例えば、筋肉組織を構成する細胞を人工多能性幹細胞にリプログラミングして得られる細胞や、それをさらに分化させて得られる細胞は、ここでいう「筋肉組織由来の細胞」には含まれない。筋肉組織由来の細胞群は、個々の細胞にばらした状態で好ましく提供されるが、例えばコラゲナーゼ処理などを利用して筋肉組織塊を個々の細胞にばらす技術は当業者によく知られている。
本実施形態における筋肉組織由来の細胞群は、遺伝子操作された細胞を含んでいてもよいが、本実施形態において遺伝子操作は必須ではなく、遺伝子操作された細胞を含まないことがより好ましい。遺伝子操作の例としては、染色体ゲノムの遺伝子配列を改変または削除すること、染色体ゲノム中に外部からの遺伝子配列を挿入すること、および、ベクターを介して外部からの遺伝子配列を、染色体ゲノムとは別に、細胞に導入することが挙げられる。
クローンHa2/5のモノクローナル抗体は、クローンHa2/5のハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体である。このクローンHa2/5のモノクローナル抗体は複数の会社から市販されており、例えばBD社(あるいはBD Biosciences社もしくは日本ベクトン・ディッキンソン株式会社;以下同じ)(カタログ番号562154、555003等)、またはFisher Scientific社から入手可能である。このHa2/5抗体は元々、げっ歯類(ラット)のCD29を免疫原として、ハムスター宿主から作製された抗体である。しかしながら、抗CD29抗体であれば何でもよいわけではなく、発明者らは、試験された複数の抗CD29抗体のうちHa2/5抗体のみが本実施形態で使用可能であることを見出した。
クローンIM7のモノクローナル抗体は、クローンIM7のハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体である。このクローンIM7のモノクローナル抗体は複数の会社から市販されており、例えばBD社(カタログ番号559250、550538等)、アブカム社、フナコシ社等から入手可能である。IM7抗体は、マウスのCD44を免疫原として、ラット宿主から作製された抗体である。
クローンCH3A4A7のモノクローナル抗体は、クローンCH3A4A7のハイブリドーマから産生されるモノクローナル抗体である。このクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体は複数の会社から市販されており、例えばBD社(カタログ番号563660、563657等)、BioLegend社、Miltenyi Biotec社等から入手可能である。CH3A4A7抗体は、ヒトのCD344を免疫原として、マウス宿主から作製された抗体である。
上記のうち、Ha2/5抗体とIM7抗体は、非ヒト免疫原、特にげっ歯類免疫原を使用して作製された抗体であるという点で共通している。
細胞群に抗体を接触させることは、通常細胞懸濁液中で行われるが、その液は、細胞を生存状態で維持でき抗体結合を妨げない組成のものを当業者が通常の知識に基づいて適宜選択あるいは調製することができる。例えば、HBSS(ハンクス平衡塩溶液)は細胞群に抗体を接触させる工程に適した液である。一実施形態では、細胞群に抗体を接触させる工程における細胞懸濁液は、細胞と上記抗体以外に実質的にタンパク質を含まない。当該工程における細胞懸濁液中の細胞および抗体の濃度も、当業者が通常の知識に基づいて適宜選択することができる。一例では、細胞懸濁液1mLあたり0.05〜10μgあるいは0.2〜5μgの抗体が加えられる。一例では、細胞懸濁液1mLあたり10〜10細胞が含まれる。
細胞群の中から、抗体に特異的に結合した細胞を分離する複数の手法が当業者に知られており、そのいずれも本実施形態で使用され得る。例えば、直接的または間接的に磁性標識された抗体(例えば磁性ビーズに結合された抗体)を使用して、その抗体に結合した細胞を、磁気で引き寄せるもしくは結合させることにより、非結合細胞から分離することができる。あるいは、蛍光標識された抗体を使用して、その抗体に結合した細胞を、フローサイトメトリーを用いた細胞ソーティングにより非結合細胞から分離することができ、この手法が最も好適である。この目的における標識に適した蛍光物質は当業者に多数知られている。蛍光物質の例としては、PE(フィコエリスリン)、APC(アロフィコシアニン)、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)等が挙げられるがこれらに限定されない。これらの蛍光標識された抗体は市販されているし、当業者であれば通常の知識に基づいて所与の抗体を適切な蛍光分子で標識することができる。
本実施形態においては、Ha2/5抗体、IM7抗体、もしくはCH3A4A7抗体による分離を行う前、後、および/またはその分離と同時に、これら以外の抗体による細胞群のポジティブセレクションまたはネガティブセレクションを行わなくともよい。つまり、Ha2/5抗体、IM7抗体、またはCH3A4A7抗体による分離が、筋肉組織由来の生細胞群が受ける最初の、最後の、および/または唯一の抗体に基づくセレクション(細胞純化)であってもよい。本実施形態の方法は、単一種類の抗体の使用によって効率よく、培養肉産生に適した幹細胞を分離することができる。具体的な一実施形態において、本方法は、抗CD31抗体によるネガティブセレクション、抗CD45抗体によるネガティブセレクション、抗CD56抗体によるポジティブセレクション、およびHa2/5以外の抗CD29抗体によるポジティブセレクションのうちの1つ以上またはその全てを伴わない。
本実施形態において上記のように分離された細胞集団には、コロニー形成能(自己複製能)を示す細胞が富化(enrich)されて含まれている。すなわち、分離された複数の細胞の少なくとも一部は、コロニー形成能を示し、その割合は、分離前の細胞集団と比べて有意に上昇している。例えば、分離された複数の細胞の0.05%以上がコロニー形成能を示し得、好ましくは0.1%以上、より好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1%以上がコロニー形成能を示す。これらのコロニー形成性細胞はさらに、他の種類の細胞への分化能も示し、従って幹細胞であると考えられる。分離された細胞集団には、コロニー形成能を有さない細胞も多数含まれ得るが、それらは、分離後の培養で増殖しないことから実質的に排除され得ると理解される。細胞集団の分離後に、コロニーを形成させ、個々のコロニーを単離することにより、細胞集団のさらなる純化を行うこともできる。このように個々のコロニーを単離するクローン純化をせずに細胞集団を継代培養することもできる。
分離された細胞の培養のために、哺乳類細胞の培養に適した培地を当業者が適宜選択あるいは作製することができる。ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)は好適な培地の一例である。培地は、例えば5〜30%または10〜25%(v/v)のウシ胎児血清を含み得る。特定の実施形態では、培地は、血清を含まないか、またはウシ胎児血清以外の血清を含まない。培地は、例えば0.5〜20ng/mLまたは2〜10ng/mLのbFGFを含み得る。
本実施形態の方法は、上記のように分離された幹細胞(あるいは幹細胞を含む細胞集団)を、フィブロネクチンでコーティングされた培養容器中で培養して増殖させることをさらに含んでもよい。すなわち一側面において本開示は、上記のように分離された幹細胞を、フィブロネクチンでコーティングされた培養容器中で培養することを含む、幹細胞の培養方法を提供する。フィブロネクチンでコーティングされた培養容器を用いることにより、非コーティング培養容器と比べて増殖効率が著しく向上し、その向上率は2万倍を超えることもある。上記のように分離された幹細胞を、フィブロネクチンでコーティングされた培養容器で培養する場合、例えば第0日目を細胞1個とすると、第21日目にはそれが例えば1.0×10個超、好ましくは1.0×10個超、より好ましくは1.0×10個超、特に好ましくは2.7×10個超にまで増殖し得る。1つの試算によると、本実施形態により100gの筋肉組織から21日間で32kgの食肉幹細胞を製造することができ、これは平均的な日本人が1年間に食べる肉の量(30kg)にほぼ匹敵する。
培養容器をフィブロネクチンでコーティングすることは、例えばフィブロネクチンの水溶液(例えば50μg/mL程度)を培養容器の表面上に(例えば1時間以上)静置するだけで達成できる。コーティング後には残余のフィブロネクチン水溶液は取り除かれる。
一実施形態において本方法は、上記のように分離され任意で増殖された幹細胞を、湾曲底を有する培養容器中で培養することにより、オルガノイドを形成させることをさらに含んでもよい。オルガノイドは、インビトロで細胞の自己組織化により形成される三次元的な組織塊あるいは臓器である。本実施形態の幹細胞は湾曲底を有する培養容器中で培養されると自発的にオルガノイドを形成することができる。湾曲底とは、例えばU字型底のように、略半球状に凹に湾曲した形状の底を包含する。この目的のための湾曲底はフィブロネクチンでコーティングされていないことが好ましい。湾曲底の直径は例えば0.2〜10mmであり得る。湾曲部分の直径と深さとの比が5:1〜1:5であることが好ましく、3:1〜1:3であることがより好ましい。オルガノイドは、人工的に凝集させた細胞塊ではなく細胞が自発的に形成する自己組織であるから、より自然の食肉に近いテクスチャおよび細胞の混ざり具合を提供することができる。
本実施形態の方法は、上記のように分離され任意で増殖および/またはオルガノイド化された幹細胞を、筋芽細胞および/または筋肉(筋繊維)に分化させることをさらに含んでもよい。この分化は、上記のように分離された幹細胞を培養する培地にウマ血清を添加することにより効率的に誘導することができる。すなわち一側面において本開示は、上記のように分離された幹細胞を、ウマ血清を含む培地中で培養することを含む、幹細胞から筋芽細胞および/または筋肉への分化誘導方法を提供する。培地中のウマ血清の濃度は、例えば0.5〜20%、または2〜10%(v/v)であり得る。幹細胞の一部がウマ血清の非存在下でも自発的に筋芽細胞および/または筋肉に分化することもあり得、ウシ(胎仔)血清の存在下において、および特にオルガノイドにおいてその傾向が見られる。
あるいは、本実施形態の方法は、上記のように分離され任意で増殖および/またはオルガノイド化された幹細胞を、脂肪細胞に分化させることをさらに含んでもよい。この分化は、上記のように分離された幹細胞を培養する培地に脂肪酸を添加することにより誘導することができる。すなわち一側面において本開示は、上記のように分離された幹細胞を、脂肪酸を含む培地中で培養することを含む、幹細胞から脂肪細胞への分化誘導方法を提供する。脂肪酸は、飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸であり得、その炭素数は例えば12〜22、好ましくは16〜20であり得る。具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、パルミトレイン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、アラキジン酸、ミード酸、アラキドン酸、ベヘン酸、およびこれらの組合せが挙げられるが、これらに限定されない。不飽和脂肪酸が好ましく、オレイン酸およびリノレン酸は特に好適な脂肪酸である。培地中の脂肪酸の濃度は、例えば50〜1000μM、100〜800μM、または300〜700μMであり得る。脂肪細胞への分化のための培地は、ウシ胎児血清、bFGF、またはその両方を含まなくてもよい。
別の側面において、本開示は、鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞群を、クローンHa2/5のモノクローナル抗体、クローンIM7のモノクローナル抗体、またはクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体と接触させること、およびそのモノクローナル抗体に結合した幹細胞を分離することを含む細胞の分離方法によって分離される、細胞集団を提供する。この分離方法の詳細については、上述してきた方法の実施形態についての説明がそのまま適用され得る。本開示で記述される細胞集団は、筋肉組織から単離されたインビトロの細胞集団である。さらに別の側面において、本開示は、上記いずれかの細胞集団と上述したようにウマ血清を含む液体培地とを含む組成物を提供する。さらに別の側面において、本開示は、上記いずれかの細胞集団と上述したように脂肪酸を含む液体培地とを含む組成物を提供する。さらに別の側面において、本開示は、オルガノイドの形態をとる上記いずれかの細胞集団を提供する。
上述してきた説明から明らかなように、本開示は、(1)筋芽細胞および/または筋肉へ分化する能力と、(2)脂肪細胞へ分化する能力と、(3)湾曲底の培養容器中で培養された場合に三次元的な組織塊であるオルガノイドを形成する能力とを備える、鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞集団を提供するものである。この細胞集団は、クローンHa2/5のモノクローナル抗体、クローンIM7のモノクローナル抗体、またはクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体での染色について陽性であり得る。このような能力を併せ持った細胞集団の単離は、上記特定の抗体の、これまで認識されていなかった有用性を見出したことに基づいて初めて実現したものである。
上記細胞集団は、クローンCO.3E1D4のモノクローナル抗体によるネガティブセレクション、クローン1.11.32のモノクローナル抗体によるネガティブセレクション、クローンNCAM16.2のモノクローナル抗体によるポジティブセレクション、およびクローンTS2/16のモノクローナル抗体によるポジティブセレクションのうちいずれか1つ以上または全てを受けていなくてもよい。従って上記細胞集団は、クローンCO.3E1D4のモノクローナル抗体での染色について陽性であること、クローン1.11.32のモノクローナル抗体での染色について陽性であること、クローンNCAM16.2のモノクローナル抗体での染色について陰性であること、およびクローンTS2/16のモノクローナル抗体での染色について陰性であることのうちいずれか1つ以上または全てに該当してもよい。
マウスやヒトの組織からの幹細胞分離を記述する文献は比較的多く存在するが、食用にされる動物、特にウシ等の鯨偶蹄目の組織から幹細胞を採取するプロトコールはほとんど確立されていない。以下に記述する実施例では、通常食用に供されるウシ、ブタ等の筋肉組織(食肉)から幹細胞を分離するプロトコールの確立を記述する。このようにして得られる幹細胞を本開示では「食肉幹細胞」とも呼ぶ。
細胞懸濁液の調製
株式会社山梨食肉流通センターおよび東京芝浦臓器株式会社より、屠畜直後の新鮮なウシ筋肉組織を入手した。ブタの筋肉組織は株式会社山梨食肉流通センターおよび有限会社まきば、ヒツジの筋肉組織は有限会社茶路めん羊牧場から入手した。以下、ウシの場合について実験手順を記述するが、他の動物についても同様の手順が用いられる。
以下の工程により、ウシ細胞の懸濁液を得た。
(1)はさみを用いて組織を細かく刻む。典型的には、組織がおよそ30mm以下のサイズの肉片になるようにこの作業を行う。
(2)細断された組織を50mLチューブに分け(チューブ1本あたり10g程度)、組織10gあたり30mLの0.2%コラゲナーゼ水溶液を添加する。
コラゲナーゼ水溶液の組成は以下の通りである。
・主媒体としてのDMEM GlutaMax(ライフテクノロジーズ、#10569010)
・HEPES(ライフテクノロジーズ、#15630−080) 1%
・ペニシリン・ストレプトマイシン(ライフテクノロジーズ、#15140−122) 1%
・コラゲナーゼ(和光純薬、#032−22364) 1g/500mL
・ウシ膵臓由来デオキシリボヌクレアーゼ1(シグマアルドリッチ、#D5025) 0.25%
(3)ローターを使用して転倒混和しながら、37℃で1時間処理する。コラゲナーゼの作用により組織が破砕され、個々の細胞への分離が起こる。
(4)細胞分別用ナイロンメッシュ(PP−60N、共進理工)を用いて、上記工程(3)で得られた混合物から細胞(細胞懸濁液)を絞り出す。
(5)得られた細胞懸濁液を50mLチューブに分け、HBSS(ハンクス平衡塩溶液)(和光純薬、#08408345)で2倍量まで希釈する。
(6)4℃、1800rpm(700g)にて5分間、遠心分離を行う。
(7)上清を捨てる。
(8)細胞ペレットをほぐし、さらにHBSS 10mlを追加して、細胞をプールする。
(9)セルストレイナー(メッシュサイズ100μmのナイロン、FALCON、#CC−352360)を通して、50mLチューブに細胞を回収する。
(10)4℃、310〜630gで5分間、遠心分離を行う。
(11)HBSSで希釈し、細胞懸濁液を得る。
上記のプロトコールを用いて細胞の採取を行った結果、組織100gあたりおよそ2.7x10個の細胞を安定的に得ることができた。また、一般的な細胞凍結溶液を用いて、上記コラゲナーゼ処理を経た細胞を凍結保存した結果、高い生存率(95%以上)で凍結保存を行えることが見出された。
細胞の分離と特性解析
ウシの食肉幹細胞を分離・同定するためには、ウシ細胞と特異的に反応する抗体が必要であると考えられた。しかしながら、ヒト、マウス、またはラットに対する抗体は多数市販されているものの、ウシに対する抗体はほとんど入手することができない。そこで、ヒト、マウス、またはラットに対する抗体をウシ筋肉組織由来の細胞に適用し、交差反応する可能性を検討した。
公的に入手可能な(すなわち市販されている)、246種類の、細胞表面抗原に対するモノクローナル抗体(表1)を用いて、上記で得られたウシ細胞群を染色しフローサイトメーターで解析した(図1)。具体的な手順は下記の通りである。
分注した細胞懸濁液に、それぞれ異なる抗体を添加した。具体的には、細胞懸濁液2mLに対して、濃度0.2mg/mLの抗体を10μL添加した。これらの抗体はすべて、PE、APC等のフローサートメトリー検出用蛍光色素で標識されたものである。これらの試料を、アルミホイルをかけて光を遮った状態にして、4℃で60〜90分間染色を行った。その後、HBSSを添加して試料を希釈し、4℃、310Gにて5分間遠心分離をして、 上清を捨てた。HBSSにヨウ化プロピジウム溶液(シグマアルドリッチ、#P4864)を0.1%添加した溶液を、細胞ペレットに加え、再懸濁させた。この再懸濁試料をフローサイトメーターに適用し、細胞分離を試みた。
Figure 2021171014
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上記表中の抗体をそれぞれ用いて細胞染色し、フローサイトメーター解析により、陽性細胞が得られる抗体の探索を行なった。抗体を加えないネガティブコントロール実験(0%)と比較して、フローサイトメーター解析により陽性と判定された細胞のパーセンテージをその抗体についての反応性(%)と定義した。試験した246種類の抗体は、ウシ細胞に対する反応性が乏しいものと、逆に反応性が高すぎて幹細胞に対する選択性が明らかに低いものとが大部分であったが、32個の抗体については、明らかに特異的な結合が見られ幹細胞に対する選択性を示唆し得る適度な反応プロファイルが観察されたため、これらをさらなる分析のために選抜した。例えばHa2/5抗体による反応性は2〜4%程度であった。これら32個の抗体については、陽性細胞画分をソーティングして回収し(図2A下参照)、コロニー形成能について解析した。コロニー形成能は、1000細胞を播種し培養して、何個のコロニーが形成するかという基準に基づいて定量化した。
上記培養の条件は、具体的には以下の通りである。すなわち、フローサイトメーターにより分離された細胞を、ファイブロネクチンでコーティングされたディッシュに播種し、5%CO雰囲気下37℃で培養した。3〜4日ごとに培地を全量交換した。培地の組成は下記の通りである。
・主媒体としてのDMEM GlutaMax(ライフテクノロジーズ、#10569010)
・ウシ胎児血清(FBS)(ギブコ、#10270106) 20%
・bFGF(リプロセル、#RCHEOT002) 5ng/mL
・ペニシリン/ストレプトマイシン(ライフテクノロジーズ、#15140−122) 1%
・HEPES 10mM
その結果、クローンHa2/5(PE標識またはAlexa Fluor 647標識のハムスター抗ラットCD29、BD社(BD Pharmingen)カタログ番号562154または562153)、IM7(APC標識ラット抗マウスCD44、BD社カタログ番号559250)、およびCH3A4A7(PE標識マウス抗ヒトCD344、BD社カタログ番号563660)の3種類の抗体に関して、ソーティングされた細胞にコロニー形成能が確認された(図2A)。以下、これらの細胞を陽性ウシ細胞とも呼ぶ。特に、クローンHa2/5の抗体については、播種1000細胞あたりコロニー12個という高いコロニー形成率が得られ、この抗体はコロニー形成能すなわち自己複製能を有するウシ細胞を高い特異性をもって分離できることがわかった。
また、これらの陽性ウシ細胞は、フィブロネクチンでコーティングしたディッシュで培養すると、ノンコーティング・ディッシュで培養する場合と比較して増殖能が約2.5万倍にも及ぶほど上昇し得ることが見出された(図2B)。図2Bは、Ha2/5陽性ウシ細胞を播種した当日(Day0)の細胞数を1として、10日後、16日後、21日後の細胞数をプロットしている。この方法により、少なくとも3週間以上にわたって安定的に食肉幹細胞を増殖・維持することができる培養方法が確立され、この方法は従来法を用いた培養と比べて約2.5万倍にも及ぶ効率性を提供し得ると言える。
なお、Ha2/5はラットのCD29を免疫原として作製された抗体であるが、ウシ筋肉組織においてHa2/5抗体が認識している抗原は必ずしもCD29であるとは断定できない。CD29のアミノ酸配列は哺乳類(特に、ヒト、ラット、およびウシ)のあいだできわめて同一性が高いにも関わらず、例えばヒトCD29を免疫原とするクローンTS2/16の抗体は、本実験において明確な陽性反応は示さなかった。なお、非特許文献1では、このクローンTS2/16の抗体を使用した実験が記述されている。非特許文献1の実験では、事前にネガティブセレクションされたCD31、CD45の細胞群に対してソーティングを行っていることから、クローンTS2/16の抗体は、ウシ細胞との反応に関してそのような特定の前提条件を必要とすること、および/またはHa2/5ほどロバストな反応性を有さないこと、および/またはそもそもHa2/5とは違う抗原を認識していること、等の可能性が考えられる。
分化特性の解析
培養増幅したHa2/5陽性ウシ細胞の分化能力の解析を行った。上記組成の培地に5%ウマ血清を添加した筋分化培地を用いて、3〜4日ごとに新鮮な培地に交換しながら培養した結果、5〜14日ほどで筋芽細胞・筋肉への分化が得られた。図3左側は培養開始から1週間程度の写真であり、一部において筋芽細胞の融合および繊維化が見られる。一方、上記組成からウシ胎児血清とbFGFを省いた代わりに500μMのオレイン酸を添加した脂肪分化培地を用いて、3〜4日ごとに新鮮な培地に交換しながら培養した結果、5〜14日ほどで、オイルレッド染色陽性の脂肪顆粒を多数包含した成熟脂肪細胞へと分化した。図3右側は培養開始から1週間程度の写真である。
すなわち、Ha2/5陽性ウシ細胞は、(1)コロニー形成能(自己複製能)と、(2)筋および脂肪という二つの系譜への分化能(多分化能)を備えた幹細胞である。
ウシ以外の鯨偶蹄目動物への適用
ウシ食肉の代わりにブタまたはヒツジの食肉を用い、Ha2/5抗体を用いて上述した実験を繰り返したところ、ブタおよびヒツジでも上記と同様に幹細胞を分離できることが確認された(図4A)。図4Bの写真は、このブタ幹細胞を分化させた結果、一部の筋芽細胞が融合し筋肉繊維化した状態を示している。ヒツジでも同様の結果が得られたが図示はしていない。これらの結果は、本技術が鯨偶蹄目全般に適用可能であることを示している。
オルガノイド形成能
オルガノイドは、インビトロで細胞の半自律的な自己組織化により形成される三次元的な組織塊あるいは臓器である。よりリアルな食肉を製造するためには、オルガノイド形成能の有無が重要となり得る。そこで、単離された細胞集団のオルガノイド形成能を調べた。
具体的には、Ha2/5陽性ウシ細胞を継代培養した後、U字型底のフラスコに1x10個の細胞を播種し、DMEM+GlutaMAX(Gibco,10569−010)中に1%ペニシリン/ストレプトマイシン、10mM HEPES、20%FBS、および5ng/ml bFGFを含む培地中で培養して、タイムラプスにより細胞凝集の様子をモニタリングした。その結果、約24時間のあいだに細胞凝集が起こり、組織塊が形成されることが確認された(図5)。この時点での組織塊の大きさは約500μmであり、細胞播種密度によってオルガノイドの大きさを調節できることも明らかとなった。
考察
本研究で同定された抗体は、ヒト、マウス、またはラットの抗原に対して作製され公的に入手可能なモノクローナル抗体であるが、それぞれ単独で、鯨偶蹄目動物の食用組織から幹細胞を分離することができることが見出された。しかもそのように分離された幹細胞は、筋肉および脂肪の両方に簡便に分化する能力を有し、著しく高い増殖効率で培養することができ、オルガノイド形成能力も有している。これらの結果を合わせて考慮すると、本技術は、これまで見られなかった「脂肪の混じった培養肉」の提供のために極めて有用になることが理解される。

Claims (8)

  1. 鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞群を、クローンHa2/5、クローンIM7、またはクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体と接触させること、および
    前記モノクローナル抗体に結合した幹細胞を分離すること
    を含む、幹細胞の分離方法。
  2. 前記鯨偶蹄目動物は、ウシ、ブタ、またはヒツジである、請求項1に記載の方法。
  3. フローサイトメトリーを用いた細胞ソーティングによって前記分離が行われる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法により分離された幹細胞を、フィブロネクチンでコーティングされた培養容器中で増殖させることを含む、幹細胞の培養方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法により分離された幹細胞を、ウマ血清を含む培地中で培養することを含む、幹細胞から筋芽細胞および/または筋肉への分化誘導方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法により分離された幹細胞を、脂肪酸を含む培地中で培養することを含む、幹細胞から脂肪細胞への分化誘導方法。
  7. 鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞群を、クローンHa2/5、クローンIM7、またはクローンCH3A4A7のモノクローナル抗体と接触させること、および
    前記モノクローナル抗体に結合した幹細胞を分離すること
    を含む、細胞の分離方法によって分離された細胞集団。
  8. (1)筋芽細胞および/または筋肉へ分化する能力と
    (2)脂肪細胞へ分化する能力と
    (3)湾曲底の培養容器中で培養された場合に三次元的な組織塊であるオルガノイドを形成する能力と
    を備える、鯨偶蹄目動物の筋肉組織由来の細胞集団。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114276986A (zh) * 2021-12-30 2022-04-05 广西大学 一种分离纯化水牛原代成肌细胞的方法及其应用
WO2023218789A1 (ja) * 2022-05-09 2023-11-16 凸版印刷株式会社 動物組織から幹細胞を回収する方法

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