JP2021170569A - 磁束制御型可変変圧器 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型で漏洩磁束の影響や制御損失が小さく、連続的に二次電圧を変化することが可能な磁束制御型可変変圧器を提供する。【解決手段】磁束制御型可変変圧器は、第1磁心104、第2磁心105と、第1磁心104と第2磁心105とにそれぞれ磁気結合された第1脚磁心101、第2脚磁心102、及び、第3脚磁心103を備え、第2脚磁心102の磁路が2分割された分割磁路102a、102bを有し、第3脚磁心の磁路中に空隙部Gを有する。第1脚磁心101に一次巻線111が卷回され、第2脚磁心102に二次巻線113が卷回される。第2脚磁心102の分割磁路102a、102bのそれぞれの磁路に第1制御巻線114が卷回され、第1制御巻線114は、一次巻線111に鎖交する磁束によって第1制御巻線114に生じる誘起電圧が打消されるように直列接続されている。【選択図】図1

Description

本発明は、磁束制御型可変変圧器に関する。
近年,太陽光発電を中心とした再生可能エネルギーの導入拡大が進みつつあり、これら再生可能エネルギーの導入拡大によって、特に配電線を中心とした電力系統において、発電出力の変動に伴う系統電圧の変動や,発電出力が電力系統の需要を上回ることで異なる電力潮流(逆潮流)を発生させ、系統電圧の上昇の要因となるなど、電力系統の電力品質低下の要因となっている。このため、電力品質を維持する、低コストで効果的な電圧調整装置が求められている。
電圧調整装置の従来技術として、図12に通常の変圧器の基本構成を示す。この変圧器の基本特性は、一次巻線11、二次巻線12及び磁心13により定まり、一次側と二次側の電圧・電流の関係はほぼ固定である。したがって、従来技術における変圧器による電圧変動への対応は、一次側と二次側の電圧の関係に関わる一次巻線と二次巻線の巻数比を、巻線に設けたタップを機械的な接点を用いて変更する(所謂タップ切換機構)ことにより行ってきた。このため、接点部の磨耗や接触不良、動作機構の動作時間遅れなどに伴う保守・性能上の制約があった。
機械的な接点を有せず、制御電流の調整により二次(負荷)電圧を高速且つ連続的に制御する機能をもつ可変変圧器の従来技術としては、例えば、鎖交磁束制御形変圧器装置(特許文献1)、可変変圧器(特許文献2)、電圧調整変圧器(特許文献3)、あるいは、磁束制御型可変変圧器(特許文献4)などがある。
図13は、本出願人が先に提案した鎖交磁束制御形可変変圧器装置の一例を説明する接続図である。この鎖交磁束制御形可変変圧器装置は、図13に示すように、一次巻線20、二次巻線21、漏洩磁束制御巻線26、磁束制御巻線27及び捩れ方向に90度回転させて接触したU形カットコア22、23並びに捩れ方向に90度回転させて接触したU形カットコア24、25で構成される。なお、U形カットコア22、23及びU形カットコア24、25のような構造を直交磁心と呼ぶ。
この変圧器の二次電圧V2は、一次巻線20による磁束φ1−1、φ1−2の内、二次巻線21と鎖交するφ1−2の値によって決まる。二次巻線に負荷電流I2が流れるとφ1−2と逆方向に磁束φ2が生じ、φ1−2はφ1−1の磁気回路側へシフトして減少し、二次側電圧は低下する。
そこで漏洩磁束制御巻線26に制御電流Ic1を流すとU形カットコアの接触部28が磁気飽和し、φ1−1の磁気回路の磁気抵抗が大きくなることで、φ1−1、φ1−2の磁束配分が変化するので二次側電圧を上昇させることができる。無負荷時の場合にあっては、磁束制御巻線27に制御電流Ic2を流すことによりU形カットコアの接触部29が磁気飽和し、φ1−2の磁気回路の磁気抵抗が大きくなり、φ1−1、φ1−2の磁束配分が変化するので電圧上昇を抑制することができる。
図14は、本出願人が先に提案した可変変圧器の一例を説明する接続図である。この可変変圧器は、磁心32の磁気回路上に一次巻線30と二次巻線31を巻回し、磁心32の磁気回路上の一部には、窓33を設け、窓の2つの辺部に夫々制御巻線34a、34bを巻回した磁束制御回路で構成される。
制御巻線に制御電流Icを流すと、制御巻線の巻数Ncと制御電流Icの積で表わされる起磁力Nc×Ic(アンペアターン)で生じる制御磁束φcによって磁束が通る磁心の一部を磁気飽和させることができ、一次巻線又は二次巻線による磁束の磁気回路の透磁率を低下させ、これにより、変圧器の励磁リアクタンス値が低下するとともに、一次巻線又は二次巻線の漏洩磁束が大きくなり、漏洩リアクタンス値を増加させることができる。
すなわち、励磁リアクタンスを制御することは、等価回路としてみれば、変圧器の一次側に並列に挿入されたリアクタンスの値が制御されることになり遅れ無効電力が制御される。また、一次巻線の漏洩リアクタンスを制御することは、等価回路としてみれば、変圧器の一次側に直列に挿入されたリアクタンスの値が制御されることになり、それによって二次電圧V2が制御される。
また、二次巻線の漏洩リアクタンスを制御することは、等価回路としてみれば、変圧器の二次側に直列に挿入されたリアクタンスの値が制御されることになり、それによって二次電圧V2が制御される。
図15は、電圧調整変圧器の一例を説明する接続図である。この電圧調整変圧器は、積層された閉磁路を形成する二分割された第一、第二の鉄心(磁心)40、41からなる主鉄心と、同様に二分割されたバイパス鉄心42、43と、これらすべてを囲むように巻かれた一次巻線44と、第一、第二の鉄心40、41を囲むように巻かれた二次巻線45と、第一、第二の鉄心40、41に、直列に、且つ互いに逆方向に同一巻数に巻かれた制御巻線46a、46bと、二分割されたバイパス鉄心42、43に、直列に、且つ互いに逆方向に同一巻数に巻かれたバイパス鉄心制御巻線47a、47bから構成される。
制御電流を流さない状態においては、一次巻線44に交流電圧を印加すると、第一、第二の鉄心40、41、バイパス鉄心42、43には磁束φ1、φ2、バイパス磁束φ3、φ4が誘起し、バイパス鉄心42、43によってバイパスした分、バイパス磁束φ3、φ4だけ磁束が減少するため、二次電圧もその比率で低下する。そして、バイパス鉄心制御巻線47a,47bに制御電流Ic2を流すとバイパス鉄心42、43の透磁率が低下して磁気抵抗が増加し、バイパス磁束φ3、φ4が減少するので、二次電圧は上昇する。
また、制御巻線46a,46bに制御電流Ic1を流すと、第一、第二の鉄心40、41の透磁率が低下して磁気抵抗が増加し、バイパス磁束φ3、φ4が増加するので、二次電圧は低下する。すなわち、制御巻線46a,46b又はバイパス鉄心制御巻線47a,47bに制御電流Ic1又はIc2を流すことにより、バイパス磁束量を加減することができ、主鉄心の磁束量が制御でき、したがって二次電圧を可変制御できる。
図16は、磁束制御型可変変圧器の一例を説明する接続図である。この磁束制御型可変変圧器は、一次巻線53に交流の一次電圧V1を印加すると、三脚磁心51の中央脚には磁束φ1が誘起し、外脚それぞれには1/2φ1の磁束が分流する。同様に、三脚磁心52の中央脚には磁束φ2が誘起し、外脚それぞれには1/2φ2の磁束が分流する。制御を行わない場合は、磁束φ1及びφ2は等しくなる。
一方、制御回路より第一制御巻線56a及び第二制御巻線56bに制御電流を流すと、三脚磁心には制御巻線の巻数と制御電流の積で表わされる起磁力(アンペアターン)で生じる制御磁束が三脚磁心の外周部を還流し、磁気抵抗が増加する。制御磁束が還流する磁路は、磁束φ1の磁路と共通磁路であるため、磁束φ1が通りにくくなり、三脚磁心51及び三脚磁心52において、磁束φ1及び磁束φ2の磁束分担が制御される。同様に、制御回路より第三制御巻線57a及び第四制御巻線57bに制御電流を流すと、制御磁束が還流する磁路は、磁束φ2の磁路と共通磁路であるため、磁束φ2が通りにくくなり、三脚磁心51及び三脚磁心52において、磁束φ1及び磁束φ2の磁束分担が制御される。
制御電流により、三脚磁心51及び三脚磁心52における磁束分担が変化すると、二次巻線54と直列に接続した第一の補助巻線55a及び第二の補助巻線55bの誘起電圧が変化する。第一の補助巻線55a及び第二の補助巻線55bに誘起する電圧位相は、互いに逆向きであることから、磁束分担の変化即ち誘起電圧の変化に伴い、直列に接続した二次端子電圧(二次巻線54、第一の補助巻線55a及び第二の補助巻線55bの誘起電圧の和)は制御電流に応じて変化することになる。
すなわち、制御電流の制御により、二次端子電圧を制御することが可能となる。なお、負荷の増減による二次端子電圧の制御も基本的に変わりなく、負荷電流による磁束量の変化のみが影響するため、若干の電圧可変幅の変化に影響するのみである。
特許第3343083号公報 特許第3789285号公報 特開2005−252113号公報 特許第5520613号公報
しかし、上記の鎖交磁束制御形変圧器装置(特許文献1)は、直交磁心構造であるため、磁心構造が複雑となる。また、直交するU形カットコアの磁心接合面において生ずる渦電流発生の対策として、磁心接合面における積層鋼板間の短絡を防止するため、接合面に絶縁フィルムを挿入する必要があり、十分な耐久性を持つ絶縁フィルム材料を確保することは困難となっている。また、絶縁フィルムを介在させると磁気回路の磁気抵抗が増大し、大きなインダクタンスの変化が困難であるため、電圧可変幅が少なくなるという課題がある。
また、上記の可変変圧器(特許文献2)は、二次側の電圧を可変させることが可能であるものの、励磁リアクタンス及び漏洩リアクタンスの制御によるため、二次側の電圧変化のためには、遅れ無効電力の変化が伴い、電力損失の増大や力率低下を生ずる課題があった。また、漏洩リアクタンスの制御により電圧を可変するため、大きな漏洩磁束が生ずることとなり、この漏洩磁束により可変変圧器を収納する周辺部材の過熱や装置損失が増大するという課題があった。
また、上記の電圧調整変圧器(特許文献3)は、二次側の電圧を可変させることが可能であるものの、非制御時においては、バイパス鉄心を通過する磁束によって主鉄心を通過する磁束が減少し、通常の変圧器における二次巻線の巻回数に対して、多くの巻回数が必要となるほか、漏洩インピーダンスの増加に伴い、負荷電流による二次電圧低下が懸念される。また、この対策のために例えば、バイパス鉄心制御巻線に常時制御電流を流すことが必要になり、制御損失が増加するなどの問題も懸念される。
また、上記の磁束制御型可変変圧器(特許文献4)は、二次側の電圧を可変させることが可能であるものの、2つの鉄心と8個の巻線から構成されていることから構成部品が多く、重量が重くなり、鉄損や銅損が増加する傾向にあるほか、組み立て工数も増加し、製造コストが増加する課題があった。
本発明は、これらの実情に鑑みてなされたものであり、小型で漏洩磁束の影響や制御損失が小さく、連続的に二次電圧を変化させることが可能な磁束制御型可変変圧器を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するために、請求項1の技術手段は、磁束制御型可変変圧器であって、第1磁心、第2磁心と、前記第1磁心と前記第2磁心とにそれぞれ磁気結合された第1脚磁心、第2脚磁心、及び、第3脚磁心を備え、前記第2脚磁心の磁路が2分割された分割磁路部を有し、前記第3脚磁心の磁路中に空隙部を有するコアと、少なくとも前記第1脚磁心に卷回された一次巻線と、少なくとも前記第2脚磁心に卷回された二次巻線と、前記第2脚磁心の前記分割磁路部のそれぞれの磁路に卷回された第1制御巻線を備え、該第1制御巻線が、前記一次巻線に鎖交する磁束によって前記第1制御巻線に生じる誘起電圧が打消されるように直列接続されて第1直流電源回路に接続され、前記第1制御巻線に直流制御電流を流して、前記分割磁路部で形成される閉磁路に制御磁束を還流させ、前記磁束が通る前記第2脚磁心の磁路の一部を飽和させて、前記第2脚磁心の磁路の磁気抵抗を制御するとともに、前記第3脚磁心に前記磁束の一部を分流させることを特徴とするものである。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記第1脚磁心に前記二次巻線が卷回され、前記第2脚磁心に卷回された前記二次巻線と直列接続されていることを特徴とするものである。
第3の技術手段は、第1又は第2の技術手段において、前記分割磁路部の任意の箇所に楔形の空隙を設けたことを特徴とするものである。
第4の技術手段は、第1から第3のいずれか1の技術手段において、前記第1磁心と前記第2磁心にそれぞれ磁気結合された第4脚磁心と第5脚磁心、及び、前記第4脚磁心に卷回された第2の一次巻線をさらに有し、前記第4脚磁心に卷回された前記第2の一次巻線と前記第1脚磁心に卷回された前記一次巻線とが直列接続され、前記第5脚磁心の磁路中に空隙部を有し、前記第2脚磁心に対して、前記第1脚磁心と前記第4脚磁心、及び、前記第3脚磁心と前記第5脚磁心とがそれぞれ対称となる位置に配置されていることを特徴とするものである。
第5の技術手段は、第1から第3のいずれか1の技術手段において、前記第1磁心と前記第2磁心にそれぞれ磁気結合された第4脚磁心をさらに有し、該第4脚磁心の磁路が2分割された第2分割磁路部を有し、前記第4脚磁心に卷回された第2の二次巻線と前記第2脚磁心に卷回された前記二次巻線とが直列接続され、前記第4脚磁心の前記第2分割磁路部のそれぞれの磁路に卷回された第2制御巻線を備え、該第2制御巻線が、前記一次巻線に鎖交する前記磁束によって前記第2制御巻線に生じる誘起電圧が打消されるように直列接続されて第2直流電源回路に接続され、前記第2制御巻線に直流制御電流を流して、前記第2分割磁路部で形成される閉磁路に制御磁束を還流し、前記磁束が通る前記第4脚磁心の磁路の一部を飽和させて、前記第4脚磁心の磁路の磁気抵抗を制御するとともに、前記第3脚磁心に前記磁束の一部を分流させることを特徴とするものである。
第6の技術手段は、第5の技術手段において、前記第1磁心と前記第2磁心にそれぞれ磁気結合された第5脚磁心をさらに有し、該第5脚磁心の磁路中に空隙部を有することを特徴とするものである。
本発明によれば、小型で漏洩磁束の影響や制御損失が小さく、連続的に二次電圧を変化させることが可能な磁束制御型可変変圧器を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。 図1に示す磁束制御型可変変圧器における動作を説明するための図である。 図1に示す磁束制御型可変変圧器の制御特性例を示す図である。 図1に示す磁束制御型可変変圧器の変形例を示す図である。 図1に示す磁束制御型可変変圧器の変形例を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。 本発明の第6の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。 本発明の第7の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。 従来の変圧器の一例を示す回路図である。 従来例の鎖交磁束制御形変圧器装置を示す接続図である。 従来例の可変変圧器を示す接続図である。 従来例の電圧調整変圧器を示す接続図である。 従来例の磁束制御形可変変圧器を示す接続図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の磁束制御型可変変圧器に係る好適な実施形態について説明する。以下の説明において、異なる図面においても同じ符号を付した構成は同様のものであるとして、その説明を省略する場合がある。なお、本発明はこれらの実施形態での例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された事項の範囲内及び均等の範囲内におけるすべての変更を含む。また、複数の実施形態について組み合わせが可能である限り、本発明は任意の実施形態を組み合わせたものを含む。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図であり、図1(A)は磁気回路及び巻線構成を示しており、図1(B)は、図1(A)に示した構成回路の可変変圧器部分の等価回路を示している。
図1(A)に示すように、本実施形態は、単相回路の一実施例を示したものであり、磁束制御型可変変圧器100Aは、第1磁心104、第2磁心105と、第1磁心104と第2磁心105とにそれぞれ両端部で磁気結合された第1脚磁心101、第2脚磁心102、及び、第3脚磁心103を有するコアを備えている。磁束制御型可変変圧器100Aのコアは、一般的には三脚磁心とも呼ばれる構造を有している。そして、第2脚磁心102は、窓120によって磁路が2分割された分割磁路102a、102bからなる分割磁路部を有している。また、第3脚磁心103は、磁路の途中に空隙部Gを有している。
本実施形態の第1脚磁心101には、一次巻線111と二次巻線112が卷回され、第2脚磁心102には、二次巻線113が卷回されている。一次巻線111には交流の一次電圧Vが印加される。二次巻線112と113とは直列接続されており、両端が負荷に接続されている。本実施形態では、一次巻線111と二次巻線112,113は、絶縁変圧器と同等の構造となっている。第2脚磁心102の分割磁路102a、102bのそれぞれには、制御巻線114aと114bからなる制御巻線114が卷回されている。制御巻線114aと114bには、一次巻線111を流れる電流によって一次巻線111に鎖交する磁束が変化した際に誘起電圧が発生するが、両者の誘起電圧が打消されるように直列に接続されて、第1直流電源回路110に接続されている。したがって、制御巻線114には、一次巻線111に鎖交する磁束による誘起電圧が加わることはない。制御巻線114は、本発明の第1制御巻線に相当する。
図1(B)に示す等価回路では、||印部分(縦の二重線部分)は通常の変圧器磁心の配列記号を示し、一次巻線111及び二次巻線112,113と、90度回転させて表示した制御巻線114a、114bを示している。本実施形態では、二次巻線112と113とに誘起される電圧は加算されるように接続されている。
次に、本実施形態において、制御巻線114に制御電流Icを流した場合の、磁束制御型可変変圧器100Aの動作について説明する。図2は、図1に示す磁束制御型可変変圧器における動作を説明するための図であり、図2(A)は、制御電流Icを流していない場合、図2(B)は、制御電流Icを流した場合を示している。
制御巻線114に制御電流Icを流していない場合、第1脚磁心101には、一次巻線111に流れる電流Iと一次巻線の巻数をNの積で表される起磁力N×I(アンペアターン)が発生し、第1脚磁心101、第1磁心104、第2脚磁心102、第2磁心105を流れる磁束φが流れる。ここで、第3脚磁心103は、磁路の途中に空隙(ギャップ)部Gが設けられており、大きな磁気抵抗を有しているため、第3脚磁心103には、一次巻線111を流れる電流Iによる磁束はほとんど流れない。なお、第2脚磁心102の分割磁路102a、102bは、磁束φが流れた場合でも磁気飽和しない磁気抵抗を有している。
このように、制御巻線114に制御電流Iを流していない場合、磁束制御型可変変圧器100Aは、制御巻線114a,114b、第1直流電源回路110、第2脚磁心102上に設けた窓120からなる、制御可能な磁束制御回路を有する以外は、通常の単相変圧器と同様の巻線構成となっている。これにより、二次巻線112,113には、一次巻線の巻数をN、二次巻線の巻数をN2−1,N2−2とした場合、V=V×(N2−1+N2−2)/Nの二次電圧Vが生じる。
次に、図2(B)で示すように、制御巻線114に直流の制御電流Icを流した場合、分割磁路102a、102bで形成される閉磁路には、制御磁束φcが還流される。制御磁束φcは、制御巻線114a、114bの巻数Ncと制御電流Icの積で表わされる起磁力2Nc×I(アンペアターン)で生じる制御磁束φcであり、磁束φが通る磁心の一部を磁気飽和させる。これにより、第2脚磁心102の透磁率が低下するため、一次巻線111に鎖交する磁束φは、第2脚磁心102を通る量が減少し、主に第1脚磁心101、第1磁心104、第3脚磁心103、第2磁心105の経路からなる磁路に分流することになり、二次巻線113に誘起される電圧が低下する。なお、制御磁束φcが還流することによって、分割磁路102a、102b以外の磁路である、例えば、第1磁心104が磁気飽和することがないように、窓120を設ける位置を調整しておくことが望ましい。
このように、磁束制御型可変変圧器100Aでは、制御巻線114a、114bに制御電流Icを流すことにより、二次巻線113を卷回した第2脚磁心102の磁気回路の一部を飽和させるとともに、一次巻線111に交差する磁束φを第2脚磁心102とは異なる第3脚磁心103に分流させている。
ここで、例えば、第3脚磁心103を設けていない場合、制御巻線114を巻回した窓部120周辺の磁路のみが磁気飽和するため、窓部120周辺からの漏洩磁束によって、周辺の導電性機材に渦電流を発生させ、周辺の導電性機材の局所過熱や装置損失に対する対策が必要であった。本実施形態では、第2脚磁心102に対して、空隙部Gを有する第3脚磁心103を磁気的に並列に設けているため、第2脚磁心102の磁気抵抗が大きくなって第2脚磁心102を流れなくなった磁束φは、第3脚磁心103を流れるようになる。これにより、第2脚磁心102の窓部120周辺からの漏洩磁束を減少させることが可能となる。
このように、第3脚磁心103は、制御巻線114に制御電流Icを流した場合に、一次巻線111に鎖交する磁束φが、窓部120周辺の空気層を通る漏洩磁束となるのを防止して、二次巻線113と鎖交しない漏れ磁束を流すためのバイパス磁路となっている。また、制御巻線114に制御電流Icを流さない場合に、一次巻線111に鎖交する磁束φが、第3脚磁心103に流れ込まないように、空隙部Gを設けて第3脚磁心103の磁気抵抗を大きくしている。
図3は、図1に示す磁束制御型可変変圧器の制御特性例を示す図であり、縦軸は一次電圧Vを基準とした二次電圧Vの変圧比を表しており横軸は制御電流Icを表している。図1(B)の等価回路で示すように、二次巻線112と113とは、磁束の変化によって生じる電圧が加算されるように接続されている。このため、制御電流Icが増加するにしたがって、第2脚磁心102に流れる磁束φが減少し、第2脚磁心102に卷回された二次巻線113に励起される電圧が減少する。これにより、図3に示すように、制御電流Icの増加とともに、一次電圧Vに対する二次電圧Vは減少している。なお、二次電圧の最大可変幅は二次巻線112と113の巻線数を設定することにより、自由に設定できる。また、二次巻線113を二次巻線112とは逆接続することにより、制御電流Icの増加にともなって、一次電圧Vに対する二次電圧Vを増加させることも可能である。
図4は、図1に示す磁束制御型可変変圧器の変形例を示す図である。図1(A)に示す磁束制御型可変変圧器100Aのコアは、ほぼ「日」の字形をしているが、図4に示す磁束制御型可変変圧器100A’では、第1磁心104’を中心部に、第2磁心105’を周辺部で同心円状に配置し、第1脚磁心101r、第2脚磁心102’、及び、第3脚磁心103rをそれぞれ放射状に設けたコアとして構成している。ここで、中心部の第1磁心104’は、リング状でなく中実であってもよい。また、第2磁心105’の第1脚磁心101rと第3脚磁心103rを繋ぐ下半分の磁心を省略してもよい。
第1脚磁心101rには、一次巻線111と二次巻線112が卷回され、第2脚磁心102’は、二次巻線113が卷回されている。一次巻線111には交流の一次電圧V1が印加される。二次巻線112と113とは直列接続されており、両端が負荷に接続されている。磁束制御型可変変圧器100A’は、一次巻線111と二次巻線112,113は、絶縁変圧器と同等の構造となっている。第2脚磁心102’の分割磁路102a’、102b’のそれぞれには、制御巻線114aと114bからなる制御巻線114が卷回されている。制御巻線114aと114bには、一次巻線111を流れる電流による誘起電圧が打消されるように直列に接続されて、第1直流電源回路110に接続されている。図4に示す磁束制御型可変変圧器100A’は、図1に示した磁束制御型可変変圧器100Aとその作用効果や性能についても同じであるので、その説明を省略する。
図5は、図1に示す磁束制御型可変変圧器の変形例を示す図である。図5では、各巻線の接続や、電源、負荷、第1直流電源回路110については図示していない。以降の説明においても共通しているが、本発明では、主巻線を卷回した脚磁心が第1脚磁心となり、分割磁路部を有し二次巻線を卷回した磁心が第2脚磁心となり、磁路中に空隙を有する脚磁心が第3脚磁心となる。
図5(A)に示す磁束制御型可変変圧器100Aは、図1に示した磁束制御型可変変圧器100Aと同じであり、第1脚磁心101を左側に、第2脚磁心102を中央に、また第3脚磁心103を右側に配置した構成例を示している。図5(B)に示す磁束制御型可変変圧器100Bは、第1脚磁心101を左側に、第2脚磁心102を右側に、また第3脚磁心103を中央に配置した構成例を示している。さらに、図5(C)に示す磁束制御型可変変圧器100Cは、第1脚磁心101を中央に、第2脚磁心102を右側に、また第3脚磁心103を左側に配置した構成例を示している。このように、第1脚磁心101、第2脚磁心102、及び、第3脚磁心103の配置については、その順番を変更した場合も、磁気回路としては同じ構成となっており、その作用効果や磁束制御型可変変圧器としての性能についても同じである。
図5(D)に示す磁束制御型可変変圧器100Dは、第1脚磁心101を左側に、第2脚磁心102を中央に、また第3脚磁心103を右側に配置した例を示している。ここで、第3脚磁心103はコの字型をしており、第1磁心104及び第2磁心105との間にそれぞれ空隙部Gを有している。なお、空隙部Gは、いずれか一方のみに設けられていてもよい。このように、第3脚磁心に設けた空隙部Gは、第1磁心104あるいは第2磁心105との間に設けられていてもよい。磁束制御型可変変圧器100Dは、磁気回路の構成としては、他の磁束制御型可変変圧器100A〜100Cと同じであり、その作用効果や磁束制御型可変変圧器の性能についても同じである。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。図1に示した磁束制御型可変変圧器100Aは、一次巻線111と二次巻線112.113とが電気的に絶縁され、絶縁変圧器と同等の構造となっているが、本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Eでは、一次巻線と二次巻線とが電気的に接続された、単巻変圧器と同等の構造となっている。
具体的には、第1脚磁心101に一次巻線111が卷回され、二次巻線は、一次巻線111と第2脚磁心102に卷回された二次巻線113とが直列接続された巻線となっている。このように、磁束制御型可変変圧器100Eでは、一次巻線111が二次巻線と共通になっている。本実施形態では、一次巻線111によって生じる磁束の変化によって二次巻線113に生じる電圧が、一次電圧Vに対して減算されるように二次巻線113が卷回されているため、制御電流Icを増加させるにしたがって、二次電圧Vは増加する。
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Fは、電気的に絶縁された一次巻線111と二次巻線113とを有する絶縁変圧器と同等の構造となっている。本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Fは、制御電流Icを増加させるにしたがって、分割磁路102a,102bの一部が飽和し磁気抵抗が増加するため、二次巻線113に誘起される二次電圧Vは減少する。
[第4の実施形態]
図8は、本発明の第4の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。図8では、各巻線の接続や、電源、負荷、第1直流電源回路110については図示していない。本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Gは、第1の実施形態の磁束制御型可変変圧器100Aに比べて、第2脚磁心102に設けた分割磁路102aと102bのそれぞれに切込みを入れ、楔型の空隙120aと120bを設けている。楔型の空隙120aと120bは、電流歪みの抑制を目的としている。
本実施形態によれば、分割磁路102aと102bの一部に切り込みを入れることにより、分割磁路102aの磁路は、切り込みを設けた連結部分と楔型の空隙120aとの並列回路で構成され、分割磁路102bの磁路は、切り込みを設けた連結部分と楔型の空隙120bとの並列回路で構成されるので、磁気特性が改善され、一次巻線111の電流Iは高調波成分の少ない低電流歪となる。
[第5の実施形態]
図9は、本発明の第5の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。図9では、各巻線の接続や、電源、負荷、第1直流電源回路110については図示していない。本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Hは、第1の実施形態の磁束制御型可変変圧器100Aに比べて、第2脚磁心102に設けた窓120を大きくし、第2脚磁心102全体をほぼ分割磁路102aと102bから構成している。そして、二次巻線113を分割磁路102aと102bに跨って卷回している。磁気回路の構成としては、他の磁束制御型可変変圧器100A〜100Cと同じであり、その作用効果や磁束制御型可変変圧器の性能についても同じである。
[第6の実施形態]
図10は、本発明の第6の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。図10では、各巻線の接続や、電源、負荷、第1直流電源回路110については図示していない。本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Iは、図10で示す中央から左側の構成は、図5(C)で示した磁束制御型可変変圧器100Cと同じであり、左から順番に、第1の第3脚磁心103、第1の第1脚磁心101、第2脚磁心102を配置している。さらに、第2脚磁心102の右側には、第4脚磁心として第2の第1脚磁心101’、及び、第5脚磁心として第2の第3脚磁心103’を配置している。第1の第3脚磁心103及び第2の第3脚磁心103’には、磁路の途中に空隙部Gが設けられている。第1〜第5脚磁心は、第1磁心104と第2磁心105にそれぞれ両端部で磁気結合されている。
そして、左側の第1の第1脚磁心101には、一次巻線111を卷回するとともに、右側の第2の第1脚磁心101’にも、一次巻線111’を卷回し、一次巻線111と一次巻線111’を直列接続するとともに、図示しない交流電源に接続している。また、中央の第2脚磁心102、左側の第1の第1脚磁心101、及び、右側の第2の第1脚磁心101’に、それぞれ二次巻線113、112、及び、112’を卷回し、これらの二次巻線113、112、及び、112’を直列接続するとともに、図示しない負荷に接続している。このように、本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Iは、コアと巻線を左右対称に配置しているため、重量バランスが良く、設置に適している。第2の第1脚磁心101’に卷回した一次巻線111’は、本発明の第2の一次巻線に相当する。
[第7の実施形態]
図11は、本発明の第7の実施形態に係る磁束制御型可変変圧器の磁気回路及び巻線構成を示す図である。図11(A)は、本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Jを示しており、図11(B)は、図11(A)に示す本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Jを説明するために、図11(A)の磁束制御型可変変圧器100Jを磁気的に2分割して示す図である。
まず、図11(B)において、右側に示した磁束制御型可変変圧器100Aは、第1の実施形態で説明した磁束制御型可変変圧器100Aと同じ構成を有している。また、左側に示した磁束制御型可変変圧器100A’は、右側の磁束制御型可変変圧器100Aを左右対称に反転させたものであり、磁束制御型可変変圧器100Aと同じ構成を有している。
そして、磁束制御型可変変圧器100Aの第1脚磁心101Aに卷回された二次巻線112Aと第2脚磁心102Aに卷回された二次巻線113Aとは、制御電流Ic1を増加させた際に、二次電圧Vが減少するように直列接続されている。また、磁束制御型可変変圧器100A’の第1脚磁心101Bに卷回された二次巻線112Bと第2脚磁心102Bに卷回された二次巻線113Bとは、制御電流Ic2を増加させた際に、二次電圧Vが増加するように直列接続されている。
図11(A)に示す磁束制御型可変変圧器100Jは、図11(B)に示す磁束制御型可変変圧器100Aと磁束制御型可変変圧器100A’のそれぞれの第1脚磁心101Aと101Bとを、1つの第1脚磁心101として構成したものである。また、磁束制御型可変変圧器100Jは、磁束制御型可変変圧器100Aと100A’の第1脚磁心101Aと101Bにそれぞれ卷回した一次巻線111Aと一次巻線111Bとを1つの一次巻線111として構成するとともに、第1脚磁心101Aと101Bにそれぞれ卷回した二次巻線112Aと二次巻線112Bとを1つの二次巻線112として構成したものである。
また、第1の第2脚磁心102Aに設けた分割磁心102aA,102bAにそれぞれ、制御巻線114aA,114bAを卷回し、制御巻線114aA,114bAは、一次巻線111の電流によって発生する磁束の変化による誘起電圧が打消されるように直列に接続されて、第1直流電源回路110Aに接続される。また、同様に、第2の第2脚磁心102Bに設けた分割磁心102aB,102bBにそれぞれ、制御巻線114aB,114bBを卷回し、制御巻線114aB,114bBは、一次巻線111を流れる電流によって発生する磁束の変化による誘起電圧が打消されるように直列に接続されて、第2直流電源回路110Bに接続される。第2の第2脚磁心102Bに設けた分割磁心102aB,102bBは、本発明の第2分割磁路部に相当し、制御巻線114aB,114bBは、本発明の第2制御巻線に相当する。
そして、中央の第1脚磁心101に卷回した二次巻線112と、右側の第1の第2脚磁心102Aに卷回した二次巻線113Aと、第4脚磁心として設けた左側の第2の第2脚磁心102Bに卷回した二次巻線113Bとを直列接続して、図示しない負荷に接続する。この場合、二次巻線112の起電力に対して、二次巻線113Aの起電力が加算されるように、二次巻線112と113Aを直列接続し、二次巻線112の起電力に対して、二次巻線113Bの起電力が減算されるように、二次巻線112と113Aを直列接続する。
これにより、第1直流電源回路110Aからの制御電流Ic1の増加に伴い、直列接続された二次巻線112,113A,113Bに生じる二次電圧Vが減少し、第2直流電源回路110Bからの制御電流Ic2の増加に伴い、直列接続された二次巻線112,113A,113Bに生じる二次電圧Vが増大する。このように、本実施形態の磁束制御型可変変圧器100Jは、第1直流電源回路110Aからの制御電流Ic1と第2直流電源回路110Bからの制御電流Ic2のいずれかを変化させることにより、制御電流Ic1と制御電流Ic2を流さない場合に比べて、二次電圧Vを減少又は増加させることができる。二次巻線113Bは本発明の第2の二次巻線に相当する。
また、本実施形態では、第1の第3脚磁心103Aと第5脚磁心として第2の第3脚磁心103Bを設けており、第1の第3脚磁心103Aと第2の第3脚磁心103Bは、それぞれ磁路中に空隙部Gを有している。第1の第3脚磁心103Aと第2の第3脚磁心103Bとは、中央の第1脚磁心101に対して、左右対称に設けているため、本実施形態においても左右の重量バランスが良好となり望ましい。なお、軽量化のために、第1の第3脚磁心103Aと第2の第3脚磁心103Bのいずれか一方のみを設けた構成としてもよい。
11…一次巻線、12…二次巻線、13…磁心、20…一次巻線、21…二次巻線、22〜25…U形カットコア、26…漏洩磁束制御巻線、27…磁束制御巻線、28,29…接触部、30…一次巻線、31…二次巻線、32…磁心、33…窓、34a,34b…制御巻線、40,41…第二の鉄心、42,43…バイパス鉄心、44…一次巻線、45…二次巻線、46a,46b…制御巻線、47a,47b…バイパス鉄心制御巻線、51,52…三脚磁心、53…一次巻線、54…二次巻線、55a…第一の補助巻線、55b…第二の補助巻線、56a…第一制御巻線、56b…第二制御巻線、57a…第三制御巻線、57b…第四制御巻線、100A〜100J…磁束制御型可変変圧器、101,101r,101',101A,101B…第1脚磁心、102,102’,102A,102B…第2脚磁心、102a,102b, 102aA,102aB,102bA,102bB…分割磁心、103,103r,103',103A,103B…第3脚磁心、104,104’…第1磁心、105,105’…第2磁心、110,110A…第1直流電源回路、110B…第2直流電源回路、111,111',111A,111B…一次巻線、112,112A,112B,113,113A,113B…二次巻線、114,114a,114aA,114aB,114b,114bA,114bB…制御巻線、120…窓、120a、120b…空隙。

Claims (6)

  1. 第1磁心、第2磁心と、前記第1磁心と前記第2磁心とにそれぞれ磁気結合された第1脚磁心、第2脚磁心、及び、第3脚磁心を備え、前記第2脚磁心の磁路が2分割された分割磁路部を有し、前記第3脚磁心の磁路中に空隙部を有するコアと、
    少なくとも前記第1脚磁心に卷回された一次巻線と、
    少なくとも前記第2脚磁心に卷回された二次巻線と、
    前記第2脚磁心の前記分割磁路部のそれぞれの磁路に卷回された第1制御巻線を備え、
    該第1制御巻線が、前記一次巻線に鎖交する磁束によって前記第1制御巻線に生じる誘起電圧が打消されるように直列接続されて第1直流電源回路に接続され、
    前記第1制御巻線に直流制御電流を流して、前記分割磁路部で形成される閉磁路に制御磁束を還流させ、前記磁束が通る前記第2脚磁心の磁路の一部を飽和させて、前記第2脚磁心の磁路の磁気抵抗を制御するとともに、前記第3脚磁心に前記磁束の一部を分流させることを特徴とする、磁束制御型可変変圧器。
  2. 前記第1脚磁心に前記二次巻線が卷回され、前記第2脚磁心に卷回された前記二次巻線と直列接続されていることを特徴とする、請求項1に記載の磁束制御型変変圧器。
  3. 前記分割磁路部の任意の箇所に楔形の空隙を設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の磁束制御型可変変圧器。
  4. 前記第1磁心と前記第2磁心にそれぞれ磁気結合された第4脚磁心と第5脚磁心、及び、前記第4脚磁心に卷回された第2の一次巻線をさらに有し、
    前記第4脚磁心に卷回された前記第2の一次巻線と前記第1脚磁心に卷回された前記一次巻線とが直列接続され、
    前記第5脚磁心の磁路中に空隙部を有し、
    前記第2脚磁心に対して、前記第1脚磁心と前記第4脚磁心、及び、前記第3脚磁心と前記第5脚磁心とがそれぞれ対称となる位置に配置されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁束制御型可変変圧器。
  5. 前記第1磁心と前記第2磁心にそれぞれ磁気結合された第4脚磁心をさらに有し、
    該第4脚磁心の磁路が2分割された第2分割磁路部を有し、
    前記第4脚磁心に卷回された第2の二次巻線と前記第2脚磁心に卷回された前記二次巻線とが直列接続され、
    前記第4脚磁心の前記第2分割磁路部のそれぞれの磁路に卷回された第2制御巻線を備え、
    該第2制御巻線が、前記一次巻線に鎖交する前記磁束によって前記第2制御巻線に生じる誘起電圧が打消されるように直列接続されて第2直流電源回路に接続され、
    前記第2制御巻線に直流制御電流を流して、前記第2分割磁路部で形成される閉磁路に制御磁束を還流し、前記磁束が通る前記第4脚磁心の磁路の一部を飽和させて、前記第4脚磁心の磁路の磁気抵抗を制御するとともに、前記第3脚磁心に前記磁束の一部を分流させることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の磁束制御型可変変圧器。
  6. 前記第1磁心と前記第2磁心にそれぞれ磁気結合された第5脚磁心をさらに有し、該第5脚磁心の磁路中に空隙部を有することを特徴とする、請求項5項に記載の磁束制御型可変変圧器。
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