JP2021169081A - スプレー支持体、このような支持体を備えるスプレー装置、及びこのような支持体を製造するための方法 - Google Patents

Abstract

【課題】スプレー支持体、このような支持体を備えるスプレー装置、及びこのような支持体を製造するための方法を提供すること。【解決手段】本スプレー支持体（２）は、高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジング（８）と、少なくとも１つのコーティング製品ホース（１１）のための誘導要素（１２）と、空気ホース（１３）のための保持要素（１６）と、ロボット（３）に固定するための第一の固定要素（５）と、スプレー（４）に固定するための第二の固定要素（６）とを備える。本発明によれば、ハウジング（８）、誘導要素（１２）、保持要素（１６）、第一の固定要素（５）及び第二の固定要素（６）は単一の部品から形成されている【選択図】図１

Description

本発明はスプレー支持体、このような支持体を備えるスプレー装置、及びこのような支持体を製造するための方法に関するものである。

スプレーシステムにおいて、支持体を使用して、ロボットにスプレーを固定することが知られている。通常、その支持体は機械加工部品の組立品によって形成される。これらの部品のそれぞれは異なる機能を有する。支持体は、スプレーとロボットとを連結することを可能としなければならない。加えて、それは流体ホースの誘導、空気ホースの誘導及び固定を可能とし、高電圧ユニットを支持しなければならない。

種々の部品の製造及び結合は、相当なコスト並びに比較的長く複雑な組み立てプロセスを必要とする。

本発明は、安価かつ組み立てしやすいスプレー支持体を提供することによって、この欠点を改善することを意図する。

そのために、本発明は、高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジングと、少なくとも１つのコーティング製品ホースのための誘導要素と、空気ホースのための保持要素と、ロボットに固定するための第一の固定要素と、スプレーに固定するための第二の固定要素とを備えるスプレー支持体に関するものである。本発明によれば、ハウジング、誘導要素、保持要素、第一の固定要素及び第二の固定要素は単一の部品から形成される。

本発明によって、単一の部品からの支持体の製造は、製造コストを低減すること、並びにロボット及びスプレーとの部品の組み立てをしやすくすることを可能とする。

本発明の有利であるが必須ではない性質によれば、このような支持体は以下の特徴：
支持体が積層造形法を使用して形成されていること；
支持体が合成材料、好ましくはポリアミド１２、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエチレンテレフタレートから製造されていること；
支持体が、支持体の残部と同一の部品からさらに形成されている、低電圧ユニットのためのハウジングをさらに備えること；
第一の固定要素、保持要素及び第二の固定要素が、この順序で支持体の軸に沿って配置されていること；
高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジングが、支持体の軸に沿って配置されたシリンダーであること；
高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジングが、第一の固定要素と第二の固定要素との間に位置していて、誘導要素が支持体の軸を中心としていて、誘導要素が、高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジングの外半径の値より大きい値を有する内半径を有し、好ましくは、誘導要素の内半径の値と高電圧ユニットのためのハウジングの外半径の値との差が０．１ｍｍ〜２ｍｍ、好ましくは約０．５ｍｍであること；
支持体が空気ホースを識別するためのマークを備えること
のうち１つ又は複数を備えていてよく、任意の技術的に可能な組み合わせで考慮される。

別の態様によれば、本発明はさらに、スプレー、ロボット及びスプレー支持体を備えるスプレー装置に関するものであり、スプレーはスプレー支持体によってロボットに接続されている。本発明によって、スプレー支持体は上で説明される。

この装置は、支持体に関して記載されたものと同じ利点をもたらす。

本発明の有利であるが必須ではない性質によれば、このような装置は、保持要素によって定位置に保持された空気ホースと、誘導要素によって誘導された少なくとも１つのコーティング製品ホースとを備えていてよい。

さらに別の態様によれば、本発明はさらに、上で説明される支持体を製造するための方法であって、マルチジェットフュージョン積層造形法であることを特徴とする方法に関するものである。

単に例として与えられる、本発明の原理に従ったスプレー支持体及びスプレー装置の１つの実施態様の以下の説明を読むことで、及び図面を参照することで、本発明はより良く理解され、本発明の他の利点はより明確に明らかになる。

本発明によるスプレー支持体を備える、本発明によるスプレー装置の底部を上とした斜視図である。 図１の支持体の背面図である。 図１及び２の支持体の上面図である。 図１の平面ＩＶによる断面図である。

スプレー装置１が、図１に部分的に描かれている。この装置１は、支持体２と、例えば往復ロボットであってよいロボット３と、流体をスプレーするための少なくとも１つのノズル４２を備えるスプレー４とを備える。明確にするために、ロボット３の一部のみ、すなわち操作アームの端部のみが描かれている。ロボット３及びスプレー４は、図１において透明かつ点線として描かれていて、他の図には描かれていない。

支持体２は長さ方向の軸Ｘを画定していて、ロボット３及びスプレー４は軸Ｘに沿って配置される。

支持体２は、遠位端部と呼ばれるその端部のうち１つに、ロボット３を固定するための固定要素５を備える。図２においてより明らかであるように、この固定要素５は軸Ｘを中心とした馬蹄形状であり、図１において中心線のダッシュとして描かれるように、ロボット３に固定するためのねじ３２を受容することが意図された孔５２を備える。図の例において、固定要素５は６つの孔５２を備える。固定要素５は、支持体２をロボット３に配置することを意図された載置面５４をさらに備える。

遠位端部と逆にある近位端部において、支持体２は、スプレー４に固定するための固定要素６を備える。固定要素６は４つの脚６２を備え、それらの脚のそれぞれは、ねじが通ってスプレー４を支持体２に固定することを可能とするためのオリフィス６４を有する。脚６２は、ブリッジ６８によって、軸Ｘを中心としたリング６６に接続され、脚６２は、軸Ｘを中心とした環の周りに規則的に配置され、脚６２の直径はリング６６の直径より大きい。さらに、支持体２の底部を向いた脚６２のうち２つは、図には描かれていないテンプレートを正確に配置することが機能である弧６９によって接続されている。テンプレートは装置１に属し、流体及び空気をスプレー４に向けることを意図された取り付けを維持する。

支持体２の要素５及び６は、支持体２のベースを形成するフレーム７によって連結されている。フレーム７は、４つのライザー（ｒｉｓｅｒ）７２を備え、ライザー７２のそれぞれは脚６２のうち１つから延在していて、固定要素５に到達している。ライザー７２は、ほぼ直線であり、軸Ｘに平行である。

従って、要素５、６及び７によって、支持体２は、ロボット３とスプレー４との間の連結を可能とする。

リング６６は、軸Ｘに沿って、固定要素５の方向に、高電圧ユニット（描かれていない）を収容するためのハウジング８に沿って延在している。このハウジング８は中空のシリンダー、例えば環状のベースを有するシリンダーであり、その端部のうち一方はリング６６によって形成され、他方の端部８２は載置面５４の平面にある。ハウジング８は図３においてより明らかである。

図１において明らかであるように、低電圧ユニット（同様に描かれていない）のためにハウジング１０が設けられている。このハウジング１０はハウジング８の下に固定され、軸Ｘに直交する空間１０２、並びに軸Ｘに平行な拡張部１０４を備える。空間１０２と拡張部１０４とは単一の容積を形成して低電圧ユニットを収容し、その容積は下方から、軸Ｘに対して半径方向に見たときＴ形状である。拡張部１０４の端部において、孔１０６は、低電圧ユニットを高電圧ユニットに接続するケーブルが通過することを可能とする。

操作の間、高電圧ユニットはハウジング８中に配置される。その高電圧ユニットは、低電圧ユニットによって提供される低電圧電流を供給される。通常、高電圧ユニットは、低電圧ユニットによって提供される電流の電圧を増加させることを可能とするダイオードから構成される。高電圧ユニット及び低電圧ユニットから形成される組立品を地面に接続するために、低電圧ユニットがさらに使用される。一般に、高電圧ユニットと低電圧ユニットとを接続するために、高電圧ユニットは、低電圧ユニットに属するコネクタの雄型プラグと対応する雌型プラグを備える。静電コーティング製品を適用する上で、低電圧ユニット及び高電圧ユニットから形成されるこの装置は、スプレー４に高電圧電流を供給して、ノズル４２からスプレーされる塗料粒子を帯電させることを可能とする。

スプレーによって適用されるコーティング製品は、誘導要素１２によって誘導される、図１において中心線のダッシュとして描かれている２つのホース１１によってスプレー４へと向けられる。流体は、例えばコーティング製品、例えば塗料であってよい。誘導要素１２は軸Ｘを中心としたシリンダー部分を画定していて、ハウジング８を部分的に囲んでいる。誘導要素１２は支持体の底部において開いている。実際には、誘導要素１２は軸Ｘの周りで２０°〜９０°の角で開いている。好ましくは、その角は６５°である。誘導要素１２は、ホース１１を保持するために設けられたへこみ１２２を備え、好ましくは、ホース１１は誘導要素１２に、ずらした仕方で配置される。この場合、「ずらした」は、２つのホースが、誘導要素の長さにわたって、交互の方法でへこみ１２２中に配置されることを意味する。図の例において、誘導要素１２は６つのへこみ１２２を備える。へこみ１２２を通したホース１１の誘導は、２つのホースが接触しないように、ホースを互いから電気的に絶縁させることを可能とする。このような接触は、２つのホース中に含有される２つの流体固有の抵抗率をそれぞれ有する２つの流体の間の電圧における差のために、局所的にアークを生じさせる場合がある。

ホース１１に含有される製品は、スプレー４のヘッド付近で高電圧にされ、ロボット３の付近で接地されるため、ホース１１は任意の沿面放電を妨げるのに十分に長い必要がある。誘導要素１２の周りにホース１１を巻くことは、ホース１１の長さを増加させることを可能とし、一方で支持体２の全体の形態因子を限定する。ホース１１の長さは、それらのホース１１によって輸送される流体の抵抗率と、所望の電圧とに依存する。例えば、３Ｍｏｈｍ・ｃｍの抵抗率及び１００ｋＶの電圧を有する流体について、ホース１１は８５０ｍｍである必要がある。電圧が等しい場合、使用される流体の抵抗率が大きいほど、ホース１１はより短いことが要求される。

加えて、誘導要素１２の周りでホース１１を巻くことは、特定の流体に含有される金属フレークが、高電圧ユニットによって生じる電場の方向に向くことを妨げることができる。このことは、流体に固有の短絡が生じることを回避する。

実際には、十分なホース１１の長さのために、及び最適化された支持体２の形態因子のために、誘導要素１２は、ハウジング８の外形より大きい内径を有する。実際には、ハウジング８と誘導要素１２とを分離する距離ｄ１は、誘導要素１２の内半径Ｒ１２の値と、ハウジング８の外半径Ｒ８の値との差に等しい。その距離ｄ１は０．１ｍｍ〜２ｍｍである。好ましくは、その距離ｄ１は０．５ｍｍである。従って、半径方向の厚さｄ１の空間１４は、誘導要素１２とハウジング８との間に形成される。その空間１４は、ロボット３の空気ホース１３をスプレー４へと通過させるために使用される。図１において中心線のダッシュとして描かれているそれらの空気ホース１３は、スプレー４のノズル４２から出るコーティング製品の噴出物を形成するための気のうを供給するために、スプレー４の空気バルブを供給するために、並びに潜在的には、スプレー４のタービンを供給及び／又は減速するために使用される。

空気ホース１３を定位置に保持するために、保持要素１６が、固定要素５と誘導要素１２との間に、ハウジング８の外部に配置される。保持要素１６は、ハウジング８の周りの環の一部を画定している。環のその一部はハウジング１０によって画定され、それぞれの空気ホース１３についてハウジング１６２を備える。図の例において、誘導要素は、１５本の空気ホースを収容するための、軸Ｘの周りに分布した１５個のハウジング１６２を備え、それらのハウジングのうち幾つかのみが図１〜３に可視化されている。

実際には、ハウジング１６２の数は１５と等しい必要はない。例えば、誘導要素１２は、２５個までのハウジング１６２、又は逆に１０個より少ないこのようなハウジングを備えてよい。空気ホース１３を識別するために、識別マーク１８が、固定要素５の外側にエッチングされる。従って、ホース１３はハウジング１６２にそれぞれ固定され、次いでハウジング８に沿って延在し、同時に配置しやすくもある。従って、ホース１３は軸Ｘに平行であり、それぞれの空気ホースは、識別マーク１８のうち１つの下で固定要素５を通過する。誘導要素１６の形状は、空気ホースがスナップ嵌めによってスプレー４に接続される前に、誘導要素１６に、空気ホースを速やかに固定することを可能とする。

支持体２を小型にするために、支持体２は積層造形法を使用して形成される。従って、ハウジング８及び１０、固定要素５及び６並びに支持及び保持要素１２及び１６は、単一の部品から製造される。言い換えれば、支持体２は材料の同一のブロックから製造される。

異なる部品の組立品とは違って、積層造形法、例えばマルチジェットフュージョン（ＭＪＦ）製造法であってよい積層造形法は、特に保持要素１６を誘導要素１２と固定要素５との間に配置することによって、支持体２の形態因子を最適化することを可能とする。マルチジェットフュージョン製造法は、製造される部品のそれぞれの層について、粉末を用いて溶着される表面に、バインダー及びディテーリング（ｄｅｔａｉｌｉｎｇ）剤を適用することからなり、ディテーリング剤の機能は表面を平滑にすることである。次いで、液剤が堆積されて所望の粒子を溶着させる。最後に、材料のそれぞれの層が過熱されて部品を形成する。

加えて、識別マーク１８は、支持体２の製造の間に、支持体２に直接組み込まれる。従って、識別マーク１８を部品にエッチングするための付加的な工程を実施する必要はない。このことは、支持体２を製造するときに、付加的な時間を省くことを可能とし、従って、より低コストをもたらす。

良好な機械特性を有する一方で製造コストを低く保つために、支持体２は合成材料で、好ましくはポリアミド１２で製造される。これは、積層造形のポリアミド１２との併用が、軽量であり、かつコーティング製品スプレー設備において使用される溶媒に対して抵抗性である支持体２を得ることを可能とするためである。

１つの変形において、支持体２は、例えばポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエチレンテレフタレートから製造されてよい。

別の変形において、スプレーに接続している固定要素５は、異なる数の、例えば３又は１０個の孔５２を備える。

１つの変形において、スプレー装置は、異なる数の、例えば１又は３本の、コーティング製品をスプレー４に輸送するホース１１を備える。一般に、ホース１１の数は１〜４本で変化する。さらに、それぞれのホース１１を使用して、リンス製品又は溶媒を輸送することができる。

１つの変形において、脚６２の数及びライザー７２の数は変化してよい。例えば、支持体は５つの脚６２及び５つのライザー７２、又は３つの脚６２及び６つのライザー７２を備えてよい。

１つの変形において、高電圧ユニットは、高電圧電流によって直接的に供給される高電圧プラグによって置換される。このような場合、低電圧ユニットの代わりに、コネクタが、高電圧ユニットを地面に接続することを可能とする。

１つの変形において、誘導要素１２は、異なる数の、例えば４又は８つのへこみを備えてよい。

上で記載される実施態様及び変形は、互いに組み合わされて、本発明の新規の実施態様をもたらすことができる。

Claims (12)

1. 高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジング（８）、少なくとも１つのコーティング製品ホース（１１）のための誘導要素（１２）、空気ホース（１３）のための保持要素（１６）、ロボット（３）に固定するための第一の固定要素（５）、スプレー（４）に固定するための第二の固定要素（６）を備えるスプレー支持体（２）であって、ハウジング（８）、誘導要素（１２）、保持要素（１６）、第一の固定要素（５）及び第二の固定要素（６）が単一の部品から形成されていることを特徴とする、支持体（２）。
2. 合成材料、好ましくはポリアミド１２、ポリオキシメチレン、ポリエーテルエーテルケトン又はポリエチレンテレフタレートから製造されていることを特徴とする、請求項１に記載の支持体（２）。
3. 支持体の残部と同一の部品からさらに形成されている、低電圧ユニットのためのハウジング（１０）をさらに備えることを特徴とする、請求項１又は２に記載の支持体（２）。
4. 第一の固定要素（５）、保持要素（１６）及び第二の固定要素（６）が、この順序で支持体の軸（Ｘ）に沿って配置されていることを特徴とする、請求項１〜３のいずれか１項に記載の支持体（２）。
5. 高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジング（８）が、支持体の軸（Ｘ）に沿って配置されたシリンダーであることを特徴とする、請求項１〜４のいずれか１項に記載の支持体（２）。
6. 高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジング（８）が、第一の固定要素（５）と第二の固定要素（６）との間に位置していること、誘導要素（１２）が支持体の軸（Ｘ）を中心としていること、及び誘導要素が、高電圧ユニット又は高電圧プラグのためのハウジング（８）の外半径（Ｒ８）の値より大きい値を有する内半径（Ｒ１２）を有することを特徴とする、請求項１〜５のいずれか１項に記載の支持体（２）。
7. 誘導要素の内半径の値と高電圧ユニットのためのハウジングの外半径の値との差（ｄ１）が０．１ｍｍ〜２ｍｍであることを特徴とする、請求項６に記載の支持体（２）。
8. 誘導要素の内半径の値と高電圧ユニットのためのハウジングの外半径の値との差（ｄ１）が約０．５ｍｍであることを特徴とする、請求項７に記載の支持体（２）。
9. 空気ホース（１３）を識別するためのマーク（１８）を備えることを特徴とする、請求項１〜８のいずれか１項に記載の支持体（２）。
10. スプレー（４）、ロボット（３）及びスプレー支持体（２）を備えるスプレー装置（１）であって、スプレーがスプレー支持体によってロボットに接続されていて、スプレー支持体（２）が請求項１〜９のいずれか１項に記載の支持体（２）であることを特徴とする、スプレー装置（１）。
11. 保持要素（１６）によって定位置に保持された空気ホース（１３）と、誘導要素（１２）によって誘導された少なくとも１つのコーティング製品ホース（１１）とを備えることを特徴とする、請求項１０に記載のスプレー装置（１）。
12. マルチジェットフュージョン積層造形法であることを特徴とする、請求項１〜９のいずれか１項に記載の支持体（２）を製造するための方法。

Images