JP2021168818A - ラケット用ストリングおよびラケット - Google Patents

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Sadanori Yamazaki
文哉 清水
Fumiya Shimizu
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Abstract

【課題】比較的細いラケット用ストリングであって、良好な引張破断伸度と引張破断強度との両方を有するストリングおよび当該ストリングを有するラケットを提供する。【解決手段】合成樹脂製の芯糸11と、金属を含み、かつ、該芯糸11の外周において、螺旋状に疎巻された側糸12とからなる主糸10と、該主糸10を保護するとともに該側糸12の影響を低減するために該主糸10を被覆する鞘部20と、該鞘部20を被覆する被覆層30とを備えるラケット用のストリング1とする。【選択図】図1

Description

本明細書に開示される技術は、ラケット用ストリングおよびラケットに関する。
近年、テニス、バドミントン、スカッシュ等のラケットに、合成樹脂製のラケット用ストリング(以下、「ストリング」ともいう)が用いられている。一般に、ストリングには、耐久性、打球性および張設性等の機能が求められている。例えば、耐久性とは、打球毎の摩耗によるストリングの切断のしやすさ等である。打球性とは、反発性や制球性、打球時の感覚や打球音、振り抜きやすさ等の打球感である。張設性とは、ストリングのラケットへの張りやすさである。
一般に、ストリングは、合成樹脂製の芯糸と、芯糸の外周に配置された側糸とにより構成されている。また、特許文献1には、ポリアミド系合成繊維を含む芯成分(本明細書における「芯糸」)と、鉛成分を含むフィラメント(本明細書における「素線」)が芯成分の周囲に密巻され、かつ、接着剤により芯成分に固定された鞘成分と、樹脂被覆部(本明細書における「被覆層」)とを備えるラケット用ストリングが開示されている。
特開平8−229163号公報
上述の通り、ストリングには、耐久性、打球性および張設性が求められている。例えば、良好な打球性を有するストリングを得るために、ストリングを比較的細く(すなわち、ストリングの直径を比較的小さく)することができる。しかしながら、ストリングを細くすると、強度(具体的には、引張破断強度)が低下し、ひいては、ストリングの耐久性が低下する傾向がある。また、ストリングに強度を付与すべく、強度の高い材料を単に備えると、例えば、芯糸が良好な伸度(具体的には、引張破断伸度)を発揮し難くなり、または、ストリング自体の硬度が高くなり(すなわち、しなやかさが低下し)、ひいては、打球性が低下する原因となり得る。
このため、ストリングに求められる上記機能(特には、耐久性および打球性)をより効果的に発揮するために、比較的細いストリングであって、良好な引張破断伸度と引張破断強度との両方を有するストリング、さらには、良好な耐久性および打球性を有するラケットが望まれていた。
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本明細書に開示されるラケット用ストリングは、ラケット用ストリングであって、合成樹脂製の芯糸と、金属を含み、かつ、前記芯糸の外周において螺旋状に疎巻された側糸と、を備える。本ラケット用ストリングでは、ラケット用ストリングを構成する芯糸が合成樹脂により形成されているため、良好な引張破断伸度を発揮することができる。また、本ラケット用ストリングは、金属を含む側糸を備えているため、側糸が金属を含まない構成と比較して、ラケット用ストリングの引張破断強度を向上させることができる。換言すれば、側糸が金属を含む構成では、側糸が金属を含まない構成と比較して、同等の引張破断強度を発揮させるための側糸の直径(ひいてはラケット用ストリングの直径)を小さくすることができる。また、本ラケット用ストリングでは、上記側糸が、芯糸の外周において、螺旋状に巻回されているため、芯糸の外周面が側糸によって保護され、ひいては、ラケット用ストリング同士の摩擦等による芯糸の切断を抑制することができる。また、上記側糸が、芯糸の外周において、螺旋状に巻回されているため、側糸は、ラケット用ストリングに力が加えられると変形し、力が取り除かれると復元する性質(すなわちバネとしての性質)を有する。具体的には、ラケット用ストリングに力が加えられたり、当該力が取り除かれたりすると、芯糸の伸縮に追随して側糸も伸縮することができる。また、本ラケット用ストリングでは、当該側糸は芯糸に疎巻されているため、密巻の構成と比較して、側糸の引張破断伸度を向上させることができるとともに、ラケット用ストリング自体の硬度が高くなる(すなわち、しなやかさが低下する)ことを抑制することができる。このため、側糸によって芯糸が良好な引張破断伸度を発揮し易くなる。従って、本ラケット用ストリングによれば、ラケット用ストリングの直径を抑えつつ、ラケット用ストリングの良好な引張破断伸度と引張破断強度との両立、ひいては、耐久性と打球性との両立を図ることができる。
(2)上記ラケット用ストリングにおいて、前記芯糸は、マルチフィラメントである構成としてもよい。本構成のラケット用ストリングによれば、芯糸がマルチフィラメントで構成されているため、ラケット用ストリングの柔軟性を向上させることができる。
(3)上記ラケット用ストリングにおいて、前記側糸は、複数本の素線から構成され、各前記素線は、前記芯糸の外周に接するように配置されている構成としてもよい。本構成のラケット用ストリングによれば、側糸が複数本の素線から構成されているため、側糸が1本の素線から構成されている構成と比較して、ラケット用ストリングの引張破断強度を向上させることができる。換言すれば、側糸が複数本の素線から構成されている構成では、側糸が1本の素線から構成されている構成と比較して、同等の引張破断強度を発揮させるための各素線の直径を小さくすることができる。また、本構成のラケット用ストリングによれば、各素線が、芯糸の外周に接するように配置されているため、側糸の直径(ひいてはラケット用ストリングの直径)を抑えることができる。
(4)上記ラケット用ストリングにおいて、前記素線の数は、3本以上、18本以下である構成としてもよい。本構成のラケット用ストリングによれば、素線の数が3本以上であるため、ラケット用ストリングの軸線方向に略直交する各断面において、各素線の中心を繋ぐことにより多角形を形成することができる。このため、芯糸の外周をより効果的に保持し、芯糸(ひいてはストリング)の軸線方向におけるうねりを抑制することができる。また、本構成のラケット用ストリングによれば、素線の数が18本以下であり、それほど多くないため、ラケット用ストリング自体の硬度が過度に高くなる(すなわち、しなやかさが過度に低下する)ことを抑制することができる。
(5)上記ラケット用ストリングにおいて、さらに、前記芯糸と前記側糸とを被覆する、合成樹脂製の被覆層を備える構成としてもよい。本構成のラケット用ストリングによれば、芯糸および側糸は被覆層により保護され得るため、この結果、ラケット用ストリングの耐久性を向上させることができる。
(6)上記ラケット用ストリングにおいて、さらに、前記芯糸および前記側糸の外側かつ前記被覆層の内側に配置された鞘部を備える構成としてもよい。本構成のラケット用ストリングによれば、芯糸および側糸は鞘部により保護され得る。また、本構成のラケット用ストリングによれば、鞘部は被覆層の内側に配置されているため、芯糸に側糸が巻回されたことによる凹凸の被覆層表面への影響を低減することができ、ひいては、ラケット用ストリングの表面の平滑性を向上させることができる。
(7)上記ラケット用ストリングにおいて、前記ラケット用ストリングの直径は1.5mm以下である構成としてもよい。本構成のラケット用ストリングによれば、ラケット用ストリングの直径が1.5mm以下であり、比較的細いため、打球性を向上させることができる。また、本構成のラケット用ストリングは、比較的細いラケット用ストリングが用いられるバドミントン用として好適に用いられる。
(8)上記ラケット用ストリングにおいて、前記ラケット用ストリングの引張破断伸度は、前記芯糸の引張破断伸度以上である構成としてもよい。すなわち、本構成のラケット用ストリングによれば、引張破断強度を付与しつつ、芯糸の引張破断伸度を維持したラケット用ストリングを得ることができる。
(9)本明細書に開示されるラケットは、上記(1)から(8)までのいずれか1つに記載のラケット用ストリングが組み込まれた構成である。従って、本構成のラケットによれば、良好な耐久性および打球性を有するラケットを提供することができる。
なお、本明細書に開示される技術は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、ラケット用ストリング、ラケット用ストリングを備えたラケット、ラケット用ストリングおよびラケット用ストリングを備えたラケットを製造する方法などの形態で実現することができる。
第1実施形態におけるストリング1(参考例の複合線にも相当する)の構成を概略的に示す断面斜視図である。 YZ断面におけるストリング1の構成を概略的に示す説明図である。 Y軸方向視におけるストリング1の構成を概略的に示す説明図である。 第2実施形態におけるストリング1A(参考例の複合線にも相当する)の構成を概略的に示す説明図である。 第3実施形態におけるストリング1B(参考例の複合線にも相当する)の構成を概略的に示す説明図である。 第4実施形態におけるストリング1C(参考例の複合線にも相当する)の構成を概略的に示す説明図である。 第5実施形態におけるストリング1D(参考例の複合線にも相当する)の構成を概略的に示す説明図である。 第6実施形態におけるラケット100の構成を概略的に示す説明図である。
A.第1実施形態:
A−1.ストリング1の構成:
図1は、第1実施形態におけるラケット用ストリング1(以下、「ストリング1」ともいう)の構成を概略的に示す断面斜視図であり、図2は、YZ断面(主糸の横断面を含む平面に沿って切断した断面。以下、同様)におけるストリング1の構成を概略的に示す説明図である。図3は、Y軸方向視におけるストリング1の構成を概略的に示す説明図である。なお、図3では、鞘部20および被覆層30の図示を省略している。
図1および図2に示すように、ストリング1は、主糸10と、鞘部20と、被覆層30とを備えている。主糸10は、芯糸11と、側糸12とから構成されている。
芯糸11は、合成樹脂により形成された略円柱状の繊維であり、YZ断面において、ストリング1の略中央に配置されている。芯糸11は、主に、ストリング1の伸度(具体的には、引張破断伸度)を向上させる目的で備えられる。芯糸11を形成する合成樹脂は、良好な引張破断伸度、引張破断強度を有する合成樹脂であれば特に限定されない。当該合成樹脂の主成分としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。当該合成樹脂の主成分としては、反発性、コントロール性のバランス、耐摩耗性の観点から、ポリアミド系樹脂を用いることができる。ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン56、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン612等の脂肪族ポリアミド、および、これらの共重合ポリアミド、ナイロン9T、ナイロンMXT6などの半芳香族ポリアミド、これらの共重合体等が挙げられる。当該ポリアミド系樹脂としては、コスト、耐熱性の観点から、ナイロン6を用いることができる。本実施形態の芯糸11には、樹脂成分の他、必要に応じて、無機粒子、染顔料、光沢顔料、耐熱剤、耐光剤、摩擦・摩耗改良剤等の添加剤、改質剤を適宜配合することができる。なお、本明細書では、主成分とは、含有割合(重量割合)の最も多い成分を意味する。
芯糸11の太さ(繊度)Dcは、例えば、20dtex以上、5000dtex以下程度である。芯糸11の引張破断伸度は、例えば、10%以上、30%以下程度である。芯糸11の引張破断強度は、例えば、100N以上、300N以下程度である。
芯糸11は、例えば、モノフィラメント、マルチフィラメント等である。芯糸11としては、ストリング1の柔軟性を向上させる観点から、マルチフィラメントを用いることができる。芯糸11を構成する単糸の単糸太さ(繊度)は、特に限定されないが、例えば、モノフィラメントとして用いる構成においては20dtex以上、5000dtex以下程度、マルチフィラメントとして用いる構成においては2dtex以上、500dtex以下程度である。芯糸11がマルチフィラメントである構成において、芯糸11を構成する単糸の本数は、例えば、150本以上、3500本以下である。芯糸11がマルチフィラメントである構成において、当該マルチフィラメントを構成する複数の単糸の形成材料および単糸太さは、同じであってもよく、また、異なっていてもよい。芯糸11がマルチフィラメントである構成において、当該マルチフィラメントは、無撚糸、甘撚糸、中撚糸、強撚糸、極強撚糸のいずれであってもよい。当該マルチフィラメントとしては、外径縮小、形状安定性、ばらけ防止、破断強度維持の観点から、甘撚糸を用いることができる。なお、本明細書では、甘撚糸とは、撚数500回/m以下の撚糸、中撚糸とは、撚数500回/m超、1000回/m以下の撚糸、強撚糸とは、撚数1000回/m超、2500回/m以下の撚糸、極強撚糸とは、撚数2500回/m以上の撚糸を意味する。
なお、本実施形態の芯糸11は、ナイロン6を形成材料とする甘撚糸のマルチフィラメントである。また、芯糸11の太さ(繊度)Dcは、2000dtex程度である。芯糸11の引張破断伸度は、20〜25%程度である。芯糸11の引張破断強度は、200N程度である。
側糸12は、1本または複数本の素線12sから構成され、芯糸11の外周において螺旋状に疎巻されている。側糸12は、主に、芯糸11に十分な伸度(具体的には、引張破断伸度)を発揮させて、ストリング1の強度(具体的には、引張破断強度)を向上させる目的で備えられる。ここで、本明細書では、疎巻とは、軸線OL方向において、側糸12が所定の離間距離を有するように芯糸11に巻回されていることを意味する。換言すれば、芯糸11に側糸12が巻回された状態において、芯糸11の外表面のうち、側糸12に覆われていない部分が存在することを意味する。
側糸12を構成する素線12sの本数(換言すると、芯糸11に巻かれている素線12sの総数)は、特に限定されないが、1本とすることもできるし、ストリング1における良好な引張破断強度と引張破断伸度とを両立させつつ、側糸12を構成する素線12sの外径Dsを抑制することによりストリング1の外径Dtを抑制することができる観点から、2本以上とすることができ、例えば、3本以上、6本以下とすることができる。本実施形態の側糸12は、6本の素線12sから構成されている。なお、側糸12が複数の素線12sから構成される場合において、各素線12sを、芯糸11の外周縁に接するように配置することができる。換言すれば、側糸12を、芯糸11に1層で巻回すことができる。なお、側糸12を、芯糸11に接着剤等により固定しなくてもよい。
側糸12は、複数の素線12sから構成される素線束から構成されていてもよい。なお、本明細書において、素線束とは、互いに接触して配置している素線12sの束を意味する。素線束を構成する素線12sの数は、特に限定されないが、主糸10の外径(ひいてはストリング1の外径Dt)を抑制しつつ、ストリング1の強度(具体的には、引張破断強度)を向上させる観点から、2本以上、6本以下とすることができ、例えば、2本または3本とすることができる。また、側糸12を構成する素線束の組数は、特に限定されないが、芯糸11の外周をより効果的に保持する観点から、2束以上、6束以下とすることができ、例えば、3束以上、6束以下とすることができる。各素線束を構成する素線12sの本数は、芯糸11の外周を各素線束によって均等に保持する観点から、同数とすることができる。本実施形態の側糸12は、それぞれ2本の素線12sから構成される3組の素線束(具体的には、第1の素線束121、第2の素線束122、第3の素線束123、以下、「素線束121,122,123」ともいう)から構成されている。
本実施形態の側糸12を構成する各素線12sは、金属により形成された金属線である。当該金属として、例えば、ステンレス合金(SUS302、SUS304、SUS316等)、ニッケル−チタン系合金、ニッケル−クロム系合金、コバルト合金、タングステン、硬鋼線の材料(SWRH62A、SWRH62B、SWRH72A、SWRH72B、SWRH82A、SWRH82B等)等が挙げられる。当該金属は、入手容易性の観点から、ステンレス合金を用いることができ、例えば、SUS304を用いることができる。また、各素線12sの外表面は、樹脂によりコーティングされていてもよい。本実施形態の各素線12sは、SUS304により形成されている。
側糸12を構成する素線12sの外径Dsは、特に限定されないが、主糸10の外径(ひいてはストリング1の外径Dt)を抑制しつつ、ストリング1の強度(具体的には、引張破断強度)を向上させる観点から、例えば、50μm以上、100μm以下程度である。素線12sの引張破断伸度は、特に限定されないが、良好な耐久性および打球性(具体的には、引張破断伸度、引張破断強度)を有するストリング1を得る観点から、例えば、1%以上、50%以下程度である。素線12sの引張破断強度は、特に限定されないが、ストリング1に十分な耐久性を付与する観点から、例えば、2N以上、24N以下程度である。本実施形態では、素線12sの外径Dsは、85μm程度である。素線12sの引張破断伸度は、例えば、3%程度である。素線12sの引張破断強度は、例えば、18N程度である。また、本実施形態において、素線12sの横断面の形状は、略円形であるが、特に限定されず、楕円(扁平)、多角形などの異形断面形状であってもよい。なお、本実施形態において、側糸12は、芯糸11に1層で巻回されている。すなわち、側糸12のYZ断面での層厚Ts(図2参照)は、素線12sの外径Dsと同等であり、85μm程度である。なお、YZ断面において、側糸12の層厚Tsは、芯糸11の太さ(繊度)Dcより小さい。
側糸12の疎巻の程度(図3中、疎巻ピッチP)は、特に限定されないが、ストリング1の硬度が高くなる(すなわち、しなやかさが低下する)ことを抑制しつつ、芯糸11に十分な引張破断伸度を発揮させる観点から、例えば、0.1mm以上、100mm以下程度である。ここで、本明細書では、側糸12の疎巻ピッチPとは、側糸12(素線12sまたは素線束)を芯糸11の周方向に360°巻回した際の軸線OL方向への移動距離を意味する。また、側糸12は芯糸11に疎巻されているため、芯糸11の表面において、その少なくとも一部に、側糸12が巻回されていない部分が存在する。具体的には、互いに隣接する素線束121と素線束122とは、芯糸11の長さ方向に沿って互いに間隔を空けて配置されており、芯糸11の表面において、素線束121と122との間の領域には、側糸12が巻回されていない。また、互いに隣接する素線束122と素線束123とは、芯糸11の長さ方向に沿って互いに間隔を空けて配置されており、芯糸11の表面において、素線束122と123との間の領域には、側糸12が巻回されていない。そして、互いに隣接する素線束123と素線束121とは、芯糸11の長さ方向に沿って互いに間隔を空けて配置されており、芯糸11の表面において、素線束123と121との間の領域には、側糸12が巻回されていない。本実施形態では、側糸12の疎巻ピッチPは、2.3mm程度である。
側糸12を構成する素線12s間または素線束間の間隔(具体的には、第1の素線束121と第2の素線束122との間の第1の間隔l1、第2の素線束122と第3の素線束123との間の第2の間隔l2、以下、「間隔l1,l2」ともいう)は、互いに同一であってもよく、また、互いに異なっていてもよい。本実施形態では、間隔l1,l2は、互いに略同一である。
側糸12(具体的には、各素線12s)の巻回角度θは、特に限定されないが、ストリング1の硬度が高くなる(すなわち、しなやかさが低下する)ことを抑制しつつ、芯糸11に十分な引張破断伸度を発揮させる観点から、25°以上、50°以下、例えば、35°以上、45°以下程度である。ここで、本明細書では、巻回角度θとは、所定方向視(例えば、Y軸方向視)において、軸線OLと素線12sとから形成される挟角を意味する。本実施形態では、側糸12を構成する各素線12sの巻回角度θは、37°程度である。
図2に示すように、側糸12を構成する各素線束は、特に限定されないが、芯糸11の外周をより効果的に保持し、芯糸11(ひいてはストリング1)の軸線OL方向におけるうねりを抑制する観点から、YZ断面において、各素線束の中心を繋ぐことにより多角形を形成するよう配置されていてもよい。さらには、当該形成される多角形は軸線OLを中心とした略正多角形であってもよい。図2に示すように、本実施形態では、素線束121,122,123は、各素線束121,122,123の各中心(具体的には、第1の素線束121の中心O1、第2の素線束122の中心O2、第3の素線束123の中心O3)を繋ぐことにより、軸線OLを中心とした略正三角形を形成するよう配置されている。なお、側糸12は、芯糸11の外周に螺旋状に疎巻されているため、側糸12の各素線12sの断面形状は長円形であるが、実施形態の技術内容の理解を容易とするため、図2においては、各素線12sの断面形状を模式的に円形として記載している(他の断面図についても同様である)。
鞘部20は、主糸10を被覆し、かつ、被覆層30に被覆されている。換言すれば、鞘部20は、主糸10を構成する芯糸11および側糸12の外側かつ後述の被覆層30の内側に配置されている。鞘部20は、主に、主糸10を保護し、かつ、芯糸11に側糸12が巻回されたことによる凹凸の被覆層30への影響を低減する(ストリング1の表面の平滑性を向上させる)目的で備えられる。鞘部20の製紐方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。従来公知の方法としては、例えば、複数の単糸を主糸10の外周に巻回する方法、または、当該外周に編組する方法(編組法)等が挙げられる。当該製紐方法としては、ストリング1の外形を均一または安定化させる観点から、編組法を用いることができる。なお、鞘部20は、主糸10に接着剤等により固定されていなくてもよい。
鞘部20を構成する単糸の単糸太さ(繊度)は、主糸10をより効果的に保護する観点から、芯糸11を構成する単糸の単糸太さ(繊度)以上とすることができ、例えば、20dtex以上、200dtex以下程度とすることができる。当該単糸太さ(繊度)が、20dtex未満であると、主糸10を十分に保護できない傾向がある。また、当該単糸太さ(繊度)が、200dtex超であると、芯糸11の引張破断伸度が抑制される傾向がある。鞘部20を構成する単糸の本数は、例えば、8本以上、32本以下である。鞘部20を構成する単糸の形成材料は、例えば、芯糸11の形成材料と同様に、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂等が挙げられる。鞘部20の形成材料としては、ポリアミド樹脂同士の接着が容易で、耐摩耗性、耐薬性に優れ、程よい伸びを有する観点から、ポリアミド系樹脂を用いることができ、例えば、ナイロン6を用いることができる。なお、鞘部20の形成材料は、芯糸11の形成材料と同一であってもよく、また、異なっていてもよい。
鞘部20のYZ断面での層厚Ta(図2参照)は、例えば、50μm以上、1000μm以下である。当該層厚Taが、50μm未満であると、主糸10を十分に保護できない傾向がある。また、当該層厚Taが、1000μm超であると、芯糸11の引張破断伸度を抑制する傾向がある。鞘部20の主糸10に対する被覆率は、主糸10(特には、芯糸11)を保護し、かつ、芯糸11に側糸12が巻回されたことによる凹凸の被覆層30への影響を低減する(ストリング1の表面の平滑性を向上させる)観点から、例えば、40%以上、90%以下程度である。なお、本明細書では、被覆率とは、主糸10の外周面の単位面積に占める鞘部20が重複している面積の割合を意味する。
なお、本実施形態の鞘部20の形成材料は、ナイロン6である。また、鞘部20を構成する単糸の太さ(繊度)は、200dtex程度であり、単糸の本数は8本である。本実施形態の鞘部20は、例えば、8つ打ちの製紐機を用いて、主糸10に単糸を編組することにより形成することができる。鞘部20の層厚Taは、85μm程度であり、被覆率は、85%程度である。
被覆層30は、鞘部20を被覆する樹脂製の部材である。すなわち、被覆層30は、鞘部20の内側に配置されている主糸10を構成する芯糸11および側糸12を被覆している。被覆層30は、主に、主糸10および鞘部20を保護しつつ、ストリング1の外表面の平滑性を向上させる目的で備えられる。被覆層30を形成する樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に限定されず、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリウレタン系樹脂等が挙げられる。被覆層30の形成材料としては、鞘部20との良好な接着性および良好な強度を有する観点から、ポリアミド系樹脂またはポリウレタン系樹脂を用いることができ、例えば、ナイロン6を用いることができる。なお、被覆層30の形成材料は、芯糸11または鞘部20の形成材料と同一であってもよく、また、異なっていてもよい。また、被覆層30の形成材料には、必要に応じて、耐熱剤、耐光剤、摩擦・摩耗改良剤、着色剤などの添加剤、改質剤等を適宜配合することができる。
被覆層30のYZ断面での層厚To(図2参照)は、例えば、5μm以上、500μm以下である。当該層厚Toが、5μm未満であると、主糸10および/または鞘部20を十分に保護できない傾向がある。また、当該層厚Toが、500μm超であると、芯糸11の引張破断伸度を抑制する傾向がある。なお、被覆層30は、1層であってもよく、多層であってもよい。なお、被覆層30を多層にする構成において、各層の形成材料および層厚は、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。被覆層30を鞘部20に被覆する方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を採用することができる。従来公知の方法としては、例えば、ディッピング法、溶融コーティング法等が挙げられる。
なお、本実施形態の被覆層30の形成材料は、ナイロン6である。被覆層30の層厚Toは、15μm程度である。
ストリング1の外径Dtは、特に限定されないが、1.5mm以下とすることができ、良好な耐久性および打球性を有するストリング1を得る観点から、0.3mm以上、1.5mm以下とすることができる。バドミントンのラケットに用いられる場合には、ストリング1の外径Dtは、0.8mm以下とすることができ、例えば、0.3mm以上、0.8mm以下とすることができる。また、ストリング1の引張破断伸度は、特に限定されないが、良好な耐久性、打球性および張設性を有するストリング1を得る観点から、芯糸11の引張破断伸度以上であり、例えば、10%以上、50%以下程度である。また、ストリング1の引張破断強度は、特に限定されないが、良好な耐久性および打球性を有するストリング1を得る観点から、例えば、100N以上、300N以下程度である。
なお、本実施形態のストリング1の外径Dtは、0.7mm程度である。ストリング1の引張破断伸度は、26〜30%程度である。ストリング1の引張破断強度は、250N程度である。
A−2.評価方法
以下に、それぞれの評価方法を示す。
[引張破断伸度および引張破断強度]
JIS L1013に準じて、引張破断伸度および引張破断強度の測定を行った。測定には、空気キャプスタン式糸つかみ具を取り付けた、(株)島津製作所製のオートグラフAGS−X 1kNを用いた。試料(具体的には、ストリング1、芯糸11、素線12s)は、試料長30cmとした。引張試験の条件は、標準状態(温度20℃、相対湿度65%)下、引張速度200mm/分、つかみ具間距離200mmとし、試料が切断したときの荷重および伸びを測定した。引張破断伸度および引張破断強度は、それぞれ以下の式に基づいて算出した。なお、後述の正量繊度とは、平衡水分率から算出した試料の繊度である。
・引張破断伸度(%)=(破断時つかみ具間距離(mm)−つかみ具間距離200(mm))/つかみ具間距離200(mm)×100
・引張破断強度(N)= 最大荷重点(N)
[糸の直径]
(株)ミツトヨ製デジタルマイクロメーターを用いて測定した。
A−3.第1実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態のストリング1は、合成樹脂製の芯糸11と側糸12とを備えている。側糸12は、金属により形成され、かつ、芯糸11の外周において螺旋状に疎巻されている。本実施形態のストリング1では、ストリング1を構成する芯糸11が合成樹脂により形成されているため、良好な引張破断伸度を発揮することができる。また、本実施形態のストリング1は、金属を含む側糸12を備えているため、側糸12が金属を含まない構成と比較して、ストリング1の引張破断強度を向上させることができる。換言すれば、側糸12が金属を含む構成では、側糸12が金属を含まない構成と比較して、同等の引張破断強度を発揮させるための側糸12の外径Ds(ひいてはストリング1の外径Dt)を小さくすることができる。また、本実施形態のストリング1では、上記側糸12が、芯糸11の外周において、螺旋状に巻回されているため、芯糸11の外周面が側糸12によって保護され、ひいては、ストリング1同士の摩擦等による芯糸11の切断を抑制することができる。また、上記側糸12が、芯糸11の外周において、螺旋状に巻回されているため、側糸12は、ストリング1に力が加えられると変形し、力が取り除かれると復元する性質(すなわちバネとしての性質)を有する。具体的には、ストリング1に力が加えられたり、当該力が取り除かれたりすると、芯糸11の伸縮に追随して側糸12も伸縮することができる。また、本実施形態のストリング1では、側糸12は芯糸11に疎巻されているため、密巻の構成と比較して、側糸12の引張破断伸度を向上させることができるとともに、ストリング1自体の硬度が高くなる(すなわち、しなやかさが低下する)ことを抑制することができる。このため、側糸12によって芯糸11が良好な引張破断伸度を発揮し易くなる。従って、本実施形態のストリング1によれば、ストリング1の外径Dtを抑えつつ、ストリング1の良好な引張破断伸度と引張破断強度との両立、ひいては、耐久性と打球性との両立を図ることができる。
また、本実施形態のストリング1では、芯糸11は、マルチフィラメントである。本実施形態のストリング1によれば、芯糸11がマルチフィラメントで構成されているため、ストリング1の柔軟性を向上させることができる。
また、本実施形態のストリング1では、側糸12は、複数本(具体的には、6本)の素線12sから構成され、各素線12sは、芯糸11の外周に接するように配置されている。本実施形態のストリング1によれば、側糸12が複数本の素線12sから構成されているため、側糸12が1本の素線12sから構成されている構成と比較して、ストリング1の引張破断強度を向上させることができる。換言すれば、側糸12が複数本の素線12sから構成されている構成では、側糸12が1本の素線12sから構成されている構成と比較して、同等の引張破断強度を発揮させるための各素線12sの外径Dsを小さくすることができる。また、本実施形態のストリング1によれば、各素線12sが、芯糸11の外周に接するように配置されているため、側糸12の外径Ds(ひいてはストリング1の外径Dt)を抑えることができる。
また、本実施形態のストリング1では、素線の数は、6本である。本実施形態のストリング1によれば、素線12sの数が6本(具体的には、3組の素線束121,122,123)であるため、ストリング1の軸線OL方向に略直交する各断面において、各素線束121,122,123の中心(中心O1,O2,O3)を繋ぐことにより略正三角形を形成することができる。このため、芯糸11の外周をより効果的に保持し、芯糸11(ひいてはストリング1)の軸線OL方向におけるうねりを抑制することができる。また、本実施形態のストリング1によれば、素線12sの数が6本であり、それほど多くないため、ストリング1自体の硬度が過度に高くなる(すなわち、しなやかさが過度に低下する)ことを抑制することができる。
また、本実施形態のストリング1では、さらに、主糸10(すなわち、芯糸11および側糸12)を被覆する、合成樹脂製の被覆層30を備えている。本実施形態のストリング1によれば、芯糸11および側糸12は被覆層30により保護され得るため、この結果、ストリング1の耐久性を向上させることができる。
また、本実施形態のストリング1では、さらに、主糸10(すなわち、芯糸11および側糸12)の外側かつ被覆層30の内側に配置された鞘部20を備えている。本実施形態のストリング1によれば、芯糸11および側糸12の外側に鞘部20が備えられているため、芯糸11および側糸12は鞘部20により保護され得る。また、本実施形態のストリング1によれば、鞘部20は被覆層30の内側に配置されているため、芯糸11に側糸12が巻回されたことによる凹凸の被覆層30表面への影響を低減することができ、ひいては、ストリング1の表面の平滑性を向上させることができる。
また、本実施形態のストリング1では、ストリング1の外径Dtは1.5mm以下である。本実施形態のストリング1によれば、ストリング1の外径Dtが1.5mm以下であり、比較的細いため、打球性を向上させることができる。また、本実施形態のストリング1は、比較的細いストリング1が用いられるバドミントン用として好適に用いられる。
また、本実施形態のストリング1では、ストリング1の引張破断伸度は、芯糸11の引張破断伸度以上である。すなわち、本実施形態のストリング1によれば、引張破断強度を付与しつつ、芯糸11の引張破断伸度を維持したストリング1を得ることができる。
B.第2実施形態:
図4は、第2実施形態におけるストリング1Aの構成を概略的に示す説明図である。図4Aには、Y軸方向視におけるストリング1Aの構成が概略的に示されている。図4Bには、YZ断面におけるストリング1Aの構成が概略的に示されている。なお、図4では、鞘部20および被覆層30の図示を省略している。以下では、第2実施形態のストリング1Aの構成のうち、上述した第1実施形態のストリング1と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第2実施形態のストリング1Aは、主糸10Aと、鞘部20と、被覆層30とを備えている。すなわち、第2実施形態のストリング1Aは、第1実施形態の主糸10に代えて、主糸10Aを備えている。主糸10Aは、芯糸11と側糸12Aとから構成されている。
側糸12Aは、6本の素線12sから構成され、芯糸11の外周において螺旋状に疎巻されている。より具体的には、側糸12Aは、それぞれ1本の素線12sから構成される6組の素線束(具体的には、第1の素線束121A、第2の素線束122A、第3の素線束123A、第4の素線束124A、第5の素線束125A、第6の素線束126A、以下、「素線束121A,122A,123A,124A,125A,126A」ともいう)から構成されている。素線12sの形成材料、外径、引張破断伸度、引張破断強度は、第1実施形態の素線12sと同様である。また、側糸12Aの疎巻ピッチPAは、2.3mm程度であり、巻回角度θAは、37°程度である。
図4Bに示すように、YZ断面において、側糸12Aを構成する各素線束(素線12s)は、芯糸11の外周に略均等に配置されている。換言すれば、各素線束(素線12s)は、各素線束(素線12s)の中心を繋ぐことにより略正六角形を形成するように配置されている。このように、本実施形態のストリング1Aでは、側糸12Aが、芯糸11の外周を均等に保護するため、ストリング1A同士の摩擦等による芯糸11の摩耗を抑制し、ひいてはストリング1Aの耐久性を向上することができる。また、本実施形態のストリング1Aでは、側糸12Aが、芯糸11の外周を均等に保持するため、芯糸11(ひいてはストリング1A)の軸線OL方向におけるうねりを抑制することができる。
本実施形態のストリング1Aにおいても、第1実施形態と同様に、主糸10Aが、芯糸11と、金属により形成され、かつ、芯糸11に疎巻された側糸12Aとから構成されている。このため、本実施形態のストリング1Aによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
C.第3実施形態:
図5は、第3実施形態におけるストリング1Bの構成を概略的に示す説明図である。図5Aには、Y軸方向視におけるストリング1Bの構成が概略的に示されている。図5Bには、YZ断面におけるストリング1Bの構成が概略的に示されている。なお、図5では、鞘部20および被覆層30の図示を省略している。以下では、第3実施形態のストリング1Bの構成のうち、上述した第1実施形態のストリング1と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第3実施形態のストリング1Bは、主糸10Bと、鞘部20と、被覆層30とを備えている。すなわち、第3実施形態のストリング1Bは、第1実施形態の主糸10に代えて、主糸10Bを備えている。主糸10Bは、芯糸11と側糸12Bとから構成されている。
側糸12Bは、6本の素線12sから構成され、芯糸11の外周において螺旋状に疎巻されている。より具体的には、側糸12Bは、6本の素線12sから構成される1組の素線束(具体的には、素線束121B)から構成されている。素線12sの形成材料、外径、引張破断伸度、引張破断強度は、第1実施形態の素線12sと同様である。また、側糸12Bの疎巻ピッチPBは、2.3mm程度であり、巻回角度θBは、37°程度である。
図5Bに示すように、YZ断面において、側糸12Bを構成する素線束(素線12s)は、芯糸11の外周の一部分に、6本の素線12sが連続するように配置されている。
本実施形態のストリング1Bにおいても、第1実施形態と同様に、主糸10Bが、芯糸11と、金属により形成され、かつ、芯糸11に疎巻された側糸12Bとから構成されている。このため、本実施形態のストリング1Bによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
D.第4実施形態:
図6は、第4実施形態におけるストリング1Cの構成を概略的に示す説明図である。図6Aには、Y軸方向視におけるストリング1Cの構成が概略的に示されている。図6Bには、YZ断面におけるストリング1Cの構成が概略的に示されている。なお、図6では、鞘部20および被覆層30の図示を省略している。以下では、第4実施形態のストリング1Cの構成のうち、上述した第1実施形態のストリング1と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第4実施形態のストリング1Cは、主糸10Cと、鞘部20と、被覆層30とを備えている。すなわち、第4実施形態のストリング1Cは、第1実施形態の主糸10に代えて、主糸10Cを備えている。主糸10Cは、芯糸11と側糸12Cとから構成されている。
側糸12Cは、1本の素線12sから構成され、芯糸11の外周において螺旋状に疎巻されている。素線12sの形成材料、外径、引張破断伸度、引張破断強度は、第1実施形態の素線12sと同様である。また、側糸12Cの疎巻ピッチPCは、2.3mm程度であり、巻回角度θCは、37°程度である。
図6Bに示すように、YZ断面において、側糸12C(素線12s)は、芯糸11の外周に配置されている。
本実施形態のストリング1Cにおいても、第1実施形態と同様に、主糸10Cが、芯糸11と、金属により形成され、かつ、芯糸11に疎巻された側糸12Cとから構成されている。このため、本実施形態のストリング1Cによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
E.第5実施形態:
図7は、第5実施形態におけるストリング1Dの構成を概略的に示す説明図である。図7Aには、Y軸方向視におけるストリング1Dの構成が概略的に示されている。図7Bには、YZ断面におけるストリング1Dの構成が概略的に示されている。以下では、第5実施形態のストリング1Dの構成のうち、上述した第1実施形態のストリング1と同一の構成については、同一の符号を付すことによってその説明を適宜省略する。
第5実施形態のストリング1Dは、主糸10と、被覆層30とを備えている。すなわち、第5実施形態のストリング1Dは、第1実施形態のストリング1Aにおいて、鞘部20を備えていない。このようなストリング1Dは、例えば、上記従来公知の方法を用いて、主糸10に被覆層30を被覆することにより製造することができる。
本実施形態のストリング1Dにおいても、第1実施形態と同様に、主糸10が、芯糸11と、金属により形成され、かつ、芯糸11に疎巻された側糸12とから構成されている。このため、本実施形態のストリング1Dによっても、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
F.第6実施形態:
図8は、第6実施形態におけるラケット100の構成を概略的に示す説明図である。本実施形態において、ラケット100は、バドミントン用ラケットである。本実施形態のラケット100には、ストリング1が組み込まれている。より具体的には、ラケット100は、複数のストリング1と、フレーム部2と、シャフト部3と、グリップ部4とを備えている。以下では、本実施形態のラケット100が備えるストリング1の構成は、上述した第1実施形態のストリング1の構成と同じであるため、その説明を省略する。
グリップ部4は、プレーヤに把持される部分である。グリップ部4には、シャフト部3の一端が連結されている。シャフト部3は、X軸方向に延在する直線状の棒状部材である。シャフト部3の他端には、フレーム部2が連結されている。フレーム部2は、楕円形状の環状部材である。フレーム部2の内側には、複数のストリング1が張設されている。この複数のストリング1によってシャトル(図示せず)を打撃することが可能な打球面が形成される。
本実施形態のラケット100によれば、第1実施形態のストリング1を備えているため、良好な耐久性および打球性を有するラケットを提供することができる。
G.変形例:
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
第1実施形態のストリング1において、素線束121,122,123を構成する素線12sの本数を、1本、または、3本以上とする構成を採用してもよい。また、素線束の組数を、1または2組、または、4組以上とする構成を採用してもよい。
第1実施形態のストリング1では、側糸12を構成する素線12sの全てが金属線である構成としたがこれに限定されない。本発明のストリングは、側糸12が金属を含んでいる構成であればよい。ここで、側糸12が金属を含んでいるとは、側糸12を構成する各素線12sに金属が含まれていること、および/または、側糸12を構成する複数の素線12sのうちの一部の素線12sに金属が含まれていること、を意味する。例えば、側糸12を構成する素線12sの一部を樹脂製の素線に代える構成を採用することができる。また、側糸12を構成する素線12sを、複数の素線が撚られて形成される構成とし、当該複数の素線のうちの少なくとも1本を金属線とする構成を採用することができる。ストリング1において、側糸12に含まれる金属線は、軸線OL方向において、途切れることなく連続して存在していてもよい。
第1実施形態のストリング1において、鞘部20が主糸10に接着剤等により固定されている構成を採用してもよい。当該接着剤としては、例えば、ポリアミド系樹脂が挙げられる。
第5実施形態のストリング1Dにおいて、主糸10に代えて、第2実施形態のストリング1Aの主糸10A、第3実施形態のストリング1Bの主糸10B、あるいは、第4実施形態のストリング1Cの主糸10Cを用いた構成を採用してもよい。
第6実施形態のラケット100において、第1実施形態のストリング1に代えて、または、これとともに、他の実施形態のストリング1A,1B.1C,1D、上記変形例のストリングが組み込まれていてもよい。これらのラケットにおいても、ラケット100と同様に、良好な耐久性および打球性を発揮しうる。
H.参考例:
本発明のラケット用ストリングを、ラケット以外の用途、例えば、釣糸を構成する複合線として用いることができる。参考例の複合線を用いることにより、例えば、釣糸を構成する複合線など、ラケット以外の用途に用いられる各種の複合線について、良好な引張破断伸度と引張破断強度との両立を図ることができる。
(1)参考例の複合線は、合成樹脂製の芯糸と、金属を含み、かつ、前記芯糸の外周において螺旋状に疎巻された側糸と、を備える。
(2)上記複合線において、前記芯糸は、マルチフィラメントである構成としてもよい。
(3)上記複合線において、前記側糸は、複数本の素線から構成され、各前記素線は、前記芯糸の外周に接するように配置されている構成としてもよい。
(4)上記複合線において、前記素線の数は、3本以上、18本以下である構成としてもよい。
(5)上記複合線において、さらに、前記芯糸と前記側糸とを被覆する、合成樹脂製の被覆層を備える構成としてもよい。
(6)上記複合線において、さらに、前記芯糸および前記側糸の外側かつ前記被覆層の内側に配置された鞘部を備える構成としてもよい。
(7)上記複合線において、前記複合線の直径は1.5mm以下である構成としてもよい。
(8)上記複合線において、前記複合線の引張破断伸度は、前記芯糸の引張破断伸度以上である構成としてもよい。
参考例の複合線は、ラケット以外の用途の複合線(例、釣糸を構成する複合線)として用いられる。参考例の複合線の物としての構成は、上記ラケット用ストリングの構成と同じである。すなわち、前述したラケット用ストリングの実施形態、変形例、および図面を、「ラケット用ストリング」を「複合線」に、「ストリング」を「複合線」に置き換えて、参考例の複合線の実施形態、変形例、および図面として用いることができる。
1:ラケット用ストリング(ストリング):参考例の複合線(ストリング)にも相当する 1A:ストリング(参考例の複合線にも相当する) 1B:ストリング(参考例の複合線にも相当する) 1C:ストリング(参考例の複合線にも相当する) 1D:ストリング(参考例の複合線にも相当する) 10:主糸 10A:主糸 10B:主糸 10C:主糸 11:芯糸 12:側糸 12A:側糸 12B:側糸 12C:側糸 12s:素線 20:鞘部 30:被覆層 121:第1の素線束 121A:第1の素線束 122:第2の素線束 122A:第2の素線束 123:第3の素線束 123A:第3の素線束 124A:第4の素線束 125A:第5の素線束 126A:第6の素線束

Claims (7)

  1. ラケット用ストリングであって、
    合成樹脂製の芯糸と、
    金属を含み、かつ、前記芯糸の外周において螺旋状に疎巻された側糸と、
    を備えるラケット用ストリング。
  2. 請求項1に記載のラケット用ストリングであって、
    前記芯糸は、マルチフィラメントである、
    ラケット用ストリング。
  3. 請求項1または請求項2に記載のラケット用ストリングであって、
    前記側糸は、複数本の素線から構成され、
    各前記素線は、前記芯糸の外周に接するように配置されている、
    ラケット用ストリング。
  4. 請求項3に記載のラケット用ストリングであって、
    前記素線の数は、3本以上、18本以下である、
    ラケット用ストリング。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のラケット用ストリングであって、
    前記ラケット用ストリングの直径は1.5mm以下である、
    ラケット用ストリング。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のラケット用ストリングであって、
    前記ラケット用ストリングの引張破断伸度は、前記芯糸の引張破断伸度以上である、
    ラケット用ストリング。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載のラケット用ストリングが組み込まれたラケット。
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