JP2021168759A - 画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】脈絡膜血管画像において眼底の病変部と接続する渦静脈を検出する。【解決手段】コンピュータ本体252は、CPU262、RAM266、ROM264、入出力(I/O)ポート268を有する。入出力(I/O)ポート268には、記憶装置254、ディスプレイ256、マウス255M、キーボード255K、および通信インターフェース(I/F)258が接続されている。記憶装置254は、例えば、不揮発メモリで構成される。入出力(I/O)ポート268は、通信インターフェース(I/F)258を介して、ネットワーク130に接続されている。CPU262は、脈絡膜血管画像から眼底の所定領域を検出し、脈絡膜血管画像から渦静脈を検出し、脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、所定領域に関係する第一渦静脈を検出する。【選択図】図3

Description

本発明は、眼底画像から網膜の病変との関連が疑われる渦静脈(Vortex Vein)を検出する画像処理方法、画像処理装置、及び画像処理プログラムに関する。
広角眼底画像から渦静脈を解析することが望まれている。
米国特許第8356901号明細書
本開示の技術の第1の態様の画像処理方法は、プロセッサが行う画像処理であって、脈絡膜血管画像から眼底の所定領域を検出するステップと、前記脈絡膜血管画像から複数の渦静脈を検出するステップと、前記脈絡膜血管画像から検出された前記複数の渦静脈のうち、前記所定領域に関係する第一渦静脈を特定するステップと、を含む。
本開示の技術の第2の態様の画像処理装置は、メモリと、前記メモリに接続するプロセッサとを備え、前記プロセッサは、脈絡膜血管画像から眼底の所定領域を検出し、前記脈絡膜血管画像から渦静脈を検出し、前記脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、前記所定領域に関係する第一渦静脈を検出する。
本開示の技術の第3の態様のプログラムは、コンピュータに、脈絡膜血管画像から眼底の所定領域を検出し、前記脈絡膜血管画像から渦静脈を検出し、前記脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、前記所定領域に関係する第一渦静脈を検出する、ことを実行させる。
本実施形態の眼科システムの概略構成図である。 本実施形態の眼科装置の概略構成図である。 サーバの概略構成図である。 サーバのCPUにおいて、画像処理プログラムによって実現される機能の説明図である。 眼球の赤道部の説明図である。 眼底を広範囲に撮影したUWF−SLO画像を示す概略図である。 眼球における脈絡膜と渦静脈との位置関係を示す概略図である。 サーバによる画像処理を示したフローチャートである。 図6のステップ606のデータ解析処理を示したフローチャートである。 脈絡膜血管画像において、病変部を示す着目領域に対して血管接続性を有する第一渦静脈を示した概略図である。 病変部を示す着目領域と、第一渦静脈との接続性を示した画像である。 絡膜血管画像において、渦静脈を中心とした解析円と交わる血管の径の計測例を示した説明図である。 解析円の拡大図である。 ビューワのディスプレイに表示されるディスプレイスクリーンを示した概略図である。 正常眼の渦静脈の平均位置を表示した場合のディスプレイスクリーンの例である。 第一渦静脈及び第二渦静脈の中心が視神経乳頭となるように、眼底画像の座標を変換した場合のディスプレイスクリーンの例である。 ディスプレイスクリーンの画像表示領域に表示される脈絡膜血管画像の例である。 ディスプレイスクリーンの画像表示領域に表示される脈絡膜血管画像の変形例である。
以下、本発明の実施形態に係る眼科システム100について図面を参照して説明する。図1には、眼科システム100の概略構成が示されている。図1に示すように、眼科システム100は、眼科装置110と、サーバ装置(以下、「サーバ」という)140と、表示装置(以下、「ビューワ」という)150と、を備えている。眼科装置110は、眼底画像を取得する。サーバ140は、眼科装置110によって複数の患者の眼底が撮影されることにより得られた複数の眼底画像及び眼軸長測定装置(図示せず)によって別途測定した眼軸長を、患者IDに対応して記憶する。ビューワ150は、サーバ140により取得した眼底画像や解析結果を表示する。
眼科装置110、サーバ140、ビューワ150は、ネットワーク130を介して、相互に接続されている。ビューワ150は、クライアントサーバシステムにおけるクライアントであり、ネットワークを介して複数台が接続される。また、サーバ140も、システムの冗長性を担保するために、ネットワークを介して複数台が接続されていてもよい。又は、眼科装置110が画像処理機能及びビューワ150の画像閲覧機能を備えるのであれば、眼科装置110がスタンドアロン状態で、眼底画像の取得、画像処理及び画像閲覧が可能となる。また、サーバ140がビューワ150の画像閲覧機能を備えるのであれば、眼科装置110とサーバ140との構成で、眼底画像の取得、画像処理及び画像閲覧が可能となる。
なお、他の眼科機器(視野測定、眼圧測定などの検査機器)やAI(Artificial Intelligence)を用いた画像解析を行う診断支援装置がネットワーク130を介して、眼科装置110、サーバ140、及びビューワ150に接続されていてもよい。
次に、図2を参照して、眼科装置110の構成を説明する。
説明の便宜上、走査型レーザ検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope)を「SLO」と称する。また、光干渉断層計(Optical Coherence Tomography)を「OCT」と称する。
なお、眼科装置110が水平面に設置された場合の水平方向を「X方向」、水平面に対する垂直方向を「Y方向」とし、被検眼12の前眼部の瞳孔の中心と眼球の中心とを結ぶ方向を「Z方向」とする。従って、X方向、Y方向、およびZ方向は互いに垂直である。
眼科装置110は、撮影装置14および制御装置16を含む。撮影装置14は、SLOユニット18およびOCTユニット20を備えており、被検眼12の眼底の眼底画像を取得する。以下、SLOユニット18により取得された二次元眼底画像をSLO画像と称する。また、OCTユニット20により取得されたOCTデータに基づいて作成された網膜の断層画像や正面画像(en−face画像)などをOCT画像と称する。OCT画像は、本開示の技術の「断層画像」に相当する。
制御装置16は、CPU(Central Processing Unit(中央処理装置))16A、RAM(Random Access Memory)16B、ROM(Read−Only memory)16C、および入出力(I/O)ポート16Dを有するコンピュータを備えている。
制御装置16は、I/Oポート16Dを介してCPU16Aに接続された入力/表示装置16Eを備えている。入力/表示装置16Eは、被検眼12の画像を表示したり、ユーザから各種指示を受け付けたりするグラフィックユーザインターフェースを有する。グラフィックユーザインターフェースとしては、タッチパネル・ディスプレイが挙げられる。
また、制御装置16は、I/Oポート16Dに接続された画像処理装置17を備えている。画像処理装置17は、撮影装置14によって得られたデータに基づき被検眼12の画像を生成する。なお、制御装置16は、通信インターフェース16Fを介してネットワーク130に接続される。
上記のように、図2では、眼科装置110の制御装置16が入力/表示装置16Eを備えているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、眼科装置110の制御装置16は入力/表示装置16Eを備えず、眼科装置110とは物理的に独立した別個の入力/表示装置を備えるようにしてもよい。この場合、当該表示装置は、制御装置16のCPU16Aの表示制御部204の制御下で動作する画像処理プロセッサユニットを備える。画像処理プロセッサユニットが、表示制御部204が出力指示した画像信号に基づいて、SLO画像等を表示するようにしてもよい。
撮影装置14は、制御装置16のCPU16Aの制御下で作動する。撮影装置14は、SLOユニット18、撮影光学系19、およびOCTユニット20を含む。撮影光学系19は、光学スキャナ22、および広角光学系30を含む。
光学スキャナ22は、SLOユニット18から射出された光をX方向、およびY方向に2次元走査する。光学スキャナ22は、光束を偏向できる光学素子であればよく、例えば、ポリゴンミラーや、ガルバノミラー等を用いることができる。また、それらの組み合わせであってもよい。
広角光学系30は、SLOユニット18からの光とOCTユニット20からの光とを合成する。
なお、広角光学系30は、楕円鏡などの凹面ミラーを用いた反射光学系や、広角レンズなどを用いた屈折光学系、あるいは、凹面ミラーやレンズを組み合わせた反射屈折光学系でもよい。楕円鏡や広角レンズなどを用いた広角光学系を用いることにより、眼底中心部だけでなく眼底周辺部の網膜を撮影することが可能となる。
楕円鏡を含むシステムを用いる場合には、国際公開WO2016/103484あるいは国際公開WO2016/103489に記載された楕円鏡を用いたシステムを用いる構成でもよい。国際公開WO2016/103484の開示および国際公開WO2016/103489の開示の各々は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
広角光学系30によって、眼底において広い視野(FOV:Field of View)12Aでの観察が実現される。FOV12Aは、撮影装置14によって撮影可能な範囲を示している。FOV12Aは、視野角として表現され得る。視野角は、本実施形態において、内部照射角と外部照射角とで規定され得る。外部照射角とは、眼科装置110から被検眼12へ照射される光束の照射角を、瞳孔27を基準として規定した照射角である。また、内部照射角とは、眼底Fへ照射される光束の照射角を、眼球中心Oを基準として規定した照射角である。外部照射角と内部照射角とは、対応関係にある。例えば、外部照射角が120度の場合、内部照射角は約160度に相当する。本実施形態では、内部照射角は200度としている。
ここで、内部照射角で160度以上の撮影画角で撮影されて得られたSLO眼底画像をUWF−SLO眼底画像と称する。なお、UWFとは、UltraWide Field(超広角)の略称を指す。眼底の視野角(FOV)を超広角な角度とした広角光学系30により、被検眼12の眼底の後極部から赤道部を超える領域を撮影することができ、渦静脈などの眼底周辺部に存在する構造物を撮影できる。
SLOシステムは、図2に示す制御装置16、SLOユニット18、および撮影光学系19によって実現される。SLOシステムは、広角光学系30を備えるため、広いFOV12Aでの眼底撮影を可能とする。
SLOユニット18は、B(青色光)の光源40、G光(緑色光)の光源42、R光(赤色光)の光源44、およびIR光(赤外線(例えば、近赤外光))の光源46と、光源40、42、44、46からの光を、反射又は透過して1つの光路に導く光学系48、50、52、54、56とを備えている。光学系48、56は、ミラーであり、光学系50、52、54は、ビームスプリッタ―である。B光は、光学系48で反射し、光学系50を透過し、光学系54で反射し、G光は、光学系50、54で反射し、R光は、光学系52、54を透過し、IR光は、光学系52、56で反射して、それぞれ1つの光路に導かれる。
SLOユニット18は、R光およびG光を発するモードと、赤外線を発するモードなど、波長の異なるレーザ光を発する光源あるいは発光させる光源の組合せを切り替え可能に構成されている。図2に示す例では、B光の光源40、G光の光源42、R光の光源44、およびIR光の光源46の4つの光源を備えるが、本開示の技術は、これに限定されない。例えば、SLOユニット18は、更に、白色光の光源を更に備え、G光、R光、およびB光を発するモードや、白色光のみを発するモード等の種々のモードで光を発するようにしてもよい。
SLOユニット18から撮影光学系19に入射された光は、光学スキャナ22によってX方向およびY方向に走査される。走査光は広角光学系30および瞳孔27を経由して、眼底に照射される。眼底により反射された反射光は、広角光学系30および光学スキャナ22を経由してSLOユニット18へ入射される。
SLOユニット18は、被検眼12の後眼部(眼底)からの光の内、B光を反射し且つB光以外を透過するビームスプリッタ64、ビームスプリッタ64を透過した光の内、G光を反射し且つG光以外を透過するビームスプリッタ58を備えている。SLOユニット18は、ビームスプリッタ58を透過した光の内、R光を反射し且つR光以外を透過するビームスプリッタ60を備えている。SLOユニット18は、ビームスプリッタ60を透過した光の内、IR光を反射するビームスプリッタ62を備えている。SLOユニット18は、ビームスプリッタ64により反射したB光を検出するB光検出素子70、ビームスプリッタ58により反射したG光を検出するG光検出素子72、ビームスプリッタ60により反射したR光を検出するR光検出素子74、およびビームスプリッタ62により反射したIR光を検出するIR光検出素子76を備えている。
広角光学系30および光学スキャナ22を経由してSLOユニット18へ入射された光(眼底により反射された反射光)は、B光の場合、ビームスプリッタ64で反射してB光検出素子70により受光され、G光の場合、ビームスプリッタ58で反射してG光検出素子72により受光される。上記入射された光は、R光の場合、ビームスプリッタ58を透過し、ビームスプリッタ60で反射してR光検出素子74により受光される。上記入射された光は、IR光の場合、ビームスプリッタ58、60を透過し、ビームスプリッタ62で反射してIR光検出素子76により受光される。CPU16Aの制御下で動作する画像処理装置17は、B光検出素子70、G光検出素子72、R光検出素子74、およびIR光検出素子76で検出された信号を用いてUWF−SLO画像を生成する。
また、制御装置16が、同時に発光するように光源40、42、44を制御する。B光、G光およびR光で同時に被検眼12の眼底が撮影されることにより、各位置が互いに対応するG色眼底画像、R色眼底画像、およびB色眼底画像が得られる。G色眼底画像、R色眼底画像、およびB色眼底画像からRGBカラー眼底画像が得られる。制御装置16が、同時に発光するように光源42、44を制御し、G光およびR光で同時に被検眼12の眼底が撮影されることにより、各位置が互いに対応するG色眼底画像およびR色眼底画像が得られる。G色眼底画像およびR色眼底画像からRGカラー眼底画像が得られる。
広角光学系30により、眼底の視野角(FOV:Field of View)を超広角な角度とし、被検眼12の眼底の後極部から赤道部を超える領域を撮影することができる。
図5Aを用いて赤道部178の説明をする。眼球(被検眼12)は、直径約 24mm の眼球中心170とした球状の構造物である。その前極175と後極176を連ねる直線を眼球軸172と言い、眼球軸172に直交する平面が眼球表面と交わる線を緯線といい、その最大のものが赤道174である。赤道174の位置に相当する網膜や脈絡膜の部分を赤道部178とする。
眼科装置110は、被検眼12の眼球中心170を基準位置として内部照射角が200°の領域を撮影することができる。なお、200°の内部照射角は、被検眼12の眼球の瞳孔を基準とした外部照射角では110°である。つまり、広角光学系30は外部照射角110°の画角で瞳からレーザ光を照射させ、内部照射角で200°の眼底領域を撮影する。
図5Bには、内部照射角が200°で走査できる眼科装置110で撮影されて得られたUWF−SLO画像179が示されている。図5Bに示すように、赤道部178は内部照射角で180°に相当し、UWF−SLO画像179においては点線178aで示された個所が赤道部178に相当する。このように、眼科装置110は、後極部から赤道部178を超えた眼底領域を撮影することができる。
図5Cは、眼球における脈絡膜12Mと渦静脈12V1、V2との位置関係を示す図である。図5Cにおいて、網目状の模様は脈絡膜12Mの脈絡膜血管を示している。脈絡膜血管は脈絡膜全体に血液をめぐらせる。そして、被検眼12に複数(通常4つから6つ)存在する渦静脈から眼球の外へ血液が流れる。図5Cでは眼球の片側に存在する上側渦静脈V1と下側渦静脈V2が示されている。渦静脈は、赤道部178の近傍に存在する場合が多い。そのため、被検眼12に存在する渦静脈及び渦静脈周辺の脈絡膜血管を撮影するには、上述した内部照射角が200°で走査できる眼科装置110を用いて行われる。
OCTシステムは、図2に示す制御装置16、OCTユニット20、および撮影光学系19によって実現される。OCTシステムは、広角光学系30を備えるため、上述したSLO眼底画像の撮影と同様に、眼底周辺部のOCT撮影を可能とする。つまり、眼底の視野角(FOV)を超広角な角度とした広角光学系30により、被検眼12の眼底の後極部から赤道部178を超える領域のOCT撮影を行うことができる。渦静脈などの眼底周辺部に存在する構造物のOCTデータを取得でき、渦静脈の断層像や、OCTデータを画像処理することにより渦静脈の3D構造を得ることができる。
OCTユニット20は、光源20A、センサ(検出素子)20B、第一の光カプラ20C、参照光学系20D、コリメートレンズ20E、および第2の光カプラ20Fを含む。
光源20Aから射出された光は、第一の光カプラ20Cで分岐される。分岐された一方の光は、測定光として、コリメートレンズ20Eで平行光にされた後、撮影光学系19に入射される。測定光は広角光学系30および瞳孔27を経由して、眼底に照射される。眼底により反射された測定光は、および広角光学系30を経由してOCTユニット20へ入射され、コリメートレンズ20Eおよび第一の光カプラ20Cを介して、第2の光カプラ20Fに入射する。
光源20Aから射出され、第一の光カプラ20Cで分岐された他方の光は、参照光として、参照光学系20Dへ入射され、参照光学系20Dを経由して、第2の光カプラ20Fに入射する。
第2の光カプラ20Fに入射されたこれらの光、即ち、眼底で反射された測定光と、参照光とは、第2の光カプラ20Fで干渉されて干渉光を生成する。干渉光はセンサ20Bで受光される。画像処理部206の制御下で動作する画像処理装置17は、センサ20Bで検出されたOCTデータに基づいて断層画像やen−face画像などのOCT画像を生成する。
ここで、内部照射角で160度以上の撮影画角で撮影されて得られたOCT画像、あるいは、眼底周辺部を走査して得られたOCT画像をUWF−OCT画像と称する。OCT画像はB−scanによる眼底の断層画像や、OCTボリュームデータに基づく立体画像(三次元画像)や、当該OCTボリュームデータの断面であるenface画像(2次元画像)を含む。
UWF−OCT画像の画像データは、通信インターフェース(I/F)16Fを介して眼科装置110からサーバ140へ送付され、記憶装置254に記憶される。
なお、本実施形態では、光源20Aが波長掃引タイプのSS−OCT(Swept−Source OCT)を例示するが、SD−OCT(Spectral−Domain OCT)、TD−OCT(Time−Domain OCT)など、様々な方式のOCTシステムであってもよい。
次に、図3を参照して、サーバ140の電気系の構成を説明する。図3に示すように、サーバ140は、コンピュータ本体252を備えている。コンピュータ本体252は、CPU262、RAM266、ROM264、入出力(I/O)ポート268を有する。入出力(I/O)ポート268には、記憶装置254、ディスプレイ256、マウス255M、キーボード255K、および通信インターフェース(I/F)258が接続されている。記憶装置254は、例えば、不揮発メモリで構成される。入出力(I/O)ポート268は、通信インターフェース(I/F)258を介して、ネットワーク130に接続されている。従って、サーバ140は、眼科装置110、およびビューワ150と通信することができる。
サーバ140は、眼科装置110から受信した各データを、記憶装置254に記憶する。
サーバ140のCPU262が画像処理プログラムを実行することで実現される各種機能について説明する。図4に示すように、画像処理プログラムは、表示制御機能、画像処理機能、および処理機能を備えている。CPU262がこの各機能を有する画像処理プログラムを実行することで、CPU262は、表示制御部204、画像処理部206、および処理部208として機能する。
次に、図6を用いて、サーバ140による画像処理を詳細に説明する。サーバ140のCPU262が画像処理プログラムを実行することで、図6のフローチャートに示された画像処理(画像処理方法)が実現される。
ステップ600で、画像処理部206は、図5Bに示したようなUWF−SLO画像179をUWF眼底画像として記憶装置254から取得する。ステップ602で、画像処理部206は、取得したUWF−SLO画像179から、次のように二値化画像である脈絡膜血管画像を作成する。当該脈絡膜血管画像は、脈絡膜血管や渦静脈に相当する画素が白で、他の領域の画素は黒で二値化された画像である。
当該脈絡膜血管画像は、R色眼底画像とG色眼底画像とから生成する場合を説明される。まず、R色眼底画像とG色眼底画像とに含まれる情報を説明する。
眼の構造は、硝子体を、構造が異なる複数の層が覆うようになっている。複数の層には、硝子体側の最も内側から外側に、網膜、脈絡膜、強膜が含まれる。R光は、網膜を通過して脈絡膜まで到達する。よって、第1眼底画像(R色眼底画像)には、網膜に存在する血管(網膜血管)の情報と脈絡膜に存在する血管(脈絡膜血管)の情報とが含まれる。これに対し、G光は、網膜までしか到達しない。よって、第2眼底画像(G色眼底画像)には、網膜に存在する血管(網膜血管)の情報のみが含まれる。
CPU262の画像処理部206は、ブラックハットフィルタ処理を第2眼底画像(G色眼底画像)に施すことにより、第2眼底画像(G色眼底画像)から網膜血管を抽出する。次に、画像処理部206は、第1眼底画像(R色眼底画像)から、第2眼底画像(G色眼底画像)から抽出した網膜血管を用いてインペインティング処理により、網膜血管を除去する。つまり、第2眼底画像(G色眼底画像)から抽出された網膜血管の位置情報を用いて第1眼底画像(R色眼底画像)の網膜血管構造を周囲の画素と同じ値に塗りつぶす処理を行う。そして、画像処理部206は、網膜血管が除去された第1眼底画像(R色眼底画像)の画像データに対し、適応ヒストグラム均等化処理(CLAHE、Contrast Limited Adaptive Histogram Equalization)を施すことにより、第1眼底画像(R色眼底画像)において、脈絡膜血管を強調する。これにより、図8に示すように、背景が黒い画素で脈絡膜血管が白い画素で表現された脈絡膜血管画像300が得られる。生成された脈絡膜血管画像300は記憶装置254に記憶される。
また、第1眼底画像(R色眼底画像)と第2眼底画像(G色眼底画像)から脈絡膜血管画像300を生成しているが、画像処理部206は、第1眼底画像(R色眼底画像)あるいはIR光で撮影されたIR眼底画像を用いて脈絡膜血管画像300を生成してもよい。
脈絡膜血管画像300を生成する方法について、国際公開WO2019/181981の開示は、その全体が参照により、本明細書に取り込まれる。
ステップ602で、画像処理部206は、CSC(中心性漿液性脈絡網膜症)等の眼底上の病変の領域や、眼底の特徴的な部位である黄斑は視神経乳頭等に係る着目領域(あるいは着目位置)を取得する。ステップ602では、例えば、ステップ600で取得したUWF眼底画像に加えて、別途取得した眼底の蛍光画像、OCTデータ、及びAF(自発蛍光画像)などの画像を用いて網膜上の病変に係る位置、及び黄斑を着目領域として自動検出又はユーザの目視により手動検出する。着目領域の自動検出では、例えば、蛍光画像又はAF等では、病変部特有の色調変化をする領域を抽出する。また、黄斑は、G色眼底画像において暗い領域として表示されるので、本実施形態では、G色眼底画像内の輝度値が最も小さい所定数の画素の領域を、黄斑の位置として検出する。
ステップ604では、渦静脈(VV)の位置を、次のように解析する。画像処理部206は、脈絡膜血管画像300における各脈絡膜血管の移動方向(血管走行方向)を設定する。具体的には、第一に、画像処理部206は、脈絡膜血管画像の各画素について、下記の処理を実行する。即ち、画像処理部206は、画素に対して、当該画素を中心とした領域(セル)を設定し、セル内の各画素における輝度の勾配方向のヒストグラムを作成する。次に、画像処理部206は、各セルにおけるヒストグラムにおいて、最もカウントが少なかった勾配方向を各セルの内の画素における移動方向とする。この勾配方向が、血管走行方向に対応する。なお、最もカウントが少なかった勾配方向が血管走行方向であるとなるのは、次の理由からである。血管走行方向には輝度勾配が小さく、一方、それ以外の方向には輝度勾配が大きい(例えば、血管と血管以外のものでは輝度の差が大きい)。したがって、各画素の輝度勾配のヒストグラムを作成すると、血管走行方向に対するカウントは少なくなる。以上の処理により、脈絡膜血管画像の各画素における血管走行方向が設定される。
画像処理部206は、M(自然数)×N(自然数)(=L)個の粒子の初期位置を設定する。具体的には、画像処理部206は、脈絡膜血管画像上に等間隔に、縦方向にM個、横方向にN個、合計L個の初期位置を設定する。
画像処理部206は、渦静脈位置を推定する。具体的には、画像処理部206は、L個の各々の位置について以下の処理を行う。即ち、画像処理部206は、最初の位置(L個の何れか)の血管走行方向を取得し、取得した血管走行方向に沿って所定距離だけ、粒子を移動させ、移動した位置において、再度、血管走行方向を取得し、取得した血管走行方向に沿って所定距離だけ、粒子を移動させる。このように血管走行方向に沿って所定距離移動させることを予め設定した移動回数、繰り返す。以上の処理を、L個の全ての位置において実行する。その時点で粒子が一定個数以上集まっている点を渦静脈位置とする。また、別の渦静脈を検出する方法として、放射状のパターンの特徴量が所定値以上の脈絡膜血管画像上の位置を渦静脈として認識する画像処理や、脈絡膜血管画像から渦静脈膨大部を検出することにより渦静脈位置を検出するようにしてもよい。渦静脈を検出する方法について、国際公開WO2019/203309の開示は、その全体が参照により、本明細書に取り込まれる。
渦静脈位置情報(渦静脈の個数や、脈絡膜血管画像上での座標など)は、記憶装置254に記憶される。
ステップ606では、データ解析を行う。ステップ606の詳細は後述する。そして、ステップ608では、得られたデータを記憶装置254に保存して処理を終了する。
図7は、図6のステップ606のデータ解析処理を示したフローチャートである。ステップ700では、着目領域につながる渦静脈を特定する。図8は、脈絡膜血管画像300において、病変部を示す着目領域310に対して血管接続性を有する第一渦静脈310V1を示した概略図である。ステップ700では、脈絡膜血管画像から血管構造(血管の接点や当該節点を結ぶリンクとからなるネットワーク構造)を用いて、ノード(節点)同士を結ぶグラフ理論で着目領域310と第一渦静脈310V1との血管接続性を評価する。グラフ理論は、どのノード同士を接続するのが数学的に合理的かを演算処理するもので、本実施形態では、一方のノードを着目領域310とし、他方のノードを第一渦静脈310V1として、両者の接続性を検証する。グラフ理論の一例としてグラフカット理論の適用が考えられる。この場合ノードを脈絡膜血管の分岐点および渦静脈、エッジをノード間を接続する血管とする。エッジ上ではデータ項として血管長など、平滑化項として血管の滑らかなつながりに対応する項などを定義し、データ項および平滑化項の総和で定義させるエネルギー関数が最小となるようなノードおよびエッジを選択する最小切断を探索することにより、渦静脈V1と着目領域310との間を接続する血管を選択し、その接続性を検証することができる。
また、ステップ700で特定される第一渦静脈は一つとは限らず、二つ以上特定することもある。渦静脈が集団で検出されている場合は、集団を形成している複数の渦静脈と着目領域310が脈絡膜血管でつながっていることがあり、集団の中の二つ以上の渦静脈が当該着目領域310と血管接続性を有することになる。
また、着目領域310が黄斑の場合、鼻側上部の渦静脈と鼻側下部の渦静脈との二つが脈絡膜血管で接続されている場合が多く見受けられる。
なお、特許請求の範囲に記載の「所定領域」は、本実施形態における「着目領域310」に該当する。
本実施形態では、グラフ理論を適用する際に、微細な血管や枝葉の血管の影響を排除するために、脈絡膜血管画像の画像全体を収縮及び膨張させるモルフォロジー変換を行ってもよい。
また、脈絡膜血管画像にOCTA(OCTアンジオグラフィー)のenface画像を合成して得た合成画像データに対して、モルフォロジー変換及びグラフ理論を適用して、着目領域310につながる第一渦静脈310V1を特定してもよい。
なお、着目領域310と検出された渦静脈との距離を算出し、当該距離に基づいて第一渦静脈を特定してもよい。さらに、着目領域310と血管接続性を有すると共に、当該着目領域310との距離が所定距離以下であるという条件を満たす渦静脈を第一渦静脈とするようにしてもよい。
当該距離には、着目領域310と渦静脈との画像上の距離や、眼球モデルの球面上での距離を用いることができる。血管接続性を有する複数の第一渦静脈が特定された場合、着目領域310と渦静脈との距離が所定距離以下となる第一渦静脈に絞り込むことができる。
さらに、上述の距離の定義には二点間の距離だけでなく、上述のグラフ理論で求められる経路のエッジの重みを用いた特徴量が含まれる。血管接続性を有する複数の第一渦静脈が特定された場合、着目領域310と渦静脈との結ぶ経路のうち、経路の特徴量が所定値以下となる経路で接続される第一渦静脈に絞り込むことができる。
図9は、病変部を示す着目領域310と、第一渦静脈310V1とが接続している脈絡膜血管(図中の点線)が存在していることを示す画像302である。画像302では、着目領域310は、第一渦静脈310V1と点線で示された脈絡膜血管とつながっていることが示されている。しかしながら、この血管は第一渦静脈310V1以外の渦静脈である第二渦静脈310V2、310V3、310V4とはつながっていない。このような画像処理を着目領域の接続している脈絡膜血管に対して行うことにより着目領域と関係する渦静脈である第一渦静脈が特定される。
ステップ702では、図6のステップ604で検出された複数の渦静脈から、第一渦静脈を除外して第二渦静脈310V2、310V3、310V4を特定する。特定された第二渦静脈310V2、310V3、310V4の位置等の情報は、記憶装置254に記憶する。
次に、ステップ704では、第一渦静脈310V1の位置解析を行う。位置解析は、前述のステップ604と同様の手法により第一渦静脈310V1の位置を特定する。そして、特定した第一渦静脈310V1と病変部や黄斑などの着目領域310との距離を算出する。当該距離は画像上の画素サイズから算出した距離でもよいし、眼球球面上の距離として計算してもよい。
また、ステップ704では、図10A及び図10Bに示したように、脈絡膜血管画像304において、渦静脈を中心とした解析円312A、312B、312C、312Dを設け、解析円312A、312B、312C、312Dと交わる血管の径を計測してもよい。図10Bは、解析円312Aの拡大図である。図10Bには、解析円312Aと血管との交叉部の径がμm単位で示されている。ステップ702では、眼底が略球面状であることを考慮して、解析円312A、312B、312C、312Dと交叉する血管の径を算出する。
さらに、ステップ704では、正常眼と被検眼12との比較をしてもよい。正常眼との比較は、例えば、図10Aに示したように、視神経乳頭320を中心として、脈絡膜血管画像304を4つの象限322A、322B、322C、322Dに分け、同一象限内での複数渦静脈から定められる代表の位置(例えば、中心位置)を、正常眼における渦静脈の中心位置のデータと比較する。渦静脈の中心位置は、例えば、後述する図11〜13に示したように、視神経乳頭320からの距離及び角度によって表される。視神経乳頭320は、G色眼底画像において最も明るい領域として表示されるので、本実施形態では、G色眼底画像内の輝度値が最も大きい所定数の画素の領域を、視神経乳頭320の位置として検出する。
正常眼の渦静脈の中心位置のデータは、複数検体の正常眼の渦静脈の中心位置及び当該渦静脈の径のデータを集めたデータベースとして管理され、当該データの平均値及び標準偏差等の統計的な指標が予め算出されている。ステップ704では、被検眼12の脈絡膜血管画像304における渦静脈の中心位置を、正常眼の渦静脈の中心位置の平均値と比較することにより、被検眼12の第一渦静脈310V1の位置が、正常眼からどの程度乖離しているかが判定できる。また、ステップ704では、被検眼12の脈絡膜血管画像304における渦静脈の中心位置を正常眼の渦静脈の中心位置のデータに加えた場合の、渦静脈の中心位置の平均値及び標準偏差を算出し、算出した平均値及び標準偏差を、予め算出した正常眼の渦静脈の中心位置の平均値及び標準偏差と比較して、被検眼12における渦静脈の中心位置が、正常眼に比してどの程度異なるかを推定してもよい。
そして、ステップ704では、ステップ700で行った第一渦静脈310V1と着目領域310との血管接続性、第一渦静脈310V1と着目領域310との距離、第一渦静脈310V1と正常眼における渦静脈の位置との偏差、及び第一渦静脈310V1の径に基づいて、第一渦静脈310V1の病変部への関与の程度を判定する。例えば、第一渦静脈310V1と着目領域310とがつながっている場合であると共に、第一渦静脈310V1と着目領域310との距離が所定距離以下の場合、第一渦静脈310V1と正常眼における渦静脈の位置との偏差が所定の位置偏差よりも大きい場合、及び第一渦静脈310V1の径と正常眼における渦静脈の径との偏差が所定の径偏差よりも大きい場合のいずれかに該当するのであれば、第一渦静脈310V1は病変部に関係する渦静脈であると判定できる。
着目領域310が病変部である場合、当該病変部と接続関係にある第一渦静脈を特定することができ、この第一渦静脈の周辺の領域の画像を集中的に解析したり、経過観察対象の渦静脈として眼科医などが把握できる。
また、着目領域310が黄斑である場合、黄斑と第一渦静脈を特定することができ、黄斑周辺の領域の画像とともに、この第一渦静脈の周辺の領域の画像を集中的に解析したり、経過観察対象の渦静脈として眼科医などが把握できる。黄斑には加齢黄斑変性やPolypoidal Choroidal Vasculopathy (PCV)などのパキコロイド疾患群、糖尿病黄斑変性などの疾患が発生する。黄斑に関連する渦静脈との位置関係に関する情報を取得することは、脈絡膜内循環に関する貴重な情報を得ることに繋がり、診断や治療選択に関し有益である。
ステップ706では、画像処理部206は、解析結果を示す表示画面を生成する。ステップ706で生成される表示画面には、後述する図11等のように第一渦静脈310V1と第二渦静脈310V2、310V3、310V4とを区別して表示する画像、脈絡膜血管画像、図8のように第一渦静脈310V1を示すマークと、第一渦静脈310V1と着目領域310とを接続する脈絡膜血管とがハイライトされて脈絡膜血管画像に重畳表示される画像が含まれる。ステップ706で処理部208は、記憶装置254に生成された表示画面やステップ704で解析されたデータを保存する。そして処理をリターンする。
表示画面には、後述する図11〜13のように、第一渦静脈310V1と第一渦静脈310V1以外の渦静脈である第二渦静脈310V2、310V3、310V4との各々の位置が表示される。また、後述する図12のように、正常眼の渦静脈の平均位置も併せて表示し、第一渦静脈310V1の位置が正常眼の渦静脈の平均位置からどの程度乖離しているかを示すようにしてもよい。また、渦静脈の位置を定量的に評価してもよい。渦静脈の位置の定量的評価は、例えば、視神経乳頭320からの距離等である。渦静脈の各々は視神経乳頭320を中心に等距離で存在すると考えらえるので、視神経乳頭320からの距離が他の渦静脈と異なる渦静脈は、病変部との関係が疑われる。本実施形態では、視神経乳頭320からの距離が他の渦静脈に比して異なる渦静脈等を、病変部に関係した渦静脈としてさらに検出してもよい。また、病変部に関係すると思われる第一渦静脈310V1等の渦静脈は、別途追加でOCTスキャンを行ってもよい。
図11は、ビューワ150のディスプレイに表示される表示画面であるディスプレイスクリーン500を示した概略図である。
ディスプレイスクリーン500は、図11に示すように、インフォメーションエリア502と、イメージディスプレイエリア504とを有する。インフォメーションエリア502には、患者IDディスプレイフィールド512、患者名ディスプレイフィールド514、年齢ディスプレイフィールド516、視力ディスプレイフィールド518、右眼/左眼ディスプレイフィールド520、及び眼軸長ディスプレイフィールド522を有する。ビューワ150は、受信した情報に基づいて、患者IDディスプレイフィールド512から眼軸長ディスプレイフィールド522の各表示領域に各々の情報を表示する。
イメージディスプレイエリア504は、眼底画像等を表示する領域である。イメージディスプレイエリア504に設けられたコメントフィールド506は、ユーザである眼科医が観察した結果、又は診断結果を任意に入力できる備考欄である。
図11では、イメージディスプレイエリア504には、病変部を示す着目領域310、着目領域310につながる第一渦静脈310V1、及び第一渦静脈310V1以外の渦静脈である第二渦静脈310V2、310V3、310V4等の眼底構造が各々表示されると共に、当該眼底構造の視神経乳頭320に対する距離及び角度を示した位置表示画像330がレーダーチャート状に表示されている。図11では、着目領域310及び第一渦静脈310V1は、各々1つ表示されているが、これに限定されない。被検眼12の病態によっては、着目領域310及び第一渦静脈310V1の各々は、複数検出される場合がある。なお、図11、及び後述する図12、13では、角度は度で表示されているが、ラジアンで表示してもよい。
図12は、正常眼の渦静脈の平均位置310Aを表示した位置表示画像332を有するディスプレイスクリーン500の変形例である。正常眼における渦静脈の平均位置を表示することにより、被検眼12の第一渦静脈310V1の位置が、正常眼からどの程度乖離しているかが直感的に把握できる。図12では、第一渦静脈310V1が存在する象限に正常眼の渦静脈の平均位置を表示したが、第二渦静脈310V2、310V3、310V4が存在する象限にも正常眼における渦静脈の平均位置を表示してもよい。
図13は、第一渦静脈310V1及び第二渦静脈310V2、310V3、310V4の中心が視神経乳頭(ONH)320となるように、眼底画像の座標を変換した場合の第一渦静脈310V1の位置310V1Aを示す位置表示画像334を有するディスプレイスクリーン500の例である。正常眼では一般的に渦静脈の各々は、視神経乳頭320から適切な範囲内に存在すると考えられるので、位置表示画像334において、第一渦静脈310V1と位置310V1Aとの偏差が大きい場合は、第一渦静脈310V1が何らかの病変に関与していると推察できる。
図14は、ディスプレイスクリーン500のイメージディスプレイエリア504に表示されるUWF−SLO画像である脈絡膜血管画像316である。図14に示したように、渦静脈を中心とした解析円312A、312B、312C、312Dが表示されると共に、解析円312A、312B、312C、312Dと交叉する血管の径が表示されている。図14では、第一渦静脈310V1を示す円マークと、第一渦静脈310Vと着目領域310とを接続する脈絡膜血管とがハイライトで脈絡膜血管画像316に重畳表示されてもよい。
図15は、図14に示した脈絡膜血管画像316の変形例で、病変部を示す着目領域310と着目領域310につながる第一渦静脈310V1と第一渦静脈310V1を囲む解析円312Bが表示されている。図15では、図14と異なり、解析円312A、312C、312Dは表示されないので、第一渦静脈310V1と着目領域310とに注目して脈絡膜血管画像を観察できる。
以上説明したように、本実施形態では、グラフ理論等を用いて病変部を示す着目領域310と血管接続性を有する第一渦静脈310V1を検出すると共に、検出した第一渦静脈310V1と着目領域310との距離が所定距離以下の場合、第一渦静脈310V1と正常眼における渦静脈の位置との偏差が所定の位置偏差よりも大きい場合、及び第一渦静脈310V1の径と正常眼における渦静脈の径との偏差が所定の径偏差よりも大きい場合のいずれかに該当するのであれば、第一渦静脈310V1は病変部に関係する渦静脈であると判定することができる。
本実施形態では、図6及び図7で示した処理は、サーバ140で行ったが、眼科装置110の画像処理装置17で行ってもよい。
以上説明した各実施の形態における画像処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
以上説明した各実施の形態では、コンピュータを利用したソフトウェア構成による画像処理を想定しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではない。例えば、コンピュータを利用したソフトウェア構成に代えて、FPGA(Field−Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア構成のみによって、画像処理が実行されるようにしてもよい。画像処理のうちの一部の処理がソフトウェア構成により実行され、残りの処理がハードウェア構成によって実行されるようにしてもよい。
このように本開示の技術は、コンピュータを利用したソフトウェア構成により画像処理が実現される場合とされない場合とを含むので、以下の技術を含む。
(第1の技術)
病変検出部が脈絡膜血管画像から眼底の病変部を検出するステップと、
渦静脈検出部が前記脈絡膜血管画像から渦静脈を検出するステップと、
渦静脈識別部が前記脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、前記病変部に関係する第一渦静脈と、該第一渦静脈以外の第二渦静脈とを検出するステップと、
を含む画像処理方法。
(第2の技術)
脈絡膜血管画像から眼底の病変部を検出する病変検出部と、
前記脈絡膜血管画像から渦静脈を検出する渦静脈検出部と、
前記脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、前記病変部に関係する第一渦静脈と、該第一渦静脈以外の第二渦静脈とを検出する渦静脈識別部と、
を備える画像処理装置。
(第3の技術)
画像処理するためのコンピュータプログラム製品であって、
前記コンピュータプログラム製品は、それ自体が一時的な信号ではないコンピュータ可読記憶媒体を備え、
前記コンピュータ可読記憶媒体には、プログラムが格納されており、
前記プログラムは、コンピュータに、
脈絡膜血管画像から眼底の病変部を検出するステップと、
前記脈絡膜血管画像から渦静脈を検出するステップと、
前記脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、前記病変部に関係する第一渦静脈と、該第一渦静脈以外の第二渦静脈とを検出するステップと、を実行させる
コンピュータプログラム製品。
12 被検眼
14 撮影装置
16 制御装置
17 画像処理装置
100 眼科システム
110 眼科装置
140 サーバ
150 ビューワ
179 UWF−SLO画像
204 表示制御部
206 画像処理部
208 処理部
252 コンピュータ本体
254 記憶装置
256 ディスプレイ
262 CPU
264 ROM
266 RAM
300、304 脈絡膜血管画像
310 着目領域
310A 平均位置
310V1A 位置
310V1 第一渦静脈
310V2、310V3、310V4 第二渦静脈
312A、312B、312C、312D 解析円
316 脈絡膜血管画像
320 視神経乳頭
500 ディスプレイスクリーン

Claims (16)

  1. プロセッサが行う画像処理であって、
    脈絡膜血管画像から眼底の所定領域を検出するステップと、
    前記脈絡膜血管画像から複数の渦静脈を検出するステップと、
    前記脈絡膜血管画像から検出された前記複数の渦静脈のうち、前記所定領域に関係する第一渦静脈を特定するステップと、
    を含む、画像処理方法。
  2. 前記複数の渦静脈のうち、前記第一渦静脈以外の第二渦静脈を特定するステップをさらに含む、請求項1に記載の画像処理方法。
  3. 前記第一渦静脈は、前記所定領域と脈絡膜血管で接続している渦静脈である請求項1又は請求項2に記載の画像処理方法。
  4. 前記所定領域は病変部である、請求項1に記載の画像処理方法。
  5. 前記所定領域は黄斑である、請求項1に記載の画像処理方法。
  6. 前記渦静脈の位置を算出するステップを含み、
    前記第一渦静脈は、前記渦静脈と前記所定領域との血管接続性に基づいて抽出される請求項1に記載の画像処理方法。
  7. 前記第一渦静脈は、前記渦静脈が前記所定領域との血管接続性を有すると共に、前記渦静脈と前記所定領域との距離が所定距離以下に該当する渦静脈である請求項6に記載の画像処理方法。
  8. 前記第一渦静脈と前記第一渦静脈以外の第二渦静脈との位置関係を表示するための表示画面を生成するステップを含む、請求項1に記載の画像処理方法。
  9. 前記第一渦静脈と前記第二渦静脈とを区別して表示する表示画面を生成するステップを含む、請求項8に記載の画像処理方法。
  10. 前記表示画面はレーダーチャートである請求項8又は請求項9に記載の画像処理方法。
  11. 前記表示画面は、脈絡膜血管画像に前記第一渦静脈と前記第二渦静脈とが区別して表示された画像である請求項8又は請求項9に記載の画像処理方法。
  12. 前記表示画面には、前記第一渦静脈を示すマークと、前記第一渦静脈と前記所定領域とを接続する脈絡膜血管とがハイライトされて、前記脈絡膜血管画像に重畳表示されることを特徴とする請求項11に記載の画像処理方法。
  13. 前記表示画面は、UWF−SLO画像に前記第一渦静脈と前記第二渦静脈とが区別して表示された画像である請求項8又は請求項9に記載の画像処理方法。
  14. 前記表示画面には、前記第一渦静脈を示すマークと、前記第一渦静脈と前記所定領域とを接続する脈絡膜血管とがハイライトされて、前記UWF−SLO画像に重畳表示されることを特徴とする請求項13に記載の画像処理方法。
  15. メモリと、前記メモリに接続するプロセッサとを備え、
    前記プロセッサは、
    脈絡膜血管画像から眼底の所定領域を検出し、
    前記脈絡膜血管画像から渦静脈を検出し、
    前記脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、前記所定領域に関係する第一渦静脈を検出する画像処理装置。
  16. コンピュータに、
    脈絡膜血管画像から眼底の所定領域を検出し、
    前記脈絡膜血管画像から渦静脈を検出し、
    前記脈絡膜血管画像から検出された渦静脈のうち、前記所定領域に関係する第一渦静脈を検出する、ことを実行させる画像処理プログラム。







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