JP2021168526A - アクチュエータ装置およびアクチュエータ器具 - Google Patents
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Abstract
【課題】アクチュエータ装置等の締付け力の低下を抑制する。【解決手段】アクチュエータ装置60はアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3を具備する。アクチュエータバンド1は、複数のアクチュエータ単線13で形成される。アクチュエータ単線13の各々は、アクチュエータワイヤ11、および発熱体12を具備する。アクチュエータワイヤ11は、高分子からなる繊維から形成され、繊維は、その長軸の周りに沿って捩られており、コイルの形状を有するように折りたたまれている。アクチュエータバンド1は、アクチュエータガイド3に支持されている。アクチュエータガイド3は、複数のローラ71および複数の接続具82を具備し、各ローラ71は、アクチュエータバンド1が縮む方向に沿って並列配置されている。アクチュエータバンド1が加熱されたとき、アクチュエータバンド1はアクチュエータガイド3を介して対象物OB1を締め付ける。【選択図】図1
Description
本発明は、熱により伸縮するアクチュエータバンドを備えるアクチュエータ装置およびアクチュエータ器具に関する。
特許文献1は、コイル状及び非コイル状ナノファイバー撚糸、ポリマーファイバーのねじり及び引張アクチュエータを開示している。平岡牧らは、非特許文献1及び2において、直鎖状低密度ポリエチレンから形成されているコイル状ポリマー繊維を開示している。非特許文献1及び2によれば、当該コイル状ポリマー繊維は、加熱により縮み、かつ放熱により復元する。特許文献2は、軸方向に収縮可能なアクチュエータを開示している。また、特許文献3は、温度変化により伸縮するソフトアクチュエータ、および、ソフトアクチュエータを四肢に巻き付けることによりマッサージを行うマッサージ機器を開示している。
平岡牧ら、「コイル状ポリマーアクチュエータの高伸縮性とポリマー鎖のモルフォロジー」、第24回ポリマー材料フォーラム講演予稿集、第24巻、第39頁(公開日:2015年11月15日)
Maki Hiraoka et. al. "Power−efficient low−temperature woven coiled fibre actuator for wearable applications" Scientific Reports volume 6, Article number: 36358 (2016)
マッサージ機器は、身体をもみほぐすために身体に加える圧力を変動させる。本発明者らは、自ら伸縮するバンド状のアクチュエータを用いて身体に締付け力を与える場合、身体の弾性力による抵抗および身体とアクチュエータとの摩擦による抵抗などの各種抵抗によって、実際に身体が受け付ける締付け力が低下することを見出した。ここで締付け力とは、アクチュエータの取り付け対象面に対して垂直な方向に発生する押し付け力を意味する。
本発明の目的は、締付け力の低下を抑制できるアクチュエータ装置等を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係るアクチュエータ装置は、アクチュエータバンド、アクチュエータガイド、および制御装置、を具備し、ここで、前記アクチュエータバンドは、組まれ、編まれ、または織られた複数のアクチュエータ単線を具備し、前記複数のアクチュエータ単線の各々の一端は、互いに接合されており、前記複数のアクチュエータ単線の各々の他端は、互いに接合されており、前記複数のアクチュエータ単線の各々は、アクチュエータワイヤ、および、前記アクチュエータワイヤの側面を被覆し、かつ複数の電熱線を具備する網状の発熱体を具備し、前記アクチュエータワイヤは、高分子からなる繊維から形成され、前記繊維は、その長軸の周りに沿って捩られており、前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折りたたまれており、前記アクチュエータワイヤは、加熱により縮み、かつ放熱により復元し、前記網状の発熱体の一端は、前記アクチュエータワイヤの一端に接合されており、前記網状の発熱体の他端は、前記アクチュエータワイヤの他端に接合されており、前記制御装置は、前記網状の発熱体を加熱するための電力を前記網状の発熱体に供給するために用いられ、前記アクチュエータバンドは、前記アクチュエータガイドに支持され、前記アクチュエータガイドは、複数のローラおよび複数の接続具を具備し、前記複数のローラは、前記アクチュエータバンドが加熱されたときに前記アクチュエータバンドが縮む方向に沿って並列配置され、前記複数のローラのうち隣り合うローラは、前記接続具によって接続され、かつ、対象物に少なくとも前記複数のローラが接するように、前記アクチュエータガイドおよび前記アクチュエータバンドが前記対象物に巻き付けられた状態で前記アクチュエータバンドが加熱されたとき、前記アクチュエータバンドは前記アクチュエータガイドを介して前記対象物を締め付ける。
また、本発明の一態様に係るアクチュエータ器具は、アクチュエータバンド、およびアクチュエータガイドを具備し、ここで、前記アクチュエータバンドは、複数のアクチュエータ単線を具備し、前記複数のアクチュエータ単線の各々の一端は、互いに接合されており、前記複数のアクチュエータ単線の各々の他端は、互いに接合されており、前記複数のアクチュエータ単線の各々は、アクチュエータワイヤ、および、前記アクチュエータワイヤの側面に接し、かつ複数の電熱線を具備する発熱体を具備し、前記アクチュエータワイヤは、高分子からなる繊維から形成され、前記繊維は、その長軸の周りに沿って捩られており、前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折りたたまれており、前記アクチュエータワイヤは、加熱により縮み、かつ放熱により復元し、前記発熱体の一端は、前記アクチュエータワイヤの一端に接合されており、前記発熱体の他端は、前記アクチュエータワイヤの他端に接合されており、前記アクチュエータバンドは、前記アクチュエータガイドに支持され、前記アクチュエータガイドは、複数のローラおよび複数の接続具を具備し、前記複数のローラは、前記アクチュエータバンドが加熱されたときに前記アクチュエータバンドが縮む方向に沿って並列配置され、前記複数のローラのうち隣り合うローラは、前記接続具によって接続されている。
本発明は、アクチュエータ装置等の締付け力の低下を抑制する。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
以下、本発明の実施形態が図面を参照しながら詳細に説明される。
図1は、実施形態に係るアクチュエータ装置の模式図を示す。図1に示すように、実施形態によるアクチュエータ装置60は、アクチュエータバンド1、アクチュエータガイド3および制御装置5を具備している。アクチュエータバンド1は、例えば身体に巻き付けられる際に、帯状の固定具9を用いてアクチュエータガイド3に固定される。アクチュエータバンド1は、複数のアクチュエータ単線13a、13bを具備している。以下、アクチュエータ装置60の各構成について説明する。
[アクチュエータ単線]
図2Aは、実施の形態に係るアクチュエータ単線13a、13bの模式図を示す。図2Bは、実施の形態に係るアクチュエータ単線13a、13bの断面の模式図を示す。なお、図2Bは、図2Aに示すアクチュエータ単線13a、13bを2B−2B線で切断して見た場合の断面の模式図である。
図2Aは、実施の形態に係るアクチュエータ単線13a、13bの模式図を示す。図2Bは、実施の形態に係るアクチュエータ単線13a、13bの断面の模式図を示す。なお、図2Bは、図2Aに示すアクチュエータ単線13a、13bを2B−2B線で切断して見た場合の断面の模式図である。
図2Aおよび図2Bに示すように、アクチュエータ単線13a、13bは、2本のコイル状ポリマー繊維111a、111bが互いに撚り合わされることで形成されたアクチュエータワイヤ11と、アクチュエータワイヤ11の側面に設けられた網状の発熱体12とを具備している。網状の発熱体12は、複数の電熱線21a、21bによって形成されている。なお、以下、アクチュエータ単線13a、13bの双方を区別せずにアクチュエータ単線13と呼び、電熱線21a、21bの双方を区別せずに電熱線21と呼び、コイル状ポリマー繊維111a、111bの双方を区別せずにコイル状ポリマー繊維111と呼ぶ場合がある。
[アクチュエータワイヤ]
アクチュエータワイヤ11の詳細は、本特許出願に先行する特許文献4を参照されたい。特許文献4(すなわち、特許第6111438号公報)及び特許文献4に対応する米国特許出願公開2015/245145号明細書は、本願に参照として援用される。また、アクチュエータワイヤ11については、非特許文献1に開示されている。
アクチュエータワイヤ11の詳細は、本特許出願に先行する特許文献4を参照されたい。特許文献4(すなわち、特許第6111438号公報)及び特許文献4に対応する米国特許出願公開2015/245145号明細書は、本願に参照として援用される。また、アクチュエータワイヤ11については、非特許文献1に開示されている。
本明細書において用いられる用語「アクチュエータワイヤ11」及び「発熱体12」は、それぞれ、特許文献4において用いられる用語「繊維」および「温度調節装置」に対応する。
当該特許文献4に開示されているように、アクチュエータワイヤ11は、直鎖状低密度ポリエチレンから形成されているコイル状ポリマー繊維111(図3参照)から構成され得る。アクチュエータワイヤ11は、加熱により縮み、かつ放熱により復元する。
一例として、10MPaの加重をその一端に印加されたアクチュエータワイヤ11が摂氏90度に加熱されると、アクチュエータワイヤ11は23%ほど縮む。アクチュエータワイヤ11が室温まで冷却されると、アクチュエータワイヤ11は元の長さになるように復元する。特許文献4にも開示されているように、アクチュエータワイヤ11は、例えば、摂氏30度以上摂氏100度以下の温度に加熱され得る。なお、コイル状ポリマー繊維111の材質は、直鎖状低密度ポリエチレンに限られず、異方性熱膨張特性がある高分子からなる繊維であればよい。
コイル状ポリマー繊維111の材質のその他の例としては、例えば、ポリエチレン(例えば、低密度ポリエチレン、または、高密度ポリエチレン)、ナイロン(例えば、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン12)、ポリエステル、またはエラストマー(例えば、シリコンゴム)でもよい。
図3は、実施の形態に係るアクチュエータワイヤ11の模式図を示す。アクチュエータワイヤ11は、少なくとも1本のコイル状ポリマー繊維111から構成され得る。例えば、図3では、アクチュエータワイヤ11は、互いに撚り合わされるように一体化された2本のコイル状ポリマー繊維111a、111bから構成され得る。具体的には、アクチュエータワイヤ11は、互いに長軸の周りに沿って捻られて撚り合わされた2本以上のコイル状ポリマー繊維111a、111bから構成され得る。言い換えれば、アクチュエータワイヤ11は、捻られた1本のコイル状ポリマー繊維111aの側面に、捻られた他のコイル状ポリマー繊維111bの側面が接するように、2本以上のコイル状ポリマー繊維111を捻ることで形成され得る。
なお、コイル状ポリマー繊維111は、長軸の周りに沿って捻られることで、円筒状のコイルの形状(螺旋状の形状)を有するように折りたたまれている。特許文献4にも記載されているように、コイル状ポリマー繊維111は、以下の式(I)を満たしている。
D/d<1 (I)
ここで、Dは、コイル状ポリマー繊維111の円筒状のコイルの平均直径を表し、dはコイル状ポリマー繊維111の直径を表している。この関係性であるために、アクチュエータワイヤ11の変位率を高くすることができる。平均直径Dは、円筒状のコイルの外径D1からコイル状ポリマー繊維111の直径dを減算することにより得られる。
[網状の発熱体]
図2Aおよび図2Bに示すように、網状の発熱体12は、アクチュエータワイヤ11の側面を被覆している。網状の発熱体12は、アクチュエータワイヤ11を内部に含むように、筒状であることが望ましい。網状の発熱体12は、複数の電熱線21a、21bから構成されている。網状の発熱体12は、複数の電熱線21a、21bを組む、編む、または織ることによって、形成される。
図2Aおよび図2Bに示すように、網状の発熱体12は、アクチュエータワイヤ11の側面を被覆している。網状の発熱体12は、アクチュエータワイヤ11を内部に含むように、筒状であることが望ましい。網状の発熱体12は、複数の電熱線21a、21bから構成されている。網状の発熱体12は、複数の電熱線21a、21bを組む、編む、または織ることによって、形成される。
図4は、実施の形態に係る電熱線21の断面の模式図を示す。図4に示すように、電熱線21は、芯糸となる非導電性の弾性糸51と、弾性糸51の周囲にカバーリングされた金属ワイヤ52とを備えている。具体的には、電熱線21は、弾性糸51を芯糸、金属ワイヤ52を鞘糸として、周知のカバーリング加工機によって製造される。ここでカバーリングとは、弾性糸51に対して金属ワイヤ52をS方向またはZ方向に巻きつけることを言う。本実施の形態のように、金属ワイヤ52が弾性糸51に対して一重に巻かれている電熱線21は、シングルカバーリング電熱線と称される。なお、金属ワイヤ52単体を電熱線21として用いてもよい。
図5は、実施の形態に係るアクチュエータ単線13が備える網状の発熱体12の模式図を示す。図5に示すように、網状の発熱体12は、複数の電熱線21a、21bから形成され得る。複数の電熱線21a、21bは、発熱体12が全体として網の形状を有するように、互いに交差することが望ましい。例えば図2A、図2Bおよび図5に示す網状の発熱体12は、複数の電熱線21a、21bが組まれることで形成されている。なお、発熱体12は、複数の電熱線21が編まれることで形成されてもよいし、複数の電熱線21が織られることで形成されていてもよい。
図5では、2本の電熱線21aおよび2本の電熱線21bが、アクチュエータワイヤ11の外側面に螺旋状に巻き付くように組まれ、アクチュエータワイヤ11の外側面を被覆する網状の発熱体12を構成している。例えば、電熱線21aは右回りに組まれ、電熱線21bは左回りに組まれている。すなわち、電熱線21aおよび電熱線21bは、アクチュエータワイヤ11を中心として互いに逆回りとなるように組まれている。なお、発熱体12は、3本以上の電熱線21が組まれて構成されることが望ましい。各電熱線21は、前述したように、それぞれ、弾性糸51の周囲に、鞘糸として金属ワイヤ52をカバーリングして構成され、コイル(すなわち、螺旋)の形状を有し得る。また、各電熱線21は、糸の形状を有し得る。
[アクチュエータバンド]
図1に示すように、アクチュエータバンド1は、複数本のアクチュエータ単線13a、13bを具備する。図1に示すアクチュエータバンド1は、複数本のアクチュエータ単線13a、13bが互いに交差することで組目が形成されている。例えばアクチュエータバンド1は、9本のアクチュエータ単線13が平打ち製紐されることで形成される。なお、アクチュエータバンド1は、複数のアクチュエータ単線13が丸打ち製紐されることで形成されてもよい。
図1に示すように、アクチュエータバンド1は、複数本のアクチュエータ単線13a、13bを具備する。図1に示すアクチュエータバンド1は、複数本のアクチュエータ単線13a、13bが互いに交差することで組目が形成されている。例えばアクチュエータバンド1は、9本のアクチュエータ単線13が平打ち製紐されることで形成される。なお、アクチュエータバンド1は、複数のアクチュエータ単線13が丸打ち製紐されることで形成されてもよい。
ここで、図6〜図7Bを参照しながらアクチュエータバンドについてさらに詳しく説明する。図6は、実施の形態に係るアクチュエータバンド1の模式図を示す。図7Aは、実施の形態に係るアクチュエータバンド1が加熱されていない状態の模式図を示す。図7Bは、実施の形態に係るアクチュエータバンド1が加熱されている状態の模式図を示す。
なお、以下において、アクチュエータバンド1の一端と他端とを結ぶ線に沿う軸を第一軸x1と呼び、アクチュエータバンド1の幅方向に沿う軸を第二軸x2と呼ぶ。第一軸x1および第二軸x2は、互いに直交している。第一軸x1の軸方向である第一軸x1方向は、アクチュエータバンド1が伸縮する方向と同じである。
まず、加熱されていない状態のアクチュエータバンド1に初期張力が印加されると、図6に示すように、アクチュエータバンド1は、組目が第一軸x1方向に長い略菱形状になり、伸びた状態になる。このときのアクチュエータバンド1の第一軸x1方向の長さはL0である(図7A参照)。複数本のアクチュエータ単線13a、13bは、互いに交差し、組目を形成している。具体的には、アクチュエータ単線13aに沿う軸A1は、第一軸x1に対して角度θ1傾いており、アクチュエータ単線13bに沿う軸A2は、第一軸x1に対して角度θ2傾いている。例えば、アクチュエータ単線13aおよび13bが交差することによって形成される交差角のうち、第一軸x1を跨ぐ交差角は(θ1+θ2)であり、第二軸x2を跨ぐ交差角は(180°−θ1−θ2)である。
このように複数本のアクチュエータ単線13a、13bが互いに交差することで、アクチュエータバンド1の第一軸x1方向に沿って印加された初期張力が、アクチュエータ単線13aに沿う軸A1およびアクチュエータ単線13bに沿う軸A2のそれぞれに平行な方向に沿って分散され、各アクチュエータ単線13a、13bに印加される初期張力は平均化される。この結果、各アクチュエータ単線13a、13bに対してほぼ均一に初期張力が印加される。
次に、アクチュエータバンド1が加熱されると、図7Bに示すように、アクチュエータワイヤ11が熱歪により収縮し、アクチュエータバンド1の組目が変形する。具体的には、第一軸x1を跨ぐ交差角が、前述した交差角(θ1+θ2)よりも大きくなり、第二軸x2を跨ぐ交差角が、前述した交差角(180°−θ1−θ2)よりも小さくなるように組目が変形する。これによりアクチュエータバンド1は、第一軸x1方向に沿って、長さが短くなる。このときのアクチュエータバンド1の第一軸x1方向の長さはL1(<L0)である。アクチュエータバンド1は、組目の変形により伸縮するため、アクチュエータ単線13a、13bが互いに交差する点において伸縮の動きが阻害されない。この効果は、アクチュエータバンド1の布目が編目、または、織目の場合でも得られる。
[アクチュエータガイド]
図8Aは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3の平面図を示す。図8Bは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3の側面図を示す。なお、図8Aおよび図8Bには、アクチュエータバンド1とアクチュエータガイド3とが組み合わされた場合のアクチュエータバンド1の第一軸x1および第二軸x2が示されている。
図8Aは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3の平面図を示す。図8Bは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3の側面図を示す。なお、図8Aおよび図8Bには、アクチュエータバンド1とアクチュエータガイド3とが組み合わされた場合のアクチュエータバンド1の第一軸x1および第二軸x2が示されている。
図8Aおよび図8Bに示すように、アクチュエータガイド3は、複数のローラ71および複数の接続具82を備えている。複数のローラ71は、第一軸x1に沿って並列配置される。複数のローラ71のうち隣り合うローラは、接続具82によって接続されている。接続具82は、隣り合うローラ71同士を繋ぐ連結部材である。
各ローラ71は、回転可能に接続具82に支持されている。具体的に各ローラ71は、アクチュエータバンド1が加熱されたときにアクチュエータバンド1が縮む方向に回転移動できるように接続具82に支持されている。また、複数のローラ71は、第二軸x2に対してローラ71の回転軸x3の傾きが0°以上10°以下となるように配置されている。複数のローラ71は、回転軸x3が互いに平行となるように配置されることが望ましい。また、複数のローラ71は、第一軸x1および第二軸x2の両方に垂直な方向から見た場合、回転軸x3が第一軸x1に直交するように配置されることが望ましい。
図9Aは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3のローラ71の平面図を示す。図9Bは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3のローラ71の側面図を示す。
図9Aおよび図9Bに示すように、ローラ71は、円筒状の形状であり、外周面73と軸穴76とスリット74と一対の端面77とを有している。スリット74は、外周面73から軸穴76に向けて切り込むように、ローラ71の半径方向に形成されている。ローラ71の外周面73には、円弧状の窪み75が設けられている。窪み75は、外周面73に沿って溝状に形成されている。各ローラ71が第一軸x1に沿って配置されることで、複数の窪み75も第一軸x1に沿って配置される。アクチュエータバンド1は、この複数の窪み75に接するように配置され、アクチュエータガイド3によってガイドされる。
窪み75の断面形状は、円弧状に限られず、U字状またはV字状であってもよい。ローラ71の材質としては、例えば、電気絶縁性を有する樹脂が挙げられる。
図10は、実施の形態に係るアクチュエータガイド3の接続具82の平面図を示す。図11Aは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3のローラ71および接続具82の平面図を示す。図11Bは、実施の形態に係るアクチュエータガイド3のローラ71および接続具82の側面図を示す。
図10〜図11Bに示すように、接続具82は、略四角形の外形であり、一対の端軸84と、中央軸83と、中央軸83および一対の端軸84を繋ぐ一対の軸つなぎ部85とを有している。接続具82は、例えば金属線が折り曲げられることで形成され、弾性を有している。
例えば図8Aに示すように、隣り合うローラ71のうち一方のローラ71の軸穴76には、1つ目の接続具82の一対の端軸84と、1つ目の接続具82と異なる2つ目の接続具82の中央軸83とが挿入される。隣り合うローラ71のうち他方のローラ71の軸穴76には、2つ目の接続具82の一対の端軸84が挿入され、さらに、1つ目および2つ目の接続具82とは異なる3つ目の接続具82の中央軸83が挿入される。各ローラ71の回転軸x3および各接続具82の端軸84は互いに平行であり、各回転軸x3および各中央軸83は互いに平行である。これにより、複数のローラ71は、回転軸x3が互いに平行となるように、複数の接続具82を介して連結される。
[アクチュエータ器具]
図1に示すように、アクチュエータ器具68は、アクチュエータバンド1、アクチュエータガイド3、固定具9、第一接合具4aおよび第二接合具4bを備えている。
図1に示すように、アクチュエータ器具68は、アクチュエータバンド1、アクチュエータガイド3、固定具9、第一接合具4aおよび第二接合具4bを備えている。
複数本のアクチュエータ単線13a、13bの一端には、第一接合具4aが設けられている。この第一接合具4aは、アクチュエータバンド1の一端で加締められている。この加締めによって、筒状の発熱体12の一端が、複数のアクチュエータワイヤ11の一端に接合されている。アクチュエータバンド1の他端には、第二接合具4bが設けられている。この第二接合具4bは、アクチュエータバンド1の他端で加締めされている。この加締めによって、筒状の発熱体12の他端が複数のアクチュエータワイヤ11の他端に接合されている。
第一接合具4aおよび第二接合具4bは、それぞれ配線8を介して制御装置5に電気的に接続される。第一接合具4aおよび第二接合具4bは、例えば圧着端子である。圧着端子としては、例えばフォーク圧着端子またはリング圧着端子が挙げられる。圧着端子は、金属製であることが望ましい。
図1に示すように、アクチュエータバンド1の一端は、アクチュエータガイド3の一端に固定され、アクチュエータバンド1の他端は、アクチュエータガイド3の他端に固定される。具体的にアクチュエータバンド1は、身体等に巻き付けられる際に、固定具9を用いてアクチュエータガイド3に支持される。固定具9は、例えば、結束バンド、ベルトまたは紐であるが、それに限られず、クリップ、または面ファスナーであってもよい。第一接合具4aおよび第二接合具4bとアクチュエータガイド3の接続具82との間には、電気絶縁性を有するテープが設けられていてもよい。
[制御装置]
制御装置5は、網状の発熱体12に電力を供給し、網状の発熱体12を加熱する。制御装置5は、網状の発熱体12に電力を供給するための電源を具備し得る。網状の発熱体12に供給される電力は、交流または直流である。制御装置5は、さらにスイッチを具備し得る。スイッチがオンである間には、網状の発熱体12に電力が供給される。スイッチがオフである場合には、網状の発熱体12に電力は供給されない。
制御装置5は、網状の発熱体12に電力を供給し、網状の発熱体12を加熱する。制御装置5は、網状の発熱体12に電力を供給するための電源を具備し得る。網状の発熱体12に供給される電力は、交流または直流である。制御装置5は、さらにスイッチを具備し得る。スイッチがオンである間には、網状の発熱体12に電力が供給される。スイッチがオフである場合には、網状の発熱体12に電力は供給されない。
[アクチュエータバンドの製造方法]
次にアクチュエータバンド1の製造方法について説明する。
次にアクチュエータバンド1の製造方法について説明する。
まず、カバーリング加工機を用いて、弾性糸51を芯糸とし、金属ワイヤ52を鞘糸として電熱線21を得る。
次に、アクチュエータワイヤ11の側面の周りに電熱線21を組み、アクチュエータワイヤ11およびその表面を被覆する網状の発熱体12を具備するアクチュエータ単線13を得る。
アクチュエータ単線13は、周知の製紐機によって形成される。製紐機は、ボビンおよび滑車を備えている。ボビンからは、張力が印加されたアクチュエータワイヤ11が供給される。アクチュエータワイヤ11は、滑車によりガイドされる。その後、波状軌道およびスピンドルを介してアクチュエータワイヤ11の側面の周囲に複数の電熱線21が供給されながら、アクチュエータワイヤ11は複数の電熱線21と共に巻き上げられる。このようにして、アクチュエータワイヤ11と、その側面を被覆している網状の発熱体12とを具備するアクチュエータ単線13が得られる。上記方法により形成されたアクチュエータ単線13は、ボビンに巻き取られる。
次に、周知の平打ち製紐機において、アクチュエータ単線13を巻き取った9本のボビンを用いて、9本の張力が印加されたアクチュエータ単線13をバンド状に組み、アクチュエータバンド1を作製する。なお、アクチュエータバンド1は、アクチュエータ単線13を、例えば、「編む」、または、「織る」ことによっても作製できる。なお、アクチュエータバンド1は、丸打ち製紐機で形成されてもよい。
一般に平打ち製紐では、奇数のボビンで帯状に組み、丸打ち製紐では、偶数のボビンで円筒状に組む。しかし平打ち製紐であっても、空ボビンに偶数個のボビンを使用して帯状に組むことも可能であるし、丸打ち製紐であっても空ボビンに奇数個のボビンを使用して、円筒状に組むことも可能である。空ボビンを入れることで、アクチュエータ装置60として必要な仕事量に合わせてアクチュエータ単線13の本数を設計することができる。空ボビンの代わりに、ダミーとなる糸を入れて組むことも可能である。この場合、組目の偏りがなく均一な組目の形成が可能となる。ダミーとなる糸はなるだけ細い方がよい。細ければダミーとなる糸による、アクチュエータバンド1の仕事量のロスを小さくすることができる。
その後、アクチュエータバンド1は、所望の長さに切断される。本実施の形態では、アクチュエータバンド1の一端から他端までの第一軸x1方向に沿う長さが、第一軸x1方向に直交する第二軸x2方向の長さ(幅)よりも長くなるように、アクチュエータバンド1が形成されている(図1参照)。
一方、複数の接続具82を用いて複数のローラ71が接続されることで、アクチュエータガイド3が形成される。
前述したように、隣り合うローラ71のうち一方のローラ71の軸穴76には、1つ目の接続具82の一対の端軸84と、1つ目の接続具82と異なる2つ目の接続具82の中央軸83とが挿入される。その際、一対の端軸84は、両端面77のそれぞれの端面側から軸穴76に挿入される(図11A参照)。中央軸83は、外周面73からスリット74を通って軸穴76に挿入される(図11B参照)。他方のローラ71の軸穴76には、2つ目の接続具82の一対の端軸84が挿入され、さらに、1つ目および2つ目の接続具82とは異なる3つ目の接続具82の中央軸83が挿入される。これにより、複数のローラ71が複数の接続具82を介して連結される。
次に、アクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3が対象物に巻き付けられた後、アクチュエータバンド1の両端が固定具9を用いて固定される。これにより、アクチュエータ器具68を対象物に固定する。第一接合具4aおよび第二接合具4bのそれぞれは、配線8を介して制御装置5に電気的に接続される。このようにして、アクチュエータ装置60が製造される。
[アクチュエータ装置の動作]
次にアクチュエータ装置60の動作について説明する。
次にアクチュエータ装置60の動作について説明する。
図12Aは、実施の形態に係るアクチュエータ装置60のアクチュエータ器具68が対象物OB1に取り付けられている状態の模式図を示す。図12Bは、実施の形態に係るアクチュエータ器具68が対象物OB1に取り付けられている状態の断面図を示す。
本実施の形態では、アクチュエータ器具68を巻き付ける対象物OB1の一例として、身体のふくらはぎを例に挙げて説明する。図12Bに示すように、ふくらはぎの外周は円形ではなく凹凸を有している。また、ふくらはぎの内部に存在する骨b、筋肉m、脂肪f等の位置には偏りがあり、ふくらはぎは、外周の場所ごとに弾力が異なる。このようなふくらはぎをアクチュエータを用いて締め付ける場合、アクチュエータとふくらはぎとの間で発生する摩擦力が場所ごとに不均一となり、締付け力の低下が起きる。締付け力の低下を抑制するためには、この摩擦力を低減する、または、摩擦力を均一化することが必要となる。なお、締付け力とは、アクチュエータ器具68の取り付け対象面に対して垂直な方向に発生する押し付け力を意味する。
図13Aは、実施の形態に係るアクチュエータ器具68の加熱前の状態の断面の模式図を示す。図13Bは、実施の形態に係るアクチュエータ器具68の加熱後の状態の断面の模式図を示す。なお、図13Aおよび図13Bでは、アクチュエータ器具68のうちアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3のみを図示している。
本実施の形態では、まず、ふくらはぎ(対象物OB1)に複数のローラ71が接するようにアクチュエータ器具68が巻き付けられる。このときアクチュエータ器具68は、アクチュエータバンド1に張力が印加された状態で巻き付けられる。次に、網状の発熱体12に電圧が印加され、アクチュエータバンド1が加熱されて収縮する。この収縮によって、アクチュエータバンド1は、アクチュエータガイド3を介してふくらはぎを締め付ける、すなわち、ふくらはぎの内側に向かう方向に締付け力を発生させる。例えば、アクチュエータバンド1が加熱される前は、図13Aに示すように、アクチュエータ器具68の外形寸法はS1である。それに対し、アクチュエータバンド1が加熱されると、図13Bに示すように、アクチュエータバンド1がふくらはぎの外周方向に沿って縮み、アクチュエータ器具68の外形寸法がS2(<S1)となる。
本実施の形態のアクチュエータ装置60では、アクチュエータバンド1が縮む際、ローラ71の少なくとも一部がふくらはぎに食い込み、ふくらはぎが締め付けられる。また、アクチュエータバンド1が縮む際、各ローラ71がふくらはぎの外周方向に沿って回転移動する。これにより、アクチュエータ器具68とふくらはぎ(対象物OB1)との摩擦力を低減させ、また、摩擦力を均一化させることができ、締付け力が低下することを抑制できる。
次に、アクチュエータバンド1に対する電圧の印加を停止すると、放熱によってアクチュエータバンド1は加熱前の状態に復元する。このアクチュエータバンド1が復元する際も、各ローラ71がふくらはぎの外周方向に沿って回転移動する。これにより、アクチュエータ器具68とふくらはぎとの摩擦力を低減させ、また、摩擦力を均一化させることができ、締付け力をスムーズに元に戻すことができる。
[実施例]
以下、本発明に係る実施例について説明する。
以下、本発明に係る実施例について説明する。
(アクチュエータワイヤの製造)
特許文献4の開示内容に従って、本発明者らはコイル状ポリマー繊維111を得た。次に、本発明者らは、2本のコイル状ポリマー繊維111を捻り、アクチュエータワイヤ11を得た。図3に示すように、アクチュエータワイヤ11は、互いに撚り合わされた2本のコイル状ポリマー繊維111から構成されている。言い換えれば、捻られた1本のコイル状ポリマー繊維111aの側面は、捻られた他のコイル状ポリマー繊維111bの側面に接している。
特許文献4の開示内容に従って、本発明者らはコイル状ポリマー繊維111を得た。次に、本発明者らは、2本のコイル状ポリマー繊維111を捻り、アクチュエータワイヤ11を得た。図3に示すように、アクチュエータワイヤ11は、互いに撚り合わされた2本のコイル状ポリマー繊維111から構成されている。言い換えれば、捻られた1本のコイル状ポリマー繊維111aの側面は、捻られた他のコイル状ポリマー繊維111bの側面に接している。
(電熱線の製造)
本発明者らは、ポリエステル10デニールモノフィラメント(東レ株式会社製)を弾性糸51(芯糸)として、また、線(日本精線株式会社 商品名「ステンレス鋼線」 タイプ「SUS 316L」 直径寸法「0.030mm」)を金属ワイヤ52(鞘糸)として用い、2950T/mのS撚りを行い、電熱線21を得た。
本発明者らは、ポリエステル10デニールモノフィラメント(東レ株式会社製)を弾性糸51(芯糸)として、また、線(日本精線株式会社 商品名「ステンレス鋼線」 タイプ「SUS 316L」 直径寸法「0.030mm」)を金属ワイヤ52(鞘糸)として用い、2950T/mのS撚りを行い、電熱線21を得た。
(アクチュエータ単線の製造)
本発明者らは、製紐機を用いて、アクチュエータワイヤ11の側面を4本の電熱線21からなる網状の発熱体12により被覆し、アクチュエータ単線13を得た。
本発明者らは、製紐機を用いて、アクチュエータワイヤ11の側面を4本の電熱線21からなる網状の発熱体12により被覆し、アクチュエータ単線13を得た。
(アクチュエータバンドの製造)
本発明者らは、9本のアクチュエータ単線13を用いて、平打ち製紐を行い、アクチュエータバンド1を得た。そして当該アクチュエータバンド1を切断し、約70mmの長さを有するアクチュエータバンド1を得た。
本発明者らは、9本のアクチュエータ単線13を用いて、平打ち製紐を行い、アクチュエータバンド1を得た。そして当該アクチュエータバンド1を切断し、約70mmの長さを有するアクチュエータバンド1を得た。
(アクチュエータガイドの製造)
本発明者らは、16個のローラ71および15個の接続具82を具備するアクチュエータガイド3を以下のようにして作製した。
本発明者らは、16個のローラ71および15個の接続具82を具備するアクチュエータガイド3を以下のようにして作製した。
まず、図9Aに示す、外径dd1が8mm、内径dd2が3mm、および幅w1が10mmのポリアセタール製の円筒体に、図9Bに示されるスリット74を形成した。次に、図9Aに示すように、ローラ71の略円筒形状の外周面73の中央部を切削し、中央の深さdpが0.5mm、幅w2が5mmの窪み75を形成した。このようにして、図9Aに示す16個のローラ71を作製した。
接続具82としては、直径1mmのSUS線(ステンレス鋼線)を用いた。SUS線は、軸つなぎ部85の長さ20mm、および、中央軸83の長さ12mmの略長方形の形状を有するように、折り曲げた。そしてSUS線の中央軸83を、ローラ71のスリット74から挿入し、図11Aおよび図11Bに示すように、ローラ71が回転可能なように接続具82に接続した。同様に複数の接続具82を用いて複数のローラ71を接続した。これにより、図8Aに示すアクチュエータガイド3を作製した。
(アクチュエータ装置の製造)
本発明者らは、アクチュエータバンド1の両端を、金属製の第一接合具4aおよび第二接合具4bにて加締めた。そして、アクチュエータガイド3の各ローラ71の窪み75にアクチュエータバンド1が接するように配置した。そして、第一接合具4aおよび第二接合具4bを電気的に制御装置5に接続した。制御装置5としては、直流電源(PSF−800L 株式会社テクシオ・テクノロジー製)を用いた。
本発明者らは、アクチュエータバンド1の両端を、金属製の第一接合具4aおよび第二接合具4bにて加締めた。そして、アクチュエータガイド3の各ローラ71の窪み75にアクチュエータバンド1が接するように配置した。そして、第一接合具4aおよび第二接合具4bを電気的に制御装置5に接続した。制御装置5としては、直流電源(PSF−800L 株式会社テクシオ・テクノロジー製)を用いた。
(アクチュエータ装置の装着)
本発明者らは、図12Bに示すように、ふくらはぎにパッド状の圧力センサ91(株式会社エイエムアイ・テクノ製「AO905−SA」)を配置した。具体的には、2つの圧力センサ91を図12Bに示す#1および#2の位置に配置した。次に、圧力センサ91を覆うようにアクチュエータ器具68をふくらはぎに取り付け、かつ、アクチュエータバンド1に3.5Nの張力が印加されるようにアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3の長さを調整し、アクチュエータ器具68をふくらはぎに巻いた。また、固定具9を用いて、ふくらはぎに巻きつけられるアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3の長さを調整した。なお、アクチュエータバンド1の張力は、テンションゲージ(中村製作所製「TK−1000cN−G」)を用いて測定した。
本発明者らは、図12Bに示すように、ふくらはぎにパッド状の圧力センサ91(株式会社エイエムアイ・テクノ製「AO905−SA」)を配置した。具体的には、2つの圧力センサ91を図12Bに示す#1および#2の位置に配置した。次に、圧力センサ91を覆うようにアクチュエータ器具68をふくらはぎに取り付け、かつ、アクチュエータバンド1に3.5Nの張力が印加されるようにアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3の長さを調整し、アクチュエータ器具68をふくらはぎに巻いた。また、固定具9を用いて、ふくらはぎに巻きつけられるアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3の長さを調整した。なお、アクチュエータバンド1の張力は、テンションゲージ(中村製作所製「TK−1000cN−G」)を用いて測定した。
(締付け力の評価)
本発明者らは、アクチュエータ器具68の締付け力を以下のようにして評価した。
本発明者らは、アクチュエータ器具68の締付け力を以下のようにして評価した。
図14Aは、実施の形態に係るアクチュエータ器具68が対象物OB1に取り付けられている状態の模式図を示す。図14Bは、実施の形態に係るアクチュエータ器具68が対象物OB1に取り付けられている状態の断面の模式図を示す。図15Aは、図14Bに示すアクチュエータ器具の15A部の拡大図を示す。図15Bは、図15Aに示すアクチュエータ器具を15B−15B線で切断して見た場合の断面の模式図を示す。
まず、圧力センサ91に対するローラ71の接触面積を求めた。具体的にはアクチュエータ器具68が対象物OB1に取り付けられている状態にて、図15Aおよび図15Bに示すように、ローラ71の外周のうち圧力センサ91が接している部分の外側にマークM1、M2を付け、マークM1、M2間の距離から接触面積を算出した。その結果、圧力センサ91に接する部分のローラ71の1個あたりの面積は、18.5mm2±1.5mm2であった。なお、ローラ71にマークM1、M2を付ける際、例えば片側のマークM1で0.3mm程の誤差が生じるので、両側の誤差を入れ、周方向の接触長さを3.4mm〜4mmとした。そして、ローラ71の接触幅(w1−w2)を5mmとし、接触長さと接触幅とを掛け合わせ、接触面積を17mm2〜20mm2とした。本実施例では効果の過大評価を避けるために、誤差の取り得る最大値である20mm2を接触面積とした。
次に、圧力センサ91の計測値から、アクチュエータ器具68の締付け力を求めた。ここで、ふくらはぎに接している16個のローラの総接触面積は、20mm2×16=320mm2である。そこで、計測で得られたローラ71の1個の締付け力を16倍(320/20倍)して、全体の締付け力を求めた。
ここで表1に、アクチュエータ器具68の締付け力を示す。表1には、制御装置5を用いて、アクチュエータ器具68に7.7W(550mA、14.2V)を15秒間印加した例が示されている。
表1に示すように、アクチュエータ器具68は、24℃から70℃へ加熱され、締付け力が変化した。なお、アクチュエータ器具68の表面温度は、放射温度計(FSV−2000 株式会社アピステ製)を用いて測定した。
次に表2に、アクチュエータ器具68の締付け力の差分を示す。表2には、電力OFF時の締付け力、電力ON時の締付け力、および、締付け力の差分が示されている。
表2に示すように、本実施例のアクチュエータ器具68では、上記の電力印加によって締付け力の平均値が19.4Nから23.9Nに増大し、4.4N±0.3Nの締付け力が発生した。
[比較例]
ここで、本実施例の効果を説明するため、比較例のアクチュエータ装置560の締付け力について説明する。比較例のアクチュエータ装置560は、アクチュエータガイド3が設けられていないことを除いては、実施例と同様の構成を有している。
ここで、本実施例の効果を説明するため、比較例のアクチュエータ装置560の締付け力について説明する。比較例のアクチュエータ装置560は、アクチュエータガイド3が設けられていないことを除いては、実施例と同様の構成を有している。
図16Aは、比較例に係るアクチュエータ器具568が対象物OB1に取り付けられている状態の模式図を示す。図16Bは、比較例に係るアクチュエータ器具568が対象物OB1に取り付けられている状態の断面図を示す。図17Aは、図16Bに示すアクチュエータ器具の17A部の拡大図を示す。図17Bは、図17Aに示すアクチュエータ器具を17B−17B線で切断して見た場合の断面の模式図を示す。
比較例に係るアクチュエータ器具568は、アクチュエータバンド1、第一接合具4aおよび第二接合具4bのみによって構成されている。アクチュエータ器具568は、アクチュエータガイド3を有しておらず、アクチュエータ器具568を対象物OB1に巻き付けた際にアクチュエータバンド1が対象物OB1に接する構造となっている。
まず、圧力センサ91に対するアクチュエータバンド1の接触面積を求めた。具体的にはアクチュエータ器具568がふくらはぎに装着された状態おいて、図17Aおよび図17Bに示すように、アクチュエータバンド1が圧力センサ91に接している部分の接触面積を測定した。測定の結果、アクチュエータバンド1のうち、幅3.5mm、長さ20mmの部分、すなわち接触面積70mm2の部分が圧力センサ91に接していた。
次に、圧力センサ91の計測値から、アクチュエータ器具568の締付け力を求めた。ここで、ふくらはぎに接しているアクチュエータバンド1の長さは330mmなので、総接触面積は330×3.5=1155mm2である。そこで、計測した締付け力に(1155/70)を掛け合わせることで全体の締付け力を求めた。
ここで表3に、比較例に係るアクチュエータ器具568の締付け力を示す。表3には、制御装置5を用いて、アクチュエータ器具568に対して7.9W(590mA、13.4V)を30秒間印加した例が示されている。
表3に示すように、アクチュエータ器具568は24℃から70℃へ加熱され、締付け力が変化した。
次に表4に、比較例に係るアクチュエータ器具568の締付け力の差分を示す。表4には、電力OFF時の締付け力、電力ON時の締付け力、および、締付け力の差分が示されている。
表4に示すように、比較例のアクチュエータ器具568では、上記の電力印加によって、締付け力の平均値が20.9Nから23.7Nに増大し、2.7N±0.4Nの締付け力が発生した。
表2および表4に示すように、比較例のアクチュエータ器具568では発生した締付け力が2.7±0.4Nであるのに対し、本実施例のアクチュエータ器具68では発生した締付け力が4.4±0.3Nであり比較例よりも大きい。実施例のように、対象物OB1とアクチュエータバンド1の間にアクチュエータガイド3を配置することで、例えばアクチュエータガイド3が無い比較例に比べて、締付け力を大きくすることができる。また、比較例と同等の締付け力を得る場合、比較例に比べて消費電力を小さくすることができる。
[効果など]
以上のように、実施の形態に係るアクチュエータ装置60は、アクチュエータバンド1、アクチュエータガイド3、および制御装置5、を具備し、ここで、アクチュエータバンドは1、組まれ、編まれ、または織られた複数のアクチュエータ単線13を具備し、複数のアクチュエータ単線13の各々の一端は、互いに接合されており、複数のアクチュエータ単線13の各々の他端は、互いに接合されており、複数のアクチュエータ単線13の各々は、アクチュエータワイヤ11、および、アクチュエータワイヤ11の側面を被覆し、かつ複数の電熱線21を具備する網状の発熱体12を具備し、アクチュエータワイヤ11は、高分子からなる繊維111から形成され、繊維111は、その長軸の周りに沿って捩られており、繊維111は、円筒状のコイルの形状を有するように折りたたまれており、アクチュエータワイヤ11は、加熱により縮み、かつ放熱により復元し、網状の発熱体12の一端は、アクチュエータワイヤ11の一端に接合されており、網状の発熱体12の他端は、アクチュエータワイヤ11の他端に接合されており、制御装置5は、網状の発熱体12を加熱するための電力を網状の発熱体12に供給するために用いられ、アクチュエータバンド1は、アクチュエータガイド3に支持され、アクチュエータガイド3は、複数のローラ71および複数の接続具82を具備し、複数のローラ71は、アクチュエータバンド1が加熱されたときにアクチュエータバンド1が縮む方向に沿って並列配置され、複数のローラ71のうち隣り合うローラは、接続具82によって接続され、かつ、対象物OB1に少なくとも複数のローラ71が接するように、アクチュエータガイド3およびアクチュエータバンド1が対象物OB1に巻き付けられた状態でアクチュエータバンド1が加熱されたとき、アクチュエータバンド1はアクチュエータガイド3を介して対象物OB1を締め付ける。
以上のように、実施の形態に係るアクチュエータ装置60は、アクチュエータバンド1、アクチュエータガイド3、および制御装置5、を具備し、ここで、アクチュエータバンドは1、組まれ、編まれ、または織られた複数のアクチュエータ単線13を具備し、複数のアクチュエータ単線13の各々の一端は、互いに接合されており、複数のアクチュエータ単線13の各々の他端は、互いに接合されており、複数のアクチュエータ単線13の各々は、アクチュエータワイヤ11、および、アクチュエータワイヤ11の側面を被覆し、かつ複数の電熱線21を具備する網状の発熱体12を具備し、アクチュエータワイヤ11は、高分子からなる繊維111から形成され、繊維111は、その長軸の周りに沿って捩られており、繊維111は、円筒状のコイルの形状を有するように折りたたまれており、アクチュエータワイヤ11は、加熱により縮み、かつ放熱により復元し、網状の発熱体12の一端は、アクチュエータワイヤ11の一端に接合されており、網状の発熱体12の他端は、アクチュエータワイヤ11の他端に接合されており、制御装置5は、網状の発熱体12を加熱するための電力を網状の発熱体12に供給するために用いられ、アクチュエータバンド1は、アクチュエータガイド3に支持され、アクチュエータガイド3は、複数のローラ71および複数の接続具82を具備し、複数のローラ71は、アクチュエータバンド1が加熱されたときにアクチュエータバンド1が縮む方向に沿って並列配置され、複数のローラ71のうち隣り合うローラは、接続具82によって接続され、かつ、対象物OB1に少なくとも複数のローラ71が接するように、アクチュエータガイド3およびアクチュエータバンド1が対象物OB1に巻き付けられた状態でアクチュエータバンド1が加熱されたとき、アクチュエータバンド1はアクチュエータガイド3を介して対象物OB1を締め付ける。
これによれば、アクチュエータバンド1が縮む方向に沿って複数のローラ71が並列配置されているので、対象物OB1にアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3を巻き付けて締付け動作を行う場合に、アクチュエータ装置60の締付け力の低下を抑制することができる。
また、複数のローラ71は、アクチュエータバンド1の幅方向に沿う軸(すなわち第二軸x2)に対して、ローラ71の回転軸x3の傾きが0°以上10°以下となるように配置されていてもよい。
これによれば、熱によってアクチュエータバンド1が伸縮する際に、対象物OB1に接するローラ71をスムーズに回転移動させることができる。そのため、対象物OB1にアクチュエータバンド1を巻いて締付け動作を行う場合に、アクチュエータ装置60の締付け力の低下を抑制することができる。
また、複数のローラ71の各々は、ローラ71の外周面73の周方向に沿った窪み75を有し、アクチュエータバンド1は、窪み75に接していてもよい。
これによれば、熱によってアクチュエータバンド1を伸縮させる際に、窪み75を用いてアクチュエータバンド1の収縮動作をガイドすることができる。この窪み75を用いてガイドを行うことで、対象物OB1にアクチュエータバンド1を巻いて締付け動作を行う場合に、アクチュエータ装置60の締付け力の低下を抑制することができる。
また、アクチュエータバンド1の一端は、アクチュエータガイド3の一端に固定されており、アクチュエータバンド1の他端は、アクチュエータガイド3の他端に固定されていてもよい。
これによれば、熱によってアクチュエータバンド1を伸縮させる際に、アクチュエータガイド3を用いてアクチュエータバンド1の一端から他端までをガイドすることができる。このアクチュエータガイド3にてガイドを行うことで、対象物OB1にアクチュエータバンド1を巻いて締付け動作を行う場合に、アクチュエータ装置60の締付け力の低下を抑制することができる。
また、さらに、アクチュエータバンド1の両端を固定する固定具9を備えていてもよい。
これによれば、熱によってアクチュエータバンド1を伸縮させる際に、固定具9を用いてアクチュエータバンド1の両端を固定することができる。この固定具9を用いて固定を行うことで、対象物OB1にアクチュエータバンド1を巻いて締付け動作を行う場合に、アクチュエータ装置60の締付け力の低下を抑制することができる。
また、複数のアクチュエータ単線13は、互いに交差していてもよい。
このように、複数のアクチュエータ単線13が互いに交差するようにアクチュエータバンド1が形成されることで、初期張力に対する収縮率の割合が大きいアクチュエータバンド1を提供することができ、アクチュエータ装置60の締付け力を大きくすることができる。
また、複数の電熱線21の各々は非導電性の弾性糸51および金属ワイヤ52を具備し、金属ワイヤ52は、弾性糸51に螺旋状に巻きついてもよい。
これによれば、金属ワイヤ52が弾性糸51に対して巻き付いた電熱線21が用いられているので、金属ワイヤ52とアクチュエータワイヤ11との密着面積を高めることができ、熱効率を高めることができる。これにより、アクチュエータ装置60の締付け力を大きくすることができる。
また、複数の電熱線21の各々はアクチュエータワイヤ11の側面に螺旋状に巻きついており、かつ複数の電熱線21が、網状の発熱体12を形成するように、組まれていてもよい。
これによれば、網状の発熱体12をアクチュエータワイヤ11に密着させることができ、熱効率を高めることができる。これにより、アクチュエータ装置60の締付け力を大きくすることができる。
また、複数の電熱線21が、右回りに組まれていてもよい。
これによれば、電熱線21がアクチュエータワイヤ11から外れにくいようにすることができる。
また、複数の電熱線21が、左回りに組まれていてもよい。
これによれば、電熱線21がアクチュエータワイヤ11から外れにくいようにすることができる。
また、複数の電熱線21の各々が矩形波状の形状を有しており、かつ矩形波状の形状を有する複数の電熱線21が、網状の発熱体12を形成するように、編まれていてもよい。
これによれば、網状の発熱体12をアクチュエータワイヤ11に密着させることができ、熱効率を高めることができる。これにより、アクチュエータ装置60の締付け力を大きくすることができる。
また、複数の電熱線21の各々はアクチュエータワイヤ11の側面に螺旋状に巻き付いており、かつ複数の電熱線21が、網状の発熱体12を形成するように、織られていてもよい。
これによれば、網状の発熱体12をアクチュエータワイヤ11に密着させることができ、熱効率を高めることができる。これにより、アクチュエータ装置60の締付け力を大きくすることができる。
また、繊維111は、直鎖状低密度ポリエチレンからなり、かつ以下の数式(I)が充足される。
D/d<1 (I)
ここで、Dは、円筒状のコイルの平均直径を表し、かつdは、繊維の直径を表す。
この関係性であるために、アクチュエータワイヤ11の変位率を高くすることができる。
また、第一接合具4aおよび第二接合具4bを具備し、複数のアクチュエータ単線13の一端は、第一接合具4aによって互いに接合されており、複数のアクチュエータ単線13の他端は、第二接合具4bによって互いに接合されており、網状の発熱体12の一端は、第一接合具4aによってアクチュエータワイヤ11の一端に接合されており、かつ網状の発熱体の他端は、第二接合具4bによってアクチュエータワイヤ11の他端に接合されていてもよい。
これによれば、第一接合具4aによって複数の電熱線21と複数のアクチュエータワイヤ11の一端同士が接合され、第二接合具4bによって複数の電熱線21と複数のアクチュエータワイヤ11の他端同士が接合されているので、簡単な構成でこれらを接合することができる。特に、第一接合具4a及び第二接合具4bが金属製である場合には、電熱線21からの熱を第一接合具4a及び第二接合具4bで放熱することができる。
また、実施の形態に係るアクチュエータ器具68は、アクチュエータバンド1、およびアクチュエータガイド3を具備し、ここで、アクチュエータバンド1は、複数のアクチュエータ単線13を具備し、複数のアクチュエータ単線13の各々の一端は、互いに接合されており、複数のアクチュエータ単線13の各々の他端は、互いに接合されており、複数のアクチュエータ単線13の各々は、アクチュエータワイヤ11、および、アクチュエータワイヤ11の側面に接し、かつ複数の電熱線21を具備する発熱体12を具備し、アクチュエータワイヤ11は、高分子からなる繊維111から形成され、繊維111は、その長軸の周りに沿って捩られており、繊維111は、円筒状のコイルの形状を有するように折りたたまれており、アクチュエータワイヤ11は、加熱により縮み、かつ放熱により復元し、発熱体12の一端は、アクチュエータワイヤ11の一端に接合されており、発熱体12の他端は、アクチュエータワイヤ11の他端に接合されており、アクチュエータバンド1は、アクチュエータガイド3に支持され、アクチュエータガイド3は、複数のローラ71および複数の接続具82を具備し、複数のローラ71は、アクチュエータバンド1が加熱されたときにアクチュエータバンド1が縮む方向に沿って並列配置され、複数のローラ71のうち隣り合うローラは、接続具82によって接続されている。
これによれば、アクチュエータバンド1が縮む方向に沿って複数のローラ71が並列配置されているので、例えば対象物OB1にアクチュエータバンド1およびアクチュエータガイド3を巻き付けて締付け動作を行う場合に、アクチュエータ器具68の締付け力の低下を抑制することができる。
[その他]
以上、本発明に係るアクチュエータ装置およびアクチュエータ器具について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
以上、本発明に係るアクチュエータ装置およびアクチュエータ器具について、上記実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施の形態では、アクチュエータバンド1の一端から他端までの第一軸x1方向に沿う長さが、第一軸x1方向に直交する第二軸x2方向の長さ(幅)よりも長い場合を例示した。しかしながら、アクチュエータバンドにおいては、アクチュエータバンドの幅が第一軸x1方向の長さ以上であってもよい。
例えば、上記実施の形態では、網状の発熱体12が組物である場合を例示した。しかしながら、網状の発熱体は織物または編物であってもよい。
図18Aは、実施の形態に係る網状の発熱体12の他の一例の模式図を示す。図18Aに示すように、各電熱線21は矩形波状の形状を有し、複数の電熱線21が、網状の発熱体12を形成するように、編まれている。このように編まれた電熱線21が、アクチュエータワイヤ11の外側面に巻き付けられていてもよい。
図18Bおよび図18Cは、実施の形態に係る網状の発熱体12の他の一例の模式図を示す。各電熱線21a、21bは、細長い板(すなわち、帯状)の形状を有し得る。複数の電熱線21a、21bは、アクチュエータワイヤ11の外側面に螺旋状に巻き付くように織られる。このように織られた電熱線21a、21bが、アクチュエータワイヤ11の外側面に巻き付けられていてもよい。
また、アクチュエータバンド1は、以下に示す構造を有していてもよい。例えば、図19Aに示すように、アクチュエータバンド1は、複数の電熱線21及び複数のアクチュエータワイヤ11を具備していてもよい。各電熱線21は平打ち製紐により組目を形成している。組目の間にアクチュエータワイヤ11が配置されている。複数の電熱線21は互いに交差することで組目を形成し、組目が変化することで伸縮する。一方、各アクチュエータワイヤ11は、電熱線21が形成する組目中に直線状に配置されている。各アクチュエータワイヤ11は、互いに平行に配置されている。各電熱線21は、アクチュエータワイヤ11の側面に接している。このように、アクチュエータバンド1においては、複数の電熱線21が、平面状に配列された複数のアクチュエータワイヤ11の各々を直線状の芯とした組物をなしている。このような構造であるので、各アクチュエータワイヤ11は、発熱源である電熱線21によって加熱されることにより収縮する。図19Bは、図19Aに示すアクチュエータバンドを19B−19B線で切断して見た場合の断面の模式図を示す。図19Bでは、便宜上、一つのアクチュエータワイヤ11を一つの円で図示している。図19Bに示すように、各アクチュエータワイヤ11の周囲には、ほぼ均等に3本の電熱線21が配置されている。また、2本のアクチュエータワイヤ11の間の電熱線21は、これら2本のアクチュエータワイヤ11で共通化して用いられる。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
本発明は、生体に装着して生体を加圧するアクチュエータ装置に適用可能である。
1 アクチュエータバンド
3 アクチュエータガイド
4a 第一接合具
4b 第二接合具
5 制御装置
8 配線
9 固定具
11 アクチュエータワイヤ
12 網状の発熱体
13、13a、13b アクチュエータ単線
21、21a、21b 電熱線
51 弾性糸
52 金属ワイヤ
60 アクチュエータ装置
68 アクチュエータ器具
71 ローラ
73 外周面
74 スリット
75 窪み
76 軸穴
77 端面
82 接続具
83 中央軸
84 端軸
85 軸つなぎ部
91 圧力センサ
111、111a、111b コイル状ポリマー繊維
A1、A2 アクチュエータ単線に沿う軸
OB1 対象物
x1 第一軸
x2 第二軸
x3 回転軸
3 アクチュエータガイド
4a 第一接合具
4b 第二接合具
5 制御装置
8 配線
9 固定具
11 アクチュエータワイヤ
12 網状の発熱体
13、13a、13b アクチュエータ単線
21、21a、21b 電熱線
51 弾性糸
52 金属ワイヤ
60 アクチュエータ装置
68 アクチュエータ器具
71 ローラ
73 外周面
74 スリット
75 窪み
76 軸穴
77 端面
82 接続具
83 中央軸
84 端軸
85 軸つなぎ部
91 圧力センサ
111、111a、111b コイル状ポリマー繊維
A1、A2 アクチュエータ単線に沿う軸
OB1 対象物
x1 第一軸
x2 第二軸
x3 回転軸
Claims (15)
- アクチュエータ装置であって、
アクチュエータバンド、
アクチュエータガイド、および
制御装置、
を具備し、
ここで、
前記アクチュエータバンドは、組まれ、編まれ、または織られた複数のアクチュエータ単線を具備し、
前記複数のアクチュエータ単線の各々の一端は、互いに接合されており、
前記複数のアクチュエータ単線の各々の他端は、互いに接合されており、
前記複数のアクチュエータ単線の各々は、アクチュエータワイヤ、および、前記アクチュエータワイヤの側面を被覆し、かつ複数の電熱線を具備する網状の発熱体を具備し、
前記アクチュエータワイヤは、高分子からなる繊維から形成され、
前記繊維は、その長軸の周りに沿って捩られており、
前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折りたたまれており、
前記アクチュエータワイヤは、加熱により縮み、かつ放熱により復元し、
前記網状の発熱体の一端は、前記アクチュエータワイヤの一端に接合されており、
前記網状の発熱体の他端は、前記アクチュエータワイヤの他端に接合されており、
前記制御装置は、前記網状の発熱体を加熱するための電力を前記網状の発熱体に供給するために用いられ、
前記アクチュエータバンドは、前記アクチュエータガイドに支持され、
前記アクチュエータガイドは、複数のローラおよび複数の接続具を具備し、
前記複数のローラは、前記アクチュエータバンドが加熱されたときに前記アクチュエータバンドが縮む方向に沿って並列配置され、
前記複数のローラのうち隣り合うローラは、前記接続具によって接続され、
かつ、
対象物に少なくとも前記複数のローラが接するように、前記アクチュエータガイドおよび前記アクチュエータバンドが前記対象物に巻き付けられた状態で前記アクチュエータバンドが加熱されたとき、前記アクチュエータバンドは前記アクチュエータガイドを介して前記対象物を締め付ける
アクチュエータ装置。 - 前記複数のローラは、前記アクチュエータバンドの幅方向に沿う軸に対して、前記ローラの回転軸の傾きが0°以上10°以下となるように配置されている
請求項1に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数のローラの各々は、前記ローラの外周面の周方向に沿った窪みを有し、
前記アクチュエータバンドは、前記窪みに接している
請求項1または2に記載のアクチュエータ装置。 - 前記アクチュエータバンドの一端は、前記アクチュエータガイドの一端に固定されており、
前記アクチュエータバンドの他端は、前記アクチュエータガイドの他端に固定されている、
請求項1〜3のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - さらに、前記アクチュエータバンドの両端を固定する固定具を備える
請求項1〜4のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数のアクチュエータ単線は、互いに交差している
請求項1〜5のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数の電熱線の各々は非導電性の弾性糸および金属ワイヤを具備し、
前記金属ワイヤは、前記弾性糸に螺旋状に巻きついている、
請求項1〜6のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数の電熱線の各々は前記アクチュエータワイヤの側面に螺旋状に巻きついており、かつ
前記複数の電熱線が、前記網状の発熱体を形成するように、組まれている、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数の電熱線が、右回りに組まれている、
請求項8に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数の電熱線が、左回りに組まれている、
請求項8に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数の電熱線の各々が矩形波状の形状を有しており、かつ
前記矩形波状の形状を有する前記複数の電熱線が、前記網状の発熱体を形成するように、編まれている、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - 前記複数の電熱線の各々はアクチュエータワイヤの側面に螺旋状に巻きついており、かつ
前記複数の電熱線が、前記網状の発熱体を形成するように、織られている、
請求項1〜7のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - 前記繊維は、直鎖状低密度ポリエチレンからなり、かつ
以下の数式(I)が充足される:
D/d<1 (I)
ここで、
Dは、前記円筒状のコイルの平均直径を表し、かつ
dは、前記繊維の直径を表す、
請求項1〜12のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - 第一接合具および第二接合具を具備し、
前記複数のアクチュエータ単線の一端は、前記第一接合具によって互いに接合されており、
前記複数のアクチュエータ単線の他端は、前記第二接合具によって互いに接合されており、
前記網状の発熱体の一端は、前記第一接合具によって前記アクチュエータワイヤの一端に接合されており、かつ
前記網状の発熱体の他端は、前記第二接合具によって前記アクチュエータワイヤの他端に接合されている、
請求項1〜13のいずれか1項に記載のアクチュエータ装置。 - アクチュエータ器具であって、
アクチュエータバンド、および
アクチュエータガイド
を具備し、
ここで、
前記アクチュエータバンドは、複数のアクチュエータ単線を具備し、
前記複数のアクチュエータ単線の各々の一端は、互いに接合されており、
前記複数のアクチュエータ単線の各々の他端は、互いに接合されており、
前記複数のアクチュエータ単線の各々は、アクチュエータワイヤ、および、前記アクチュエータワイヤの側面に接し、かつ複数の電熱線を具備する発熱体を具備し、
前記アクチュエータワイヤは、高分子からなる繊維から形成され、
前記繊維は、その長軸の周りに沿って捩られており、
前記繊維は、円筒状のコイルの形状を有するように折りたたまれており、
前記アクチュエータワイヤは、加熱により縮み、かつ放熱により復元し、
前記発熱体の一端は、前記アクチュエータワイヤの一端に接合されており、
前記発熱体の他端は、前記アクチュエータワイヤの他端に接合されており、
前記アクチュエータバンドは、前記アクチュエータガイドに支持され、
前記アクチュエータガイドは、複数のローラおよび複数の接続具を具備し、
前記複数のローラは、前記アクチュエータバンドが加熱されたときに前記アクチュエータバンドが縮む方向に沿って並列配置され、
前記複数のローラのうち隣り合うローラは、前記接続具によって接続されている、
アクチュエータ器具。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018117450A JP2021168526A (ja) | 2018-06-20 | 2018-06-20 | アクチュエータ装置およびアクチュエータ器具 |
PCT/JP2019/009323 WO2019244421A1 (ja) | 2018-06-20 | 2019-03-08 | アクチュエータ装置およびアクチュエータ器具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2018117450A JP2021168526A (ja) | 2018-06-20 | 2018-06-20 | アクチュエータ装置およびアクチュエータ器具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021168526A true JP2021168526A (ja) | 2021-10-21 |
Family
ID=68983556
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018117450A Pending JP2021168526A (ja) | 2018-06-20 | 2018-06-20 | アクチュエータ装置およびアクチュエータ器具 |
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JP (1) | JP2021168526A (ja) |
WO (1) | WO2019244421A1 (ja) |
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JP2008079462A (ja) * | 2006-09-22 | 2008-04-03 | Toyota Motor Corp | アクチュエータとアクチュエータの製造方法 |
JP2012087434A (ja) * | 2010-10-20 | 2012-05-10 | Toyota Boshoku Corp | 発熱糸及びそれを用いた織編物 |
CN106561083B (zh) * | 2015-08-04 | 2019-12-31 | 松下知识产权经营株式会社 | 执行器 |
JP2017113520A (ja) * | 2015-12-18 | 2017-06-29 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | アクチュエータおよびアクチュエータセット |
JP2018019500A (ja) * | 2016-07-27 | 2018-02-01 | 株式会社デンソー | アクチュエータ及びセンサ装置 |
-
2018
- 2018-06-20 JP JP2018117450A patent/JP2021168526A/ja active Pending
-
2019
- 2019-03-08 WO PCT/JP2019/009323 patent/WO2019244421A1/ja active Application Filing
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Publication number | Publication date |
---|---|
WO2019244421A1 (ja) | 2019-12-26 |
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