JP2021168238A - 電気コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】ツイストペアケーブルの伝送特性および伝送能力の低下を抑制することができる電気コネクタを提供する。【解決手段】電気コネクタ1は、ツイストペアケーブル10と、インナーシェル30とを備える。ツイストペアケーブル10は、第1の信号線W1及び第2の信号線W2が互いに撚り合わされている撚合い部分と、第1の信号線W1及び第2の信号線W2が撚り合わされていない非撚合い部分12とを有する。インナーシェル30は、非撚合い部分12における第1の信号線W1と第2の信号線W2とを整列させる整列部31と、撚合い部分を保持する保持部とを有する。【選択図】図5

Description

本発明は、電気コネクタに関する。
特許文献1には、互いに撚り合わされている2本の信号線の端部を、シールド導体から露出させると共に、当該端部における撚合せ部分の撚り戻しがなされていたり、解かれて(ほどかれて)いたりするシールドツイストペア電線が開示されている。
特開2009−37826号公報
特許文献1に記載のものにおいては、撚り戻しがなされる際に、シールド導体が除去されたうえで、2本の信号線の端部の撚り合わされている部分が撚り戻されるため、シールドツイストペア電線のインピーダンスが変化する。このインピーダンスの変化に起因して、信号の反射が生じ、シールドツイストペア電線の伝送特性および伝送能力が低下するおそれがある。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、ツイストペアケーブルの伝送特性および伝送能力の低下を抑制することができる電気コネクタを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明に係る電気コネクタは、
第1の信号線及び第2の信号線が互いに撚り合わされている撚合い部分と、前記第1の信号線及び前記第2の信号線が撚り合わされていない非撚合い部分と、を有するツイストペアケーブルと、
前記非撚合い部分における前記第1の信号線と前記第2の信号線とを整列させる整列部と、前記撚合い部分を保持する保持部と、を有するインナーシェルと、
を備える。
前記インナーシェルの前記整列部は、
本体部分と、
前記本体部分において、前記ツイストペアケーブルが伸びる延伸方向に直交する直交方向の一方の端部に設けられ、前記第2の信号線に対して前記第1の信号線を近づけるように支持する第1の支持部分と、
を有していてもよい。
前記本体部分は、前記第1の信号線及び前記第2の信号線が配置される板状に形成され、
前記第1の支持部分は、前記一方の端部から折り曲げられて設けられている部分であってもよい。
前記インナーシェルの前記整列部は、
前記本体部分の他方の端部から延設され、前記第1の支持部分と共に、前記第2の信号線に対して前記第1の信号線を近づけつつ、前記第1の信号線と前記第2の信号線とを挟み込むように支持する第2の支持部分を有していてもよい。
前記ツイストペアケーブルの外周の少なくとも一部を外部から覆う第1アウターシェルを備え、
前記第1アウターシェルは、前記第1の支持部分と共に、前記第2の信号線に対して前記第1の信号線を近づけつつ、前記第1の信号線と前記第2の信号線とを挟み込むように支持してもよい。
前記インナーシェルは、前記第1アウターシェルに一体的に連結されていてもよい。
前記インナーシェルを外部から覆う第2アウターシェルを備え、
前記インナーシェルは、前記第2アウターシェルに一体的に連結されていてもよい。
前記インナーシェルの前記保持部は、円環形状に形成されていてもよい。
前記インナーシェルは、前記整列部と前記保持部とを連結する連結部を有していてもよい。
前記ツイストペアケーブルは、導電性の素材より形成され、前記非撚合い部分を被覆するシールド部分を有し、
前記インナーシェルの前記保持部は、前記非撚合い部分と前記シールド部分との間に配置されていてもよい。
前記ツイストペアケーブルが信号を送信する対象に、電力を供給する電力供給線を備え、
前記インナーシェルは、前記ツイストペアケーブルと前記電力供給線とを隔てるように配置されていてもよい。
互いに撚り合わされている2本の信号線の一部が解かれているもう一つのツイストペアケーブルと、
前記もう一つのツイストペアケーブルの前記2本の信号線を整列させる部分を有するもう一つのインナーシェルと、
を備えていてもよい。
前記インナーシェルの前記整列部は、
前記第1の信号線と前記第2の信号線とを隣接させて整列させる、又は、空間を隔てて整列させるように構成されていてもよい。
前記インナーシェルは導電性の素材より形成されていてもよい。
本発明によれば、電気コネクタのインナーシェルは、第1の信号線と第2の信号線とを整列させる整列部を有する。このため、電気コネクタのツイストペアケーブルは、適切なインピーダンスを保つことができる。これにより、電気コネクタは、ツイストペアケーブルの伝送特性および伝送能力の低下を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る電気コネクタ及び相手側電気コネクタの斜視図 電気コネクタの分解斜視図 (A)は、ツイストペアケーブルユニット及びインナーシェルの分解斜視図、(B)は、インナーシェルが取り付けられたツイストペアケーブルユニットの斜視図 ツイストペアケーブルユニットの断面図 (A)は、電気コネクタの側面図、(B)は、(A)のB−B断面図 インナーシェルの斜視図(その1) (A)は、ツイストペアケーブルユニット及びインナーシェルの断面図、(B)は、インナーシェルが取り付けられたツイストペアケーブルユニットの断面図 インナーシェルの斜視図(その2) 第1、第2アウターシェルが取り外されている電気コネクタの斜視図 インナーハウジングが取り外されている電気コネクタの斜視図 (A)は、電気コネクタの製造方法を説明するための断面図(その1)、(B)は、電気コネクタの製造方法を説明するための断面図(その2) 電気コネクタの製造方法を説明するための斜視図(その1) 電気コネクタの製造方法を説明するための斜視図(その2) 電気コネクタの製造方法を説明するための斜視図(その3) 電気コネクタの製造方法を説明するための斜視図(その4) 電気コネクタの製造方法を説明するための斜視図(その5) 電気コネクタの製造方法を説明するための斜視図(その6) 電気コネクタの製造方法を説明するための斜視図(その7) 本発明の実施の形態2に係る電気コネクタの断面図 本発明の実施の形態3に係る電気コネクタの断面図 本発明の実施の形態4に係る電気コネクタの断面図 本発明の実施の形態5に係る電気コネクタの断面図
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係る電気コネクタ1について、図を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、相互に直交するXYZ座標を設定し、適宜参照する。XYZ座標のY軸方向は、図1及び図2に示すように、ツイストペアケーブル10が伸びる延伸方向D1と同じ方向である。X軸方向は、ツイストペアケーブル10の第1の信号線W1と第2の信号線W2とが整列する方向であると共に、延伸方向D1に直交する方向である直交方向D2と同じ方向である。Z軸方向は、X軸方向及びY軸方向の双方向に直交する方向である。
電気コネクタ1は、図1に示すように、例えば、自動車に装備される電子回路部品同士の接続のためのコネクタユニット100に用いられる。具体的には、本実施の形態1においては、コネクタユニット100は、基板Bと、後述するツイストペアケーブル本体を含むツイストペアケーブルユニットCとの接続に用いられている。コネクタユニット100は、本実施の形態1に係る電気コネクタ1と、相手側電気コネクタ200とを備える。
相手側電気コネクタ200は、電気コネクタ1が嵌合するもので、オス端子を含んで構成されるオスコネクタである。相手側電気コネクタ200は、相手側ハウジング201と、相手側シェル202と、複数の相手側端子203とを有する。
相手側ハウジング201は、+Y方向に開口する嵌合穴201aが形成されたY軸方向を長手方向とする略直方体形状に形成された箱形の部材である。相手側ハウジング201は、樹脂等の絶縁性の素材からなる。相手側ハウジング201の嵌合穴201aには、電気コネクタ1が挿入される。相手側ハウジング201には、電気コネクタ1を係止して、嵌合穴201aの内部で固定するための被係止部201bが形成されている。
相手側シェル202は、相手側ハウジング201に+Z側から嵌め込まれて固定されている。相手側シェル202は、金属等の導電性の素材からなる。相手側シェル202は、相手側シェル202の外側と内側とを電磁遮蔽することで、基板BとツイストペアケーブルユニットCとを伝送する信号の送信の安定を向上させるために用いられている。なお、図1においては、相手側シェル202は、ドットによって着色して示されている。
相手側端子203は、金属等の導電性の素材からなるオス端子である。相手側端子203の一方の端部は、相手側ハウジング201の嵌合穴201aの内部空間に突出している。相手側端子203の他方の端部は、相手側ハウジング201の後端面(−Y側の面)から突出し、略S字状に湾曲して、プリント基板である基板Bの面上に設けられている導体パターンや電極部分に電気的に接続されている。相手側端子203の他方の端部は、例えば、はんだ付けによって、基板Bの導体パターンや電極部分に電気的に接続されている。
電気コネクタ1は、図1及び図2に示すように、メス端子を含んで構成されるメスコネクタである。電気コネクタ1は、ツイストペアケーブル10と、電力供給線20と、インナーシェル30と、第1アウターシェル40と、第2アウターシェル50と、端子60と、インナーハウジング70と、アウターハウジング80とを備える。
ツイストペアケーブル10は、図4に示すように、第1の信号線W1と第2の信号線W2とが互いに撚り合わされて構成されている部分を含むケーブルである。ツイストペアケーブル10は、例えば、コネクタ接続対象先である自動車部品に信号を伝送するために用いられる。ツイストペアケーブル10は、撚合い部分11と、非撚合い部分12と、シールド部分13とを有する。なお、第1の信号線W1及び第2の信号線W2それぞれは、導電性の素材からなる芯線と、絶縁性の素材からなり、芯線を被覆する被覆部C−2とから構成されている。
撚合い部分11は、第1の信号線W1及び第2の信号線W2が互いに撚り合わされていることで構成されている。
非撚合い部分12は、ツイストペアケーブル10の−Y側の端部に設けられ、第1の信号線W1及び第2の信号線W2が互いに撚り合わされていない部分である。非撚合い部分12は、第1の信号線W1及び第2の信号線W2が互いに撚り合わされている撚合い部分11の端部が、撚り戻されたり、解かれたり(ほどかれたり)して形成されている。
シールド部分13は、導電性の素材により形成されている。シールド部分13は、例えば、細い金属線が編組されて形成されている網状のシールドメッシュである。シールド部分13は、撚合い部分11の外周を円筒状に覆うように設けられている。シールド部分13は、グランドとして機能し、シールド部分13の外側と内側とを電気的に遮蔽することで、ツイストペアケーブル10が伝送する信号の送信の安定を向上させるために設けられている。なお、本実施の形態1においては、シールド部分13は、非撚合い部分12と共に、一対の電力供給線20をも覆っている。ただし、これに限られず、シールド部分13は、非撚合い部分12を覆い、電力供給線20を覆っていなくてもよい。
電力供給線20は、例えば、コネクタ接続対象先である自動車部品に対して、電力を供給するために用いられる。一対の電力供給線20は、概ね平行にY軸方向に延びている。
上述のツイストペアケーブル10及び電力供給線20は束ねられて、被覆部C−2が被覆されることにより、図3及び図4に示すように、全体として1本のツイストペアケーブルユニットCとして構成されている。被覆部C−2は、シールド部分13の外周面の面上に密着して配置されたり、若干の隙間を隔てて面上に設けられたりする。被覆部C−2は、絶縁性の素材からなる。なお、本実施の形態1においては、ツイストペアケーブル10及び電力供給線20は束ねられて、被覆部C−2に被覆されて、全体として1本のツイストペアケーブルユニットCとして構成されている。しかしながら、これに限られない。ツイストペアケーブル10と電力供給線20とは束ねられずに、それぞれに被覆部C−2が被覆された別々のケーブルユニットとして構成されていてもよい。
インナーシェル30は、図3及び図5に示すように、ツイストペアケーブル10と電力供給線20とを隔てるように配置されている。インナーシェル30は、金属等の導電性の素材からなり、例えば、一枚の金属板から打ち抜かれて、その打ち抜かれた板が折り曲げられることにより形成されている。本実施の形態1においては、インナーシェル30は、第1アウターシェル40及び第2アウターシェル50とは別体に形成されている。このインナーシェル30は、図6に示すように、整列部31と、保持部32と、連結部33とを有する。なお、図3においては、インナーシェル30は、ドットによって着色して示されている。
整列部31は、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを整列させるために用いられる。この整列部31により、第1の信号線W1と第2の信号線W2とは、X軸方向に隣接して整列する。整列部31は、本体部分31aと、第1の支持部分31bと、第2の支持部分31cとを有する。
本体部分31aは、Y軸方向に延びる板状に形成されている。本体部分31aの下面(−Z側の面)には、第1の信号線W1及び第2の信号線W2が配置される。
第1の支持部分31bは、本体部分31aにおいて、直交方向D2の−X側の一方の端部31a−Lに設けられている。第1の支持部分31bは、図6の矢印A1に示すように、第2の信号線W2に対して第1の信号線W1を近づけるように支持する。この第1の支持部分31bは、本体部分31aの一方の端部31a−Lから、−Z方向(下方向)に折り曲げられて形成されている。
第2の支持部分31cは、本体部分31aにおいて、直交方向D2の+X側の他方の端部31a−Rに設けられている。第2の支持部分31cは、第1の支持部分31bと共に、図6の矢印A1に示すように、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを挟み込むように支持する。この第2の支持部分31cは、本体部分31aの他方の端部31a−Rから、−Z方向(下方向)に折り曲げられて形成されている。
保持部32は、図6に示すように、XZ断面が真円に近い円環形状に形成されている。この保持部32は、図7に示すように、ツイストペアケーブル10の撚合い部分11及び電力供給線20を保持するために用いられる。この保持部32は、具体的には、第1、第2の信号線W1、W2(撚合い部分11)及び電力供給線20と、円筒状のシールド部分13と、の間の間隙Gに配置される。保持部32は、図6に示すように、一枚板が円筒状に丸められて形成されている。一枚板の一端には、係合部32aが設けられ、一枚板の他端には、被係合部32bが設けられている。被係合部32bには、係合部32aが係合する。係合部32aと被係合部32bとの係合により、係合部32a及び被係合部32bは、円筒状に丸められた一枚板が、延伸方向D1に直交する放射方向に拡径することを防ぐ。
連結部33は、図6及び図8に示すように、整列部31と保持部32とを連結する。整列部31及び保持部32は、この連結部33からそれぞれ延設されている。連結部33は、XZ断面が半円に近い略円環形状に形成されている。
第1アウターシェル40は、図5に示すように、ツイストペアケーブル10の外周の−Z側(下側)を外部から覆うボトムシェルである。第1アウターシェル40は、金属等の導電性の素材からなり、例えば、一枚の金属板から打ち抜かれて、打ち抜かれた板が折り曲げられることにより形成されている。第1アウターシェル40は、図9に示すように、インナーハウジング覆い部41と、ケーブル覆い部42と、圧着部43とを有する。
インナーハウジング覆い部41は、インナーハウジング70の外形に対応して、板状の底壁部41aと、底壁部41aの+X側及び−X側の両側端部から+Z方向に延設された側壁部41R、41Lとを有する形状に形成されている。この形状に形成されていることにより、インナーハウジング覆い部41は、インナーハウジング70の−Z側の下面70aと、+X側の側面70R、−X側の側面70Lの一部とを覆う。
ケーブル覆い部42は、XZ断面が半円形状となるように形成されている。ケーブル覆い部42は、整列された第1の信号線W1及び第2の信号線W2を覆う。
圧着部43は、第1アウターシェル40をツイストペアケーブルユニットCに固定するために用いられる。圧着部43は、シールドかしめ部43aと被覆固定部43bとを有する。
シールドかしめ部43aは、かしめにより、ツイストペアケーブル10のシールド部分13に圧着され、電気的に接続される。具体的には、シールドかしめ部43aは、インナーシェル30の保持部32とで、ツイストペアケーブル10のシールド部分13を挟む。これにより、シールドかしめ部43aは、ツイストペアケーブル10全体を圧縮しつつ、シールド部分13を圧着する。ツイストペアケーブル10においては、第1、第2の信号線W1、W2や、網状のシールドメッシュであるシールド部分13は、いずれも比較的柔らかい素材からなる。このため、ツイストペアケーブル10は、金属のような固いものを有しないため圧縮されにくい。しかしながら、本実施の形態1においては、インナーシェル30の保持部32は、ツイストペアケーブル10の間隙Gに配置されている。そして、シールドかしめ部43aは、このインナーシェル30の保持部32とで、ツイストペアケーブル10のシールド部分13を挟んでいる。このため、ツイストペアケーブル10のシールド部分13への圧着力、固着力を向上させることができる。その結果、電気コネクタ1は、ツイストペアケーブル10の保持力を向上させると共に、電気的接続能力を安定させることができる。
被覆固定部43bは、かしめにより、ツイストペアケーブルユニットCの被覆部C−2の端部を押さえて、引き抜き力からシールドかしめ部43aとシールド部分13との接続を保護する。
第1アウターシェル40には、側壁部41R、41Lの内面から突出する嵌合部44が形成されている。嵌合部44は、例えば、側壁部41R、41Lから−Y方向に突出した部分を内側に折り曲げることにより形成されている。
第1アウターシェル40には、側壁部41R、41Lの外面から突出する突部45及び係止部46が形成されている。突部45及び係止部46は、側壁部41R、41Lの一部を、内側から外側に切り起こすことによって形成されている。
第2アウターシェル50は、図5に示すように、ツイストペアケーブル10の外周の+Z側(上側)を外部から覆うトップシェルである。第2アウターシェル50は、金属等の導電性の素材からなり、例えば、一枚の金属板から打ち抜かれて、打ち抜かれた板が折り曲げられることにより形成されている。第2アウターシェル50は、図9に示すように、インナーハウジング覆い部51と、ケーブル覆い部52と、圧着部53とを有する。
インナーハウジング覆い部51は、インナーハウジング70の外形に対応して、板状の天井壁部51aと、天井壁部51aの+X側及び−X側の両側端部から−Z方向に延設された側壁部51R、51Lとを有する形状に形成されている。インナーハウジング覆い部51は、インナーハウジング70の+Z側の上面70b及び+X側の側面70R、−X側の側面70Lの一部を覆う。この形状に形成されていることにより、インナーハウジング覆い部51は、第1アウターシェル40のインナーハウジング覆い部41と共に、インナーハウジング70の上面70b、側面70R、70L、下面70aを覆う。このインナーハウジング覆い部51と、インナーハウジング覆い部41とは、互いが組み合わせられることにより、略四角筒形状に形成されている。
ケーブル覆い部52は、XZ断面が半円形状となるように形成されている。ケーブル覆い部42は、一対の電力供給線20を覆う。このケーブル覆い部52と、ケーブル覆い部42とは、互いが組み合わせられることにより、円筒形状に形成されている。
圧着部53は、第2アウターシェル50をツイストペアケーブルユニットCに固定するために用いられる。
第2アウターシェル50の側壁部51R、51Lには、溝部55が形成されている。溝部55は、側壁部51R、51Lの下端(−Z側の端部)から切り欠かれて形成されている。この溝部55には、第1アウターシェル40の突部45が嵌る。溝部55は、突部45と共に、第2アウターシェル50を第1アウターシェル40に取り付ける際の、第1アウターシェル40に対する第2アウターシェル50の位置決めのために形成されている。
第2アウターシェル50の側壁部51R、51Lには、被係止部56が形成されている。被係止部56は、X軸方向に貫通する孔として形成されている。被係止部56には、第1アウターシェル40の係止部46が係止する。被係止部56は、係止部46と共に、第2アウターシェル50を第1アウターシェル40に取り付けた後に、第2アウターシェル50が、第1アウターシェル40から着脱しないための抜け止め用係止機構として形成されている。
上述のように構成されている第1アウターシェル40及び第2アウターシェル50においては、圧着部43、53が、ツイストペアケーブル10のシールド部分13に接触する。この接触により、第1、第2アウターシェル40、50は、その外側と内側とを電気的に遮蔽して、ツイストペアケーブルユニットCが伝送する信号の送信の安定を向上させる機能を有する。
端子60は、図10に示すように、メス端子から構成され、例えば、銅等の導電性の板材を折り曲げることにより形成されている。端子60は、相手側端子203(図1参照)の一方の端部を受け入れる筒状の本体部と、筒状の本体部の内部に配置されているアーチ状の接触板と、圧着部とを有する。圧着部は、ツイストペアケーブル10の第1、第2の信号線W1、W2、及び電力供給線20にかしめられて固定される。本実施の形態1においては、電気コネクタ1は、4本の端子60を備える。
インナーハウジング70は、樹脂等の絶縁性の素材からなり、略直方体形状に形成されている。インナーハウジング70の内部には、端子60を収容するための端子収容部71が形成されている。本実施の形態1においては、電気コネクタ1が有する端子60の本数に対応して、4つの端子収容部71が、インナーハウジング70の内部に形成されている。
図9に示すように、インナーハウジング70には、側面70R、70Lに凹んで設けられている被嵌合部72が形成されている。この被嵌合部72には、第1アウターシェル40の嵌合部44が嵌る。
アウターハウジング80は、図2に示すように、樹脂等の絶縁性の素材からなり、Y軸方向を長手方向とする略直方体形状に形成されている。アウターハウジング80の内部には、インナーハウジング70を収容するためのハウジング収容部81が形成されている。ハウジング収容部81には、−Y方向に開口する開口部が形成されている。インナーハウジング70は、−Y方向から開口部を通過してハウジング収容部81に収容される。
アウターハウジング80は、図1に示すように、相手側電気コネクタ200の相手側ハウジング201の被係止部201bに係止する係止部82と、係止部82と被係止部201bとの係止を解除するために、電気コネクタ1のユーザーが押圧操作をするための操作部83とを有する。
上述のように構成された本実施の形態1に係る電気コネクタ1の製造方法について図を用いて説明する。
先ず、電気コネクタ1を製造する作業者は、図11(A)に示すように、ツイストペアケーブル10を含むツイストペアケーブルユニットCを準備する。そして、作業者は、図11(B)に示すように、ツイストペアケーブル10の撚合い部分11の一部を撚り戻したり、解いたり(ほどいたり)して、非撚合い部分12を形成する。
次に、作業者は、図12に示すように、ツイストペアケーブルユニットCに、インナーシェル30を−Y側から取り付ける。このとき、作業者は、インナーシェル30の保持部32に、第1、第2の信号線W1、W2及び一対の電力供給線20を通過させつつ、ツイストペアケーブルユニットCに取り付ける。すると、図13に示すように、インナーシェル30の整列部31は、第1、第2の信号線W1、W2と、一対の電力供給線20と、を隔てるように配置される。このとき、整列部31は、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを直交方向D2に隣接させて整列させる。また、インナーシェル30の保持部32は、円筒状のシールド部分13の内側に配置される。
次に、作業者は、第1、第2の信号線W1、W2及び一対の電力供給線20の−Y側の端部に端子60を取り付ける。これにより、ツイストペアケーブルユニットCと端子60とが接続される。
次に、作業者は、図14に示すように、ツイストペアケーブルユニットCの端部に取り付けられている状態の端子60を、インナーハウジング70の端子収容部71に+Y側から挿入する。端子収容部71に挿入された端子60は、インナーハウジング70の内部に形成されている端子収容部71に配置され固定される。これにより、ツイストペアケーブルユニットCは、端子60を介して、インナーハウジング70に固定される。
次に、作業者は、図15に示すように、ツイストペアケーブルユニットCが固定されている状態のインナーハウジング70に、第1アウターシェル40を−Z側から取り付ける。このとき、インナーハウジング70の側面70R、70Lに形成されている被嵌合部72に、第1アウターシェル40の側壁部41R、41Lに形成されている嵌合部44が嵌る。そして、嵌合部44が被嵌合部72に嵌りつつ、第1アウターシェル40は、インナーハウジング70に取り付けられる。
次に、作業者は、図16に示すように、第1アウターシェル40が取り付けられている状態のインナーハウジング70に、第2アウターシェル50を+Z側から取り付ける。このとき、第1アウターシェル40の側壁部41R、41Lに形成されている突部45が、第2アウターシェル50の側壁部51R、51Lに形成されている溝部55に嵌りつつ、第2アウターシェル50は−Z方向に移動する。第2アウターシェル50は−Z方向に移動していくと、やがて、第1アウターシェル40の側壁部41R、41Lに形成されている係止部46が、第2アウターシェル50の側壁部51R、51Lに形成されている被係止部56に係止する。これにより、第2アウターシェル50は、第1アウターシェル40から着脱しないように、第1アウターシェル40及びインナーハウジング70に固定される。
次に、作業者は、図17に示すように、第1アウターシェル40の圧着部43のシールドかしめ部43a及び被覆固定部43bを折り曲げる。折り曲げられたシールドかしめ部43a及び被覆固定部43bは、第2アウターシェル50の圧着部53と共に、ツイストペアケーブルユニットCの端部を包囲する。これにより、第1アウターシェル40及び第2アウターシェル50は、ツイストペアケーブルユニットCに固定される。
次に、作業者は、図18に示すように、ツイストペアケーブルユニットCに、アウターハウジング80を挿通させながら、アウターハウジング80を−Y方向に移動させる。そして、インナーハウジング70を、アウターハウジング80のハウジング収容部81に収容させる。以上により、図1に示す電気コネクタ1が完成する。
以上、説明したように、図5に示す本実施の形態1に係る電気コネクタ1は、整列部31を有するインナーシェル30を備える。この整列部31は、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを直交方向D2に整列させる。これにより、電気コネクタ1は、第1の信号線W1と第2の信号線W2との間隔が離れすぎたり、近づきすぎたりせずに、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを一定の間隔に保つことが可能になる。ツイストペアケーブル10は、第1の信号線W1と第2の信号線W2との間隔が離れすぎても、近づきすぎても、適切なインピーダンスを保てない。これに対して、本実施の形態1では、電気コネクタ1のツイストペアケーブル10は、適切なインピーダンスを保つことができる。ひいては、電気コネクタ1は、ツイストペアケーブル10の伝送特性および伝送能力が低下することを抑制することができる。
また、本実施の形態1に係る電気コネクタ1では、整列部31は、第1の信号線W1と第2の信号線W2とをX軸方向に隣接させて整列させる。これにより、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを、一定の間隔に保つことができる。また、第1の信号線W1と第2の信号線W2との間には、部材が何も配置されないため、当該部材によって、ツイストペアケーブル10のインピーダンス特性に影響を与えることもない。この結果、電気コネクタ1のツイストペアケーブル10は、適切なインピーダンスを保つことができる。ひいては、電気コネクタ1は、ツイストペアケーブル10の伝送特性および伝送能力が低下することを抑制することができる。
実施の形態2.
実施の形態1に係る電気コネクタ1では、図5(B)に示すように、インナーシェル30の整列部31は、第2の支持部分31cを有する。そして、第2の支持部分31cが、第1の支持部分31bと共に、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを挟み込むように支持する。しかしながら、これに限られない。図19に示す実施の形態2に係る電気コネクタ2のように、第1アウターシェル40が、第1の支持部分31bと共に、第2の信号線W2に対して第1の信号線W1を近づけつつ、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを挟み込むように支持してもよい。詳しくは、電気コネクタ2においては、図19の矢印に示すように、第1アウターシェル40の内面の特定の部分47が、第1の支持部分31bと共に、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを挟み込むように支持している。また、電気コネクタ2においては、インナーシェル30は、第1アウターシェル40に一体的に連結されている。この場合、インナーシェル30及び第1アウターシェル40は、金属等の導電性の素材からなり、例えば、一枚の金属板から打ち抜かれて、その打ち抜かれた板が折り曲げられることにより形成されている。実施の形態2に係る電気コネクタ2においても、実施の形態1のものと同等の効果を奏する。
実施の形態3.
本発明の実施の形態2に係る電気コネクタ2では、図19に示すように、インナーシェル30は、第1アウターシェル40に一体的に連結されている。しかしながら、これに限られない。図20に示す実施の形態3に係る電気コネクタ3のように、インナーシェル30は、第2アウターシェル50に一体的に連結されていてもよい。電気コネクタ3は、電気コネクタ2と同様に、第1アウターシェル40の内面の特定の部分47が、第1の支持部分31bと共に、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを挟み込むように支持している。また、電気コネクタ3のインナーシェル30及び第2アウターシェル50は、金属等の導電性の素材からなり、例えば、一枚の金属板から打ち抜かれて、その打ち抜かれた板が折り曲げられることにより形成されている。実施の形態3に係る電気コネクタ3においても、実施の形態1、2のものと同等の効果を奏する。
実施の形態4.
本発明の実施の形態1に係る電気コネクタ1は、図5(B)に示すように、1つのツイストペアケーブル10を備える。しかしながら、これに限られない。図21に示す実施の形態4のように、電気コネクタ4は、2本の信号線W3、W4を有するもう一つのツイストペアケーブル10’を更に備えていてもよい。また、この場合、2本の信号線W3、W4を整列させる部分を有するもう一つのインナーシェル30’を更に備えていてもよい。実施の形態4に係る電気コネクタ4においても、実施の形態1〜3のものと同等の効果を奏する。なお、電気コネクタ4は、2つのツイストペアケーブル10、10’を備えるが、3つ以上のツイストペアケーブル10を備えていてもよい。同様に、電気コネクタ4は、2つのインナーシェル30、30’を備えるが、3つ以上のインナーシェル30を備えていてもよい。
実施の形態5.
本発明の実施の形態1に係る電気コネクタ1においては、図5(B)に示すように、整列部31は、第1の信号線W1と第2の信号線W2とをX軸方向に隣接させて整列させる。しかしながら、これに限られない。図22に示す実施の形態5に係る電気コネクタ5のように、整列部31は、第1の信号線W1と第2の信号線W2とをX軸方向に空間Sを隔てて整列させるようにしてもよい。
したがって、本実施の形態5では、整列部31は、第1の信号線W1と第2の信号線W2とを、X軸方向に空間Sを隔てて整列させているため、第1の信号線W1と第2の信号線W2との間隔を、一定の間隔に保つことができる。また、第1の信号線W1と第2の信号線W2との間には、部材が何も配置されない状態を維持しつつ、第1の信号線W1と第2の信号線W2との間隔を、一定の間隔に保つことができる。また、当該部材によって、ツイストペアケーブル10のインピーダンス特性に影響を与えることもない。この結果、電気コネクタ5のツイストペアケーブル10は、適切なインピーダンスを保つことができる。ひいては、電気コネクタ5は、ツイストペアケーブル10の伝送特性および伝送能力が低下することを抑制することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施の形態によって限定されるものではない。
例えば、実施の形態1に係る電気コネクタ1では、保持部32は、図6に示すように、XZ断面が真円に近い円環形状に形成されている。しかしながら、これに限られない。保持部32は、XZ断面が楕円である円環形状に形成されていてもよい。
各実施の形態に係る電気コネクタ1では、インナーシェル30は導電性の素材から形成されている。しかしながら、これに限られない。第1の信号線W1と第2の信号線W2との間隔を一定に保つ目的であれば、インナーシェル30は絶縁性の素材から形成されていてもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施の形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
1,2,3,4,5:電気コネクタ、10,10’:ツイストペアケーブル、11:撚合い部分、12:非撚合い部分、13:シールド部分、20:電力供給線、30,30’:インナーシェル、31:整列部、31a:本体部分、31a−L:一方の端部、31a−R:他方の端部、31b:第1の支持部分、31c:第2の支持部分、32:保持部、32a:係合部、32b:被係合部、33:連結部、40:第1アウターシェル、41:インナーハウジング覆い部、41a:底壁部、41R,41L:側壁部、42:ケーブル覆い部、43:圧着部、43a:シールドかしめ部、43b:被覆固定部、44:嵌合部、45:突部、46:係止部、47:第1アウターシェルの内面の特定の部分、50:第2アウターシェル、51:インナーハウジング覆い部、51a:天井壁部、51R,51L:側壁部、52:ケーブル覆い部、53:圧着部、55:溝部、56:被係止部、60:端子、70:インナーハウジング、70a:下面、70b:上面、70R,70L:側面、71:端子収容部、72:被嵌合部、80:アウターハウジング、81:ハウジング収容部、82:係止部、83:操作部、100:コネクタユニット、200:相手側電気コネクタ、201:相手側ハウジング、201a:嵌合穴、201b:被係止部、202:相手側シェル、203:相手側端子、W1:第1の信号線、W2:第2の信号線、W3,W4:信号線、B:基板、C:ツイストペアケーブルユニット、C−2:被覆部、D1:延伸方向、D2:直交方向、G:間隙、S:空間、A1:矢印。

Claims (14)

  1. 第1の信号線及び第2の信号線が互いに撚り合わされている撚合い部分と、前記第1の信号線及び前記第2の信号線が撚り合わされていない非撚合い部分と、を有するツイストペアケーブルと、
    前記非撚合い部分における前記第1の信号線と前記第2の信号線とを整列させる整列部と、前記撚合い部分を保持する保持部と、を有するインナーシェルと、
    を備える、電気コネクタ。
  2. 前記インナーシェルの前記整列部は、
    本体部分と、
    前記本体部分において、前記ツイストペアケーブルが伸びる延伸方向に直交する直交方向の一方の端部に設けられ、前記第2の信号線に対して前記第1の信号線を近づけるように支持する第1の支持部分と、
    を有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
  3. 前記本体部分は、前記第1の信号線及び前記第2の信号線が配置される板状に形成され、
    前記第1の支持部分は、前記一方の端部から折り曲げられて設けられている部分である、請求項2に記載の電気コネクタ。
  4. 前記インナーシェルの前記整列部は、
    前記本体部分の他方の端部から延設され、前記第1の支持部分と共に、前記第2の信号線に対して前記第1の信号線を近づけつつ、前記第1の信号線と前記第2の信号線とを挟み込むように支持する第2の支持部分を有する、請求項2又は3に記載の電気コネクタ。
  5. 前記ツイストペアケーブルの外周の少なくとも一部を外部から覆う第1アウターシェルを備え、
    前記第1アウターシェルは、前記第1の支持部分と共に、前記第2の信号線に対して前記第1の信号線を近づけつつ、前記第1の信号線と前記第2の信号線とを挟み込むように支持する、請求項2又は3に記載の電気コネクタ。
  6. 前記インナーシェルは、前記第1アウターシェルに一体的に連結されている、請求項5に記載の電気コネクタ。
  7. 前記インナーシェルを外部から覆う第2アウターシェルを備え、
    前記インナーシェルは、前記第2アウターシェルに一体的に連結されている、請求項5又は6に記載の電気コネクタ。
  8. 前記インナーシェルの前記保持部は、円環形状に形成されている、請求項1から7のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
  9. 前記インナーシェルは、前記整列部と前記保持部とを連結する連結部を有する、請求項1から8のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
  10. 前記ツイストペアケーブルは、導電性の素材より形成され、前記非撚合い部分を被覆するシールド部分を有し、
    前記インナーシェルの前記保持部は、前記非撚合い部分と前記シールド部分との間に配置されている、請求項1から9のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
  11. 前記ツイストペアケーブルが信号を送信する対象に、電力を供給する電力供給線を備え、
    前記インナーシェルは、前記ツイストペアケーブルと前記電力供給線とを隔てるように配置されている、請求項1から10のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
  12. 互いに撚り合わされている2本の信号線の一部が解かれているもう一つのツイストペアケーブルと、
    前記もう一つのツイストペアケーブルの前記2本の信号線を整列させる部分を有するもう一つのインナーシェルと、
    を備える、請求項1から11のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
  13. 前記インナーシェルの前記整列部は、
    前記第1の信号線と前記第2の信号線とを隣接させて整列させる、又は、空間を隔てて整列させるように構成されている、請求項1から12のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
  14. 前記インナーシェルは導電性の素材より形成されている、請求項1から13のいずれか一項に記載の電気コネクタ。
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