JP2021167199A - 空気入りタイヤ及び組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】空洞共鳴を抑制しつつ、放熱性と重量バランスとを良好に両立できる、空気入りタイヤ及び組立体を提供する。
【解決手段】本発明に係る空気入りタイヤは、トレッド踏面に非対称のトレッドパターンが形成された空気入りタイヤであって、トレッド踏面に設けられた、複数の溝8と、トレッド内面に設けられた、1つ以上の制音体3と、を備え、複数の溝のそれぞれにおける、溝底からトレッド内面までをトレッド内面の垂線に沿って測ったときのトレッド部の厚さを、溝下トレッド厚さと称し、複数の溝のそれぞれにおける、溝下トレッド厚さに対する溝底面積の比を、溝下指標値と称するとき、タイヤ赤道面に対し第1側における複数の溝のそれぞれの溝下指標値の合計は、タイヤ赤道面に対し第1側とは反対側の第2側における複数の溝のそれぞれの溝下指標値の合計よりも大きく、タイヤ赤道面に対し第1側における1つ以上の制音体の総体積は、タイヤ赤道面に対し第2側における1つ以上の制音体の総体積よりも大きい。
【選択図】図2

Description

本発明は、空気入りタイヤ及び組立体に関する。
タイヤ騒音の一つに、路面を走行した際に、50〜400Hzの周波数範囲で「ゴー」という音が生じるいわゆるロードノイズがある。その主な原因として、タイヤ内腔内で生じる空気の共鳴振動(空洞共鳴)が知られている。
特許文献1には、トレッド内面に、スポンジ材からなる制音体を配置する技術が開示されている。制音体は、タイヤ内腔内での空気の振動エネルギーを熱エネルギーへと変換し、タイヤ内腔内での空洞共鳴を抑制することができる。
特開2005−254924号公報
しかしながら、制音体を配置した部分は、熱が蓄熱されやすいため、走行中に制音体の近傍でトレッド部の温度が上昇してゴムの熱劣化が生じるおそれがある。
一方、制音体がたとえ低比重であるとしても、制音体の配置のしかたによっては、タイヤの重量バランスを低下させて、操縦安定性を低下させるおそれがある。
本発明の発明者は、トレッド踏面に形成されたトレッドパターンに応じて制音体の配置を最適化することにより、これらの課題を同時に解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、空洞共鳴を抑制しつつ、放熱性と重量バランスとを良好に両立できる、空気入りタイヤ及び組立体を提供することを目的とする。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド踏面に非対称のトレッドパターンが形成された空気入りタイヤであって、前記トレッド踏面に設けられた、複数の溝と、トレッド内面に設けられた、1つ以上の制音体と、を備え、前記複数の溝のそれぞれにおける、溝底から前記トレッド内面までを前記トレッド内面の垂線に沿って測ったときのトレッド部の厚さを、溝下トレッド厚さと称し、前記複数の溝のそれぞれにおける、前記溝下トレッド厚さに対する溝底面積の比を、溝下指標値と称するとき、タイヤ赤道面に対し第1側における前記複数の溝のそれぞれの前記溝下指標値の合計は、前記タイヤ赤道面に対し前記第1側とは反対側の第2側における前記複数の溝のそれぞれの前記溝下指標値の合計よりも大きく、前記タイヤ赤道面に対し前記第1側における前記1つ以上の制音体の総体積は、前記タイヤ赤道面に対し前記第2側における前記1つ以上の制音体の総体積よりも大きい。
本発明の空気入りタイヤによれば、空洞共鳴を抑制しつつ、放熱性と重量バランスとを良好に両立できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記タイヤ赤道面に対し前記第1側における前記1つ以上の制音体の厚さの平均値は、前記タイヤ赤道面に対し前記第2側における前記1つ以上の制音体の厚さの平均値よりも大きいと、好適である。
これにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記タイヤ赤道面に対し前記第1側における前記1つ以上の制音体の厚さの最大値は、前記タイヤ赤道面に対し前記第2側における前記1つ以上の制音体の厚さの最大値よりも大きいと、好適である。
これにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記制音体を複数備えており、前記複数の溝は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝及び第2周方向溝を含み、前記第1周方向溝の前記溝下指標値は、前記第2周方向溝の前記溝下指標値よりも大きく、前記複数の制音体は、前記第1周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第1制音体と、前記第2周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第2制音体と、を含み、前記第1制音体の体積は、前記第2制音体の体積よりも大きいと、好適である。
これにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記制音体を複数備えており、前記複数の溝は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝及び第2周方向溝を含み、前記第1周方向溝の前記溝下指標値は、前記第2周方向溝の前記溝下指標値よりも大きく、前記複数の制音体は、前記第1周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第1制音体と、前記第2周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第2制音体と、を含み、前記第1制音体の厚さは、前記第2制音体の厚さよりも大きいと、好適である。
これにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
本発明の空気入りタイヤにおいては、前記複数の溝は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝及び第2周方向溝を含み、前記第1周方向溝の前記溝下指標値は、前記第2周方向溝の前記溝下指標値よりも大きく、前記制音体は、前記第1周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第1凸部と、前記第2周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第2凸部と、を含み、前記第1凸部の厚さは、前記第2凸部の厚さよりも大きいと、好適である。
これにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
本発明の組立体は、リムと、前記リムに組み付けられた、上記の空気入りタイヤと、を備える。
本発明の組立体によれば、空洞共鳴を抑制しつつ、放熱性と重量バランスとを良好に両立できる。
本明細書において、「リム」とは、タイヤが生産され、使用される地域に有効な産業規格であって、日本ではJATMA(日本自動車タイヤ協会)のJATMA YEAR BOOK、欧州ではETRTO (The European Tyre and Rim Technical Organisation)のSTANDARDS MANUAL、米国ではTRA (The Tire and Rim Association, Inc.)のYEAR BOOK等に記載されているまたは将来的に記載される、適用サイズにおける標準リム(ETRTOのSTANDARDS MANUALではMeasuring Rim、TRAのYEAR BOOKではDesign Rim)を指す(すなわち、上記の「リム」には、現行サイズに加えて将来的に上記産業規格に含まれ得るサイズも含む。「将来的に記載されるサイズ」の例としては、ETRTOのSTANDARDS MANUAL 2013年度版において「FUTURE DEVELOPMENTS」として記載されているサイズを挙げることができる。)が、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤのビード幅に対応した幅のリムをいう。
本明細書において、「トレッド踏面」とは、リムに組み付けるとともに所定の内圧を充填したタイヤを、最大負荷荷重を負荷した状態で転動させた際に、路面と接触することになる、タイヤの全周に亘る外周面を意味する。「トレッド接地端」とは、トレッド踏面のタイヤ幅方向端を意味する。
また、「所定の内圧」とは、上記のJATMA YEAR BOOK等に記載されている、適用サイズ・プライレーティングにおける単輪の最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいい、上記産業規格に記載のないサイズの場合は、タイヤを装着する車両ごとに規定される最大負荷能力に対応する空気圧(最高空気圧)をいうものとする。
「最大負荷荷重」とは、上記最大負荷能力に対応する荷重をいうものとする。
なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
本明細書では、特に断りのない限り、各要素の寸法、長さ関係、位置関係等は、空気入りタイヤをリムに組み付け、所定の内圧を充填し、無負荷とした、基準状態で測定されるものとする。
トレッド踏面における溝の溝幅等の各要素の寸法については、トレッド踏面の展開図上で測定されるものとする。
本発明によれば、空洞共鳴を抑制しつつ、放熱性と重量バランスとを良好に両立できる、空気入りタイヤ及び組立体を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤを備える、本発明の一実施形態に係る組立体を示す、タイヤ幅方向断面図である。 図1の空気入りタイヤを、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 図1の空気入りタイヤのトレッド踏面を、平面上に展開したときの状態で示す、展開図である。 図3Aのトレッド踏面に形成され得る溝の一例を示す、断面斜視図である。 図3Aのトレッド踏面に形成され得る溝の他の例を示す、断面斜視図である。 本発明の空気入りタイヤの第1変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第2変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 図5の空気入りタイヤを、さらに一部を拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第3変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 図7の空気入りタイヤを備えた組立体を、タイヤ径方向に沿った断面により示す、タイヤ径方向断面図である。 図7に示す空気入りタイヤのトレッド内面を、平面上に展開したときの状態で示す、展開図である。 本発明の空気入りタイヤの第4変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第5変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第6変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第7変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第8変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 本発明の空気入りタイヤの第9変形例を、一部拡大して示す、タイヤ幅方向断面図である。 図15の空気入りタイヤのトレッド踏面を、平面上に展開したときの状態で示す、展開図である。
本発明に係る空気入りタイヤ及び組立体は、任意の種類の空気入りタイヤに利用できるものであるが、騒音抑制への要求が高い乗用車用空気入りタイヤに特に好適に利用できるものである。
以下に、図面を参照しつつ、本発明に係る空気入りタイヤの実施形態を例示説明する。
まず、図1〜図3Cを参照しながら、本発明の一実施形態に係る空気入りタイヤ1、及び、本発明の一実施形態に係る組立体10について説明する。
図1〜図3Cは、上述した基準状態における、本実施形態に係る空気入りタイヤ1及び組立体10を示している。図1の空気入りタイヤ1は、チューブレスタイプの乗用車用ラジアルタイヤとして構成されている。本例の空気入りタイヤ1は、上述の「本発明の第1の空気入りタイヤ」に該当する。
本実施形態の組立体10は、リム2と、リム2に組み付けられた本実施形態の空気入りタイヤ1(以下、単に「タイヤ1」ともいう。)と、を備えている。
図1に示す組立体10において、タイヤ1の内面(以下、「タイヤ内面」という。)とリム2の外面とにより、環状のタイヤ内腔11が区画されている。
タイヤ1は、トレッド部1aと、トレッド部1aのタイヤ幅方向両端部からタイヤ径方向内側に連なる一対のサイドウォール部1bと、各サイドウォール部1bのタイヤ径方向内側端部に位置する一対のビード部1cと、を備えている。トレッド部1aのタイヤ外周側の面は、トレッド外面105である。トレッド外面105は、トレッド踏面110を含んでおり、トレッド外面105のうち最もタイヤ外周側に位置する面がトレッド踏面110である。トレッド部1aのタイヤ内周側の面(タイヤ内腔11側の面)は、トレッド内面100である。
リム2は、タイヤ1のビード部1cが装着されるリム本体2aと、このリム本体2aを保持し車軸に取り付けられるディスク2bと、を備えている。図1の例において、リム2は、金属製の2ピースホイールリムであるが、これに限定されるものではなく、1ピースリム等としてもよい。
図1の例において、タイヤ1は、制音体3、ビード部材4、カーカス5、ベルト6、トレッドゴム7、及び、インナーライナ9を備えている。制音体3については後述する。
ビード部材4は、ビードコア4aと、このビードコア4aに対してタイヤ径方向外側に位置するビードフィラ4bと、を有している。
カーカス5は、一対のビードコア4a間においてトロイダル状に延在しており、ラジアル構造を有している。カーカス5は、1枚以上(図1の例では1枚)のカーカスプライから構成される。カーカス5は、一対のビードコア4a間に位置する本体部5aと、本体部5aの両端で、ビードコア4aの廻りでタイヤ幅方向内側からタイヤ幅方向外側に折り返される折返し部5bと、を備えている。本体部5aと折返し部5bとの間には、ビードコア4aからタイヤ径方向外側に先細状に延びるビードフィラ4bが配置されている。
ベルト6は、トレッド部1aの内部において、カーカス5のクラウン部に対してタイヤ径方向外側に配置されている。ベルト6は、1層以上(図1の例では5層)のベルト層を備えている。
インナーライナ9は、カーカス5の内面に積層されており、空気透過性の低い材料(例えばブチル系ゴム)により形成されている。
図3Aに示すように、本例において、トレッド踏面110には、複数の溝8や複数のサイプ12が形成されており、これにより、トレッドパターンが形成されている。溝8は、それぞれ異なるタイヤ幅方向位置においてタイヤ周方向に連続して延びる、複数の周方向溝81と、タイヤ周方向に対して交差する方向に延びる、複数の横溝82と、を含んでいる。
ここで、周方向溝81について、「タイヤ周方向に連続して延びる」とは、タイヤ全周にわたって環状に延びることを指す。
図3Aの例では、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81が、5本の周方向溝81a〜81eからなる。以下では、周方向溝81a〜81eのそれぞれを「周方向溝81」ともいう。
図3Aの例では、トレッド踏面110に設けられた各周方向溝81が、それぞれタイヤ周方向に沿ってまっすぐ延在しているが、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうちの少なくとも1本が、ジグザグ状にタイヤ周方向に延在してもよい。
図3Bに示すように、トレッド踏面110に設けられる溝8は、それぞれ、溝底8bと、互いに対向する一対の溝壁8wと、を有する。トレッド踏面110に設けられる溝8のうち少なくとも一部の溝8は、図3Cに示すように、互いに対向する一対の溝壁8wが、そのタイヤ径方向外側の端部において面取り部8cを含むものでもよい。
同様に、図示は省略するが、トレッド踏面110に設けられるサイプ12は、それぞれ、サイプ底と、互いに対向する一対のサイプ壁と、を有する。トレッド踏面110に設けられるサイプ12のうち少なくとも一部のサイプ12は、互いに対向する一対のサイプ壁が、そのタイヤ径方向外側の端部において面取り部を含むものでもよい。
なお、トレッド踏面110には、横溝82やサイプ12は設けられなくてもよい。
本明細書において、「サイプ12」とは、タイヤ1をリム2に組み付け、所定の内圧を充填して最大負荷荷重を負荷した際の、荷重直下時に、互いに対向する一対のサイプ壁どうしが少なくとも一部分で接触するように構成されるものである。「サイプ12」は、例えば、上記基準状態において、サイプ12のタイヤ径方向の全長のうちの60%以上の長さにわたって、サイプ幅が1.5mm以下となる。ここで、「サイプ幅」は、サイプ12の延在方向に垂直に測ったときの、互いに対向する一対のサイプ壁どうしの間隔であり、タイヤ径方向に一定でもよいし変化してもよい。
これに対し、「溝8」は、タイヤ1をリム2に組み付け、所定の内圧を充填して最大負荷荷重を負荷した際の、荷重直下時に、互いに対向する一対の溝壁どうしが接触しないように構成されるものである。「溝8」は、例えば、上記基準状態において、溝8のタイヤ径方向の全長にわたって、溝幅が1.5mm超となる。ここで、「溝幅(Wg)」は、溝の延在方向に垂直に測ったときの、互いに対向する一対の溝壁面どうしの間隔であり、タイヤ径方向に一定でもよいし変化してもよい。
ただし、本明細書において、「サイプ幅」、「溝幅(Wg)」は、測定位置についての説明が無い場合、トレッド踏面110の展開図上で測定されるものとする。
図3Aの例のトレッドパターンは、タイヤ赤道面CLに対して非対称のトレッドパターンである。以下では、トレッド踏面110において、タイヤ赤道面CLに対して一方側(図3Aでは右側)を、「タイヤ赤道面CLに対して第1側T1」といい、タイヤ赤道面CLに対して第1側とは反対側(図3Aでは左側)を、「タイヤ赤道面CLに対して第2側T2」という。
図3Aの例のタイヤ1は、車両に対する装着方向が指定されており、タイヤ赤道面CLに対する第1側T1が車両装着内側であり、タイヤ赤道面CLに対する第2側T2が車両装着外側である。図3Aにおいて、矢印IN方向は、このタイヤ1を車両に装着した際の車両幅方向内側の方向を示し、矢印OUT方向は、このタイヤ1を車両に装着した際の車両幅方向外側の方向を示す。
トレッド内面100には、制音体3が設けられている。図2に示す例では、トレッド内面100に、1つの制音体3が、設けられている。ただし、トレッド内面100には制音体3が複数設けられてもよい。制音体3は、インナーライナ9に対して、両面粘着テープや接着剤等により、固着されている。
本例において、制音体3は、スポンジ材により構成されている。スポンジ材は、海綿状の多孔構造体であり、例えばゴムや合成樹脂を発泡させた連続気泡を有する所謂スポンジを含む。また、スポンジ材は、上述のスポンジの他に、動物繊維、植物繊維又は合成繊維等を絡み合わせて一体に連結したウエブ状のものを含む。なお、上述の「多孔構造体」は、連続気泡を有する構造体に限らず、独立気泡を有する構造体も含む意味である。
上述のようなスポンジ材は、走行中において、表面や内部に形成される空隙が振動する空気の振動エネルギーを熱エネルギーに変換する。これにより、タイヤ内腔での空洞共鳴が抑制され、その結果、ロードノイズを低減することができる。
制音体3を構成するスポンジ材の材料としては、例えば、エーテル系ポリウレタンスポンジ、エステル系ポリウレタンスポンジ、ポリエチレンスポンジなどの合成樹脂スポンジ、クロロプレンゴムスポンジ(CRスポンジ)、エチレンプロピレンゴムスポンジ(EPDMスポンジ)、ニトリルゴムスポンジ(NBRスポンジ)などのゴムスポンジが挙げられる。制音性、軽量性、発泡の調節可能性、耐久性などの観点を考慮すれば、エーテル系ポリウレタンスポンジを含むポリウレタン系又はポリエチレン系等のスポンジを用いることが好ましい。
また、制音体3を構成するスポンジ材の比重は、タイヤ重量の増加と空洞共鳴を抑える効果との両方のバランスを考慮し、0.005〜0.06とすることが好ましく、0.01〜0.04とすることがより好ましく、0.01〜0.03とすることが特に好ましい。
なお、制音体3を構成する材料は、空洞共鳴エネルギーの緩和、吸収、別のエネルギー(例えば熱エネルギー)への変換、等によって、空洞共鳴エネルギーを低減するように制御できるものであればよく、上述したスポンジ材に限られるものではない。
タイヤ幅方向断面における制音体3の断面形状は、図2の例では、タイヤ幅方向の異なる2箇所でタイヤ内周側へ突出した二山形状であるが、その他にも例えば、矩形状、タイヤ内周側に向かって先細り状となる台形状や半円形状など、任意の形状とすることができる。
図2の例においては、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド踏面110に設けられた複数の溝8のそれぞれの溝下指標値IVの合計が、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該複数の溝8のそれぞれの溝下指標値IVの合計よりも大きく、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の総体積は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の総体積よりも大きい。
ここで、トレッド踏面110に設けられた複数の溝8のそれぞれにおける、「溝下指標値IV」とは、当該溝8の溝下トレッド厚さTt〔mm〕に対する当該溝8の溝底面積Agb〔mm〕の比(Agb/Tt)〔mm〕をいうものとする。
また、トレッド踏面110に設けられた複数の溝8のそれぞれにおける、「溝下トレッド厚さTt」とは、当該溝8の溝底8bからトレッド内面100までをトレッド内面100の垂線n100に沿って測ったときの、トレッド部1aの厚さをいうものとする。
溝8の溝下トレッド厚さTtが小さいほど、また、溝8の溝底面積Agbが大きいほど、溝8の放熱機能は高まるものの、溝8の近傍におけるトレッドゴム7の剛性や重量は低下する。したがって、溝8の溝下指標値IVの値が大きいほど、溝8の放熱機能が高く、溝8の近傍におけるトレッドゴム7の剛性や重量は低いことを意味する。
トレッド踏面110に設けられた複数の溝8のそれぞれの溝下指標値IVの合計が大きいほど、トレッド部1aの放熱作用は大きくなるものの、トレッド部1aの剛性や重量は低下する。一方、制音体3の総体積が大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように、タイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での制音体3の総体積を、それぞれタイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での溝下指標値IVの合計に応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、良好に両立できる。
図2の例では、制音体3が、タイヤ内周側に向かって突出した凸部33’を2つ有しており、タイヤ幅方向断面における制音体3の全体としての形状が、二山形状である。
制音体3が複数の凸部33’を有していることにより、仮に制音体3のタイヤ内周側の面が凸部33’を有さず平坦である場合に比べて、制音体3の表面積及び体積を増やすことができるので、空洞共鳴の低減効果を向上できるとともに、凸部33’どうしの間の間隙があることによって放熱性を向上できる。
ここで、凸部33’は、トレッド内面100の垂線n100に沿う方向において、制音体3のうち、制音体3のタイヤ内周側の面からトレッド内面100上にある制音体3のタイヤ外周側の面までの、全域にわたる部分である。凸部33’の幅方向両側の外縁(境界)は、タイヤ幅方向断面を観た時に、凸部33’の頂部(タイヤ内周側端部)から、凸部33’の幅方向両側へ向かう間に、それぞれ制音体3の厚さTsが最初に最小値になる位置での、トレッド内面100の垂線(図2においては、符号CVが付された一点鎖線上にある)によって、規定されるものとする。タイヤ幅方向断面を観た時に、凸部33’のタイヤ内周側の面331’は、制音体3の幅方向の一方側から他方側へ向かう間に、いったんタイヤ内周側へ向かった後にタイヤ外周側へ向かうような、略U字形状をなしている。
なお、タイヤ幅方向断面における制音体3の凸部33’の断面形状は、図2の例では、タイヤ内周側に向かって先細り状となる略半円形状であるが、その他にも例えば、矩形状、タイヤ内周側に向かって先細り状となる略台形状など、任意の形状とすることができる。
本発明の空気入りタイヤは、上述した図1〜図3Aの例に限られず、様々な変形例が可能である。
以下、本発明の変形例について、図4〜図16を参照しながら例示説明する。
図4に示す第1変形例のタイヤ1は、タイヤ幅方向断面を観た時の、トレッド内面100に設けられた制音体3の形状が、矩形状である点で、図2の例とは異なる。
図2、図4に示した例のタイヤ1では、タイヤ幅方向断面を観た時の、トレッド内面100に設けられた制音体3の形状が、制音体3の幅方向中心CVに対して対称である。一方、図5及び図6に示す第2変形例のタイヤ1では、タイヤ幅方向断面を観た時の、トレッド内面100に設けられた制音体3の形状が、制音体3の幅方向中心CVに対して非対称である。
また、図5及び図6の例における制音体3は、その制音体3のタイヤ幅方向の少なくとも一方側(図5の例では両側)において、トレッド内面100に固着されることなくトレッド内面100を覆っている非固着部34を有している点でも、図2の例とは異なる。
ここで、非固着部34が「トレッド内面100を覆っている」とは、非固着部34がトレッド内面100のタイヤ内周側に位置していることを指す。
この場合、例えば5及び図6に示す例において、仮に制音体3が非固着部34以外の部分のみ有している場合に比べて、非固着部34の分だけ制音体3の体積が増えることにより、空洞共鳴の低減効果を向上できる。また、仮に制音体3が非固着部34の領域においてもトレッド内面100に固着されている場合に比べて、トレッド内面100に固着されていない部分が増えることにより、制音体3の体積をほとんど低減させずに放熱効果を向上できる。
なお、非固着部34とトレッド内面100との間には、タイヤ径方向の間隙S(図6)が無くても放熱効果を向上できるが、間隙Sがあるほうが、放熱効果をより向上できる。
なお、図5に示す例に限られず、トレッド内面100に複数の制音体3が設けられる場合でも、そのうち少なくとも1つの制音体3が非固着部34を有してもよい。
図7に示す第3変形例のタイヤ1は、トレッド内面100に複数の制音体3が設けられている点で、図2の例とは異なる。また、図7の例における各制音体3は、それぞれ、タイヤ幅方向断面において矩形状を有している。
図7に示した例のタイヤ1では、トレッド内面100に設けられた各制音体3の厚さTsが等しい。一方、図10に示す第4変形例のタイヤ1は、トレッド内面100に設けられた各制音体3の厚さTsが、等しくはなく、互いに異なる点で、図7の例とは異なる。
ここで、本明細書において、「制音体3の厚さTs」とは、タイヤ幅方向断面を観た時に、トレッド内面100の垂線n100に沿って測ったときの制音体3の長さを指すものとする。
図11に示す第5変形例のタイヤ1は、制音体3を1つのみ備えており、制音体3が、タイヤ内周側に向かって突出した凸部33’を複数有している点で、図10に示す例とは異なる。図11の例における各凸部33’は、それぞれ、タイヤ幅方向断面において矩形状を有している。
図11の例では、制音体3の各凸部33’の厚さ(ひいては凸部33’の位置での制音体3の厚さ)Tsどうしが、互いに異なるが、これらは等しくてもよい。
なお、図11の例のように制音体3を1つのみ備える場合、図10の例のように制音体3を複数備える場合に比べて、タイヤ1の製造時においてトレッド内面100に制音体3を装着する際の装着作業性を向上できるとともに、制音体3の総体積を増やせる分、蓄熱作用が増大するおそれがあるものの、空洞共鳴の低減効果を向上できるという利点もある。
ただし、図11の例に限られず、タイヤ1は、凸部33’を複数有する制音体3を、トレッド内面100上に複数備えてもよい。
図12に示す第6変形例のタイヤ1は、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、一部の周方向溝81(図12の例では2本の周方向溝81b、81c)のタイヤ内周側のみに、個別の制音体3が配置されている点で、図10の例とは異なる。
一部の周方向溝のタイヤ内周側のみに個別の制音体3が配置されている場合、図10の例のように全ての周方向溝81のタイヤ内周側にそれぞれ個別の制音体3が配置されている場合に比べて、制音体3の装着作業性の向上やコストの低減が可能となる。
図13に示す第7変形例のタイヤ1は、図12の例と同様に、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、一部の周方向溝81のタイヤ内周側のみに、1つの共通の制音体3が配置されている点で、図11の例とは異なる。
図12や図13の例のような場合、例えば5mm以上の溝幅Wgを有する周方向溝81のタイヤ内周側のみに、制音体3を配置すると、制音体3による空洞共鳴の抑制性能などの観点から、好適である。
図14に示す第8変形例のタイヤ1は、トレッド内面100に制音体3が1つのみ設けられており、その制音体3のタイヤ幅方向の少なくとも一方側(図14の例では両側)において、トレッド内面100に固着されることなくトレッド内面100を覆っている非固着部34を有している点で、図11の例とは異なる。
図15及び図16に示す第9変形例のタイヤ1は、トレッド踏面110に形成されたトレッドパターンが、図3Aのものとは異なるものである。図16の例のトレッドパターンは、タイヤ赤道面CLに対して非対称のトレッドパターンであり、トレッド踏面110に設けられた溝8が、複数の周方向溝81(図の例では4本の周方向溝81a〜81d)と、複数の横溝82とを、含んでいる。4本の周方向溝81a〜81dのうち3本の周方向溝81b〜81dは、ジグザグ状にタイヤ周方向に延びており、さらにそのうち1本の周方向溝81cは、タイヤ赤道面CL上を延在している。図15及び図16の例のタイヤ1は、車両に対する装着方向が指定されており、タイヤ赤道面CLに対する第1側T1が車両装着外側であり、タイヤ赤道面CLに対する第2側T2が車両装着内側である。
上記各例に限られず、本発明のタイヤは、任意のトレッドパターンを有してよい。
そして、図2の例と同様、上述した各変形例においても、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド踏面110に設けられた複数の溝8のそれぞれの溝下指標値IVの合計が、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該複数の溝8のそれぞれの溝下指標値IVの合計よりも大きく、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の総体積は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の総体積よりも大きい。
このように、タイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での制音体3の総体積を、それぞれタイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での溝下指標値IVの合計に応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、良好に両立できる。
上述した各例では、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に、制音体3が位置している。言い換えれば、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100に沿った周方向溝81のタイヤ内周側(以下、簡単のため単に「周方向溝81のタイヤ内周側」ともいう。)には、制音体3が位置している。逆に言えば、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100に沿った制音体3のタイヤ外周側(以下、簡単のため単に「制音体3のタイヤ外周側」ともいう。)には、周方向溝81が位置している。
トレッド部1aのうち、溝8のある部分では、溝8のない部分に比べて、トレッド部1a内の熱が放熱されやすい。また、溝8の中でも特に周方向溝81は、横溝82に比べて、タイヤの回転中に風が通りやすいため、放熱機能が高い。一方、トレッド部1aのうち、制音体3を配置した部分では、走行中に蓄熱しやすい。特に、本例のように制音体3がスポンジ材から構成されている場合、制音体3自体が蓄熱体であることから、制音体3の近傍は特に蓄熱しやすい。したがって、放熱機能が高い周方向溝81のタイヤ内周側に、制音体3を配置することにより、走行中において、制音体3により空洞共鳴を抑制しつつ、制音体3の近傍で溜まりやすい熱を、そのタイヤ外周側の周方向溝81によって効果的に放熱させることができる。また、制音体3が低比重であるとはいえ、周方向溝81の近傍におけるトレッドゴム7の剛性を補完できるので、タイヤの重量バランスを向上させ、ひいては操縦安定性を向上させることもできる。
なお、「周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に、制音体3が位置している」とは、タイヤ幅方向断面を観た時に、周方向溝81の溝底上の少なくとも1点を通るトレッド内面100の垂線n100の上に、制音体3が位置していればよいことを指す。ただし、図2の例のように、タイヤ幅方向断面を観た時に、周方向溝81の溝底上の全ての点を通るトレッド内面100の垂線n100のそれぞれの上に、制音体3が位置していると、放熱性と重量バランスとの両立の観点から好適である。
なお、図2の例のように、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうちの全ての周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に、制音体3が位置していると、好適である。ただし、少なくともいずれか1つの周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に、制音体3が位置している場合でも、同様の効果が得られる。
図7、図10、図12、図15の例では、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に、それぞれ別々の制音体3が位置している。言い換えれば、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のタイヤ内周側には、それぞれ別々の制音体3が位置している。逆に言えば、トレッド内面100に設けられた複数の制音体3のタイヤ外周側には、それぞれ別々の周方向溝81が位置している。すなわち、図7、図10、図12、図15の例では、制音体3と周方向溝81とが、1:1の関係にある。各制音体3どうしは、互いから独立しており、すなわち、互いからタイヤ幅方向に離間している。
複数の周方向溝81のタイヤ内周側に1つの共通の制音体3を配置するのではなく、1つの周方向溝81のタイヤ内周側のみに個別の制音体3を他の制音体3から離間させて配置することにより、より放熱効果を高めることができるとともに、制音体3が低比重であるとはいえ、周方向溝81の近傍におけるトレッドゴム7の剛性を補完できるので、タイヤの重量バランスを向上させ、ひいては操縦安定性を向上させることもできる。
上述した各例においては、タイヤ赤道面CLとタイヤ赤道面CLに対し第1側T1のトレッド接地端TE1との間のトレッド外面105の表面積は、タイヤ赤道面CLとタイヤ赤道面CLに対し第2側T2のトレッド接地端TE2との間のトレッド外面105の表面積よりも大きく、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の総体積は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の総体積よりも大きいと、好適である。
ここで、「トレッド外面105の表面積」は、トレッド外面105のうち、タイヤの転動時に路面と接触することとなる表面部分の総面積と、トレッド外面105のうち、タイヤの転動時に路面と接触しない表面部分の総面積との、合計を指す。ここで、「トレッド外面105のうち、タイヤの転動時に路面と接触しない表面部分の総面積」とは、例えば、トレッド踏面110に設けられた各溝8の溝底8b及び溝壁8w(図3B、図3C参照。)の総面積、並びに、サイプ12が設けられている場合は各サイプ12のサイプ底及びサイプ壁の総面積を含む。
そして、「タイヤ赤道面CLとタイヤ赤道面CLに対し第1側T1のトレッド接地端TE1との間のトレッド外面105の表面積」とは、トレッド外面105のうち、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1に位置するトレッド半部の表面積を指してしており、例えば図15の例のように、タイヤ赤道面CL上に位置する溝8あるいはサイプ12(図15では周方向溝81)については、その溝8又はサイプ12のうち、タイヤ赤道面CLに対して第1側T1に位置する部分の表面積のみをカウントするものとする。「タイヤ赤道面CLとタイヤ赤道面CLに対し第2側T2のトレッド接地端TE2との間のトレッド外面105の表面積」についても、同様に考えるものとする。
トレッド外面105の表面積が大きいほど、トレッド部1aの放熱作用は大きくなるものの、溝8やサイプ12の本数あるいは深さが増えることになるため、トレッド部1aの剛性や重量は低下する。一方、制音体3の総体積が大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように、タイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での制音体3の総体積を、それぞれタイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2でのトレッド外面105の表面積に応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
上述した各例では、トレッド踏面110にタイヤ赤道面CLに対して非対称のトレッドパターンが形成されており、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81の総溝容積が、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該複数の周方向溝81の総溝容積よりも大きく、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の総体積は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の総体積よりも大きいと、好適である。
ここで、「タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81の総溝容積」とは、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1に位置する周方向溝81の溝容積の合計を指している。例えば後述の図15の例のように、タイヤ赤道面CL上に周方向溝81が位置している場合、当該周方向溝81については、その周方向溝81のうち、タイヤ赤道面CLに対して第1側T1に位置する部分の溝容積のみをカウントするものとする。「タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該複数の周方向溝81の総溝容積」についても、同様に考えるものとする。
また、「タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の総体積」とは、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3のうち、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1に位置する制音体3の体積の合計を指しており、例えば図2の例のように、タイヤ赤道面CL上に位置する制音体3については、その制音体3のうち、タイヤ赤道面CLに対して第1側T1に位置する部分の体積のみをカウントするものとする。「タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の総体積」についても、同様に考えるものとする。
周方向溝81の総溝容積が大きいほど、走行中に周方向溝81内を通る風の量が増えるため、トレッド部1aの放熱作用は大きくなるものの、トレッド部1aの剛性や重量は低下する。一方、制音体3の総体積が大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように、タイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での制音体3の総体積を、それぞれタイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での周方向溝81の総溝容積に応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
図7、図10、図12、図15の例では、各制音体3の幅Wsが、それぞれのタイヤ外周側に位置する周方向溝81の溝幅Wgが大きいほど、大きくされている。
ここで、本明細書において、「制音体3の幅Ws」とは、タイヤ幅方向断面を観た時に、制音体3におけるトレッド内面100への固着面のタイヤ幅方向両端点どうしを結んだ線分の長さを指すものとする。また、本明細書において、「制音体3の幅方向」とは、タイヤ幅方向断面を観た時に、制音体3におけるトレッド内面100への固着面の、タイヤ幅方向両端点どうしを結んだ線分に平行な方向を指すものとする。
より具体的に、図7、図10、図12、図15の例では、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81は、第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝幅Wg1は、第2周方向溝812の溝幅Wg2よりも大きく(すなわち、Wg1>Wg2)、トレッド内面100に設けられた複数の制音体3は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第1制音体31と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第2制音体32と、を含み、第1制音体31の幅Ws1は、第2制音体32の幅Ws2よりも大きい(すなわち、Ws1>Ws2)。
周方向溝81の溝幅Wgが大きいほど、周方向溝81の放熱機能は大きくなるが、周方向溝81の近傍の剛性や重量は低下する。一方、制音体3の幅Wsが大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように各制音体3の幅Wsを、それぞれのタイヤ外周側に位置する周方向溝81の溝幅Wgに応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
図7では、便宜のため、トレッド踏面110に設けられた複数(具体的には5本)の周方向溝81a〜81eのうち、タイヤ赤道面CLの両側に隣接する一対の周方向溝81c、81b、及び、トレッド内面100に設けられた複数(具体的には5つ)の制音体3a〜3eのうち、一対の周方向溝81c、81bのタイヤ内周側の一対の制音体3が、それぞれ第1周方向溝811、第2周方向溝812、第1制音体31、第2制音体32であるとして、符号付けしている。しかし、図7の例では、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81a〜81eのうち、互いに溝幅Wgの異なる、任意に選択される各一対の周方向溝81(例えば81a及び81b;81b及び81c;81c及び81d;81d及び81eなど)、及び、そのタイヤ内周側の一対の制音体3が、上記の構成を満たしている。図10、図15の例でも同様である。具体的に、図2の例では、周方向溝81a〜81eの溝幅Wgどうしの大小関係が、大きいものから順番に81c、81b、81d、81a及び81e(81aと81eの溝幅Wgは同じ)であり、周方向溝81a〜81eのタイヤ内周側にそれぞれ位置する制音体3a〜3eの幅Wsどうしの大小関係が、大きいものから順番に3c、3b、3d、3a及び3e(3aと3eの幅Wsは同じ)である。
ただし、図7、図10、図15の例に限られず、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、互いに溝幅Wgの異なる少なくともいずれか一対の周方向溝81、及び、そのタイヤ内周側の一対の制音体3が、上記の構成を満たしていれば、同様の効果を得ることができる。
図7、図10、図12、図15に示すように、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち少なくとも1本の周方向溝81が、そのタイヤ内周側の制音体3との間で、Ws>Wgの関係を満たすと、好適である。図7、図10、図15の例では、トレッド踏面110に設けられた全ての周方向溝81が、それぞれのタイヤ内周側の制音体3との間で、Ws>Wgの関係を満たしている。
図11、図13、図14の各例のタイヤ1においては、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81は、第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝幅Wg1は、第2周方向溝812の溝幅Wg2よりも大きく(すなわち、Wg1>Wg2)、トレッド内面100に設けられた(各図の例では1つの)制音体3の凸部33’は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第1凸部31’と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第2凸部32’と、を含み、第1凸部31’の幅Ws1’は、第2凸部32’の幅Ws2’よりも大きい(すなわち、Ws1’>Ws2’)。
このように、各凸部33’の幅Ws’を、それぞれのタイヤ外周側に位置する周方向溝81の溝幅Wgに応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
ここで、本明細書において、「制音体3の凸部33’の幅Ws’」とは、タイヤ幅方向断面を観た時に、制音体3の凸部33’におけるトレッド内面100への固着面のタイヤ幅方向両端点どうしを結んだ線分の長さを指すものとする。また、本明細書において、「制音体3の凸部33’の幅方向」とは、タイヤ幅方向断面を観た時に、制音体3の凸部33’におけるトレッド内面100への固着面の、タイヤ幅方向両端点どうしを結んだ線分に平行な方向を指すものとする。
図7、図10、図12、図15の各例のタイヤ1においては、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81は、第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝幅Wg1は、第2周方向溝812の溝幅Wg2よりも大きく(すなわち、Wg1>Wg2)、トレッド内面100に設けられた複数の制音体3は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第1制音体31と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第2制音体32と、を含み、第1周方向溝811の溝幅Wg1、第2周方向溝812の溝幅Wg2、第1制音体31の幅Ws1、及び第2制音体32の幅Ws2が、
Ws1/Wg1 > Ws2/Wg2
の関係を満たしていると、好適である。
これによって、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
なお、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、互いに溝幅の異なる少なくともいずれか一対の(好ましくは、任意に選択される各一対の)周方向溝81、及び、そのタイヤ内周側の一対の制音体3が、上記の構成を満たしているとよい。
同様に、図11、図13、図14の各例のタイヤ1においては、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81は、第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝幅Wg1は、第2周方向溝812の溝幅Wg2よりも大きく(すなわち、Wg1>Wg2)、トレッド内面100に設けられた制音体3は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第1凸部31’と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第2凸部32’と、を含み、第1周方向溝811の溝幅Wg1、第2周方向溝812の溝幅Wg2、第1凸部31’の幅Ws1’、及び第2凸部32’の幅Ws2’が、
Ws1’/Wg1 > Ws2’/Wg2
の関係を満たしていると、好適である。
なお、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、互いに溝幅の異なる少なくともいずれか一対の(好ましくは、任意に選択される各一対の)周方向溝81、及び、そのタイヤ内周側の一対の凸部33’が、上記の構成を満たしているとよい。
図7、図10、図12、図15の各例のタイヤ1においては、トレッド内面100に設けられた複数の周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上には、それぞれ別々の制音体3が位置しており、該複数の周方向溝81のそれぞれにおいて、周方向溝81の溝幅Wgに対する当該周方向溝81のタイヤ内周側に位置する制音体3の幅Wsの比(Ws/Wg)が1.0〜4.0であると、好適である。比(Ws/Wg)が小さすぎると制音体3の配置個数を増す必要があり生産性が低下しやすく、また、空洞共鳴の抑制効果が得られにくくなり、逆に大きすぎると蓄熱の影響をトレッド部1aに与えやすくなる。このような観点より、前記比(Ws/Wg)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上であり、上限については好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下が望ましい。
同様に、図11、図13、図14の各例のタイヤ1においては、トレッド内面100に設けられた複数の周方向溝81の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上には、それぞれ別々の凸部33’が位置しており、該複数の周方向溝81のそれぞれにおいて、周方向溝81の溝幅Wgに対する当該周方向溝81のタイヤ内周側に位置する凸部33’の幅Ws’の比(Ws’/Wg)が1.0〜4.0であると、好適である。前記比(Ws’/Wg)は、好ましくは1.0以上、より好ましくは1.5以上であり、上限については好ましくは4.0以下、より好ましくは3.0以下が望ましい。
上記各例のタイヤ1において、タイヤ1がリム2に組み付けられ所定の内圧が充填され無負荷の状態(基準状態)にあるとき、トレッド内面100に設けられた1つ又は複数の制音体3の総体積(各制音体3の体積の合計)が、タイヤ1とリム2とで区画されるタイヤ内腔11の全体積の0.4〜20%であると、好適である。タイヤ内腔11の全体積に対して制音体3の総体積を0.4%以上確保することにより、所望量(例えば2dB以上)の空洞共鳴エネルギーの低減効果を実現し易い。制音体3の総体積は、タイヤ内腔11の全体積の1%以上とすることがより好ましく、2%以上とすることが更に好ましく、4%以上とすることが特に好ましい。その一方、制音体3の総体積がタイヤ内腔11の全体積の20%を超えるように構成しても空洞共鳴エネルギーの低減効果の向上が期待できない。むしろ組立体10の重量バランスを悪化させる可能性がある。このような観点より、制音体3の総体積は、タイヤ内腔11の全体積の16%以下とすることがより好ましく、10%以下とすることが特に好ましい。
ここで、各制音体3の体積は、制音体3の外形から定められる見かけの体積であり、内部の気泡が占める体積も含めたものとする。また、「タイヤ内腔11の全体積」は、タイヤ1が基準状態にあるとき、下記式で近似的に求めた値V1として定める。
V1=A×{(Di−Dr)/2+Dr}×π
上記式において、「A」は基準状態のタイヤ内腔をCTスキャニングして得られるタイヤ内腔面積、「Di」(図1参照。)は基準状態でのタイヤ内腔の最大外径、「Dr」(図1参照。)はリム径、「π」は円周率である。
タイヤ製造時において、制音体3は、例えば、直線状に形成された後、トレッド内面100に沿って、タイヤ周方向Cに円弧状に湾曲させられ、両面粘着テープや接着剤などの固着部材を用いて、トレッド内面100に固定される。
図8及び図9に示すように、トレッド内面100に設けられた1つ又は複数の制音体3は、それぞれ、タイヤ周方向に延びているとともに、タイヤ周方向の少なくとも1箇所で、トレッド内面100を覆わない途切れ部30を介してタイヤ周方向に不連続にされていてもよい。
図7、図10、図12、図15の例のように、トレッド内面100に複数の制音体3(3a〜3e)が設けられる場合は、図8及び図9の例のように、各制音体3(3a〜3e)の途切れ部30(30a〜30e)のタイヤ周方向位置どうしが、互いに異なると、好適である。これにより、各制音体3の途切れ部30のタイヤ周方向位置どうしが重複する場合に比べて、タイヤの重量バランスを向上でき、ひいては、操縦安定性を向上できる。
ただし、図8及び図9の例に限られず、トレッド内面100に設けられた1つ又は複数の制音体3は、それぞれ、タイヤ周方向の全域に亘って連続して延在していてもよい。
上述した各例では、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81の総溝容積が、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1とは反対側の第2側T2における該複数の周方向溝81の総溝容積よりも大きい。
そして、そのうち図2、図4〜図7、図10〜図14の例では、周方向溝81の総溝容積の小さなほうであるタイヤ赤道面CLに対し第2側T2が、車両装着外側である。この場合、車両装着外側でのトレッド剛性を高めることで操縦安定性を向上しつつ、車両装着内側でトレッド剛性を低減させることで乗り心地性を向上できる。
一方、そのうち図15及び図16の例では、周方向溝81の総溝容積の小さなほうであるタイヤ赤道面CLに対し第2側T2が、車両装着内側である。この場合は、旋回時に主に接地することとなる車両装着外側おける溝容積を高めることで、旋回時での排水性を向上できる。
タイヤ製造時において、制音体3は、例えば、直線状に形成された後、トレッド内面100に沿って、タイヤ周方向Cに円弧状に湾曲させられ、両面粘着テープや接着剤などの固着部材を用いて、トレッド内面100に固定される。
図8及び図9に示すように、トレッド内面100に設けられた1つ又は複数の制音体3は、それぞれ、タイヤ周方向に延びているとともに、タイヤ周方向の少なくとも1箇所で、トレッド内面100を覆わない途切れ部30を介してタイヤ周方向に不連続にされていてもよい。その場合、制音体3が途切れ部30を有さずタイヤ周方向に連続している場合に比べて、放熱性を向上できる。
なお、制音体3は、タイヤ周方向の複数個所に途切れ部30を有していてもよい。その場合でも、本明細書では、同じタイヤ幅方向位置に配置され、タイヤ周方向に沿って配列された複数の制音体3を、タイヤ周方向に不連続に延在する1つの制音体3としてみなすものとする。
図7、図10、図12、図15の例のように、トレッド内面100に複数の制音体3(3a〜3e)が設けられる場合は、図8及び図9の例のように、各制音体3(3a〜3e)の途切れ部30(30a〜30e)のタイヤ周方向位置どうしが、互いに異なると、好適である。これにより、各制音体3が途切れ部30を有さずタイヤ周方向に連続している場合に比べて、タイヤの重量バランスをさほど損なうことがなく、また、各制音体3の途切れ部30のタイヤ周方向位置どうしが重複する場合に比べて、タイヤの重量バランスを向上でき、ひいては、操縦安定性を向上できる。
ただし、図8及び図9の例に限られず、トレッド内面100に設けられた1つ又は複数の制音体3は、それぞれ、タイヤ周方向の全域に亘って連続して延在していてもよい。
図2、図4、図7、図10、図12、図15の例のように、トレッド内面100に設けられた各制音体3のそれぞれの形状は、該制音体3の幅方向中心CVに対して対称であると、好適である。
この場合、制音体3の製造がし易くなるとともに、タイヤの重量バランスの向上が可能となる。
図5、図11、図13の例では、トレッド内面100に設けられた制音体3の形状が、該制音体3の幅方向中心CVに対して非対称である。
なお、制音体3の幅方向中心CVは、タイヤ赤道面CL上にあってもなくてもよい。図2、図4、図7、図10、図11、図12、図13の例では、トレッド内面100に設けられた各制音体3のそれぞれの幅方向中心CVが、タイヤ赤道面CLからずれた位置にある。図5、図14の例では、トレッド内面100に設けられた制音体3の幅方向中心CVが、タイヤ赤道面CL上にある。図15の例では、トレッド内面100に設けられた各制音体3のうち一部の制音体3のそれぞれの幅方向中心CVが、タイヤ赤道面CLからずれた位置にあり、1つの制音体3の幅方向中心CVが、タイヤ赤道面CL上にある。
図2、図4、図7、図10〜図13、図15の例のように、トレッド内面100に設けられた制音体3は、ベルト6のタイヤ幅方向端Q0(図6参照。)のタイヤ径方向に沿ったタイヤ内周側において、トレッド内面100を覆っていないと、好適である。
ここで、「ベルト6のタイヤ幅方向端Q0」とは、ベルト6を構成する1層以上のベルト層のそれぞれのタイヤ幅方向端のうち、最もタイヤ幅方向外側に位置するタイヤ幅方向端を指す。
図6に拡大して示すように、各図の例では、ベルト6が、傾斜ベルト6aと、周方向ベルト6bと、を備えている。傾斜ベルト6aは、第1傾斜ベルト層6a1と、第1傾斜ベルト層6a1のタイヤ径方向外側に積層されている第2傾斜ベルト層6a2と、を備えている。第1傾斜ベルト層6a1及び第2傾斜ベルト層6a2それぞれは、ベルトコードをタイヤ周方向に対して傾斜配列したベルトプライから形成されている。これら2枚のベルトプライは、ベルトコードの傾斜の向きを互いに違えて重ね置きされている。周方向ベルト6bは、第2傾斜ベルト層6a2のタイヤ径方向外側に積層されている第1周方向ベルト層6b1と、第1周方向ベルト層6b1のタイヤ径方向外側に積層されている第2周方向ベルト層6b2と、第2周方向ベルト層6b2のタイヤ径方向外側に積層されている第3周方向ベルト層6b3と、を備えている。第1周方向ベルト層6b1、第2周方向ベルト層6b2及び第3周方向ベルト層6b3それぞれは、ベルトコードをタイヤ周方向にほぼ沿って巻回させたベルトプライから形成される。そして、図の例における、ベルト6のタイヤ幅方向端Q0は、第3周方向ベルト層6b3のタイヤ幅方向端である。なお、後述するが、図6の例では、制音体3が、ベルト6のタイヤ幅方向端Q0のタイヤ内周側において、トレッド内面100を覆っている。
ベルト6を構成する各ベルト層のタイヤ幅方向端の近傍では、走行中において大きく変形して発熱しやすく、そのうち最もタイヤ幅方向端Q0の近傍では、その傾向が顕著である。したがって、そのタイヤ内周側に制音体3を配置しないことにより、走行中におけるベルト6のタイヤ幅方向端Q0の近傍での放熱を妨げないようにし、放熱性を確保することができる。
同様の観点から、制音体3は、ベルト6のタイヤ幅方向端Q0よりもタイヤ幅方向内側に位置する、ベルト6を構成するベルト層のうち少なくともいずれか1層のタイヤ幅方向端(例えば、図6のベルト6を構成するベルト層のうち最もタイヤ径方向内側に位置する第1傾斜ベルト層6a1のタイヤ幅方向端Q1や、第1傾斜ベルト層6a1にタイヤ径方向外側に隣接する第2傾斜ベルト層6a2のタイヤ幅方向端Q2)のタイヤ内周側において、トレッド内面100を覆っていないと、好適である。
ただし、図5及び図6の例や、図14の例のように、制音体3は、ベルト6のタイヤ幅方向端Q0のタイヤ径方向に沿ったタイヤ内周側において、トレッド内面100に固着されることなくトレッド内面100を覆っている場合も、好適である。すなわち、上述した制音体3の非固着部34が、ベルト6のタイヤ幅方向端Q0のタイヤ内周側に位置していると、好適である。このように、特に発熱しやすい箇所に制音体3の非固着部34を配置することにより、図2、図4、図7、図10〜図13、図15の例のようにそこに制音体3を全く配置しない場合に比べて、放熱効果をさほど損ねることなく、空洞共鳴の低減効果を向上できる。
また、非固着部34とトレッド内面100との間には、タイヤ径方向の間隙S(図6)を設けることにより、放熱効果をより向上できる。
同様の観点から、制音体3は、ベルト6のタイヤ幅方向端Q0よりもタイヤ幅方向内側に位置する、ベルト6を構成するベルト層のうち少なくともいずれか1層のタイヤ幅方向端(例えば、図6のベルト6を構成するベルト層のうち最もタイヤ径方向内側に位置する第1傾斜ベルト層6a1のタイヤ幅方向端Q1や、第1傾斜ベルト層6a1にタイヤ径方向外側に隣接する第2傾斜ベルト層6a2のタイヤ幅方向端Q2)のタイヤ径方向に沿ったタイヤ内周側において、トレッド内面100に固着されることなくトレッド内面100を覆っている(非固着部34が位置している)と、好適である。
上述した各例では、タイヤ赤道面CLとタイヤ赤道面CLに対し第1側T1のトレッド接地端TE1との間のトレッド外面105の表面積が、タイヤ赤道面CLとタイヤ赤道面CLに対し第2側T2のトレッド接地端TE2との間のトレッド外面105の表面積よりも大きい。
そして、そのうち図2、図4〜図7、図10〜図14の例では、トレッド外面105の表面積の小さなほうであるタイヤ赤道面CLに対し第2側T2が、車両装着外側である。この場合、車両装着外側でのトレッド剛性を高めることで操縦安定性を向上しつつ、車両装着内側でトレッド剛性を低減させることで乗り心地性を向上できる。
一方、そのうち図15及び図16の例では、トレッド外面105の表面積の小さなほうであるタイヤ赤道面CLに対し第2側T2が、車両装着内側である。この場合は、旋回時に主に接地することとなる車両装着外側おける溝容積を高めることで、旋回時での排水性を向上できる。
上述した各例において、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の厚さTsの平均値は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の厚さTsの平均値よりも大きいと、好適である。
ここで、「タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の厚さTsの平均値」とは、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1に位置する制音体3の数が1つのみである場合は、当該制音体3の厚さTsの最大値を指すものとし、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1に位置する制音体3の数が複数である場合は、それら各制音体3の厚さTsの最大値どうしの平均値を指すものとする。「タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の厚さTsの平均値」についても、同様に考えるものとする。
上述のとおり、概略的に言えば、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2に比べ、トレッド踏面110の溝量が多く、放熱効果が高い一方でトレッドゴムの剛性や重量が低い領域である。一方、制音体3の厚さTsの平均値が大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように、タイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での制音体3の厚さTsの平均値を、それぞれタイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での溝量に応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
上述した各例において、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の厚さTsの最大値は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の厚さTsの最大値よりも大きいと、好適である。
ここで、「タイヤ赤道面CLに対し第1側T1における、トレッド内面100に設けられた1つ以上の制音体3の厚さTsの最大値」とは、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1に位置する制音体3の数が1つのみである場合は、当該制音体3の厚さTsの最大値を指すものとし、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1に位置する制音体3の数が複数である場合は、それら各制音体3の厚さTsの最大値どうしを比較したときの最大値を指すものとする。「タイヤ赤道面CLに対し第2側T2における該1つ以上の制音体3の厚さTsの最大値」についても、同様に考えるものとする。
上述のとおり、概略的に言えば、タイヤ赤道面CLに対し第1側T1は、タイヤ赤道面CLに対し第2側T2に比べ、トレッド踏面110の溝量が多く、放熱効果が高い一方でトレッドゴムの剛性や重量が低い領域である。一方、制音体3の厚さTsの最大値が大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように、タイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での制音体3の厚さTsの最大値を、それぞれタイヤ赤道面CLに対する両側T1、T2での溝量に応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
図7、図10、図12、図15の各例のタイヤ1においては、トレッド踏面110に設けられた複数の溝8が、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝下指標値IVは、第2周方向溝812の溝下指標値IVよりも大きく、トレッド内面100に設けられた複数の制音体3は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第1制音体31と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第2制音体32と、を含み、第1制音体31の体積は、第2制音体32の体積よりも大きいと、好適である。
上述のとおり、周方向溝81の溝下指標値IVが大きいほど、周方向溝81の放熱機能は大きくなるものの、周方向溝81の近傍でのトレッドゴム7の剛性や重量は低下する。一方、制音体3の体積が大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように各制音体3の体積を、それぞれのタイヤ外周側に位置する周方向溝81の溝下指標値IVに応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
なお、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、互いに溝下指標値IVの異なる少なくともいずれか一対の(好ましくは、任意に選択される各一対の)周方向溝81、及び、そのタイヤ内周側の一対の制音体3が、上記の構成を満たしているとよい。
同様に、図11、図13、図14の各例のタイヤ1においては、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81が、第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝下指標値IVは、第2周方向溝812の溝下指標値IVよりも大きく、トレッド内面100に設けられた制音体3の凸部33’は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第1凸部31’と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第2凸部32’と、を含み、第1凸部31’の体積は、第2凸部32’の体積よりも大きいと、好適である。
なお、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、互いに溝下指標値IVの異なる少なくとも一対の(好ましくは、任意に選択される各一対の)周方向溝81、及び、そのタイヤ内周側の一対の凸部33’が、上記の構成を満たしているとよい。
図7、図10、図12、図15の各例のタイヤ1においては、トレッド踏面110に設けられた複数の溝8が、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝下指標値IVは、第2周方向溝812の溝下指標値IVよりも大きく、トレッド内面100に設けられた複数の制音体3は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第1制音体31と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第2制音体32と、を含み、第1制音体31の厚さは、第2制音体32の厚さよりも大きいと、好適である。
上述のとおり、周方向溝81の溝下指標値IVが大きいほど、周方向溝81の放熱機能は大きくなるものの、周方向溝81の近傍でのトレッドゴム7の剛性や重量は低下する。一方、制音体3の厚さが大きいほど、制音体3による空洞共鳴の抑制作用は高まるものの、制音体3による蓄熱作用や制音体3の重量が大きくなる。したがって、上述のように各制音体3の厚さを、それぞれのタイヤ外周側に位置する周方向溝81の溝下指標値IVに応じて変えることにより、空洞共鳴の抑制効果、タイヤの放熱効果、及び、タイヤの重量バランスを、より良好に両立できる。
なお、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、互いに溝下指標値IVの異なる少なくともいずれか一対の(好ましくは、任意に選択される各一対の)周方向溝81、及び、そのタイヤ内周側の一対の制音体3が、上記の構成を満たしているとよい。
同様に、図11、図13、図14の各例のタイヤ1においては、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81が、第1周方向溝811及び第2周方向溝812を含み、第1周方向溝811の溝下指標値IVは、第2周方向溝812の溝下指標値IVよりも大きく、トレッド内面100に設けられた制音体3の凸部33’は、第1周方向溝811の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第1凸部31’と、第2周方向溝812の溝底を通るトレッド内面100の垂線n100上に位置する第2凸部32’と、を含み、凸部31’の厚さTs1’は、第2凸部32’の厚さTs2’よりも大きいと、好適である。
なお、トレッド踏面110に設けられた複数の周方向溝81のうち、互いに溝下指標値IVの異なる少なくとも一対の(好ましくは、任意に選択される各一対の)周方向溝81、及び、そのタイヤ内周側の一対の凸部33’が、上記の構成を満たしているとよい。
本発明に係る空気入りタイヤ及び組立体は、任意の種類の空気入りタイヤに利用できるものであるが、好適には乗用車用空気入りタイヤに利用できるものである。
1:空気入りタイヤ、 1a:トレッド部、 1b:サイドウォール部、 1c:ビード部、 2:リム、 2a:リム本体、 2b:ディスク、 3、3a〜3e:制音体、 4:ビード部材、 4a:ビードコア、 4b:ビードフィラ、 5:カーカス、 6:ベルト、 6a:傾斜ベルト、 6a1:第1傾斜ベルト層、 6a2:第2傾斜ベルト層、 6b:周方向ベルト、 6b1:第1周方向ベルト層、 6b2:第2周方向ベルト層、 6b3:第3周方向ベルト層、 7:トレッドゴム、 8:溝、 8b:溝底、 8c:面取り部、 8w:溝壁、 9:インナーライナ、 10:組立体、 11:タイヤ内腔、 12:サイプ、 30、30a〜30e:途切れ部、 31:第1制音体、 32:第2制音体、 31’:制音体の第1凸部、 32’:制音体の第2凸部、 33’、33a’〜33e’:制音体の凸部、 331’:凸部のタイヤ内周側の面、 34:非固着部、 81、81a〜81e:周方向溝、 82:横溝、 100:トレッド内面、 105:トレッド外面、 110:トレッド踏面、 811:第1周方向溝、 812:第2周方向溝、 CL:タイヤ赤道面、 CV:制音体の幅方向中心、 Di:タイヤ内腔の最大外径、 Dr:リム径、 n100:トレッド内面の垂線、 Q0:ベルトのタイヤ幅方向端、 Q1:第1傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端、 Q2:第2傾斜ベルト層のタイヤ幅方向端、 S:間隙、 T1:タイヤ赤道面に対し第1側、 T2:タイヤ赤道面に対し第2側、 TE1、TE2:トレッド接地端、 Ts、Ts1、Ts2、Ts1’、Ts2’:制音体の厚さ、 Tt、Tt1、Tt2:溝下トレッド厚さ、 Wg、Wg1、Wg2:溝の溝幅、 Ws、Ws1、Ws2:制音体の幅、 Ws’、Ws1’、Ws2’:制音体の凸部の幅

Claims (7)

  1. トレッド踏面に非対称のトレッドパターンが形成された空気入りタイヤであって、
    前記トレッド踏面に設けられた、複数の溝と、
    トレッド内面に設けられた、1つ以上の制音体と、
    を備え、
    前記複数の溝のそれぞれにおける、溝底から前記トレッド内面までを前記トレッド内面の垂線に沿って測ったときのトレッド部の厚さを、溝下トレッド厚さと称し、
    前記複数の溝のそれぞれにおける、前記溝下トレッド厚さに対する溝底面積の比を、溝下指標値と称するとき、
    タイヤ赤道面に対し第1側における前記複数の溝のそれぞれの前記溝下指標値の合計は、前記タイヤ赤道面に対し前記第1側とは反対側の第2側における前記複数の溝のそれぞれの前記溝下指標値の合計よりも大きく、
    前記タイヤ赤道面に対し前記第1側における前記1つ以上の制音体の総体積は、前記タイヤ赤道面に対し前記第2側における前記1つ以上の制音体の総体積よりも大きい、空気入りタイヤ。
  2. 前記タイヤ赤道面に対し前記第1側における前記1つ以上の制音体の厚さの平均値は、前記タイヤ赤道面に対し前記第2側における前記1つ以上の制音体の厚さの平均値よりも大きい、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記タイヤ赤道面に対し前記第1側における前記1つ以上の制音体の厚さの最大値は、前記タイヤ赤道面に対し前記第2側における前記1つ以上の制音体の厚さの最大値よりも大きい、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記制音体を複数備えており、
    前記複数の溝は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝及び第2周方向溝を含み、
    前記第1周方向溝の前記溝下指標値は、前記第2周方向溝の前記溝下指標値よりも大きく、
    前記複数の制音体は、前記第1周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第1制音体と、前記第2周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第2制音体と、を含み、
    前記第1制音体の体積は、前記第2制音体の体積よりも大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記制音体を複数備えており、
    前記複数の溝は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝及び第2周方向溝を含み、
    前記第1周方向溝の前記溝下指標値は、前記第2周方向溝の前記溝下指標値よりも大きく、
    前記複数の制音体は、前記第1周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第1制音体と、前記第2周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置する第2制音体と、を含み、
    前記第1制音体の厚さは、前記第2制音体の厚さよりも大きい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  6. 前記複数の溝は、タイヤ周方向に連続して延びる第1周方向溝及び第2周方向溝を含み、
    前記第1周方向溝の前記溝下指標値は、前記第2周方向溝の前記溝下指標値よりも大きく、
    前記制音体は、前記第1周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第1凸部と、前記第2周方向溝の溝底を通る前記トレッド内面の垂線上に位置するとともにタイヤ内周側に向かって突出した第2凸部と、を含み、
    前記第1凸部の厚さは、前記第2凸部の厚さよりも大きい、請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気入りタイヤ。
  7. リムと、
    前記リムに組み付けられた、請求項1〜6のいずれか一項に記載の空気入りタイヤと、
    を備える、組立体。
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