JP2021167189A - 部分的バロネットを備える成層圏揚力システム - Google Patents
部分的バロネットを備える成層圏揚力システム Download PDFInfo
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Abstract
【課題】部分的バロネットを備える成層圏揚力システムを提供する。【解決手段】本発明は、−空気を収容する加圧気密筐体(2)と、−気密筐体(2)の内部に配置され、空気の密度より低密度の加圧気体を収容する第一の気密バロネット(3)であって、第一の気密バロネット(3)を穿刺するための穿刺手段を含む第一の気密バロネット(3)と、を含むことを特徴とする可変揚力装置(1)に関する。【選択図】図1
Description
本発明は、空気より軽い気体を用いて大気中に浮揚させる可変揚力装置の分野に関する。より詳しくは、本発明は、加圧空気を貯蔵する1つのタンクと、ヘリウム、ネオン、メタン、エタン、及び水素等、空気より軽い加圧ガスを貯蔵する他のタンクを備える可変揚力装置の揚力及び上昇飛行フェーズ戦略を扱う。以下、空気の密度より低密度の気体を浮揚ガスと呼ぶ。
可変揚力装置とは、「小型軟式飛行船」として知られる、加圧された柔軟ジャケットを有する成層圏操縦可能プラットフォームと解釈できる。
従来、離陸フェーズ中、可変揚力装置はほとんどが空気で満たされ、浮揚ガスは空気から分離されて、容積の20%未満を占めるにすぎない。上昇フェーズでは、空気が放出され、浮揚ガスが膨張して可変揚力装置の容積の全部を満たす。
現在、この上昇フェーズについては、3つの方法で論じることができる:
−離陸時に浮揚ガスのみを含む可変揚力装置を提供する収縮揚力方式。空気タンクがないため、可変揚力装置の総重量が大幅に軽量化される。この方法は、気象学の分野で特に評価されている。しかしながら、収縮揚力方式は、エンジンや又はソーラ発電機等、システムを固定するための比較的硬質の支持手段を必要とするジャケット上の機器を含む可変揚力装置には不向きである。
−浮揚ガスを収容することになるメインジャケットと、メインジャケット内部に格納された、空気を収容することになる気密バロネットと、を備える可変揚力装置を提供する空気バロネット方式。上昇フェーズ中、気密バロネットから、そこに収容されている空気が外部環境へと排出され、浮揚ガスが膨張し、そのようにして、気密バロネットにより空けられた容積を満たす。しかしながら、空気バロネット方式は、可変揚力装置が2つのタンクを含んでいなければならないため、比較的重い方法である。それに加えて、この方法により、例えば気密バロネット内に漏出が生じた場合に空気が浮揚ガスに混入するリスクや、又はさらにはメインジャケットに固定されていない空の気密バロネットの存在により操作性が妨害されるいくつかのリスクが発生する。
−空気を収容することになるメインジャケットと、メインジャケットの内部に格納された、浮揚ガスを収容することになる気密バロネットと、を備える可変揚力装置を提供する浮揚ガスバロネット方式。それでも、可変揚力装置のレイアウトの問題が生じており、気密バロネットへの損傷の可能性に関連付けられる漏出のリスク等の幾つかのリスクを挙げることができる。この方法は航空分野において評価されるが、依然として、空気バロネット方式と同様に比較的重い方法のままである。
−離陸時に浮揚ガスのみを含む可変揚力装置を提供する収縮揚力方式。空気タンクがないため、可変揚力装置の総重量が大幅に軽量化される。この方法は、気象学の分野で特に評価されている。しかしながら、収縮揚力方式は、エンジンや又はソーラ発電機等、システムを固定するための比較的硬質の支持手段を必要とするジャケット上の機器を含む可変揚力装置には不向きである。
−浮揚ガスを収容することになるメインジャケットと、メインジャケット内部に格納された、空気を収容することになる気密バロネットと、を備える可変揚力装置を提供する空気バロネット方式。上昇フェーズ中、気密バロネットから、そこに収容されている空気が外部環境へと排出され、浮揚ガスが膨張し、そのようにして、気密バロネットにより空けられた容積を満たす。しかしながら、空気バロネット方式は、可変揚力装置が2つのタンクを含んでいなければならないため、比較的重い方法である。それに加えて、この方法により、例えば気密バロネット内に漏出が生じた場合に空気が浮揚ガスに混入するリスクや、又はさらにはメインジャケットに固定されていない空の気密バロネットの存在により操作性が妨害されるいくつかのリスクが発生する。
−空気を収容することになるメインジャケットと、メインジャケットの内部に格納された、浮揚ガスを収容することになる気密バロネットと、を備える可変揚力装置を提供する浮揚ガスバロネット方式。それでも、可変揚力装置のレイアウトの問題が生じており、気密バロネットへの損傷の可能性に関連付けられる漏出のリスク等の幾つかのリスクを挙げることができる。この方法は航空分野において評価されるが、依然として、空気バロネット方式と同様に比較的重い方法のままである。
本発明は、空気を収容することになるメインジャケットと、メインジャケットの中に格納され、浮揚ガスを収容することになる1つ又は2つの気密バロネットと、を含む可変揚力装置を提案することによって、上述の問題の全部又は幾つかを緩和することを目的とする。2つの気密バロネットが使用される場合、これらは相互に流体連通して、浮揚ガスの交換が可能となるようにする。
そのために、本発明の主題は、
−空気を収容する加圧気密筐体と、
−気密筐体の内部に配置され、空気の密度より低密度の加圧ガスを収容する第一の気密バロネットであって、第一の気密バロネットを穿刺するための穿刺手段を含む第一の気密バロネットと、
を含むことを特徴とする可変揚力装置である。
−空気を収容する加圧気密筐体と、
−気密筐体の内部に配置され、空気の密度より低密度の加圧ガスを収容する第一の気密バロネットであって、第一の気密バロネットを穿刺するための穿刺手段を含む第一の気密バロネットと、
を含むことを特徴とする可変揚力装置である。
本発明の1つの態様によれば、可変揚力装置は、気密筐体の内部に配置され、第一の気密バロネットに流体接続される第二の気密バロネットを含む。
本発明の1つの態様によれば、気密筐体は船首部を含み、第一の気密バロネットは気密筐体の船首部の内面に当接するように配置される。
本発明の1つの態様によれば、気密筐体は上面を含み、第二の気密バロネットは気密筐体の上面に当接するように配置される。
本発明の1つの態様によれば、気密筐体は船尾部を含み、少なくとも1つの吐出し弁が気密筐体の船尾部に当接するように配置される。
本発明の1つの態様によれば、第一の気密バロネットはプラスチック材料から製作される。
本発明の1つの態様によれば、気密筐体は、第一の気密バロネットのための引込み装置を含み、第一の気密バロネットのための引込み装置は、気密筐体の船首部の内面と直接接触する巻付け器を含み、第一の気密バロネットのための引込み装置は、その一方の端e1が巻付け器と接触するワイヤリンクを含み、第二の端e2は第一の気密バロネットと接触する。
本発明の1つの態様によれば、可変揚力装置は第一の長さ方向軸A1に沿って延び、可変揚力装置に当接するように配置される追加の傾斜装置を含む。
本発明の1つの態様によれば、追加の傾斜装置は、平衡位置P1から後退位置P2まで長さ方向軸A1に沿って横断移動できる。
本発明の1つの態様によれば、第一の気密バロネットを穿刺するための穿刺手段は、コントローラを使って作動させられる。
本発明の1つの態様によれば、第一の気密バロネットは交換可能である。
例として示される実施形態の詳細な説明を読むことにより、本発明はよりよく理解され、その他の利点も明らかになり、この説明は、下記のような添付の図面により図解されている。
明瞭にするために、異なる図中、同じ要素には同じ参照番号が付されている。
この説明の中で、「浮揚ガス」という用語は空気の密度より低密度のあらゆるガスを表す。例えば、これはヘリウム、ネオン、メタン、エタン、又は水素とすることができる。
この説明の中で、「船首部」という用語は、可変揚力装置の機首又は前面として解釈できる。反対に、「船尾部」という用語は、可変揚力装置の機尾又は後面を示す。
図1は、本発明による可変揚力装置1の実施形態の概略図を示す。航空分野において、可変揚力装置の全体的な質量に直接関係する重量は、飛行家が対抗しなければならない力の1つである。可変揚力装置の上昇フェーズではなおさらである。
本発明による可変揚力装置1は、気密ジャケット2で構成される。この気密筐体2は全体が空気で満たされる。さらに、気密筐体2は、第一の気密バロネット3と、気密筐体2の内部に配置され、加圧浮揚ガスを収容する第二の気密バロネット4と、を含む。第一の気密バロネット3は、気密筐体2の船首部5の内面52に当たるように配置される。実際に、可変揚力装置1は、空気ストリームの流れの方向への、すなわち可変揚力装置の長さ方向軸A1に平行な前方部分として定義される船首部5と、けん引方向と反対の部分として定義できる、又は言い換えれば、長さ方向軸A1に平行な空気ストリームの流れの方向に考えた後方部分として定義される船尾部6を含む。したがって、第一の気密バロネット3は、船首部5の内面52と当接するように、気密筐体2の内部に配置される。第二の気密バロネット4は、気密筐体2の上面22と当接して配置される。
第二の気密バロネット4は、気密筐体2の内部に配置され、第一の気密バロネット3に流体接続される。実際に、接合部32によって第一の気密バロネット3と第二の気密バロネット4との間の流体接続が確実に行われる。このようにして、第二の気密バロネット4に収容された浮揚ガスは、この接合部32によって第一の気密バロネット3へと通過できる。
第一の気密バロネット3と第二の気密バロネット4は各々、ある体積の圧縮浮揚ガスを有し、これによって、成層圏での圧力及び温度条件下で気密筐体2の容積よりわずかに大きい体積を充填できる。
さらに、少なくとも1つの吐出し弁62が船尾部6に配置される。この吐出し弁62により、気密筐体2の内部に収容される空気を可変揚力装置1の外部環境へと排出できる。
最後に、有利な実施形態において、可変揚力装置1は、可変揚力装置1と当接して配置された追加の傾斜装置7を含むことができる。より具体的には、追加の傾斜装置7は、可変揚力装置1の外側において、気密筐体2の底面24と当接するように設置される。この追加の傾斜装置7は、気密筐体2の底面24と当接するように固定されて長さ方向軸A1に沿って延びる変位レール72と、変位レール72に沿って変位できる傾斜マス74を含む。傾斜マス74はしたがって、長さ方向軸A1に沿った運動自由度を有する。それゆえ、長さ方向軸A1に沿ったこの運動自由度により、追加の傾斜装置7は、可変揚力装置1のトリム角度、すなわち水平面と可変揚力装置1の長さ方向軸A1との間の角度を制御できる。
それゆえ、可変揚力装置1のトリム角度に影響を与える必要がない場合、追加の傾斜装置7は図1に示されているように平衡位置P1にある。この平衡位置P1では、可変揚力装置1の全体的質量中心は中央にあり、可変揚力装置1を水平面内に保持する。
可変揚力装置1の離陸前の段階では、第二の気密バロネット4だけが圧縮された浮揚ガスの体積で満たされている。したがって、第一の気密バロネット3は部分的に空である。実際に、これによって可変揚力装置1は地上で水平に安定化させることができる。
離陸が行われ、上昇が始まると、可変揚力装置1は、図2に示されるように縦に設置される。可変揚力装置1の質量中心を可変揚力装置1の体積中心に関して、より引き込まれた位置に向かって傾けることにより、したがって、図1に示されるいわゆる水平姿勢から図2に示される垂直姿勢への切替による可変揚力装置1の下向き荷重を生じさせることによって。すると、垂直姿勢では船首部5は可変揚力装置1の浮揚方向である上昇方向に向かい、船尾部6は反対方向、すなわち地上に向かう。さらに、長さ方向軸A1もまた、時計回りに回転して、上昇方向に平行でそれと同じ向きになる。
さらに、可変揚力装置1を垂直姿勢にするための手順を容易にするために、すると、追加の傾斜装置7は平衡位置から後退位置へと切り替わる。実際に、追加の傾斜装置7は、前述のように、長さ方向軸A1に沿って横断移動できる。それゆえ、傾斜マス74が変位レール72上で摺動して、追加の傾斜装置7が平衡位置P1から図2に示される後退位置P2に切り替わることができるようにする。この後退位置P2は、可変揚力装置1の全体的な質量中心に、その姿勢を変えることによって影響する。実際に、質量中心は軸A1に沿って後方へと、船尾部6に向かって移動し、それによって可変揚力装置1を垂直姿勢にしやすくする。実際、第二の気密バロネット4の中に収容された浮揚ガスは、接合部32を通過して第一の気密バロネット3の中に入る。可変揚力装置1の離陸から、第二の気密バロネット4に収容されている浮揚ガスは第一の気密バロネット3のためにますます減る。それに加えて、浮揚ガスは、第一の気密バロネット3に収容されると揚力装置1の高度の上昇によって膨張し、第一の気密バロネット3の体積が増大する。第一の気密バロネット3は、ある種のプラスチック又はその他のエラストマ等の変形可能材料で製作される。より具体的には、第一の気密バロネット3の壁は、プラスチック材料で製作される。
第一の気密バロネット3の体積の増大は、気密筐体2の内部に含まる空気の体積が減ることを意味する。ここで、可変揚力装置1の内部の制御された加圧レベルを保持するために、吐出し弁62が空気を排出する。さらに、気密筐体2に収容された空気をこのように排出することにより、気密筐体2内の空気の重量の減少が誘導され、それによって可変揚力装置1は浮力により浮揚する。
これはすると、可変揚力装置1の進展した上昇フェーズに反映される。
それゆえ、可変揚力装置1が上昇すると、第一の気密バロネット3の中に収容された浮揚ガスが膨張し、それによって第一の気密バロネット3の体積の増大が誘導される。ここで、気密筐体2の一定の体積を保つために、気密筐体2の中に収容されている空気の体積はしたがって、縮小させなければならない。それゆえ、吐出し弁62は連続的に、可変揚力装置1の上昇フェーズ中終始、気密筐体2の中に収容された空気を継続的に排出する。
このようにして、気密筐体2に収容された空気の体積は、第一の気密バロネット3の体積のために縮小する。
第一の気密バロネット3の体積の増大と並行した気密筐体2の中に収容された空気の体積の縮小は、図3に示されるように第一の気密バロネット3が開くまで継続する。第一の気密バロネット3の大きさは、最も乱流の大きい上昇フェーズの後にそれが開くように選択される。第一の気密バロネット3の開放はしたがって、例えば半分まで上昇したところで、又はさらには外部の圧力が地上の圧力に関して3分の1となったとき、又はさらには、可変揚力装置1が乱流のほとんどを通過したときに起こるようにすることができる。有利な点として、第一の気密バロネット3は、可変揚力装置1が地上にあるときに交換可能なバロネットであり、すなわち第一の気密バロネット3は、それが他の気密バロネットにより開いたときに交換できる。これは、永久的な気密バロネットである第二の気密バロネット4には当てはまらない。
実際に、第一の気密バロネット3は、第一の気密バロネット3を穿刺して、第一の気密バロネット3が開き、浮揚ガスが気密筐体2の中に放出されることができるようにするための穿刺手段34を含む。好ましくは、第一の気密バロネット3を穿刺するための穿刺手段34は、第一の気密バロネット3の中に収容されている浮揚ガスの膨張によって生じる内圧とすることができる。浮揚ガスの膨張により発生する内圧は上昇し続けるため、第一の気密バロネット3の弾性限界に到達し、第一の気密バロネット3の開口36を観察できる。第一の気密バロネット3を穿刺するための穿刺手段34は、例えば針又は鋭利な刃を含む装置等、コントローラを使って作動する機械的装置とすることができる。
すると、気密筐体2に収容される体積は、空気だけで満たされるのではなく、3つの体積に分けられる状態となる。第一の体積V1は依然として気密筐体2に収容されている空気の体積である。空気の密度は浮揚ガスの密度より高いため、この第一の体積V1は気密筐体2の長さ方向軸A1に沿った最も低い点である船尾部6に位置付けられる。有利な点として、吐出し弁62は気密筐体2の船尾部6に当接して配置されるため、空気の第一の体積V1は、可変揚力装置1が上昇すると排出されることができる。第二の体積V2は、開口34により第一の気密バロネット3から放出された浮揚ガスの体積である。実際には、第二の気密バロネット3は開いているが、収容されている浮揚ガスは引き続き膨張する。第二の体積V2はしたがって、可変揚力装置1が上昇すると増大し、それゆえ吐出し弁62により排出しなければならない空気の第一の体積V1に作用する。浮揚ガスの密度は空気の密度より低いため、第二の体積V2は必然的に船首部5に位置付けられ、そこでは第二の気密バロネット3が当初、浮揚ガスを収容していた。最後に、第三の体積V3は、空気の第一の体積V1と浮揚ガスの第二の体積V2との間に挿入される。この第三の体積は、第一の気密バロネット3から放出された浮揚ガスと気密筐体2の中に当初収容されていた空気の混合物である。
可変揚力装置1の上昇中、浮揚ガスの第二の体積V2は、浮揚ガスの膨張に伴って増大し、他方で第一の体積V1は、吐出し弁62により第一の体積V1に収容される空気の膨張に伴って減少する。
さらに、本発明の他の実施形態において、気密筐体2は図5に示されている第一の気密バロネット3のための引込み装置26を含む。引込み装置26によって、開いた第一の気密バロネット3を気密筐体2の船首部5の内面52に付着させることができる。このようにして、第一の気密バロネット3は、船首部5の内面52に当接して固定され、気密筐体2の中で変位せず、この変位は可変揚力装置1の操作性に対するリスクを生じさせる可能性がある。さらに、第一の気密バロネット3を船首部5の内面52に向かって引き付けることにより、第一の気密バロネット3の中に当初収容されていた浮揚ガスの全部を気密筐体2の中へと放出することができる。
図3に示されるように、垂直上昇は、第一の体積V1と第三の体積V3が完全に排出されるまで、すなわち気密筐体2が膨張した浮揚ガスのみを収容するまで続く。気密筐体2が浮揚ガスの第二の体積V2のみを含むようになると、可変揚力装置1の質量中心は再びセンタリングされ、すると可変揚力装置1は図3に示される垂直姿勢から図1に示される水平姿勢に切り替わる。
可変揚力装置1のこの反時計回りの回転を容易にするために、追加の傾斜装置7は図3に示される後退位置P2から図1に示される平衡位置P1に切り替わる。このようにして、可変揚力装置1の全体的質量中心はその平衡位置に戻り、可変揚力装置1は再び水平面に戻る。
追加の傾斜装置7の使用は、可変揚力装置1が図3に示される垂直姿勢から図1に示される水平姿勢に戻るのに必須ではない。実際に、可変揚力装置1は、浮揚ガスのみで満たされ、必然的に水平面上の平衡位置に戻る。しかしながら、追加の傾斜装置7は、水平面上の可変揚力装置1の正確な位置決めを確実にするための安全手段と考えることができる。
図4は、本発明の変形型による可変揚力装置1の概略図を示す。可変揚力装置1は、本発明の変形型によれば、空気を収容する加圧気密筐体2と、気密筐体2の中に配置され、空気の密度より低密度の加圧ガス、又は浮揚ガスを収容する第一の気密バロネット3と、を含む。前述のように、第一の気密バロネット3は、ある種のプラスチック又はその他のエラストマ等の弾性材料から得られ、第一の気密バロネット3を穿刺するための穿刺手段34を含む。
前述のように、可変揚力装置1は、船尾部6に設置されて、気密筐体2の内部に収容されている空気を可変揚力装置1の外部環境に排出できるようにする吐出し弁62と、可変揚力装置1の外側において気密筐体2の内面24に当接して設置された追加の傾斜装置7を含む。
図2に示される本発明とは異なり、可変揚力装置1の離陸前の段階中、気密バロネット3は当初、浮揚ガスで満たされる。それゆえ、離陸が行われ、上昇が始まるときに、浮揚ガスはすでに第一の気密バロネット3の中に含まれており、可変揚力装置1はより急速に垂直姿勢に置かれる。
しかしながら、可変揚力装置1の離陸中の水平姿勢から垂直姿勢への切替は、可変揚力装置1の船尾ユニット11が地面に当たって損傷し、又はさらには破壊されないようにするために制御しなければならない。
離陸が行われ、上昇が開始すると、可変揚力装置1は垂直に置かれる。すると浮揚ガスが膨張し、第一の気密バロネット3の体積が増大する。
前述のように、第一の気密バロネット3の体積の増大は、気密筐体2の内部に収容されている空気の体積が縮小することを意味し、これは、吐出し弁62による空気の外部環境への排出に反映される。
垂直姿勢になると、船首部5は可変揚力装置1の浮揚方向である上昇方向に向かい、他方で船尾部6は反対方向、すなわち地上へと向かう。
第一の気密バロネット3の体積の増大と並行する気密筐体2に収容された空気の体積の縮小は、第一の気密バロネット3が開くまで継続する。気密筐体2の第一の気密バロネット3の開放は、可変揚力装置1が可変揚力装置1の最終高度に高い高度とみなされる高度に到達すると行われる。
気密筐体2に収容される体積はすると、空気だけで満たされるのではなく、3つの体積に分割された状態となる。前述のように、すると、気密筐体2は、気密筐体2の中に依然として残っている空気の体積を示す第一の体積V1、第一の気密バロネット3から放出された浮揚ガスの体積を示す第二の体積V2、及び空気の第一の体積V1と浮揚ガスの第二の体積V2との間に挿入され、第一の気密バロネット3から放出された浮揚ガスと気密筐体2の中に当初収容されていた空気の混合物を示す第三の体積V3を含む状態となる。すると、第二の体積V2は、可変揚力装置1が上昇すると増大し、それゆえ、吐出し弁62により排出しなければならない空気の第一の体積V1に作用する。
気密筐体2はまた、第一の気密バロネット3のための引込み装置26も含む。引込み装置26によって、開いた第一の気密バロネット3が気密筐体2の船首部5の内面52に付着できる。そのようにして、第一の気密バロネット3は船首部5の内面52に当接するように固定され、気密筐体2の中で変位しない。
図5は、本発明による可変揚力装置1の内部の第一の気密バロネット3のための引込み装置26の概略図を示す。第一の気密バロネット3のための引込み装置26は、気密筐体2の船首部5の内面52と直接接触する巻付け器262と、その第一の端e1が巻付け器262と接触しているワイヤリンク264と、第二の端e2に設置されたストッパ装置268と、を含む。通し穴手段266が第一の気密バロネット3に当接して設置され、水平軸A1に沿って配列され、それによってワイヤリンク264が通し穴手段266の各々に通される。第一の気密バロネット3が開き、浮揚ガスがそこから漏出すると、巻付け器262が作動されてワイヤリンク264を巻き取る。ワイヤリンク264はしたがって、巻付け器262に向かって引っ張られ、ストッパ装置268も同様である。ストッパ装置268の寸法は通し穴手段266の穴より大きい。換言すれば、通し穴手段266は、ワイヤリンク264はそこを通って摺動できるが、ストッパ装置268は遮断するように構成される。ストッパ装置268を通過させない通し穴手段266はすると、それ自体は巻付け器262によって引っ張られるストッパ装置268の動作の後、1つずつ巻付け器262に向かって引っ張られる。ストッパ装置268が巻付け器262と接触すると、巻付け器262はワイヤリンク264を引っ張るのを停止し、第一の気密バロネット3は船首部5の内面52に対して引き込まれる。
1 可変揚力装置
2 気密筐体
3 第一の気密バロネット
4 第二の気密バロネット
5 船首部
6 船尾部
7 追加の傾斜装置
11 船尾ユニット
22 上面
24 底面
26 引込み装置
32 接合部
34 穿刺手段
36 開口
52 船首部の内面
62 吐出し弁
72 変位レール
74 傾斜マス
262 巻付け器
264 ワイヤリンク
266 通し穴手段
268 ストッパ装置
2 気密筐体
3 第一の気密バロネット
4 第二の気密バロネット
5 船首部
6 船尾部
7 追加の傾斜装置
11 船尾ユニット
22 上面
24 底面
26 引込み装置
32 接合部
34 穿刺手段
36 開口
52 船首部の内面
62 吐出し弁
72 変位レール
74 傾斜マス
262 巻付け器
264 ワイヤリンク
266 通し穴手段
268 ストッパ装置
Claims (11)
- −空気を収容する加圧気密筐体(2)と、
−前記気密筐体(2)の内部に配置され、空気の密度より低密度の加圧ガスを収容する第一の気密バロネット(3)であって、前記第一の気密バロネット(3)を穿刺するための、空気の密度より低密度の前記ガスを前記気密筐体(2)の中へと放出するように構成された穿刺手段(34)を含む第一の気密バロネット(3)と、
を含むことを特徴とする可変揚力装置(1)。 - 前記可変揚力装置(1)は、前記気密筐体(2)の内部に配置され、前記第一の気密バロネット(3)に流体接続される第二の気密バロネット(4)を含む、請求項1に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記気密筐体(2)は上面(22)を含み、前記第二の気密バロネット(4)は前記気密筐体(2)の前記上面(22)に当接して配置される、請求項2に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記気密筐体(2)は船首部(5)を含み、前記第一の気密バロネット(3)は前記気密筐体(2)の前記船首部(5)の内面(52)に当接して配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記気密筐体(2)は船尾部(6)を含み、少なくとも1つの吐出し弁(62)が前記気密筐体(2)の前記船尾部(6)に当接して配置される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記第一の気密バロネット(3)はプラスチック材料から製作される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記気密筐体(2)は、前記第一の気密バロネット(3)のための引込装置(26)を含み、前記第一の気密バロネット(3)のための前記引込み装置(26)は、前記気密筐体(2)の前記船首部(5)の前記内面(52)と直接接触する巻付け器(262)を含み、前記第一の気密バロネット(3)のための前記引込み装置(26)は、その第一の端e1が前記巻付け器(262)と接触するワイヤリンク(264)を含み、第二の端e2は前記第一の気密バロネット(3)と接触する、請求項4に記載の可変揚力装置(1)。
- 第一の長さ方向軸A1に沿って延び、前記可変揚力装置(1)に当接して配置される追加の傾斜装置(7)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記追加の傾斜装置(7)は、平衡位置P1から後退位置P2まで前記長さ方向軸A1に沿って横断移動できる、請求項8に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記第一の気密バロネット(3)を穿刺するための前記穿刺手段(34)は、コントローラを使って作動される、請求項1〜9のいずれか1項に記載の可変揚力装置(1)。
- 前記第一の気密バロネット(3)は交換可能である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の可変揚力装置(1)。
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FR2003569 | 2020-04-09 |
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