JP2002173092A - 飛行船及び該飛行船の上昇発進方法 - Google Patents
飛行船及び該飛行船の上昇発進方法Info
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Abstract
に、円滑な上昇飛行が可能になる飛行船及び飛行船の上
昇発進方法を提供する。 【解決手段】 飛行船1の気嚢2内を、外皮3の内周面
に接面可能な大きさを有する隔膜10によって浮揚気体
収容部11と空気収容部21に区画形成し、かつ浮揚気
体収容部11内の浮揚気体が膨張して水平姿勢状態で滞
空した際船体の浮力中心Bと質量中心Gが平面視略一致
し浮力中心Bの下方に質量中心Gを設定する。飛行船1
を垂直姿勢で上昇発進させ、空気収容部11内の空気を
空気用調圧弁24を介して排出することによる気嚢2内
の空気容積と浮揚気体容積の割合を可変制御することに
よる船体の浮力中心Bに質量中心Gが接近移動して飛行
船1を水平姿勢に姿勢制御をする。
Description
に気嚢内を隔膜によって浮揚気体収容部と空気収容部と
に区画する飛行船及び該飛行船の上昇発進方法に関す
る。
を必要とせず、騒音の発生が少なく、低速飛行であるこ
とから、比較的気圧変化の少ない低高度(高度数km)
での広告宣伝、イベント中継、監視、輸送や観光等に使
用されている。
船は、例えば船体内部にヘリウムガス等の浮揚気体を貯
留する気嚢を有し、この気嚢内の前部及び後部に船体の
バランスを保つ前方バロネット及び後方バロネットが各
々設けられ、薄膜によって形成されたこれら前方バロネ
ットと後方バロネットの容積を変えることによって、気
嚢内の浮揚気体の容積を可変制御して浮力を調整するよ
うに構成されている。
〜22km)に定点滞空して静止衛星のように電波中継
による情報通信、放送、写真やレーダ等の電磁波による
地表や気象観測、高層大気中の成分分析等の調査、また
高空を任意の点に移動かつ長時間の滞空が可能なことか
ら広範囲な測量、観測、調査、監視及び偵察等の任務を
比較的安価に達成できる成層圏用の飛行船が提案されて
いる。
面付近に比べ約14〜15分の1に希薄化する成層圏等
の高々度へ上昇する飛行船にあっては、浮力を発生させ
る浮揚気体の容積を地上に比べ成層圏において14〜1
5倍と大幅に変化させる機構が不可欠になり、重量の増
加を招き船体が巨大化される。また、滞空高度で水平姿
勢を保持するための姿勢制御機構が複雑で重量の増大を
招き更に船体の巨大化を招くことになる。
から船体構造の装備品の軽量化が要求され、成層圏用の
飛行船は小型軽量化された推進機による小推進力と浮上
に必要な最小限の浮力による操縦が余儀なくされて、操
縦能力が抑制される結果、飛行船が突風や横風を受けた
際に操縦安定性に影響を及ぼし、特に地上付近で突風や
横風等により流されて円滑な上昇飛行が妨げられること
が懸念される。
目的は、構成の簡素化及び軽量小型化が得られる共に、
円滑な上昇飛行が可能になる飛行船及び該飛行船の上昇
発進方法を提供することにある。
項1に記載の飛行船の発明は、垂直姿勢で上昇発進しか
つ水平姿勢で滞空する飛行船において、船体形状を形成
する外皮によって内部に密閉空間が形成された気嚢と、
上記外皮の内周面に外周端縁が接合支持され、かつ該外
周端縁が接合される部位を境に区分される外皮の各々の
内周面に接面可能な広さを有して上記気嚢内を浮揚気体
収容部と空気収容部とに区画する屈曲自在の柔軟な隔膜
とを備え、上記空気収容部内の空気を排出することによ
って上記浮揚気体収容部内の浮揚気体容積と空気収容部
内の空気容積との割合を可変制御して船体の浮力中心に
対する質量中心を相対移動させて姿勢制御することを特
徴とする。
空気を排出することによる気嚢内の空気容積と浮揚気体
容積の割合を可変制御することにより船体の浮力中心に
対する質量中心が相対移動して船体の姿勢制御がなされ
れる。この結果、複雑な姿勢制御機構が不要になり、飛
行船の構成の簡素化及び軽量小型化が得られる共に、垂
直姿勢で発進することによって、前面投影面積が小さな
垂直姿勢で上昇が開始されて飛行方向の空気抵抗が大幅
に減少して大きな上昇速度が得られ、地上付近における
横風や突風が懸念される領域から迅速に脱出して所定上
空まで上昇することができ、円滑に上昇飛行が可能にな
る。
船において、上記浮揚気体容積と空気容積との割合の可
変制御は、上記浮揚気体が浮揚気体収容部内に密封され
て収容され、気嚢の内圧と外気圧との差圧を制限差圧以
下に保持して排出することを特徴とする。
圧の減少による気嚢の内圧と外気圧との差圧を制限差圧
以下に保持しながら空気収容部内の空気を徐々に排出す
ることによって外皮に過度の張力を発生させることな
く、かつ急激な質量中心の移動が回避されて円滑な上昇
及び姿勢変化が得られる。
勢で上昇発進しかつ水平姿勢で滞空する飛行船におい
て、船体形状を形成する外皮によって内部に密閉空間が
形成された気嚢と、水平姿勢における該気嚢の略中間高
さ位置で上記外皮の内周面全周に亘って外周端縁が接合
支持され、かつ該外周端縁が接合される部位を境に上半
部分と下半部分に区分される外皮の各々の内周面略全面
に亘って接面可能な広さを有して気嚢内を上層の浮揚気
体収容部と下層の空気収容部とに区画する屈曲自在の柔
軟な隔膜と、上記外皮の上半部分に配設されて上記浮揚
気体収容部内に浮揚気体を注入する浮揚気体用注入弁
と、上記外皮の下半部分に配設されて上記空気収容部内
に空気を注入する空気注入弁と、上記外皮の下半部分に
配設されて上記空気収容部内の空気を排出する空気排出
制御手段とを備え、上記空気収容部内の空気を上記空気
排出制御手段を介して排出し、かつ浮揚気体収容部内の
浮揚気体が膨張して水平姿勢状態で滞空した際船体の浮
力中心と質量中心が平面視略一致し浮力中心の下方に質
量中心が位置することを特徴とする。
空気を空気排出制御手段を介して排出することによる気
嚢内の空気収容部に収容された空気容積と浮揚気体収容
部内の浮揚気体容積の割合が可変制御されて船体の浮力
中心に対する質量中心が次第に接近して船体の姿勢制御
がなされる。この結果、複雑な姿勢制御機構が不要にな
り、飛行船の構成の簡素化及び軽量小型化が得られる。
また、浮揚気体収容部内の浮揚気体が膨張して水平姿勢
状態で滞空した際船体の浮力中心と質量中心が平面視略
一致し浮力中心の下方に質量中心が位置することによっ
て飛行船を水平姿勢で滞空することができる。
大きな上昇速度が得られ、地上付近における横風や突風
が懸念される領域から迅速に脱出して所定上空まで上昇
することができる。
いて、 上記空気排出手段は、上記気嚢の内圧と外気圧
の差圧を上記空気収容部内の空気を排出して制限差圧以
下に調節する空気用調圧弁であることを特徴とする。
圧の減少による気嚢の内圧と外気圧との差圧を空気用調
圧弁によって制限差圧以下に保持しながら空気収容部内
の空気を徐々に排出することによって外皮に過度の張力
を発生させることなく、かつ急激な質量中心の移動が回
避されて円滑な上昇及び姿勢変化が得られる。
発明は、船体形状を形成する外皮によって内部に密閉空
間が形成された気嚢と、水平姿勢における該気嚢の略中
間高さ位置で上記外皮の内周面全周に亘って外周端縁が
接合支持され、かつ該外周端縁が接合される部位を境に
上半部分と下半部分に区分される外皮の各々の内周面略
全面に亘って接面可能な広さを有して気嚢内を上層の浮
揚気体収容部と下層の空気収容部とに区画する屈曲自在
の柔軟な隔膜と、上記外皮の上半部分に配設されて上記
浮揚気体収容部内に浮揚気体を注入する浮揚気体用注入
弁と、上記外皮の下半部分に配設されて上記空気収容部
内に空気を注入する空気注入弁と、上記外皮の下半部分
に配設されて上記空気収容部内の空気を排出する空気排
出制御手段とを備え、上記空気収容部に上記空気注入弁
から空気を注入すると共に浮揚気体収容部内に上記浮揚
気体注入弁から浮揚気体を注入し、該空気及び浮揚気体
が注入された上記飛行船を船首側を上方に垂直姿勢で放
球して上昇発進させ、上昇に伴って空気収容部内の空気
を空気排出手段から排出することを特徴とする。
船を上昇発進させる方法の発明であって、空気収容部に
空気用注入弁から注入すると共に浮揚気体収容部内に上
記浮揚気体用注入弁から浮揚気体を注入し、空気及び浮
揚気体が注入された上記飛行船を船首側を上方とする垂
直姿勢で放球して発進させ、上昇に伴って空気収容部内
の空気を空気排出制御手段から排出することによって、
垂直姿勢で発進上昇させ、かつ円滑に水平姿勢の滞空姿
勢に移行することができる。
船の上昇発進方法において、上記空気排出制御手段は、
上記気嚢の内圧と外気圧との差圧を上記空気収容部内の
空気を排出して制限差圧以下に調節する空気用調圧弁で
あって、上昇に伴う外気圧の減少に伴って空気収容部内
の空気を上記空気用調圧弁を介して排出することを特徴
とする。
よって上昇に伴う外気圧の減少による気嚢の内圧と外気
圧との差圧を制限差圧以下に保持しながら空気収容部内
の空気を徐々に排出することによって外皮に過度の張力
を発生させることなく、かつ空気排出による円滑な質量
中心の移動が可能になり、円滑な上昇及び姿勢変化が得
られる。
飛行船の上昇発進制御方法の実施の形態を図1乃至図7
によって説明する。
面図であり、図2、図3、図4は各々図1のI−I線断
面図、II−II線断面図、III−III線断面図で
ある。なお図中矢印Fは船首方向を示している。
による積層膜製の外皮3によって内部に密閉空間が形成
されて船体形状を形成する気嚢2を有している。気嚢2
は前後方向に長い略楕円球状乃至紡錘形状等の流線型で
縦断面形状が略円形に形成され、かつその中間高さ位置
2aから上方の上半部分と下方の下半部分が略対称形状
に形成されている。
その略中間高さ位置2aに沿って連続する内周面全周に
隔膜10の外周端縁が接合支持されている。外皮3は隔
膜10の外周端縁が接合される部位を境に上半部分3A
と下半部分3Bに区分され、かつ気嚢2内が隔膜10に
よって、隔膜10と外皮3の上半部分3Aとによって形
成された上層側の浮揚気体収容部11と、隔膜10と外
皮3の下半部分3Bによって形成された下層側の空気収
容部21とに区画されている。
遮断フィルムが積層された屈曲自在の柔軟膜によって形
成され、その展開形状は、空気収容室21内の空気を排
出して浮揚気体収容室11内にヘリウム等の浮揚気体を
充満させた際に図2乃至図4に実線10で示すように外
皮3の下半部分3Bの内周面略全面に亘って接面する一
方、浮揚気体収容部11内の浮揚気体を排出して空気収
容部21内に空気を充満させた際に図2乃至図4に一点
鎖線10aで示すように外皮3の上半部分3Aの内周面
略全面に亘って接面するように外皮1の上半部分3Aま
たは下半部分3Bの形状に近似させかつ若干大きめに形
成されている。
ときの風見安定用尾翼5を設けると共に、気嚢2の上面
上中央部に太陽電池モジュール6が張設され、下面に蓄
電池やミッション機器等の装備品搭載ペイロード7や推
進機8が配置されている。これら気嚢2、風見安定用尾
翼5、太陽電池モジュール6、装備品搭載ペイロード
7、推進機8等の装備品は、水平姿勢の滞空高度におけ
る船体の浮力中心Bの直下位置にガス質量を含めた全装
備品を総合した船体の質量中心Gが位置するように配置
されている。即ち、飛行船1が水平姿勢状態において、
空気収容部21内の空気を排出して浮揚気体収容部11
内に浮揚気体を膨張させて充満させることによって、気
嚢2内を浮揚気体で充満させた状態の浮力中心Bと平面
視状態で一致し、浮力中心Bの下方に質量中心Gが位置
するように各装備品が配置することによって重量が大で
かつ複雑な姿勢制御機構を要することなく滞空高度にお
ける飛行船1の水平姿勢が維持される。
浮揚気体収容部11内に浮揚気体を注入するための浮揚
気体用注入弁12、浮揚気体収容部11内の浮揚気体を
排出する浮揚気体用排出弁13、浮揚気体収容室11内
の浮揚気体を調圧するための浮揚気体用調圧弁14が各
々配設され、かつ上半部分3Aの船尾近傍に非常時に外
皮3を引き裂いて浮揚気体を排出する非常用の引き裂き
機構16が設けられている。
に空気収容部21内に空気を注入するための空気用注入
弁22、空気収容室21内の空気を排出する空気用排出
弁23、空気収容室21内の空気を排出制御して空気圧
を調整するための空気排出制御手段となる空気用調圧弁
24が各々配設されている。
上からの上昇発進方法について説明する。
例えば図5に示すようにハンガ30の前方支持部31及
び後方支持部32によって飛行船1の船首部及び船尾部
を保持して飛行船1を水平姿勢状態に固定し、空気用注
入弁21より乾燥空気を空気収容部21内に外気より若
干高い注入圧で注入加圧して図1乃至図4に隔膜10を
一点鎖線で示すように外皮3の上半部分3Aの内周面に
圧接する状態にして空気圧によって気嚢2の形状を保持
する。
から浮揚気体を外気より若干高い注入圧で浮揚気体収容
部11内に注入する。この浮揚気体の注入と同時に空気
用調圧弁24から空気収容部21内の空気を所定量排出
することによって空気容積を減らして、気嚢2内の圧力
上昇を抑制して気嚢2の内圧と外気圧との差圧、いわゆ
る内外差圧を一定に維持する。
前方支持部31による船首部の保持が解除され、気嚢2
内の浮揚気体収容部11内に収容された浮揚気体の浮力
によって飛行船1の船首部側が徐々に浮上せしめられ、
飛行船1は図5に二点鎖線1aで示すように水平姿勢か
ら次第に起立して船首を上方とする垂直姿勢で停止す
る。
保持が解除されて放球される。飛行船1は船体及び浮揚
気体収容部11内の浮揚気体による浮力から船体質量を
減じた浮力、即ち余剰浮力のみによって上昇を開始す
る。飛行船1の上昇に伴って外気圧が徐々に低下し、こ
の外気圧の低下に伴って気嚢2の内圧と外気圧との差圧
が徐々に増大する。この内外差圧の増大は、気嚢2内の
空気及び浮揚気体を膨張させてその容積を増大させて気
嚢2の外皮3に張力を発生させる。外皮3に発生する張
力が過大になると、外皮3の破損が誘発されることか
ら、内外差圧を安全余裕を考慮して所定の制限差圧以下
に保持するため空気用調圧弁24から徐々に空気収容部
21内の空気を排出して空気容積を減少する。
伴って発生する空気収容部21内の空気圧と浮揚気体収
容部11内の浮揚気体圧との差圧に従って浮揚気体収容
部11内の浮揚気体は、空気の排出によって減少した空
気収容部11の空気容積を補填すべく膨張して隔膜10
を徐々に空気収容部21側に押しやり気嚢2内の容積を
一定に維持して、気嚢2の形状を保持すると共に、気嚢
2内の圧力が低減されて内外差圧が制限差圧以下に保た
れる。
弁24からの空気収容部21内の空気排出を連続的に繰
り返すことによって、次第に空気収容部21内の空気容
積が減少し、その減少した空気容積を補填するように浮
揚気体収容部11内の浮揚気体が徐々に膨張して順次隔
膜10が空気収容部21側に押しやられて気嚢2内の容
積が一定に保持され、かつ気嚢2内の圧力が低減されて
外気との差圧が制限差圧以下に保たれた状態で例えば高
度17から22kmの成層圏にまで上昇できる。
び浮揚気体収容部11内の浮揚気体の膨張に伴う隔膜1
0の形状変化及び飛行船1の姿勢変化について図6に示
す隔膜変化及び船体姿勢変化の説明図及び、図7の地上
付近での浮力中心位置と質量中心位置との関係を示す説
明図によって説明する。
飛行船1が浮上開始する直前の船体姿勢を示し、(b)
及び(c)は上昇過程におけ船体姿勢状態、(d)は成
層圏における滞空姿勢を示している。
は、飛行船1は略垂直な船体姿勢に保持され、浮揚気体
収容部11内の浮揚気体が気嚢2内の上部に偏在するこ
とから浮揚気体収容部11と空気収容部21を区画する
隔膜10は、気嚢2内の浮揚気体容積と空気容積の割合
に応じて上部部分が外皮3の下半部分3Bの船首部近傍
内周面に押面されて張着し、かつ反転して中間部分から
下部部分に亘って外皮3の上半部分3Aの内周面に押接
されて接面される。
置関係について、図7によって説明する。図7の(a)
は、浮揚気体収容室10における浮力と重力との関係を
示し、(b)は空気収容室20の浮力と重力との関係を
示し、(c)は全装備の質量の位置を示し、(d)及び
(e)は各々船体全体の浮力及び重力の関係を示してい
る。
0には浮力b1と重力g1が作用し、同様に(b)に示
すように空気収容室20には浮力b2と重力g2が作用
し、かつ(c)に示すように気嚢2、風見安定用尾翼
5、太陽電池モジュール6、装備品搭載ペイロード7、
推進機8等の全装備品を総合した重力g3は船体下面側
に偏る位置に質量中心が位置している。従って、飛行船
1に作用する総浮力bは、(d)に示すようにb=b1
+b2である。一方、飛行船1に作用する総重力gは、
(e)に示すようにg=g1+g2+g3であって、そ
の浮力中心Bに対して質量中心Gは船尾寄りでかつ船体
下面側に変位している。
保持が解除されると、飛行船1は余剰浮力、即ち総浮力
bから総重力bを減じた余剰浮力によって略垂直姿勢で
上昇を開始する。飛行船1の上昇に伴って外気圧が徐々
に低下し、この外気圧の低下に伴って気嚢2の内圧と外
気圧との差圧が徐々に増大する。この差圧を所定の制限
差圧以下に維持するために上昇に伴って空気用調圧弁2
4の排出を制御して空気用調圧弁24から徐々に空気収
容部21内の空気を排出して空気容積を減らして気嚢2
内を減圧する。
伴って発生する浮揚気体収容部11内の浮揚気体圧と、
空気収容部21内の空気圧との差圧に従って浮揚気体収
容部11内の浮揚気体は、減少した空気容積を補填すべ
く膨張して隔膜10を徐々に空気収容部21側に押しや
り、次第に図6(c)及び(d)に示すように隔膜10
が船首部側から徐々に外皮3の下半部分3Bの内周面に
接面して張着し、かつ外皮3の上半部分3Aから離反さ
せて浮揚気体収容部11内の浮揚気体容積を増大させ
る。
首側からの空気容積の減少によって、船体の浮力中心B
の位置は変化しないものの、空気収容部21内に収容さ
れた空気の質量中心Gが徐々に船首方向に変移、即ち浮
力中心Bに接近移動する。この相対変移に伴って飛行船
1は徐々に垂直姿勢から水平姿勢に変化し、滞空高度に
て浮力中心Bの直下に質量中心Gが位置して重力が下方
に作用して飛行船1は水平姿勢となる。また、滞空高度
に達した後、浮揚気体排出弁13から余剰浮力分の浮揚
気体を排出して高度上昇を抑える。その後、推進機8を
作動させて定点滞空を行う。滞空中に気嚢2内の圧力が
上昇した場合には、浮揚気体用排出弁13から浮揚気体
収容部11内の浮揚気体を排出して規定した内外差圧を
維持する。
には、船尾部近傍に配設された引き裂き機構16により
外皮3を引き裂き、浮揚気体収容部11内の浮揚気体を
短時間で放出して、飛行船1を迅速に降下させて回収す
る。
進方向によると、上昇に伴って気嚢2内の空気収容部2
1内に収容された空気を上昇に伴って空気用調圧弁24
によって徐々に排出制御することによって、浮揚気体収
容部11内の浮揚気体容積が増大されて気嚢2の内外差
圧を制限以下に維持できると共に、浮揚気体収容部11
内の浮揚気体容積と空気収容部21内の空気容積の割合
が可変制御されて質量中心Gが緩やかに移動することに
よって発進時の垂直姿勢から滞空時の水平姿勢に円滑に
姿勢変化がなされ、船体姿勢制御するための姿勢制御機
構を要することなく飛行船1の構成の簡素化及び軽量小
型化が期待できる。
昇を開始することによって、飛行方向の空気抵抗が大幅
に減少し、限られた小さな浮力であっても大きな上昇速
度が得られ、地上付近における横風に流されて立木や建
築物に接触することが懸念される領域から迅速に脱出し
て所定上空まで上昇することができる。従って、飛行船
1を円滑に上昇せしめることができて、成層圏用の飛行
船1を安全に運行することができる。
船の上昇発進方法によると、気嚢内を隔膜によって浮揚
気体収容部と空気収容部に区画形成し、空気収容部内の
空気を排出することによる気嚢内の空気容積と浮揚気体
容積の割合を可変制御することによる船体の浮力中心に
対する質量中心の相対移動によって船体の姿勢制御をす
ることによって、複雑な姿勢制御機構が不要になり、構
成の簡素化及び軽量小型化が得られる共に、垂直姿勢で
発進することのよって、前面投影面積が小さな垂直姿勢
で上昇が開始され、その結果、飛行方向の空気抵抗が大
幅に減少して大きな上昇速度が得られ、地上付近におけ
る横風や突風が懸念される領域から迅速に脱出して所定
上空まで上昇することができ、円滑に上昇飛行が可能に
なる。
して水平姿勢状態で滞空した際船体の浮力中心と質量中
心が平面視略一致し浮力中心の下方に質量中心が設定さ
れることによって飛行船を水平姿勢で滞空することがで
きる。
法の実施の形態を説明する水平姿勢における飛行船の構
造を示す概略側面図である。
る。
図である。
示す説明図である。
置関係を示す説明図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 垂直姿勢で上昇発進しかつ水平姿勢で滞
空する飛行船において、 船体形状を形成する外皮によって内部に密閉空間が形成
された気嚢と、 上記外皮の内周面に外周端縁が接合支持され、かつ該外
周端縁が接合される部位を境に区分される外皮の各々の
内周面に接面可能な広さを有して上記気嚢内を浮揚気体
収容部と空気収容部とに区画する屈曲自在の柔軟な隔膜
とを備え、 上記空気収容部内の空気を排出することによって上記浮
揚気体収容部内の浮揚気体容積と空気収容部内の空気容
積との割合を可変制御して船体の浮力中心に対する質量
中心を相対移動させて姿勢制御することを特徴とする飛
行船。 - 【請求項2】 上記浮揚気体容積と空気容積との割合の
可変制御は、 上記浮揚気体が浮揚気体収容部内に密封されて収容さ
れ、気嚢の内圧と外気圧との差圧を制限差圧以下に保持
して排出することを特徴とする請求項1に記載の飛行
船。 - 【請求項3】 垂直姿勢で上昇発進しかつ水平姿勢で滞
空する飛行船において、 船体形状を形成する外皮によって内部に密閉空間が形成
された気嚢と、 水平姿勢における該気嚢の略中間高さ位置で上記外皮の
内周面全周に亘って外周端縁が接合支持され、かつ該外
周端縁が接合される部位を境に上半部分と下半部分に区
分される外皮の各々の内周面略全面に亘って接面可能な
広さを有して気嚢内を上層の浮揚気体収容部と下層の空
気収容部とに区画する屈曲自在の柔軟な隔膜と、 上記外皮の上半部分に配設されて上記浮揚気体収容部内
に浮揚気体を注入する浮揚気体用注入弁と、 上記外皮の下半部分に配設されて上記空気収容部内に空
気を注入する空気注入弁と、 上記外皮の下半部分に配設されて上記空気収容部内の空
気を排出する空気排出制御手段とを備え、 上記空気収容部内の空気を上記空気排出制御手段を介し
て排出し、かつ浮揚気体収容部内の浮揚気体が膨張して
水平姿勢状態で滞空した際船体の浮力中心と質量中心が
平面視略一致し浮力中心の下方に質量中心が位置するこ
とを特徴とする飛行船。 - 【請求項4】 上記空気排出手段は、 上記気嚢の内圧と外気圧の差圧を上記空気収容部内の空
気を排出して制限差圧以下に調節する空気用調圧弁であ
ることを特徴とする請求項3に記載の飛行船。 - 【請求項5】 船体形状を形成する外皮によって内部に
密閉空間が形成された気嚢と、 水平姿勢における該気嚢の略中間高さ位置で上記外皮の
内周面全周に亘って外周端縁が接合支持され、かつ該外
周端縁が接合される部位を境に上半部分と下半部分に区
分される外皮の各々の内周面略全面に亘って接面可能な
広さを有して気嚢内を浮揚気体収容部と空気収容部とに
上層と下層に区画する屈曲自在の柔軟な隔膜と、 上記外皮の上半部分に配設されて上記浮揚気体収容部内
に浮揚気体を注入する浮揚気体用注入弁と、 上記外皮の下半部分に配設されて上記空気収容部内に空
気を注入する空気注入弁と、 上記外皮の下半部分に配設されて上記空気収容部内の空
気を排出する空気排出制御手段とを備え、 上記空気収容部に上記空気注入弁から空気を注入すると
共に浮揚気体収容部内に上記浮揚気体注入弁から浮揚気
体を注入し、 該空気及び浮揚気体が注入された上記飛行船を船首側を
上方に垂直姿勢で放球して上昇発進させ、 上昇に伴って空気収容部内の空気を空気排出手段から排
出することを特徴とする飛行船の上昇発進方法。 - 【請求項6】 上記空気排出制御手段は、 上記気嚢の内圧と外気圧との差圧を上記空気収容部内の
空気を排出して制限差圧以下に調節する空気用調圧弁で
あって、 上昇に伴う外気圧の減少に伴って空気収容部内の空気を
上記空気用調圧弁を介して排出することを特徴とする請
求項5に記載の飛行船の上昇発進方法。
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