JP2021165596A - 傘の滴取り方法、及び傘の滴取り器 - Google Patents

傘の滴取り方法、及び傘の滴取り器 Download PDF

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【課題】滴取りをする傘が、長傘又は折り畳み傘のどちらであっても、共通の差し入れ口から同じように差し入れて、それぞれの傘に必要な操作を行うことで、滴取りをすることができる傘の滴取り器を提供する。【解決手段】傘の滴取り器Aは、閉じた長傘の傘地部を含む所要部分を収容可能な収容部13、収容部13の上部に位置し、閉じた折り畳み傘が差し入れ口21から差し入れ可能で、折り畳み傘の傘地部がほぼ収容可能な差し入れ空間部22、及び収容部13の下部に位置し、差し入れ空間部22と連通する抜き差し空間部131を有する外箱1と、差し入れ空間部22と抜き差し空間部131の間に介在させてあり、長傘の先部の傘地部を通し部31に通し、抜き差し空間部131へ抜き差しして通し部31の周りに傘地部を接触させることにより滴取りをする滴取り部材3と、抜き差し空間部131の下部に配置されている貯水体4を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、傘の滴取り方法、及び傘の滴取り器に関するものである。詳しくは、滴取りをする傘が、長傘又は折り畳み傘のどちらであっても、共通の差し入れ口から同じように差し入れて、それぞれの傘に必要な操作を行うことで、滴取りをすることができるものに関する。
多くの大型店舗や各種施設などでは、雨天時には、合成樹脂フィルムでつくられた袋状の傘入れが備えられている。そして、客や利用者が傘を持ち込む際には、滴が垂れて床などを濡らすことを最小限に抑えるために、傘をこの傘入れに入れて持ち歩くようになっている。しかし、近年においては、プラスチックの廃棄、又は投棄による環境汚染が問題視されており、また、省資源の観点からも、このような傘入れは、徐々に排除される方向にある。
その状況を改善するものとして、例えば特許文献1に記載された傘除水機が提案されている。この傘除水機は、挿入孔に先端から挿入された閉じた状態の傘を収容する箱体と、箱体の内部に設けられ傘の石突きを保持する石突き保持部と、石突き保持部を移動可能に支持する移動手段と、石突き保持部を挿入孔の方向に付勢する付勢手段と、挿入孔に形成され傘の持ち手部又は中棒を載置する載置部と、傘地部に向けてエアーを噴出するエアー噴出部とを有する。
傘除水機は、この構成を備えることで、挿入孔から入れた傘の除水を行うことができ、かつ石突き保持部を移動調整することにより、傘の長短に関わらず、使用可能とされている。また、この傘除水機を使用することにより、雨天時において、各種施設等で上記したような袋状の傘入れなどを使用する必要がない。
特開2009−250513号公報
株式会社アルファエコのホームページ、傘の滴取り器、[令和2年2月20日検索]、インターネット(URL:http://alpha-eco.jp/product/#product-line-up)
しかしながら、特許文献1に記載の傘除水機には、次のような課題があった。
すなわち、傘除水機は、傘の石突きを石突き保持部に保持させ、電動のブロワで下方から送風し、傘を回転させることで、傘地部表面に付着している滴を吹き飛ばして除水(滴取り)をするようになっている。しかし、このときに、風圧で傘地部が大きく変形したり、はためいたりして、傘を入れる挿入孔から滴が飛び出し、使用者が濡れてしまうことが少なからずあった。
また、折り畳み傘の除水を行う場合、折り畳み状態では各親骨の中間部が外側へ折れているので、下方からの風を受けると傘地部が拡がって挿入孔を塞いでしまうため、送風して滴を除去するのには無理があった。また、長傘の場合も、特許文献1の図2に示されているように露先まで箱体に入れてしまうと、挿入孔からの傘の取り出しの際に、拡がった位置にある各露先が邪魔になるため、親骨を閉じる一手間をかけないと取り出すことができない面倒もあった。
なお、電気を使わず長傘と折り畳み傘の両方の滴取りができるものとして、例えば非特許文献1には、長傘と折り畳み傘の滴取りをするための差し入れ口を並設した傘の滴取り器が開示されている。このように長傘用と折り畳み傘用の差し入れ口を並設したものでは、滴取り器が大型化するため、施設の玄関などに設置したときの空間占有率が大きくなり、施設によっては人の出入りの邪魔になりやすいという問題があった。
本発明は、以上の点を鑑みて創案されたものであり、滴取りをする傘が、長傘又は折り畳み傘のどちらであっても、共通の差し入れ口から同じように差し入れて、それぞれの傘に必要な操作を行うことで、滴取りをすることができると共に、長傘と折り畳み傘の兼用型でありながら、滴取り器をコンパクトにつくることを可能にした、傘の滴取り方法、及び傘の滴取り器を提供することを目的とするものである。
(1)上記の目的を達成するために本発明に係る傘の滴取り方法は、滴取りをする傘が長傘のときは、外箱内に設けられた収容部の上部に位置する差し入れ空間部に、閉じた前記長傘を差し入れ口から差し入れて、先部の傘地部を前記差し入れ空間部の下方に配置された滴取り部材の通し部に通し、前記滴取り部材の下方にある抜き差し空間部へ抜き差しして前記滴取り部材に接触させることにより滴取りをし、滴取りをする傘が折り畳み傘のときは、前記差し入れ空間部に閉じた前記折り畳み傘を前記差し入れ口から差し入れ、前記差し入れ空間部の内部で動かして滴を振り落とすことにより滴取りをする工程を備える。
本発明の傘の滴取り方法では、滴取りをする傘が長傘のときは、外箱内に設けられた収容部の上部に位置する差し入れ空間部に、閉じた長傘を差し入れ口から差し入れる。そして、長傘の先部の傘地部を、差し入れ空間部の下方に配置された滴取り部材の通し部に通し、滴取り部材の下方にある抜き差し空間部へ抜き差しする。これにより、長傘は、傘地部が滴取り部材の通し部周りに接触して擦られ、滴取りをすることができる。
また、滴取りをする傘が折り畳み傘のときは、差し入れ空間部に閉じた折り畳み傘を差し入れ口から差し入れる。閉じた折り畳み傘は、そのほぼ全体が差し入れ空間部に収まる。そして、折り畳み傘は、差し入れ空間部の内部で動かして滴を振り落とすことにより、滴取りをすることができる。
このように、傘の滴取り方法は、滴取りをする傘が、長傘又は折り畳み傘のどちらであっても、共通の差し入れ口から同じように差し入れ、差し入れ空間部内においてそれぞれの傘に必要な操作を行うことで、滴取りをすることができる。つまり、使用者は、傘の滴取りを行う際に、従来のように、傘の種類に合った差し入れ口を、その都度選択する必要がなく、迷うこともないので、効率よく傘の滴取りをすることができる。
また、傘の滴取り方法は、従来のように、滴取りをする対象となる長傘と折り畳み傘のそれぞれに対応して複数の差し入れ口を装備した構成とはなっていない。つまり、差し入れ口と、それにつながる差し入れ空間部、滴取り部材、及び抜き差し空間部を一組設けて、それを共用することができるので、長傘と折り畳み傘の兼用型の滴取り器をコンパクトにつくることが可能になる。
(2)上記の目的を達成するために本発明に係る傘の滴取り器は、閉じた状態の長傘の傘地部を含む所要部分を収容可能な収容部、前記収容部の上部に位置し、閉じた状態の長傘と折り畳み傘が差し入れ口から差し入れ可能で、前記折り畳み傘の傘地部がほぼ収容可能な差し入れ空間部、及び前記収容部の下部に位置し、前記差し入れ空間部と連通する抜き差し空間部を有する外箱と、前記差し入れ空間部と前記抜き差し空間部の間に介在させてあり、前記長傘の先部の傘地部を通し部に通し、抜き差し空間部へ抜き差しして前記通し部の周りに傘地部を接触させることにより滴取りをする滴取り部材と、前記抜き差し空間部の下部に配置されている貯水部とを備える。
本発明の傘の滴取り器は、外箱が、閉じた状態の長傘の傘地部を含む所要部分を収容可能な収容部を有することで、スタンダードな長傘の所要部分、つまり手元を除く大部分を収容部に収容した状態とすることが可能になる。
次に、外箱が、収容部の上部に位置し、閉じた状態の折り畳み傘が差し入れ口から差し入れ可能で、折り畳み傘の傘地部がほぼ収容可能な差し入れ空間部を有することで、閉じた折り畳み傘を差し入れ口から差し入れることができ、差し入れ空間部に所要部を収容した状態での滴取りをすることができる。
また、外箱が、収容部の下部に位置し、差し入れ空間部と連通する抜き差し空間部を有することで、差し入れ空間部の下方に、長傘の抜き差しのための空間的な余裕が得られ、長傘の抜き差しを支障なく行うことができる。
更に、差し入れ空間部と抜き差し空間部の間に介在させてあり、長傘の先部の傘地部を通し部に通し、抜き差し空間部へ抜き差しして通し部の周りに傘地部を接触させることにより滴取りをする滴取り部材を備えることで、長傘の滴取りをする際に、差し入れ口から差し入れ空間部に差し入れて、先部の傘地部を滴取り部材の通し部に抜き差しして滴取り部材に接触させることにより、滴取りをすることができる。
また、抜き差し空間部の下部に配置されている貯水部を備えることで、傘の滴取りを行うことにより、落ちる水を一旦貯留することができるので、それを捨てる処理も容易に行うことが可能になる。
このように、傘の滴取り器は、滴取りをする傘が、長傘又は折り畳み傘のどちらであっても、共通の差し入れ口から同じように差し入れ、差し入れ空間部内においてそれぞれの傘に必要な操作を行うことで、滴取りをすることができる。つまり、使用者は、傘の滴取りを行う際に、従来のように、傘の種類に合った差し入れ口を、その都度選択する必要がなく、迷うこともないので、効率よく傘の滴取りをすることができる。
また、傘の滴取り器は、従来のように、滴取りをする対象となる長傘と折り畳み傘のそれぞれに対応して複数の差し入れ口を装備した構成とはなっていない。つまり、差し入れ口と、それにつながる差し入れ空間部、滴取り部材、及び抜き差し空間部を一組設けて、それを共用することができるので、長傘と折り畳み傘の兼用型の滴取り器をコンパクトにつくることが可能になる。
(3)本発明に係る傘の滴取り器において、前記差し入れ空間部は、上部が前記差し込み口として開口し、下方へ窄まった筒状の集水体で形成されている構成としてもよい。
この場合は、長傘又は折り畳み傘の傘地部から振り落とされた滴が、集水体の下り傾斜した内面に付着し、下方へ誘導される。そして、滴は滴取り部材の通し部を通って落下し、貯水部に溜まる。
(4)本発明に係る傘の滴取り器において、前記滴取り部材は柔軟性、及び撓み性を有する材料で形成され、前記通し部は、その表裏面を貫通した複数の切り込みを略中央で交差させて放射状に形成した構成としてもよい。
この場合は、長傘の先部を通し部に入れると、各切り込みで形成された小片部が反発力に抗して変形し、穴が開く。この穴に長傘を更に差し入れるようにして抜き差しすると、各小片部は、それに伴って上下方向へ交互に撓み変形し、開いたり閉じたりして、傘地部に接触した状態で傘地部によって擦られる。
これにより、傘地部に付着していた滴(水滴)は、傘地部から離れる。そして、滴取りの終了後、長傘を通し部から抜き取ると、各小片部はその柔軟性と撓み性により元の形状(例えば各小片部が平坦になった状態)に戻る。
(5)本発明に係る滴取り器において、前記滴取り部材は、吸水性材料で形成されている構成としてもよい。
この場合は、上記のように通し部で長傘を抜き差しして、吸水性材料で形成されている各小片部が、傘地部に接触した状態で傘地部によって擦られることにより、傘地部に付着していた滴は、滴取り部材に吸収される。
(6)本発明に係る滴取り器において、前記滴取り部材は、撥水性材料で形成されている構成としてもよい。
この場合は、上記のように通し部で長傘を抜き差しして、撥水性材料で形成されている各小片部が、傘地部に接触した状態で傘地部によって擦られることにより、傘地部に付着していた滴は、各小片部の表面に弾かれ、ほとんど残ることもなく、傘地部から離れて落ちる。
本発明は、滴取りをする傘が、長傘又は折り畳み傘のどちらであっても、共通の差し入れ口から同じように差し入れて、それぞれの傘に必要な操作を行うことで、滴取りをすることができると共に、長傘と折り畳み傘の兼用型でありながら、滴取り器をコンパクトにつくることを可能にした、傘の滴取り方法、及び傘の滴取り器を提供することができる。
本発明に係る傘の滴取り器の一実施の形態を示す斜視分解説明図である。 外箱内部の収容部に差し入れ空間部を形成する集水体の斜視図である。 滴取り部材の取り付け構造を示す分解説明図である。 傘の滴取り器の縦断面説明図である。 傘の滴取り器の使用方法を示しており、(a)は長傘の滴取りをしている状態の説明図、(b)は折り畳み傘の滴取りをしている状態の説明図である。
図1乃至図4を参照して、本発明の実施の形態を更に詳細に説明する。
傘の滴取り器Aは、塗装された木製の板で形成された、外形が略直方体形状の外箱1を備えている。外箱1は、ほぼ四角筒形状の枠体10を有している。なお、枠体10は、四角筒以外の他の多角筒形状であってもよいし、円筒形状或いは楕円筒形状であってもよい。
枠体10の最下部には、底板11が水平に固定されている。また、枠体10の中段部には、中心部に円形の貫通孔121が形成された中底板12が水平に固定されている。つまり、底板11と中底板12は、それぞれ枠体10を構成している四枚の側板(符号省略)と直角に設けられている。
外箱1の内部は、収容部13となっている。収容部13は、上記底板11と中底板12で区画されており、中底板12と底板11の間に形成された抜き差し空間部131と、中底板12の上方に形成された上部空間部132を有する。上部空間部132には、後で説明するように、内部に取り付けられる集水体2によって差し入れ空間部22が形成される。
枠体10の背面側(図1で手前左側)の側板(符号省略)の下部(中底板12より下側)には、上記抜き差し空間部131へ通じる四角形の出し入れ口14が、側板のほぼ全幅にわたり形成されている。また、出し入れ口14の下部には、幕板15が底板11から立ち上げて設けてある。
抜き差し空間部131には、上部が開口した箱状の貯水体4が出し入れ口14から収容され、底板11に落とし込むようにして収められている。貯水体4の深さは、空間に余裕を持たせて、抜き差し空間部131の深さの1/4程度に設定されており、貯水体4の出し入れがしやすいようになっている。また、貯水体4は、傘から落ちる滴を溜めることができるように水密な構造としてある。
そして、中底板12の上面には、円形のシート状の滴取り部材3がネジ止めされている(図1、図3参照)。滴取り部材3の中央部には、表裏面を貫通した複数の切り込み310を略中央で交差させて放射状に形成した通し部31が設けられている。滴取り部材3の直径は、中底板12の一辺の長さとほぼ同じ長さに形成され、滴取り部材3を中底板12に固定したときの通し部31は、その中心を貫通孔121の中心に合わせてある。
また、通し部31を構成する各切り込み310の各外端部は、ほぼ円を形成するように並んでおり、その円の直径は、貫通孔121の直径よりやや径小な円内に収まるようにしてある。これにより、通し部31に長傘を抜き差しするときに、傘地部が貫通孔121の孔縁に擦れて傷むことを抑制できると共に、通し部31周りと傘地部が密着して吸水しやすくなる。
なお、滴取り部材3は、所要厚さを有する吸水性材料でつくられており、所要の柔軟性と撓み性を有している。滴取り部材3の材料としては、柔軟性と撓み性、及び吸水性を有するものであれば、特に限定するものではなく、例えば連続気泡ゴムスポンジを採用できる。また、吸水性材料に限らず、撥水性材料を採用することもでき、この場合は、傘地部に付着した滴を擦り落とすようにして滴取りをすることができる。
滴取り部材3の通し部31は、各切り込み310を設けることで、周方向に八枚形成された小片部32を有している。各小片部32は、長傘の先部を通し部に入れると、反発力に抗して下方へ変形し、長傘が通る穴を開けることができる。そして、通し部31から長傘を抜き取ると、各小片部32の変形は元に戻り、滴取り部材3は平坦になる。
なお、上記抜き差し空間部131は、滴取り部材3の通し部31を介して、差し入れ空間部22と連通している。このように、差し入れ空間部22が抜き差し空間部131につながることで、通し部31の先側(下方)に空間の余裕があるので、長傘の先部の傘地部を通し部31に通して抜き差しすることが可能になる。
また、枠体10の収容部13の上部空間部132上部には、四角形の取付枠16が縁部に沿って固定されている。取付枠16は、金属製(ステンレススチール等)で、内縁部は長傘と折り畳み傘を差し入れ可能な四角形の差し入れ口21を形成している。
上部空間部132の内部には、下方へ窄まった金属製(ステンレススチール等)の四角筒状の集水体2が配置されている(図1、図2、図4等参照)。集水体2の内方は、内面に後述する吸水体24を張設した状態で、滴取りをする長傘、及び折り畳み傘を差し入れる上記差し入れ空間部22となる。
集水体2は、上部開口部(符号省略)の四辺の縁部に取り付け用の複数のボルト穴(符号省略)を有しており、枠体10の上部開口部の内面(符号省略)に対し、ネジ(符号省略)によって着脱可能に固定されている(図4参照)。
集水体2は、枠体10に取り付けられた状態で、その下端部にある径小側の排出口23の縁部と、上記中底板12の上面にある滴取り部材3との間に若干の隙間(符号省略)が形成されている(図4参照)。なお、この排出口23を構成する縁部の高さは、長傘と折り畳み傘の滴取りに支障がなければ、適宜高さに設定できる。
また、排出口23の端部の径(一辺の長さ)は、長傘を滴取り部材3の通し部31に差し込むときに、長傘が通し部31の中心からずれにくいように、中心を同じにして貫通孔121の直径よりやや小さく形成されている(図4参照)。
本実施の形態では、集水体2の内面には、シート状の吸水体24が張設されている。吸水体24の材料としては、適宜除水が可能であれば特に限定はしないが、例えば布や連続気泡ゴムスポンジ等を採用することができる。なお、図1、図2では、図示の便宜上、吸水体24の図示を省略している。
また、吸水体24の外面形状は、集水体2の内面形状とほぼ同じ形状に形成されている。吸水体24は、下端部の排出口(符号省略)の一部を集水体2の排出口23から出して集水体2に収められ、上部の縁部がネジによって取付枠16に固定されている(図4参照)。
なお、吸水体24は、付着した滴が弾かれて下方へ誘導されて集まるように、撥水性を有する材料で代替することもできる。集水体2の材料としては、撥水性を有していれば、特に限定するものではなく、例えば金属や合成樹脂等が適宜採用できる。また、集水体2に内張りをせず、集水体2の材料であるステンレススチールを露出したままで使用することもできる。
(作用)
図1乃至図5を参照して、傘の滴取りをする際の傘の滴取り器Aの使用方法、及び作用を説明する。
(a)長傘U1の滴取りをする場合
主に図5(a)を参照する。
まず、雨天下で使用した長傘U1を閉じて、傘の滴取り器Aの外箱1内に設けられた差し入れ空間部22に、差し入れ口21から、石突きを下に向けて差し入れる。
次に、長傘U1を更に差し込んで、長傘U1の先部を中底板12上面の滴取り部材3の通し部31に差し込み、抜き差しをするようにして上下に動かす。このとき、長傘U1の先部の傘地部は、滴取り部材3の各小片部32と接触し、各小片部32は、傘地部との接触状態をほぼ維持したままで、長傘U1の抜き差しに伴って上下方向へ交互に撓み変形をして、開いたり閉じたりする。
これにより、滴取り部材3の各小片部32は、変形を繰り返しながら傘地部から滴を擦り落とし、或いは滴を吸い取って滴取りをすることができる。なお、このときに、長傘U1の傘地部から落ちた滴と、各小片部32に吸い取られ保水の限界を超えたときに順次滴下する滴は、通し部31と貫通孔121を通り抜けて貯水体4の中に入る。
長傘U1の傘地部の滴取りをした後は、長傘U1を差し入れ口21から取り出す。そして、傘の滴取りを多く行って、貯水体4に所定の量の水が溜まったら、貯水体4を取り出して、内部の水を捨てるようにする。
(b)折り畳み傘U2の滴取りをする場合
主に図5(b)を参照する。
まず、雨天下で使用した折り畳み傘U2を閉じる。次に、傘の滴取り器Aの外箱1内に設けられた差し入れ空間部22に、差し入れ口21から、折り畳まれて短くなっている折り畳み傘U2を、石突きを下に向けて差し入れる。
そして、差し入れ空間部22の内部で折り畳み傘U2を上下に動かしたり回転させたりして振り動かすことにより、傘地部から滴を振り落として滴取りをする。
折り畳み傘U1の傘地部から落ちた滴は、集水体2に張設されている吸水体24の内面に当たり吸収される。なお、吸水体24の保水の限界を超えたときに順次離れる水滴は、集水体2によって下方へ誘導され、通し部31と貫通孔121を通り抜けて貯水体4の中に入る。
折り畳み傘U2の滴取りをした後は、折り畳み傘U2を差し入れ口21から取り出す。
そして、貯水体4に所定の量の水が溜まったら、貯水体4を取り出して、内部の水を捨てるようにする。
このように、傘の滴取り器Aは、滴取りをする傘が、長傘U1又は折り畳み傘U2のどちらであっても、共通の差し入れ口21から、差し入れ口21からつながる差し入れ空間部22内に同じように差し入れ、それぞれの傘で上記したような必要な操作を行うことで、滴取りをすることができる。
つまり、使用者は、傘の滴取りを行う際に、従来のように、傘の種類に合った差し入れ口を、その都度選択する必要がなく、迷うことも間違うこともないので、効率よく傘の滴取りをすることができる。
更に、傘の滴取り器Aは、従来のように、滴取りをする対象となる長傘U1と折り畳み傘U2のそれぞれに対応して複数の滴取り部を装備した構成とはなっていない。つまり、傘の滴取り器Aの滴取り部は、差し入れ口21と、それにつながる差し入れ空間部22、滴取り部材3、及び抜き差し空間部131を一組設けて、それを共用することができるので、長傘U1と折り畳み傘U2の兼用型の滴取り器をコンパクトにつくることが可能になる。
本明細書、及び特許請求の範囲で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書、及び特許請求の範囲に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
A 傘の滴取り器
1 外箱
10 枠体
11 底板
12 中底板
121 貫通孔
13 収容部
131 抜き差し空間部
132 上部空間部
14 出し入れ口
15 幕板
16 取付枠
2 集水体
21 差し入れ口
22 差し入れ空間部
23 排出口
24 吸水体
3 滴取り部材
31 通し部
310 切り込み
32 小片部
4 貯水体

Claims (6)

  1. 滴取りをする傘が長傘のときは、外箱内に設けられた収容部の上部に位置する差し入れ空間部に、閉じた前記長傘を差し入れ口から差し入れて、先部の傘地部を前記差し入れ空間部の下方に配置された滴取り部材の通し部に通し、前記滴取り部材の下方にある抜き差し空間部へ抜き差しして前記滴取り部材に接触させることにより滴取りをし、滴取りをする傘が折り畳み傘のときは、前記差し入れ空間部に閉じた前記折り畳み傘を前記差し入れ口から差し入れ、前記差し入れ空間部の内部で動かして滴を振り落とすことにより滴取りをする工程を備える
    傘の滴取り方法。
  2. 閉じた状態の長傘の傘地部を含む所要部分を収容可能な収容部、前記収容部の上部に位置し、閉じた状態の長傘と折り畳み傘が差し入れ口から差し入れ可能で、前記折り畳み傘の傘地部がほぼ収容可能な差し入れ空間部、及び前記収容部の下部に位置し、前記差し入れ空間部と連通する抜き差し空間部を有する外箱と、
    前記差し入れ空間部と前記抜き差し空間部の間に介在させてあり、前記長傘の先部の傘地部を通し部に通し、抜き差し空間部へ抜き差しして前記通し部の周りに傘地部を接触させることにより滴取りをする滴取り部材と、
    前記抜き差し空間部の下部に配置されている貯水部とを備える
    傘の滴取り器。
  3. 前記差し入れ空間部は、上部が前記差し込み口として開口し、下方へ窄まった筒状の集水体で形成されている
    請求項2記載の傘の滴取り器。
  4. 前記滴取り部材は柔軟性、及び撓み性を有する材料で形成され、前記通し部は、その表裏面を貫通した複数の切り込みを略中央で交差させて放射状に形成されている
    請求項2又は3記載の傘の滴取り器。
  5. 前記滴取り部材は、吸水性材料で形成されている
    請求項2、3又は4記載の傘の滴取り器。
  6. 前記滴取り部材は、撥水性材料で形成されている
    請求項2、3又は4記載の傘の滴取り器。
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