JP2021163781A - 固体電解コンデンサ及び製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサ及び製造方法 Download PDF

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優作 伊藤
Yusaku Ito
瑞希 岡元
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宏次 芦野
Koji Ashino
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Abstract

【課題】漏れ電流を低減させた固体電解コンデンサを提供する。【解決手段】引出端子6−1を接続した上で陽極側の電極箔を巻回することで、巻回体11を形成する。引出端子6−1を中心に形成され、巻回体11の導出端面12から反対面を貫いて延びる孔部7−1が作出される。この孔部7−1に対し、孔部7−1を閉蓋する充填剤8を、導出端面12側に塗布する。充填剤8を塗布する充填工程の後、固体電解質を形成する溶液に巻回体11を浸漬する。【選択図】図4

Description

本発明は、導電性高分子を含む固体電解質を有する巻回形の固体電解コンデンサ及び製造方法に関する。
タンタル或いはアルミニウム等の弁作用金属を利用する電解コンデンサは、陽極側対向電極としての弁作用金属を焼結体或いはエッチング箔等の形状にして拡面化することにより、小型で大きな容量を得られる。特に、固体電解コンデンサは、小型、大容量、低等価直列抵抗であることに加えて、チップ化しやすく、表面実装に適している等の特質を備えており、電子機器の小型化、高機能化、低コスト化に欠かせない。
固体電解質としては、二酸化マンガンや7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(TCNQ)錯体が知られている。近年は、陽極側の電極箔の表面に形成された誘電体酸化被膜との密着性に優れたポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)等の、π共役二重結合を有するモノマーから誘導された導電性高分子が固体電解質として急速に普及している。導電性高分子には化学酸化重合又は電解酸化重合の際に、有機スルホン酸等のポリアニオンがドーパントとして用いられ、高い導電性が発現する。
更に、陽極箔と陰極箔とを対向させたコンデンサ素子に固体電解質層を形成すると共に、コンデンサ素子の空隙に電解液を含浸させた所謂ハイブリッドタイプの固体電解コンデンサも提案されている(例えば特許文献1参照)。この電解液も併用した固体電解コンデンサには、電解液によって誘電体酸化被膜の欠陥部修復作用が付与され、固体電解コンデンサの漏れ電流が低減する。
特開2006−114540号公報
以下、固体電解質層のみの固体電解コンデンサ及び固体電解質層と電解液とを併用した固体電解コンデンサを、単に固体電解コンデンサとも呼ぶ。固体電解コンデンサの分野では漏れ電流の更なる低減が常に求められている。しかしながら、電解液による欠陥部の修復は、固体電解質のみの固体電解コンデンサでは期待できない。また、電解液を併用した固体電解コンデンサであっても、欠陥部の存在箇所が電解液で満たされていない場合には、その欠陥部の修復は期待できない。
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、漏れ電流を低減させた固体電解コンデンサを提供することにある。
巻回形の固体電解コンデンサの場合、巻回時に引出端子が誘電体酸化被膜に欠陥部を生じさせている。引出端子による欠損部は、巻回時に陽極箔全体に加わる曲げ応力に起因する損傷部と比較して、固体電解コンデンサの製造工程の誘電体酸化被膜の修復工程においても完全には修復され難い場合がある。また、固体電解コンデンサを回路基板等の配線板に配置する際、引出端子に応力が加わり、その応力が引出端子と陽極箔との接触部に伝わることで、陽極箔表面の誘電体酸化被膜を損傷させる場合がある。本発明者らは、このような欠陥部の事情と、欠陥部が固体電解コンデンサの漏れ電流増大の一因になっていることを突き止めた。しかも、鋭意研究の結果、この漏れ電流の増大は、欠陥部付近に導電性高分子が存在し、欠陥部付近に電解液が少ないか又は無い場合に生じるとの知見を得た。換言すれば、欠陥部付近に導電性高分子が不存在であれば、漏れ電流は抑制できるとの知見を得た。
これは、陽極箔と陰極箔の一対の電極箔を巻回して成る巻回体においては、電極箔が引出端子との接続部を中心に湾曲するので、引出端子の幅方向の端部、換言すれば巻回体の周方向の端部と電極箔とが離間し、生じた隙間には導電性高分子や電解液が流れ込みやすく、電解質として導電性高分子のみを用いた場合は欠陥部付近に導電性高分子が付着しやすい状態となるからである。電解液を併用した固体電解コンデンサであっても、導電性高分子を形成する溶液を巻回体に先に含浸させた後に、電解液を含浸させるので、引出端子と電極箔との隙間に導電性高分子が詰まり、電解液が染み込み難くなるので、引出端子が生じさせた欠陥部に導電性高分子が存在する場合、漏れ電流が発生してしまう。
本発明は、この知見に基づきなされたものであり、陰極箔と、誘電体酸化被膜が形成された陽極箔と、前記陰極箔に接続される陰極側引出端子と、前記陽極箔に接続される陽極側引出端子と、前記陰極箔と前記陽極箔とを含む巻回体と、前記巻回体内に形成され、導電性高分子を含む固体電解質と、前記巻回体に巻き込まれた前記陽極側引出端子を中心に形成され、前記巻回体の前記陽極側引出端子が導出する端面から反対面を貫いて延びる孔部と、前記孔部を塞ぐ充填剤と、を備えること、を特徴とする。
導電性高分子を形成する溶液に巻回体を浸漬したときには、孔部が塞がれることで、当該溶液が孔部内を吸い上がっていくことが抑制され、巻回体の引出端子が導出する端面と反対の端面側からセパレータによって、端面全体から均等に当該溶液が吸い上げられる。そのため、当該溶液が孔部から集中的に吸い上がらず、引出端子により生じた欠陥部付近にまで当該溶液が至らない。そのため、欠陥部付近に導電性高分子が不存在となり、漏れ電流が抑制される。
前記充填剤は、前記陽極側引出端子が導出する端面側に塗布され、前記孔部を塞ぐようにしてもよい。
前記固体電解質の前記導電性高分子は、前記電極箔間に比べて、前記孔部内の前記陽極側引出端子の高さ範囲には少ないようにしてもよい。
前記充填剤は、前記孔部に加えて、前記巻回体の中心部に形成された貫通孔の前記陽極側引出端子及び前記陰極側引出端子が導出する端面側に塗布されているようにしてもよい。
前記充填剤は、前記陽極側引出端子が導出する端面全体に塗布されているようにしてもよい
前記固体電解質に加えて電解液を備えるようにしてもよい。
この固体電解コンデンサの製造方法は、陰極箔と誘電体酸化被膜が形成された陽極箔に引出端子を接続した上で、当該引出端子を巻き込みながら前記陰極箔と前記陽極箔を巻回することで、巻回体を形成する巻回工程と、前記巻回工程の後、前記引出端子を中心に形成され、前記陽極箔に接続した前記引出端子が導出する前記巻回体の端面から反対面を貫いて延びる孔部に対し、当該孔部を塞ぐ充填剤を、前記陽極箔に接続した引出端子が導出する端面側に塗布する充填工程と、前記充填工程の後、固体電解質を形成する溶液に前記巻回体を浸漬する電解質形成工程と、を含むこと、を特徴とする。
前記充填剤は、前記孔部の開口にのみ充填されているようにしてもよい。これにより、誘電体酸化被膜と固体電解質又は電解液との間に充填剤が挟まる量を抑制でき、静電容量、誘電正接(tanδ)、等価直列抵抗(ESR)等のコンデンサ特性を劣化させ難い。
前記充填剤は、前記引出端子が導出する端面全体に塗布されているようにしてもよい。
前記充填剤は、前記充填剤が塗布される前に前記巻回体が浸漬された溶液の溶剤に対し、非相溶の溶剤を含むようにしてもよい。例えば、前記巻回工程と前記充填工程との間に、前記巻回体を溶液に浸漬する浸漬工程を含み、前記充填工程では、前記浸漬工程の前記溶液とは非相溶な溶剤に前記充填剤を溶解させて、前記陽極箔に接続した前記引出端子が導出する端面側に塗布するようにしてもよい。
これにより、前記充填剤が塗布される前に前記巻回体が浸漬された溶液に撥かれて、充填剤が誘電体酸化被膜と固体電解質又は電解液との間に充填剤が挟まる量を抑制できる。従って、前記充填工程では、前記浸漬工程の前記溶液で前記巻回体が濡れたまま、前記充填剤を塗布するようにしてもよい。
前記浸漬工程は、前記誘電体酸化被膜の修復処理であり、前記浸漬工程の前記溶液は、修復化成液であるようにしてもよい。この修復化成液の溶剤は、主として水系を含み、前記非相溶の溶剤は、有機溶剤であるようにしてもよい。
前記充填剤は、有機溶剤を含むようにしてもよい。前記有機溶剤は、シクロヘキサン、m−キシレンヘキサフルオライド、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、及びエチルパーフルオロブチルエーテルの群から選ばれる1種類又は混合であるようにしてもよい。
本発明によれば、引出端子により生じた欠陥部付近に導電性高分子が存在する確率が少なくなるので漏れ電流を抑制することができる。
本実施形態に係る固体電解コンデンサのモデル図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサの電極箔の分解断面図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサの導出端面側の平面図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサの内部の断面図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法の第1例を示すフローチャートである。 導電性高分子の分散液を巻回体に含浸させる様子を示す模式図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサの他の例の内部を示す断面図である。 本実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法の第2例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態に係る固体電解コンデンサについて説明する。なお、本発明は、以下に説明する実施形態に限定されるものでない。また、各図面においては、理解容易のため、厚み、寸法、位置関係、比率、数又は形状等を強調して示している場合があり、本発明は、それら強調に限定されるものではない。
(構成)
図1は、本実施形態に係る固体電解コンデンサのモデル図である。この固体電解コンデンサ1は、静電容量により電荷の蓄電及び放電を行う受動素子である。固体電解コンデンサ1は、誘電体酸化被膜5が表面に形成された陽極側の電極箔2、陰極側の電極箔3及びセパレータ4により成る。電極箔2,3間にはセパレータ4に保持された固体電解質9が形成されている。固体電解質9は電極箔2,3間に介在して誘電体酸化被膜5と密着し、真の陰極として機能する。この固体電解コンデンサ1には、固体電解質9に加えて電解液が充填されていてもよい。電解液は、誘電体酸化被膜5と固体電解質9との間の空隙を埋める。
図2は、電極箔2を分解し、短辺側から見た断面図である。電極箔3の構造も同一である。図2に示すように、電極箔2,3は長尺帯状の箔体である。この陽極側の電極箔2には引出端子6−1が、陰極側の電極箔3には、引出端子6−2が電気的及び機械的に接続される。この引出端子6−1,6−2を介して、固体電解コンデンサ1は、電気回路又は電子回路へ実装される。引出端子6−1,6−2は、典型的には、アルミニウム線と金属線62とから構成されている。アルミニウム線は、丸棒形状の一方端側をプレス加工等によって潰して形成した平板部63と、他方端側の未プレスの丸棒部61からなる。丸棒部61の先端部と金属線62とはアーク溶接等で接続されている。
平板部63を、電極箔2,3の片面及び長辺の一方側に接触させ、残りの丸棒部61と金属線62を電極箔2,3の長辺と直交するように電極箔2,3からはみ出させ、引出端子6−1,6−2と電極箔2,3とを接続する。引出端子6−1,6−2は、ステッチ接続、冷間圧接、超音波溶接又はレーザ溶接等の各種接続手段の一つを用いて電極箔2,3に接続される。尚、引出端子6−1,6−2は平板部63を備えていればよく、全体がタブ形状であってもよい。
図3は、この固体電解コンデンサ1の平面図である。図3に示すように、この固体電解コンデンサ1は巻回体11の形状を有する。セパレータ4を電極箔2,3間に介在させる。電極箔2,3からはみ出したセパレータ4を先に巻き始めることで、巻芯部41が作製される。続けて巻芯部41を巻軸にして、一対の電極箔2,3とセパレータ4の積層体を巻回する。巻芯部41は、巻回時に用いた巻軸を巻回後に抜き取られ、巻回体11の中心に開口し、一方の端面から他方の端面まで貫通した貫通孔となる。電極箔2,3及びセパレータ4の長辺が丸まるように、また電極箔2,3及びセパレータ4の短辺が巻回体11の軸に沿って延びるように、電極箔2,3及びセパレータ4を巻回する。
引出端子6−1,6−2は、巻回処理によって巻回体11に巻き込まれ、巻回体11の一方端面である導出端面12から導出している。また、引出端子6−1,6−2は、当該引出端子6−1,6−2が接続されている巻回層13と、その一つ内周の巻回層14との間に挟まれる。引出端子6−1,6−2の挟み込みにより、巻回層13と巻回層14との間には、三日月状の孔部7−1,7−2が発生する。三日月状の孔部7−1,7−2は、巻回体11の軸に沿って、当該巻回体11を貫いて延び、巻回体11の両端面に開口を有する。
図4は、固体電解コンデンサ1の断面図である。図3及び図4に示すように、陽極側の引出端子6−1によって形成された孔部7−1の導出端面12側開口は、充填剤8によって塞がれている。充填剤8は、例えばシリコーン系樹脂又はフッ素系樹脂である。この充填剤8は、孔部7−1を塞ぐことができれば十分である。即ち、充填剤8の孔部7−1への充填厚みを薄くすることで、充填剤8の電極箔2,3の付着を最小限に留め、静電容量、誘電正接(tanδ)、等価直列抵抗(ESR)等のコンデンサ特性への影響を小さくできる。
充填剤8によって孔部7−1の導出端面12側開口が塞がれた後、巻回体11内には固体電解質9が形成される。固体電解質9は導電性高分子を含む。導電性高分子は、ドーピングされた共役系高分子である。共役系高分子は、π共役二重結合を有するモノマー又はその誘導体を化学酸化重合または電解酸化重合することによって得られる。
この固体電解質9は電極箔2,3間に介在して誘電体酸化被膜5と密着させる。但し、後述するように、この充填剤8によって孔部7−1を塞ぐことにより、孔部7−1内においては、導出端面12から引出端子6−1の末端までの深さ範囲には、孔部7−1内の他の深さ範囲よりも固体電解質9が少ないか、又は存在しない。
(製造方法)
この固体電解コンデンサ1の製造方法の一例を示す。図5は、固体電解コンデンサ1の製造方法の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、まず電極箔2,3間にセパレータ4を介在させて巻回し、巻回体11を作製する巻回工程を行う(ステップS01)。巻回体11を化成液に漬けて修復化成する第1の浸漬工程を行う(ステップS02)。第1の浸漬工程においては、修復化成後に、化成液を巻回体11から取り除くために、純水等の化成液洗浄液によって化成液を除去する工程が含まれる。
次に、化成液や化成液洗浄液で濡れたままの巻回体11の孔部7−1に充填剤8を塗布する充填工程を行う(ステップS03)。化成液や化成液洗浄液及び充填剤8の溶剤を除去する乾燥工程を経てから(ステップS04)、導電性高分子の分散液を巻回体11に含浸させて固体電解質9を形成する電解質形成工程を行う(ステップS05)。電解液を併用する場合、巻回体11に更に電解液を含浸させる第2の浸漬工程を行う(ステップS06)。
巻回体11を作製するステップS01において、電極箔2,3としては、弁作用金属を材料とする長尺の箔体を用いる。弁作用金属は、アルミニウム、タンタル、ニオブ、酸化ニオブ、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、亜鉛、タングステン、ビスマス及びアンチモン等である。純度は、陽極側の電極箔2に関して99.9%以上が望ましく、陰極側の電極箔3に関して99%程度以上が望ましいが、ケイ素、鉄、銅、マグネシウム、亜鉛等の不純物が含まれていても良い。
陽極側の電極箔2は表面を拡面化しておく。即ち、陽極側の電極箔2の表面に、うねりのある凹凸、トンネル状のピット、海綿状のピット、又は密集した粉体間の空隙を形成する。この拡面化処理は、電解エッチング処理、ケミカルエッチング処理、サンドブラスト処理、箔体に対する金属粒子等の蒸着処理、又は焼結処理により形成される。
電極箔2の表面を拡面化した後、電極箔2の表面に誘電体酸化被膜5を形成する。誘電体酸化被膜5は、典型的には、電極箔2の表層に酸化させて成る酸化被膜であり、陽極側の電極箔2がアルミニウム製であれば、拡面構造の領域を酸化させた酸化アルミニウムである。この誘電体酸化被膜5は、アジピン酸、ホウ酸又はリン酸等の水溶液中で電圧印加する化成処理により形成される。さらに、誘電体酸化被膜5は、金属窒化物、金属炭化物、金属炭窒化物からなる層を蒸着法により形成したもの、あるいは表面に炭素を含有したものを用いて作出してもよい。
この電極箔2,3に対し、引出端子6−1,6−2を接続する。そして、引出端子6−1,6−2が接続された陽極側及び陰極側の電極箔2,3を、セパレータ4を介して重ね合わせて巻回する。セパレータとしては、クラフト、マニラ麻、エスパルト、ヘンプ、レーヨン等のセルロースおよびこれらの混合紙、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、それらの誘導体などのポリエステル系樹脂、ポリテトラフルオロエチレン系樹脂、ポリフッ化ビニリデン系樹脂、ビニロン系樹脂、脂肪族ポリアミド、半芳香族ポリアミド、全芳香族ポリアミド等のポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、トリメチルペンテン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が挙げられ、これらの樹脂を単独で又は混合して用いることができる。
ステップS01においては、誘電体酸化被膜5の形成不足、又は巻回による曲げストレスにより、誘電体酸化被膜5の各所にボイド、亀裂又はキズ等の欠陥部が生じている。そのため、修復化成処理を行うステップS02では、巻回体11を化成液に浸漬させる。修復化成の化成液としては、リン酸二水素アンモニウム、リン酸水素二アンモニウム等のリン酸系、ホウ酸アンモニウム等のホウ酸系、アジピン酸アンモニウム等のアジピン酸系を水に溶解させた水溶液を用いる。即ち、化成液の溶剤としては水系が用いられる。浸漬時間は、5分以上120分以下が望ましい。その後、化成液を巻回体11から除去するために、純水等の化成液洗浄液で化成液に浸漬した巻回体11を洗浄する。
更に、ステップS01においては、巻回によって引出端子6−1と誘電体酸化被膜5とに物理的な接触が生じている。この接触により、孔部7−1内のうち、引出端子6−1が及ぶ深さ範囲には亀裂やキズ等の大きな欠陥部が生じている。図3に示すように、引出端子6−1の存在によって欠陥部が最も生じ易い箇所は、孔部7−1の内周面を構成する誘電体酸化被膜5のうち、引出端子6−1の角と接触する角部領域71である。次に欠陥部が生じ易い箇所は、孔部7−1の内周面を構成する誘電体酸化被膜5のうち、引出端子6−1の面が当たる当接領域72である。角部領域71及び当接領域72は、巻回時に引出端子6−1が強く当たって擦れて欠陥部が生じ易い。
これら引出端子6−1の存在に起因する孔部7−1内の欠陥部は、修復化成処理を行うステップS02では完全に修復し難い。従って、引出端子6−1の存在によって発生した孔部7−1内の欠陥部は、修復化成処理を行うステップS02の後においても残存している。尚、これら欠陥部は例示であり、その他、孔部7−1内は引出端子6−1の存在により欠陥部が生じ得る。
ステップS03の充填処理は、修復化成の後に実行される。この充填処理は、化成液や化成液洗浄液で濡れたままの巻回体11に対して行う。充填剤8は、化成処理で用いられた化成液や化成液洗浄液と非相溶の溶剤に溶解させる。化成処理で用いられた化成液や化成液洗浄液と非相溶の溶剤は、化成処理で用いられた化成液や化成液洗浄液の溶剤が水である場合、有機溶剤である。有機溶剤としては、シクロヘキサン、m−キシレンヘキサフルオライド、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、及びエチルパーフルオロブチルエーテル、ヘキサン、トルエン、ベンゼン、キシレン、ペンタン、ヘプタン、ニトロメタン、酢酸エチル、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル又はこれらの混合液が挙げられる。
この充填剤8の溶液を、巻回体11の導出端面12側から孔部7−1に塗布する。巻回体11は化成液や化成液洗浄液で濡れており、充填剤8の溶液は、化成液や化成液洗浄液とは非相溶であるから、充填剤8の溶液は化成液や化成液洗浄液によって撥かれて孔部7−1の内部へ垂れに難くなっており、導出端面12の孔部7−1開口付近に滞留する。そのため、電極箔2と電極箔3とが対面する領域に充填剤8が付着することが抑制され、固体電解コンデンサ1の静電容量、誘電正接(tanδ)、等価直列抵抗(ESR)等の特性劣化が抑制される。
充填処理の後、ステップS04において化成液や化成液洗浄液及び充填剤8を溶かした溶剤を乾燥により除去する。この乾燥工程では、巻回体11を100℃以上の高熱環境下に、30分以上晒す。尚、熱による乾燥の他、真空乾燥によって溶剤を揮発させてもよい。
巻回体11を乾燥させた後、ステップS05において巻回体11に固体電解質9を形成する。まず導電性高分子を分散させた分散液を調製する。この分散液は、導電性高分子を形成する溶液の一例である。導電性高分子は、ドーピングされた共役系高分子である。共役系高分子としては、公知のものを特に限定なく使用することができる。例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセン、ポリチオフェンビニレンなどが挙げられる。これら共役系高分子は、単独で用いられてもよく、2種類以上を組み合わせても良く、更に2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。
上記の共役系高分子のなかでも、チオフェン又はその誘導体が重合されて成る共役系高分子が好ましく、3,4−エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2,3−ジヒドロチエノ[3,4−b][1,4]ジオキシン)、3−アルキルチオフェン、3−アルコキシチオフェン、3−アルキル−4−アルコキシチオフェン、3,4−アルキルチオフェン、3,4−アルコキシチオフェン又はこれらの誘導体が重合された共役系高分子が好ましい。
チオフェン誘導体としては、3位と4位に置換基を有するチオフェンから選択された化合物が好ましく、チオフェン環の3位と4位の置換基は、3位と4位の炭素と共に環を形成していても良い。アルキル基やアルコキシ基の炭素数は1〜16が適しているが、特に、EDOTと呼称される3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合体、即ち、PEDOTと呼称されるポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。また、3,4−エチレンジオキシチオフェンにアルキル基が付加された、アルキル化エチレンジオキシチオフェンでもよく、例えば、メチル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−メチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)、エチル化エチレンジオキシチオフェン(すなわち、2−エチル−2,3−ジヒドロ−チエノ〔3,4−b〕〔1,4〕ジオキシン)などが挙げられる。
ドーパントは、公知のものを特に限定なく使用することができる。例えば、ホウ酸、硝酸、リン酸などの無機酸、酢酸、シュウ酸、クエン酸、アスコット酸、酒石酸、スクアリン酸、ロジゾン酸、クロコン酸、サリチル酸、p−トルエンスルホン酸、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ベンゼンジスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ボロジサリチル酸、ビスオキサレートボレート酸、スルホニルイミド酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、プロピルナフタレンスルホン酸、ブチルナフタレンスルホン酸などの有機酸が挙げられる。また、ポリアニオンとしては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリマレイン酸などが挙げられる。
これらドーパントは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらドーパントは単独モノマーの重合体であってもよく、2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。また、ドーパントは高分子又は単量体を用いてもよい。
例示すると、導電性高分子は、PEDOTの粉末とポリスチレンスルホン酸からなるドーパントの固形分を混合したものが好ましい。また、導電性高分子の分散液の含浸性、電導度の向上のため、導電性高分子に各種添加剤を添加したり、カチオン添加による中和を行っても良い。
分散液の溶媒は、導電性ポリマーの粒子または粉末が分散するものであれば良く、例えば水、有機溶媒又はこれらの混合物が用いられる。有機溶媒としては、極性溶媒、アルコール類、エステル類、炭化水素類、カーボネート化合物、エーテル化合物、鎖状エーテル類、複素環化合物、ニトリル化合物などが好適に例示できる。
極性溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。アルコール類としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等が挙げられる。エステル類としては、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル等が挙げられる。炭化水素類としては、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が挙げられる。エーテル化合物としては、ジオキサン、ジエチルエーテル等が挙げられる。鎖状エーテル類としては、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等が挙げられる。複素環化合物としては、3−メチル−2−オキサゾリジノン等が挙げられる。ニトリル化合物としては、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等が挙げられる。
尚、分散液の溶媒としては、エチレングリコールが好適である。エチレングリコールは、後述する電解液の溶媒の1つであり、コンデンサ素子内に残存していても不純物とはならず、さらに製品の電気特性のうち、特にESRを低減できる。
図6に示すように、分散液を調製した後、巻回体11の導出端面12とは反対の端面を、この分散液に浸漬させる。孔部7−1は導出端面12側が充填剤8によって塞がれているため、分散液が吸い上がり難くなっている。そのため、引出端子6−1の存在により発生した孔部7−1内の欠陥部付近には、導電性高分子が付着し難い。一方、孔部7−1以外では、セパレータ4に染み込んだ分散液が導出端面12に向けて染み上がり、電極箔2,3間に導電性高分子が行き渡る。
尚、含浸時間は、巻回体11の大きさによって適宜設定できる。長時間含浸しても特性上の弊害はない。巻回体11への含浸時には、含浸を促進させるべく、必要に応じて減圧処理や加圧処理を行ってもよい。含浸工程は複数回繰り返しても良い。導電性高分子の分散液の溶媒は、必要に応じて乾燥により蒸散させて除去される。必要に応じて加熱乾燥や減圧乾燥を行ってもよい。
このステップS05では、固体電解質9の形成に導電性高分子の分散体溶液を用いたが、導電性高分子を溶解した導電性高分子溶液であってもよく、たとえば、可溶性導電性高分子溶液を用いて固体電解質9を形成してもよい。前者は分散体であることから、導電性高分子が溶液に溶けず分散しているのに対し、後者の可溶性導電性高分子溶液では導電性高分子が溶液に溶けている状態である点で相違する。いずれの処理によって、巻回体11に固体電解質9を形成してもよく、本発明はこれらの方法に限定されるものではない。
また、固体電解質9の形成は、前述のように導電性高分子の分散体溶液や可溶性導電性高分子溶液を用いてもよいが、これに限らない。たとえば、導電性高分子の前駆体を含む溶液を巻回体11に浸漬させた後、化学重合による固体電解質9又は電解重合による固体電解質9を形成してもよい。
化学重合による導電性高分子層は、例えば、重合性モノマーとして3,4−エチレンジオキシチオフェン、酸化剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄のアルコール溶液(エタノールなど)を用いて、上記重合性モノマーと酸化剤との混合液に巻回体11を浸漬し、加熱により導電性ポリマーの重合反応を発生させることにより、固体電解質9を形成する。またこの加熱処理に前後して未反応モノマーや余剰なモノマーを水洗にて除去する水洗処理を行っても良い。
電解重合による固体電解質9は、自己ドープ型導電性高分子層の表面に、電解重合により固体電解質9を形成する。この自己ドープ型導電性高分子層を電極として供給電極から給電を行い、固体電解質9を形成する。この電解重合溶液としては、電解重合によって導電性を持つモノマーを使用することができる。モノマーとしては、チオフェンモノマーやピロールモノマーが好適である。これらのモノマーを使用する場合は、巻回体11をステンレス容器中で、モノマー及び支持電解質である1−ナフタレンスルホン酸ナトリウムを含有する電解重合用水溶液中に含浸し、所定の電圧を印加する。これにより、電解重合による水溶性モノマー(例えば、チオフェンやピロールなど)による固体電解質9を均一に形成することができる。
固体電解質9を形成した後、電解液を併用する場合は、ステップS06として巻回体11に電解液を含浸させる。電解液は、固体電解質9が形成された固体電解コンデンサ1の空隙に充填される。固体電解質9が膨潤化する程度まで電解液を含浸させてもよい。電解液の含浸工程では、必要に応じて減圧処理や加圧処理を行っても良い。
電解液の溶媒としては、プロトン性の有機極性溶媒又は非プロトン性の有機極性溶媒が挙げられ、単独又は2種類以上が組み合わせられる。また、電解液の溶質としては、アニオン成分やカチオン成分が含まれる。溶質は、典型的には、有機酸の塩、無機酸の塩、又は有機酸と無機酸との複合化合物の塩であり、単独又は2種以上を組み合わせて用いられる。アニオンとなる酸及びカチオンとなる塩基を別々に溶媒に添加してもよい。
溶媒であるプロトン性の有機極性溶媒としては、一価アルコール類、多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類などが挙げられる。一価アルコール類としては、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。多価アルコール類及びオキシアルコール化合物類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール、ポリエチレングリコールやポリオキシエチレングリセリンなどの多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。なかでも、溶媒はエチレングリコールが好ましい。エチレングリコールにより、導電性高分子の高次構造の変化が起こり、初期のESR特性が良好であり、さらには高温特性も良好となる。エチレングリコールは、液体中50wt%以上であればなおよい。
溶媒である非プロトン性の有機極性溶媒としては、スルホン系、アミド系、ラクトン類、環状アミド系、ニトリル系、オキシド系などが代表として挙げられる。スルホン系としては、ジメチルスルホン、エチルメチルスルホン、ジエチルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホラン等が挙げられる。アミド系としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、ヘキサメチルホスホリックアミド等が挙げられる。ラクトン類、環状アミド系としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。ニトリル系としては、アセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、グルタロニトリル等が挙げられる。オキシド系としてはジメチルスルホキシド等が挙げられる。
溶質としてアニオン成分となる有機酸としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、アジピン酸、安息香酸、トルイル酸、エナント酸、マロン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,7−オクタンジカルボン酸、アゼライン酸、レゾルシン酸、フロログルシン酸、没食子酸、ゲンチシン酸、プロトカテク酸、ピロカテク酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のカルボン酸や、フェノール類、スルホン酸が挙げられる。また、無機酸としては、ホウ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、炭酸、ケイ酸等が挙げられる。有機酸と無機酸の複合化合物としては、ボロジサリチル酸、ボロジ蓚酸、ボロジグリコール酸、ボロジマロン酸、ボロジコハク酸、ボロジアジピン酸、ボロジアゼライン酸、ボロジ安息香酸、ボロジマレイン酸、ボロジ乳酸、ボロジリンゴ酸、ボロジ酒石酸、ボロジクエン酸、ボロジフタル酸、ボロジ(2−ヒドロキシ)イソ酪酸、ボロジレゾルシン酸、ボロジメチルサリチル酸、ボロジナフトエ酸、ボロジマンデル酸及びボロジ(3−ヒドロキシ)プロピオン酸等が挙げられる。
また、有機酸、無機酸、ならびに有機酸と無機酸の複合化合物の少なくとも1種の塩としては、例えばアンモニウム塩、四級アンモニウム塩、四級化アミジニウム塩、アミン塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。四級アンモニウム塩の四級アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム等が挙げられる。四級化アミジニウム塩としては、エチルジメチルイミダゾリニウム、テトラメチルイミダゾリニウム等が挙げられる。アミン塩としては、一級アミン、二級アミン、三級アミンの塩が挙げられる。一級アミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン等、二級アミンとしては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、エチルメチルアミン、ジブチルアミン等、三級アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、エチルジメチルアミン、エチルジイソプロピルアミン等が挙げられる。
さらに、電解液には他の添加剤を添加することもできる。添加剤としては、ポリエチレングリコールやポリオキシエチレングリセリンなどの多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビットなど)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコールとの錯化合物、ホウ酸エステル、ニトロ化合物(o−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、o−ニトロフェノール、m−ニトロフェノール、p−ニトロフェノール、p−ニトロベンジルアルコールなど)、リン酸エステルなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。添加剤の添加量は特に限定されないが、固体電解コンデンサ1の特性を悪化させない程度に添加することが好ましく、例えば液体中60wt%以下である。
固体電解質9が形成された固体電解コンデンサ1は、有底筒状の外装ケースに収容され、ゴム等の弾性部材から成る封口体で封止する。外装ケースの材質は、アルミニウム、マンガン等を含有するアルミニウム合金、又はステンレスが挙げられる。引出端子6−1,6−2は、封口体から引き出される。外装ケースの開口側端部全周が加締められ、固体電解コンデンサ1の作製が完了する。
尚、この固体電解コンデンサ1においては、陰極側の電極箔3の表層に必要に応じて化成処理により薄い1〜10V程度の誘電体酸化被膜5を形成しても良い。陰極側の電極箔3の表面にも誘電体酸化被膜5を備える固体電解コンデンサ1は、所謂両極性のコンデンサであり、固体電解コンデンサ1内は陽極側の電極箔2側と陰極側の電極箔3側の直列コンデンサとみなすことができる。
セパレータ4は、陽極側及び陰極側の電極箔2,3を電気的に隔離して短絡を阻止するとともに、固体電解質9、又は固体電解質9と電解液とを保持している。固体電解質9の保形性が高く、セパレータ4無しで形状を保持できる場合、セパレータ4を排除にしてもよい。
(作用効果)
欠陥部付近に導電性高分子が存在する場合には、固体電解コンデンサ1の漏れ電流が増大する。一方、欠陥部付近に導電性高分子がない場合には、固体電解コンデンサ1の漏れ電流が抑制される。欠陥部付近に電解液が存在していても、導電性高分子がない場合には、漏れ電流は収束していく。更に、欠陥部付近に導電性高分子が存在していても、その欠陥部付近に電解液も存在する場合には、漏れ電流が収束する。
この固体電解コンデンサ1では、孔部7−1の導出端面12側が充填剤8で塞がれているため、引出端子6−1の存在により発生した欠陥部付近にまで導電性高分子の分散液等の導電性高分子を形成する溶液が吸い上がっていくことができない。そのため、引出端子6−1の存在により発生した欠陥部付近には、導電性高分子が存在しない。電解液を併用した場合であっても、欠陥部付近には電解液も導電性高分子も存在しないか、欠陥部付近には電解液のみであり、導電性高分子は存在しない。
そのため、固体電解コンデンサ1の漏れ電流は抑制され、又は固体電解コンデンサ1の漏れ電流は収束する。尚、固体電解コンデンサ1において、引出端子6−1と誘電体酸化被膜5との接触面には電解液が流れ込み難く欠陥部付近に導電性高分子も電解液も存在する状態は成立し難い。
また、固体電解コンデンサの漏れ電流増大の要因として、陽極側の引出端子6−1の丸棒部61への導電性高分子の付着も一因になっていることもある。丸棒部61は巻回体11から突出した状態となるが、この丸棒部61に導電性高分子が付着すると漏れ電流が発生する。しかし、孔部7−1の導出端面12側を充填剤8により塞いでいるため、孔部7−1の導出端面12側開口まで導電性高分子の分散液等の導電性高分子を形成する溶液が吸い上がっていくことができない。孔部7−1の開口近傍に配置された丸棒部61への付着が抑制され、漏れ電流が抑制される。
以上より、孔部7−1の導出端面12側開口が塞がれていればよく、孔部7−1の導出端面12側開口に加え、陰極側の引出端子6−2によって形成された孔部7−2の導出端面12側開口に充填剤8を配置してもよい。
例えば、図7に示すように、充填剤8は導出端面12全体に配置され、孔部7−1、孔部7−2、及び貫通孔となった巻芯部41の導出端面12側の開口を塞ぐようにしてもよい。孔部7−2や巻芯部41の開口を塞ぐことで、固体電解質を形成する溶液が孔部7−2や巻芯部41内を吸い上がって、孔部7−1の開口部近傍に配置された引出端子6−1の丸棒部61への付着がより抑制される。
但し、充填剤8の充填範囲は、導出端面12側開口に限定することが望ましい。充填剤8が誘電体酸化被膜5と固体電解質9や電解液との間を阻む範囲が少なくなり、静電容量、誘電正接(tanδ)、等価直列抵抗(ESR)等のコンデンサ特性に対する影響を少なくできる。
また、固体電解質を形成する溶液が孔部7−1を吸い上がっていくことを抑制できればよい。従って、孔部7−1、孔部7−2、及び巻芯部41の導出端面12とは反対側の開口を充填剤8で塞いでもよい。この開口は、固体電解質を形成する溶液が孔部7−1に入り、吸い上がっていく入口である。この入口部分が塞がれることになるので、引出端子6−1に起因する欠陥部付近にまで導電性高分子の分散液等の導電性高分子を形成する溶液が吸い上がっていくことができない。そのため、この欠陥部付近には、導電性高分子が少なく、又は存在せず、固体電解コンデンサ1の漏れ電流は抑制され、又は固体電解コンデンサ1の漏れ電流は収束する。
この孔部7−1,7−2内に限定された充填剤8の塗布範囲は、充填剤8の溶剤を、修復化成液や化成液洗浄液の溶剤等のように、充填剤8を塗布する工程の前に巻回体11を浸漬させた溶液の溶剤に対し、非相溶とし、巻回体11が濡れたままの状態で充填剤8を塗布することで簡便に作出できる。即ち、充填剤8が前工程で巻回体11を浸漬させた溶剤に撥かれて垂れ下がりが抑制され、また充填剤8が前工程で巻回体11を浸漬させた溶剤に撥かれて導出端面12全体に径方向に拡がることが抑制される。修復化成液や化成液洗浄液への浸漬の他、充填剤8を塗布する前の浸漬工程としては、巻回体11の洗浄等が挙げられる。
但し、固体電解コンデンサ1の漏れ電流抑制のためには、充填剤8で孔部7−1の導出端面12側開口を塞いでいればよく、他所への付着の有無は影響しない。従って、図8に示すように、巻回工程(ステップS11)と、巻回体11を化成液や化成液洗浄液に漬けて修復化成する第1の浸漬工程(ステップS12)の後、化成液や化成液洗浄液を除去する第1の乾燥工程を経てから(ステップS13)、巻回体11の孔部7−1に充填剤8を塗布する充填工程(ステップS14)を行うようにしてもよい。
そして、充填剤8の溶剤を除去する第2の乾燥工程を経てから(ステップS15)、導電性高分子の分散液を巻回体11に含浸させて固体電解質9を形成する電解質形成工程を行う(ステップS16)。電解液を併用する場合、巻回体11に更に電解液を含浸させる第2の浸漬工程を行う(ステップS17)。
また、固体電解コンデンサ1の漏れ電流抑制のためには、充填剤8で孔部7−1の導出端面12側開口を塞いでいれば足りる。そのため、充填剤8の溶剤は、修復化成液や化成液洗浄液の溶剤等のように、充填剤8を塗布する工程の前に巻回体11を浸漬させた溶液の溶剤に対し相溶であっても、漏れ電流を抑制することができる。
更に、増粘剤を添加することにより充填剤8の粘度を上げて、塗布した充填剤8が垂れ下がり難いようにしてもよい。但し、充填剤8を非相溶の溶剤に溶解するだけで、垂れ下がりを抑制できるので、充填剤8の粘度を下げることができ、孔部7−1を塞ぐ作業効率に優れる。
以下、実施例に基づいて本発明の固体電解コンデンサをさらに詳細に説明する。なお、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
次の通り、実施例1の固体電解コンデンサを作製した。陽極側の電極箔2及び陰極側の電極箔3は長尺に延伸された帯状のアルミニウム箔である。陽極側の電極箔2はエッチング処理により拡面化し、化成処理により誘電体酸化被膜5を形成した。陰極側の電極箔3は、プレーン箔即ちエッチング未処理とした。
電極箔2,3には引出端子6−1,6−2をステッチ接続により取り付けた。引出端子6−1,6−2の平板部63を電極箔2,3の長辺と直交するように電極箔2,3の片面に沿わせ、丸棒部61からアルミニウム線側が電極箔2,3の一方長辺からはみ出るように沿わせた。これら電極箔2,3をマニラ系セパレータを介して対向させ、長辺が丸まるように巻回した。引出端子6−1,6−2は、導出端面12から引き出され、引出端子6−1,6−2の周囲には、巻回層13及び巻回層14により画成される孔部7−1,7−2が発生した。
巻回体11は、90℃のリン酸二水素アンモニウム水溶液に20分間浸漬され、浸漬時間中に印加電圧を56.5Vとして5mAの電流を通電させた。修復化成が終了した後、巻回体11をリン酸二水素アンモニウム水溶液から引き上げ、巻回体11がリン酸二水素アンモニウム水溶液で濡れた状態のまま、孔部7−1の導出端面12側開口に充填剤8を塗布した。充填剤8は、ポリイミドシリコーンを主剤とし、シクロヘキサンの溶剤に溶解した上で塗布された。充填剤8を塗布した後、リン酸二水素アンモニウム水溶液と充填剤8で濡れた巻回体11を105℃の温度環境下に30分間静置し、巻回体11を乾燥させた。
巻回体11を乾燥させた後、30kPaの減圧環境下で、ポリスチレンスルホン酸(PSS)とポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)を水に分散させた水溶液に、巻回体11を120秒間浸漬させた。その後、150℃の温度環境下に30分間静置し、巻回体11を乾燥させた。浸漬と乾燥を一連の処理とし、一連の処理を2回繰り返した。これにより、巻回体11に固体電解質9が形成された。
次に、5%のエチレングリコール溶液にボロジサリチル酸アンモニウムを添加した電解液を調製し、固体電解質9が形成された巻回体11に電解液を含浸させた。これにより作製されたφ6.1mm及び高さ6.3mmの巻回形の固体電解コンデンサ1を有底筒状のアルミニウム外装ケースに挿入し、開口端部に封口ゴムを装着して、加締め加工によって封止した。そして、115℃の温度環境下にて45分間の電圧印加を行い、固体電解コンデンサ1に対してエージング処理を施した。
(実施例2乃至5及び比較例1)
実施例2乃至5の固体電解コンデンサ1及び比較例1の固体電解コンデンサを作製した。これら固体電解コンデンサは、充填剤8の種類及び充填剤8の有無が下表1のように異なる。実施例2乃至5の固体電解コンデンサ1は、下表1のように充填剤8の種類のみが実施例1と異なり、製造方法及び条件は実施例1と同一である。
(表1)
Figure 2021163781
上表1に示すように、比較例1の固体電解コンデンサは充填剤8を備えていない。従って、製造方法において、修復化成が終了した後、充填剤8の充填工程が省かれて巻回体11の乾燥に移った。充填剤8の充填工程が省かれた点を除き、比較例1の製造方法及び条件は実施例1と同一である。
(漏れ電流試験)
実施例1乃至5の固体電解コンデンサ1及び比較例1の固体電解コンデンサを手作業で30個ずつ作成し、260℃をピーク温度とするリフロー工程を各固体電解コンデンサに対して2回繰り返し、漏れ電流を測定した。漏れ電流は、20℃の温度環境下で、35Vの電圧を印加し、印加開始から120秒間測定し続けた。
実施例1乃至5の固体電解コンデンサ1及び比較例1の固体電解コンデンサの漏れ電流の測定結果の平均値を下表2に示す。
(表2)
Figure 2021163781
表2を見比べるとわかるように、比較例1の固体電解コンデンサの多くの個体は漏れ電流が収束せずに発生し続けた。一方、充填剤8を備える実施例1乃至5の固体電解コンデンサ1は、多くの個体において漏れ電流は極少に収束した。
実施例1乃至5の固体電解コンデンサ1及び比較例1の固体電解コンデンサを分解し、引出端子6−1周辺の状態を観察した。
充填剤8を備える実施例1乃至5の固体電解コンデンサ1では、引出端子6−1の周辺の導電性高分子が比較例1と比べて少ないことがわかった。特に、実施例1乃至3のように、充填剤8の溶剤を水系の修復化成液や化成液洗浄液とは非相溶の有機溶媒とした場合には、導電性高分子が引出端子6−1,6−2の周囲から離れて分布していた。
以上より、孔部7−1の導出端面12開口側を充填剤8で塞いだ固体電解コンデンサ1は、引出端子6−1の周囲から多くの導電性高分子を隔離し、換言すれば引出端子6−1によって引き起こされた欠陥部付近から導電性高分子を隔離し、漏れ電流を抑制していることが確認された。
(コンデンサ諸特性試験)
実施例1乃至5の固体電解コンデンサ1と比較例1の固体電解コンデンサの静電容量(Cap)、等価直列抵抗(ESR)及び誘電正接(tanδ)を測定した。
測定結果を下表3に示す。表3は、実施例1乃至5および比較例の各30個の平均値である。
(表3)
Figure 2021163781
表3に示すように、実施例1乃至3の固体電解コンデンサ1は、充填剤8を備えていない比較例1の固体電解コンデンサと同等の静電容量、誘電正接及び等価直列抵抗を有する。一方、実施例4及び5の固体電解コンデンサ1は、充填剤8が修復化成液や化成液洗浄液と非相溶ではないため、充填剤8が巻回体11全体に拡がり、誘電体酸化被膜5と固体電解質9との間に介入し、静電容量、誘電正接及び等価直列抵抗が悪化することが認められた。
これにより、巻回工程と充填工程との間に巻回体11を修復化成液や化成液洗浄液のような溶液に浸漬する浸漬工程を含み、充填工程では、この浸漬工程の溶液とは非相溶な溶剤に充填剤8を溶解させて塗布することで、漏れ電流の抑制と共に、静電容量、誘電正接及び等価直列抵抗も良好に維持できることが確認された。
(実施例6)
実施例6の固体電解コンデンサ1を作成した。実施例6の固体電解コンデンサ1は、修復化成液や化成液洗浄液とは非相溶である、実施例2と同じ充填剤8を孔部7−1に充填する点で実施例2と同じである。但し、実施例6は、充填剤8の充填工程の前後に乾燥工程がある点で、実施例2と異なる。
即ち、実施例6では、修復化成が終了した後、リン酸二水素アンモニウム水溶液で濡れた巻回体11を105℃の温度環境下に30分間静置し、巻回体11を乾燥させた。この乾燥工程の後、乾いた巻回体11の孔部7−1の導出端面12側開口に充填剤8を塗布した。充填剤8を塗布した後、充填剤8で濡れた巻回体11を105℃の温度環境下に30分間静置し、巻回体11を乾燥させ、電解質形成工程に移行した。その他、製造方法及び製造条件は実施例2と同一である。
(漏れ電流試験2)
実施例6の固体電解コンデンサ1の漏れ電流を測定した。漏れ電流の測定条件は、実施例1乃至5及び比較例1と同一である。実施例2と共に、実施例6の固体電解コンデンサ1の漏れ電流の測定結果の平均値を下表4に示す。
(表4)
Figure 2021163781
表4を見比べるとわかるように、実施例6の固体電解コンデンサの漏れ電流の平均値は、実施例2と同じように極少となった。平均値が極少であることは、実施例6の固体電解コンデンサの多くの個体において漏れ電流が極少に収束していることを示している。
(コンデンサ諸特性試験)
実施例2及び6の固体電解コンデンサ1と比較例1の固体電解コンデンサの静電容量(Cap)、等価直列抵抗(ESR)及び誘電正接(tanδ)を測定した。測定条件は実施例1乃至5における試験と同じである。測定結果を下表5に示す。
(表5)
Figure 2021163781
表5を見比べるとわかるように、静電容量については実施例2と実施例6は同等であったが、等価直列抵抗及び誘電正接については実施例6は実施例2と比較して悪化したことが認められた。
これにより、巻回工程と充填工程との間に巻回体11を修復化成液や化成液洗浄液のような溶液に浸漬する浸漬工程を含み、充填工程では、この浸漬工程の溶液とは非相溶な溶剤に充填剤8を溶解させ、巻回体11から浸漬工程で浸漬した溶液が除去されていない状態で塗布することで、漏れ電流の抑制と共に、静電容量、誘電正接及び等価直列抵抗も良好に維持できることが確認された。
1 固体電解コンデンサ
11 巻回体
12 導出端面
13 巻回層
14 巻回層
2 電極箔(陽極)
3 電極箔(陰極)
4 セパレータ
41 巻芯部
5 誘電体酸化被膜
6 引出端子(陽極側)
6 引出端子(陰極側)
61 丸棒部
62 金属線
63 平板部
64 丸棒部
65 角部
7−1,7−2 孔部
71 角部領域
72 当接領域
8 充填剤
9 固体電解質

Claims (16)

  1. 陰極箔と、
    誘電体酸化被膜が形成された陽極箔と、
    前記陰極箔に接続される陰極側引出端子と、
    前記陽極箔に接続される陽極側引出端子と、
    前記陰極箔と前記陽極箔とを含む巻回体と、
    前記巻回体内に形成され、導電性高分子を含む固体電解質と、
    前記巻回体に巻き込まれた前記陽極側引出端子を中心に形成され、前記巻回体の前記陽極側引出端子が導出する端面から反対面を貫いて延びる孔部と、
    前記孔部を塞ぐ充填剤と、
    を備えること、
    を特徴とする固体電解コンデンサ。
  2. 前記充填剤は、前記陽極側引出端子が導出する端面側に塗布され、前記孔部を塞ぐこと、
    を特徴とする請求項1記載の固体電解コンデンサ。
  3. 前記固体電解質の前記導電性高分子は、前記陰極箔と前記陽極箔間に比べて、前記孔部内の前記陽極側引出端子の高さ範囲には少ないこと、
    を特徴とする請求項1又は2記載の固体電解コンデンサ。
  4. 前記充填剤は、前記孔部に加えて、前記巻回体の中心部に形成された貫通孔の前記陽極側引出端子及び前記陰極側引出端子が導出する端面側に塗布されていること、
    を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
  5. 前記充填剤は、前記陽極側引出端子が導出する端面全体に塗布されていること、
    を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
  6. 前記充填剤は、前記充填剤が塗布される前に前記巻回体が浸漬された溶液の溶剤に対し、非相溶の溶剤を含むこと、
    を特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
  7. 前記充填剤は、有機溶剤を含むこと、
    を特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
  8. 前記有機溶剤は、シクロヘキサン、m−キシレンヘキサフルオライド、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、及びエチルパーフルオロブチルエーテルの群から選ばれる1種類又は混合であること、
    を特徴とする請求項7記載の固体電解コンデンサ。
  9. 前記固体電解質に加えて電解液を備えること、
    を特徴とする請求項1乃至8の何れかに記載の固体電解コンデンサ。
  10. 陰極箔と誘電体酸化被膜が形成された陽極箔に引出端子を接続した上で、当該引出端子を巻き込みながら前記陰極箔と前記陽極箔を巻回することで、巻回体を形成する巻回工程と、
    前記巻回工程の後、前記引出端子を中心に形成され、前記陽極箔に接続した前記引出端子が導出する前記巻回体の端面から反対面を貫いて延びる孔部に対し、当該孔部を塞ぐ充填剤を、前記陽極箔に接続した引出端子が導出する端面側に塗布する充填工程と、
    前記充填工程の後、固体電解質を形成する溶液に前記巻回体を浸漬する電解質形成工程と、
    を含むこと、
    を特徴とする固体電解コンデンサの製造方法。
  11. 前記巻回工程と前記充填工程との間に、前記巻回体を溶液に浸漬する浸漬工程を含み、
    前記充填工程では、前記浸漬工程の前記溶液とは非相溶な溶剤に前記充填剤を溶解させて、前記陽極箔に接続した前記引出端子が導出する端面側に塗布すること、
    を特徴とする請求項10記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  12. 前記充填工程では、前記浸漬工程の前記溶液で前記巻回体が濡れたまま、前記充填剤を塗布すること、
    を特徴とする請求項11記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  13. 前記浸漬工程は、前記誘電体酸化被膜の修復処理であり、
    前記浸漬工程の前記溶液は、修復化成液であること、
    を特徴とする請求項11又は12に記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  14. 前記修復化成液の溶剤は、主として水系を含み、
    前記非相溶の溶剤は、有機溶剤であること、
    を特徴とする請求項13記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  15. 前記有機溶剤は、シクロヘキサン、m−キシレンヘキサフルオライド、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、及びエチルパーフルオロブチルエーテルの群から選ばれる1種類又は混合の溶剤を含むこと、
    を特徴とする請求項14記載の固体電解コンデンサの製造方法。
  16. 前記固体電解質に加えて電解液に前記巻回体を浸漬する第2の浸漬工程を含むこと、
    を特徴とする請求項10乃至15の何れかに記載の固体電解コンデンサの製造方法。
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