JP2021161535A - 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2021161535A
JP2021161535A JP2021022158A JP2021022158A JP2021161535A JP 2021161535 A JP2021161535 A JP 2021161535A JP 2021022158 A JP2021022158 A JP 2021022158A JP 2021022158 A JP2021022158 A JP 2021022158A JP 2021161535 A JP2021161535 A JP 2021161535A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frame
mask
main body
shaped portion
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021022158A
Other languages
English (en)
Inventor
有史 橋本
Yuji Hashimoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to TW110111314A priority Critical patent/TW202140820A/zh
Priority to PCT/JP2021/013916 priority patent/WO2021201124A1/ja
Priority to CN202180024875.3A priority patent/CN115398027A/zh
Priority to KR1020227033224A priority patent/KR20220161310A/ko
Publication of JP2021161535A publication Critical patent/JP2021161535A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】マスクフレームに対するマスク部の再接合を容易とすることを可能とした蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法を提供する。【解決手段】表面11AF、裏面11AR、および、第1開口部11AHを備えた本体部11A、および、表面11BF、裏面11BR、および、第2開口部11BHを備える枠状部11Bを備え、本体部11Aの表面11AFに対する本体部11Aの裏面11AR側において、第2開口部11BHにおける表面11AFの開口が第1開口部11AHにおける表面11AFの開口と対向するように枠状部11Bを本体部11Aに取り付けることと、枠状部11Bを本体部11Aから取り外すこととが可能に構成されたマスクフレーム11と、複数のマスク孔12Hを有したマスク部12であって、第2開口部11BHを覆うように、枠状部11Bの裏面11BRに接合されたマスク部12と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法に関する。
有機EL表示装置の製造において、表示素子が備える有機発光層の形成には、真空蒸着が用いられている。真空蒸着によって有機発光層を形成する際には、所定の形状を有した有機発光層を蒸着対象における所定の位置に形成するために、蒸着マスクが用いられている。蒸着マスクは、複数のマスク部と、マスクフレームとを備えている。各マスク部は、複数のマスク孔が形成された金属箔である。複数のマスク孔は、有機発光層の形状および配置に応じた形状および配置を有している。マスクフレームは、マスクフレームに取り付けられたマスク部に対して蒸着材料を到達させるためのフレーム孔を有している。各マスク部は、互いに異なる1つのフレーム孔を塞ぐように、マスクフレームに接合される(例えば、特許文献1を参照)。
国際公開第2019/054462号
ところで、マスクフレームに対するマスク部の接合には、例えば溶接が用いられる。溶接がマスク部の接合に用いられた場合には、マスクフレームには、マスク部を接合した接合痕が形成される。接合痕は、マスクフレームのなかで、マスク部が溶接された部分に形成された窪みである。
一方で、1つの蒸着マスクを用いた蒸着が複数回行われると、マスク部の一部が変形したり、マスク部の一部に蒸着材料が堆積したりすることがある。この点、上述した蒸着マスクでは、交換の必要が生じたマスク部のみをマスクフレームから取り外し、マスクフレームに新しいマスク部を接合することが可能ではある。しかしながら、マスクフレームには、マスク部の接合によって接合痕が形成されていることから、接合痕に起因して、マスクフレームに対するマスク部の位置がずれたり、マスクフレームに対してマスク部が接合されなかったりすることを抑えるために、接合痕に対する加工を行う必要がある。したがって、接合痕に対する加工が必要とされる分だけ、マスクフレームに対するマスク部の再接合が煩雑である。
なお、上述した課題は、マスク部の接合に溶接が用いられる場合に限らず、マスク部の接合に接着が用いられる場合にも共通している。マスク部の接合に接着が用いられた場合には、接合痕として接着層が形成される。
本発明は、マスクフレームに対するマスク部の再接合を容易とすることを可能とした蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための蒸着マスクは、表面、前記表面とは反対側の裏面、および、前記表面と前記裏面との間を貫通する第1開口部を備えた本体部、および、表面と、当該表面とは反対側の裏面とを備える枠状部であって、前記枠状部の前記表面と前記枠状部の前記裏面との間を貫通する第2開口部を備える枠状部を備え、前記本体部の前記表面に対する前記本体部の前記裏面側において、前記第2開口部における前記表面の開口が前記第1開口部における前記表面の開口と対向するように前記枠状部を前記本体部に取り付けることと、前記枠状部を前記本体部からの取り外すこととが可能に構成されたマスクフレームと、複数のマスク孔を有したマスク部であって、前記第2開口部を覆うように、前記枠状部の前記裏面に接合された前記マスク部と、を備える。
上記課題を解決するための蒸着マスクの製造方法は、表面と裏面との間を貫通する第2開口部を有した枠状部にマスク部を接合すること、および、表面と裏面との間を貫通する第1開口部を有した本体部に、前記枠状部を取り付けること、を含む。前記マスク部を接合することは、前記第2開口部を覆うように前記枠状部の前記裏面に前記マスク部を接合することを含む。前記枠状部を取り付けることは、前記本体部の前記表面に対する前記本体部の前記裏面側において、前記第2開口部の前記表面における開口が前記第1開口部における前記表面の開口と対向し、かつ、前記本体部からの取り外しが可能に前記枠状部を取り付けることを含む。
上記課題を解決するための表示装置の製造方法は、上記蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを用いて蒸着対象にパターンを形成すること、を含む。
上記蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法によれば、蒸着マスクが備えるマスク部を新しいマスク部に交換する際には、本体部から取り外すことが可能な枠状部とともに、マスク部を本体部から取り外すことが可能である。これにより、枠状部に対するマスク部の接合によって枠状部に形成された接合痕も本体部から取り除かれる。そのため、本体部に対して新しい枠状部を取り付け、かつ、新しい枠状部に対して新しいマスク部を接合することによって、蒸着マスクを得ることが可能である。このように、マスクフレームに対してマスク部を再接合する際に、マスクフレームが有する接合痕に対する加工が不要であることから、マスクフレームに対するマスク部の再接合を容易とすることができる。
上記蒸着マスクにおいて、複数の前記マスク部を備え、前記本体部は、複数の前記第1開口部を備え、前記マスクフレームは、複数の前記枠状部を備え、各枠状部は、互いに異なる前記第1開口部の前記開口と対向する前記第2開口部を有し、各マスク部は、互いに異なる前記枠状部の前記裏面に溶接され、各枠状部は、当該枠状部に対する前記マスク部の溶接によって形成された溶接痕を備え、前記溶接痕は、前記裏面に形成された窪みであってよい。
マスク部の溶接によってマスクフレームに形成された溶接痕は、マスクフレームにおいてマスク部が溶接される面に形成された窪みである。そのため、マスクフレームから溶接痕を除去するためには、マスクフレームから溶接痕を取り除く加工、または、溶接痕を埋める加工が必要とされる。加工が必要とされるマスク部以外のマスク部が、マスクフレームに対して接合された状態で、これらの加工を行うことは困難である。
この点、上記蒸着マスクによれば、マスクフレームが備える枠状部にマスク部が接合されることにより、マスクフレームに対するマスク部の再接合を容易とすることができるという効果をより顕著に得ることができる。
上記蒸着マスクにおいて、前記枠状部は、磁性を有した金属によって形成された枠部材であり、前記マスクフレームは、前記本体部からの取り外しが可能に、磁気吸着によって前記枠状部を前記本体部に固定する固定部をさらに備えてよい。
上記蒸着マスクによれば、本体部に対して枠状部が磁気吸着によって固定されるため、ねじなどの締結部材を用いて本体部に対して枠状部を固定する場合に比べて、本体部に対する枠状部の位置における精度が低下しにくい。
上記蒸着マスクにおいて、前記マスクフレームは、前記本体部の厚さ方向において、前記本体部に対する前記枠状部の位置を第1位置と第2位置との間において変更することが可能に構成された第1位置調整部を備えてもよい。
上記蒸着マスクによれば、第1位置調整部によって厚さ方向における枠状部の位置を変更することが可能であるから、複数の枠状部間での厚さのばらつきに起因したマスク部の位置のずれを第1位置調整部によって抑えることが可能である。
上記蒸着マスクにおいて、前記マスクフレームは、前記枠状部が広がる平面において、前記本体部に対する前記枠状部の位置を第3位置と第4位置との間において変更することが可能に構成された第2位置調整部を備えてもよい。
上記蒸着マスクによれば、第2位置調整部によって枠状部が広がる平面での枠状部の位置を変更することが可能であるから、複数の枠状部間での第2開口部の位置のずれを第2位置調整部によって抑えることが可能である。
上記蒸着マスクにおいて、前記本体部は、前記第1開口部における前記裏面の開口が拡開された段差部を有し、前記枠状部は、前記段差部に位置するように構成されてもよい。この蒸着マスクによれば、枠状部が段差部に位置するから、本体部が段差部を有しない場合に比べて、本体部の裏面とマスク部との間の隙間を小さくすることが可能である。そのため、蒸着マスクが蒸着対象に接した場合に、蒸着対象において蒸着マスクが接した部分と蒸着マスクが接していない部分とに作用する力の差を小さくすることが可能である。
上記蒸着マスクでは、前記裏面に直交する断面において、前記枠状部は、前記本体部の前記段差部が有する深さ以上の厚さを有してもよい。この構成によれば、本体部の段差部に枠状部が嵌め込まれた場合に、枠状部の裏面は本体部の裏面と面一である、あるいは、枠状部の裏面は本体部の裏面に対して飛び出ている。そのため、本体部の裏面が枠状部の裏面に対して飛び出ることが抑えられ、これによって、マスク部と蒸着対象との間に隙間が形成されることが抑えられる。
本発明によれば、マスクフレームに対するマスクの再接合を容易とすることができる。
第1実施形態における蒸着マスクの構造を示す斜視図。 図1が示す蒸着マスクにおける構造の一部を示す断面図。 図2が示す蒸着マスクにおける構造の一部を示す断面図。 図2が示す蒸着マスクが備えるマスク部の構造を示す平面図。 図2が示す蒸着マスクが備えるマスク部の構造を拡大して示す断面図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 図12が示す領域Aを拡大して示す断面図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの製造方法を説明するための工程図。 蒸着マスクの作用を説明するための作用図。 蒸着装置の構成を蒸着マスクおよび蒸着対象とともに模式的に示す装置構成図。 第2実施形態における蒸着マスクの構造を示す平面図。 図18が示すXIX‐XIX線に沿う構造を示す断面図。 固定部および固定部の周辺構造を示す断面図。 図18が示すXIX‐XIX線に沿う構造を示す断面図。 固定部および固定部の周辺構造を示す断面図。 第3実施形態における蒸着マスクの構造を示す平面図。 図23が示すXXIV‐XXIV線に沿う構造を示す断面図。 第4実施形態における蒸着マスクの構造を示す平面図。 図25が示すXXVI‐XXVI線に沿う構造を示す断面図。 第5実施形態における蒸着マスクの構造を示す平面図。 図27が示すXXVIII‐XXVIII線に沿う構造を示す断面図。
[第1実施形態]
図1から図17を参照して、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第1実施形態を説明する。以下では、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法を順に説明する。
[蒸着マスク]
蒸着マスクは、マスクフレームとマスク部とを備えている。マスクフレームは、本体部と枠状部とを備えている。本体部は、表面、表面とは反対側の裏面、および、表面と裏面との間を貫通する第1貫通孔を備える。枠状部は、表面、表面とは反対側の裏面、および、表面と裏面との間を貫通する第2貫通孔を備える。マスクフレームは、本体部の表面に対する本体部の裏面側において、第2開口部における表面の開口が第1開口部における表面の開口と対向するように枠状部を本体部に取り付けること、および、枠状部を本体部から取り外すことが可能に構成されている。マスク部は、複数のマスク孔を有し、第2開口部を覆うように枠状部の裏面に接合される。
以下、図1から図5を参照して、蒸着マスクを説明する。図1は、蒸着マスクのマスクフレームが備える本体部の裏面と対応する視点から見た蒸着マスクの斜視構造を示している。
図1が示すように、蒸着マスク10は、マスクフレーム11と、複数のマスク部12とを備えている。マスクフレーム11は、複数のフレーム孔11Hを有している。各マスク部12は、互いに異なる1つのフレーム孔11Hを覆うように、マスクフレーム11に接合されている。
マスクフレーム11の外形は、例えば四角形状を有している。マスクフレーム11は、表面11Fと、表面11Fとは反対側の裏面11Rとを備えている。蒸着マスク10が蒸着装置に搭載された際に、マスクフレーム11の裏面11Rが蒸着対象Sと対向し、これに対して、マスクフレーム11の表面11Fが蒸着源と対向する。マスクフレーム11の裏面11Rと対向する視点から見て、マスクフレーム11の外形は、蒸着対象Sよりも大きい。なお、図1が示す例ではマスクフレーム11の外形が蒸着対象Sよりも大きいが、マスクフレーム11の外形は、蒸着対象Sよりも小さくてもよい。
各フレーム孔11Hは、裏面11Rと対向する視点から見て、長方形状を有している。複数のフレーム孔11Hは、第1方向D1と、第1方向D1に直交する第2方向D2とにおいて、等しい間隔を空けて矩形格子状に並んでいる。なお、フレーム孔11Hは、長方形状を有しなくてもよい。例えば、フレーム孔11Hは、正方形状、円状、および、楕円状などの形状を有してもよい。また、複数のフレーム孔11Hには、第1の形状を有したフレーム孔11Hと第2の形状を有したフレーム孔11Hとが含まれてよい。複数のフレーム孔11Hは、矩形格子状に並んでいなくてもよい。例えば、複数のフレーム孔11Hは、千鳥格子状に並んでもよい。また、複数のフレーム孔11Hは、第1方向D1および第2方向D2の少なくとも一方において不規則に並んでもよい。
マスク部12は、マスクフレーム11の裏面11Rと対向する視点から見て、フレーム孔11Hを覆うことが可能な形状および大きさを有している。本実施形態において、マスク部12は、長方形状を有している。マスク部12は、1つのフレーム孔11Hに対して1つずつ取り付けられている。そのため、蒸着マスク10は、フレーム孔11Hと同数のマスク部12を備えている。
マスクフレーム11およびマスク部12は、金属製である。マスクフレーム11を形成する金属と、マスク部12を形成する金属とは、同一であることが好ましい。これにより、蒸着マスク10の線膨張係数とマスク部12の線膨張係数の差が小さいことから、蒸着マスク10の使用時に蒸着マスク10が加熱されても、マスク部12が変形することが抑えられる。結果として、蒸着マスク10を用いて形成したパターンの位置における精度の低下が抑えられる。
マスク部12を形成する材料には、鉄とニッケルとを主成分とする合金である鉄‐ニッケル系合金を用いることができる。マスク部12を形成する材料は、例えば、30質量%以上のニッケルと、残余分の鉄を含む合金である。鉄‐ニッケル系合金のなかでも、ニッケルを36質量%含む合金であるインバーであることが好ましい。マスク部12を形成する材料は、ニッケルを42質量%含む合金である42アロイでもよい。マスク部12は、鉄およびニッケルに加えて、クロム、マンガン、炭素、および、コバルトなどの添加物を含んでもよい。
マスク部12を形成する材料が鉄‐ニッケル‐コバルト系の合金である場合は、当該材料は、鉄、ニッケル、および、コバルトを主成分とし、かつ、例えば、30質量%以上のニッケル、3質量%以上のコバルト、および、残余分の鉄を含む合金である。鉄‐ニッケル‐コバルト系合金のなかでも、32質量%のニッケルと4質量%以上5質量%以下のコバルトを含む合金、すなわちスーパーインバーが、マスク部12を形成するための材料として好ましい。スーパーインバーにおいて、32質量%のニッケル、および、4質量%以上5質量%以下のコバルトに対する残余分は、主成分である鉄以外の添加物を含む場合がある。添加物は、例えば、クロム、マンガン、および、炭素などである。鉄‐ニッケル‐コバルト系合金に含まれる添加物は、最大でも0.5質量%以下である。
なお、蒸着対象Sは、ガラス基板であることが好ましい。蒸着対象Sがガラス製である場合には、マスク部12がインバー製であることによって、蒸着対象Sの線膨張係数とマスク部12の線膨張係数との差が大きくなることが抑えられる。なお、蒸着対象Sは、ガラス基板と樹脂層との積層体でもよい。この場合には、蒸着対象Sが備える樹脂層にパターンが形成されてよい。また、蒸着対象Sは、樹脂フィルムでもよい。樹脂層および樹脂フィルムを形成する材料は、例えば、ポリイミド樹脂であることが好ましい。
図2は、マスクフレーム11の裏面11Rに直交する面に沿った蒸着マスク10の断面構造を示している。図2は、蒸着マスク10の断面構造のうち、1つのフレーム孔11Hと1つのマスク部12とを含む部分の構造のみを示している。
図2が示すように、マスクフレーム11は、本体部11Aと、複数の枠状部11Bとを備えている。本体部11Aは、表面11AF、表面11AFとは反対側の裏面11AR、および、複数の第1開口部11AHを備えている。第1開口部11AHは、表面11AFと裏面11ARとの間を貫通している。本体部11Aは、第1開口部11AHにおける本体部11Aの裏面11ARの開口が拡開された段差部AH1を有している。
各枠状部11Bは、互いに異なる第1開口部11AHにおける表面11AFの開口と対向する第2開口部11BHを区切るように段差部AH1に嵌め込まれる枠状を有している。各枠状部11Bは、表面11BFと裏面11BRとを備えている。枠状部11Bの裏面11BRは、段差部AH1とは反対側に露出した露出面の一例である。各枠状部11Bは、本体部11Aの段差部AH1からの取り外しが可能に構成されている。
各マスク部12は、複数のマスク孔12Hを有している。各マスク部12は、互いに異なる1つの枠状部11Bが有した第2開口部11BHを覆うように、枠状部11Bの裏面11BRに接合されている。
蒸着マスク10が備えるマスク部12を新しいマスク部12に交換する際には、本体部11Aから取り外すことが可能な枠状部11Bとともに、マスク部12を本体部11Aから取り外すことが可能である。これにより、枠状部11Bに対するマスク部12の接合によって枠状部11Bに形成された接合痕も本体部11Aから取り除かれる。そのため、本体部11Aに対して新しい枠状部11Bを嵌め込み、かつ、新しい枠状部11Bに対して新しいマスク部12を接合することによって、蒸着マスク10を得ることが可能である。このように、マスクフレーム11に対してマスク部12を再接合する際に、マスクフレーム11が有する接合痕に対する加工が不要であることから、マスクフレーム11に対するマスク部12の再接合を容易とすることができる。
枠状部11Bが段差部AH1に位置するから、本体部11Aが段差部AH1を有しない場合に比べて、本体部11Aの裏面11ARとマスク部12との間の隙間を小さくすることが可能である。そのため、蒸着マスク10が蒸着対象に接した場合に、蒸着対象において蒸着マスク10が接した部分と蒸着マスク10が接していない部分とに作用する力の差を小さくすることが可能である。
本体部11Aの裏面11ARと対向する平面視において、枠状部11Bの外形は矩形状を有し、かつ、枠状部11Bは、矩形状の領域を区画している。枠状部11Bは、マスク部12が接合される裏面11BRと、裏面11BRとは反対側の表面11BFとを備えている。裏面11BRは、表面11BFに対して本体部11Aの表面11AFとは反対側に位置する面である。
本体部11Aの裏面11ARと直交する断面において、枠状部11Bの第2開口部11BHは、台形状を有している。一方で、本体部11Aの裏面11ARと直交する断面において、本体部11Aの各第1開口部11AHは、表面11AFに開口し、かつ、台形状を有する部分と、裏面11ARに開口し、かつ、長方形状を有する部分とが接続された形状を有している。枠状部11Bが本体部11Aの段差部AH1に嵌め込まれることによって、本体部11Aの第1開口部11AHと、枠状部11Bの第2開口部11BHとによって、1つのフレーム孔11Hが形成される。本体部11Aの裏面11ARと直交する断面において、フレーム孔11Hは台形状を有している。
なお、本体部11Aの裏面11ARと直交する断面において、フレーム孔11Hは、台形状以外の形状を有してもよい。例えば、フレーム孔11Hは、表面11AFから裏面11ARに向けて先細る半円弧状を有してもよいし、矩形状を有してもよい。
フレーム孔11Hは、蒸着源から気化または昇華した蒸着材料の通路である。フレーム孔11Hが台形状、言い換えれば、本体部11Aの表面11AFから裏面11ARに向かう方向に沿って先細りする形状を有することによって、マスクフレーム11によるシャドウ効果を抑えることが可能である。
本体部11Aの裏面11ARに直交する断面において、枠状部11Bは、本体部11Aの段差部AH1が有する深さD以上の厚さTBを有している。本実施形態では、本体部11Aの段差部AH1が有する深さDは、枠状部11Bが有する厚さTBに等しい。本体部11Aの段差部AH1に枠状部11Bが嵌め込まれた場合に、枠状部11Bの裏面11BRは本体部11Aの裏面11ARと面一である。そのため、本体部11Aの裏面11ARが枠状部11Bの裏面11BRに対して飛び出ることが抑えられ、これによって、マスク部12と蒸着対象Sとの間に隙間が形成されることが抑えられる。
なお、枠状部11Bの厚さTBが段差部AH1の深さDよりも大きい場合には、枠状部11Bの裏面11BRは本体部11Aの裏面11ARに対して飛び出ている。そのため、枠状部11Bの裏面11BRと本体部11Aの裏面11ARとが面一である場合と同様、本体部11Aの裏面11ARが枠状部11Bの裏面11BRに対して飛び出ることが抑えられ、これによって、マスク部12と蒸着対象Sとの間に隙間が形成されることが抑えられる。
本体部11Aの裏面11ARと直交する断面において、枠状部11Bの厚さTBは、本体部11Aの厚さTAよりも薄い。本体部11Aの厚さTAは、例えば5mm以上50mm以下であってよい。枠状部11Bの厚さTBは、例えば100μm以上10mm以下であってよい。
上述したマスクフレーム11の表面11Fは、本体部11Aの表面11AFである。これに対して、マスクフレーム11の裏面11Rは、本体部11Aの裏面11ARと、各枠状部11Bの裏面11BRとによって形成されている。
なお、本体部11Aの裏面11ARに直交する断面において、枠状部11Bにおいて表面11BFと裏面11BRとを繋ぐ側面は、枠状部11B内、または、枠状部11Bの厚さ方向において、枠状部11Bに対するマスク部12側に曲率中心が位置するような曲率を有してもよい。また、本体部11Aの裏面11ARと対向する視点から見て、第2開口部11BHにおける裏面11BRの開口が有する角部は、当該開口内に曲率中心が位置するような曲率を有してもよい。また、本体部11Aの裏面11ARと対向する視点から見て、枠状部11Bの外縁が有する角部は、枠状部11B内に曲率中心が位置するような曲率を有してもよい。
また、本体部11Aの裏面11ARと対向する視点から見て、段差部AH1の内縁が有する角部は、段差部AH1の内縁が囲む領域内に曲率中心が位置するような曲率を有してもよい。また、本体部11Aの表面11AFと対向する視点から見て、第1開口部11AHにおける表面11AFの開口が有する角部は、当該開口内に曲率半径が位置するような曲率を有してもよい。
各角部が曲率を有することによって、各角部が曲率を有しない場合に比べて、本体部11Aに対して枠状部11Bを嵌め込む際に、本体部11Aが有する角部に枠状部11Bが接触することに起因した損傷や、枠状部11Bが有する角部に本体部11Aが接触することに起因した損傷が抑えられる。
マスクフレーム11は、本体部11Aに枠状部11Bを固定する固定部を備えることが可能である。図3は、固定部の一例を模式的に示している。固定部は、本体部11Aからの取り外しが可能に枠状部11Bを本体部11Aに固定する。
枠状部11Bが、磁性を有した金属によって形成された枠部材である場合には、本体部11Aは、本体部11Aからの取り外しが可能に、磁気吸着によって枠状部11Bを本体部11Aに固定する固定部を備えることが可能である。これにより、本体部11Aに対して、枠状部11Bが磁気吸着されるため、ねじなどの締結部材を用いて本体部11Aに対して枠状部11Bを固定する場合に比べて、本体部11Aに対する枠状部11Bの位置における精度が低下しにくい。
例えば、図3が示すように、本体部11Aは、本体部11Aの内部に磁石11AMを備えることができる。磁石11AMは、例えば永久磁石である。磁石11AMは、第1状態と第2状態とを有することが可能である。第1状態は、磁石11AMが段差部AH1を区画する面に沿って位置する状態であり、これによって、磁石11AMは、磁気吸着によって枠状部11Bを本体部11Aに固定する。一方で、第2状態は、第1状態に比べて、段差部AH1を区画する面から磁石11AMが離れた状態であり、磁石11AMが第2状態を有する場合には、磁石11AMは、本体部11Aに対する枠状部11Bの固定を解除する。
そのため、磁石11AMが第1状態である場合に、本体部11Aに枠状部11Bを固定することが可能である。そして、磁石11AMの状態を第1状態から第2状態に変更することによって、本体部11Aに固定された枠状部11Bを本体部11Aから取り外すことが可能である。
図4は、枠状部11Bに接合されるマスク部12の平面構造を模式的に示している。図5は、マスク部12が広がる平面と直交する断面に沿うマスク部12の構造を示している。
図4が示すように、マスク部12は、複数のマスク孔12Hが形成されたマスク領域12Aと、マスク孔12Hを有しない周辺領域12Bとを備えている。周辺領域12Bは、マスク領域12Aを囲んでいる。周辺領域12Bの一部が、枠状部11Bに接合されている。
図4が示す例では、マスク部12は、マスク領域12Aを1つのみ備えている。なお、マスク部12は、複数のマスク領域12Aを備えてもよい。マスク部12が複数のマスク領域12Aを備える場合には、互いに隣り合うマスク領域12Aは、周辺領域12Bによって互いから区分されている。また、蒸着マスク10が備える複数のマスク部12の全てにおいて、各マスク部12が有するマスク領域12Aの数が同じであってもよい。あるいは、複数のマスク部12には、第1の数のマスク領域12Aを備えるマスク部12と、第2の数のマスク領域12Aを備えるマスク部12とが含まれてもよい。
図5が示すように、マスク部12は、表面12Fと、表面12Fとは反対側の裏面12Rとを備えている。表面12Fは、マスクフレーム11のフレーム孔11Hが区画する領域に露出することによって、蒸着装置内において蒸着源と対向するための面である。裏面12Rは、蒸着装置内において、蒸着対象Sと接触するための面である。
マスク部12は、単一の金属板から形成されてもよいし、複数の金属板から形成されてもよい。マスク部12が複数の金属板から形成される場合には、複数の金属板がマスク部12の厚さ方向において積み重なっている。マスク孔12Hを区画する孔側面は、マスク部12の厚さ方向に沿う断面において、表面12Fから裏面12Rに向けて先細りする半円弧状を有している。各マスク孔12Hは、互いに隣り合うマスク孔12Hから離れている。なお、各マスク孔12Hは、互いに隣り合うマスク孔12Hに連なっていてもよい。
表面12Fは、マスクフレーム11の枠状部11Bに接合される面である。表面12Fは、マスク孔12Hの開口である表面開口H1を含んでいる。裏面12Rは、マスク孔12Hの開口である裏面開口H2を含んでいる。表面開口H1の大きさは、表面12Fと対向する視点から見て、裏面開口H2よりも大きい。各マスク孔12Hは、蒸着源から気化または昇華した蒸着粒子が通る通路である。蒸着源から気化または昇華した蒸着粒子は、表面開口H1から裏面開口H2に向けてマスク孔12H内を進む。マスク孔12Hにおいて、表面開口H1が裏面開口H2よりも大きいことによって、マスク部12に向けて飛行する蒸着粒子から蒸着対象を見たときに、蒸着マスク10によって影になる部分を少なくすること、すなわち、シャドウ効果を抑えることが可能である。
マスク部12の厚さは、例えば、1μm以上15μm以下である。このような薄いマスク部12であれば、表面開口H1から入る蒸着粒子に対するシャドウ効果を抑えることが可能である。
[蒸着マスクの製造方法]
図6から図15を参照して、蒸着マスク10の製造方法を説明する。
蒸着マスク10の製造方法は、表面11BFと裏面11BRとの間を貫通する第2開口部11BHを有した枠状部11Bにマスク部12を接合すること、および、表面11AFと裏面11ARとの間を貫通する第1開口部11AHを有した本体部11Aに、第2開口部11BHを有した枠状部11Bを取り付けることを含む。マスク部12を接合することは、第2開口部11BHを覆うように枠状部11Bの裏面11BRにマスク部12を接合することを含む。枠状部11Bを取り付けることは、本体部11Aの表面11AFに対する本体部11Aの裏面11AR側において、第2開口部11BHの表面11BFにおける開口が第1開口部11AHにおける表面11AFの開口と対向し、かつ、本体部11Aからの取り外しが可能に枠状部11Bを取り付けることを含む。以下、図面を参照して、蒸着マスク10の製造方法をより詳しく説明する。
なお、図6から図11には、マスク部12を形成するための基材を準備する工程からマスク部12を形成するまでの工程が示されている。また、図12から図15には、マスク部12をマスクフレーム11に接合する工程から、マスク部12から支持体を取り外す工程までが示されている。なお、図12から図15では、図示の便宜上、マスクフレーム11が1つのフレーム孔11Hのみを有し、かつ、蒸着マスク10が1つのマスク部12を有する構造として示されている。
図6から図11が示すように、蒸着マスク10の製造方法では、まず、マスク部12を形成するための基材20が準備される(図6参照)。マスク部12の基材20は、マスク部12を形成するための金属板21と、金属板21を支持するための支持体22とを備えている。支持体22は、樹脂層22aおよびガラス基板22bから形成されている。基材20において、樹脂層22aが、金属板21とガラス基板22bとに挟まれている。
上述したように、金属板21は、鉄‐ニッケル系合金から形成されてよい。ガラス基板22bは、無アルカリガラス、石英ガラス、結晶化ガラス、ホウケイ酸ガラス、高ケイ酸ガラス、多孔質ガラス、および、ソーダライムガラスから構成される群から選択されるいずれか1つから形成されてよい。
次いで、金属板21を表面21Fからエッチングすることによって、金属板21の厚さを薄くする。例えば、金属板21の厚さをエッチング前の金属板21の厚さの1/2以下の厚さまで減らすことが可能である(図7参照)。そして、金属板21の表面21Fにレジスト層PRが形成される(図8参照)。レジスト層PRに対する露光、および、現像が行われることによって、表面21FにレジストマスクRMが形成される(図9参照)。
次に、レジストマスクRMを用いて金属板21が表面21Fからウェットエッチングされる。これによって、金属板21に複数のマスク孔12Hが形成される(図10参照)。金属板21のウェットエッチングでは、表面開口H1が表面21Fに形成され、その後に、表面開口H1よりも小さい裏面開口H2が裏面21Rに形成される。次いで、レジストマスクRMが表面21Fから除去されることによって、マスク部12が製造される(図11参照)。なお、金属板21の表面21Fが、マスク部12の表面12Fに対応し、金属板21の裏面21Rが、マスク部12の裏面12Rに対応する。
基材20を準備する工程(図6参照)には、金属板21とガラス基板22bとの間に樹脂層22aを挟み、樹脂層22aを介して金属板21とガラス基板22bとを接合する工程が含まれる。金属板21、樹脂層22a、および、ガラス基板22bが接合されるときには、まず、金属板21およびガラス基板22bの各々が有する面のなかで、少なくとも樹脂層22aと接する面にCB(Chemical bonding)処理が行われる。金属板21およびガラス基板22bにおいてCB処理が行われる面が対象面である。CB処理では、例えば、対象面に薬液が塗布されることによって、樹脂層22aに対して反応性を有する官能基などが対象面に付与される。CB処理では、例えばSi系化合物などが対象面に付与される。
そして、金属板21、樹脂層22a、および、ガラス基板22bを記載の順に重ねた後に、これらを熱圧着する。この際に、金属板21の対象面と、ガラス基板22bの対象面とを、樹脂層22aに接触させる。これにより、対象面に付与された官能基と、樹脂層22aの表面に位置する官能基とが反応することによって、金属板21と樹脂層22aとが接合され、かつ、ガラス基板22bと樹脂層22aとが接合される。
樹脂層22aは、ポリイミド製であることが好ましい。この場合には、金属板21の線膨張係数、樹脂層22aの線膨張係数、および、ガラス基板22bの線膨張係数が同程度である。そのため、蒸着マスク10を製造する過程において、金属板21、樹脂層22a、および、ガラス基板22bから形成される積層体が加熱されても、積層体を形成する層間の線膨張係数の差に起因した積層体の反りが抑えられる。
金属板21を製造する方法には、電解または圧延が用いられる。これらの方法によって得られた金属板21の後処理として、研磨やアニールなどが適宜用いられる。金属板21の製造に電解が用いられる場合には、電解に用いられる電極の表面に金属板21が形成される。その後、電極の表面から金属板21が離型される。これにより、金属板21が製造される。上述した接合工程では、樹脂層22aを介して10μm以上の厚さを有する金属板21をガラス基板22bに接合することが好ましい。なお、金属板21が圧延によって製造される場合には、金属板21の厚さは15μm以上であることが好ましい。金属板21が電解によって製造される場合には、金属板21の厚さは10μm以上であることが好ましい。
金属板21にレジストマスクRMを形成する前に金属板21の厚さを減らす薄板化工程(図7参照)では、ウェットエッチングを用いることができる。上述したように、薄板化工程では、薄板化後の金属板21の厚さを薄板化前の金属板21の厚さの1/2以下にまで減らすことが可能である。そのため、金属板21の厚さを、マスク部12における厚さの2倍以上とすることが可能である。これにより、マスク部12に求められる厚さが上述したように15μm以下という薄さであっても、金属板21がガラス基板22bに接合される前において、蒸着マスク10が有するマスク部12よりも剛性の高い金属板21を用いることができる。そのため、マスク部12と同じ厚さを有した金属板21をガラス基板22bに接合することに比べて、金属板21をガラス基板22bに接合することがより容易である。なお、金属板21の厚さを減らす工程は、省略することができる。
金属板21をウェットエッチングすることによって薄板化するためのエッチング液には、酸性のエッチング液を用いることができる。金属板21がインバーから形成される場合には、エッチング液は、インバーをエッチングすることが可能なエッチング液であればよい。酸性のエッチング液は、例えば、過塩素酸第二鉄液、および、過塩素酸第二鉄液と塩化第二鉄液との混合液のいずれかに対して、過塩素酸、塩酸、硫酸、蟻酸、および、酢酸のいずれかを混合した溶液であってよい。表面21Fをエッチングする方式には、ディップ式、スプレー式、および、スピン式のいずれかを用いることができる。
金属板21に複数のマスク孔12Hを形成するためのエッチング工程(図10参照)では、エッチング液として酸性のエッチング液を用いることができる。金属板21がインバーから形成されるときには、エッチング液には、上述した薄板化工程で用いることが可能なエッチング液のいずれかを用いることができる。マスク孔12Hを形成するためのエッチングの方式にも、薄板化工程で用いることが可能な方式のいずれかを用いることができる。
なお、基材20を準備する工程は、金属板21、樹脂層22a、および、ガラス基板22bを互いに接合する前に、金属板21における1つの面から金属板21を薄板化する工程を含むことができる。この場合には、基材20を準備する工程が含む薄板化工程が第1薄板化工程であり、基材20を準備する工程の後に行われる薄板化工程が第2薄板化工程である。
第1薄板化工程において、金属板21は、第1面からエッチングされることによって薄板化される。これに対して、第2薄板化工程において、金属板21は、第1面とは異なる第2面からエッチングされることによって薄板化される。第1面がエッチングされた後に得られる面が、金属板21において樹脂層22aと接合される面であって、かつ、CB処理が行われる面である。
金属板21の第1面と第2面との両方をエッチングすることによって、第1面と第2面との両方から金属板21の残留応力を調節することが可能である。これにより、一方の面のみをエッチングする場合に比べて、エッチング後における金属板21の残留応力に偏りが生じることが抑えられる。そのため、金属板21から得られたマスク部12をマスクフレーム11に接合した場合に、マスク部12にしわが生じることが抑えられる。金属板21において、第1面のエッチングによって得られた面がマスク板の裏面12Rに対応し、第2面のエッチングによって得られた面がマスク部12の表面12Fに対応する。
なお、金属板21を第1面からエッチングする際のエッチング量が第1エッチング量であり、第2面からエッチングする際のエッチング量が第2エッチング量である。第1エッチング量と第2エッチング量とは、等しくてもよいし、異なってもよい。第1エッチング量と第2エッチング量とが異なる場合には、第1エッチング量が第2エッチング量よりも大きくてもよいし、第2エッチング量が第1エッチング量よりも大きくてもよい。ただし、第2エッチング量が第1エッチング量よりも大きい場合には、金属板21が樹脂層22aとガラス基板22bとによって支持された状態でのエッチング量がより大きいため、金属板21の取り扱い性がよく、結果として、金属板21のエッチングが容易である。
図12から図15が示すように、マスクフレーム11の一部とマスク部12一部とが接合される(図12参照)。この際に、各マスク部12が互いに異なるフレーム孔11Hを1つずつ覆うように、複数のマスク部12が単一のマスクフレーム11に接合される。そして、樹脂層22aからガラス基板22bが取り外される(図14参照)。次いで、各マスク部12から樹脂層22aが取り外される(図15参照)。これにより、上述した蒸着マスク10が得られる。
図12が示すように、マスクフレーム11の一部とマスク部12の一部とを接合する工程では、まず、マスクフレーム11が準備される。この際に、本体部11Aの段差部AH1に対して枠状部11Bを嵌め込むことによって、マスクフレーム11を形成する。マスクフレーム11は、インバー製でもよいし、インバー以外の金属から形成されてもよい。インバー以外の金属は、例えばステンレス鋼であってよい。本体部11Aを形成するための金属と、枠状部11Bを形成するための金属とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なってもよい。
マスク部12をマスクフレーム11の枠状部11Bに接合する工程(図12参照)では、接合方法としてレーザー溶接を用いることができる。ガラス基板22bと樹脂層22aとを通じて、マスク部12のうち、周辺領域12Bに含まれる部分に第1レーザー光線L1が照射される。そのため、ガラス基板22bおよび樹脂層22aは、第1レーザー光線L1に対する透過性を有する必要がある。言い換えれば、第1レーザー光線L1は、ガラス基板22bおよび樹脂層22aを透過することが可能な波長を有する必要がある。第2開口部11BHの縁に沿って間欠的に第1レーザー光線L1が照射されることによって、間欠的な接合部が形成される。一方で、第2開口部11BHの縁に沿って連続的に第1レーザー光線L1が照射され続けることによって、連続的な接合部が形成される。これにより、マスク部12がマスクフレーム11の枠状部11Bに溶着される。第1レーザー光線L1が有する波長は、355nmであることが好ましい。
図13は、図12が示す領域Aを拡大して示している。領域Aには、枠状部11Bに対するマスク部12の溶接によって形成された接合痕が含まれ、図13では、接合痕が模式的に示している。
図13が示すように、各枠状部11Bは、当該枠状部11Bに対するマスク部12の溶接によって形成された溶接痕11BWを備えている。枠状部11Bに対してマスク部12がレーザー溶接される際には、マスク部12および枠状部11Bに対して第1レーザー光線L1が照射される。マスク部12に対して第1レーザー光線L1が照射されることによって、マスク部12のうちで第1レーザー光線L1が照射された部位は、枠状部11Bの裏面11BRから表面11BFに向かう方向に沿って枠状部11Bに食い込むように変形する。これにより、枠状部11Bには、マスク部12の一部が食い込んだ分だけ窪みが形成される。すなわち、枠状部11Bが有する溶接痕11BWは、裏面11BRに形成された窪みである。
支持体22を取り外す工程は、第1工程(図14参照)と第2工程(図15参照)とを含んでいる。第1工程では、樹脂層22aとガラス基板22bとの界面に、第2レーザー光線L2を照射する。第2レーザー光線L2は、ガラス基板22bによって透過され、かつ、樹脂層22aによって吸収される波長を有する。これによって、樹脂層22aからガラス基板22bを取り外す。第2レーザー光線L2が有する波長は、308nmもしくは355nmであることが好ましい。
第1工程では、樹脂層22aとガラス基板22bとの界面に第2レーザー光線L2を照射することによって、第2レーザー光線L2による熱エネルギーを樹脂層22aに吸収させる。これにより、樹脂層22aが加熱されることによって、樹脂層22aとガラス基板22bとの間における化学的な結合の強度を低くする。そして、ガラス基板22bを樹脂層22aから取り外す。第1工程では、接合部の全体に第2レーザー光線L2を照射することが好ましいが、接合部の全体においてガラス基板22bと樹脂層22aとの間における結合の強度を低くすることが可能であれば、接合部の一部に第2レーザー光線L2を照射してもよい。
第2レーザー光線L2が有する波長において、ガラス基板22bの透過率が、樹脂層22aの透過率よりも高いことが好ましい。これにより、ガラス基板22bの透過率が樹脂層22aの透過率よりも低い場合と比べて、樹脂層22aのなかで、ガラス基板22bと樹脂層22aとの界面を形成する部分が加熱される効率を高めることができる。
上述したように、樹脂層22aはポリイミド製であることが好ましい。樹脂層22aは、ポリイミドのなかでも有色のポリイミドによって形成されることが好ましい。ガラス基板22bは透明であることが好ましい。
第2工程では、第1工程の後に、薬液LMを用いて樹脂層22aを溶解することによって、マスク部12から樹脂層22aを取り外す。薬液LMには、樹脂層22aを形成する材料を溶解することができる液体であって、かつ、マスク部12を形成する材料に対する反応性を有しない液体を用いることができる。薬液LMには、例えばアルカリ性の溶液を用いることができる。アルカリ性の溶液は、例えば水酸化ナトリウム水溶液であってよい。なお、図15では、樹脂層22aと薬液LMとを接触させる方法としてディップ法を例示しているが、樹脂層22aと薬液LMとを接触させる方法には、スプレー式およびスピン式を用いることも可能である。
このように、マスク部12から支持体22を取り外す工程では、第1工程によって樹脂層22aからガラス基板22bを取り外し、かつ、第2工程によってマスク部12から樹脂層22aを取り外す。そのため、ガラス基板22b、樹脂層22a、および、マスク部12の積層体に加えた外力による界面破壊によってマスク部12から支持体22を取り外す場合と比べて、マスク部12に作用する外力を小さくすることができる。これによって、支持体22の取り外しに起因したマスク部12の変形、ひいては、マスク部12が有するマスク孔12Hの変形が抑えられる。
なお、枠状部11Bには、上述したように、本体部11Aの段差部AH1に対して枠状部11Bが嵌め込まれた後にマスク部12が接合されてもよいし、本体部11Aの段差部AH1に対して枠状部11Bが嵌め込まれる前にマスク部12が接合されてもよい。
[蒸着マスクの作用]
図16を参照して、枠状部11Bに対してマスク部12が溶接された蒸着マスク10の作用を説明する。図16は、マスクフレーム11の本体部11Aから、マスク部12が枠状部11Bとともに取り外される工程を示している。
図16が示すように、マスクフレーム11に接合されたマスク部12を新たなマスク部12と交換する際には、マスク部12が、枠状部11Bとともに本体部11Aから取り外される。そのため、マスクフレーム11に対するマスク部12の溶接によって形成された溶接痕11BWは、枠状部11Bとともに本体部11Aから取り除かれる。
マスク部12の溶接によってマスクフレーム11に形成された溶接痕11BWは、マスクフレーム11においてマスク部12が接合される面に形成された窪みである。そのため、マスクフレーム11から溶接痕11BWを除去するためには、マスクフレーム11から溶接痕11BWを取り除く加工、または、溶接痕11BWを埋める加工が必要とされる。加工が必要とされるマスク部12以外のマスク部12が、マスクフレーム11に対して接合された状態で、これらの加工を行うことは困難である。そのため、枠状部11Bにマスク部12が溶接される場合には、マスクフレーム11が備える枠状部11Bにマスク部12が接合されることによる効果をより顕著に得ることができる。
なお、マスクフレーム11から溶接痕11BWを除去するために、マスクフレーム11のうちで溶接痕11BWを含む部分をマスクフレーム11におけるそれ以外の部分から取り除く場合には、枠状部11Bが区画する第2開口部11BHが拡開されることもある。これにより、枠状部11Bの表面11BFと対向する視点から見て、枠状部11Bが区切る第2開口部11BHの大きさが変わってしまう。
新たなマスク部12をマスクフレーム11に接合する際には、本体部11Aに枠状部11Bを嵌め込んだ後に、枠状部11Bに対してマスク部12を接合してもよい。この場合には、枠状部11Bとともに本体部11Aに取り付けられたマスク部12からガラス基板22bおよび樹脂層22aが取り外される。そのため、マスク部12から樹脂層22aを取り外す際には、例えば、マスク部12および樹脂層22aのみが薬液LMと接触するようにマスクフレーム11を固定することが必要である。
あるいは、枠状部11Bに対してマスク部12を接合した後に、本体部11Aに枠状部11Bを嵌め込んでもよい。この場合には、枠状部11Bに接合されたマスク部12からガラス基板22bおよび樹脂層22aが取り外される。そのため、マスク部12から樹脂層22aを取り外す際には、例えば、マスク部12および樹脂層22aのみが薬液LMと接触するように枠状部11Bを固定することが必要である。
いずれの場合であっても、枠状部11Bに対してマスク部12を溶接することによって、枠状部11Bに溶接痕11BWは形成される。ただし、枠状部11Bの溶接痕11BWは交換の対象であるマスク部12とともに本体部11Aから取り除かれるから、マスクフレーム11に対するマスク部12の再接合は容易である。また、このようにマスクフレーム11に対してマスク部12を再接合することによって、1つのマスクフレーム11を再利用することが可能である。
[表示装置の製造方法]
図17を参照して、表示装置の製造方法を説明する。
表示装置の製造方法は、蒸着マスク10の製造方法によって製造された蒸着マスク10を用いて蒸着対象Sにパターンを形成することを含んでいる。以下、蒸着装置の一例とともに、パターンを形成する工程を説明する。
図17が示すように、蒸着装置30は、蒸着マスク10と、蒸着対象Sとを収容する収容槽31を備えている。収容槽31は、蒸着対象Sと蒸着マスク10とを収容槽31内における所定の位置に保持するように構成されている。収容槽31内には、蒸着材料Mvdを保持する保持部32と、蒸着材料Mvdを加熱する加熱部33とが位置している。保持部32に保持される蒸着材料Mvdは、例えば有機発光材料である。収容槽31は、蒸着対象Sと蒸着マスク10とを、蒸着対象Sと保持部32との間に蒸着マスク10が位置し、かつ、蒸着マスク10と保持部32とが対向するように、収容槽31内に位置させる。蒸着マスク10は、マスク部12の裏面12Rが蒸着対象Sに密着した状態で、収容槽31内に配置される。
パターンを形成する工程では、蒸着材料Mvdが加熱部33によって加熱されることにより、蒸着材料Mvdが気化または昇華する。気化または昇華した蒸着材料Mvdは、蒸着マスク10のマスク部12が備えるマスク孔12Hを通過して蒸着対象Sに付着する。これにより、蒸着マスク10が有するマスク孔12Hの形状および位置に対応した形状を有する有機層が、蒸着対象Sにおける所定の位置に形成される。なお、蒸着材料Mvdは、表示層の画素回路が備える画素電極を形成するための金属材料などであってもよい。
以上説明したように、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第1実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1‐1)マスクフレーム11に対してマスク部12を再接合する際に、マスクフレーム11が有する接合痕に対する加工が不要であることから、マスクフレーム11に対するマスク部12の再接合を容易とすることができる。
(1‐2)枠状部11Bの裏面11BRは本体部11Aの裏面11ARと面一であるから、本体部11Aの裏面11ARが枠状部11Bの裏面11BRに対して飛び出ることが抑えられ、これによって、マスク部12と蒸着対象Sとの間に隙間が形成されることが抑えられる。
(1‐3)本体部11Aに対して、枠状部11Bが磁気吸着されるため、ねじなどの締結部材を用いて本体部11Aに対して枠状部11Bを固定する場合に比べて、本体部11Aに対する枠状部11Bの位置における精度が低下しにくい。
(1‐4)枠状部11Bにマスク部が溶接される場合には、マスクフレーム11が備える枠状部11Bにマスク部が接合されることにより、マスク部の再結合を容易とすることができるという効果をより顕著に得ることができる。
(1‐5)枠状部11Bが段差部AH1に位置するから、本体部11Aの裏面11ARとマスク部12との間の隙間を小さくし、これによって、蒸着対象において蒸着マスク10が接した部分と蒸着マスク10が接していない部分とに作用する力の差を小さくすることが可能である。
[第1実施形態の変更例]
なお、上述した第1実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[固定部]
・固定部は、永久磁石を備えなくともよく、例えば電磁石を備えてもよい。あるいは、固定部は、磁気吸着ではなく、例えば、静電気力および真空吸着などによって、本体部11Aに対して枠状部11Bを固定してもよい。またあるいは、固定部は、締結部材によって、本体部11Aに対して枠状部11Bを固定してもよい。またあるいは、固定部はインジウムを含むボンディング材であってもよい。
・本体部11Aは、固定部を有しなくてもよい。この場合であっても、本体部11Aが有する段差部AH1に嵌め込まれた枠状部11Bに対してマスク部12が接合されることによって、上述した(1‐1)に準じた効果を得ることはできる。
[枠状部]
・本体部11Aの裏面11ARに直交する断面において、枠状部11Bが有する厚さTBは、本体部11Aが有する段差部AH1の深さDよりも小さくてもよい。この場合であっても、本体部11Aが有する段差部AH1に嵌め込まれた枠状部11Bに対してマスク部12が接合されることによって、上述した(1‐1)に準じた効果を得ることはできる。
またこの場合には、本体部11Aの裏面11ARと直交する断面において、マスク部12の裏面12Rが本体部11Aの裏面11ARから飛び出ていることが好ましい。これにより、マスク部12と蒸着対象Sとの間に隙間が形成されることが抑えられ、結果として、蒸着対象Sに形成されるパターンの形状における精度が高められる。
[本体部]
・本体部11Aは、第1開口部11AHを1つのみ備えてもよい。この場合には、蒸着マスク10が、1つの枠状部11Bと1つのマスク部12とを備えればよい。この場合であっても、本体部11Aが有する段差部AH1に嵌め込まれた枠状部11Bに対してマスク部12が接合されることによって、上述した(1‐1)に準じた効果を得ることはできる。
・本体部11Aは、段差部AH1を有しなくてもよい。この場合には、枠状部11Bは、本体部11Aが有する平坦な裏面11AR上に位置することが可能である。この場合であっても、マスクフレーム11が本体部11Aと枠状部11Bとを備えるから、上述した(1‐1)に準じた効果を得ることはできる。
[接合]
・枠状部11Bに対するマスク部12の接合には、レーザー溶接に限らず、例えば、抵抗溶接、および、超音波溶接などを用いてもよい。これらのいずれの場合であっても、本体部11Aが有する段差部AH1に嵌め込まれた枠状部11Bに対してマスク部12が接合されることによって、上述した(1‐1)に準じた効果を得ることはできる。
・枠状部11Bに対するマスク部12の接合には、溶接に限らず、接着を用いてもよい。この場合には、枠状部11Bにマスク部12を接合した接合痕として接着層が形成される。枠状部11Bに対してマスク部12を接着し、かつ、枠状部11Bを本体部11Aに嵌め込むことによって、接合痕である接着層が形成された枠状部11Bを新しい枠状部11Bに交換することによって、本体部11Aから接着層を取り除くことが可能である。
なお、枠状部11Bとマスク部12との接合に接着が用いられる場合には、蒸着マスク10が搭載される蒸着装置が、蒸着マスク10を冷却する冷却部を備えることが好ましい。また、枠状部11Bとマスク部12との接合における強度、および、耐熱性を高める観点では、マスク部12は、溶接によって枠状部11Bに接合されることが好ましい。
[第2実施形態]
図18から図22を参照して、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第2実施形態を説明する。第2実施形態では、第1実施形態と比べて、枠状部を本体部に固定する構造が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第2実施形態において第1実施形態と共通する構造には第1実施形態と同一の符号を付し、当該構造の詳しい説明を省略する。
[蒸着マスク]
図18は、マスクフレームの裏面と対向する視点から見た蒸着マスクの構造を示している。なお、図18には、蒸着マスクのうちで、1つの第1開口部と当該第1開口部の周辺の構造のみが示されている。
図18が示すように、蒸着マスク40は、マスクフレーム41とマスク部12とを備えている。マスクフレーム41は、第1実施形態のマスクフレーム11と同様に、本体部41Aと枠状部41Bとを備えている。マスクフレーム41は、固定部41Cを備えている。固定部41Cは、本体部41Aに枠状部41Bを固定する。図18が示す例では、マスクフレーム41が3つの固定部41Cを備えている。3つの固定部41Cによって枠状部41Bを本体部41Aに固定するから、マスク部12が広がる平面上での枠状部41Bの位置を高い精度で決めることが可能である。
図18が示す例では、枠状部41Bの外形は、矩形状を有している。固定部41Cは、枠状部41Bにおいて対向する一対の辺のうち、一方の辺における端部と、他方の辺における中央部とにそれぞれ位置している。固定部は、第1位置調整部の一例である。
図19は、図18が示すXIX‐XIX線に沿う断面を示している。XIX‐XIX線は、2つの固定部41Cを通る線分である。
図19が示すように、本体部41Aは、第1実施形態の本体部11Aと同様に、第1開口部41AHおよび段差部AH1を備えている。第1開口部41AHは、表面41AFと裏面41ARとの間を貫通している。本体部41Aは、段差部AH1は、裏面41ARに位置する窪みであり、かつ、裏面41ARと対向する平面視において、第1開口部41AHを囲んでいる。
枠状部41Bは、第1実施形態の枠状部11Bと同様に、第2開口部41BHを備えている。第2開口部41BHは、表面41BFと裏面41BRとの間を貫通している。第2開口部41BHは、本体部41Aの表面41AFと対向する視点から見て、第1開口部41AHが区画する領域内に位置している。枠状部41Bは、固定孔BH1をさらに備えている。本実施形態の枠状部41Bは、固定部41Cと同数の固定孔BH1を備えている。各固定孔BH1は、1つの固定部41Cが位置することが可能に構成されている。固定部41Cは、本体部41Aからの取り外しが可能に枠状部41Bを本体部41Aに固定する。
枠状部41Bの裏面41BRには、マスク部12が接合されている。第1実施形態、および、第1実施形態の変更例においてマスク部12を枠状部41Bに接合する方法のいずれかによって、マスク部12は、枠状部41Bに接合されている。
図20は、マスクフレーム41のうち、1つの固定部41C、および、当該固定部41Cの周辺構造を示している。
図20が示すように、固定部41Cは、ねじ部41C1と吸着部41C2とを備えている。固定孔BH1を区画する面には、ねじ部41C1が螺合する図示されない溝が形成されている。ねじ部41C1の外周面は、固定孔BH1の溝に螺合することが可能な形状を有している。ねじ部41C1は、枠状部41Bの裏面41BRから表面41BFに向かう方向に沿って延びる棒状を有している。ねじ部41C1の全体が固定孔BH1内に位置する場合に、ねじ部41C1において、裏面41BRからの距離が小さい端部が基端であり、基端とは反対側の端部が先端である。吸着部41C2は、ねじ部41C1の先端に位置している。
吸着部41C2は、磁石から形成されている。本体部41Aは、強磁性体によって形成される。あるいは、本体部41Aの一部であって、吸着部41C2が接する領域を含む部分が、強磁性体によって形成される。これにより、吸着部41C2が本体部41Aに接した場合に、吸着部41C2が本体部41Aに固定され、これによって枠状部41Bが本体部41Aに固定される。なお、図19および図20は、吸着部41C2が本体部41Aから離れている状態であって、枠状部41Bが本体部41Aに固定されていない状態を示している。
[固定方法]
図19から図22を参照して、本体部41Aに対する枠状部41Bの固定方法を説明する。
図19および図20が示すように、枠状部41Bが本体部41Aに固定されていない状態では、吸着部41C2が本体部41Aに接しないように、固定部41Cが枠状部41Bに取り付けられている。固定部41Cを第1方向に沿って回転させることによって、吸着部41C2を枠状部41Bの表面41BFに近付けるように、枠状部41Bに対する固定部41Cの位置を変更する。吸着部41C2が枠状部41Bの表面41BFと面一となるまで固定部41Cを回転させることによって、吸着部41C2を本体部41Aに接触させることが可能である。これにより、吸着部41C2が有する磁力によって、枠状部41Bを本体部41Aに固定することが可能である。
図21が示すように、固定部41Cをさらに第1方向に沿って回転させることによって、ねじ部41C1の先端を枠状部41Bの表面41BFから突出させることが可能である。
図22が示すように、枠状部41Bの表面41BFとねじ部41C1の先端との間の距離が、固定部41Cの突出量である。突出量が小さいほど、枠状部41Bの裏面41BRと本体部41Aの裏面41ARとの間の距離が小さくなる。言い換えれば、突出量が大きいほど、枠状部41Bの裏面41BRと本体部41Aの裏面41ARとの間の距離が大きくなる。このように、固定部41Cによれば、本体部41Aの厚さ方向において、本体部41Aに対する枠状部41Bの位置を第1位置と第2位置との間で変更することが可能である。そのため、複数の枠状部41B間での厚さのばらつきに起因したマスク部12の位置のずれを固定部41Cによって抑えることが可能である。
なお、枠状部41Bを本体部41Aから取り外す際には、固定部41Cを第2方向に沿って回転させればよい。第2方向は、第1方向とは反対の方向である。これにより、ねじ部41C1の先端を固定孔BH1内に位置させることによって、吸着部41C2と本体部41Aとの間に隙間を形成することが可能である。結果として、本体部41Aに対する枠状部41Bの固定を解除することが可能である。
このように、本実施形態の蒸着マスク40によれば、固定部41Cによって、枠状部41Bを本体部41Aに固定することが可能である。さらには、固定部41Cによって、枠状部41Bの裏面41BRと本体部41Aの裏面41ARとの間の距離を変更することが可能である。言い換えれば、固定部41Cによって、マスク部12の厚さ方向における枠状部41Bの位置を変更することが可能である。
以上説明したように、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第2実施形態によれば、上述した(1‐1)、(1‐3)、(1‐4)に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(2‐1)固定部41Cによって、枠状部41Bを本体部41Aに固定することが可能である。
(2‐2)固定部41Cによって、マスク部12の厚さ方向における枠状部41Bの位置を変更することが可能である。そのため、複数の枠状部41B間での厚さのばらつきに起因したマスク部12の位置のずれを固定部41Cによって抑えることが可能である。
(2‐3)3つの固定部41Cによって枠状部41Bを本体部41Aに固定することによって、マスク部12が広がる平面上での枠状部41Bの位置を高い精度で決めることが可能である。
[第2実施形態の変更例]
以上説明した第2実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[固定部]
・マスクフレーム41は、4つ以上の固定部41Cを備えてもよい。例えば、マスクフレーム41が4つの固定部41Cを備える場合には、固定部41Cは、枠状部51Bの角部にそれぞれ位置してよい。
・マスクフレーム41は、固定部41Cを2つのみ備えてもよい。この場合には、固定部41Cは、枠状部41Bの角部のうち、同一の対角線上に位置する角部にそれぞれ位置してよい。
[第3実施形態]
図23および図24を参照して、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第3実施形態を説明する。第3実施形態では、第1実施形態と比べて、枠状部を本体部に固定する構造が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第3実施形態において第1実施形態と共通する構造には第1実施形態と同一の符号を付し、当該構造の詳しい説明を省略する。
[蒸着マスク]
図23は、マスクフレームの裏面と対向する視点から見た蒸着マスクの構造を示している。なお、図23には、蒸着マスクのうちで、1つの第1開口部と当該第1開口部の周辺の構造のみが示されている。
図23が示すように、蒸着マスク50は、マスクフレーム51とマスク部12とを備えている。マスクフレーム51は、第1実施形態のマスクフレーム11と同様に、本体部51Aと枠状部51Bとを備えている。本体部51Aは、第1開口部51AHを有している。図23が示す例において、第1開口部51AHの外形は、矩形状を有している。本体部51Aは、第1開口部51AHを区画する側面から第1開口部51AH内に突き出た複数の支持台51A1を備えている。支持台51A1は、本体部51Aの裏面51ARから表面51AFに向かう途中から、第1開口部51AH内に突き出ている。
図23が示す例では、本体部51Aは1つの第1開口部51AH当たりに複数の支持台51A1を備えている。本例では、本体部51Aは、1つの第1開口部51AH当たりに3つの支持台51A1を備えている。裏面51ARと対向する視点から見て、第1開口部51AHが有する角部のうち、X軸において隣り合う2つの角部に支持台51A1がそれぞれ位置している。残りの支持台51A1は、X軸に沿って延びる側面のうち、2つの角部が位置する側面と対向する側面の中央部に位置している。裏面51ARと対向する視点から見て、各支持台51A1は、四角形状を有している。
本体部51Aは、第1開口部51AHを区画する側面から第1開口部51AH内に突き出た複数の固定片51A2をさらに備えている。各固定片51A2は、本体部51Aの裏面51ARから表面51AF(図24参照)に向かう途中から、第1開口部51AH内に突き出ている。図23が示す例では、第1開口部51AHを区画する側面のうち、Y軸に沿って延びる側面の各々から、一対の固定片51A2が、第1開口部51AH内に突出している。また、第1開口部51AHを区画する側面のうち、X軸に沿って延びる側面であって、支持台51A1が位置しない側面の中央部から、一対の固定片51A2が、第1開口部51AH内に突出している。
枠状部51Bは、X軸と、X軸に直交するY軸によって規定されるXY平面上に位置している。XY平面に直交する軸が、Z軸である。枠状部51Bは、枠本体51B1と複数の突出片51B2とを備えている。枠本体51B1は、矩形枠状を有している。枠状部51Bは、第1開口部51AH内に位置している。各突出片51B2は、枠状部51Bの表面51BF(図24参照)に位置している。各突出片51B2は、枠本体51B1から本体部51Aの表面51AFに向けて下方に延びている。図23が示す例では、枠状部51Bは3つの突出片51B2を備えている。枠状部51Bの裏面51BRと対向する視点から見て、一対の固定片51A2間に1つの突出片51B2が位置している。なお、図23では、枠状部51Bが区画する第2開口部が、マスク部12によって覆われている。
図24は、図23が示すXXIV‐XXIV線に沿う断面を示している。
図24が示すように、マスクフレーム51は、X軸調整用ねじ51C、固定用ねじ51E、および、Z軸調整用ねじ51Fをさらに備えている。X軸において、枠状部51Bの突出片51B2は、一対の固定片51A2に挟まれ、かつ、X軸調整用ねじ51Cと固定用ねじ51Eとに挟まれている。X軸調整用ねじ51Cは、突出片51B2を一対の固定片51A2のうちの一方に取り付ける。固定用ねじ51Eは、突出片51B2を一対の固定片51A2のうちの他方に取り付ける。突出片51B2に対するX軸調整用ねじ51Cの締め込み量を変更することによって、X軸における枠状部51Bの位置を変更することが可能である。
なお、マスクフレーム51は、2つのY軸調整用ねじ51Dと2つの固定用ねじ51Eとをさらに備えている(図23参照)。残りの突出片51B2はそれぞれ、Y軸において一対の固定片51A2に挟まれ、かつ、Y軸調整用ねじ51Dと固定用ねじ51Eとに挟まれている。Y軸調整用ねじ51Dは、突出片51B2を一対の固定片51A2のうちの一方に取り付ける。固定用ねじ51Eは、突出片51B2を一対の固定片51A2のうちの他方に取り付ける。突出片51B2に対するY軸調整用ねじ51Dの締め込み量を変更することによって、Y軸における枠状部51Bの位置を変更することが可能である。
すなわち、本実施形態では、X軸調整用ねじ51C、Y軸調整用ねじ51D、および、固定用ねじ51Eによって、第2位置調整部の一例が構成されている。第2位置調整部によれば、枠状部51Bが広がる平面において、本体部51Aに対する枠状部51Bの位置を第3位置と第4位置との間において変更することが可能である。そのため、複数の枠状部51B間での第2開口部の位置のずれを第2位置調整部によって抑えることが可能である。
Z軸調整用ねじ51Fは、Z軸に沿って延びる棒状を有している。Z軸調整用ねじ51Fは、Z軸に沿って支持台51A1を貫通する貫通孔に通され、これによって、Z軸調整用ねじ51Fが、本体部51Aに取り付けられる。Z軸調整用ねじ51Fが枠状部51Bに接している状態において、Z軸調整用ねじ51Fのうち、枠状部51Bに接している端部が先端であり、先端とは反対側の端部が基端である。Z軸調整用ねじ51Fの先端には、図示されない吸着部が位置している。吸着部は、磁石から形成されている。枠状部51Bの枠本体51B1は、強磁性体によって形成される。あるいは、枠本体51B1の一部であって、Z軸調整用ねじ51Fが接する領域を含む部分が、強磁性体によって形成される。これによって、Z軸調整用ねじ51Fが枠本体51B1に接した場合に、Z軸調整用ねじ51Fに枠本体51B1が固定される。Z軸調整用ねじ51Fの先端が支持台51A1から突出する量を変更することによって、Z軸における枠状部51Bの位置を変更することが可能である。すなわち、本実施形態では、Z軸調整用ねじ51Fが第1位置調整部の一例である。Z軸調整用ねじ51Fによれば、本体部51Aの厚さ方向、すなわちZ軸において、複数の枠状部51B間での厚さのばらつきに起因したマスク部12の位置のずれをZ軸調整用ねじ51Fによって抑えることが可能である。
[固定方法]
以下、本体部51Aに対する枠状部51Bの固定方法を説明する。なお、枠状部51Bを本体部51Aに固定する際には、枠状部51Bを保持する保持台を用いることが可能である。保持台は、例えば、本体部51Aの裏面51ARと対向する視点から見て、第1開口部51AHのうち、支持台51A1よりも内側の領域に位置することが可能である。保持台は、載置部と昇降部とを備えている。載置部には、枠状部51Bが載置される。昇降部は、Z軸において、本体部51Aに対する枠状部51Bの位置を変えるように載置部を昇降することが可能に構成されている。
本実施形態の蒸着マスク50では、本体部51Aに枠状部51Bを固定する際には、まず、枠状部51Bを保持台に保持させた状態で、3つのZ軸調整用ねじ51Fによって、Z軸における枠状部51Bの位置を決める。この際に、各Z軸調整用ねじ51Fが支持台51A1から突出する量を所定の大きさに設定し、次いで、Z軸調整用ねじ51Fに対して枠状部51Bを固定する。そして、各突出片51B2を固定用ねじ51Eを用いて固定片51A2に固定する。次いで、X軸調整用ねじ51Cを用いて枠状部51Bの突出片51B2を本体部51Aの固定片51A2に固定しつつ、X軸における枠状部51Bの位置を決める。また、Y軸調整用ねじ51Dを用いて突出片51B2を固定片51A2に固定しつつ、Y軸における枠状部51Bの位置を決める。これにより、XY平面上、および、Z軸上における所定の位置において、枠状部51Bが本体部51Aに固定される。
なお、X軸調整用ねじ51C、Y軸調整用ねじ51D、および、Z軸調整用ねじ51Fを枠状部51Bから取り外すことによって、本体部51Aに対する枠状部51Bの固定を解除することが可能である。
以上説明したように、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法は、上述した(1‐1)、(1‐3)、(1‐4)に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(3‐1)X軸調整用ねじ51CおよびY軸調整用ねじ51Dを用いて、XY平面上における枠状部51Bの位置を調整することが可能である。これにより、複数の枠状部51B間での第2開口部の位置のずれを抑えることが可能である。
(3‐2)Z軸調整用ねじ51Fを用いて、Z軸における枠状部51Bの位置を調整することが可能である。これにより、複数の枠状部51B間での厚さのばらつきに起因したマスク部12の位置のずれをZ軸調整用ねじ51Fによって抑えることが可能である。
[第3実施形態の変更例]
以上説明した第3実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[支持台]
・本体部51Aは、4つ以上の支持台51A1を備えてもよい。例えば、本体部51Aが4つの支持台51A1を備える場合には、各支持台51A1は、第1開口部51AHの角部から突き出ていてよい。なお、本体部51Aが4つ以上の支持台51A1を備える場合には、マスクフレーム51は、支持台51A1と同数のZ軸調整用ねじ51Fを備えてよい。
・本体部51Aの支持台51A1は、第1開口部51AHの全周にわたって第1開口部51AHに突き出た形状を有してもよい。すなわち、本体部51Aは、第1開口部51AHにおける本体部51Aの裏面51ARの開口が拡開された段差部を備えてもよい。
[カバー]
・蒸着マスク50は、支持台51A1、固定片51A2、および、突出片51B2を覆うカバーを備えてよい。カバーは、本体部51Aの表面51AFと対向する視点から見て、支持台51A1、固定片51A2、および、突出片51B2を覆う。これにより、蒸着マスク50が蒸着装置に搭載された場合に、カバーは、蒸着源と、支持台51A1、固定片51A2、および、突出片51B2との間に位置する。そのため、支持台51A1、固定片51A2、および、突出片51B2に蒸着材料が付着することがカバーによって抑えられる。これにより、X軸調整用ねじ51C、Y軸調整用ねじ51D、固定用ねじ51E、Z軸調整用ねじ51Fに蒸着材料が付着することもカバーによって抑えられる。
[第4実施形態]
図25および図26を参照して、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第4実施形態を説明する。第4実施形態では、第1実施形態と比べて、枠状部を本体部に固定する構造が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第4実施形態において第1実施形態と共通する構造には第1実施形態と同一の符号を付し、当該構造の詳しい説明を省略する。
[蒸着マスク]
図25は、マスクフレームの裏面と対向する視点から見た蒸着マスクの構造を示している。なお、図25には、蒸着マスクのうちで、1つの第1開口部と当該第1開口部の周辺の構造のみが示されている。
図25が示すように、蒸着マスク60は、マスクフレーム61とマスク部12とを備えている。マスクフレーム61は、第1実施形態のマスクフレーム11と同様に、本体部61Aと枠状部61Bとを備えている。枠状部61Bは、枠本体61B1と複数の突出片61B2とを備えている。枠本体61B1は、矩形枠状を有し、マスク部12を支持することが可能に構成されている。枠本体61B1は、X軸と、X軸に直交するY軸とによって規定されるXY平面上に位置している。XY平面に直交する軸が、Z軸である。
突出片61B2は、枠本体61B1の縁から縁よりも外側に向けて突出している。図25が示す例では、枠状部61Bは3つの突出片61B2を備えている。枠状部61Bは、枠本体61B1の縁のうち、X軸に沿って延びる辺からY軸に沿って延びる突出片61B2を備えている。枠状部61Bは、枠本体61B1の縁のうち、Y軸に沿って延びる一方の辺からX軸に沿って延びる突出片61B2と、枠本体61B1の縁のうち、Y軸に沿って延びる他方の辺からX軸に沿って延びる突出片61B2とを備えている。
本体部61Aは、支持部61A1と、複数の固定片61A2とを備えている。支持部61A1は、複数の第1開口部61AHを有している。各固定片61A2は、支持部61A1に支持されている。固定片61A2は、第1開口部の回りに位置している。各固定片61A2には、1つの突出片61B2が固定される。XY平面と対向する視点から見て、枠状部61Bが本体部61Aに固定されている状態において、各固定片61A2は、その固定片61A2に固定される突出片61B2を取り囲むU字状を有している。固定片61A2に突出片61B2が固定されることによって、支持部61A1が枠本体61B1を支持する。
マスクフレーム61は、X軸調整用ねじ61C、Y軸調整用ねじ61D、および、固定用ねじ61Eをさらに備えている。図25が示す例では、マスクフレーム61は、1つのX軸調整用ねじ61C、2つのY軸調整用ねじ61D、および、3つの固定用ねじ61Eを備えている。
X軸調整用ねじ61Cは、1つの固定用ねじ61Eとともに、Y軸に沿って延びる突出片61B2を当該突出片61B2を囲む固定片61A2に固定する。X軸調整用ねじ61Cおよび固定用ねじ61Eは、X軸に沿って突出片61B2を挟んだ状態で、突出片61B2を固定片61A2に固定する。X軸調整用ねじ61Cおよび固定用ねじ61Eはいずれも、固定片61A2に形成された貫通孔を区画する側面に対して螺合することが可能な形状を有したねじである。X軸調整用ねじ61Cの締め込み量を変更することによって、X軸における突出片61B2の位置、ひいては枠状部61Bの位置を変更することが可能である。
各Y軸調整用ねじ61Dは、1つの固定用ねじ61Eとともに、X軸に沿って延びる突出片61B2を当該突出片61B2を囲む固定片61A2に固定する。Y軸調整用ねじ61Dおよび固定用ねじ61Eは、Y軸において突出片61B2を挟んだ状態で、突出片61B2を固定片61A2に固定する。Y軸調整用ねじ61Dおよび固定用ねじ61Eはいずれも、固定片61A2に形成された貫通孔を区画する側面に対して螺合することが可能なねじである。Y軸調整用ねじ61Dの締め込み量を変更することによって、Y軸における突出片61B2の位置、ひいては枠状部61Bの位置を変更することが可能である。
すなわち、本実施形態では、X軸調整用ねじ61C、Y軸調整用ねじ61D、および、固定用ねじ61Eによって、第2位置調整部の一例が構成されている。
マスクフレーム61は、複数のZ軸調整用ねじ61Fをさらに備えている。図25が示す例では、3つのZ軸調整用ねじ61Fを備えている。XY平面と対向する視点から見て、1つのZ軸調整用ねじ61Fは、枠本体61B1の縁のうち、Y軸に沿って延びる固定片61A2が位置する部分の近傍に位置している。残りのZ軸調整用ねじ61Fは、枠本体61B1が有する角部のうち、X軸において隣り合う2つの角部であって、上述した1つのZ軸調整用ねじ61Fが位置する部分とともに三角形を形成する頂部にそれぞれ位置している。
図26は、図25が示すXXVI‐XXVI線に沿う断面を示している。
図26が示すように、各Z軸調整用ねじ61Fは、支持部61A1に形成された貫通孔に取り付けられる。各Z軸調整用ねじ61Fは、ねじ部61F1と吸着部61F2とを備えている。ねじ部61F1は、Z軸に沿って延びる棒状を有している。Z軸調整用ねじ61Fが支持部61A1に取り付けられた状態において、ねじ部61F1の端部のうち、枠状部61Bからの距離が小さい端部が先端であり、先端とは反対側の端部が基端である。吸着部61F2は、ねじ部61F1の先端に位置している。
吸着部61F2は、磁石から形成されている。枠状部61Bの枠本体61B1は、強磁性体によって形成される。あるいは、枠本体61B1の一部であって、吸着部61F2が接する領域を含む部分が、強磁性体によって形成される。これによって、吸着部61F2が枠本体61B1に接した場合に、枠本体61B1に吸着部61F2が固定される。Z軸調整用ねじ61Fが支持部61A1から突出する量を変更することによって、Z軸における枠状部61Bの位置を変更することが可能である。すなわち、本実施形態では、Z軸調整用ねじ61Fが第1位置調整部の一例である。
[固定方法]
以下、本体部61Aに対する枠状部61Bの固定方法を説明する。なお、第4実施形態では、枠状部61Bを本体部61Aに固定する際に、第3実施形態に記載した保持台と同等の保持台を用いることが可能である。
本実施形態の蒸着マスク60では、本体部61Aに枠状部61Bを固定する際には、まず、枠状部61Bを保持台に保持させた状態で、Z軸調整用ねじ61Fが支持部61A1から突出する量を調整し、Z軸調整用ねじ61Fの先端に位置した吸着部61F2を枠状部61Bに吸着させる。これによって、3つのZ軸調整用ねじ61Fによって、Z軸における枠状部61Bの位置を決める。そして、各突出片61B2を固定用ねじ61Eを用いて固定片61A2に固定する。次いで、XY平面上での枠状部61Bの位置を1つのX軸調整用ねじ61C、および、2つのY軸調整用ねじ61Dを用いて決める。これにより、XY平面上、および、Z軸上の所定の位置において、枠状部61Bが本体部61Aに固定される。なお、X軸調整用ねじ61C、Y軸調整用ねじ61D、および、Z軸調整用ねじ61Fを枠状部61Bから取り外すことによって、本体部61Aに対する枠状部61Bの固定を解除することが可能である。
以上説明したように、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第4実施形態によれば、上述した(1‐1)、(1‐3)、(1‐4)に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(4‐1)X軸調整用ねじ61CおよびY軸調整用ねじ61Dを用いて、XY平面上における枠状部61Bの位置を調整することが可能である。これにより、複数の枠状部61B間での第2開口部の位置ずれを抑えることが可能である。
(4‐2)Z軸調整用ねじ61Fを用いて、Z軸における枠状部61Bの位置を調整することが可能である。これにより、複数の枠状部61B間での厚さのばらつきに起因したマスク部12の位置のずれをZ軸調整用ねじ61Fによって抑えることが可能である。
[第4実施形態の変更例]
以上説明した第4実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[枠状部]
・枠状部61Bは、4つ以上の突出片61B2を備えてもよい。例えば、枠状部61Bが4つの突出片61B2を備える場合には、枠状部61Bは、枠本体61B1の縁のうち、X軸に沿って延びる一対の辺の各々から2つずつ突出する突出片61B2を備えてよい。この場合には、本体部61Aが、突出片61B2と同数の固定片61A2を備えればよい。
[Z軸調整用ねじ]
・マスクフレーム61は、4つ以上のZ軸調整用ねじ61Fを備えてもよい。例えば、マスクフレーム61が4つのZ軸調整用ねじ61Fを備える場合には、XY平面と対向する視点から見て、枠本体61B1の角部と重なる位置にZ軸調整用ねじ61Fがそれぞれ位置してよい。
[第5実施形態]
図27および図28を参照して、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第5実施形態を説明する。第5実施形態では、第1実施形態と比べて、枠状部を本体部に固定する構造が異なっている。そのため以下では、こうした相違点を詳しく説明する一方で、第5実施形態において第1実施形態と共通する構造には第1実施形態と同一の符号を付し、当該構造の詳しい説明を省略する。
[蒸着マスク]
図27は、マスクフレームの裏面と対向する視点から見た蒸着マスクの構造を示している。なお、図27には、蒸着マスクのうちで、1つの第1開口部と当該第1開口部の周辺の構造のみが示されている。
図27が示すように、蒸着マスク70は、マスクフレーム71とマスク部12とを備えている。マスクフレーム71は、第1実施形態のマスクフレーム11と同様に、本体部71Aと枠状部71Bとを備えている。枠状部71Bは、矩形枠状を有している。枠状部71Bは、X軸と、X軸に直交するY軸とによって規定されるXY平面上に位置している。XY平面に直交する軸が、Z軸である。
本体部71Aは、第1開口部71AHを有している。本体部71Aの裏面71ARと対向する視点から見て、第1開口部71AHの外形は、矩形状を有している。上述した枠状部71Bは、裏面71ARと対向する視点から見て、第1開口部71AH内に位置している。本体部71Aは、1つの第1開口部71AH当たりに、複数の窪み71A1を備えている。複数の窪み71A1は、X軸に沿って第1開口部71AHを挟む二対の窪み71A1と、Y軸に沿って第1開口部71AHを挟む二対の窪み71A1とを含んでいる。X軸に沿って第1開口部71AHを挟む二対の窪み71A1において、各窪み71A1は、第1開口部71AHが有する互いに異なる角部と隣り合っている。Y軸に沿って第1開口部71AHを挟む二対の窪み71A1において、各窪み71A1は、第1開口部71AHが有する互いに異なる角部と隣り合っている。
マスクフレーム71は、複数のX軸調整用ねじ71C、複数のY軸調整用ねじ71D、および、複数のZ軸調整部71Eをさらに備えている。図27が示す例では、マスクフレーム71は、4つのX軸調整用ねじ71Cを備えている。
X軸調整用ねじ71Cは、枠状部71Bの角部に1つずつ取り付けられている。各X軸調整用ねじ71Cは、枠状部71Bの角部から枠状部71B外に向けて延びる棒状を有している。X軸調整用ねじ71Cにおいて、枠状部71Bに取り付けられた端部が先端であり、先端とは反対側の端部が基端である。X軸調整用ねじ71Cの図示されない先端は球状を有し、枠状部71Bに形成された溝内に保持される。そのため、X軸調整用ねじ71Cの先端は、枠状部71Bには固定されていない。X軸調整用ねじ71Cは、第1開口部71AHと窪み71A1との間に形成された貫通孔を通り、これによって、X軸調整用ねじ71Cが本体部71Aに支持されている。X軸調整用ねじ71Cの基端は、窪み71A1内に位置している。X軸調整用ねじ71Cが窪み71A1内に突出する量を変更することによって、X軸における枠状部71Bの位置を変更することが可能である。X軸調整用ねじ71Cが突出する量は、X軸調整用ねじ71Cの締め込み量によって変更することが可能である。
マスクフレーム71は、4つのY軸調整用ねじ71Dを備えている。Y軸調整用ねじ71Dは、枠状部71Bの角部に1つずつ取り付けられている。各Y軸調整用ねじ71Dは、枠状部71Bの角部から枠状部71B外に向けて延びる棒状を有している。Y軸調整用ねじ71Dにおいて、枠状部71Bに取り付けられた端部が先端であり、先端とは反対側の端部が基端である。Y軸調整用ねじ71Dの図示されない先端は球状を有し、枠状部71Bに形成された溝内に保持される。そのため、Y軸調整用ねじ71Dの先端は、枠状部71Bには固定されていない。Y軸調整用ねじ71Dは、第1開口部71AHと窪み71A1との間に形成された貫通孔を通り、これによって、Y軸調整用ねじ71Dが本体部71Aに支持されている。Y軸調整用ねじ71Dの基端は、窪み71A1内に位置している。Y軸調整用ねじ71Dが窪み71A1内に突出する量を変更することによって、Y軸における枠状部71Bの位置を変更することが可能である。Y軸調整用ねじ71Dが突出する量は、Y軸調整用ねじ71Dの締め込み量によって変更することが可能である。
すなわち、本実施形態では、X軸調整用ねじ71C、および、Y軸調整用ねじ71Dによって、第2位置調整部の一例が構成されている。
図28は、図27が示すXXVIII‐XXVIII線に沿う断面を示している。
図28が示すように、本体部71Aは、第1開口部71AHにおける本体部71Aの裏面71ARの開口が拡開された段差部AH1を備えている。マスクフレーム71は、4つのZ軸調整部71Eを備えている。Z軸において、段差部AH1を区画する側面と枠状部71Bの角部との間に、1つのZ軸調整部71Eが位置している。
各Z軸調整部71Eは弾性体であり、例えばばねである。Z軸調整部71Eは、Z軸調整部71E上に枠状部71Bが載置されることにより、枠状部71Bから与えられた荷重に応じて縮む。そのため、Z軸における枠状部71Bの位置は、Z軸調整部71Eの弾性力と、枠状部71BがZ軸調整部71Eに与える荷重とによって決まる。また、Z軸調整部71Eに与えられる荷重には、枠状部71Bの重量による荷重のみならず、枠状部71Bに載置された蒸着対象による荷重が含まれてもよい。蒸着対象は、上述したように例えばガラス基板である。ガラス基板において、枠状部71Bに接する面には、ガラス基板に形成される画素を他の画素から隔てるためのバンクが形成されている。そのため、枠状部51Bにガラス基板が載置された場合には、ガラス基板が有するバンクを通じてガラス基板による荷重がZ軸調整部71Eに与えられる。
[固定方法]
以下、本体部71Aに対する枠状部71Bの固定方法を説明する。なお、第5実施形態では、枠状部71Bを本体部71Aに固定する際に、第3実施形態に記載した保持台と同等の保持台を用いることが可能である。
本実施形態の蒸着マスク70では、本体部71Aに枠状部71Bを固定する際には、まず、枠状部71Bを保持台に保持させた状態で、本体部71Aに取り付けられたX軸調整用ねじ71C、および、Y軸調整用ねじ71Dを枠状部71Bに保持させる。次いで、窪み71A1内にX軸調整用ねじ71Cが突出する量、および、Y軸調整用ねじ71Dが突出する量の少なくとも一方を調整する。これにより、XY平面上の所定の位置において、枠状部71Bを本体部71Aに固定する。そして、枠状部71Bから保持台を外すことによって、枠状部71Bの荷重をZ軸調整部71Eに作用させる。これにより、枠状部71Bは、Z軸における所定の位置において、Z軸調整部71Eによって支持される。なお、X軸調整用ねじ71C、および、Y軸調整用ねじ71Dを枠状部71Bから取り外すことによって、本体部71Aに対する枠状部71Bの固定を解除することが可能である。
以上説明したように、蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の第5実施形態によれば、上述した(1‐1)、(1‐4)に加えて、以下に記載の効果を得ることができる。
(5‐1)X軸調整用ねじ71CおよびY軸調整用ねじ71Dを用いて、XY平面上における枠状部61Bの位置を調整することが可能である。これにより、複数の枠状部71B間での第2開口部の位置のずれを抑えることが可能である。
[第5実施形態の変更例]
なお、上述した第5実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
[X軸調整用ねじ]
・マスクフレーム71は、3つのX軸調整用ねじ71Cのみを有してもよい。この場合には、上述したマスクフレーム71が備える4つのX軸調整用ねじ71Cのうちのいずれかが省略されてよい。
[Y軸調整用ねじ]
・マスクフレーム71は、3つのY軸調整用ねじ71Dのみを有してもよい。この場合には、上述したマスクフレーム71が備える4つのY軸調整用ねじ71Dのうちのいずれかが省略されてよい。
10,40,50,60,70…蒸着マスク
11,41,51,61,71…マスクフレーム
11A,41A,51A,61A,71A…本体部
11AF,11BF,11F,12F,41AF,41BF,51AF,51BF…表面
11AH,41AH,51AH,61AH,71AH…第1開口部
11AR,11BR,11R,12R,41AR,41BR,51AR,51BR,71AR…裏面
11B,41B,51B,61B,71B…枠状部
11BH,41BH…第2開口部
12…マスク部
12H…マスク孔

Claims (9)

  1. 表面、前記表面とは反対側の裏面、および、前記表面と前記裏面との間を貫通する第1開口部を備えた本体部、および、表面と、当該表面とは反対側の裏面とを備える枠状部であって、前記枠状部の前記表面と前記枠状部の前記裏面との間を貫通する第2開口部を備える枠状部を備え、
    前記本体部の前記表面に対する前記本体部の前記裏面側において、前記第2開口部における前記表面の開口が前記第1開口部における前記表面の開口と対向するように前記枠状部を前記本体部に取り付けることと、前記枠状部を前記本体部から取り外すこととが可能に構成されたマスクフレームと、
    複数のマスク孔を有したマスク部であって、前記第2開口部を覆うように、前記枠状部の前記裏面に接合された前記マスク部と、を備える
    蒸着マスク。
  2. 複数の前記マスク部を備え、
    前記本体部は、複数の前記第1開口部を備え、
    前記マスクフレームは、複数の前記枠状部を備え、
    各枠状部は、互いに異なる前記第1開口部の前記開口と対向する前記第2開口部を有し、
    各マスク部は、互いに異なる前記枠状部の前記裏面に溶接され、
    各枠状部は、当該枠状部に対する前記マスク部の溶接によって形成された溶接痕を備え、前記溶接痕は、前記裏面に形成された窪みである
    請求項1に記載の蒸着マスク。
  3. 前記枠状部は、磁性を有した金属によって形成された枠部材であり、
    前記マスクフレームは、前記本体部からの取り外しが可能に、磁気吸着によって前記枠状部を前記本体部に固定する固定部をさらに備える
    請求項1または2に記載の蒸着マスク。
  4. 前記マスクフレームは、前記本体部の厚さ方向において、前記本体部に対する前記枠状部の位置を第1位置と第2位置との間において変更することが可能に構成された第1位置調整部を備える
    請求項1から3のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  5. 前記マスクフレームは、前記枠状部が広がる平面において、前記本体部に対する前記枠状部の位置を第3位置と第4位置との間において変更することが可能に構成された第2位置調整部を備える
    請求項1から4のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  6. 前記本体部は、前記第1開口部における前記裏面の開口が拡開された段差部を有し、
    前記枠状部は、前記段差部に位置するように構成されている
    請求項1から5のいずれか一項に記載の蒸着マスク。
  7. 前記裏面に直交する断面において、前記枠状部は、前記本体部の前記段差部が有する深さ以上の厚さを有する
    請求項6に記載の蒸着マスク。
  8. 表面と裏面との間を貫通する第2開口部を有した枠状部にマスク部を接合すること、および、
    表面と裏面との間を貫通する第1開口部を有した本体部に、前記枠状部を取り付けること、を含み、
    前記マスク部を接合することは、前記第2開口部を覆うように前記枠状部の前記裏面に前記マスク部を接合することを含み、
    前記枠状部を取り付けることは、前記本体部の前記表面に対する前記本体部の前記裏面側において、前記第2開口部の前記表面における開口が前記第1開口部における前記表面の開口と対向し、かつ、前記本体部からの取り外しが可能に前記枠状部を取り付けることを含む
    蒸着マスクの製造方法。
  9. 請求項8に記載の蒸着マスクの製造方法によって製造された蒸着マスクを用いて蒸着対象にパターンを形成すること、を含む
    表示装置の製造方法。
JP2021022158A 2020-03-31 2021-02-15 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法 Pending JP2021161535A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW110111314A TW202140820A (zh) 2020-03-31 2021-03-29 蒸鍍遮罩、蒸鍍遮罩的製造方法及顯示裝置的製造方法
PCT/JP2021/013916 WO2021201124A1 (ja) 2020-03-31 2021-03-31 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法
CN202180024875.3A CN115398027A (zh) 2020-03-31 2021-03-31 蒸镀掩模、蒸镀掩模的制造方法以及显示装置的制造方法
KR1020227033224A KR20220161310A (ko) 2020-03-31 2021-03-31 증착 마스크, 증착 마스크의 제조 방법, 및, 표시 장치의 제조 방법

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020065160 2020-03-31
JP2020065160 2020-03-31

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2021161535A true JP2021161535A (ja) 2021-10-11

Family

ID=78004547

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021022158A Pending JP2021161535A (ja) 2020-03-31 2021-02-15 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2021161535A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN109207919B (zh) 蒸镀掩模、蒸镀掩模装置、蒸镀掩模的制造方法和蒸镀掩模装置的制造方法
JP7121918B2 (ja) 蒸着マスク装置及び蒸着マスク装置の製造方法
WO2018110253A1 (ja) 蒸着マスク装置及び蒸着マスク装置の製造方法
JP7222376B2 (ja) 蒸着マスクの製造方法
TWI833876B (zh) 蒸鍍罩及其製造方法、蒸鍍罩裝置及其製造方法、中間體、蒸鍍方法、以及有機el顯示裝置之製造方法
JP6822615B1 (ja) 蒸着マスクの製造方法、表示装置の製造方法、および、蒸着マスク中間体
CN110819938A (zh) 蒸镀掩模、蒸镀掩模装置及其制造方法、蒸镀方法
WO2021201124A1 (ja) 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法
JP2021161535A (ja) 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法
JP2021147705A (ja) 蒸着マスク装置の製造方法および有機el表示装置の製造方法
JP2022050818A (ja) 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法
JP2011257580A (ja) 光デバイスの製造方法
JP7406717B2 (ja) 蒸着マスク
JP2022165092A (ja) 蒸着マスク、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法
WO2023145955A1 (ja) マスク及びマスクの製造方法
WO2024162227A1 (ja) フレーム付きマスク、及び、有機デバイスの製造方法
JP2023111849A (ja) マスク及びマスクの製造方法
JP2023149070A (ja) 蒸着システム及び蒸着方法
JP2011153330A (ja) 真空成膜用マスク及び成膜装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20240124