JP2021161408A - 1液硬化型エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

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光律 杉原
Mitsunori Sugihara
佳奈 谷口
Kana Taniguchi
俊文 森岡
Toshifumi Morioka
健雄 須賀
Takeo Suga
怜史 小石
Reiji Koishi
宏之 西出
Hiroyuki Nishide
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Waseda University
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

【課題】貯蔵安定性及び低温での硬化性に優れる1液硬化型エポキシ樹脂組成物の提供。【解決手段】下記式(I−1)又は(I−2)で表される構造を含む成分(A)と、エポキシ樹脂(B)と、を含む、1液硬化型エポキシ樹脂組成物。[化1]【選択図】なし

Description

本発明は、1液硬化型エポキシ樹脂組成物に関する。
エポキシ樹脂組成物の硬化物は、その耐薬品性、耐熱性、電気特性に優れることから電気電子部品材料や接着剤の用途で幅広く使用され、また下地密着性が良好で防食性に優れることから建築構造物や船舶等の防食塗料等に使用されている。
これらの用途で使用されるエポキシ樹脂組成物としては、使用直前にエポキシ樹脂と硬化剤とを混合して硬化させる2液硬化型エポキシ樹脂組成物が一般的である。
しかし、2液硬化型エポキシ樹脂組成物は、直前混合の作業の手間や混合後のポットライフの短さといった問題がある。そこで、1液硬化型で、貯蔵安定性が良好なエポキシ樹脂組成物が求められる。
特許文献1には、常温で液体のエポキシ樹脂、特定の式で表される化合物、ジシアンジアミド、及びジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤を含む1液硬化型エポキシ樹脂組成物が記載されている。
特許文献2には、1分子中にエポキシ基2個以上含有するエポキシ樹脂、ケチミン化合物、脱水剤、及び変性エポキシ樹脂等を含む1液硬化型エポキシ樹脂組成物が記載されている。
特許文献3には、反応性エポキシ基を有するエポキシ樹脂プレポリマー、及び有機カルバミン酸アンモニウムを含有する発泡硬化性エポキシ樹脂組成物が記載されている。また、有機アミンとCOとが可逆的に反応して生成するカルバミン酸が、自己中和反応において更なるアミンと反応して有機カルバミン酸アンモニウムが生成することが記載されている。
非特許文献1には、エポキシ樹脂用硬化剤のアミノ基をCOでブロックしたカルバミン酸アンモニウムを100℃超の温度で加熱すると、COでブロックされたアミノ基が分解してCOを放出し、発泡剤及びエポキシ樹脂用硬化剤として機能することが報告されている。
特開2014−169373号公報 特開平8−217859号公報 特表2013−503215号公報
Qiang Ren,Shipin Zhu,"One−Pack Epoxy Foaming with CO2 as Latent Blowing Agent",ACS Macro Lett.2015,4,693−697
特許文献1のエポキシ樹脂組成物は、硬化剤がジシアンジアミドのみでは通常160℃以上で硬化させる必要があるところ、120℃以下で硬化させるために、ジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤(変性脂肪族ポリアミン、エポキシ樹脂アミンアダクト化合物等)を併用して貯蔵安定性とのバランスを図っている。しかし、低温、例えば25〜80℃で硬化させるためには、ジシアンジアミド以外の潜在性硬化剤を多く使用する必要があり、貯蔵安定性が低下する。
特許文献2のエポキシ樹脂組成物においては、カルボニル化合物でブロックされたポリアミンのケチミン化合物が水分の存在で加水分解によりアミノ基を生成しエポキシ基と硬化反応する。このエポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性は良好であるが、湿気硬化であるがために使用環境によって硬化速度が遅くなるという本質的な課題がある。
特許文献3、非特許文献1の発泡硬化性エポキシ樹脂組成物は、発泡機能を付与するために、硬化剤として有機カルバミン酸アンモニウム塩を使用している。有機カルバミン酸アンモニウム塩は100℃超の温度での加熱によりCOを放出して発泡した後エポキシ樹脂と硬化反応を開始する。しかし、その高い熱安定性により、貯蔵安定性は良好な傾向にあるが、低温ではCOを放出し難く硬化性に劣る。
本発明は、貯蔵安定性及び低温での硬化性に優れる1液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を有する。
〔1〕下記式(I−1)又は(I−2)で表される構造を含む成分(A)と、
エポキシ樹脂(B)と、
を含む、1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
Figure 2021161408
ただし、Rは、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、置換基を有していてよい2価の芳香族基、又は置換基を有していてよい2価の脂環式基であり、
〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基であるか、又はR〜Rのうちの一部が一体となって、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−を含む基又は置換基を有していてよいフェニレン基を形成しており、残部が水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基であり、
は、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、置換基を有していてよい2価の芳香族基、又は置換基を有していてよい2価の脂環式基であり、
〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基又は置換基を有していてよいフェニル基であり、
11〜R13は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてもよいフェニル基であるか、又はR11〜R13と結合した窒素原子とともに置換基を有していてもよい1価の含窒素複素環式基を形成しており、Zは対アニオンである。
〔2〕前記成分(A)が、下記式(II−1)で表される化合物及び下記式(II−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、前記〔1〕の1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
Figure 2021161408
ただし、R〜R、R、R、R11〜R13、Zは前記のとおりであり、
、R10は、水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基である。
〔3〕前記成分(A)が、前記式(II−1)中のR〜Rのうちの少なくとも1つが水素原子である化合物を含む、前記〔2〕の1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
〔4〕前記成分(A)が、前記式(I−1)又は(I−2)で表される構造を含む樹脂である、前記〔1〕の1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
本発明によれば、貯蔵安定性及び低温での硬化性に優れる1液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供できる。
以下、本発明について、実施形態を示して詳細に説明する。ただし、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。
本発明の一実施形態に係る1液硬化型エポキシ樹脂組成物(以下、「本エポキシ樹脂組成物」とも記す。)は、特定の成分(A)と、エポキシ樹脂(B)とを含む。
本エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、硬化促進剤(C)をさらに含むことができる。
本エポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、成分(A)、エポキシ樹脂(B)及び硬化促進剤(C)以外の他の成分をさらに含むことができる。
〔成分(A)〕
成分(A)は、下記式(I−1)又は(I−2)で表される構造(以下、「構造(I)」とも記す。)を含む。
Figure 2021161408
ただし、Rは、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、置換基を有していてよい2価の芳香族基、又は置換基を有していてよい2価の脂環式基であり、
〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基であるか、又はR〜Rのうちの一部が一体となって、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−を含む基又は置換基を有していてよいフェニレン基を形成しており、残部が水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基であり、
は、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、置換基を有していてよい2価の芳香族基、又は置換基を有していてよい2価の脂環式基であり、
〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基又は置換基を有していてよいフェニル基であり、
11〜R13は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてもよいフェニル基であるか、又はR11〜R13と結合した窒素原子とともに置換基を有していてもよい1価の含窒素複素環式基を形成しており、Zは対アニオンである。
式(I−1)中、Rのアルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルキレン基の炭素数は、1〜10が好ましい。
のアルキレン基が有していてよい置換基としては、例えばアルキル基、アリール基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ヒドロキシル基、アミド基、ハロゲン、アリル基、エポキシ基、アルコキシ基、シロキシ基、又は親水性若しくはイオン性を示す基からなる群から選択される基又は原子等が挙げられる。
置換基のうち、アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルコキシ基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
アリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アルコキシカルボニル基におけるアルコキシ基は前記と同様である。
アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基等が挙げられる。
アミド基としては、例えばカルバモイル基(−CONH)、N−メチルカルバモイル基(−CONHCH)、N,N−ジメチルカルバモイル基(ジメチルアミド基:−CON(CH)等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、例えばふっ素原子、塩素原子、臭素原子、よう素原子等が挙げられる。
親水性若しくはイオン性を示す基としては、例えば、カルボキシ基のアルカリ塩又はスルホキシ基のアルカリ塩、ポリエチレンオキシド基、ポリプロピレンオキシド基等のポリ(アルキレンオキシド)基及び四級アンモニウム塩基等のカチオン性置換基が挙げられる。
のアルキレン基としては、(CR1718が好ましい。ここで、R17及びR18はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてよいアルキル基であり、nは1〜10の整数である。nが2以上である場合、n個のR17、n個のR18はそれぞれ同一でも異なってもよい。
17及びR18のアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。アルキル基が有していてよい置換基としては、前記のアルキレン基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
(CR1718としては、R17及びR18の両方が水素原子であるもの、つまり(CHが好ましい。
アルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基におけるアルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルキレン基の炭素数は、2以上であり、2〜10が好ましい。アルキレン基が有していてよい置換基としては、前記と同様のものが挙げられる。
アルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基の例としては、2個以上の(CR1718が−O−、−S−若しくは−NR−を介して結合された基が挙げられる。
が、置換基を有していてもよいアルキレン基の炭素原子間に−NR−を1個以上有する基である場合、1個以上の−NR−の少なくとも1個がカチオン化(−NR−の窒素原子に水素原子が付加)し、HCO と塩を形成していてもよい。
の2価の芳香族基としては、芳香環構造を有していればよい。芳香環構造は、単環式でも多環式でもよい。芳香族基が有する芳香環構造は1個でも2個以上でもよい。
2価の芳香族基としては、例えばフェニレン基、1個以上のフェニレン基と1個以上のアルキレン基との組み合わせからなる基、2個のフェニレン基が−S(=O)−を介して結合された基、ビフェニレン基、ナフチレン基が挙げられる。
1個以上のフェニレン基と1個以上のアルキレン基との組み合わせからなる基としては、例えば、2個以上のフェニレン基がアルキレン基を介して結合された基、2個のアルキレン基がフェニレン基を介して結合された基が挙げられる。アルキレン基としては、前記と同様のものが挙げられ、メチレン基が好ましい。
芳香族基が有していてよい置換基としては、前記のアルキレン基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
の2価の脂環式基としては、脂環構造を有していればよい。脂環構造は、単環式でも多環式でもよい。脂環式基が有する脂環構造は1個でも2個以上でもよい。
2価の脂環式基としては、例えばシクロアルキレン基、1個以上のシクロアルキレン基と1個以上のアルキレン基との組み合わせからなる基が挙げられる。
1個以上のシクロアルキレン基と1個以上のアルキレン基との組み合わせからなる基としては、例えば、2個のシクロアルキレン基がアルキレン基を介して結合された基、2個のアルキレン基がシクロアルキレン基を介して結合された基、1個のシクロアルキレン基と1個のアルキレン基とが結合された基が挙げられる。シクロアルキレン基の炭素数は、4〜8が好ましい。シクロアルキレン基の例としては、シクロヘキシレン基、ビシクロ[2.2.1]ヘプチレン基、シクロオクチレン基が挙げられる。アルキレン基としては、前記と同様のものが挙げられ、メチレン基が好ましい。
脂環式基が有していてよい置換基としては、前記のアルキレン基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
上記のうち、Rとしては、nが2又は3である(CR1718以外のものが好ましい。例えば、nが1である(CR1718、nが4〜10の整数である(CR1718、置換基を有していてもよいアルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、置換基を有していてもよい2価の芳香族基、又は置換基を有していてもよい2価の脂環式基が好ましい。
式(I−1)で表される構造は、−N(R)−R−NRで表される構造とCOとを水の存在下で接触させることにより形成される。
−N(R)−R−NRで表される構造とCOとを水の存在下で接触させたときには、下記スキーム1に示すように、−N(R)−R−NR中の2つの窒素原子の両方に水素原子が付加され、式(I−1)で表される構造(以下、「ジカチオン構造」とも記す。)が形成される場合と、下記スキーム2〜3に示すように、2つの窒素原子の一方に水素原子が付加され、他方の窒素原子に結合した基又は原子がCOOに置換されてカルバミン酸構造(N−COO)となり、両性イオン構造が形成される場合と、がある。なお、スキーム2の場合、Rは水素原子であり、スキーム3の場合、Rは水素原子である。
が、n=2又は3の(CR1718である場合、両性イオン構造とジカチオン構造との合計に対する両性イオン構造の比率が高くなる傾向がある。一方、Rが、n=2又は3の(CR1718以外のものである場合、両性イオン構造とジカチオン構造との合計に対するジカチオン構造の比率が高くなる傾向がある。ジカチオン構造の比率が高い方が、低温でCOが放出されやすく、低温での硬化性がより優れる。
Figure 2021161408
〜Rのアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
アルコキシ基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルコキシ基の炭素数は、1〜10が好ましく、1〜4がより好ましい。アルコキシ基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
〜Rのアルキル基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基としては、Rのアルキレン基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
〜Rのうちの一部は一体となって、アルキレン基、アルキレン基の炭素原子間に−O−を含む基又はフェニレン基を形成していてもよい。これらの基はそれぞれ置換基を有していてもよい。置換基としては、前記のアルキレン基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
〜Rのうちの一部が一体となって形成するアルキレン基は、直鎖状でも分岐状でもよい。アルキレン基の炭素数は、2〜10が好ましい。
〜Rのうちの一部が一体となって形成するアルキレン基としては、(CR1920が好ましい。ここで、R19及びR20はそれぞれ独立に、水素原子又は置換基を有していてよいアルキル基であり、mは2〜10の整数である。m個のR19、m個のR20はそれぞれ同一でも異なってもよい。
19及びR20のアルキル基としては、R17及びR18のアルキル基と同様のものが挙げられる。
mは、2〜10の整数が好ましく、2〜6の整数が特に好ましい。
〜Rのうちの一部が一体となって形成する、アルキレン基の炭素原子間に−O−を有する基におけるアルキレン基としては、R〜Rのうちの一部が一体となって形成するアルキレン基と同様のものが挙げられる。
アルキレン基の炭素原子間に−O−を有する基の例としては、2以上の(CR1920が−O−を介して結合された基が挙げられる。
〜Rのうち、一体となってアルキレン基、アルキレン基の炭素原子間に−O−を含む基又はフェニレン基を形成する組み合わせとしては、例えば、(1)R又はRとRとの組み合わせ、(2)R又はRとRとの組み合わせ、(3)RとRとの組み合わせ、(4)前記(1)〜(3)のうちの2以上の組み合わせが挙げられる。ただし、(2)〜(4)の組み合わせの場合、Rはアルキレン基の炭素原子間に−NR−を有する基である。
式(I−1)で表される構造としては、エポキシ樹脂との反応性の点から、式(I−1)中のR〜Rのうちの少なくとも1つ(Rが、アルキレン基の炭素原子間に−NR−を有する基ではない場合は、R〜R、Rのうちの少なくとも1つ)が水素原子である構造が好ましい。
式(I−2)中、Rにおけるアルキレン基、アルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、2価の芳香族基、脂環式基はそれぞれ、前記の式(I−1)中のRにおけるアルキレン基、アルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、2価の芳香族基、脂環式基と同様のものが挙げられる。Rにおける置換基も同様である。
、Rにおけるアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、前記の式(I−1)中のR〜Rにおけるアルキル基、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基としては、R〜Rのアルキル基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
11〜R13におけるアルキル基、アルコキシ基、フェニル基は、R11〜R13におけるアルキル基、アルコキシ基、フェニル基と同様のものが挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基も同様のものが挙げられる。
11〜R13と、それらと結合した窒素原子とが形成する、置換基を有していてもよい1価の含窒素複素環式基は、環骨格の炭素数が3〜5の複素環式基等が挙げられ、環骨格に2個以上の窒素原子を含有してもよく、例えば下記式(1)、(2)又は(3)で表される基が挙げられる。
Figure 2021161408
ただし、R15〜R16は、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコシル基又は置換基を有していてもよいフェニル基である。
15〜R16におけるアルキル基、アルコキシ基、フェニル基は、R11〜R13におけるアルキル基、アルコキシ基、フェニル基と同様のものが挙げられる。アルキル基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基も同様のものが挙げられる。
としては、例えばBr、I、BF 、PF 等が挙げられる。
式(I−2)で表される構造としては、エポキシ樹脂との反応性の点から、式(I−2)中のR〜Rのうちの少なくとも1つ(Rが、アルキレン基の炭素原子間に−NR−を有する基ではない場合はR)が水素原子である構造が好ましく、R〜Rのうちの少なくともRが水素原子である化合物がより好ましい。
成分(A)が有する構造(I)は1種でもよく2種以上でもよい。例えば構造(I)として、式(I−1)で表される構造のみを含んでもよく、式(I−2)で表される構造のみを含んでもよく、それらの両方を含んでもよい。
成分(A)が式(I−1)で表される構造を有する場合、式(I−1)で表される構造の一部が両性イオン構造となっていてもよい。両性イオン構造の例としては、前記式(I−1)中の複数のカチオンのいずれか1個が前記したカルバミン酸構造(N−COO)となった構造が挙げられる。
成分(A)が式(I−1)で表される構造を有する場合、式(I−1)中の炭酸水素アンモニウム塩構造(NHCO )が他のアンモニウム塩構造、例えば塩酸塩、ハロゲン化アルキルと反応したアンモニウム塩、カルボン酸と反応したアンモニウム塩等の形態になった構造を含んでいてもよい。
本発明の好ましい一態様において、成分(A)は、下記式(II−1)で表される化合物(以下、「化合物(A1)」とも記す。)及び下記式(II−2)で表される化合物(以下、「化合物(A2)」とも記す。)からなる群より選ばれる少なくとも1種である。
Figure 2021161408
ただし、R〜R、R、R、R11〜R13、Zは前記のとおりであり、
、R10は、水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基である。
式(II−1)中、R〜Rはそれぞれ式(I−1)中のR〜Rと同様である。
におけるアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、前記の式(I−1)中のR〜Rにおけるアルキル基、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。アルキレン基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基としては、R〜Rのアルキレン基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
化合物(A1)としては、エポキシ樹脂との反応性の点から、式(II−1)中のR〜Rのうちの少なくとも1つ(Rが、アルキレン基の炭素原子間に−NR−を有する基ではない場合は、R〜R、Rのうちの少なくとも1つ)が水素原子である化合物が好ましい。
化合物(A1)としては、比較的沸点が高く、加熱時に揮発しにくい点から、Rが置換基を有していてもよい芳香族基である化合物が好ましい。
化合物(A1)は、例えば、下記式(ii−1)で表される化合物(以下、「化合物(ii−1)」とも記す。)とCOとを水の存在下で接触させることにより製造できる。
このとき、化合物(A1)とともに、式(II−1)中の複数のカチオンのいずれか1個がアニオンの形態になった両性イオン構造を有する化合物が副生してもよい。この場合、生成した化合物(A1)と両性イオン構造を有する化合物との混合物を、それらを分離することなく本エポキシ樹脂組成物の調製に用いることができる。
Figure 2021161408
化合物(ii−1)としては、例えば、2,5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、イソホロンジアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ジアミノジシクロヘキシルメタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(アミノメチル)ノルボルナン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジエチルトルエンジアミン、ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン(3,3’−DDS)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(4,4’−DDS)等)、ジアミノジフェニルエーテル(DADPE)、ビスアニリン、ジメチルアニリン、トリエチレンジアミン、ジメチルベンジルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、ベンジルジメチルアニリン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジアミノジフェニルメタン、3,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2’−ジアミノビフェニル、3,3’−ジアミノビフェニル、2,4−ジアミノフェノール、2,5−ジアミノフェノール、o−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン、2,3−トリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,5−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、3,4−トリレンジアミン、メチルチオトルエンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、ジシアンジアミド等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(ii−1)とCOとを水の存在下で接触させる方法としては、例えば、化合物(ii−1)の溶液にCOを通気する方法が挙げられる。
化合物(ii−1)の溶液の溶媒としては、特に限定は無いが、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶剤;その他親水性の高い各種の溶剤、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)等を使用することができる。
化合物(ii−1)とCOとを接触させる際の条件は、例えば25〜60℃で5〜15分間である。
、R10におけるアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、前記の式(I−1)中のR〜Rにおけるアルキル基、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。アルキレン基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基としては、R〜Rのアルキレン基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
式(II−2)中、R、R、R11〜R13、Zはそれぞれ式(I−2)中のR、R、R11〜R13、Zと同様である。
10におけるアルキル基、アルコキシ基はそれぞれ、前記の式(I−2)中のRにおけるアルキル基、アルコキシ基と同様のものが挙げられる。アルキレン基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基としては、Rのアルキレン基、アルコキシ基、フェニル基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
化合物(A2)としては、エポキシ樹脂との反応性の点から、式(II−2)中のR〜R10のうちの少なくとも1つ(Rが、アルキレン基の炭素原子間に−NR−を有する基ではない場合は、R、R10のうちの少なくとも1つ)が水素原子である化合物が好ましく、R〜R10のうちの少なくともRが水素原子である化合物がより好ましい。
化合物(A2)としては、比較的沸点が高く、加熱時に揮発しにくい点から、Rが置換基を有していてもよい芳香族基である化合物が好ましい。
化合物(A2)は、例えば、前記した化合物(ii−1)の代わりに下記式(ii−2)で表される化合物(以下、「化合物(ii−2)」とも記す。)を用いる以外は、化合物(A1)と同様の方法で製造できる。
Figure 2021161408
化合物(ii−2)としては、例えば、アミノエチルピリジニウムブロミド・臭化水素塩、1−アミノエチル−3−アルキルイミダゾリウムブロミド・臭化水素塩、1−アミノエチル−1−アルキルピロリジニウムブロミド・臭化水素塩等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明の好ましい他の一態様において、成分(A)は、構造(I)を含む樹脂(以下、「樹脂(A3)」とも記す。)である。樹脂(A3)が有する構造(I)は1種でもよく2種以上でもよい。
樹脂(A3)は、任意に、前記した両性イオン構造をさらに含んでいてもよい。
樹脂(A3)は、任意に、式(I−1)中の炭酸水素アンモニウム塩構造が他のアンモニウム塩構造、例えば塩酸塩、ハロゲン化アルキルと反応したアンモニウム塩、カルボン酸と反応したアンモニウム塩等の形態になった構造をさらに含んでいてもよい。
樹脂(A3)は、エポキシ樹脂との硬化性の点、構造(I)を含む構成単位(以下、「構成単位(u1)」ともいう。)を有することが好ましく、構成単位(u1)に加えて、構成単位(u1)以外の他の構成単位をさらに有していてもよい。
構成単位(u1)としては、構造(I)を含んでいればよく、構造(I)以外の部分の構造は特に限定されない。構造(I)以外の部分の構造としては、公知の各種の樹脂が有する構成単位のなかから適宜選択できる。このような樹脂の例としては、(メタ)アクリル系重合体、スチレン系重合体等のビニル系重合体、ノボラック系重合体、アクリルアミド系重合体、ポリブタジエン系重合体、セルロース系重合体等が挙げられる。
構成単位(u1)の具体例として、下記式(u1−1)〜(u1−3)の構成単位が挙げられる。これらのうち、有機溶剤への溶解性や耐候性の点で、式(u1−1)の構成単位が好ましい。
Figure 2021161408
ただし、R21〜R23は水素原子又はメチル基であり、L〜Lは置換基を有していてもよいアルキレン基又は置換基を有していてもよいフェニレン基であり、W〜Wは前記構造(I)である。
〜Lのアルキレン基としては、Rのアルキレン基と同様のものが挙げられる。L〜Lのアルキレン基、フェニレン基が有していてよい置換基としては、Rのアルキレン基が有していてよい置換基と同様のものが挙げられる。
構成単位(u1)は、構造(I)を有する単量体が重合することによって形成された構成単位であってもよく、樹脂中の構成単位が有する官能基(エポキシ基、イシシアネート基等)が構造(I)に変換されることによって形成された構成単位であってもよい。
樹脂(A3)における構成単位(u1)の含有量は、全構成単位の合計100質量%に対し、0.1質量%以上が好ましく、1質量%以上がより好ましい。上限は特に限定されず、100質量%であってもよい。構成単位(u1)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、エポキシ樹脂との硬化性がより優れる。
構成単位(u1)の含有量(質量%)は、ガスクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、核磁気共鳴スペクトル法等の公知の方法により測定できる。
樹脂(A3)は、例えば、前記した化合物(ii−1)の代わりに下記式(i−1)又は(i−2)で表される構造を有する樹脂を用いる以外は、化合物(A1)と同様の方法で製造できる。
式(i−1)又は(i−2)で表される構造を有する樹脂は、例えば、国際公開第2018/097260号に記載の方法により製造できる。
Figure 2021161408
〔エポキシ樹脂(B)〕
エポキシ樹脂(B)としては、その分子中にエポキシ結合を少なくとも2個有するものであれば分子構造、分子量等に特に制限はなく、公知のものが使用できる。
エポキシ樹脂(B)の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂及びグリシジルアミン型エポキシ樹脂が挙げられる。また、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、キレート変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂(B)として、前記エポキシ樹脂と他の重合体との共重合体(例えば前記エポキシ樹脂のプレポリマーやポリエーテル変性エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂)、及び前記エポキシ樹脂の一部がエポキシ基を有する反応性希釈剤で置換されたものを挙げることもできる。反応性希釈剤としては、例えば、レゾルシングリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、1−(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタメチルシロキサン、N−グリシジル−N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アミン等のモノグリシジル化合物;及び2−(3,4)−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のモノ脂環式エポキシ化合物が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔硬化促進剤(C)〕
硬化促進剤(C)としては、エポキシ樹脂の熱硬化触媒として公知の物質を使用することができ、例えば、3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア(DCMU)等のウレア化合物、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物;イミダゾール化合物とエポキシ樹脂のアダクト類;トリフェニルホスフィン等の有機リン化合物類;テトラフェニルホスフィンテトラフェニルボレート等のボレート類;及びジアザビシクロウンデセン(DBU)等が挙げられる。これらの硬化促進剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔他の成分〕
本エポキシ樹脂組成物に含まれてよい他の成分としては、例えば、有機溶剤、水、潜在性硬化アミン化合物;酸化防止剤;シリコーンオイル、天然ワックス、合成ワックス等の離型剤;ガラスビーズ、結晶質シリカ、溶融シリカ、ケイ酸カルシウム、アルミナ等の粉体;ガラス繊維、炭素繊維等の繊維;三酸化アンチモン等の難燃剤;ハイドロタルサイト、希土類酸化物等のハロゲントラップ剤;カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤;シランカップリング剤;消泡剤、レオロジー調整剤、難燃剤、顔料、染料等が挙げられる。
有機溶剤としては、例えば、化合物(ii−1)の溶液の溶媒として挙げたものと同様のものが挙げられる。
潜在性硬化アミン化合物は、常温では固体であり、エポキシ樹脂組成物の加熱硬化時に液化してエポキシ樹脂と反応する化合物である。エポキシ樹脂の低温硬化目的では潜在性硬化アミン化合物を単独で使用することは適していないが、硬化温度が高くなる場合には使用することが可能である。
潜在性硬化アミン化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、カルボヒドラジド、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、イミノジ酢酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、ピメリン酸ジヒドラジド、スベリン酸ジヒドラジド、アゼライン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカンジヒドラジド、ヘキサデカンジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、ジグリコール酸ジヒドラジド、酒石酸ジヒドラジド、リンゴ酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、テレフタル酸ジヒドラジド、2,6−ナフトエ酸ジヒドラジド、4,4’−ビスベンゼンジヒドラジド、1,4−ナフトエ酸ジヒドラジド、アミキュアVDH及びアミキュアUDH(いずれも商品名、味の素(株)製)、クエン酸トリヒドラジド等の有機酸ヒドラジドが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
〔各成分の含有割合〕
本エポキシ樹脂組成物中、成分(A)の含有量は、成分(A)の種類に応じて適宜選定し得る。
成分(A)が化合物(A1)及び化合物(A2)からなる群より選ばれる少なくとも1種である場合、成分(A)の含有量は、エポキシ樹脂(B)の100質量部に対し、3〜20質量部が好ましく、3〜12質量部がより好ましい。成分(A)が樹脂(A3)である場合、成分(A)の含有量は、エポキシ樹脂(B)の100質量部に対し、3〜60質量部が好ましく、3〜30質量部がより好ましい。成分(A)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、硬化速度がより優れる。成分(A)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性と塗膜物性がより優れる。
本エポキシ樹脂組成物が硬化促進剤(C)を含む場合、硬化促進剤(C)の含有量は、エポキシ樹脂(B)の100質量部に対し、1〜20質量部が好ましく、2〜10質量部がより好ましい。硬化促進剤(C)の含有量が前記範囲の下限値以上であれば、硬化速度がより優れる。硬化促進剤(C)の含有量が前記範囲の上限値以下であれば、エポキシ樹脂組成物の貯蔵安定性がより優れる。
本エポキシ樹脂組成物中、構造(I)と両性イオン構造との合計100モル%に対する構造(I)の比率は、5モル%以上が好ましく、20モル%以上がより好ましく、40モル%以上がさらに好ましく、50モル%以上が特に好ましく、100モル%であってもよい。構造(I)の比率が高いほど、低温(例えば25℃〜80℃)でCOが放出されやすく、低温での硬化性がより優れる。構造(I)の比率は、H−NMR測定により確認できる。
〔本エポキシ樹脂組成物の製造方法〕
本エポキシ樹脂組成物の製造方法に特に制限はなく、公知の方法を使用することができる。例えば、成分(A)と、エポキシ樹脂(B)と、必要に応じて硬化促進剤(C)及び他の成分を混合することにより本エポキシ樹脂組成物を製造できる。各成分の混合順序に特に制限はなく、各成分同時に混合してもよいし順次混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、自転・公転ミキサー、三本ロール等のミキシングロール、ニーダー等の公知の混合機を用いることができる。混合時の温度は特に限定されないが、例えば25℃〜80℃である。混合は、空気中で行ってもよいが、混合時に構造(I)からCOが脱離することを抑制する観点から、CO雰囲気下で行うことが好ましい。CO雰囲気下で本エポキシ樹脂組成物を製造する方法としては、例えば、COを充填した容器内で各成分を混合する方法が挙げられる。
〔作用効果〕
本エポキシ樹脂組成物にあっては、構造(I)を含む成分(A)とエポキシ樹脂(B)とを含むため、貯蔵安定性及び低温での硬化性に優れる。
構造(I)はエポキシ樹脂と反応しないため、成分(A)とエポキシ樹脂とを1液中に含んでいても硬化反応は進まず、優れた貯蔵安定性を示す。
一方、本エポキシ樹脂組成物が使用環境(空気雰囲気等)に曝されると、使用環境が低温(例えば0〜80℃)であっても、構造(I)からCOが容易に脱離し、アミノ基が生成する。生成したアミノ基は速やかにエポキシ樹脂と硬化反応を起こし、エポキシ樹脂組成物が硬化する。
〔用途〕
本エポキシ樹脂組成物の用途としては、特に限定されるものではないが、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が使用される各種の用途に用いることができる。そのような用途の例としては、塗料、コーティング剤、絶縁材料(プリント基板、電線被覆等を含む)、封止剤等が挙げられる。封止剤としては、コンデンサー、トランジスタ、ダイオード、発光ダイオード、IC、LSI等のポッティング、ディッピング、トランスファーモールド封止、IC、LSI類のCOB、COF、TAB等のポッティング封止、フリップチップ等のアンダーフィル、QFP、BGA、CSP等のICパッケージ類実装時の封止(補強用アンダーフィルを含む)等が挙げられる。
また、接着剤や成形材料として使用することも可能である。例えば、自動車等の車両の構造用、土木・建築用、電子材料用、一般事務用、医療用、工業用等が挙げられる。電子材料用の接着剤としては、ビルドアップ基板等の多層基板の層間接着剤、ダイボンディング剤、アンダーフィル等の半導体用接着剤、BGA補強用アンダーフィル、異方性導電性フィルム(ACF)、異方性導電性ペースト(ACP)等の実装用接着剤等が挙げられる。
成形材料としては、シート、フィルム、FRP等が挙げられ、航空機用、自動車用、スポーツ用品用、風車用等が挙げられる。
〔本エポキシ樹脂組成物の貯蔵方法〕
本エポキシ樹脂組成物を貯蔵する場合、本エポキシ樹脂組成物は、CO雰囲気下で貯蔵することが好ましい。これにより、構造(I)からのCOの脱離、それに伴う貯蔵安定性の低下を抑制できる。
本エポキシ樹脂組成物をCO雰囲気下で貯蔵する方法としては、例えば、COを充填した密閉容器(缶等)内で本エポキシ樹脂組成物を貯蔵する方法が挙げられる。
前記した本エポキシ樹脂組成物の製造方法において容器として密閉容器を使用することにより、密閉容器に本エポキシ樹脂組成物及びCOが充填された包装体を製造し、その状態で貯蔵してもよい。
貯蔵時の温度は、例えば0℃〜40℃である。
以下、本発明を実施例により更に詳しく説明するが、以下の実施例は本発明の範囲を限定するものではない。室温は25℃である。
本実施例で使用したアミン化合物及びエポキシ樹脂を以下に示す。
アミンA1:N,N−ジエチルエチレンジアミン。
アミンA2:m−キシレンジアミン。
アミンA3:メチレンビスシクロヘキサナミン。
アミンA4:1,6−ジアミノヘキサン。
エポキシ樹脂B1:溶剤系エポキシ樹脂(メチルメタクリレート(MMA)とエチルアクリレート(EA)とグリシジルメタクリレート(GMA)とのコポリマー)、三菱ケミカル株式会社製「ダイヤナール MR−A458」、固形分38質量%。
エポキシ樹脂B2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂、三菱ケミカル株式会社製「jER828」、固形分100質量%。
エポキシ樹脂B3:GMAホモポリマー、数平均分子量(Mn)6,000、固形分100質量%。
エポキシ樹脂B4:水系エポキシ樹脂、三菱ケミカル株式会社製「jER W2821R70」、固形分68〜72質量%。
硬化促進剤C1:2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール。
<製造例1>
室温下で、アミンA1の0.015gをDMSOの1.1gに溶解し、得られた溶液にCOを42mL/分の通気量で15分間通気しアミンA1のCO付加体(以下、「CO付加体A1’」とも記す。)を得た。CO付加体A1’をH−NMR、13C−NMR、COSY(Correlation Spectroscopy)、HMBC(Heteronuclear Multiple−Bond Correlation spectroscopy)、HMQC(Heteronuclear Multiple Quantum Correlation)により分析したところ、ジカチオン体と両性イオン体との合計100モル%に対するジカチオン体の比率は100モル%であった。
<製造例2>
室温下で、アミンA2の0.015gを純水の1.1gに溶解し、得られた溶液にCOを42mL/分の通気量で15分間通気しアミンA2のCO付加体(以下、「CO付加体A2’」とも記す。)を得た。CO付加体A2’をH−NMR、13C−NMR、COSY、HMBC、HMQCにより分析したところ、ジカチオン体と両性イオン体との合計100モル%に対するジカチオン体の比率は47モル%であり、CO付加体A2’は、ジカチオン体と両性イオン体との混合物であった。
<製造例3>
室温下で、アミンA3の0.015gをメタノールの1.1gに溶解し、得られた溶液にCOを42mL/分の通気量で15分間通気しアミンA3のCO付加体(以下、「CO付加体A3’」とも記す。)を得た。CO付加体A3’をH−NMR、13C−NMR、COSY、HMBC、HMQCにより分析したところ、ジカチオン体と両性イオン体との合計100モル%に対するジカチオン体の比率は100モル%であった。
<製造例4>
室温下で、アミンA4の0.015gをメタノールの1.1gに溶解し、得られた溶液にCOを42mL/分の通気量で15分間通気しアミンA4のCO付加体(以下、「CO付加体A4’」とも記す。)を得た。CO付加体A4’をH−NMR、13C−NMR、COSY、HMBC、HMQCにより分析したところ、ジカチオン体と両性イオン体との合計100モル%に対するジカチオン体の比率は100モル%であった。
<製造例5>
室温下で、アミンA4の0.015gを純水の1.1gに溶解し、得られた溶液にCOを42mL/分の通気量で15分間通気しアミンA4のCO付加体(以下、「CO付加体A4’’」とも記す。)を得た。CO付加体A4’’をH−NMR、13C−NMR、COSY、HMBC、HMQCにより分析したところ、ジカチオン体と両性イオン体との合計100モル%に対するジカチオン体の比率は100モル%であった。
〔貯蔵安定性の評価〕
(実施例1)
室温で、COを充填した密閉容器にDMSOの3.2g及びCO付加体A1’の1.26gを入れ、溶解させた。そこにエポキシ樹脂B1の0.8gを入れ、72時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、エポキシ樹脂B1のグリシジル基の消費は見られず、エポキシ樹脂B1の硬化反応は進行しなかった。
(実施例2)
室温で、COを充填した密閉容器にメタノールの3.0g及びCO付加体A3’の0.42gを入れ、溶解させた。そこにエポキシ樹脂B2の0.2gを入れ、24時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、エポキシ樹脂B2のグリシジル基の消費は見られず、エポキシ樹脂B2の硬化反応は進行しなかった。
(実施例3)
室温で、COを充填した密閉容器にメタノールの2.5g及びCO付加体A4’の0.04gを入れ、溶解させた。そこにエポキシ樹脂B2の0.2gを入れ、24時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、エポキシ樹脂B2のグリシジル基の消費は見られず、エポキシ樹脂B2の硬化反応は進行しなかった。
(実施例4)
室温で、COを充填した密閉容器にDMSOの3.2g及びCO付加体A1’の1.96gを入れ、硬化促進剤C1の0.45gと混合し溶解させた。そこにエポキシ樹脂B3の0.8gを入れ、72時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、エポキシ樹脂B3のグリシジル基の消費は見られず、エポキシ樹脂B3の硬化反応は進行しなかった。
(実施例5)
室温で、COを充填した密閉容器に純水の1.4g及びCO付加体A4’’の0.37gを入れ、溶解させた。そこにエポキシ樹脂B4の0.90gを入れ、72時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、エポキシ樹脂B4のグリシジル基の消費は見られず、エポキシ樹脂B4の硬化反応は進行しなかった。
(比較例1)
室温で、密閉容器にDMSOの3.2g及びアミンA1の1.0gを入れ、溶解させた。そこにエポキシ樹脂B1の0.8gを入れ、72時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、攪拌開始後速やかにエポキシ樹脂B1のグリシジル基が消費され、48時間後には完全に消費された。
(比較例2)
室温で、密閉容器にメタノールの3.0g及びアミンA3の2.7gを入れ、溶解させた。そこにエポキシ樹脂B2の0.2gを入れ、72時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、攪拌開始後速やかにエポキシ樹脂B2のグリシジル基が消費され、24時間後には完全に消費された。
(比較例3)
室温で、密閉容器にメタノールの2.5g及びアミンA4の0.04gを入れ、溶解させた。そこにエポキシ樹脂B2の0.2gを入れ、72時間攪拌した。攪拌中、経時で密閉容器内の液をサンプリングしてH−NMR測定を行ったところ、攪拌開始後速やかにエポキシ樹脂B2のグリシジル基が消費され、24時間後にはグリシジル基の反応率は60%であった。
表1に、実施例1〜5及び比較例1〜3の配合(g)、各成分の混合後に硬化反応が進行したかどうか、硬化反応が進行した場合の硬化時間と硬化率を示す。
Figure 2021161408
〔塗膜の評価〕
(実施例6)
DMSOにエポキシ樹脂B1を20wt%になるよう溶解した液0.8gにCO付加体A1’の1.26gを混合し溶解した。得られた溶液をポリエチレンテレフタレート(PET)基板上にバーコーターで塗布して成膜した。その後、室温で24時間、さらに80℃で3時間乾燥させた。ATR−IR(全反射測定法による赤外吸収スペクトル測定)により、成膜中のグリシジル基の残存率を測定し反応率を求めたところ、グリシジル基の反応率は74%であった。
(実施例7)
メタノールにエポキシ樹脂B2を6wt%になるよう溶解した液0.4gにCO付加体A3’の0.12gと硬化促進剤C1の0.02gとを混合し溶解した。得られた溶液をPET基板上にバーコーターで塗布して成膜した。その後、室温で24時間、さらに80℃で3時間乾燥させた。ATR−IRにより、成膜中のグリシジル基の残存率を測定し反応率を求めたところ、グリシジル基の反応率は89%であった。
(実施例8)
メタノールにエポキシ樹脂B2を13wt%になるよう溶解した液1.5gにCO付加体A4’の0.37gを溶解した。得られた溶液をガラス基板上にスピンコーターで成膜した。その後、室温で24時間、さらに80℃で3時間乾燥させた。ATR−IRにより、成膜中のグリシジル基の残存率を測定し反応率を求めたところ、グリシジル基の反応率は46%であった。
(実施例9)
メタノールにエポキシ樹脂B3を20wt%になるよう溶解した液0.8gにCO付加体A1’の1.96gを混合し溶解した。得られた溶液をPET基板上にバーコーターで塗布して成膜した。その後、室温で24時間、さらに80℃で3時間乾燥させた。ATR−IRにより、成膜中のグリシジル基の残存率を測定し反応率を求めたところ、グリシジル基の反応率は74%であった。
(実施例10)
純水にエポキシ樹脂B4を40wt%になるよう溶解した液2.5gにCO付加体A4’’の0.37gを溶解した。得られた溶液をガラス基板上にスピンコーターで成膜した。その後、室温で24時間、さらに80℃で3時間乾燥させた。ATR−IRにより、成膜中のグリシジル基の残存率を測定し反応率を求めたところ、グリシジル基の反応率は51%であった。
(実施例11)
DMSOにエポキシ樹脂B1を20wt%になるよう溶解した液0.71gにCO付加体A1’の1.12gと硬化促進剤C1の0.26gとを混合し溶解した。得られた溶液をPET基板上にバーコーターで塗布して成膜した。その後、室温で24時間、さらに80℃で3時間乾燥させた。ATR−IRにより、成膜中のグリシジル基の残存率を測定し反応率を求めたところ、グリシジル基の反応率は91%であった。
表2に、実施例6〜11の配合(g)、硬化条件、グリシジル基の反応率を示す。
Figure 2021161408
上記結果に示すとおり、アミンのCO付加体を用いた実施例1〜5のエポキシ樹脂組成物は、CO雰囲気下では、エポキシ基が反応しておらず、良好な貯蔵安定性を発現した。また、エポキシ樹脂組成物を実際に成膜して低温での硬化性を評価した実施例6〜11においては、高いグリシジル基の反応率が得られた。
一方、CO付加されていないアミンを用いた比較例1〜3では、エポキシ基が速やかに消費され硬化反応が起こり、貯蔵安定性が低位であった。
本発明によれば、貯蔵安定性及び低温での硬化性に優れる1液硬化型エポキシ樹脂組成物を提供できる。また、本発明にあっては、エポキシ樹脂用硬化剤を成分(A)に変更する以外は、一般的に使用されている2液硬化型エポキシ樹脂組成物と同等の配合組成で1液硬化型にすることが可能である。

Claims (4)

  1. 下記式(I−1)又は(I−2)で表される構造を含む成分(A)と、
    エポキシ樹脂(B)と、
    を含む、1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2021161408
    ただし、Rは、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、置換基を有していてよい2価の芳香族基、又は置換基を有していてよい2価の脂環式基であり、
    〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基であるか、又はR〜Rのうちの一部が一体となって、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−を含む基又は置換基を有していてよいフェニレン基を形成しており、残部が水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基であり、
    は、置換基を有していてよいアルキレン基、置換基を有していてよいアルキレン基の炭素原子間に−O−、−S−若しくは−NR−を1個以上有する基、置換基を有していてよい2価の芳香族基、又は置換基を有していてよい2価の脂環式基であり、
    〜Rは、それぞれ独立に水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基又は置換基を有していてよいフェニル基であり、
    11〜R13は、それぞれ独立に置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてもよいフェニル基であるか、又はR11〜R13と結合した窒素原子とともに置換基を有していてもよい1価の含窒素複素環式基を形成しており、Zは対アニオンである。
  2. 前記成分(A)が、下記式(II−1)で表される化合物及び下記式(II−2)で表される化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項1に記載の1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
    Figure 2021161408
    ただし、R〜R、R、R、R11〜R13、Zは前記のとおりであり、
    、R10は、水素原子、置換基を有していてよいアルキル基、置換基を有していてよいアルコキシ基若しくは置換基を有していてよいフェニル基である。
  3. 前記成分(A)が、前記式(II−1)中のR〜Rのうちの少なくとも1つが水素原子である化合物を含む、請求項2に記載の1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
  4. 前記成分(A)が、前記式(I−1)又は(I−2)で表される構造を含む樹脂である、請求項1に記載の1液硬化型エポキシ樹脂組成物。
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