JP2021161359A - 伝動ベルト用組成物およびその用途伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト用組成物およびその用途伝動ベルト Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性優れ、心材との接着性に優れる伝動ベルト用組成物を提供すること。【解決手段】(A)エチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、(B)エチレン・炭素数3〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、(C1)ヒンダードフェノール系老化防止剤および(C2)イオウ系老化防止剤(C2)を含む伝動ベルト用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、伝動ベルト用組成物およびその用途に関する。
伝動ベルトは、例えば、ラップドベルト、ローエッジベルト等のVベルトやVリブドベルト等の摩擦伝動ベルトとして、さらには、タイミングベルト等のかみ合い伝動ベルトとして、自動車用、自動二輪用および一般産業機械用に広く用いられている。
伝動ベルトには、粘着性、弾性および耐摩耗性が必要とされている。前記性質を満たす伝動ベルトを製造するため、クロロプレンゴムが通常用いられている。さらに、耐熱性や耐寒性の改良、および軽量化の要求から、クロロプレンゴムにかえてエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体ゴムを用いることが検討されている(例えば、特許文献1〜2参照)。また、特許文献3には、特定のエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体を含むゴム組成物から、耐摩耗性が改良された伝動ベルトが得られることが記載されている。
一方、特許文献4には特定のエチレン・炭素数4〜20のα−オレフィン・非共役ポリエン共重合体が、粘着性、加工性、流動性のバランスに優れることが記載されている。
特開2001−310951号公報 特開2012−215212号公報 特開2016−44198号公報 国際公開第2015/122415号
本発明者らの検討によれば、従来のゴム組成物を用いたラップドベルトには、心材を構成するジエン系ゴムとの接着性の観点から改善の余地がある。
このような従来技術における課題を解決すべく、本発明は、耐熱性優れ、心材との接着性に優れる伝動ベルト用組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を行ったところ、下記構成の伝動ベルト用組成物により前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、例えば以下の[1]〜[4]に関する。
[1]
(B)エチレンに由来する構造単位〔b1〕と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕と、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエンに由来する構造単位〔b3〕と、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に合計で2つ以上含む非共役ポリエンに由来する構造単位〔b4〕とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、
(A)エチレンに由来する構造単位〔a1〕と、炭素数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔a2〕と、非共役ポリエンに由来する構造単位〔a3〕とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(ただし、前記共重合体(B)を除く。)、
(C1)ヒンダードフェノール系老化防止剤、および
(C2)イオウ系老化防止剤
を含有する伝動ベルト用組成物。
Figure 2021161359
[2]
前記共重合体(B)が下記要件(b−1)および(b−2)を満たす前記[1]の伝動ベルト用組成物。
要件(b−1):エチレンに由来する構造単位〔b1〕と炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕とのモル比(〔b1〕/〔b2〕)が、50/50〜75/25である。
要件(b−2):下記式(ib)で表されるB値が1.05以下である。
B値=[EP]/(2[E]×[P]) …(ib)
〔式(ib)において、[E]および[P]は、それぞれエチレンに由来する構造単位〔b1〕のモル分率および炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕のモル分率を表し、[EP]は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィンのダイアッド連鎖分率を表す。〕
[3]
前記[1]または[2]の組成物あるいはその架橋物を含む層[I]と、前記層[I
]と接する、ジエン系ゴムまたはその架橋物を含む層[II]との積層体。
[4]
前記[3]の積層体を含む伝動ベルト。
本発明の伝動ベルト用組成物は、耐熱性優れ、心材との接着性に優れている。
本発明をさらに詳細に説明する。
[伝動ベルト用組成物]
本発明の伝動ベルト用組成物(以下「本発明の組成物」ともいう)は、以下に説明するエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)と、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)と、(C1)ヒンダードフェノール系老化防止剤と、
(C2)イオウ系老化防止剤とを含むことを特徴としている。
本発明の伝動ベルト用組成物は、ゴム成分として、エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)およびエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)を含んでいる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)>
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)(以下、単に「共重合体(A)」とも記載する。)は、エチレン[A1]に由来する構造単位〔a1〕と、炭素数4〜20のα−オレフィン[A2]に由来する構造単位〔a2〕と、非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位〔a3〕とを有する共重合体(ただし、後述する共重合体(B)を除く。)である。
共重合体(A)は、エチレン[A1]に由来する構造単位〔a1〕と、少なくとも1種類の炭素数4〜20のα−オレフィン[A2]に由来する構造単位〔a2〕と、少なくとも1種類の非共役ポリエン[A3]に由来する構造単位〔a3〕とを有することができる。
《炭素数4〜20のα−オレフィン[A2]》
炭素数4〜20のα−オレフィン[A2]としては、例えば、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ノナデセン、1−エイコセン等の直鎖状α−オレフィン;4−メチル−1−ペンテン、9−メチル−1−デセン、11−メチル−1−ドデセン、12−エチル−1−テトラデセン等の側鎖含有α−オレフィンが挙げられる。これらの中でも、粘着性と機械強度とがバランスよく優れるという観点から、炭素数4〜10のα−オレフィンが好ましく、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンがより好ましく、1−ブテンがさらに好ましい。
炭素数4〜20のα−オレフィン[A2]は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
《非共役ポリエン[A3]》
非共役ポリエン[A3]としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン等の鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,5−ノルボルナジエン、1,3,7−オクタトリエン、1,4,9−デカトリエン、4,8−ジメチル−1,4,8−デカトリエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン等のトリエンが挙げられる。これらの中でも、加硫速度の点から、1,4−ヘキサジエン等の鎖状非共役ジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン等の環状非共役ジエンが好ましく、環状非共役ジエンがより好ましく、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネンがさらに好ましい。
非共役ポリエン[A3]は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
共重合体(A)としては、例えば、エチレン・1−ブテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ペンテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−へプテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−オクテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ノネン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−デセン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・1,4−ヘキサジエン共重合体、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ペンテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ヘキセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−へプテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ノネン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−デセン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体、エチレン・1−ブテン・1−オクテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体が挙げられる。これらの中でも、機械強度の点から、エチレン・1−ブテン・5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合体が好ましい。
《要件(a−1)〜(a−4’)》
共重合体(A)は、好ましくは下記要件(a−1)〜(a−3)のいずれか1つ以上を満たし、より好ましくは下記要件(a−1)〜(a−3)を満たす。また、共重合体(A)は、一実施態様において、好ましくは後述する要件(a−4)または(a−4')を満たす。
要件(a−1):エチレンに由来する構造単位〔a1〕と、炭素数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔a2〕とのモル比(〔a1〕/〔a2〕)が、40/60〜90/10である。
モル比が前記範囲にある共重合体(A)は、低温でのゴム弾性と常温での引張強度とのバランスに優れる。
前記モル比(〔a1〕/〔a2〕)の下限は、好ましくは45/55、より好ましくは50/50、特に好ましくは55/45である。また、前記モル比(〔a1〕/〔A2〕)の上限は、好ましくは80/20、より好ましくは75/25、さらに好ましくは70/30である。
要件(a−2):非共役ポリエンに由来する構造単位〔a3〕の含有割合が、前記構造単位〔a1〕、前記構造単位〔a2〕および前記構造単位〔a3〕の合計を100モル%として、0.1〜6.0モル%である。この含有割合が前記範囲にある共重合体(A)は、充分な架橋性および柔軟性を有する。
前記構造単位〔a3〕の含有割合の下限は、好ましくは0.5モル%である。前記構造単位〔a3〕の含有割合の上限は、好ましくは4.0モル%、より好ましくは3.5モル%、さらに好ましくは3.0モル%である。
構造単位〔a1〕、構造単位〔a2〕および構造単位〔a3〕の割合は、1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めることができる。
要件(a−3):下記式(ia)で表されるB値が1.20以上である。
B値=([EB]+2[Y])/〔2×[E]×([B]+[Y])〕…(ia)
〔式(ia)において、[E]、[B]および[Y]は、それぞれ、エチレンに由来する構造単位〔A1〕のモル分率、炭素数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔A2〕のモル分率、および非共役ポリエンに由来する構造単位〔A3〕のモル分率を示し、[EB]はエチレン−炭素数4〜20のα−オレフィンダイアッド連鎖分率を示す。〕
前記B値は、好ましくは1.20〜1.80、より好ましくは1.22〜1.40である。
要件(a−3)を満たす共重合体(A)は、共重合体を構成するモノマー単位の交互性が高く結晶性が低いため、得られる組成物の加工性が向上する。
B値は、共重合体中における共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示す指標であり、前記式(ia)中の[E]、[B]、[Y]、[EB]は、13C−NMRスペクトルを測定し、J. C.Randall [Macromolecules, 15, 353 (1982)]、J. Ray [Macromolecules, 10, 773 (1977)]らの報告に基づいて求めることができる。
要件(a−4):ムーニー粘度ML(1+4)100℃が、5〜150である。
前記ムーニー粘度ML(1+4)100℃は、好ましくは5〜100、より好ましくは5〜50である。ムーニー粘度が前記範囲にある共重合体(A)は、加工性および流動性が良好であり、また良好な後処理品質(リボンハンドリング性)を示すと共に優れたゴム物性を有する。
要件(a−4'):ムーニー粘度ML(1+4)125℃が、3〜100である。
前記ムーニー粘度ML(1+4)125℃は、好ましくは3〜70、より好ましくは3〜30である。ムーニー粘度が前記範囲にある共重合体(A)は、加工性および流動性が良好であり、また良好な後処理品質(リボンハンドリング性)を示すと共に優れたゴム物性を有する。
本発明の組成物は、1種の共重合体(A)を含有してもよく、2種以上の共重合体(A)を含有してもよい。
共重合体(A)は、従来のゴム組成物に含まれるエチレン・プロピレン・非共役ポリエン共重合体と比べて、一般的に粘着性が高いため、共重合体(A)を含む本発明の組成物においては、配合成分同士の結合が強く、ベルト加工性、成形性に優れている。
《共重合体(A)の製造方法》
共重合体(A)は、メタロセン触媒を用いた従来公知の製造方法で得ることができる。メタロセン触媒および当該触媒を用いた製造方法としては、例えば、国際公開第2015/122415号、特に当該公報の段落[0249]〜[0320]に記載の例を採用することができる。
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)>
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(B)(以下、単に「共重合体(B)」とも記載する。)は、エチレンに由来する構造単位〔b1〕と、炭素数3〜20のα−オレフィン[B2]に由来する構造単位〔b2〕と、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエン[B3]に由来する構造単位〔b3〕と、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に合計で2つ以上含む非共役ポリエン[B4]に由来する構造単位〔b4〕とを含む。
Figure 2021161359
共重合体(B)は、エチレン[B1]に由来する構造単位〔b1〕と、少なくとも1種類の炭素数4〜20のα−オレフィン[B2]に由来する構造単位〔b2〕と、少なくとも1種類の非共役ポリエン[B3]に由来する構造単位〔b3〕と、少なくとも1種類の非共役ポリエン[B4]に由来する構造単位〔b4〕とを有することができる。
《炭素数3〜20のα−オレフィン[B2]》
前記炭素数3〜20のα−オレフィン[B2]としては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。これらのうち、機械強度が良好であることから、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどの炭素原子数3〜8のα−オレフィンが好ましく、プロピレンが特に好ましい。これらのα−オレフィンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
《非共役ポリエン[B3]》
前記非共役ポリエン[B3]は、
上記一般式(I)で表される部分構造を分子中に1つ含み、上記一般式(II)で表される部分構造を分子中に含まない非共役ポリエン、または
上記一般式(II)で表される部分構造を分子中に1つ含み、上記一般式(I)で表される部分構造を分子中に含まない非共役ポリエン
である。
上記一般式(I)で表される部分構造は環状オレフィンの部分構造である。つまり、上記一般式(I)で表される部分構造は、環状オレフィンの環を構成する相互に隣り合い、二重結合で結ばれた2つの炭素原子と、該2つの炭素原子にそれぞれ1つずつ結合した2つの水素原子とを含む原子団からなる構造である。
たとえば、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)は、上記一般式(I)で表される部分構造を1分子中に1個含むので前記非共役ポリエン[B3]に該当する。一方、ジシクロペンタジエン(DCPD)は、上記一般式(I)で表される部分構造を1分子中に2個含むので後述の非共役ポリエン[B4]に該当する。5−ビニリデン−2−ノルボルネンは、上記一般式(I)で表される部分構造を1分子中に1個と上記一般式(II)で表される部分構造を1分子中に1個とを含むので、後述の非共役ポリエン[B4]に該当する。
前記非共役ポリエン[B3]としては、下記のような脂肪族ポリエンおよび脂環族ポリエンなどが挙げられる。
前記脂肪族ポリエンの具体例としては、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘプタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−ノナジエン、1,8−デカジエン、1,12−テトラデカジエン、3−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、4−エチル−1,4−ヘキサジエン、3,3−ジメチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘプタジエン、5−エチル−1,4−ヘプタジエン、5−メチル−1,5−ヘプタジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、5−エチル−1,5−ヘプタジエン、4−メチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,4−オクタジエン、4−エチル−1,4−オクタジエン、5−エチル−1,4−オクタジエン、5−メチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,5−オクタジエン、5−エチル−1,5−オクタジエン、6−エチル−1,5−オクタジエン、6−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、6−エチル−1,6−オクタジエン、6−プロピル−1,6−オクタジエン、6−ブチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−メチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,4−ノナジエン、4−エチル−1,4−ノナジエン、5−エチル−1,4−ノナジエン、5−メチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,5−ノナジエン、5−エチル−1,5−ノナジエン、6−エチル−1,5−ノナジエン、6−メチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,6−ノナジエン、6−エチル−1,6−ノナジエン、7−エチル−1,6−ノナジエン、7−メチル−1,7−ノナジエン、8−メチル−1,7−ノナジエン、7−エチル−1,7−ノナジエン、5−メチル−1,4−デカジエン、5−エチル−1,4−デカジエン、5−メチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,5−デカジエン、5−エチル−1,5−デカジエン、6−エチル−1,5−デカジエン、6−メチル−1,6−デカジエン、6−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,6−デカジエン、7−エチル−1,6−デカジエン、7−メチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,7−デカジエン、7−エチル−1,7−デカジエン、8−エチル−1,7−デカジエン、8−メチル−1,8−デカジエン、9−メチル−1,8−デカジエン、8−エチル−1,8−デカジエン、6−メチル−1,6−ウンデカジエン、9−メチル−1,8−ウンデカジエンなどが挙げられ、これらの中でも7−メチル−1,6−オクタジエンなどが好ましい。これらの脂肪族ポリエンは、1種単独で用いてよく、2種以上を併用してもよい。
前記脂環族ポリエンとしては、例えば、1個の炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、その脂環部分を構成する炭素原子に対し炭素・炭素二重結合により結合している鎖状部分(エチリデン、プロピリデン等)とから構成されるポリエンが挙げられ、具体例としては、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−プロピリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネンなどが挙げられ、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)が好ましい。
その他の脂環族ポリエンとしては、具体的には、例えば、2−メチル−2,5−ノルボルナジエン、2−エチル−2,5−ノルボルナジエンなどが挙げられる。
《非共役ポリエン[B4]》
前記非共役ポリエン[B4]は、
上記一般式(I)で表される部分構造を分子中に2つ以上含み、上記一般式(II)で表される部分構造を分子中に含まない非共役ポリエン、
上記一般式(II)で表される部分構造を分子中に2つ以上含み、上記一般式(I)で表される部分構造を分子中に含まない非共役ポリエン、または
上記一般式(I)で表される部分構造を分子中に1つ以上含み、上記一般式(II)で表される部分構造を分子中に1つ以上含む非共役ポリエン
である。
前記非共役ポリエン[B4]としては、例えば、炭素・炭素二重結合(不飽和結合)を有する脂環部分と、脂環部分を構成する炭素原子に結合する鎖状部分であってビニル基を含む鎖状部分とを有する脂環族ポリエンおよび分子両末端にビニル基を有する脂肪族ポリエンが挙げられる。具体例としては、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−アリル−2−ノルボルネン等の5−アルケニル−2−ノルボルネン;2,5−ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン(DCPD)、ノルボルナジエン、テトラシクロ[4,4,0,12.5,17.10]デカ−3,8−ジエン等の脂環族ポリエン;1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン等のα,ω−ジエン等の脂肪族ポリエンが挙げられる。これらは、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)、5−アルケニル−2−ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、2,5−ノルボルナジエン、1,7−オクタジエン、1,9−デカジエンが好ましく、5−ビニル−2−ノルボルネン(VNB)が特に好ましい。
《要件(b−1)〜(b−4)》
共重合体(B)は、好ましくは下記要件(b−1)〜(b−4)のいずれかを満たし、より好ましくは下記要件(b−1)および(b−2)を満たす。
要件(b−1):エチレンに由来する構造単位〔b1〕と炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕とのモル比(〔b1〕/〔b2〕)が、50/50〜75/25である。
前記モル比(〔b1〕/〔b2〕)は、好ましくは50/50〜70/30であり、より好ましくは55/45〜65/35である。
要件(b−2):下記式(ib)で表されるB値が1.05以下である。
B値=[EP]/(2[E]×[P]) …(ib)
〔式(ib)において、[E]および[P]は、それぞれエチレンに由来する構造単位〔b1〕のモル分率および炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕のモル分率を表し、[EP]は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィンのダイアッド連鎖分率を表す。〕
B値は、共重合体中における共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示す指標であり、前記式(ib)中の[E]、[P]、[EP]は、13C−NMRスペクトルを測定し、J. C.Randall [Macromolecules, 15, 353 (1982)]、J. Ray [Macromolecules, 10, 773 (1977)]らの報告に基づいて求めることができる。
前記B値が、1.0のとき最もランダム性が高く、それより小さいほどブロック性が高くなり、逆に高くなるほど交互性が高いことを示す。
B値が前記範囲内であると、共重合体(B)は耐ブロッキング性に優れるという点で好ましい。さらにB値が1.0に近いほど、ランダム性に優れ、共重合体(B)は優れた低温特性を示すようになるとなる点で好ましい。
共重合体(B)としては、エチレン・プロピレン・ENB・VNB共重合体が特に好ましい。
共重合体(B)は従来公知の方法、たとえば特開2014−208740号公報の[0057]〜[0102]に記載された方法で製造することができる。
要件(b−3):非共役ポリエン[B3]に由来する構造単位〔B3〕の含有量と非共役ポリエン[B4]に由来する構造単位〔B4〕の含有量とのモル比(〔B3〕/〔B4〕)が、85/15〜99.5/0.5である。
前記モル比(〔B3〕/〔B4〕)は、好ましくは90/10〜99.5/0.5であり、より好ましくは95/5〜99.5/0.5である。
要件(b−4):非共役ポリエン[B3]に由来する構造単位および非共役ポリエン[B4]に由来する構造単位の合計の含有量は、共重合体(B)に含まれる全構造単位に対し、好ましくは0.5〜4.5mol%であり、より好ましくは1.0〜4.5mol%であり、さらに好ましくは2.0〜4.5mol%である。前記含有量が前記範囲内であると、共重合体(B)のゴム的性質(例えば永久伸び、圧縮永久歪)の観点から好適である。
構造単位〔b1〕、構造単位〔b2〕、構造単位〔b3〕および構造単位〔b4〕のそれぞれの割合は、1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めることができる。
本発明の組成物中の共重合体(A)および共重合体(B)の合計の含有割合は、通常は20質量%以上、好ましくは30〜90質量%である。
共重合体(A)と共重合体(B)との質量比(共重合体(A)/共重合体(B))は、好ましくは90/10〜50/50、より好ましくは80/20〜60/40、さらに好ましくは75/25〜65/35である。
<ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)>
本発明に係る伝動ベルト用組成物は、ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)を含む。
ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)としては、具体的には、
(1)1,1,3-トリス-(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニルブタン、
(2)4,4'-ブチリデンビス-(3-メチル-6-t-ブチルフェノール)、
(3)2,2-チオビス(4-メチル-6-t-ブチルフェノール)、
(4)7-オクタデシル-3-(4'-ヒドロキシ-3',5'-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート、
(5)テトラキス-[メチレン-3-(3',5'-ジ-t-ブチル-4'-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
(6)ペンタエリスリトール-テトラキス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート](商品名:Irganox 1010、BASF製)、
(7)トリエチレングリコール-ビス[3-(3-t-ブチル-5-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(8)1,6-ヘキサンジオール-ビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(9)2,4-ビス(n-オクチルチオ)-6-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルアニリノ)-1,3,5-トリアジン、
(10)トリス-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)-イソシアヌレート、
(11)2,2-チオ-ジエチレンビス[3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、
(12)N,N'-ヘキサメチレンビス(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシ)-ヒドロシンナアミド、
(13)2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール、
(14)3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシベンジル-ホスホネート-ジエチルエステル、
(15)テトラキス[メチレン(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシヒドロシンナメイト)]メタン、
(16)オクタデシル-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオン酸エステル、
(17)3,9-ビス[2-{3-(3-t-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ}-1,1-ジメチルエチル]-2,4-8,10-テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン
などを挙げることができる。これらの中でも、(6)の化合物が特に好ましい。
本発明の組成物におけるヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、好ましくは0.2〜5質量部、より好ましくは0.5〜4質量部、さらに好ましくは1〜3質量部である。含有量が上記範囲にあると、耐熱老化性の向上効果が大きく、しかも、共重合体ゴム(A)および共重合体ゴム(B)の架橋を阻害することもない。
<イオウ系老化防止剤(C2)>
イオウ系老化防止剤(C2)としては、具体的には、
2-メルカプトベンゾイミダゾール(商品名:サンダントMB、三新化学工業(株)製)、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルイミダゾールの亜鉛塩等のイミダゾール系老化防止剤;
ジミリスチルチオジプロピオネート、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ジトリデシルチオジプロピオネート、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)等の脂肪族チオエーテル系老化防止剤
などを挙げることができる。これらの中でも、特に2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾイミダゾールの亜鉛塩、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾール、2-メルカプトメチルベンゾイミダゾールの亜鉛塩、ペンタエリスリトール- テトラキス- (β- ラウリル- チオプロピオネート)が好ましい。
本発明の組成物におけるイオウ系老化防止剤(C2)の含有量は、共重合体ゴム(A)および共重合体ゴム(B)の合計100質量部に対して、1〜10質量部、好ましくは1〜8質量部、さらに好ましくは1〜6質量部である。含有量が上記範囲にあると、耐熱老化性の向上効果が大きく、しかも、共重合体ゴム(A)および共重合体ゴム(B)の架橋を阻害することもない。
<その他の成分>
本発明の組成物は、好ましくはさらに架橋剤を含有する。
本発明の組成物は、上述の各成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、軟化剤、無機充填剤(補強剤)、老化防止剤(ただし、ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)およびイオウ系老化防止剤(C2)を除く。)、加工助剤、活性剤、吸湿剤、帯電防止剤、着色剤、滑剤および増粘剤から選ばれる少なくとも1種をさらに含んでもよい。また、本発明の組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、共重合体(A)および共重合体(B)以外の他のポリマー、例えばエラストマーおよび/またはゴムをさらに含んでもよい。以下に説明する各成分は、それぞれ1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
《架橋剤》
架橋剤としては、ゴムを架橋する際に一般的に使用される架橋剤が挙げられ、例えば、有機過酸化物、硫黄系化合物、フェノール樹脂、ヒドロシリコーン系化合物、アミノ樹脂、キノンまたはその誘導体、アミン系化合物、アゾ系化合物、エポキシ系化合物、イソシアネート系化合物が挙げられる。これらの中でも、有機過酸化物、硫黄系化合物が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルパーオキシ)バレレート、ベンゾイルパーオキサイド、p−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイドが挙げられる。
本発明の組成物において、架橋剤として有機過酸化物を用いる場合、有機過酸化物の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
架橋剤として有機過酸化物を用いる場合、架橋助剤を併用することが好ましい。架橋助剤としては、例えば、イオウ;p−キノンジオキシム等のキノンジオキシム系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のアクリル系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;マレイミド系架橋助剤;ジビニルベンゼン;酸化マグネシウム、酸化亜鉛2種(JIS K1410)(例えば、「ZnO#1」;ハクスイテック(株)製)、亜鉛華(例えば、「META−Z 102」(商品名;井上石灰工業(株)製))などの酸化亜鉛等の金属酸化物が挙げられる。
本発明の組成物が架橋助剤を含有する場合、架橋助剤の含有量は、有機過酸化物1モルに対して、通常は0.5〜10モル、好ましくは0.5〜7モル、より好ましくは1〜5モルである。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、その具体例としては、硫黄、塩化硫黄、二塩化硫黄、モルフォリンジスルフィド、アルキルフェノールジスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、ジチオカルバミン酸セレンが挙げられる。
本発明の組成物において、架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、硫黄系化合物の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部、さらに好ましくは0.7〜5.0質量部である。
架橋剤として硫黄系化合物を用いる場合、加硫促進剤を併用することが好ましい。加硫促進剤としては、例えば、
N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N,N'−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾールスルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−(4−モルホリノジチオ)ペンゾチアゾール)、2−(2,4−ジニトロフェニル)メルカプトベンゾチアゾール、2−(2,6−ジエチル−4−モルフォリノチオ)ベンゾチアゾール、ジベンゾチアジルジスルフィド等のチアゾール系加硫促進剤;
ジフェニルグアニジン、トリフェニルグアニジン、ジオルソトリルグアニジン等のグアニジン系加硫促進剤;
アセトアルデヒド・アニリン縮合物、ブチルアルデヒド・アニリン縮合物等のアルデヒドアミン系加硫促進剤;
2−メルカプトイミダゾリン等のイミダゾリン系加硫促進剤;
ジエチルチオウレア、ジブチルチオウレア等のチオウレア系加硫促進剤;
テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド等のチウラム系加硫促進剤;
ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジブチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸テルル等のジチオ酸塩系加硫促進剤;
エチレンチオ尿素(例えば、サンセラー22C(商品名;三新化学工業社製))、N,N'−ジエチルチオ尿素、N,N'−ジブチルチオ尿素等のチオウレア系加硫促進剤;
ジブチルキサトゲン酸亜鉛等のザンテート系加硫促進剤;
その他、亜鉛華
が挙げられる。
本発明の組成物が加硫促進剤を含有する場合、加硫促進剤の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は0.1〜20質量部、好ましくは0.2〜15質量部、さらに好ましくは0.5〜10質量部である。
加硫助剤は、架橋剤が硫黄系化合物である場合に好ましく用いることができ、例えば、酸化マグネシウム、酸化亜鉛2種(JIS K1410)(例えば、「ZnO#1」;ハクスイテック(株)製)、亜鉛華(例えば、「META−Z 102」(商品名;井上石灰工業(株)製))などの酸化亜鉛が挙げられる。
本発明の組成物が加硫助剤を含有する場合、加硫助剤の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は1〜20質量部である。
《軟化剤》
軟化剤としては、例えば、
プロセスオイル、潤滑油、パラフィン油、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系軟化剤;
コールタール等のコールタール系軟化剤;
ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油系軟化剤;
蜜ロウ、カルナウバロウ等のロウ類;
リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム等の脂肪酸またはその塩;
ナフテン酸、パイン油、ロジンまたはその誘導体;
テルペン樹脂、石油樹脂、クマロンインデン樹脂等の合成高分子物質;
ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート等のエステル系軟化剤;
その他、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、炭化水素系合成潤滑油、トール油、サブ(ファクチス)
が挙げられ、石油系軟化剤が好ましく、プロセスオイルがより好ましい。
本発明の組成物が軟化剤を含有する場合、軟化剤の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は2〜100質量部、好ましくは5〜100質量部である。
《無機充填剤(補強材)》
無機充填剤(補強材)としては、例えば、炭酸カルシウム(例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、活性化炭酸カルシウム)、タルク(例えば、微粉タルク)、クレー、シリカ、微粉ケイ酸、カーボンブラックが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが好ましい。
本発明の組成物が無機充填剤を含有する場合、無機充填剤の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は0.1〜200質量部、好ましくは10〜200質量部である。
《老化防止剤(安定剤)》
本発明の組成物は、老化防止剤(安定剤)(ただし、ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)およびイオウ系老化防止剤(C2)を除く。以下「他の老化防止剤」と記載する。)を含有することにより、当該組成物から形成される(架橋)成形体の寿命を長くすることができる。他の老化防止剤としては、例えば、アミン系老化防止剤が挙げられる。
アミン系老化防止剤としては、例えば、フェニルブチルアミン、N,N−ジ−2−ナフチル−p―フェニレンジアミン等の芳香族第2アミン系老化防止剤が挙げられる。
本発明の組成物が他の老化防止剤を含有する場合、ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)、イオウ系老化防止剤(C2)および他の老化防止剤の合計の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は0.3〜10質量部、好ましくは0.5〜7.0質量部である。
《加工助剤》
加工助剤としては、一般的に加工助剤としてゴムに配合されるものを広く用いることができる。加工助剤としては、例えば、リシノール酸、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、エステル類が挙げられる。これらの中でも、ステアリン酸が好ましい。
本発明の組成物が加工助剤を含有する場合、加工助剤の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は10質量部以下、好ましくは8.0質量部以下である。
《活性剤》
活性剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、モノエラノールアミン等のアミン類;ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、レシチン、トリアリルートメリレート、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸の亜鉛化合物等の活性剤;過酸化亜鉛調整物;オクタデシルトリメチルアンモニウムブロミド、合成ハイドロタルサイト、特殊四級アンモニウム化合物が挙げられる。
本発明の組成物が活性剤を含有する場合、活性剤の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は0.2〜10質量部、好ましくは0.3〜5質量部である。
《吸湿剤》
吸湿剤としては、例えば、酸化カルシウム、シリカゲル、硫酸ナトリウム、モレキュラーシーブ、ゼオライト、ホワイトカーボンが挙げられる。
本発明の組成物が吸湿剤を含有する場合、吸湿剤の含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は0.5〜15質量部、好ましくは1.0〜12質量部である。
《他のポリマー》
本発明の組成物は、共重合体(A)および共重合体(B)以外の他のポリマーをさらに含有することができる。
架橋が必要な他のポリマーとしては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ウレタンゴム等のゴムが挙げられる。
架橋が不要な他のポリマーとしては、例えば、スチレンとブタジエンとのブロック共重合体(SBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−ブチレン)−ポリスチレン(SEBS)、ポリスチレン−ポリ(エチレン−プロピレン)−ポリスチレン(SEPS)等のスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、オレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、塩ビ系エラストマー(TPVC)、エステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、アミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、その他の熱可塑性エラストマー(TPZ)等のエラストマーが挙げられる。
本発明の組成物が他のポリマーを含有する場合、他のポリマーの含有量は、共重合体(A)および共重合体(B)の合計100質量部に対して、通常は100質量部以下、好ましくは80質量部以下である。
<組成物の調製>
本発明の組成物は、共重合体(A)と、共重合体(B)と、ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)と、イオウ系老化防止剤(C2)と、必要に応じて配合されるその他の成分とを、例えば、ミキサー、ニーダー、ロール等の混練機を用いて所望の温度で混練することにより調製することができる。
本発明の組成物の一実施態様は、例えば以下のように調製される。共重合体(A)と、共重合体(B)と、ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)と、イオウ系老化防止剤(C2)と、必要に応じてその他の成分とを、混練機に投入して所定の加熱条件(例えば80〜200℃で3〜30分)で混練して均一化する(A練り)。なお、A練りでは、A練りの加熱温度まで加熱すると共重合体(A)および共重合体(B)を架橋させる、架橋剤等は投入されない。
A練りで混練された混合物の温度を、次いで、架橋剤の架橋温度未満(例えば、130℃以下)まで下げた後、A練りで添加されなかった架橋剤等を前記混合物に添加し、所定の加熱条件(例えばロール温度30〜80℃で1〜30分間)でさらに混練して均一化し(B練り)、本発明の組成物を得ることができる。
本発明の組成物は、耐熱性優れ、心材との接着性に優れている。ヒンダードフェノール系老化防止剤(C1)およびイオウ系老化防止剤(C2)は、ラジカル発生源となり、後述する本発明の積層体において、層[I]と心材等の層[II]との接着性の向上に寄与していると推察される。
[積層体および伝動ベルト]
本発明の積層体は、本発明の組成物またはその架橋物を含む層[I]と、前記層[I]と接する、ジエン系ゴムまたはその架橋物を含む層[II]との積層体である。
前記層[I]は、本発明の組成物から形成することができ、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、カレンダー成形、トランスファー成形、発泡成形等の熱成形方法によって成形できる。前記組成物を架橋する場合、架橋温度は、通常は140℃以上、好ましくは150〜220℃、より好ましくは160〜200℃である。また、この架橋反応は、空気中で行うことができる。
本発明の組成物は、成形加工性に適した高い粘着力を有しており、ベルト加工性に優れている。また、本発明の組成物を用いることにより、高ゴム弾性、耐摩耗性、耐熱性および耐寒性に優れた、伝動ベルトの構成部材を製造することができる。
前記層[I]は、伝動ベルトの構成部材として好適に用いることができる。
前記層[II]は、ジエン系ゴムから形成することができ、例えば、押出成形、射出成形、プレス成形、カレンダー成形、トランスファー成形、発泡成形等の熱成形方法によって成形できる。
ジエン系ゴムはポリマーの主鎖中に二重結合を有するゴムであり、その例としてはNR、IR、BR、SBR、NBR、CRおよびIIRが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記層[II]がジエン系ゴムの架橋体である場合、ジエン系ゴムの架橋剤としては、ジエン系ゴムに従来使用されている架橋剤を用いることができる。前記ジエン系ゴムを架橋する場合、架橋温度は、通常は140℃以上、好ましくは150〜220℃、より好ましくは160〜200℃である。また、この架橋反応は、空気中で行うことができる。
さらに、本発明の積層体は、好ましくは、前記架橋剤を含む本発明の組成物(すなわち、未架橋の組成物)を含む層[I]と、前記ジエン系ゴム(すなわち、未架橋のゴム)を含む層[II]とを、互いに接するように積層した状態で、架橋温度で熱処理して得られる積層体である。
このような積層体においては、本発明の組成物に含まれるゴム成分(前記共重合体(A)および前記共重合体(B))と前記ジエン系ゴムとの間での架橋が生じているため、前記層[I]は、前記層[II]に対して特に優れた接着性を示す、と考えらえる。
この架橋温度は、通常は140℃以上、好ましくは150〜220℃、より好ましくは160〜200℃である。また、この熱処理は、空気中で行うことができる。
本発明の伝動ベルトは、上述した本発明の積層体を有する。
本発明の伝動ベルトとしては、例えば、Vベルト、Vリブドベルト等の摩擦伝動ベルト;タイミングベルト等のかみ合い伝動ベルトが挙げられる。伝動ベルトは、例えば、自動車用伝動ベルト、自動二輪用伝動ベルト、一般産業機械用伝動ベルトである。Vベルトとしては、例えば、ラップドベルト、ローエッジベルトが挙げられる。
伝動ベルトの一実施形態は、例えば、心線が埋設された接着ゴム部を有しており、さらに、前記接着ゴム部の下面に形成された底ゴム部を有することができる。前記伝動ベルトは、必要に応じて、接着ゴム部上に形成された上部帆布、および/または底ゴム部下に形成された下部帆布を有することができる。接着ゴム部と上部帆布との間、および底ゴム部と下部帆布との間には、それぞれ帆布接着用ゴム層が介在してもよい。
本発明の組成物は、例えば、帆布接着用ゴム層を形成するために好適に用いられる。具体的には、帆布接着用ゴム層として、本発明の組成物から形成された架橋成形体が好適に用いられる。
接着ゴム部および/または底ゴム部の形成に用いられるゴムとしては、好ましくは上述したジエン系ゴムが挙げられる。
伝動ベルトの抗張部材である心線は、接着ゴム部において、ベルトの長手方向に延在する。心線としては、例えば、ポリエステル系コードが挙げられる。接着ゴム部は、心線を取り囲み、かつ心線に接着されている。
他の一実施形態では、例えば、本発明の組成物を心線周りに配置して架橋することにより、心線に接着された接着ゴム部を形成することができる。
帆布としては、例えば、綿、綿とポリエステルとの混紡からなるもの、綿とポリアミドとの混紡からなるものが挙げられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定方法〜エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)等の物性〜]
エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の物性は、以下のように測定した。
<エチレンに由来する構造単位、α−オレフィンに由来する構造単位、および非共役ポリエンに由来する構造単位のモル量>
前記モル量は、1H−NMRスペクトルメーターによる強度測定によって求めた。測定条件の詳細は、国際公開第2015/122415号に記載されている。
<B値>
o−ジクロロベンゼン−d4/ベンゼン−d6(4/1[v/v])を測定溶媒とし、測定温度120℃にて、13C−NMRスペクトル(100MHz、日本電子製ECX400P)を測定し、共重合体(A)については下記式(ia)に基づき、共重合体(B)については下記式(ib)に基づき、算出した。
B値=([EB]+2[Y])/〔2×[E]×([B]+[Y])〕…(ia)
B値=[EP]/(2[E]×[P])…(ib)
〔[E]、[B]、[P]、[Y]、[EB]および[EP]の意味は、上述のとおりである。〕
[測定方法〜組成物等の物性〜]
実施例または比較例の組成物等の物性は、以下のとおり測定した。
<硬度試験(Durometer−A)>
実施例等で作製された厚さ2mmの架橋シートの平らな部分を重ねて厚さ12mmのシートとし、JIS K6253に従い、硬度(JIS−A)を測定した。
<引張試験:モジュラス、引張破断点応力、引張破断点伸び>
実施例等で作製された厚さ2mmの架橋シートを打抜いてJIS K6251(1993)に記載されている3号形ダンベル試験片を作製し、この試験片を用いてJIS K6251第3項に規定される方法に従い、測定温度25℃、引張速度500mm/分の条件で引張試験を行い、伸び率が25%〜300%であるときの引張応力(25%モジュラス(M25)〜300%モジュラス(M300))、引張破断点応力(TB)および引張破断点伸び(EB)を測定した。
<耐熱性試験(耐熱老化性試験)>
実施例等で作製された厚さ2mmの架橋シートを、JIS K6257に従い、140℃で72時間保持する熱老化試験を行った。熱老化試験後のシートの硬度、TBおよびEBを、前記硬度試験および引張試験の項目と同様の方法で測定した。
AH(熱老化試験後の硬度−熱老化試験前の硬度)、AR(TB)(熱老化試験後のTB/熱老化試験前のTB×100)、およびAR(EB)(熱老化試験後のEB/熱老化試験前のEB×100)をそれぞれ算出した。
<剥離試験>
JIS K6854−3に準拠して、測定温度:23.0℃、試験速度:200mm/分、試験片幅:25.0mmでT型剥離試験を実施し、剥離強度(加硫接着された被着体を剥がすのに要した力)を測定した。
[製造例1]
<エチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(A)の製造>
国際公開第2015/122415号の[合成例C1]の記載に準じて、下記の物性を有するエチレン/1−ブテン/5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)共重合体(共重合体(A))を得た。以下、これを「EBDM−1」と記載する。
EBDM−1の構成および物性は、以下のとおりである。
エチレンに由来する構造単位:67.7モル%
1−ブテンに由来する構造単位:30.0モル%
ENBに由来する構造単位:2.3モル%
ムーニー粘度ML(1+4)100℃:30
ムーニー粘度ML(1+4)125℃:22
B値:1.3
[製造例2]
<被着体(層(II))の製造>
被着体の作製に用いた原料の詳細を以下の表1に示す。
Figure 2021161359
第一段階として、BB−4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、NRを60質量部、およびSBRを40質量部、1分間素練りし、次いでこれに、ZnO#1を5質量部、ステアリン酸を1質量部、カーボンブラック(旭#60UG、旭カーボン(株)製)を70質量部、およびノクラック224を3質量部加え、110℃で3分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、2分間混練を行ない、125℃で排出し、第一段階の配合物aを得た。配合物a調製時の混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kgf/cm2であった。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、8インチロールを用いて、配合物aに、硫黄を3.5質量部、加硫促進剤(サンセラーCM、三新化学工業(株)製)を1.2質量部、および加硫促進剤(サンセラーDM、三新化学工業(株)製)を0.2質量部添加して混練し、混練時間8分間で分出しし、配合物bを得た。配合物bの調製時の混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとした。
続いて、配合物bに対して、プレス成形機を用いて80℃で2分間プレス処理を行って、厚さ1mmの被着体(層[II])を作製した。
[実施例1]
<組成物>
第一段階として、BB−4型バンバリーミキサー(神戸製鋼所製)を用いて、製造例1で得たEBDM−1を70質量部、および三井EPT 9090M(三井化学(株)製)を30質量部、1分間素練りし、次いでこれに、亜鉛華(META−Z 102、井上石灰工業(株)製)5質量部、ステアリン酸1質量部、ヒンダードフェノール系老化防止剤(Irganox1010、BASF製)2質量部、イオウ系老化防止剤(サンダントMB、三新化学工業(株)製)4質量部、カーボンブラック(旭#60UG、旭カーボン(株)製)120質量部、シリカ(Nipsil VN3、東ソー・シリカ(株)製)10質量部、およびパラフィン系プロセスオイル(ダイアナプロセスPW−380、出光興産(株)製)80質量部を加え、120℃で2分間混練した。その後、ラムを上昇させ掃除を行ない、さらに、2分間混練を行ない、144℃で排出し、第一段階の配合物1を得た。
配合物1調製時の混練条件は、ローター回転数が40rpm、フローティングウェイト圧力が3kgf/cm2であった。
次いで、配合物1が温度40℃となったことを確認した後、8インチロールを用いて、配合物1に、硫黄1.2質量部、加硫促進剤(サンセラーDM、三新化学工業(株)製)1質量部、および加硫促進剤(RHENOCURE TP/S、ランクセス社製)4質量部を添加して混練し、混練時間8分間で分出しし、配合物2を得た。
配合物2調製時の混練条件は、ロール温度を前ロール/後ロール=50℃/50℃、ロール周速さを前ロール/後ロール=18rpm/15rpm、ロール間隙を3mmとした。
配合物2に対して、プレス成形機を用いて80℃で2分間プレス処理を行って、厚さ1mmの未加硫シートを作製した。また、配合物2に対して、プレス成形機を用いて165℃で25分間プレス処理を行って、厚さ2mmの架橋シートを作製した。
得られた未加硫シートおよび架橋シートについて、各種測定を行った。結果を表2に示す。
<積層体>
得られた厚さ1mmの未加硫シートを製造例2で作製した被着体に積層し、プレス成形機を用いて160℃で10分間プレス処理し、厚さ2mmの積層体を作製した。
得られた積層体について、剥離試験を行った。結果を表2に示す。
[比較例1、2]
表2に記載した組成および硬化系に基づいたこと以外は実施例1と同様に行った。
実施例および比較例で用いた材料を以下の表2に示す。
Figure 2021161359
Figure 2021161359

Claims (4)

  1. (B)エチレンに由来する構造単位〔b1〕と、炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕と、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に1つのみ含む非共役ポリエンに由来する構造単位〔b3〕と、下記一般式(I)または(II)で表される部分構造を分子中に合計で2つ以上含む非共役ポリエンに由来する構造単位〔b4〕とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体、
    (A)エチレンに由来する構造単位〔a1〕と、炭素数4〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔a2〕と、非共役ポリエンに由来する構造単位〔a3〕とを含むエチレン・α−オレフィン・非共役ポリエン共重合体(ただし、前記共重合体(B)を除く。)、(C1)ヒンダードフェノール系老化防止剤、および
    (C2)イオウ系老化防止剤
    を含有する伝動ベルト用組成物。
    Figure 2021161359
  2. 前記共重合体(B)が下記要件(b−1)および(b−2)を満たす請求項1に記載の伝動ベルト用組成物。
    要件(b−1):エチレンに由来する構造単位〔b1〕と炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕とのモル比(〔b1〕/〔b2〕)が、50/50〜75/25である。
    要件(b−2):下記式(ib)で表されるB値が1.05以下である。
    B値=[EP]/(2[E]×[P]) …(ib)
    〔式(ib)において、[E]および[P]は、それぞれエチレンに由来する構造単位〔b1〕のモル分率および炭素数3〜20のα−オレフィンに由来する構造単位〔b2〕のモル分率を表し、[EP]は、エチレン・炭素原子数3〜20のα−オレフィンのダイアッド連鎖分率を表す。〕
  3. 請求項1または2に記載の組成物あるいはその架橋物を含む層[I]と、前記層[I
    ]と接する、ジエン系ゴムまたはその架橋物を含む層[II]との積層体。
  4. 請求項3に記載の積層体を含む伝動ベルト。
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