JP2021161172A - 水性樹脂分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することができる水性樹脂分散体およびその製造方法、ならびに当該水性樹脂分散体を含有する水性塗料を提供する。
【解決手段】(メタ)アクリル系樹脂粒子およびオレフィン系樹脂粒子を含有する水性樹脂分散体であって、前記(メタ)アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を重合させてなり、油溶性染料を含有し、平均粒子径10〜500nmを有することを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、水性樹脂分散体に関する。さらに詳しくは、本発明は、例えば、自動車、オートバイなどの車両用水性樹脂分散体として、なかでも車両のボディなどの用途に使用される水性樹脂分散体として好適に使用することができる水性樹脂分散体およびその製造方法、ならびに当該水性樹脂分散体を含有する水性塗料に関する。
耐汚染性、耐褪色性などの物性に優れた塗膜を与える塗料として、(メタ)アクリルエマルションと、オキサゾリン基含有重合体および/またはオキサゾリン化合物とを含有し、揮発性有機化合物の含有率が3質量%未満である水性塗料用組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。前記水性塗料用組成物で形成された塗膜は、耐汚染性、耐褪色性などの物性に優れているものとして認識されている。
しかし、前記水性塗料用組成物の着色剤として顔料が用いられている場合、染料が用いられている場合と対比して、当該水性塗料用組成物から形成された塗膜は、透明性に劣り、鮮明な色彩を発現させることができない。一方、前記水性塗料用組成物の着色剤として染料が用いられている場合、顔料が用いられている場合と対比して、当該水性塗料用組成物から形成された塗膜は、透明性が高く、鮮明な色彩を発現させることができる反面、当該塗膜が自然光によって褪色しやすく、耐褪色性に劣ることから、前記水性塗料用組成物は、例えば、屋外で使用される自動車のボディなどの用途に不向きである。
したがって、近年、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することができる水性樹脂分散体の開発が望まれている。
特開2010−229167号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することができる水性樹脂分散体およびその製造方法、ならびに当該水性樹脂分散体を含有する水性塗料を提供することを課題とする。
本発明は、
(1)(メタ)アクリル系樹脂粒子およびオレフィン系樹脂粒子を含有する水性樹脂分散体であって、前記(メタ)アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を重合させてなり、油溶性染料を含有し、平均粒子径10〜500nmを有することを特徴とする水性樹脂分散体、
(2)(メタ)アクリル系樹脂粒子およびオレフィン系樹脂粒子を含有する水性樹脂分散体の製造方法であって、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を油溶性染料の存在下で乳化重合させ、得られた平均粒子径が10〜500nmである(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体と、オレフィン系樹脂粒子の水性分散体とを混合することを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法、および
(3)前記(1)に記載の水性樹脂分散体を含有することを特徴とする水性塗料
に関する。
本発明によれば、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することができる水性樹脂分散体およびその製造方法、ならびに当該水性樹脂分散体を含有する水性塗料が提供される。
本発明の水性樹脂分散体は、前記したように、(メタ)アクリル系樹脂粒子およびオレフィン系樹脂粒子を含有する水性樹脂分散体であり、前記(メタ)アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を重合させてなり、油溶性染料を含有し、平均粒子径10〜500nmを有することを特徴とする。本発明の水性樹脂分散体および当該水性樹脂分散体を含有する水性塗料は、前記構成要件を有することから、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することができるという優れた効果を奏する。
本発明の水性樹脂分散体は、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を油溶性染料の存在下で乳化重合させ、得られた平均粒子径が10〜500nmである(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体と、オレフィン系樹脂粒子の水性分散体とを混合することによって調製することができる。
1.(メタ)アクリル系樹脂粒子
(メタ)アクリル系樹脂粒子は、前記したように、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を油溶性染料の存在下で乳化重合させることによって調製することができる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリレート」は、「アクリレート」または「メタクリレート」を意味し、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
単量体成分に用いられるアルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのモノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、本発明においては、前記アルキル(メタ)アクリレートは、脂環構造を有する(メタ)アクリレートを包含する概念のものである。アルキル(メタ)アクリレートのなかでは、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル基の炭素数が1〜8であるアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。
単量体成分におけるアルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレート(メタ)アクリレート系単量体の含有率は、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、好ましくは45質量%以上、より好ましくは50質量%以上であり、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、好ましくは90質量%以下、より好ましくは85質量%以下である。
また、単量体成分は、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、メチル(メタ)アクリレートを必須成分として含有していることが好ましい。単量体成分におけるメチル(メタ)アクリレートの含有率は、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、好ましくは1〜20質量%、より好ましくは5〜16質量%である。
なお、単量体成分には、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレート以外の他の単量体が含まれていてもよい。当該他の単量体としては、例えば、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレート以外の単官能単量体、多官能単量体などが挙げられる。なお、単官能単量体は、エチレン性不飽和二重結合を1個有する単量体であり、多官能単量体は、複数個のエチレン性不飽和二重結合を有する単量体である。
アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレート以外の単官能単量体としては、例えば、カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、水酸基含有(メタ)アクリレート、ピペリジン基含有エチレン性不飽和単量体、オキソ基含有エチレン性不飽和単量体、フッ素原子含有エチレン性不飽和単量体、窒素原子含有エチレン性不飽和単量体、エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体、アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、シラン基含有エチレン性不飽和単量体、カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体、アジリジニル基含有エチレン性不飽和単量体、スチレン系単量体、アラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの他の単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノブチルエステル、イタコン酸モノメチルエステル、イタコン酸モノブチルエステル、ビニル安息香酸などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらのカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体のなかでは、アクリル酸およびメタクリル酸が好ましい。単量体成分におけるカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の含有率の下限値は、0質量%であり、その上限値は、塗膜の耐水性を向上させる観点から、5質量%以下であることが好ましい。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が1〜18の水酸基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの水酸基含有(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
ピペリジン基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイル−1−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのピペリジン基含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
オキソ基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、エチレングリコール(メタ)アクリレート、エチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールメトキシ(メタ)アクリレートなどの(ジ)エチレングリコール(メトキシ)(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのオキソ基含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
フッ素原子含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレートなどのエステル基の炭素数が2〜6のフッ素原子含有アルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのフッ素原子含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
窒素原子含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−モノメチル(メタ)アクリルアミド、N−モノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどのアクリルアミド化合物、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどの窒素原子含有(メタ)アクリレート化合物、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリロニトリルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの窒素原子含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
エポキシ基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、α−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルアリルエーテルなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのエポキシ基含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アルコキシアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシブチル(メタ)アクリレート、エトキシブチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリプロポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアルコキシアルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
シラン基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、2−スチリルエチルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルヒドロキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルヒドロキシシランなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのシラン基含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
カルボニル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、アクロレイン、ホウミルスチロール、ビニルエチルケトン、(メタ)アクリルオキシアルキルプロペナール、アセトニル(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートアセチルアセテート、ブタンジオール−1,4−アクリレートアセチルアセテート、2−(アセトアセトキシ)エチル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのカルボニル基含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アジリジニル基含有エチレン性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸2−アジリジニルエチルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアジリジニル基含有エチレン性不飽和単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
スチレン系単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−エチルスチレン、m−エチルスチレン、p−エチルスチレン、tert−メチルスチレン、o−tert−ブチルスチレン、m−tert−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレンなどのアルキル基の炭素数が1〜4であるアルキルキルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−エトキシスチレン、m−エトキシスチレン、p−エトキシスチレン、o−tert−ブトキシスチレン、m−tert−ブトキシスチレン、p−tert−ブトキシスチレンなどのアルコキシ基の炭素数が1〜4であるアルコキシスチレン、o−フルオロスチレン、m−フルオロスチレン、p−フルオロスチレン、o−クロロスチレン、m−クロロスチレン、p−クロロスチレン、o−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、p−ブロモスチレンなどのハロゲン原子含有スチレン、o−アセトキシスチレン、m−アセトキシスチレン、p−アセトキシスチレンなどのアセトキシスチレン、ビニルトルエンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのスチレン系単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。スチレン系単量体のなかでは、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、スチレンおよびアルキル基の炭素数が1〜4であるアルキルキルスチレンが好ましく、スチレンがより好ましい。スチレン系単量体は、ベンゼン環にメチル基、tert−ブチル基などのアルキル基、ニトロ基、ニトリル基、アルコキシル基、アシル基、スルホン基、ヒドロキシル基、ハロゲン原子などの置換基が存在していてもよい。
アラルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メタ)アクリレート、メチルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチルメチル(メタ)アクリレートなどの炭素数が7〜18のアラルキル基を有するアラルキル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらのアラルキル(メタ)アクリレートは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチル(メタ)アクリレートなどのオキシアルキル基の炭素数が1〜4であり、アルキル基の炭素数が1〜4である(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルキル(メタ)アクリレート;トリアリルシアヌレート(シアヌル酸トリアリル)、トリアリルイソシアヌレート(イソシアヌル酸トリアリル)、トリアリルホスフェート、トリアリルアミンなどの炭素数9〜20のトリアリル化合物;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのジ(メタ)アクリレート;エチレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシドの付加モル数が2〜50のポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜4のアルキレンオキシド基の付加モル数が2〜50であるアルキルジ(メタ)アクリレート;エトキシ化グリセリントリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性グリセロールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリエトキシトリ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのトリ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのテトラ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(モノヒドロキシ)ペンタ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのペンタ(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートなどの炭素数1〜10の多価アルコールのヘキサ(メタ)アクリレート;ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、2−(2’−ビニルオキシエトキシエチル)(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート;ウレタン(メタ)アクリレートなどの多官能(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの多官能モノマーは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
多官能単量体のなかでは、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、オキシアルキル基の炭素数が1〜4であり、アルキル基の炭素数が1〜4である(メタ)アクリロイルオキシアルキルアルキル(メタ)アクリレート、炭素数9〜20のトリアリル化合物および炭素数1〜10の多価アルコールのジ(メタ)アクリレートが好ましく、(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチル(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリアリルおよび1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートがより好ましい。これらの多官能単量体は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分における多官能単量体の含有率は、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、好ましくは0〜15質量%、より好ましくは0〜10質量%である。
なお、単量体成分には、水性樹脂分散体におけるアクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点から、炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)を含有させることが好ましい。炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)は、化合物全体の炭素数が17以上である脂肪族有機酸または化合物全体の炭素数が17以上である脂肪族有機酸アルキルエステルを意味する。炭素数が17以上である脂肪族有機酸および炭素数が17以上である脂肪族有機酸アルキルエステルは、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)のなかでは、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、炭素数が18以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)が好ましく、炭素数が22以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)がより好ましく、原料の入手が容易であることから、炭素数が60以下である脂肪族有機酸(アルキルエステル)が好ましく、炭素数が40以下である脂肪族有機酸(アルキルエステル)がさらに好ましい。
炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)は、重合性不飽和二重結合を有していてもよい。当該重合性不飽和二重結合を有する炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)は、重合性不飽和二重結合を有しているが、アルキル基の炭素数が4〜12であるアルキル(メタ)アクリレートには含まれない。
炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)としては、例えば、テトラデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、エイコシル(メタ)アクリレート、2−デシルテトラデシル(メタ)アクリレートなどの重合性を有するアルキルエステル部の炭素数が14以上である有機酸アルキルエステル、エチルヘキサン酸ヘキサデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ミリスチン酸ステアリル、エチルヘキサン酸ステアリル、ステアリン酸ステアリルなどのアルキルエステル部の炭素数が14以上である脂肪族有機酸アルキルエステル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソープロピル、ミリスチン酸ブチル、パルミチン酸エチル、ステアリン酸エチル、ステアリン酸2−エチルヘキシルなどの炭素数14以上のアルキル基を有する脂肪族有機酸アルキルエステルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの脂肪族有機酸(アルキルエステル)は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。炭素数が18以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)のなかでは、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、重合性を有するアルキルエステル部の炭素数が14以上である有機酸アルキルエステルおよびエステル部の炭素数が14以上である脂肪族有機酸アルキルエステルが好ましい。
単量体成分100質量部あたりの炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)の量は、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは2質量部以上であり、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。
本発明においては、(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を製造する際には、油溶性顔料の分散安定性を向上させる観点から、単量体成分のエマルション粒子含有水性分散体を用いることが好ましい。
単量体成分のエマルション粒子含有水性分散体は、例えば、単量体成分、ノニオン性乳化剤、油溶性染料、および必要により炭素数が17以上である脂肪族有機酸(アルキルエステル)、他の単量体などと水性媒体とを混合し、得られた混合物を攪拌下で当該混合物の転相開始温度以上であって水性媒体の沸点未満の温度に加熱した後、前記混合物を当該混合物の転相開始温度よりも低い温度に冷却することによって調製することができる。
ノニオン性乳化剤のHLB(親水性−親油性バランス)は、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは8以上、より好ましくは9以上、さらに好ましくは10以上であり、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは17以下、より好ましくは16以下、さらに好ましくは15以下である。また、微細粒子径を有する単量体成分のエマルション粒子の水性分散体を得る観点から、ノニオン性乳化剤のHLBは、好ましくは14以下、より好ましくは13.5以下、さらに好ましくは13以下である。なお、ノニオン性乳化剤のHLBは、Griffin法に基づき、式:
[ノニオン性乳化剤のHLB]=20×[(親水部の分子量)/(乳化剤の分子量)]
によって求められた値である。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルなどのエステル型ノニオン性乳化剤、エチレン−プロピレンブロックコポリマー型ノニオン性乳化剤、アルキルエーテル型ノニオン性乳化剤、フェノール型ノニオン性乳化剤、アミド型ノニオン性乳化剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ノニオン性乳化剤は、商業的に容易に入手することができる。商業的に容易に入手することができるノニオン性乳化剤としては、例えば、花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420(HLB:12.6)、(株)日本触媒製、商品名:ソフタノール120(HLB:14.5)、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−10(HLB:12.1)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ノニオン性乳化剤のなかでは、単量体成分のエマルション粒子中にノニオン性乳化剤を取り込む観点から、反応性を有するノニオン性乳化剤を用いることが好ましい。反応性を有するノニオン性乳化剤は、商業的に容易に入手することができる。商業的に容易に入手することができる反応性を有するノニオン性乳化剤としては、例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−10(HLB:12.1)、花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420(HLB:12.6)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、反応性を有するノニオン性乳化剤は、反応性を有するが、単量体成分には含まれない。
単量体成分100質量部あたりのノニオン性乳化剤の量は、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上、さらに一層好ましくは10質量部以上であり、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは60質量部以下、より好ましくは50質量部以下である。
なお、ノニオン性乳化剤には、本発明の目的が阻害されない範囲内で、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤などの他の乳化剤が含まれていてもよい。
油溶性染料としては、例えば、シアニン系油溶性染料、フタロシアニン系油溶性染料、キノリン系油溶性染料、キノンイミン系油溶性染料、ベンゾキノン系油溶性染料、ナフトキノン系油溶性染料、ナフトール系油溶性染料、アゾ系油溶性染料、金属錯塩系油溶性染料、アントラキノン系油溶性染料、インジゴ系油溶性染料、カーボニウム系油溶性染料、キサンテン系油溶性染料、ニトロ系油溶性染料、ニトロソ系油溶性染料などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。油溶性染料の代表例として、例えば、油溶性フタロシアニン系近赤外吸収色素、油溶性アゾ系赤色染料〔例えば、中央合成化学(株)製、商品名:Oil Color Red TR−75など〕、油溶性クロム酢酸塩染料、油溶性赤色染料〔(株)シラド化学製、商品名:Oil Red 5B specialなど〕、油溶性黄色染料〔(株)シラド化学製、商品名:Oil Yellow 5GS extraなど〕、油溶性青色染料〔紀和化学工業(株)製、商品名:KP Plast Blue R、KP Plast Blue BRなど〕、油溶性黒色染料〔オリヱント化学工業(株)製、商品名VALIFAST BLACK 3810など〕などが挙げられる。
単量体成分100質量部あたりの油溶性染料の量は、油溶性染料が有する色彩を十分に付与する観点から、好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、さらに好ましくは0.5質量部以上であり、アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量部以下、より好ましくは40質量部以下、さらに好ましくは30質量部以下、さらに一層好ましくは25質量部以下である。
なお、単量体成分には、油溶性染料以外に必要により油溶性機能性成分を適量で含有させてもよい。
油溶性機能性成分としては、例えば、BASF社製、商品名:Tinuvin400、Tinuvin900、Tinuvin928、Tinuvin405、Tinuvin460、Tinuvin479;大塚化学(株)製、商品名:RUVA−93などの油溶性紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカスタブLA−72、アデカスタブLA−81、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87など〕などの油溶性光安定剤、油溶性酸化防止剤、油溶性香料、油溶性殺虫剤、油溶性消炎鎮痛剤、油溶性清涼化剤、油溶性消臭剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの親油性有効成分は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
単量体成分のエマルション粒子含有水性分散体は、単量体成分と水性媒体と油溶性染料と必要により用いられる油溶性機能性成分とを混合し、得られた混合物を攪拌下で当該単量体成分の転相温度〜水性媒体の沸点の温度に加熱した後、当該単量体成分の転相温度よりも低い温度に冷却することによって調製することができる。
水性媒体としては、例えば、水をはじめ、水と水溶性有機溶媒の混合溶媒が挙げられる。水溶性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソープロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコールなどの低級アルコール;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールなどの多価アルコール;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトンなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。水性媒体における水の含有率は、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上、さらに好ましくは70質量%以上、さらに一層好ましくは80質量%以上であり、当該含有率の上限値は100質量%である。水性媒体のなかでは水が好ましい。
単量体成分と水性媒体との混合比(単量体成分/水性媒体:質量比)は、単量体成分と水性媒体と均一に分散させる観点から、好ましくは20/80〜50/50、より好ましくは25/75〜45/55、さらに好ましくは30/70〜40/60である。
単量体成分と水性媒体と油溶性染料と必要により用いられる油溶性機能性成分とを混合する際の温度は、後述する転相温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、好ましくは5〜45℃、より好ましくは5〜40℃、さらに好ましくは5〜35℃である。単量体成分と水性媒体と油溶性染料と必要により用いられる油溶性機能性成分とを混合する際には、単量体成分と油溶性染料と必要により用いられる油溶性機能性成分とを水性媒体中で均一に分散させるために、攪拌することが好ましい。水性媒体を攪拌させる手段として、従来使用されている高粘度塗料用混合機、高圧ホモジナイザーなどの特殊な装置を用いる必要がなく、例えば、攪拌棒、マグネチックスターラーなどの簡単な攪拌装置で単量体成分を水性媒体中に均一に分散させることができる。
次に、単量体成分と水性媒体と油溶性染料と必要により用いられる油溶性機能性成分とを混合した後、得られた混合物を攪拌下で当該単量体成分の転相開始温度以上であって水性媒体の沸点未満の温度に加熱した後、撹拌下で転相開始温度よりも低い温度に冷却する。前記操作を採用した場合には、単量体成分と油溶性染料と必要により用いられる油溶性機能性成分の分散安定性に優れた水性樹脂分散体が得られる。
なお、前記単量体成分の転相温度は、以下の製造例1に記載の方法に準じて測定したときの値である。本発明において、転相温度のうち、最も低い転相温度を転相開始温度とし、最も高い転相温度を転相終了温度とする。転相温度は特に限定されないが、転相温度のうち、転相開始温度は、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、35℃以上であることが好ましく、45℃以上であることがより好ましく、50℃以上であることがさらに好ましい。また、転相終了温度は、モノマーエマルションの安定性を向上させる観点から、98℃以下であることが好ましく、97℃以下であることがより好ましく、96℃以下であることがさらに好ましい。
前記混合物を加熱する際の雰囲気は、特に限定されないが、空気中に含まれている酸素による影響を回避する観点から、例えば、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであることが好ましい。
前記混合物の加熱温度(加熱したときの最高温度)の下限値は、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、前記単量体成分の転相開始温度以上の温度であるが、前記単量体成分の転相開始温度よりも0.5℃以上高い温度であることが好ましく、前記単量体成分の転相開始温度よりも1℃以上高い温度であることがより好ましい。また、前記混合物の加熱温度(加熱したときの最高温度)の下限値は、水性樹脂分散体の分散安定性を向上させる観点から、前記単量体成分の転相終了温度以上の温度であることがさらに好ましく、前記単量体成分の転相終了温度の0.5℃以上であることがさらに一層好ましい。
前記混合物の加熱温度(加熱したときの最高温度)の上限値は、通常、水性媒体の沸点未満の温度、好ましくは水性媒体の沸点の温度よりも3℃以上低い温度、さらに好ましくは水性媒体の沸点の温度よりも5℃以上低い温度である。
次に、前記混合物の温度が当該単量体成分の転相開始温度以上であって水性媒体の沸点未満の温度に到達した後、前記混合物を当該単量体成分の転相温度以下の温度に冷却する。
前記混合物の冷却手段には特に限定がなく、前記 混合物を例えば、放冷することによって冷却してもよく、空冷によって冷却してもよい。前記混合物を前記単量体成分の転相開始温度以下の温度にまで冷却するが、好ましくは当該単量体成分の転相開始温度よりも10℃以上低い温度、より好ましくは当該単量体成分の転相開始温度よりも20℃以上低い温度、さらに好ましくは当該単量体成分の転相開始温度よりも25℃以上低い温度、さらに一層好ましくは当該単量体成分の転相開始温度よりも30℃以上低い温度である。
以上の操作により、単量体成分の水性分散体が得られる。なお、水性樹脂分散体における単量体成分の含有率は、当該水性分散体の用途などによって異なるので一概には決定することができない。したがって、水性分散体における単量体成分の含有率は、当該水性分散体の用途などに応じて適宜調整することが好ましいが、その上限値は、通常、90質量%である。
水性分散体に含まれているエマルション粒子の平均粒子径は、10〜500nm、好ましくは10〜200nmであるが、前記単量体成分の水性分散体の製造方法によれば、平均粒子径が10〜100nmである非常に小さいエマルション粒子を含有する水性分散体を得ることができる。なお、エマルション粒子の平均粒子径は、以下の製造例1に記載の方法に基づいて測定されたときの値である。
水性分散体において、単量体成分がエマルション粒子に含有されているが、単量体成分は、完全にエマルション粒子に含有されずに不可避的に水性分散体に存在することがある。したがって、水性分散体には、本発明の目的が阻害されない範囲内で単量体成分が懸濁または溶解していてもよい。
単量体成分の水性分散体には、本発明の目的を阻害しない範囲で、例えば、添加剤などが含まれていてもよい。前記添加剤としては、例えば、顔料などの着色剤、レベリング剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、抗酸化剤、重合禁止剤、充填剤、カップリング剤、防錆剤、抗菌剤、金属不活性化剤、湿潤剤、消泡剤、界面活性剤、補強剤、可塑剤、潤滑剤、防曇剤、防食剤、顔料分散剤、流動調整剤、過酸化物分解剤、鋳型脱色剤、蛍光性増白剤、有機防炎剤、無機防炎剤、滴下防止剤、溶融流改質剤、静電防止剤、防藻剤、防カビ剤、難燃剤、スリップ剤、金属キレート剤、アンチブロッキング剤、耐熱安定剤、加工安定剤、分散剤、増粘剤、レオロジーコントロール剤、発泡剤、老化防止剤、防腐剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、成膜助剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。これらの添加剤の量は、当該添加剤の種類によって異なるので一概には決定することができないことから、当該添加剤の種類に応じて適宜決定することが好ましい。
前記水性分散体は、単量体成分を含有しているエマルション粒子の分散安定性に優れている。したがって、前記水性分散体は、従来のように単量体成分と水性媒体とが短時間で分離したり、有効成分が短時間で沈降したりすることがないので、単量体成分を水性媒体中に長時間にわたって安定して分散させることができる。
(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体は、前記単量体成分の水性分散体を用い、当該水性分散体のエマルション粒子に含まれている単量体成分を重合させることによって調製することができる。エマルション粒子に含まれている単量体成分は、通常、乳化重合によって重合させることができる。
単量体成分の水性分散体に含まれている単量体成分を乳化重合させる方法としては、例えば、前記水性分散体に乳化剤を溶解させ、得られた溶液に重合開始剤を添加する方法などが挙げられるが、本発明は、かかる方法のみに限定されるものではない。
乳化剤としては、アニオン性乳化剤、ノニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性乳化剤、高分子乳化剤などが挙げられ、これらの乳化剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
アニオン性乳化剤としては、例えば、アンモニウムドデシルサルフェート、ナトリウムドデシルサルフェートなどのアルキルサルフェート塩;アンモニウムドデシルスルホネート、ナトリウムドデシルスルホネート、ナトリウムアルキルジフェニルエーテルジスルホネートなどのアルキルスルホネート塩;アンモニウムドデシルベンゼンスルホネート、ナトリウムドデシルナフタレンスルホネートなどのアルキルアリールスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルスルホネート塩;ポリオキシエチレンアルキルサルフェート塩;ポリオキシエチレンアルキルアリールサルフェート塩;ジアルキルスルホコハク酸塩;アリールスルホン酸−ホルマリン縮合物;アンモニウムラウリレート、ナトリウムステアリレートなどの脂肪酸塩;ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレートスルホネート塩、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩などのアリル基を有する硫酸エステルまたはその塩;アリルオキシメチルアルコキシエチルポリオキシエチレンの硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ノニオン性乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリエチレングリコールとポリプロピレングリコールとの縮合物、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、エチレンオキサイドと脂肪族アミンとの縮合生成物、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテルなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
カチオン性乳化剤としては、例えば、ドデシルアンモニウムクロライドなどのアルキルアンモニウム塩などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
両性乳化剤としては、例えば、ベタインエステル型乳化剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
高分子乳化剤としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウムなどのポリ(メタ)アクリル酸塩;ポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリヒドロキシエチルアクリレートなどのポリヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;これらのポリマーを構成するモノマーのうちの1種類以上を共重合成分とする共ポリマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、前記乳化剤として、耐褪色性を向上させる観点から、重合性基を有する乳化剤、すなわち、いわゆる反応性乳化剤が好ましく、環境保護の観点から、非ノニルフェニル型の乳化剤が好ましい。
反応性乳化剤としては、例えば、プロペニル−アルキルスルホコハク酸エステル塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンスルホネート塩、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレンホスフォネート塩〔例えば、三洋化成工業(株)製、商品名:エレミノールRS−30など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテルスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンBC−10、アクアロンHS−10など〕、アリルオキシメチルアルキルオキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンKH−10など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレンのスルホネート塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSE−10など〕、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン硫酸エステル塩〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−10、SR−30など〕、ビス(ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル)メタクリレート化スルホネート塩〔例えば、日本乳化剤(株)製、商品名:アントックスMS−60など〕、アリルオキシメチルアルコキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−20など〕、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエーテル〔例えば、第一工業製薬(株)製、商品名:アクアロンRN−20など〕、アリルオキシメチルノニルフェノキシエチルヒドロキシポリオキシエチレン〔例えば、(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープNE−10など)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
乳化剤(不揮発分)の量は、前記水性樹脂分散体100質量部あたり、重合安定性を向上させる観点から、好ましくは0.3質量部以上、より好ましくは0.5質量部以上であり、耐褪色性を向上させる観点から、好ましくは5質量部以下、より好ましくは3質量部以下、さらに好ましくは1質量部以下である。
重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2−アゾビス(2−ジアミノプロパン)ハイドロクロライド、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)などのアゾ化合物;過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどの過硫酸塩;過酸化水素、ベンゾイルパーオキサイド、パラクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、過酸化アンモニウムなどの過酸化物などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
前記水性分散体100質量部あたりの重合開始剤の量は、重合速度を高め、未反応の単量体成分の残存量を低減させる観点から、好ましくは0.03質量部以上、より好ましくは0.04質量部以上であり、耐褪色性を向上させる観点から、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下である。
重合開始剤の添加方法は、特に限定されない。その添加方法としては、例えば、一括仕込み、分割仕込み、連続滴下などが挙げられる。
なお、重合開始剤の分解を促進するために、例えば、亜硫酸水素ナトリウムなどの還元剤、硫酸第一鉄などの遷移金属塩などの重合開始剤の分解剤を反応系内に適量で添加してもよい。
また、(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量を調整するために、連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては、例えば、チオグリコール酸2−エチルヘキシル、tert−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトエタノール、α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの連鎖移動剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。単量体成分100質量部あたりの連鎖移動剤の量は、(メタ)アクリル系樹脂の重量平均分子量を調整する観点から、0.01〜10質量部であることが好ましい。
また、単量体成分を乳化重合させるとき、耐褪色性を向上させる観点から、シランカップリング剤を適量で用いてもよい。シランカップリング剤としては、例えば、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基などの重合性不飽和結合を有するシランカップリング剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、単量体成分を乳化重合させる際には、必要により、キレート剤、造膜助剤、pH緩衝剤などの添加剤を反応系内に適量で添加してもよい。
単量体成分を乳化重合させる際の雰囲気は、特に限定されないが、重合開始剤の効率を高める観点から、窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスであることが好ましい。
単量体成分を乳化重合させる際の重合温度は、特に限定がないが、通常、好ましくは50〜100℃、より好ましくは60〜85℃である。重合温度は、一定であってもよく、重合反応の途中で変化させてもよい。
単量体成分を乳化重合させる重合時間は、特に限定がなく、重合反応の進行状況に応じて適宜設定すればよいが、通常、2〜9時間程度である。
以上のようにして単量体成分を乳化重合させることにより、(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得ることができる。なお、前記(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子(樹脂エマルション粒子)の含有率は、当該水性分散体の用途などによって異なるので一概には決定することができない。したがって、(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子(樹脂エマルション粒子)の含有率は、当該水性分散体の用途などに応じて適宜調整することが好ましい。
(メタ)アクリル系樹脂粒子(樹脂エマルション粒子)の平均粒子径は、当該水性分散体の原料として用いられる単量体成分のエマルション粒子の平均粒子径とほぼ同一であることから、単量体成分のエマルション粒子が有する平均粒子径が維持される。
(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、10〜500nm、好ましくは10〜200nmである。前記水性分散体の製造方法によれば、前記したように、平均粒子径が10〜100nmである非常に小さい粒子径を有する単量体成分のエマルション粒子を含有する水性分散体を得ることができることから、平均粒子径が10〜100nmである非常に小さい粒子径を有する(メタ)アクリル系樹脂粒子を含有する水性樹脂分散体を得ることができる。なお、(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、以下の製造例1に記載の方法に基づいて測定されたときの値である。
2.オレフィン系樹脂粒子の水性分散体
オレフィン系樹脂粒子に用いられるオレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などが挙げられるが、本願発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。なお、オレフィン系樹脂の原料として用いられるオレフィンには、本発明の目的を阻害しな範囲内で、例えば、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−ペンテン、1−ヘプテンなどが含まれていてもよい。オレフィン系樹脂は、非塩素化オレフィン系樹脂および塩素化オレフィン系樹脂のいずれであってもよいが、環境面を考慮して非塩素化オレフィン系樹脂が好ましい。
オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径は、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、好ましくは10〜500nm、より好ましくは10〜200nmである。オレフィン系樹脂粒子の平均粒子径は、以下の製造例1に記載の方法に基づいて測定されたときの値である。
オレフィン系樹脂粒子の水性分散体におけるオレフィン系樹脂粒子の含有率は、当該水性分散体の用途などによって異なるので一概には決定することができない。したがって、(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子(樹脂エマルション粒子)の含有率は、当該水性分散体の用途などに応じて適宜調整することが好ましい。
オレフィン系樹脂粒子の水性分散体は、商業的に容易に入手することができるものであり、その例として、東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004(樹脂固形分含量:30質量%)、ハードレン(登録商標)NZ−1015(樹脂固形分含量:30質量%)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
3.水性樹脂分散体
本発明の水性樹脂分散体は、(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体とオレフィン系樹脂粒子の水性分散体とを混合することによって容易に調製することができる。(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体とオレフィン系樹脂粒子の水性分散体との混合比率〔(メタ)アクリル系樹脂粒子の樹脂固形分/オレフィン系樹脂粒子の樹脂固形分(質量比)〕は、水性樹脂分散体における(メタ)アクリル系樹脂粒子の分散安定性を向上させるとともに、鮮明な色彩を有し、耐褪色性に優れた塗膜を形成させる観点から、好ましくは10/90〜90/10、より好ましくは20/80〜80/20、さらに好ましくは25/75〜75/25である。
以上のようにして(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体とオレフィン系樹脂粒子の水性分散体とを混合することにより、本発明の水性樹脂分散体が得られる。本発明の水性樹脂分散体に(メタ)アクリル系樹脂粒子およびオレフィン系樹脂粒子が含有されているので、本発明の水性樹脂分散体は、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することができる。
本発明の水性樹脂分散体における不揮発分量は、生産性を向上させる観点から、好ましくは20質量%以上、より好ましくは25質量%以上であり、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは70質量%以下、より好ましくは60質量%以下である。水性樹脂分散体における不揮発分量は、水性樹脂分散体1gを秤量し、熱風乾燥機で110℃の温度で1時間乾燥させ、得られた残渣を不揮発分とし、式:
〔水性樹脂分散体における不揮発分量(質量%)〕
=(〔残渣の質量〕÷〔水性樹脂分散体1g〕)×100
に基づいて求められた値を意味する。
4.水性塗料
本発明の水性塗料は、前記水性樹脂分散体を含有するものであり、当該水性樹脂分散体のみが用いられていてもよく、当該水性樹脂分散体以外に本発明の目的を阻害しない範囲内で添加剤が用いられていてもよい。
添加剤としては、例えば、成膜助剤、可塑剤、抑泡剤、顔料、増粘剤、艶消し剤、分散剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、充填剤、レベリング剤、安定剤、顔料、酸化防止剤などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。これらの添加剤は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
水性塗料としては、例えば、エナメル塗料、クリヤー塗料などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。水性塗料は、それ単独で1層で塗工してもよく、2層以上に重ね塗りすることによって塗工してもよい。2層以上に重ね塗りすることによって塗工する場合、その一部の層のみが当該水性塗料によって形成されてもよく、全部の層が当該水性塗料で形成されてもよい。重ね塗りは、例えば、プライマー処理やシーラー処理などを施した被塗物に、第1層(例えば、下塗り層)用塗料を塗布して乾燥させた後、第2層(例えば、上塗り層)用塗料を上塗りし、乾燥させる方法などが挙げられるが、本発明は、かかる方法によって限定されるものではない。水性塗料を塗布する方法としては、例えば、刷毛、バーコーター、アプリケーター、エアスプレー、エアレススプレー、ロールコーター、フローコーターなどを用いた塗布方法が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
本発明の水性塗料は、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することから、例えば、自動車、オートバイなどの車両のボディなどの用途に好適に用いることができる。
次に本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は、かかる実施例のみに限定されるものではない。
なお、以下の実施例および比較例において、特に断りがない限り、「部」は「質量部」を意味し、「%」は「質量%」を意味する。
以下の実施例および比較例において、各化合物の略号は、以下の化合物を意味する。
・MMA:メチルメタクリレート
・EHA:2−エチルヘキシルアクリレート
・CHMA:シクロヘキシルメタクリレート
・CTA:イソシアヌル酸トリアリル
・MPTS:メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン
・HXA:1,6−ヘキンジオールジアクリレート
・C22A:ベヘニルアクリレート
・EHC:2−エチルヘキサン酸ヘキサデシル
製造例1
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水63部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕12.3部、MMA3.5部、CHMA13.8部、EHC5.0部、油溶性紫外線吸収剤〔大塚化学(株)製、商品名:RUVA−93〕0.8部および油溶性アゾ系赤色染料〔中央合成化学(株)製、商品名:Oil Color Red TR−75〕1.6部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を以下の方法に基づいて測定した。その結果、転相温度は75℃(下限の温度は転相開始温度、以下同様)〜83℃(上限の温度は転相終点温度、以下同様)であった。
〔転相温度の測定方法〕
2L(リットル)容の反応容器に撹拌装置および温度センサーを取り付け、前記単量体成分1000gを当該反応容器内に入れて撹拌した。
前記反応容器をウォーターバスで昇温させながら当該反応容器内の単量体成分の温度が1℃上昇する毎に導電率計〔ユーテック(EUTECH)社製、商品名:ラコムテスターPC450〕で電気伝導率を測定した。
昇温したときの温度ごとに電気伝導率をプロットし、昇温とともに電気伝導率が継続して下がり始めたときの温度を転相開始温度とし、電気伝導率が1.00μS以下になったときの温度を転相終点温度とした。
なお、導電率計の測定可能温度の上限を超えても電気伝導率が1.00μS以下にならなかった場合、撹拌下にて転相開始温度よりも高い温度に到達して3分間以上経過しても前記単量体成分の外観に変化が生じないときの温度を転相温度の終点とした。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液3.0部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、47nmであった。
〔平均粒子径の測定方法〕
動的光散乱法による粒子径測定装置である多検体ナノ粒子径測定システム〔大塚電子(株)製、商品名:nanoSAQLA〕を用い、光子相関法で自己相関関数を求め、キュムラント解析によって平均粒子径(流体力学径)を求めた。
製造例2
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水65部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕11.5部、MMA3.1部、EHA5.5部、CHMA5.8部、CTA2.0部、MPTS0.5部、EHC4.4部、油溶性紫外線吸収剤〔大塚化学(株)製、商品名:RUVA−93〕0.7部および油溶性アゾ系赤色染料〔中央合成化学(株)製、商品名:Oil Color Red TR−75〕1.5部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は79〜81℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.8部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、42nmであった。
製造例3
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水63部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕12.3部、MMA3.5部、CHMA13.8部、EHC5.0部、油溶性紫外線吸収剤〔大塚化学(株)製、商品名:RUVA−93〕0.8部および油溶性クロム錯塩系赤色染料1.6部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は79〜85℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液3.0部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、50nmであった。
製造例4
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水65部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕11.5部、MMA3.1部、EHA5.5部、CHMA5.8部、CTA2.02、MPTS0.5部、EHC4.4部、油溶性紫外線吸収剤〔大塚化学(株)製、商品名:RUVA−93〕0.7部および油溶性クロム錯塩系赤色染料1.5部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は79〜81℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.8部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、41nmであった。
製造例5
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水64部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕12.3部、MMA3.5部、CHMA10.8部、C22A7.0部、油溶性紫外線吸収剤〔大塚化学(株)製、商品名:RUVA−93〕0.8部および油溶性クロム錯塩系赤色染料1.6部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は86〜91℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.9部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、48nmであった。
製造例6
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水67部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕10.8部、MMA3.0部、CHMA10.4部、HXA0.6部、EHC4.2部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin 400)2.6部および油溶性アゾ系赤色染料〔中央合成化学(株)製、商品名:Oil Color Red TR−75〕1.4部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は78〜84℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.6部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、57nmであった。
製造例7
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水67部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕10.8部、MMA3.0部、CHMA10.4部、HXA0.6部、EHC4.2部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin 400)2.6部および油溶性クロム錯塩系赤色染料1.4部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は80〜85℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.6部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、52nmであった。
製造例8
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水67部、ノニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−10、HLB:12.1〕10.8部、MMA3.0部、CHMA10.4部、KBM0.7部、HXA0.6部、C22A3.5部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin 400)2.6部および油溶性クロム錯塩系油溶性赤色染料1.4部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は55〜60℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.6部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、68nmであった。
製造例9
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水67部、ノニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−10、HLB:12.1〕10.8部、MMA3.0部、CHMA11.4部、HXA0.6部、EHC2.1部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin 400)3.7部および油溶性クロム錯塩系赤色染料1.4部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は52〜58℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.6部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、75nmであった。
製造例10
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水67部、ノニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープER−10、HLB:12.1〕10.8部、MMA3.0部、CHMA10.4部、KBM0.7部、HXA0.6部、C22A3.5部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin 400)2.6部および油溶性アゾ系赤色染料〔中央合成化学(株)製、商品名:Oil Color Red TR−75〕1.4部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は50〜55℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.6部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、70nmであった。
製造例11
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水67部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕10.8部、MMA3.0部、CHMA10.4部、HXA0.6部、EHC4.2部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin 400)2.6部および油溶性赤色染料〔(株)シラド化学製、商品名:Oil Red 5B special〕1.4部を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は74〜78℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.6部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、51nmであった。
製造例12
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入管および滴下ロートを備えた反応容器内に脱イオン水67部、ノニオン性乳化剤としてポリオキシアルキレンアルケニルエーテル〔花王(株)製、商品名:ラテムルPD−420、HLB:12.6〕10.8部、MMA3.0部、CHMA10.4部、HXA0.6部、EHC4.2部、紫外線吸収剤(BASF社製、商品名:Tinuvin 400)2.6部、油溶性赤色染料〔(株)シラド化学製、商品名:Oil Red 5B special〕1.3部および油溶性黒色染料〔オリヱント化学工業(株)製、商品名VALIFAST BLACK 3810〕を仕込み、得られた単量体成分の一部を取り出し、当該単量体成分の転相温度を製造例1と同様にして測定した。その結果、転相温度は75〜79℃であった。
前記単量体成分の転相温度を測定した後、窒素ガスを反応容器内に導入しながら撹拌下でウォーターバスを用いて反応容器を加熱した。
反応容器内の単量体成分の温度が90℃に到達した後、当該反応容器をウォーターバスから取り出し、撹拌下で内温が40℃以下となるまで空冷することにより、単量体成分の水性分散体を得た。
次に、前記で得られた単量体成分の水性分散体100部を反応容器内に入れ、当該反応容器内にアニオン性乳化剤〔(株)ADEKA製、商品名:アデカリアソープSR−20〕の25%水溶液2.6部を添加し、窒素ガスを反応容器内に導入しながら室温中で30分間撹拌した後、当該反応容器をウォーターバスに入れ、撹拌下で当該反応容器の内温が80℃となるまでウォーターバスで昇温した。
その後、反応容器内に5%過硫酸カリウム水溶液0.9部を添加し、80℃で6時間反応容器の内容物を攪拌下で加熱することにより、単量体成分に含まれている単量体を重合させて(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体を得た。
前記で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体に含まれている(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径を以下の方法に基づいて調べた。その結果、当該(メタ)アクリル系樹脂粒子の平均粒子径は、53nmであった。
実施例1
製造例1で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例2
製造例2で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例3
製造例3で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例4
製造例4で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例5
製造例5で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例6
製造例6で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例7
製造例7で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例8
製造例8で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例9
製造例9で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例10
製造例10で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例11
製造例3で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体50部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕50部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例12
製造例1で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体70部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕30部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例13
製造例3で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体70部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕30部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例14
製造例3で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1015、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:176nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例15
製造例11で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
実施例16
製造例12で得られた(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体30部と非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕70部を混合することにより、水性樹脂分散体を得た。
比較例1
溶剤系アクリル樹脂溶液として(株)日本触媒製、商品名:ユーダブルS−5115の樹脂固形分100部に対して油溶性アゾ系赤色染料〔中央合成化学(株)製、商品名:Oil Color Red TR−75〕1.35部を添加し、得られた混合物を攪拌し、油溶性染料を均一に分散させることにより、樹脂分散体を得た。
比較例2
溶剤系アクリル樹脂溶液として(株)日本触媒製、商品名:ユーダブルS−5115の樹脂固形分100部に対して油溶性クロム錯塩系赤色染料1.35部を添加し、得られた混合物を攪拌し、当該染料を均一に分散させたが、当該染料が沈殿したため、当該染料が均一に分散した樹脂分散体を得ることができなかった。
比較例3
実施例1において、非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体70部の代わりにアクリル樹脂エマルション〔(株)日本触媒製、商品名:アクリセットEF−005、樹脂固形分含量:40%〕70部を用いたこと以外は、実施例1と同様にして水性樹脂分散体を得た。
比較例4
非塩素系ポリプロピレン粒子の水性分散体〔東洋紡(株)製、商品名:ハードレン(登録商標)NZ−1004、樹脂固形分含量:30%、粒子の平均粒子径:99nm〕樹脂固形分100部に対して油溶性アゾ系赤色染料〔中央合成化学(株)製、商品名:Oil Color Red TR−75〕1.35部を攪拌し、当該染料を均一に分散させたが、当該染料が沈殿したため、当該染料が均一に分散した樹脂分散体を得ることができなかった。
実験例1
各実施例または各比較例で得られた樹脂分散体100部にそれぞれ2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート〔JNC(株)製、品番:CS−12〕を10部添加した試料をサンプルとして用いた。前記サンプルをガラス板に乾燥後の塗膜の厚さが60μmとなるようにアプリケーターで塗布し、80℃の乾燥機で2時間乾燥させることにより被膜を形成させて試験板を得た。
前記で得られた試験板の被膜面の色差(L*0、a*0、b*0)を色差計〔日本電色工業(株)製、商品名:分光式色差計SE−2000〕で測定した。
次に、各試験板に対し、以下の条件にて屋外で太陽光線による暴露試験を200時間行なった後、当該試験板の被膜面の色差(L*1、a*1、b*1)を測定し、a*値保持率を式:
[a*値保持率(%)]=(a*1÷a*0)×100
に基づいて求めた。その結果を表1に示す。
〔屋外暴露条件〕
南面30度、直接暴露〔暴露地:大阪府吹田市の(株)日本触媒の敷地内〕、暴露試験の時期:2〜3月
Figure 2021161172
表1に示された結果から、各実施例で得られた水性樹脂分散体は、いずれも、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、a*値保持率が高く、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することがわかる。
本発明の水性樹脂分散体および水性塗料は、着色剤として染料が使用されているにもかかわらず、当該染料が有する鮮明な色彩を維持し、耐褪色性に優れた塗膜を形成することから、例えば、自動車、オートバイなどの車両のボディなどの用途に有用である。

Claims (3)

  1. (メタ)アクリル系樹脂粒子およびオレフィン系樹脂粒子を含有する水性樹脂分散体であって、前記(メタ)アクリル系樹脂粒子が、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を重合させてなり、油溶性染料を含有し、平均粒子径10〜500nmを有することを特徴とする水性樹脂分散体。
  2. (メタ)アクリル系樹脂粒子およびオレフィン系樹脂粒子を含有する水性樹脂分散体の製造方法であって、アルキル基の炭素数が1〜12であるアルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体成分を油溶性染料の存在下で乳化重合させ、得られた平均粒子径が10〜500nmである(メタ)アクリル系樹脂粒子の水性分散体と、オレフィン系樹脂粒子の水性分散体とを混合することを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の水性樹脂分散体を含有することを特徴とする水性塗料。
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