JP2021160966A - 塩素バイパスの抽気装置、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法 - Google Patents

塩素バイパスの抽気装置、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ダストの堆積及び付着を低減することが可能であり、塩素バイパス設備の運転を安定化することが可能な抽気装置を提供すること。【解決手段】塩素バイパスの抽気装置90は、セメントキルンの窯尻52及び/又はライジングダクト51に連結され、抽気口12aからキルン排ガス60を抽気する抽気管12を備える。抽気管12は、周方向に沿うように冷却ガス62を導入し、キルン排ガス60と冷却ガス62とを混合する大径部10と、大径部10よりも小さい内径を有し、大径部10の抽気口12a側とは反対側に大径部10と同心となるように設けられ、キルン排ガス60と冷却ガス62を含む抽気ガス63を導出する小径部11と、大径部10と小径部11との間に大径部10の流路を絞る縮径部15を備える。【選択図】図2

Description

本開示は、塩素バイパスの抽気装置、塩素バイパス設備、セメントクリンカ製造設備、及びセメントクリンカに関する。
セメントクリンカ製造設備では多種多様の廃棄物が処理されている。近年、廃棄物処理量の増加に伴い、塩素及び硫黄等の揮発成分のセメントキルンへのインプット量が増加している。これらの揮発成分は、製造設備内に付着してコーチングを生成する要因となり、セメントクリンカ製造設備の操業に影響を及ぼす。このため、多くのセメントクリンカ製造設備には揮発成分を低減するために塩素バイパス設備が設置されている。
塩素バイパス設備の抽気管におけるダストの堆積及びコーチングを抑制する技術が種々検討されている。例えば、特許文献1では、抽気管の内壁を、冷却用空気の旋回流の逆流によるエアーカーテンで保護するとともに、コーチングの発生を抑制することが提案されている。そして、逆流を調節するため、スライドゲートタイプのような吹込口の入口断面積可変機構を設けることが提案されている。特許文献2では、抽気ダクト内に、抽気ガスの下流側から排気ダクト側に向けて抽気ダクトの内壁に沿う気体の旋回流を噴出させることにより抽気ダクト内に堆積するダストを除去するダスト除去ノズルを設けることが提案されている。
特開平9−175847号公報 特開2010−126410号公報
特許文献1にように、スライドゲートの差し込み量によって抽気管の内壁を保護する冷却風の流速を変え、吹込み位置を変更することは、塩素バイパスの抽気管におけるダストの堆積及びコーチングを抑制するのに有効であると考えられる。しかしながら、特許文献1のようにスライドゲートタイプの機構を設けると、可動部や摺動部が大きくなり気密性を維持し難くなることが懸念される。また、特許文献2のように、ダスト除去ノズルを抽気管内に挿入して配置する技術では、ダスト除去ノズルの死角にダストが堆積し易くなることが懸念される。
そこで、本開示では、ダストの堆積及び付着を低減することが可能であり、塩素バイパス設備の運転を安定化することが可能な抽気装置を提供する。また、そのような抽気装置を備えることによって、安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備を提供する。また、安定的にセメントクリンカを製造することが可能なセメントクリンカの製造方法を提供する。
本開示の一側面に係る抽気装置は、セメントキルンの窯尻及び/又はライジングダクトに連結され、抽気口からキルン排ガスを抽気する抽気管を備える。抽気管は、周方向に沿うように冷却ガスを導入し、キルン排ガスと冷却ガスとを混合する大径部と、大径部よりも小さい内径を有し、大径部の抽気口側とは反対側に大径部と同心となるように設けられ、キルン排ガスと冷却ガスとを含む抽気ガスを導出する小径部と、大径部と小径部との間に大径部の流路を絞る縮径部と、を備える。
上記抽気装置は、抽気管の大径部において周方向に沿うように冷却ガスを導入していることから、大径部ではキルン排ガスと冷却ガスを混合しながら、周方向に沿う旋回流が生じる。一方、キルン排ガスと冷却ガスとを含む抽気ガスを導出する小径部が、大径部の抽気口側とは反対側に大径部と同心となるように設けられているため、抽気管の中心部分には、抽気管の上流側(ライジングダクト側)から下流側に向かう気流が生じる。したがって、大径部に生じた旋回流の一部も、抽気管の上流側から下流側に向かう。このような旋回流は、大径部と小径部との間で大径部の流路を絞る縮径部に衝突する。縮径部に衝突した旋回流は、衝突の反動で大径部の下流側から上流側に戻り、一部が抽気管の外周部を通ってセメントキルンの窯尻又はライジングダクトに戻る。このような気流によって、抽気管内に堆積及び付着するダストを低減することができる。上記抽気装置は、このように抽気管内に堆積及び付着するダストを低減できることから、塩素バイパス設備及びセメント製造設備の運転を安定化することができる。また、抽気管内に堆積及び付着するダストに含まれる原料ダストは、セメントキルンで焼成され、セメントクリンカとなることから、セメント原料を有効活用してセメントクリンカの収量を増やすことができる。
上記抽気管は、大径部にガス流路の一部を遮る構造物を備えることが好ましい。原料ダストを含有したキルン排ガスを構造物に衝突させることで原料ダストを抽気管の側面に弾き飛ばし、縮径部で反発した旋回流に乗せることができる。したがって、窯尻及び/又はライジングダクトに戻る原料ダストの量を増やすことができる。
本開示の一側面に係る抽気装置は、セメントキルンの窯尻及び/又はライジングダクトに連結され、抽気口からキルン排ガスを抽気する抽気管を備える。抽気管は、周方向に沿うように冷却ガスを導入し、キルン排ガスと冷却ガスとを混合する大径部と、大径部よりも小さい内径を有し、抽気口よりも下流側において大径部と同心となるように大径部に挿入され、キルン排ガスと冷却ガスとを含む抽気ガスを導出する小径部と、抽気口に、又は抽気口と小径部の抽気ガスの流入口との間に、ガス流路の一部を遮る構造物と、を備える。
上記抽気装置は、抽気管の大径部において周面の周方向に沿うように冷却ガスを導入していることから、大径部ではキルン排ガスと冷却ガスを混合しながら、周方向に沿いつつ抽気管の下流側から上流側へ向かう旋回流が生じる。一方、キルン排ガスと冷却ガスとを含む抽気ガスを導出する小径部が、抽気口よりも下流側において大径部と同心になるように大径部に挿入されているため、抽気管の中心部分には、抽気管の上流側から下流側に向かう気流が生じる。
ここで、抽気管は、抽気口に、又は抽気口と小径部の抽気ガスの流入口との間に、ガス流路の一部を遮る構造物を有している。この構造物に原料ダストを含有したキルン排ガスが衝突することで、キルン排ガス中の原料ダストを抽気管の側面側に弾き飛ばし、大径部の周方向に沿いつつ抽気管の下流から上流へ向かう旋回流に乗せることができる。この旋回流によって窯尻及び/又はライジングダクトに原料ダストを戻すことができる。また、上記抽気装置は、抽気管内の側面に旋回流が生じているため堆積及び付着するダストを低減できる。したがって、塩素バイパス設備及びセメント製造設備の運転を安定化することができる。さらに、ダストに含まれる原料ダストは、セメントキルンで焼成され、セメントクリンカとなることから、セメント原料を有効活用してセメントクリンカの収量を増やすことができる。
上記小径部は、大径部に挿入される第1の管体と、第1の管体に挿入される第2の管体とを備え、第1の管体は、大径部及び第2の管体に対して、前記第1の管体の長手方向に沿ってスライド可能に設けられ、第1の管体をスライドさせることによって抽気ガスの流入口と構造物との間隔を変更可能に構成されることが好ましい。これによって、キルン排ガスの発生量及びダストの発生量に応じて、大径部における気流の流動状態を調整することができる。したがって、抽気管の内壁へのダストの堆積及び付着の抑制と、ライジングダクト及び窯尻内への冷却ガスの流入の抑制とを、高水準に両立することができる。
抽気ガスの流通方向を基準としたときに、抽気管は、上流側よりも下流側の方が高くなるように傾斜した状態で、窯尻及び/又はライジングダクトに連結されていることが好ましい。この場合、旋回流と重力の作用によって、抽気管内に流入したダストを窯尻又はライジングダクトに戻すことができる。したがって、抽気管内に堆積及び付着するダストを一層低減し、塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備の運転を一層安定化することができる。なお、本開示において、抽気管の上流側とは抽気口側であり、下流側とは抽気口とは反対側を意味する。冷却ガス導入部は抽気口よりも下流側において抽気管に冷却ガスを導入する。
上記抽気装置は、抽気管、ライジングダクト、セメントキルン、及び窯尻から選ばれる少なくとも一つの運転情報を計測する計測部と、計測部で計測された運転情報に基づいて、大径部に導入される冷却ガスの流量を調節する流量調節部と、を有することが好ましい。これによって、塩素バイパス設備及びセメントキルンの運転状況に応じて、大径部に導入される冷却ガスの流量を調節することができる。したがって、塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備の運転の一層の安定化を図ることができる。
本開示の一側面に係る塩素バイパス設備は、上述のいずれかの抽気装置を備える。これによって、抽気管内のダストの堆積及び付着を低減し、安定的に塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備を運転することができる。
本開示の一側面に係るセメントクリンカ製造設備は、予熱仮焼部と、セメントキルンと、ライジングダクトと、ライジングダクト及び/又はセメントキルンの窯尻に接続される塩素バイパス設備とを備える。このセメントクリンカ製造設備は、上述のいずれかの抽気装置を有する塩素バイパス設備を備えることから、抽気管内のダストの堆積及び付着を低減し、安定的に運転することができる。
本開示の一側面に係るセメントクリンカの製造方法は、セメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼工程と、予熱及び仮焼された前記セメント原料を焼成して、セメントクリンカを製造する焼成工程と、焼成工程で発生するキルン排ガスに含まれる揮発成分の少なくとも一部を上述の塩素バイパス設備でダストとして回収するダスト回収工程と、を有する。
この製造方法では、上述の塩素バイパス設備でダストを回収する回収工程を有する。したがって、抽気管内のダストの堆積及び付着を効率よく低減できるともに、各工程を安定化させることができる。したがって、安定的にセメントクリンカを製造することができる。
本開示によれば、ダストの堆積及び付着を低減することが可能であり、塩素バイパス設備の運転を安定化することが可能な抽気装置を提供することができる。また、そのような抽気装置を備えることによって、安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備を提供することができる。また、安定的にセメントクリンカを製造することが可能なセメントクリンカの製造方法を提供することができる。
一実施形態に係る抽気装置及び塩素バイパス設備の概要を示す図である。 図1における抽気装置とその近傍を拡大して示す図である。 抽気装置の変形例を示す図である。 図3のIV−IV線断面図である。 抽気装置の別の変形例を示す図である。 抽気装置のさらに別の変形例を示す図である。 抽気装置のさらに別の変形例を示す図である。 抽気装置のさらに別の変形例を示す図である。 別の実施形態に係る抽気装置を示す図である。 図9のX−X線断面図である。 抽気装置の変形例を示す図である。 (A)及び(B)は、塩素バイパス設備に設けられるチャンバの例を示す図である。 (A)及び(B)は、塩素バイパス設備に設けられるチャンバの別の例を示す図である。 一実施形態に係るセメントクリンカ製造設備を示す図である。
以下、場合により図面を参照して、本開示の一実施形態について説明する。ただし、以下の実施形態は、本開示を説明するための例示であり、本開示を以下の内容に限定する趣旨ではない。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一符号を用い、場合により重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。更に、各要素の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、一実施形態に係る塩素バイパス設備100の概要を示す図である。塩素バイパス設備100はセメントキルン50と窯尻52とライジングダクト51を備えるセメントクリンカ製造設備200に設けられ、セメントクリンカの製造に伴って生じる塩素等の揮発成分を含むキルンガスを抽気する抽気装置90を備える。抽気装置90を備える塩素バイパス設備100は、セメントクリンカ製造設備内の塩素等の揮発成分をダストとして回収し、セメントクリンカ製造設備内の揮発成分を低減する。
塩素バイパス設備100は、ライジングダクト51及び/又はセメントキルン50の窯尻52から、キルンガスを抽気し、抽気したキルンガスに冷却ガスを混合してキルンガスと冷却ガスを含む抽気ガスを得る抽気装置90と、抽気装置90に冷却ガスを供給するための導入ファン14と、抽気装置90からの抽気ガスに含まれる塊状のダストを分離するチャンバ20と、塊状のダストが分離された抽気ガスを揮発性アルカリ塩の融点以下に冷却する熱交換器25と、冷却に伴って析出した、抽気ガスに含まれるダスト(塩素バイパスダスト)を、抽気ガスから分離する集塵器26と、チャンバ20、熱交換器25及び集塵器26を介して、抽気ガスを抽気する吸引ファン28とを備える。抽気管12は、抽気プローブと称されるものであってもよい。吸引ファン28としては、シロッコファン及びターボファンなどの通常の吸引ファンが挙げられる。
抽気装置90は、導入ファン14から抽気管12に冷却ガスを導入する冷却ガス導入部16と、抽気管12と、を備える。冷却ガスは、常温の空気であってよく、工場等で発生する排気ガスを含むものであってもよい。排気ガスとしては、例えば、セメント製造工場に持ち込まれた下水汚泥等の含水汚泥の受け入れ、貯蔵、発酵時に発生する臭気ガス、吸引ファン28や他工程の吸引ファンから排出される排出ガス等が挙げられる。
抽気管12は、図1に示されるように、水平方向に対して傾斜している。すなわち、抽気管12における抽気ガスの流通方向を基準としたときに、抽気管12は、ライジングダクト51(窯尻52)側を上流側、チャンバ20側を下流側としたときに、上流側よりも下流側の方が高くなるように傾斜した状態で、ライジングダクト51(窯尻52)に連結されている。これによって、旋回流と重力によって、原料ダストを含むダストをライジングダクト51(窯尻52)に戻すことができる。抽気管12の傾斜角度は、例えば、水平面に対して上方に20〜70°であってよい。ただし、抽気管12は、幾つかの変形例では、水平であってもよい。
図2は、図1における抽気装置90とその近傍を拡大して示す図である。抽気管12はキルン排ガスと冷却ガスとを混合する円管形状の大径部10と、大径部10よりも小さい内径を有し、大径部10の抽気口12aとは反対側に大径部10と同心となるように設けられ、キルン排ガスと冷却ガスとを含む抽気ガス63を導出する円管形状の小径部11と、大径部10と小径部11との間に大径部10の流路を絞る縮径部15とを備える。
冷却ガス導入部16は、大径部10における周面13の接線方向に延在するように抽気管12に接続されている。冷却ガス導入部16から導入される冷却ガス62は、抽気管12の周面13の周方向に沿って導入される。これによって、大径部10の内壁面上には冷却ガス62の旋回流によるエアーカーテンが形成され、高温のキルン排ガス60から大径部10の内壁面を保護する。
冷却ガス導入部16から、大径部10の周面13の周方向に沿うように導入された冷却ガス62は、抽気口12aから抽気管12の大径部10に流入したキルン排ガス60と混合しながら、大径部10に旋回流SF1を形成する。旋回流SF1の旋回軸と円管形状を有する大径部10の中心軸は略一致する。
抽気管12における小径部11は、大径部10よりも下流側に大径部10と同心となるように設けられている。このため、ライジングダクト51(窯尻52)から導入されるキルン排ガス60は、旋回流SF1の中央部分を流通し旋回流SF1に含まれる冷却ガスと混合されながら、小径部11に流入する。小径部11では、旋回流SF1の影響によって、同様の旋回流SF2が生じてよい。旋回流SF2は、小径部11におけるダストの堆積及び付着を低減しながら、下流側に流通する。
大径部10の中心部分には、上述のとおり、抽気管12の上流側から下流側に向かう気流が生じる。このため、大径部10で生成した旋回流の一部も下流側に向かい、大径部10と小径部11の間において流路を絞る縮径部15に衝突する。この反動によって、当該旋回流は大径部10の内部を旋回する旋回流SF1となって、縮径部15から抽気口12aに向かって移動する。このような旋回流SF1によって、大径部10におけるダストの堆積及び付着が低減される。
縮径部15から抽気口12aに向かって移動する旋回流SF1は、大径部10の抽気口12a近傍に堆積及び付着しているダストを取り込み、ライジングダクト51(窯尻52)に戻すことができる。抽気管12の抽気口12a付近に堆積又は付着するダストは、揮発成分よりもセメントクリンカとなる原料ダストの含有量が高い場合もある。このような原料ダストを含むダストをライジングダクト51(窯尻52)内に戻すことによって、塩素バイパスダストの量を低減し、セメントクリンカの収量を高くすることができる。
本実施形態では、大径部10における旋回流SF1によって、大径部10に堆積又は付着するダストを低減することができる。また、冷却ガス導入部16から導入された冷却ガス62が、大径部10においてキルン排ガス60と十分に混合されているため、ライジングダクト51(窯尻52)に冷却ガス62が流入することによる熱損失を抑制することができる。また、旋回流SF1が抽気口12aからライジングダクト51(窯尻52)に流入することによって、ライジングダクト51(窯尻52)からのキルン排ガス60の抽気量を増やすことができる。これによって、セメントクリンカ製造設備における揮発成分の低減を促進することができる。
大径部10に対する小径部11の直径の比は、例えば0.2〜0.8であってよく、0.3〜0.7であってもよい。また、縮径部15は、大径部10及び小径部11の周面13と直交するものに限定されず、大径部10側から小径部11側に向かって徐々に内径が小さくなるようにテーパー状に形成されていてもよい。また、大径部10と小径部11の間に、例えば大径部10と小径部11の略中間の内径を有する中径部を設け、大径部10と中径部、及び中径部と小径部の間に、それぞれ縮径部15を設けてもよい。大径部10及び小径部11の内径は一定でなくてよく、長手方向に沿って変化してもよい。例えば、大径部10は、ライジングダクト51(窯尻52)に近接するにつれて内径が小さくなるテーパー部を有していてもよい。
図3は、塩素バイパス設備100に備えられる抽気装置の変形例を示している。図3の抽気装置91は、大径部10に、抽気口12aから抽気されるキルン排ガスのガス流路の一部を遮る構造物(邪魔体)19を備える点で、図1,図2の抽気装置90と異なっている。その他の構成は、抽気装置90と同じであってよい。
図4は、図3のIV−IV線断面図である。抽気管12は、大径部10のガス流路の中央部を遮る構造物19を備える。構造物19は、円錐形状を有しており、その頂点と底面の中心を結ぶ直線と大径部10及び小径部11の中心軸Cとが一致するように、大径部10の径方向に沿って設けられる支持部材17によって支持されている。構造物19は、抽気口12aから流入するキルン排ガス(抽気ガス)中の原料ダストを抽気管12(大径部10)の側面側に弾き飛ばす機能を有する。このため、キルン排ガスに同伴していたダストを旋回流SF1によって、ライジングダクト51(窯尻52)に戻すことができる。このダストに含まれる原料ダストは、セメントキルンで焼成され、セメントクリンカとなることから、セメント原料を有効活用してセメントクリンカの収量を増やすことができる。
図3及び図4に示すように、構造物19は円錐形状を有するが、これに限定されない。例えば、角錐形状を有していてもよい。支持部材17は、構造物19を支持可能な形状であれば特に限定されず、例えば柱状(フラットバー)であってよい。支持部材17は、抽気口12a側から小径部11側に向かって細くなるテーパー形状を有していてもよい。これによって、旋回流SF1が乱れることを十分に抑制することができる。なお、構造物19に付着したダストは、例えばアチューマット(高圧水洗浄)といわれる作業によって除去してもよい。ダストの付着箇所が限定されているため、短時間且つ容易にダストの除去を行うことができる。
構造物19の形状は、上述のものに限定されない。ただし、図4に示すように、構造物19を通る大径部10の径方向断面を抽気口12a側からみたときに、構造物19は大径部10及び小径部11の中心軸Cに重なるように設けられることが好ましい。抽気管12の中心部の抽気ガスの流速が最も速いため、キルン排ガス60に含まれる原料ダストが構造物19に衝突した際に、大径部10の側面に弾き飛びやすくなる。そして、大径部10の側面に弾き飛ばした原料ダストを旋回流SF1によって十分にライジングダクト51(窯尻52)に戻すことができる。
図5は、塩素バイパス設備100に備えられる抽気装置の別の変形例を示している。図5の抽気装置92は、構造物19を支持する支持部材18を備える点で、図4の抽気装置91と異なっている。その他の構成は、抽気装置91と同じであってよい。支持部材18は、小径部11の径方向に沿って延びる第1柱状部材18Aと第1柱状部材18Aの中心部分に取り付けられ、第1柱状部材18Aと構造物19とを連結する第2柱状部材18Bとを有する。第2柱状部材18Bは、大径部10及び小径部11の中心軸に沿って延びているため、旋回流SF1及びSF2を乱さずに構造物19を支持することができる。一方、小径部11に設けられる第1柱状部材18Aは、旋回流SF2を多少弱める可能性があるものの、小径部11では大径部10よりも持ち込まれるダストの量が少ないため、特に問題はない。
図6は、塩素バイパス設備100に備えられる抽気装置のさらに別の変形例を示している。図6の抽気装置93は、構造物19Aが図3及び図5の構造物19よりも、小径部11側に設けられている。その他の構成は、抽気装置91又は抽気装置92と同じであってよい。図6では、構造物19Aを支持する支持部材が示されていないが、抽気装置91又は抽気装置92と同様の支持部材で構造物19Aは支持されてよい。
構造物19Aは、その円錐形状の母線の仮想延長線VLが、小径部11内に侵入せず、縮径部15と交わるような形状及び大きさを有することが好ましい。これによって、構造物19Aに衝突した原料ダストを大径部10の側面に弾き飛ばし、小径部11内に原料ダストが流入することを抑制することができる。そして、原料ダストを旋回流SF1でライジングダクト51(窯尻52)に戻すことができる。
図7は、塩素バイパス設備100に備えられる抽気装置のさらに別の変形例を示している。図7の抽気装置94は、構造物19Bが図6の構造物19Aよりも、抽気口12a側に設けられている。また、構造物19Bは、構造物19Aと同様に円錐形状を有するが、その頂角が構造物19Aよりも小さくなっている。構造物19B以外の構成は、抽気装置93と同じであってよい。図7でも、構造物19Bを支持する支持部材が示されていないが、抽気装置91又は抽気装置92と同様の支持部材で構造物19Bを支持してよい。
構造物19Bは、構造物19Aよりも頂角が小さくなっているが、構造物19Aよりも抽気口12a側に設けられているため、その母線の仮想延長線VLが、小径部11内に侵入せず、縮径部15と交わっている。このように、仮想延長線VLと縮径部15とが交わる範囲で、構造物19B(19A,19)を設ける位置と中心角を調整すれば、構造物19Bに衝突した原料ダストを大径部10の側面に弾き飛ばし、旋回流SF1でライジングダクト51(窯尻52)に十分に戻すことができる。
図8は、塩素バイパス設備100に備えられる抽気装置のさらに別の変形例を示している。図8の抽気装置97は、構造物19Cが円柱形状を有している点で、図3及び図5の抽気装置91,92と異なっている。その他の構成は、抽気装置91又は抽気装置92と同じであってよい。図8では、構造物19Cを支持する支持部材が示されていないが、抽気装置91又は抽気装置92と同様の支持部材で構造物19Cは支持されてよい。
円柱形状を有する構造物19Cは、その中心軸が大径部10及び小径部11の中心軸と一致するように、支持部材によって支持されていてよい。小径部11の直径に対する構造物19の直径の比は0.2〜0.8であってよく、0.3〜0.7であってもよい。上記比が小さくなり過ぎると、ダストを大径部10の側面に弾き飛ばす効果が小さくなる傾向にある。一方、上記比が大きくなり過ぎると、抽気口12aからの抽気ガスの流通が妨げられやすくなる傾向にある。構造物19Cの形状は円柱に限定されず、角柱形状であってよく、球状又は半球状であってもよい。
図9は、別の実施形態に係る抽気装置を示す図である。図9の抽気装置95は、抽気管12Aの大径部10Aの周面13の周方向に沿うように冷却ガスを導入し、キルン排ガス60と冷却ガス62とを混合する大径部10Aと、大径部10Aよりも小さい内径を有し、抽気口12aよりも下流側において大径部10Aの内側に大径部10Aと同心となるように設けられ、抽気ガス63を導出する小径部11Aと、抽気口12aと小径部11Aの抽気ガス63の流入口40との間に、ガス流路の一部を遮る構造物19(邪魔体)と、を備える。小径部11Aは、大径部10Aの抽気口12a側とは反対側の端部12bによって支持されている。
抽気装置95は、抽気管12Aの大径部10Aにおいて周面13の周方向に沿うように冷却ガス62を導入していることから、大径部10Aではキルン排ガス60と冷却ガス62を混合しながら、周方向に沿う旋回流SF1が生じる。一方、キルン排ガス60と冷却ガス62とを含む抽気ガス63を導出する小径部11Aが、大径部10Aと同心になるように大径部10Aに挿入されているため、大径部10Aの中心部分には、抽気管12Aの上流側から下流側に向かう気流が生じる。小径部11Aのうち、大径部10Aの内部に挿入されている部分は、旋回流SF1の形成を促進するとともに旋回流SF1の抽気管12Aの長手方向に沿う進行方向をガイドする機能を有してよい。
抽気管12Aは、抽気口12aと小径部11Aの抽気ガス63の流入口40との間に、ガス流路の一部を遮る構造物19を有している。この構造物19に原料ダストを含有したキルン排ガスが衝突することで、キルン排ガス中の原料ダストを大径部10Aの側面に弾き飛ばしことができる。これによって、キルン排ガス60に含まれるダストを旋回流SF1によって、ライジングダクト51(窯尻52)に戻すことができる。また、小径部11Aでは、旋回流SF1の影響によって、同様の旋回流SF2が生じてよい。旋回流SF2は、小径部11Aにおけるダストの堆積及び付着を低減しながら、下流側に流通する。
抽気装置95は、上述の気流によって、抽気管12A内に堆積及び付着するダストを低減することができる。抽気装置95は、このように抽気管12A内に堆積及び付着するダストを低減できることから、塩素バイパス設備及びセメント製造設備の運転を安定化することができる。さらに、ダストに含まれる原料ダストは、セメントキルンで焼成され、セメントクリンカとなることから、セメント原料を有効活用してセメントクリンカの収量を増やすことができる。
図10は、図9のX−X線断面図である。構造物19は、抽気口12aから流入するキルン排ガス60中の原料ダストを側面に弾き飛ばす機能を有する。このため、キルン排ガスに同伴していたダストを旋回流SF1によって、ライジングダクト51(窯尻52)に戻すことができる。このダストに含まれる原料ダストは、セメントキルンで焼成され、セメントクリンカとなることから、セメント原料を有効活用してセメントクリンカの収量を増やすことができる。
図11は、図9及び図10の抽気装置95の変形例を示す図である。図11の抽気装置96の抽気管12Bは、周面13の周方向に沿うように冷却ガス導入部16から冷却ガス62を導入し、キルン排ガス60と冷却ガス62とを混合する大径部10Bと、大径部10Bよりも小さい内径を有し、抽気口12aよりも下流側において大径部10Bの内側に大径部10Bと同心となるように設けられ、抽気ガス63を導出する小径部11Bと、抽気口12aと小径部11Bの抽気ガス63の流入口40との間に、ガス流路の一部を遮る構造物19(邪魔体)と、を備える。
大径部10Bに挿入されている小径部11Bは、二重管構造を有しており、大径部10Bに挿入される第1の管体11aと、第1の管体11a内に挿入される第2の管体11bとを備える。第1の管体11aの先端41aは、第2の管体11bの先端41bよりも抽気口12a側に配置されている。第1の管体11aは、その長手方向に沿って、大径部10及び第2の管体11bに対してスライド可能に設けられている。第1の管体11a及び第2の管体11bは、大径部10Bと同心となるように設けられ、第2の管体11bは図示しない支持部によって支持されている。小径部11Bは、大径部10Bの内部において旋回流SF1の形成を促進するとともに旋回流SF1の抽気管12Bの長手方向に沿う進行方向をガイドする機能を有してよい。第1の管体11aを第2の管体11bに対してスライドさせることによって、第1の管体11aの先端41a(流入口40)の位置を変えることができる。
このように、本変形例では、抽気管12Bにおける小径部11Bの流入口40の位置を抽気装置96の運転状況に応じて変更し、流入口40と構造物19の間隔を変えることができる。これによって、キルン排ガス60の発生量及びダストの発生量に応じて、旋回流SF1に取り込まれるダストの量、並びに、旋回流SF1の強度及び分布等の流動状態を調整することができる。したがって、抽気管12Bの内壁へのダストの堆積及び付着の抑制と、ライジングダクト51(窯尻52)内への冷却ガスの流入の抑制とを、高水準に両立することができる。抽気ガス63は、小径部11Bの下流に向かって流通する。小径部11Bの下流側には、図1に示すように、チャンバ20、熱交換器25、集塵器26、吸引ファン28が設けられてよい。
抽気装置90(91,95,96)を備える塩素バイパス設備100は、計測部で計測された運転情報に基づいて、冷却ガス導入部16から大径部10(10A,10B)に導入される冷却ガス62の流量を調節することが好ましい。計測部が計測する運転情報としては、温度、圧力、ガス成分、ガス流速、ダスト濃度及び画像等が挙げられる。具体的には、抽気管12内部又は表面の温度、ライジングダクト51又は窯尻52におけるキルン排ガスの温度、抽気管12(12A,12B)内に流入するキルン排ガスの温度、及び、キルン排ガス又は抽気ガスの圧力、キルン排ガス又は抽気ガスのガス成分、キルン排ガス又は抽気ガスに含まれるダスト濃度、抽気管12の内部の画像等が挙げられる。計測部としては、例えば、温度センサ、圧力センサ、ガス成分センサ、流速センサ、及びカメラ等が挙げられる。
冷却ガス62の流量の調節は、ダンパー等の流量調節部で行ってもよい。流量調節部での調節は、オペレーターが運転情報に基づいてマニュアルで行ってよく、計測部で計測された運転情報に基づいて、流量調節部に制御信号を出力する制御部を用いて行ってもよい。制御部は、通常のコンピュータシステムであってよく、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及び入出力インターフェイスなどを備えてよい。
制御部を備えることによって、冷却ガス62の流量を、流量調節部を用いて自動で制御することができる。例えば、抽気管12の抽気口12a付近の温度T1を計測部で計測し、温度T1が下限を下回った場合には、流量調節部によって冷却ガス導入部16からの冷却ガス62の流量を減らす。これによって、冷却ガスがライジングダクト51(窯尻52)に流入することを抑制できる。一方、温度T1が上限を上回った場合には、流量調節部によって冷却ガス62の流量を増やす。これによって、キルン排ガスに同伴して抽気管12(12A,12B)に持ち込まれるダストの量を低減することができる。
図12は、塩素バイパス設備に設けられるチャンバ20の例を示している。図12(A)はチャンバ20Aの正面図であり、図12(B)はチャンバ20Aの上面図である。チャンバ20Aは、抽気管12(12A,12B)からの抽気ガス63に含まれるダストの少なくとも一部を分離する内部空間を有する本体部21と、本体部21に抽気ガス63を導入する導入管22と、本体部21で抽気ガス63から分離されたダストを排出するダスト排出管24と、本体部21から抽気ガス63よりもダストが低減された抽気ガス64を導出する導出管23とを備える。
チャンバ20Aでは、本体部21と導入管22との接続部に導入口22aが形成され、本体部21と導出管23との接続部に導出口23aが形成されている。図12(A)及び図12(B)に示されるように、導入口22aから導入される抽気ガス63の導入方向の延長線(仮想導入線VG)は、導出口23aからずれて、本体部21の内壁に交差している。このような本体部21を有するチャンバ20Aでは、抽気ガス63に含まれるダストを効率よく分離し、導出口23aから導出される抽気ガス64に同伴するダストを十分に低減することができる。仮想導入線VGは、本体部21とダスト排出管24との接続部に形成されるダスト排出口24aからもずれている。これによって、一旦、抽気ガス63から分離されたダストが再び抽気ガス63に混入することを十分に抑制することができる。
図13は、塩素バイパス設備に設けられるチャンバの別の例を示している。図13(A)はチャンバ20Bの正面図であり、図13(B)はチャンバ20Bの上面図である。チャンバ20Bも、チャンバ20Aと同様に、本体部21、導入管22、ダスト排出管24、及び導出管23を備える。図13(A)及び図13(B)に示されるように、導入口22aから導入される抽気ガス63の導入方向の延長線(仮想導入線VG)は、導出口23aからずれて、本体部21の内壁に交差している。仮想導入線VGは、ダスト排出口24aからもずれている。したがって、チャンバ20Bも、抽気ガス63に含まれるダストを効率よく分離し、導出口23aから導出される抽気ガス64に同伴するダストを十分に低減することができる。
なお、チャンバの構成は、図12及び図13に例示したものに限定されない。例えば、上述の図12及び図13に示す仮想導入線VGは、(A)正面図と(B)上面図のそれぞれにおいて、導出口23a及びダスト排出口24aからずれているが、さらに別の例では、(A)正面図と(B)上面図のどちらか一方において、導出口23a及びダスト排出口24aからずれていてもよい。このような例であっても、抽気ガス63に含まれるダストを分離することが可能である。また、抽気ガス63から分離されたダストが再び抽気ガス63に混入することも抑制できる。また、本実施形態の塩素バイパス設備100はチャンバ20を備えているが、別の実施形態ではチャンバを備えていなくてもよい。この場合であっても、抽気ガスに含まれるダストは例えば集塵器26で回収することができる。
集塵器26は、バグフィルタであってよく、湿式スクラバ等の湿式集塵器であってもよい。また、集塵器26とは別に分級器を集塵器26の上流又は下流に設けてもよい。塩素バイパス設備100は、抽気装置90(91,95,96)を備えることから、抽気ガスに含まれるダストを低減することができる。したがって、バグフィルタ及び湿式集塵器のどちらであっても、負荷を低減することができる。
図14、一実施形態に係るセメントクリンカ製造設備を示す図である。セメントクリンカ製造設備200は、セメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼部70と、予熱及び仮焼されたセメント原料を焼成してセメントクリンカを得るセメントキルン50と、セメントキルン50で得られたセメントクリンカを冷却するクリンカクーラ80とを備える。予熱仮焼部70は、4つのサイクロンC1,C2,C3,C4(プレヒータ)と仮焼炉72とを有する。
セメントキルン50の窯尻52と予熱仮焼部70の仮焼炉72とは、ライジングダクト51で接続されている。ライジングダクト51と窯尻52の接続部近傍には、セメントキルン50で発生するキルン排ガスを抽気して、キルン排ガスに含まれるダストを回収する塩素バイパス設備100の抽気装置90の抽気管12が接続されている。抽気管12の大径部には、その周面の周方向に沿うように冷却ガスを導入する冷却ガス導入部16が接続されている。セメントクリンカ製造設備200は、抽気装置90を有する塩素バイパス設備100を備えることによって、セメントクリンカ製造設備200内の揮発成分を低減することができる。
サイクロンC1とサイクロンC2との接続部から導入されるセメント原料は、サイクロンC1、サイクロンC2、サイクロンC3、ライジングダクト51、仮焼炉72、及びサイクロンC4を流通してセメントキルン50の窯尻52に導入される。セメントキルン50では、予熱及び仮焼されたセメント原料が、窯尻52とは反対側に設けられたバーナ54の燃焼によって加熱されセメントクリンカとなる。得られたセメントクリンカは、クリンカクーラ80で冷却される。クリンカクーラ80によって冷却された後、セメントクリンカが得られる。
セメントクリンカ製造設備200は、抽気装置90を有する塩素バイパス設備100を備えることから、抽気管12内のダストの堆積及び付着を低減し、安定的に塩素バイパス設備100及びセメントクリンカ製造設備200を運転することができる。また、原料ダストを有効利用して、セメントクリンカを効率よく製造することができる。なお、本実施形態では、塩素バイパス設備100が抽気装置90を有しているが、抽気装置90の代わりに、抽気装置91,95,96又はこれらの変形例のいずれかを有していてもよい。
一実施形態に係るセメントクリンカの製造方法は、セメントクリンカ製造設備200を用いて行うことができる。この製造方法は、予熱仮焼部70でセメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼工程と、予熱及び仮焼されたセメント原料を、窯尻52からセメントキルン50に導入し、セメントクリンカを製造する焼成工程と、焼成工程で発生するキルン排ガスに含まれる揮発成分の少なくとも一部を塩素バイパス設備100でダストとして回収するダスト回収工程と、を有する。また、焼成工程で得られたセメントクリンカを、クリンカクーラ80で冷却するクリンカ冷却工程を有してよい。
予熱仮焼工程では、セメント原料がサイクロンC1とサイクロンC2の間の流路から導入される。セメント原料は、サイクロンC1、サイクロンC2及びサイクロンC3を流通して予熱される。その後、ライジングダクト51を経由して仮焼炉72に導入され、仮焼される。仮焼炉72には、石炭等の燃料を燃焼するバーナが設けられていてよい。仮焼炉72で仮焼されたセメント原料(仮焼原料)は、サイクロンC4に導入され加熱される。
焼成工程では、サイクロンC4で加熱された仮焼原料が窯尻52に導入される。その後、セメントキルン50において焼成されセメントクリンカとなる。ダスト回収工程では、抽気管12(12A,12B)の大径部10(10A,10B)において周面13の周方向に沿うように冷却ガスを導入して旋回流SF1を形成する。抽気管12(12A,12B)は、小径部11(11A,11B)を有することから、旋回流SF1によって、抽気管12(12A,12B)内に堆積及び付着するダストを効率よく低減することができる。また、冷却ガスがライジングダクト51及び窯尻52に流入することを抑制できる。したがって、上記製造方法によれば、各工程を安定的に行ってセメントクリンカを製造することができる。
上述の塩素バイパス設備100及びセメントクリンカ製造設備200に関する説明内容は、上記製造方法にも適用される。
以上、本開示の幾つかの実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に何ら限定されるものではない。
本開示によれば、ダストの堆積及び付着を低減することが可能であり、塩素バイパス設備の運転を安定化することが可能な抽気装置が提供される。また、そのような抽気装置を備えることによって、安定的に運転することが可能な塩素バイパス設備及びセメントクリンカ製造設備が提供される。また、安定的にセメントクリンカを製造することが可能なセメントクリンカの製造方法が提供される。
10,10A,10B…大径部、11,11A,11B…小径部、11a…第1の管体、11b…第2の管体、12,12A,12B…抽気管、12a…抽気口、12b…端部、13…周面、14…導入ファン、15…縮径部、16…冷却ガス導入部、19,19A,19B,19C…構造物、20,20A,20B…チャンバ、21…本体部、22…導入管、22a…導入口、23…導出管、23a…導出口、24…ダスト排出管、24a…ダスト排出口、25…熱交換器、26…集塵器、28…吸引ファン、40…流入口、41a,41b…先端、50…セメントキルン、51…ライジングダクト、52…窯尻、54…バーナ、60…キルン排ガス、62…冷却ガス、63,64…抽気ガス、70…予熱仮焼部、72…仮焼炉、80…クリンカクーラ、90,91,92,93,94,95,96,97…抽気装置、100…塩素バイパス設備、200…セメントクリンカ製造設備。

Claims (9)

  1. セメントキルンの窯尻及び/又はライジングダクトに連結され、抽気口からキルン排ガスを抽気する抽気管を備える塩素バイパスの抽気装置であって、
    前記抽気管は、
    周方向に沿うように冷却ガスを導入し、前記キルン排ガスと前記冷却ガスとを混合する大径部と、
    前記大径部よりも小さい内径を有し、前記大径部の前記抽気口側とは反対側に前記大径部と同心となるように設けられ、前記キルン排ガスと前記冷却ガスとを含む抽気ガスを導出する小径部と、
    前記大径部と前記小径部との間に前記大径部の流路を絞る縮径部と、を備える、抽気装置。
  2. 前記抽気管は、前記大径部にガス流路の一部を遮る構造物を備える、請求項1に記載の抽気装置。
  3. セメントキルンの窯尻及び/又はライジングダクトに連結され、抽気口からキルン排ガスを抽気する抽気管を備える塩素バイパスの抽気装置であって、
    前記抽気管は、
    周方向に沿うように冷却ガスを導入し、前記キルン排ガスと前記冷却ガスとを混合する大径部と、
    前記大径部よりも小さい内径を有し、前記抽気口よりも下流側において前記大径部と同心となるように前記大径部に挿入され、前記キルン排ガスと前記冷却ガスとを含む抽気ガスを導出する小径部と、
    前記抽気口に、又は前記抽気口と前記小径部の前記抽気ガスの流入口との間に、ガス流路の一部を遮る構造物と、を備える、抽気装置。
  4. 前記小径部は、前記大径部に挿入される第1の管体と、第1の管体に挿入される第2の管体とを備え、
    第1の管体は、前記大径部及び前記第2の管体に対して、前記第1の管体の長手方向に沿ってスライド可能に設けられ、
    前記第1の管体をスライドさせることによって前記抽気ガスの前記流入口と前記構造物との間隔を変更可能に構成される、請求項3に記載の抽気装置。
  5. 前記抽気ガスの流通方向を基準としたときに、前記抽気管は、上流側よりも下流側の方が高くなるように傾斜した状態で、前記窯尻及び/又は前記ライジングダクトに連結されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の抽気装置。
  6. 前記抽気管、前記ライジングダクト、前記セメントキルン、及び前記窯尻から選ばれる少なくとも一つの運転情報を計測する計測部と、前記計測部で計測された運転情報に基づいて、前記大径部に導入される前記冷却ガスの流量を調節する流量調節部と、を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の抽気装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の抽気装置を備える塩素バイパス設備。
  8. 予熱仮焼部と、セメントキルンと、ライジングダクトと、前記ライジングダクト及び/又は前記セメントキルンの窯尻に接続される塩素バイパス設備とを備え、
    前記塩素バイパス設備は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の抽気装置を備える、セメントクリンカ製造設備。
  9. セメント原料を予熱及び仮焼する予熱仮焼工程と、
    予熱及び仮焼された前記セメント原料を焼成して、セメントクリンカを製造する焼成工程と、
    前記焼成工程で発生するキルン排ガスに含まれる揮発成分の少なくとも一部を、請求項7に記載の塩素バイパス設備でダストとして回収するダスト回収工程と、を有する、セメントクリンカの製造方法。
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