JP2021158593A - 電気音響変換器、移動体、および電子機器 - Google Patents

電気音響変換器、移動体、および電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】高性能化を図ることができる電気音響変換器の提供。【解決手段】電気音響変換器100は、間隙部101を有し、間隙部101に間隙維持材150を備える電気音響変換器100であって、間隙維持材150は、シリコーンオイルから成る基礎液体151に、フュームドシリカを含んだ潤滑液で構成されてなる。【選択図】図1

Description

本開示は、スピーカなどの電気を音響に変換する装置、および、マイクロフォンなどの音響を電気に変換する装置を含む電気音響変換器に関する。
従来、特許文献1には、磁性流体を用いた電気音響変換器の1つであるスピーカが開示されている。磁性流体は、磁気回路が有する磁気ギャップ内に配置されるボイスコイルと、当該磁気回路を構成するプレートとの間に配置されている。このように、従来のスピーカでは、ボイスコイルとプレートとの間に磁性流体を配置することで、できる限りボイスコイルを一軸方向にのみ振動させて高音質化を図っている。
また、特許文献2に示すように、磁性流体ではないタイプも存在する。
特開2013−157735号公報 特開2019−161325号公報 特開2010−195958号公報
昨今では電気音響変換器の小型化、軽量化、高音質化、良好な音の再現性などの高性能化が望まれているが、従来の磁性流体を用いたスピーカでは、限界がある。
特に、品質面においては、ボイスコイルへの入力により、振動と発熱のため長期使用においては飛散や揮発してしまうリスクが高いという課題を有している。
そこで、本発明は、高性能な電気音響変換器の提供を目的とする。
本発明の一態様に係る電気音響変換器は、間隙部に間隙維持材として、シリコーンオイルから成る基礎液体に、フュームドシリカを含んだ潤滑液で構成されたものである。
本発明に係る電気音響変換器は、シリコーンオイルから成る基礎液体の液保持性をフュームドシリカにて向上させることができるため、振動と発熱による飛散や揮発を低減させることができ、電気音響変換器の高性能化や高信頼性化を図ることが可能となる。
実施の形態1に係るスピーカを示す断面図である。 間隙維持材を模式的に示す断面図である。 実施の形態2に係るスピーカを示す断面図である。 実施の形態3に係る電気音響変換器を備えた電子機器の外観を示した図である。 実施の形態4に係る電気音響変換器を備えた移動体を示した断面図である。
(本発明の基礎となった知見)
電気信号と音響とを相互に変換する場合、振動板を正確に1軸方向に振動させることが望まれている。一方、振動板を1軸方向に振動させるためには、振動板の直動をガイドする必要が生じる。従来、振動板のガイドとして間隙部に磁性流体が用いられている。本発明者は、磁性流体に代替し、さらに高性能を図ることができる間隙維持材を見出した。
本発明の一態様に係る電気音響変換器は、間隙部を有し、この間隙部に間隙維持材を備える電気音響変換器であって、間隙維持材は、シリコーンオイルから成る基礎液体に、フュームドシリカを含んだ潤滑液で構成される。
具体的には、電気信号と音とを相互に変換する電気音響変換器であって、振動により音を発生させる、または、音により振動する振動板と、この振動板の振動を1軸方向にガイドするガイド機構とを備え、ガイド機構は、振動板に結合される第一部材と、第一部材との間で間隙部を形成し、1軸方向に第一部材をガイドする第二部材とを備える。
これによれば、第二部材に対して第一部材が間隙部のクリアランスを維持した状態で往復動し、振動板の1軸方向の振動を滑らかにガイドすることができる。従って、振動板の横揺れなどを抑制して原音に忠実な電気信号に変換し、また、原音に忠実な音を再生することが可能となる。
また、ボイスコイル体を第一部材として用い、かつ、磁気回路を第二部材として用い、間隙維持材は、ボイスコイル体の内周面と磁気回路のセンターポールとの間の間隙部に配置されてもよい。
これによれば、振動板の横揺れなどが抑制されると同様にボイスコイル体の横揺れも抑制されるため、クリアランスの狭い狭磁気ギャップを備える磁気回路を用いることが可能となる。従って磁束の漏れを抑制して磁気効率の良い磁気回路とすることができ、出力音圧を向上させることが可能となる。これに伴い、振動板を小さくすることができ電気音響変換器の小型化を図ることが可能となる。また、磁束の漏れが抑制されるため、磁気ギャップに必要な磁束密度を得るための磁石やヨークを小さくすることができ、この場合にも電気音響変換器の小型化や軽量化や低コスト化を図ることが可能となる。
また、第一部材は、振動板またはセンターキャップから磁気回路に向かって延在する棒状であり、第二部材としても機能する磁気回路は、第一部材を1軸方向にガイドする案内部を備え、間隙維持材は、第一部材と案内部との間の間隙部に配置されてもよい。
これによれば、振動板を一軸方向にガイドする第一部材をボイスコイル体とは別に独立して設けるため、第一部材の形状、材質などを任意に設定でき電気音響変換器の設計の自由度を向上させることが可能となる。また、使用する間隙維持材の量を抑制することが可能となる。
次に、本願発明に係る電気音響変換器の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係るスピーカを示す断面図である。
同図に示すように電気音響変換器100は、電気信号を音に変換するスピーカであって、振動板110と、磁気回路120、基礎部材130と、ボイスコイル体140と、間隙維持材150とを備えている。また本実施の形態の場合、振動板110の中央部分にセンターキャップ160が備えられている。なお、電気音響変換器100において、電気音響変換器100から音が放出される方向を前方とし、その反対方向を後方とする。
振動板110は、ボイスコイル体140が結合される部材であり、ボイスコイル体140の振動に基づいて中立位置を基準に前後方向(図中Z軸方向)に変位することにより空気を振動させて音を発生させる部材である。本実施の形態の場合、振動板110の形状は、前側(図中Z軸正側)から後側に向かって徐々に径が小さくなるいわゆるコーン型である。振動板110の外周部は、振動板110の形状よりも柔軟性、および、復元性を有するエッジ111を介して基礎部材130の端縁部に結合されている。
なお、振動板110の形状などは、特に限定されるものでは無く、円錐形、楕円錐形、角錐形を例示することができ、また、円板、楕円板、平板など平らな形状でもかまわない。振動板110を構成する材料は、特に限定されるものではないが、例えば、紙、樹脂などを挙示することができる。
また本実施の形態の場合、振動板110には、ダンパーが取り付けられていない。これは、後述の間隙維持材150の効果により、ボイスコイル体140が前後方向(図中Z軸方向)に直動するように案内されるからである。また、ダンパーレスとすることにより、スピーカである電気音響変換器100の最低共振周波数を低下させることができ、音質の向上を図ることが可能となる。さらに、ダンパーレスとすることにより、部品点数の削減と組立工数の削減を図ることができ、低コスト化を実現させることができる。
また、当実施の形態はダンパーレスとしているが、必要に応じてダンパーを追加しても良い。ダンパーはボイスコイル体140と基礎部材130とを支持することで、ボイスコイル体140の中心保持力をより強化させることができる。よって、高耐入力タイプの電気音響変換器100や振幅ストロークの大きい電気音響変換器100に適用した場合に、より信頼性の高い振動を実現させることができる。
磁気回路120は、ボイスコイル体140により電気信号に基づいて変化する磁束に作用する定常的な磁束を発生させる部品である。磁気回路120は、振動板110の後方に位置するように基礎部材130に固定され、振動板110に対向する環状の磁気ギャップ121を備えている。磁気ギャップ121は、ボイスコイル体140に発生する磁束と交差する方向に定常的な磁束を発生させる空隙である。本実施の形態の場合、磁気ギャップ121のクリアランスは、磁気ギャップ121に挿入されるボイスコイル体140の部分の厚さの1倍より長く、3倍以下である。
本実施の形態の場合、磁気回路120は、外磁型であり、前後方向に着磁された円筒状のマグネット122と、マグネット122の振動板110側の面に配置される円環状のトッププレート123と、マグネット122に対しトッププレート123と反対側に配置される円板状のベースプレート124と、ベースプレート124の中央部からトッププレート123の貫通孔に挿入され、トッププレート123との間で磁気ギャップ121を形成するセンターポール125を備えている。また、ベースプレート124とセンターポール125とは一体に形成されている。
トッププレート123、ベースプレート124、センターポール125とは、磁性体材料によって構成されている。マグネット122は、高い磁気エネルギーを有する例えばネオジム系マグネットなどを使用するのが好ましい。これにより、マグネット122の厚みを薄くでき、電気音響変換器100全体の厚みを薄くすることができる。さらに、軽量化も実現させることができる。
ボイスコイル体140の内側と磁気回路120のセンターポール125の間に形成される間隙部101(いわゆるインナーギャップ)のクリアランスは、間隙維持材150を用いることで80μm以下に抑えることができる。これにより、センターポール125に対しボイスコイル体140が滑らかに往復動を繰り返すことができる。なお、間隙部101のクリアランスは5μm以上が好ましい。
なお、電気音響変換器100が備える磁気回路120の形式は特に限定されるものでは無く、内磁型の磁気回路120を採用してもかまわない。
マグネット122は、円形板状で中央にセンターポール125が挿通される貫通孔が形成されている永久磁石である。マグネット122は、厚み方向(前後方向)の一端がN極であり、他端がS極である。マグネット122の一方の極側の面には、トッププレート123が固定されており、他方極側の面には、ベースプレート124が固定されている。トッププレート123、マグネット122、ベースプレート124の固定方法は特に限定されるものでは無いが、本実施の形態の場合、接着剤により固定されている。なお、ネジ、リベットなどの締結部材を用いて固定されていてもよい。
基礎部材130は、電気音響変換器100の構造的基礎となるいわゆるフレームなどと称される部材であり、磁気回路120、および、振動板110を所定の位置に配置されるように保持している。基礎部材130は、例えば、金属、樹脂などにより構成される。
ボイスコイル体140は、後側端部が磁気回路120の磁気ギャップ121内に配置され、前側端部が振動板110に結合される部品であり、入力される電気信号に基づき磁束を発生させ、磁気回路120との相互作用により前後方向に振動する部品である。
ボイスコイル体140の巻き軸(中心軸)は、振動板110の振動(振幅)の方向(図中Z軸方向)に配置され、磁気ギャップ121内の磁束の方向と直交している。
本実施の形態の場合、ボイスコイル体140は、銅等の金属からなる線材が複数回環状(円筒形状)に巻回されることにより構成されるコイルとコイルが外周に巻き付けられるボビンとを備えている。ボビンはアルミニウムや樹脂等の材料から構成される筒状の部材であり、前側端部が振動板110に結合され後側端部は磁気ギャップ121内に配置されている。なお、電気音響変換器100が備えるボイスコイル体140は、上記に限定されるものでは無く、例えば、マイクロスピーカに使用されるようなボビンを備えないボイスコイル体140を用いてもかまわない。
図2は、間隙部に充填状態で配置される間隙維持材を模式的に示す断面図である。
間隙維持材150は、第一部材としてのボイスコイル体140と第二部材としてのセンターポール125との間に形成される間隙部101に充填状態で配置される液状の部材であり、ボイスコイル体140がセンターポール125に対し前後方向に相対的に振動した際に、ボイスコイル体140とセンターポール125との直接的な接触を回避し、センターポール125がボイスコイル体140の振動を滑らかに案内するための部材である。間隙維持材150は、シリコーンオイルから成る基礎液体151に、フュームドシリカ153を含んだ潤滑液で構成されている。
ここで、シリコーンオイルから成る基礎液体151は、沸点は190℃以上で、流動点は−90℃以下で、動粘度は2.0〜1000mm2/sのものを選ぶことが好ましい。シリコーンオイルから成る基礎液体151は、間隙部101に充填状態で保持され、かつ内部にフュームドシリカ153を分散状態で配置される潤滑液を間隙部101に保持する液状の部材である。基礎液体151は、フュームドシリカ153を主成分として含むことで、間隙部101に保持されやすくなる。
これは、フュームドシリカ153が有する液保持性を向上させることができる効果によるものである。
これにより、間隙部101に充填したシリコーンオイルから成る基礎液体151が、電気音響変換器の振動と発熱による飛散や揮発を低減させることができるため、電気音響変換器の高性能化や高信頼性化を図ることができる。
また、フュームドシリカ153は、粘土を上げることなく液保持性を向上させることができるため、電気音響変換器の特性や音質を劣化させることがないという効果も有する。
さらに、潤滑液にシリコーンゴム粒状体を配合しても良い。
潤滑液にシリコーンゴム粒状体を配合することで、ゴム弾性を有するシリコーンゴム粒状体の効果として、より一層、よれや横揺れが抑制された状態で前後方向に振動させることができる。
よって、電気音響変換器のさらなる高性能化や高信頼性化を図ることができる。
以下、詳細について説明する。
基礎液体151をシリコーンオイルから構成することで、安定した温度特性を維持するとともに、耐熱性を確保することができる。
よって、ボイスコイル体140の振動と発熱による飛散や揮発を低減させることができる。
そして、フュームドシリカを主成分として含むことで、高流動を維持しながら液保持性を確保するとともに、高温動作耐久も確保することができるため、電気音響変換器のさらなる高性能化や高信頼性化に加え、より一層、飛散や揮発を低減させることができる。
シリコーンゴム粒状体152の粒径は、間隙部101のクリアランス以下であれば限定されるものではないが、平均粒径として2μm以上、70μm以下に収まることが好ましい。これにより、複数個のシリコーンゴム粒状体152が基礎液体151内で固まったとしても、センターポール125に対するボイスコイル体140の往復動を阻害する可能性が低くなるからである。
フュームドシリカ153を含む基礎液体151に添加するシリコーンゴム粒状体152の量は、特に限定されるものではない。例えば、フュームドシリカ153を含む基礎液体151に対するシリコーンゴム粒状体152の添加量は、1重量%以上、20重量%以下が好ましい。1重量%未満であれば間隙部101におけるシリコーンゴム粒状体152の濃度が低く、シリコーンゴム粒状体152による間隙維持機能を発揮する効果が小さくなり、20重量%よりも多くなると、シリコーンゴム粒状体152がセンターポール125に対するボイスコイル体140の動きを阻害する可能性が高くなるからである。
次に、上記実施の形態の電気音響変換器100についてその動作を説明する。ボイスコイル体140に電気信号が入力されると、ボイスコイル体140に電気信号に対応した磁束が発生し、磁気ギャップ121に定常的に存在している磁束との相互作用によりボイスコイル体140が、前後方向に振動する。
ここで、ボイスコイル体140は、間隙維持材150を介してセンターポール125に間接的に接触して案内されているため第一部材として機能し、第二部材としてのセンターポール125の延在方向である前後方向にのみ振動する。また、ボイスコイル体140に結合される振動板110も、よれや横揺れが抑制された状態で前後方向に振動する。また、シリコーンゴム粒状体152を配合した場合は、ボイスコイル体140と間隙維持材150のシリコーンゴム粒状体152とは接触するが、このシリコーンゴム粒状体152のゴム弾性により衝撃が弱められ、球状のシリコーンゴム粒状体152が転がるためボイスコイル体140の振動にほとんど影響を及ぼさない。従って、センターポール125に対してボイスコイル体140が振動しても摺擦音などが聞こえることがなく、ボイスコイル体140のコイルに入力される電気信号に正確に対応した振動を振動板110に伝えることができ、原音に忠実な音を発生させることが可能となる。
また、センターポール125とボイスコイル体140の間の間隙部101のクリアランスが非常に狭いため、磁気ギャップ121全体を狭くすることができ、磁気ギャップ121に発生する磁束密度を高めることができるとともに、加えて磁束の漏れを抑制することもできるため、さらに磁束密度を高めることができる。従って、高い音圧を発生させる電気音響変換器100とすることができる。
一例として、従来では、150〜200μm程度必要であったインナーギャップを、本間隙維持材を使用することで、5〜150μm程度にまで狭くすることができ、著しく音圧レベルを向上させることができた。
このため、振動板110の小型化、マグネット122の小型化などをした場合でも所望の音圧を発生させる電気音響変換器100を提供することができ、電気音響変換器100の小型化を図ることが可能となる。
以上のように、本発明に係る電気音響変換器100は、間隙部101を狭くした場合でも低摩擦にすることができ、また振動と発熱による飛散や揮発を低減させることができ、高性能化を図ることが可能となる。
特に、品質面や信頼性面においては、長期使用におけるボイスコイル体140への入力により、振動と発熱のため長期的に飛散や揮発を繰返してしまうリスクも著しく低減でき、長寿命化を実現することができる。
なお、間隙維持材150を設ける箇所は、ボイスコイル体140とセンターポール125との間のインナーギャップ以外に、ボイスコイル体140とトッププレート123との間のアウターギャップに設けても良く、さらに、インナーギャップとアウターギャップの両方に設けても良い。このような構成とすることで、さらなる効果を発揮させることができる。
また、ボイスコイル体140と間隙維持材との間、またはセンターポール125と間隙維持材との間のいずれか一方、もしくはその両方に、シリコーン樹脂を設けた構成としても良い。 すなわち、ボイスコイル体140の内側やセンターポール125の外側にシリコーン樹脂を設けた構成とすることで、ボイスコイル体140やセンターポール125と間隙維持材との馴染みが良好となり、液保持性をさらに向上させることができる。
このシリコーン樹脂を設けた構成は、インナーギャップ以外に、アウターギャップに適用しても良く、同様に間隙維持材との馴染みが良好となり、液保持性をさらに向上させることができる。
以上のように、間隙維持材150を設けることで、ギャップ寸法が大きなタイプであっても、インナーギャップは5〜150μm程度と従来に比べて狭くすることができる。
さらに、アウターギャップについても、5〜250μm程度と従来に比べて狭くすることができる。
よって、電気音響変換器の音圧レベルを著しく向上させることができ、小型化を図ることも可能となり、さらに高性能化や高信頼性化を図ることもできる。
(実施の形態2)
続いて、電気音響変換器100の他の実施の形態について説明する。なお、前記実施の形態1と同様の作用や機能、同様の形状や機構や構造を有するもの(部分)には同じ符号を付して説明を省略する場合がある。また、以下では実施の形態1と異なる点を中心に説明し、同じ内容については説明を省略する場合がある。
実施の形態2の場合、電気音響変換器100は、図3に示すように、センターキャップ160に一端部が結合され磁気回路120に向かって延在する丸棒状の第一部材161をボイスコイル体140とは別に備えている。第一部材161は、センターキャップ160を介して振動板110に接続されている。また、第二部材としても機能する磁気回路120のセンターポール125には、第一部材161を1軸方向にガイドする貫通孔状の案内部162を備えている。
また本実施の形態の場合、間隙維持材150は、第一部材161、および、案内部162の間に形成される間隙部101に充填配置されている。
実施の形態2の場合、ガイド機構の一つとして機能する第一部材161の材料や表面性状の選定の自由度が高いため、間隙維持材150の固定や間隙維持材150との摺動に適した材料や表面性状を任意に選択できるが、振動板110と共に振動するため軽量であることが好ましい。
実施の形態2も実施の形態1と同様に、第一部材161は、第二部材である案内部162の間に間隙維持材150が保持されているため、第一部材161が案内部162に直接接触して擦れることなく延在方向である前後方向にのみ案内される。従って、第一部材161に結合されている振動板110も前後方向の振動にのみ規制される。ボイスコイル体140の振動により振動する振動板110は、よれや横揺れを含むローリング現象が抑制された状態で前後方向に振動し、原音に忠実な音を発生させることが可能となる。
また、振動板110を介してボイスコイル体140も案内部162の延在方向である1軸方向にのみ振動が規制されるため、磁気回路120の磁気ギャップ121のクリアランスを、非常に狭くすることができる。従って、磁気ギャップ121に発生する磁束密度を高めることができるため、高い音圧を発生させる電気音響変換器100とすることができる。
なお、間隙維持材150を配置する箇所は、第一部材161と案内部162ばかりではなく、ボイスコイル体140とセンターポール125との間のインナーギャップにも配置してもかまわない。
また、ボイスコイル体140とトッププレート123との間のアウターギャップに設けても良く、さらに、インナーギャップとアウターギャップの両方に設けても良い。
このような構成とすることで、さらなる効果を発揮させることができる。
また、第一部材の間隙維持材との間、または第二部材の間隙維持材との間のいずれか一方、もしくはその両方に、シリコーン樹脂を設けた構成としても良い。
この構成とすることで、第一部材や第二部材と間隙維持材との馴染みが良好となり、液保持性をさらに向上させることができる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本開示が適用される電子機器について説明する。
図4は、本開示の実施態様の一つである電子機器の外観を示した図である。
本実施の形態の場合、電子機器400は、オーディオ用のミニコンポシステムとして説明する。
電子機器400は、エンクロジャー411に電気音響変換器としてツィーター301とウーファー302が組込まれてスピーカシステム410を左右にそれぞれ備えている。このスピーカシステム410は、ツィーター301が有する間隙部に間隙維持材150が保持されており、ウーファー302にも間隙維持材150が保持されている構成が採用されている。
また、電子機器400は、スピーカシステム410に入力する電気信号の増幅回路を含むアンプ412と、アンプ412に入力されるソースを出力するチューナー413や、オーディオプレーヤ414を備えている。
オーディオ用のミニコンポシステムである電子機器400は、チューナー413やオーディオプレーヤ414から入力される音楽信号をアンプ412により増幅し、スピーカシステム410に備えられたツィーター301から主に高音域が出力され、ウーファー302からは主に低音域が出力され、ウーファー302およびツィーター301の組み合わせにより中音域が出力されるものとなっている。
なお、電気音響変換器の電子機器400への応用として、オーディオ用のミニコンポシステムについて説明したが、これに限定されない。例えば持運び可能なポータブル用のオーディオ機器等への応用、ヘッドフォン、イヤフォンへの応用も可能である。さらに、液晶テレビ等の映像機器、携帯電話等の情報通信機器、コンピュータ関連機器等の電子機器に広く応用、展開が可能である。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本開示が適用される移動体500について説明する。
図5は、本開示の実施態様の一つである移動体を示した断面図である。
本実施の形態の場合、移動体500は、自動車として説明する。
同図に示すように、本開示の電気音響変換器としてのスピーカ300は、移動体500のドアパネル、フロントパネル、ピラーなどに埋め込まれた状態で配置されている。スピーカ300からは、別途移動体に取り付けられているカーナビゲーションやカーオーディオから送信される音声信号に基づき移動体500内に音を発するものとなっている。
このように移動体500に取り付けられたスピーカ300は、大きな温度差や、多湿、乾燥などの過酷な環境に放置される場合が想定されるが、間隙維持材150の基礎液体151の凝固点から沸点までの幅が広いため、十分に適用することができる。また、間隙維持材150を用いることにより、小型かつ高音圧のスピーカとすることができる。これにより、移動体500内の狭い場所にもスピーカを配置することができ、移動体の中でも良好な音響環境を構築することができ、またデザイン性を高めることが可能となる。
なお、例えば、前記実施の形態では、電気信号を音に変換するスピーカを例示したが、電気音響変換器100は、音を電気信号に変換するマイクロフォンやセンサであってもかまわない。
また、実施の形態2において1本の第一部材161をセンターキャップ160の中央に結合させる場合を例示したが、センターキャップ160のない場合などは振動板110に第一部材161を直接結合させてもかまわない。また、振動板110、センターキャップ160などに複数の第一部材161を結合させてもかまわない。
また、振動板110や磁気回路120、ボイスコイル体140の形状を平面視円形のものとして説明したが、これに限らず、平面視が楕円形状や、矩形状のものであってもかまわない。
また、磁気回路120は、外磁型や内磁型の磁気回路120に限らず、内磁型と外磁型とを組み合わせた構造でもよい。
また、磁気回路120に用いられるマグネットは、サマリウム鉄系マグネット、フェライト系マグネット、ネオジム系マグネットなど任意のマグネットを採用することができる。
さらに、電気音響変換器としては、自動車用途やAV用途等に広く使用されるコーン型のスピーカを中心に説明したが、スマートフォンや携帯電話、パーソナルコンピュータ、ヘッドフォン、イヤフォン等に使用される小型のマイクロスピーカやレシーバ等に適用することもでき、同様の効果を発揮させることができる。
本発明は、高音圧のスピーカ、小型スピーカ、軽量スピーカ、高性能マイク、高性能センサなどとして有用である。
100 電気音響変換器
101 間隙部
110 振動板
111 エッジ
120 磁気回路
121 磁気ギャップ
122 マグネット
123 トッププレート
124 ベースプレート
125 センターポール
130 基礎部材
140 ボイスコイル体
150 間隙維持材
151 基礎液体
152 シリコーンゴム粒状体
153 フュームドシリカ
160 センターキャップ
161 第一部材
162 案内部
300 スピーカ
301 ツィーター
302 ウーファー
400 電子機器
410 スピーカシステム
411 エンクロジャー
412 アンプ
413 チューナー
414 オーディオプレーヤ
500 移動体

Claims (12)

  1. 間隙部を有し、前記間隙部に間隙維持材を備える電気音響変換器であって、
    前記間隙維持材は、シリコーンオイルから成る基礎液体に、フュームドシリカを含む潤滑液で構成されてなる
    電気音響変換器。
  2. 前記潤滑液に、シリコーンゴム粒状体を配合した
    請求項1に記載の電気音響変換器。
  3. 前記シリコーンゴム粒状体の粒径の平均は、2μm以上、70μm以下である
    請求項2に記載の電気音響変換器。
  4. 前記フュームドシリカを含む前記潤滑液に対する前記シリコーンゴム粒状体の添加量は、1重量%以上、20重量%以下である
    請求項2または3に記載の電気音響変換器。
  5. 前記間隙維持材が配置される前記間隙部は、磁気ギャップである
    請求項1から4のいずれか一項に記載の電気音響変換器。
  6. さらに、
    振動により音を発生させる、または、音により振動する振動板と、
    前記振動板の振動を1軸方向にガイドするガイド機構と、を備え、
    前記ガイド機構は、
    前記振動板に結合される第一部材と、
    前記第一部材との間で前記間隙維持材が配置される前記間隙部を形成し、前記1軸方向に前記第一部材をガイドする第二部材と、を備える
    請求項1から5のいずれか一項に記載の電気音響変換器。
  7. さらに、
    前記振動板に対向する磁気ギャップを有する磁気回路と、
    前記振動板と前記磁気回路とを保持する基礎部材と、
    一端部が前記磁気ギャップ内に配置され、他端部が前記振動板に結合されるボイスコイル体と、を備え、
    前記ボイスコイル体は、前記第一部材として用いられ、
    前記磁気回路は、前記第二部材として用いられ、
    前記間隙維持材は、前記ボイスコイル体の内周面と前記磁気回路のセンターポールとの間の前記間隙部に配置される
    請求項6に記載の電気音響変換器。
  8. 前記間隙維持材が配置される前記間隙部の前記ボイスコイル体の内周面と、前記磁気回路のセンターポールとの間のクリアランスは、前記潤滑液に配合されるシリコーンゴム粒状体の粒径より大きく80μm以下である
    請求項7に記載の電気音響変換器。
  9. 前記第一部材は、前記振動板またはセンターキャップから前記磁気回路に向かって延在する棒状であり、
    前記第二部材としても機能する前記磁気回路は、前記第一部材を1軸方向にガイドする案内部を備え、
    前記間隙維持材は、前記第一部材と前記案内部との間の前記間隙部に配置される
    請求項7に記載の電気音響変換器。
  10. 前記第一部材の前記間隙維持材との間、または前記第二部材の前記間隙維持材との間のいずれか一方、もしくはその両方には、シリコーン樹脂が設けられる
    請求項7から9のいずれか一項に記載の電気音響変換器。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の電気音響変換器を備えた電子機器。
  12. 請求項1から10のいずれか一項に記載の電気音響変換器を備えた移動体。
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