JP2021157398A - データ収集システム、データ収集システムの検出装置、データ収集システムの本体装置 - Google Patents

データ収集システム、データ収集システムの検出装置、データ収集システムの本体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】データ中継する場合にあっても、従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で精度良く同期して計測結果を取得できるようにする。【解決手段】複数の検出装置2A、2B、2C、2Dと本体装置5とを備える。本体装置5との間のデータ通信における中継の数が判定基準値未満の検出装置について、本体装置が、計測時刻を監視し、基準検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、同期ずれの発生した検出装置に、計測周期による計測開始を再度、指示して当該検出装置の計測開始時刻を修正する。本体装置との間のデータ通信における中継の数が判定基準値以上の検出装置については、当該検出装置が、隣接する検出装置による計測時刻を基準にして、所定値以上の同期ずれが発生すると、当該隣接する前記検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、当該検出装置の計測開始時刻を修正する。【選択図】図1

Description

本発明は、データ収集システム、データ収集システムの検出装置、データ収集システムの本体装置に関する。
従来、プラント等の監視対象の各部に検出装置を設置して、これら検出装置で取得される各種計測結果を収集するデータ収集システムが提供されている。
このようなデータ収集システムでは、複数の検出装置で同期して計測結果を取得することが望まれ、特許文献1には、このように同期して計測結果を取得する工夫が提案されている。
2018−13460号公報
ところでこのように複数の検出装置で同期して計測結果を取得する処理においては、簡易な構成により精度良く実行できることが望まれる。
特にこの種のデータ収集システムでは、検出装置との間のデータ通信を中継する場合もあり、このような場合には、このデータ中継による遅延により、精度良く同期して計測結果を取得することが難しくなる。
本発明は以上の点を考慮してなされたものであり、データ中継する場合にあっても、従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で精度良く同期して計測結果を取得できるようにすることを目的とする。
係る課題を解決するため、請求項1の発明は、
センサによる計測結果をそれぞれ取得する複数の検出装置と、前記複数の検出装置との無線通信によるデータ通信により前記検出装置で取得した前記計測結果を収集する本体装置とを備えるデータ収集システムにおいて、
前記検出装置は、
前記本体装置からの計測周期の通知による計測開始の指示により、当該計測開始の指示のタイミングを基準にして計測開始時刻を設定し、前記計測開始時刻から前記計測周期による前記計測結果の取得を開始して前記本体装置に送出し、
他の検出装置の前記データ通信を中継し、
前記本体装置は、
前記複数の端末装置における基準検出装置に前記計測周期による計測開始を指示した後、
前記基準検出装置における前記計測結果の計測時刻で、他の前記端末装置に前記計測周期を通知して計測開始を指示し、
前記データ収集システムは、
前記本体装置との間の前記データ通信における中継の数が判定基準値未満の前記検出装置について、
前記本体装置が、
前記計測結果の計測時刻を監視し、
前記基準検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれを発生した前記計測結果が取得されると、前記基準検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、当該同期ずれの発生した前記検出装置に、前記計測周期による計測開始を再度、指示して当該検出装置の前記計測開始時刻を修正し、
前記本体装置との間の前記データ通信における中継の数が前記判定基準値以上の前記検出装置について、
当該検出装置が、
当該検出装置のデータ通信路上の前記本体装置側に隣接する前記検出装置による前記計測時刻を基準にして、当該検出装置の計測時刻を監視し、
前記隣接する前記検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれが発生すると、当該隣接する前記検出装置からの前記計測結果のタイミングを基準にして当該検出装置の前記計測開始時刻を修正する。
請求項1の構成によれば、基準検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、他の検出装置に計測周期を通知して計測開始を指示するだけで、複数の検出装置における計測結果の取得を同期させることができ、これにより従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で同期して計測結果を取得することができる。また中継数が判定基準値未満の検出装置で同期ずれが発生した場合、本体装置からの設定により同期ずれを修正することができ、同期を維持することができる。また中継数が判定基準値以上の検出装置で同期ずれが発生した場合、隣接する検出装置からの計測結果を受信するタイミングを基準にして当該検出装置で同期ずれを修正することができ、データ中継して中継時における遅延時間を無視できないような場合にあっても、精度良く同期を維持することができる。
請求項2の発明は、請求項1の構成において、
前記基準検出装置が、前記複数の検出装置の中で最初に前記本体装置とデータ通信可能となった前記検出装置である。
請求項2の構成によれば、例えば最初に電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置を基準検出装置に設定して、順次、電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置との間で同期を図ることができ、一段と簡易な処理により同期を図ることができる。
請求項3の発明は、
センサによる計測結果をそれぞれ取得する複数の検出装置と、前記複数の検出装置との無線通信によるデータ通信により前記検出装置で取得した前記計測結果を収集する本体装置とを備えるデータ収集システムの前記検出装置において、
前記本体装置からの計測周期の通知による計測開始の指示により、当該計測開始の指示のタイミングを基準にして計測開始時刻を設定し、前記計測開始時刻から前記計測周期による前記計測結果の取得を開始して前記本体装置に送出し、
他の検出装置の前記データ通信を中継し、
前記本体装置とのデータ通信における中継の数が判定基準値未満の場合、
前記本体装置からの計測周期の通知による計測開始の再度の指示により、当該再度の指示のタイミングを基準にして前記計測開始時刻を修正し、
前記本体装置とのデータ通信における中継の数が前記判定基準値以上の場合、
当該検出装置のデータ通信路上の前記本体装置側に隣接する前記検出装置による前記計測時刻を基準にして、前記計測結果の計測時刻を監視し、
前記隣接する前記検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれが発生すると、当該隣接する前記検出装置からの前記計測結果を受信するタイミングを基準にして当該検出装置の前記計測開始時刻を修正する。
請求項3の構成によれば、本体装置から計測周期を通知して計測開始を指示するだけで、複数の検出装置における計測結果の取得を同期させることができ、これにより従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で同期して計測結果を取得することができる。また中継数が判定基準値未満の検出装置では、本体装置からの制御により同期ずれを修正することができ、同期を維持することができる。また中継数が判定基準値以上の検出装置では、隣接する検出装置からの計測結果を受信するタイミングを基準にして当該検出装置で同期ずれを修正することができ、中継数が多くなって中継時における遅延時間を無視できないような場合にあっても、精度良く同期を維持することができる。
請求項4の発明は、
センサによる計測結果をそれぞれ取得する複数の検出装置と、前記複数の検出装置との無線通信によるデータ通信により前記検出装置で取得した前記計測結果を収集する本体装置とを備えるデータ収集システムの前記本体装置において、
前記複数の前記端末装置における基準検出装置に前記計測周期による計測開始を指示して、当該指示が前記基準検出装置で受信されるタイミングを計測開始時刻に設定した前記計測周期による計測開始を指示し、
前記基準検出装置における前記計測結果の計測時刻で、他の前記端末装置に前記計測周期を通知して計測開始を指示することにより、当該指示が前記他の端末装置で受信されるタイミングを計測開始時刻に設定した前記計測周期による計測開始を指示し、
前記データ通信における中継の数が判定基準値未満の前記検出装置について、
前記計測結果の計測時刻を監視し、
前記基準検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれを発生した前記計測結果が取得されると、前記基準検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、当該同期ずれの発生した前記計測結果に係る前記検出装置に、前記計測周期を通知して計測開始を指示することにより、当該検出装置の前記計測開始時刻を修正する。
請求項4の構成によれば、本体装置から計測周期を通知して計測開始を指示するだけで、複数の検出装置における計測結果の取得を同期させることができ、これにより従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で同期して計測結果を取得することができる。また中継数が判定基準値未満の検出装置について同期ずれを修正して、中継数が判定基準値以上の検出装置では検出装置に処理を委ねることにより、中継数が多くなって中継時における遅延時間を無視できないような場合にあっても、精度良く同期を維持することができる。
本発明によれば、データ中継する場合にあっても、従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で精度良く同期して計測結果を取得することができる。
本発明の第1実施形態に係るデータ収集システムを示す図である。 動作開始時の処理を示すタイムチャートである。 同期ずれを補正する処理を示すタイムチャートである。 検出装置側で同期ずれを補正する処理を示すタイムチャートである。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係るデータ収集システムを示す図である。このデータ収集システム1は、プラント等の監視対象を監視するためのシステムであり、監視対象の各部に設置した検出装置2A、2B、2C、2Dで各種の計測結果を取得し、この計測結果を本体装置5で収集して記録し、さらには表示する。
このデータ収集システム1は、プラント等の監視対象の各部に設置する検出装置2A、2B、2C、2Dと、この検出装置2A、2B、2C、2Dとのデータ通信を中継する中継装置3Aと、検出装置2A、2B、2C、2Dとデータ通信して検出装置2A、2B、2C、2Dによる計測結果を収集する本体装置5とを備える。
また本体装置5は、計測結果をユーザーに通知するユーザー端末装置6、検出装置2A、2B、2C、2D、中継装置3Aと無線通信によるネットワークを構築するネットワーク構築装置(NW構築装置)7、ネットワーク構築装置7を介して取得される検出装置2A、2B、2C、2Dによる計測結果を収集して記録等の処理を実行するデータ監視装置8とを備える。
なお本発明に係るデータ収集システムは、このようなプラントの監視に限らず、各種の監視システムに広く適用することができる。
またこの図1の例では、4台の検出装置2A、2B、2C、2Dと、1台の中継装置3Aが設けられている例を示しているものの、検出装置の台数、中継装置の台数にあっては、種々に設定することができ、中継装置を省略するようにしてもよい。
またユーザー端末装置6、ネットワーク構築装置7、データ監視装置8は、全部又は一部を一体化するようにしてもよい。
検出装置2A、2B、2C、2Dは、内蔵のバッテリにより動作して、それぞれセンサ11、12、13による計測結果を取得して送出する。ここでデータ収集システム1では、検出装置2A、2B、2C、2Dに接続可能に温度検出用センサ、振動を検出するための加速度センサ等が用意されており、検出装置2A、2B、2C、2Dは、所望のセンサ11、12、13を接続できるように構成される。検出装置2A、2B、2C、2Dは、接続されたセンサ11、12、13を駆動して計測結果を取得し、この計測結果を本体装置5に送出する。なお検出装置2A、2B、2C、2Dは、中継装置としても機能するように構成され、これによりデータ収集システム1では、本体装置5とデータ通信可能な経路を複数確保して安定にデータ通信可能に構成される。
すなわちこの図1の例において、検出装置2Aは、主の通信路により本体装置5と直接データ通信し、このデータ通信路で異常が発生すると、検出装置2Bを介して副の通信路により本体装置5とデータ通信する。また検出装置2Bは、主の通信路により本体装置5と直接データ通信し、このデータ通信路で異常が発生すると、検出装置2Aを介して副の通信路により本体装置5とデータ通信する。また検出装置2Cは、検出装置2Aを介して主の通信路により本体装置5とデータ通信し、このデータ通信路で異常が発生すると、検出装置2Aに代えて中継装置3Aを介して副の通信路により本体装置5とデータ通信する。また検出装置2Dは、検出装置2Bを介して主の通信路により本体装置5とデータ通信し、このデータ通信路で異常が発生すると、検出装置2Bに代えて検出装置2Aを介して副の通信路により本体装置5とデータ通信する。
検出装置2A、2B、2C、2Dは、電源の投入により動作を開始する。また動作を開始すると、直接に、若しくは他の検出装置2A、2B、2C、2D又は中継装置3Aを介して、ネットワーク構築装置7と接続を確立し、さらにこのネットワーク構築装置7を介してデータ監視装置8と接続を確立する。これにより検出装置2A、2B、2C、2Dは、データ通信可能に本体装置5に接続する。
またこのようにしてデータ通信可能に本体装置5に接続すると、本体装置5からの指示により対応する処理を実行する。
この処理において、検出装置2A、2B、2C、2Dは、本体装置5からの計測周期の通知による計測開始が指示されると、この計測開始の指示のタイミングを基準にして、この計測周期による計測を開始し、計測結果を本体装置5に送出する。より具体的に、検出装置2A、2B、2C、2Dは、計測周期の通知による計測開始の指示により、この指示の受信時刻を計測開始時刻に設定し、この計測開始時刻よりこの指示に係る計測周期による時間が経過する毎に、センサ11、12、13により計測結果を取得し、取得した計測結果を本体装置5に送出する。
中継装置3Aは、検出装置2A、2B、2C、2Dと本体装置5のデータ通信を中継する装置であり、このデータ収集システム1の無線通信方式、データ通信方式に対応する各種の構成を広く適用することができる。
本体装置5は、中継装置3A、検出装置2A、2B、2C、2Dに各種の制御データを送出してこれら中継装置3A、検出装置2A、2B、2C、2Dの動作を制御し、さらに中継装置3A、検出装置2A、2B、2C、2Dの動作を監視して検出装置2A、2B、2C、2Dから送出されたデータを処理する。
すなわち本体装置5において、ネットワーク構築装置7は、検出装置2A、2B、2C、2D、中継装置3Aと無線通信してネットワークを構築し、データ通信に供するデータをデータ監視装置8との間で入出力する。
データ監視装置8は、ネットワーク構築装置7から入力される検出装置2A、2B、2C、2Dからのデータを記録して保持し、さらにこのデータをそれぞれ処理してユーザー端末装置6によりユーザーに提供する。
ユーザー端末装置6は、検出装置2A、2B、2C、2Dによる計測結果、データ監視装置8による処理を表示する。さらにユーザー端末装置6は、ユーザーの操作により各種の設定画面を表示してユーザーによる操作をデータ監視装置8に通知し、これによりデータ収集システム1を種々に設定する。ユーザー端末装置6は、データ監視装置8と有線、無線により接続される各種の情報検出装置を広く適用することができ、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン等を適用することができる。
〔同期処理〕
本体装置5は、検出装置2A、2B、2C、2Dの1つを基準検出装置に設定し、この基準検出装置に計測周期による計測開始を指示した後、この基準検出装置における計測結果の計測時刻で、他の端末装置に計測周期を通知して計測開始を指示する。これにより他の検出装置では、基準検出装置で計測結果を取得するタイミングを基準にした計測開始時刻から、指示した計測周期で計測結果の取得を開始することになり、データ収集システム1では、複数の検出装置2A、2B、2C、2Dで同期して計測結果を取得することができる。これによりデータ収集システム1では、従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で同期して計測結果を取得することができる。
この実施形態では、複数の検出装置2A、2B、2C、2Dの中で最初に本体装置5とデータ通信可能となった検出装置を基準検出装置に設定する。これにより最初に電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置を基準検出装置に設定して、順次、電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置との間で同期を図ることができ、一段と簡易な処理により同期を図ることができる。
すなわち本体装置5は、ネットワーク構築装置7において、検出装置2A、2B、2C、2Dが電源の投入により動作を開始して検出装置2A、2B、2C、2Dからの接続要求が受信されると、検出装置2A、2B、2C、2Dとの間で接続処理に係る一連の処理を実行し、これにより要求が送出された検出装置2A、2B、2C、2Dとの間で接続を確立する。さらにこの接続を確立した検出装置2A、2B、2C、2Dをデータ監視装置8に通知し、この検出装置2A、2B、2C、2Dとデータ監視装置8との接続を確立する。
本体装置5は、ネットワーク構築装置7において、複数の検出装置2A、2B、2C、2Dの中で、最初に電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置を基準検出装置に設定する。
またこの基準検出装置については、接続を確立すると、データ監視装置8により事前に設定されている計測周期を送出して計測開始を指示する。
これによりこの基準検出装置は、計測開始が指示されたタイミングを基準にしてこの指示に係る計測周期で計測結果を取得して送出することになり、ネットワーク構築装置7は、この計測開始を指示した時間情報と計測周期とから、基準検出装置から順次送出される計測結果の計測時刻を予測し、これにより基準検出装置で計測結果を取得するタイミングを検出する。
ネットワーク構築装置7は、この基準検出装置以外の他の検出装置については、接続を確立した後、予測により検出される基準検出装置で計測結果を取得するタイミングで、計測周期を通知して動作の開始を指示する。
これにより他の検出装置では、順次、電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置が基準検出装置に同期して計測結果の取得を開始することになり、その結果、従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で同期して計測結果を取得することができる。
図2は、検出装置2A、2Bの電源を順次立ち上げた場合を例に取って、この同期設定の処理を示すタイムチャートである。
データ収集システム1においては、全ての検出装置2A、2B、2C、2Dの電源が立ち下げられて、これら検出装置2A、2B、2C、2Dが本体装置5とデータ通信困難に保持されている状態で、最初に検出装置2Aの電源が立ち上げられると、本体装置5のネットワーク構築装置7との間で接続を確立する(S1、S2)。これによりデータ収集システム1では、この検出装置2Aが、基準検出装置に設定される。
この基準検出装置の設定により、本体装置5は、基準検出装置である検出装置2Aに、ネットワーク構築装置7から計測周期(t)による計測開始が指示され(S3)、検出装置2Aは、この計測開始が指示されたタイミング(時点)を基準にして計測周期(t)で、センサ11、12、13により計測結果を取得して本体装置5に通知する(S4、S8、S10)。またこの基準検出装置2Aで計測結果を取得する計測時刻が本体装置5で求められる。
このようにして計測を繰り返している状態で、検出装置2Bの電源が立ち上げられると、本体装置5のネットワーク構築装置7との間で接続を確立する(S5、S6)。
その後、基準検出装置2Aで計測結果を取得する計測時刻で、検出装置2Dに計測周期(t)による計測開始が指示される(S7)。これにより検出装置2Bでは、基準検出装置2Aで計測結果を取得する計測時刻による計測開始が指示されたタイミングを基準にして計測周期(t)で、計測結果を取得して本体装置5に通知し(S9)、これにより検出装置2A、2Bで同期して計測結果を取得することができる。
〔同期ずれ〕
ところでこのように基準検出装置2Aで計測結果を取得する計測時刻で、計測周期による計測開始を指示して同期を図る場合、実用上充分に、検出装置2A、2Bで同期して計測結果を取得することができる。
しかしながらネットワークにおけるデータ通信にあっては、再送、各種の障害等によりデータ通信に遅延が発生する場合がある。計測周期による計測開始の指示に、このような遅延が発生し、この遅延が大きくなると、この遅延の分、検出装置2Bにおける計測開始時刻が基準検出装置2Aにおける計測時刻から遅延することになり、これにより充分に同期を図れなくなる。
なお長期間、継続してデータ収集システム1を動作させる場合にあっても、検出装置2A、2B、2C、2Dで徐々に同期ずれが大きくなり、システムによっては許容できない同期ずれが発生する場合がある。なお同期ずれは、計測結果間の計測時刻のずれである。
これにより同期ずれを補正することが必要になる。この場合、本体装置5において、検出装置における計測時刻を監視して同期ずれ量を検出し、この同期ずれ量が一定値以上大きな場合、検出装置により対応する検出装置における計測開始時刻を修正して同期ずれを補正することが考えられる。
しかしながら同期ずれの原因であるデータ通信における遅延は、主にデータ通信時における再送処理により発生し、データ通信における中継の数が増大する程、増大する。これにより単純に本体装置により検出装置の同期ずれを補正する場合にあっては、対応する検出装置における計測時刻を精度よく修正することが困難になり、甚だしい場合には同期ずれ量すら精度良く検出することが困難になり、これらにより精度良く同期ずれを補正できなくなる恐れがある。
そこでデータ収集システム1では、データ通信における中継の数を判定基準値により判定して同期ずれの補正処理を切り替え、中継の数が少ない検出装置は本体装置側の処理により同期ずれを補正し、中継の数が多い検出装置は、この検出装置側の処理により同期ずれを補正する。
より具体的に、データ収集システム1では、判定基準値が値1に設定され、通常使用する主の通信路における中継の数を判定して同期ずれ補正の処理が割り当てられる。
図1の例では、検出装置2A、2Bは、直接、本体装置5に接続されていることにより、中継数は値0であり、検出装置2C、2Dは、それぞれ検出装置2A、2Dを介して本体装置5と接続されていることにより、中継の数は値1である。従って検出装置2A、2Bについては、本体装置5側の処理で同期ずれを補正し、検出装置2A、2Dでは、検出装置2A、2D側の処理でそれぞれ同期ずれを補正する。
なお判定基準値は、値1に限らず、必要に応じて種々の値に設定することができる。
このため本体装置5は、検出装置2A、2B、2C、2Dに計測開始を指示する際に、主及び副の通信路における他の装置の識別情報を通知する。具体的に検出装置2A、2Bには、主の通信路について、例えば何ら意味を成さない値1の識別情報を通知し、これにより検出装置2A、2Bにおいては、本体装置5側の処理により同期ずれを補正する旨、通知する。
また検出装置2Cには、主の通信路について、検出装置2Aを特定する識別情報ID=2Aを通知し、また検出装置2Dには、主の通信路について、検出装置2Bを特定する識別情報ID=2Bを通知する。これにより検出装置2C、2Dにおいては、それぞれ検出装置2C、2D側の処理により同期ずれを補正する旨、通知する。またこの通知により、通信路上の本体装置側に隣接する検出装置2A、2Bを各検出装置2C、2Dで特定できるようにする。なお以下において、この通信路上の本体装置側に隣接する検出装置を、適宜、親の検出装置と呼び、この親の検出装置2A、2Bに対応する検出装置2C、2Dを、子の検出装置と呼ぶ。
またこのようにして識別情報を通知する際に、中継装置についても、通信路上の他の装置を特定する識別情報を通知する。また中継装置についても、検出装置の場合と同様にして基準検出装置における計測開始時刻を通知する。
〔本体装置による同期ずれ補正〕
本体装置5は、基準検出装置における計測時刻を基準にして、中継の数が判定基準値未満の検出装置について、計測結果の計測時刻を監視し、同期ずれ量を検出する。具体的に計測結果に付加された計測時刻により、例えば基準検出装置が検出装置2Aである場合に、この検出装置2Aから計測時刻Tの計測結果を受信し、この計測時刻Tの前後の計測時刻t1、t2(t2>T>=t1)の計測結果が検出装置2Bから受信された場合、x=T−t1、y=t2−Tとして、min(x,y)により同期ずれ量を検出する。なお同期ずれ量の検出は、実用上充分な場合には、計測結果の受信時刻を計測時刻として利用するようにしてもよい。
さらに本体装置5は、検出した同期ずれ量を同期ずれ判定基準値により判定し、基準検出装置の計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれを発生した計測結果を検出する。またこのような同期ずれ量が所定値以上の検出結果が取得されると、基準検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、この同期ずれの発生した検出装置に、改めて計測周期による計測開始を指示する。これにより本体装置5は、改めて計測開始の指示を送出して同期を図るようにする。
また中継の数が判定基準値未満の検出装置は、本体装置5から通知された識別情報に基づいて、本体装置5から改めて通知された計測周期による計測開始の指示により、それまでの計測開始時刻を、この指示を受信した時刻により設定し直して計測を開始し、これにより基準検出装置に対する同期ずれを補正する。
図3は、図2との対比によりこの本体装置5による同期ずれの処理を示すタイムチャートである。
この図3の例では、検出装置2Aの電源が最初に投入されて(S1)、この検出装置2Aが最初にデータ通信可能となり(S2)、基準検出装置に設定される。またこの検出装置2Aに計測周期(t)による計測開始が指示され(S3)、このとき主及び副の通信路における他の装置の識別情報が通知される。またこの計測開始の指示により計測周期(t)により計測結果の取得、送出が繰り替えされる(S4、S8、S9、S13、S15)。
また検出装置2Bの電源が投入されると(S5)、本体装置5との間で接続が確立され、これによりデータ通信可能となり(S6)、接続が確立される。またこれにより検出装置2Aで計測結果を取得する計測時刻で、本体装置5から計測周期(t)による計測開始が指示される(S7)。またこのとき主及び副の通信路における他の装置の識別情報が通知される。これにより検出装置2Bでは、この計測開始の指示から計測周期(t)による計測を開始することになる(S10)。
しかしながらこの計測開始の指示が再送の繰り返し等により遅延時間(d)だけ遅延すると、検出装置2Bでは基準検出装置2Aの計測時刻に対して計測時刻が遅延時間(d)だけ遅延することになり、結局、基準検出装置2Aの計測結果に対して同期ずれが発生することになる。
このデータ収集システム1では、計測結果に付加された計測時刻からこの同期ずれが検出され、同期ずれ量(d)が判定基準値により判定され(S11)、同期ずれ量が所定値である許容値(例えば10秒)以上である場合、時間監視用の基準検出装置2Aで計測結果を取得する計測時刻で改めてネットワーク構築装置7から計測開始の指示を送出し(S12)、これによりこの検出装置2Bでは、計測開始時刻が修正されて、以後、この計測開始の指示を基準にして計測周期(t)により計測結果を取得する(S14)。これにより同期ずれが修正される。
〔検出装置による同期ずれ補正〕
接続確立時に通知された識別情報により、中継の数が判定基準値以上の検出装置による子の検出装置を備えた検出装置(図1の例では、検出装置2Cが子の検出装置である検出装置2A)では、計測結果を送出する際に、子の検出装置によっても計測結果を取得可能に、本体装置5に加えて、この子の検出装置に向けて検出結果を送出する。
また中継の数が判定基準値以上の検出装置による子の検出装置を備えた中継装置(図1の例では、検出装置2Cが子の検出装置である中継装置3A)では、事前に通知された基準検出装置の計測開始時刻を基準にした計測周期のカウントにより基準検出装置における計測時刻を計算し、この計算した計測時刻で、計測時刻を設定した計測結果を備えていない空のデータを子の検出装置に向けて送出する。
子の検出装置である中継の数が判定基準値以上の検出装置は、この親の検出装置、中継装置から通知される計測結果、空のデータに付加された計測時刻を監視し、同期ずれ量を検出する。具体的に本体装置5における処理と同様にして、計測結果、空のデータに付加された計測時刻を、当該検出装置における計測時刻と比較して同期ずれ量を検出する。
検出装置は、検出した同期ずれ量を同期ずれ判定基準値により判定し、親の検出装置、中継装置から通知される計測結果、空のデータに付加された計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれの発生を検出する。また同期ずれ量が所定値以上の同期ずれが検出されると、親の検出装置、中継装置から通知される計測結果、空のデータのタイミングを基準にしてそれまでの計測開始時刻を修正し、これにより同期ずれを補正する。より具体的には、それまでの計測開始時刻を、親の検出装置、中継装置からの計測結果、空のデータの受信時刻により更新して同期ずれを補正する。
図4は、図2及び図3との対比によりこの検出装置による同期ずれの処理を示すタイムチャートである。
この図4の例では、検出装置2Aの電源が最初に投入されて(S1)、この検出装置2Aが最初にデータ通信可能となり(S2)、基準検出装置に設定される。またこの検出装置2Aに計測周期(t)による計測開始が指示され(S3)、このとき主及び副の通信路における他の装置の識別情報が通知される。これにより検出装置2Aで計測周期(t)により計測結果の取得、送出が繰り替えされる(S4、S7、S10、S14、S16)。
また検出装置2Cの電源が投入されると(S5)、本体装置5との間で接続が確立される(S6)。また検出装置2Aの計測時刻で、本体装置5から計測周期(t)による計測開始が指示され(S8)、このとき主及び副の通信路における他の装置の識別情報が通知される。これにより検出装置2Cでは、この計測開始の指示から計測周期(t)による計測を開始することになる(S11)。
しかしながらこの計測開始の指示が再送の繰り返し等により遅延時間(d)だけ遅延すると、検出装置2Cでは親の検出装置2Aの計測時刻に対して計測時刻が遅延時間(d)だけ遅延することになり、同期ずれが発生することになる。
そこで検出装置2Bでは親の検出装置2Aの計測結果に付加された計測時刻から、この同期ずれ量が検出され、同期ずれ量(d)が判定基準値により判定される(S12)。またこの同期ずれ量が所定値以上である場合、この同期ずれ量の検出に供した親の装置の計測時刻により計測開始時刻が修正されて、以後、この計測開始の指示を基準にして計測周期(t)により計測結果を取得する(S13、S15)。
以上の構成によれば、基準検出装置の計測時刻で、他の検出装置に計測周期を通知して計測開始を指示することにより、複数の検出装置における計測結果の取得を同期させることができ、これにより従来に比して簡易な構成により複数の検出装置で同期して計測結果を取得することができる。また中継数が判定基準値未満の検出装置で同期ずれが発生した場合、本体装置からの設定により同期ずれを修正することができ、同期を維持することができる。また中継数が判定基準値以上の検出装置で同期ずれが発生した場合、隣接する検出装置の計測時刻を基準にして検出装置で同期ずれを修正することができ、中継数が多くなって中継時における遅延時間を無視できないような場合にあっても、精度良く同期を維持することができる。
また最初に本体装置とデータ通信可能となった検出装置を基準検出装置に設定することにより、例えば最初に電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置を基準検出装置に設定して、順次、電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置との間で同期を図ることができ、一段と簡易な処理により同期を図ることができる。
〔他の実施形態〕
以上、本発明の実施に好適な具体的な構成を詳述したが、本発明は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述の実施形態の構成を種々に変更することができる。
すなわち上述の実施形態では、最初に電源が投入されてデータ通信可能となった検出装置を基準検出装置に設定する場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えばデータ収集システムで中心をなす検出装置を基準検出装置に設定する場合、電源の停止頻度の低い検出装置を基準検出装置に設定する場合等、必要に応じて種々に設定することができる。
1 データ収集システム
2A、2B、2C、2D 検出装置
3A 中継装置
5 本体装置
6 ユーザー端末装置
7 ネットワーク構築装置
8 データ監視装置

Claims (4)

  1. センサによる計測結果をそれぞれ取得する複数の検出装置と、前記複数の検出装置との無線通信によるデータ通信により前記検出装置で取得した前記計測結果を収集する本体装置とを備えるデータ収集システムにおいて、
    前記検出装置は、
    前記本体装置からの計測周期の通知による計測開始の指示により、当該計測開始の指示のタイミングを基準にして計測開始時刻を設定し、前記計測開始時刻から前記計測周期による前記計測結果の取得を開始して前記本体装置に送出し、
    他の検出装置の前記データ通信を中継し、
    前記本体装置は、
    前記複数の端末装置における基準検出装置に前記計測周期による計測開始を指示した後、
    前記基準検出装置における前記計測結果の計測時刻で、他の前記端末装置に前記計測周期を通知して計測開始を指示し、
    前記データ収集システムは、
    前記本体装置との間の前記データ通信における中継の数が前記判定基準値未満の前記検出装置について、
    前記本体装置が、
    前記計測結果の計測時刻を監視し、
    前記基準検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれを発生した前記計測結果が取得されると、前記基準検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、当該同期ずれの発生した前記検出装置に、前記計測周期による計測開始を再度、指示して当該検出装置の前記計測開始時刻を修正し、
    前記本体装置との間の前記データ通信における中継の数が判定基準値以上の前記検出装置について、
    当該検出装置が、
    当該検出装置のデータ通信路上の前記本体装置側に隣接する前記検出装置による前記計測時刻を基準にして、当該検出装置の計測時刻を監視し、
    前記隣接する前記検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれが発生すると、当該隣接する前記検出装置からの前記計測結果のタイミングを基準にして当該検出装置の前記計測開始時刻を修正する
    データ収集システム。
  2. 前記基準検出装置が、前記複数の検出装置の中で最初に前記本体装置とデータ通信可能となった前記検出装置である
    請求項1に記載のデータ収集システム。
  3. センサによる計測結果をそれぞれ取得する複数の検出装置と、前記複数の検出装置との無線通信によるデータ通信により前記検出装置で取得した前記計測結果を収集する本体装置とを備えるデータ収集システムの前記検出装置において、
    前記本体装置からの計測周期の通知による計測開始の指示により、当該計測開始の指示のタイミングを基準にして計測開始時刻を設定し、前記計測開始時刻から前記計測周期による前記計測結果の取得を開始して前記本体装置に送出し、
    他の検出装置の前記データ通信を中継し、
    前記本体装置とのデータ通信における中継の数が判定基準値未満の場合、
    前記本体装置からの計測周期の通知による計測開始の再度の指示により、当該再度の指示のタイミングを基準にして前記計測開始時刻を修正し、
    前記本体装置とのデータ通信における中継の数が前記判定基準値以上の場合、
    当該検出装置のデータ通信路上の前記本体装置側に隣接する前記検出装置による前記計測時刻を基準にして、前記計測結果の計測時刻を監視し、
    前記隣接する前記検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれが発生すると、当該隣接する前記検出装置からの前記計測結果を受信するタイミングを基準にして当該検出装置の前記計測開始時刻を修正する
    データ収集システムの検出装置。
  4. センサによる計測結果をそれぞれ取得する複数の検出装置と、前記複数の検出装置との無線通信によるデータ通信により前記検出装置で取得した前記計測結果を収集する本体装置とを備えるデータ収集システムの前記本体装置において、
    前記複数の端末装置における基準検出装置に前記計測周期による計測開始を指示して、当該指示が前記基準検出装置で受信されるタイミングを計測開始時刻に設定した前記計測周期による計測開始を指示し、
    前記基準検出装置における前記計測結果の計測時刻で、他の前記端末装置に前記計測周期を通知して計測開始を指示することにより、当該指示が前記他の端末装置で受信されるタイミングを計測開始時刻に設定した前記計測周期による計測開始を指示し、
    前記データ通信における中継の数が判定基準値未満の前記検出装置について、
    前記計測結果の計測時刻を監視し、
    前記基準検出装置による前記計測時刻に対して、所定値以上の同期ずれを発生した前記計測結果が取得されると、前記基準検出装置で計測結果を取得する計測時刻で、当該同期ずれの発生した前記計測結果に係る前記検出装置に、前記計測周期を通知して計測開始を指示することにより、当該検出装置の前記計測開始時刻を修正する
    データ収集システムの本体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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