JP2021155564A - 2液硬化型接着剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硬化速度が速く、破断強度、弾性率、及び破断伸度に優れた硬化物が得られる2液硬化型接着剤組成物を提供する。【解決手段】2液硬化型接着剤組成物は、ウレタンプレポリマー(a1)を含む主剤(A)と、ポリオール化合物(b1)と、ポリアミン化合物(b2)と、を含む硬化剤(B)と、を有する。ウレタンプレポリマー(a1)は、原料ポリイソシアネートと、数平均分子量500未満のポリオール化合物(a2)とを、インデックスを1.8〜6として反応させて得たものである。ポリオール化合物(b1)中の水酸基に対するポリアミン化合物(b2)中のアミノ基の当量比は1.5〜6である。硬化剤(B)中の活性水素基に対する主剤(A)中のイソシアネート基の当量比が0.8〜4である。【選択図】図1

Description

本発明は、主剤と硬化剤とを有する2液硬化型接着剤組成物に関する。
自動車のボディなどの構造体では、異種材料からなる部品同士が、接着剤を用いて接合されている場合がある。接着剤を介して接合されていることで、部品同士の熱膨張係数の差が大きくても、歪みや反りの発生を抑制できる。一方、このような用途で用いられる接着剤には、接着強度の目安として、硬化した状態での、破断強度、弾性率、破断伸度等の引張特性が良好であることが求められる。
破断伸度に優れた硬化物が得られる接着剤組成物として、ウレタンプレポリマーを含む主剤と、活性水素基を有する化合物を含んだ硬化剤と、を備える2液硬化型のポリウレタン系接着剤組成物が知られている。2液硬化型の接着剤組成物では、一般に、主剤に含まれるイソシアネート基と、硬化剤に含まれるポリオール中の水酸基との当量比が1付近になるよう、主剤と硬化剤の配合比が調整される。しかし、イソシアネート基と水酸基とが等量に近いと、ウレタンプレポリマーの硬化速度が非常に遅い。このため、有機金属化合物、第三級アミン等の触媒を用いて、硬化速度を速めることが試みられている(特許文献1)。
特開2017−218539号公報
上記触媒を用いて接着剤組成物の硬化を早くさせると、発泡を生じる場合があり、それによって、硬化物の引張特性が低下するという問題を生じる場合がある。また、主剤と硬化剤の混合比が設定した比からずれることによって、硬化物の所定の物性が発現せず、破断強度、破断伸度等の引張特性が低下することもある。
本発明は、硬化速度が速く、破断強度、弾性率、及び破断伸度に優れた硬化物が得られる2液硬化型接着剤組成物を提供することを目的とする。また、本発明は、主剤と硬化剤の混合比を調整することで、硬化物の優れた破断強度を維持しつつ、弾性率及び破断伸度を調整することができる2液硬化型接着剤組成物を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、2液硬化型接着剤組成物であって、
ウレタンプレポリマー(a1)を含む主剤(A)と、
ポリオール化合物(b1)と、ポリアミン化合物(b2)と、を含む硬化剤(B)と、を有し、
前記ウレタンプレポリマー(a1)は、原料ポリイソシアネートと、分子内に少なくとも1つの水酸基を有する数平均分子量500未満のポリオール化合物(a2)とを、前記ポリオール化合物(a2)中の水酸基に対する前記原料ポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量比を1.8〜6として、前記ポリオール化合物(a2)のすべてが前記ウレタンプレポリマー(a1)の単量体単位となるよう反応させて得たものであり、
前記主剤(A)は、前記ウレタンプレポリマー(a1)のほか、前記ポリオール化合物(a2)と反応しなかった前記原料ポリイソシアネートの残部である残存ポリイソシアネート(a3)をさらに含み、
前記ポリオール化合物(b1)中の水酸基に対するポリアミン化合物(b2)中のアミノ基の当量比は1.5〜6であり、
前記硬化剤(B)中の活性水素基に対する前記主剤(A)中のイソシアネート基の当量比が0.8〜4である、ことを特徴とする。
前記ポリオール化合物(a2)は、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びこれらのそれぞれを部分的に変性させた部分変性物の中から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の2液硬化型接着剤組成物。
前記ポリオール化合物(b1)の数平均分子量は500以上である、ことが好ましい。
前記ポリオール化合物(b1)は、分子内に、ポリエチレングリコールの単量体単位及びポリプロピレングリコールの単量体単位の少なくとも一方を含む、ことが好ましい。
前記ポリアミン化合物(b2)は、数平均分子量が500未満であり、分子内に、少なくとも2つのアミノ基と、少なくとも1つの芳香環と、を有している、ことが好ましい。
前記2液硬化型接着剤組成物を硬化させた硬化物のJIS K6251に準拠した、引張強さは15MPa以上であり、切断時伸びは100%以上である、ことが好ましい。
前記2液硬化型接着剤組成物を硬化させた硬化物の引張弾性率は200MPa以上である、ことが好ましい。
前記主剤(A)と前記硬化剤(B)の質量比は3:7〜7:3である、ことが好ましい。
可使時間が30秒から10分である、ことが好ましい。
上記態様の2液硬化型接着剤組成物によれば、硬化速度が速く、破断強度、弾性率、及び破断伸度に優れた硬化物が得られる。また、上記態様の2液硬化型接着剤組成物によれば、主剤と硬化剤の混合比を調整することで、硬化物の高い破断強度を維持しつつ、弾性率及び破断伸度を調整することができる。
(a)〜(c)は、接着剤組成物の硬化反応を概念的に説明する図である。
以下、本実施形態の2液硬化型接着剤組成物について説明する。本実施形態には、後述する種々の実施形態が含まれる。
(接着剤組成物)
本実施形態の2液硬化型接着剤組成物(以降、単に接着剤組成物ともいう)は、主剤(A)と、硬化剤(B)と、を有する。
(主剤(A))
主剤(A)は、ウレタンプレポリマー(a1)を含む。
ウレタンプレポリマー(a1)は、原料ポリイソシアネートと、ポリオール化合物(a2)と、を反応させて得たものである。したがって、ウレタンプレポリマー(a1)は、ポリイソシアネートの単量体単位と、ポリオール化合物(a2)の単量体単位とを有している。この反応は、具体的に、ポリオール化合物(a2)中の水酸基に対する、原料ポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量比(以降、インデックスともいう)を1.8〜6として、ポリオール化合物(a2)のすべてがウレタンプレポリマー(a1)の単量体単位となるよう行われる。
インデックスを1.8以上とすることで、破断強度及び弾性率に優れた硬化物、具体的には、破断強度が15MPa以上、弾性率が200MPa以上の硬化物を得やすくなる。本明細書において、破断強度は、JIS K6251に準拠した引張強さを意味し、弾性率は、JIS K7161に準拠した引張弾性率を意味する。
また、インデックスを1.8以上とし、イソシアネート基を水酸基に対して大きく過剰にしたことで、原料ポリイソシアネートとポリオール化合物(a2)との反応後に残存するイソシアネート基を、硬化剤(B)と十分に反応させることができる。これにより、破断伸度に優れた硬化物、具体的には、破断伸度が100%以上の硬化物を得やすくなる。本明細書において、破断伸度は、JIS K6251に準拠した切断時伸びを意味する。
一方、インデックスを6以下とすることで、ポリオール化合物(a2)の数平均分子量が小さくても、破断伸度に優れた硬化物が得られる。インデックスが6を超えると、ポリオール化合物(a2)の数平均分子量が小さいことに起因して、硬化物の破断伸度が向上しない。
インデックスは、好ましくは2以上であり、より好ましくは2.5以上である。一方で、当量比が大きすぎると、破断伸度が低くなりすぎる場合がある。このため、当量比は、好ましくは5以下であり、より好ましくは4以下である。
なお、本実施形態の接着剤組成物によれば、ポリイソシアネートが、ポリオール化合物(a2)に付加した後に、硬化剤(B)の各々の活性水素基と反応したものと、ポリオール化合物(a2)と反応せず残存した後に、硬化剤(B)の各々の活性水素基と反応したものとが硬化物中に形成される。このように、ポリイソシアネートのこれらの反応の間のタイムラグと、ポリオール化合物(a2)とポリオール化合物(b1)が混在することとによって、ポリマーブレンドが生成する。
原料ポリイソシアネートは、分子内にイソシアネート基を2個以上有するものであれば、特に限定されない。原料ポリイソシアネートには、従来公知のポリイソシアネート化合物を用いることができる。
原料ポリイソシアネートに使用されるポリイソシアネート化合物としては、具体的には、例えば、TDI(例えば、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI))、MDI(例えば、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’−MDI)、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(2,4’−MDI))、1,4−フェニレンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネートのような芳香族ポリイソシアネート;ペンタメチレンジイソシアネート(PDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート(TMHDI)、リジンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート(NBDI)のような脂肪族ポリイソシアネート;トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン(H6XDI)、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(H12MDI)のような脂環式ポリイソシアネート;これらのカルボジイミド変性ポリイソシアネート;これらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート;等が挙げられる。
このようなポリイソシアネートは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
これらのうち、硬化性に優れる理由から、芳香族ポリイソシアネートであるのが好ましく、MDIであるのがより好ましい。芳香族ポリイソシアネートは、分子内に少なくとも1つ、好ましくは2つ以上の芳香環を有するイソシアネートである。
一実施形態によれば、原料ポリイソシアネートは、反応活性を良好にし、硬化した際の良好な強度を発現させる観点から、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメリックメタンジイソシアネート、及びイソシアヌレート基を含むイソシアネート化合物のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。
ポリオール化合物(a2)は、分子内に少なくとも1つの水酸基、好ましくは2つ以上の水酸基を有し、数平均分子量が500以上である。
本発明者の検討によれば、ポリオール化合物(a2)の数平均分子量が500未満であると、弾性率に優れた硬化物が得られるという知見が得られた。また、ポリオール化合物(a2)の数平均分子量が500未満であると、インデックスを過度に高くしなくても、ウレタンプレポリマー(a1)がゲル化あるいは固まることを抑制できる。一方、ポリオール化合物(a2)の数平均分子量は、良好な破断伸度を得る観点から、100以上であることが好ましい。
ポリオール化合物(a2)の数平均分子量は、200以上、450未満であることが好ましく、250以上、400未満であることがより好ましい。
ポリオール化合物(a2)は、硬化物の破断強度、弾性率を効果的に向上させる観点から、好ましくは、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びこれらのそれぞれを部分的に変性させた部分変性物の中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
ポリエステルポリオールとしては、例えば、低分子多価アルコール類と、多塩基性カルボン酸との縮合物(縮合系ポリエステルポリオール)が挙げられる。
低分子多価アルコール類としては、具体的には、例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリコール、プロピレングリコール(PG)、ジプロピレングリコール、(1,3−または1,4−)ブタンジオール、ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、1,1,1−トリメチロールプロパン(TMP)、1,2,5−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどの低分子ポリオール;ソルビトールなどの糖類;等が挙げられる。
縮合系ポリエステルポリオールを形成する多塩基性カルボン酸としては、例えば、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ダイマー酸、ピロメリット酸、他の低分子カルボン酸、オリゴマー酸、ヒマシ油、ヒマシ油とエチレングリコール(もしくはプロピレングリコール)との反応生成物などのヒドロキシカルボン酸等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールは、例えば、ポリオールとジメチルカーボネートとの脱メタノール縮合反応、ポリオールとジフェニルカーボネートの脱フェノール縮合反応、または、ポリオールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応などの反応を経て生成される。これらの反応で使用されるポリオールとしては、例えば、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等の飽和もしくは不飽和の各種グリコール類、1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコール等が挙げられる。
ポリカプロラクトンポリオールは、例えば、ε−カプロラクトン、α−メチル−ε−カプロラクトン、ε−メチル−ε−カプロラクトン等のラクトンを適当な重合開始剤で開環重合させたもので両末端に水酸基を有するものが挙げられる。
部分変性物は、例えば、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオールの分子内に、共重合等により変性基を導入したものが挙げられる。このような部分変性物として、例えば、分子内の繰り返し単位のうちの一部を変性基で置き換えたものが挙げられる。変性基としては、例えば、アルキレン基が挙げられる。アルキレン基としては、具体的には、エチレン基、1,2−プロピレン基、1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基、2,2−ジメチル−1,3−プロピレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が好ましく挙げられる。アルキレン基の炭素数は、例えば、2〜10である。変性量は、例えば、3〜50重量%である。アルキレン基の種類や変性量は、上記したものに制限されず、適宜選択される。部分変性物の具体例として、変性ポリテトラメチレンエーテルグリコールが挙げられる。変性ポリテトラメチレンエーテルグリコールとしては、通常のポリテトラメチレンエーテルグリコールの分子内の−(OH24−O−の一部を−R−O−で置き換えたものが挙げられる。Rは、好ましくは、上記炭素数の範囲の上記具体例のアルキレン基である。この変性ポリテトラメチレンエーテルグリコールは、例えば、ヘテロポリ酸を触媒とするテトラヒドロフランとジオールとの共重合や、ジオール又はジオールの縮合物である環状エーテルとブタンジオールとの共重合等によって製造することができる。
ウレタンプレポリマー(a1)の数平均分子量は、1000以上15000以下であることが好ましく、1000以上10000以下であることがより好ましい。
ここで、数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(Gel permeation chromatography(GPC))により測定した数平均分子量(ポリスチレン換算)であり、測定にはテトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を溶媒として用いるのが好ましい。
主剤(A)は、ウレタンプレポリマー(a1)のほか、さらに、残存ポリイソシアネート(a3)を含む。
残存ポリイソシアネート(a3)は、ポリオール化合物(a2)と反応しなかった原料ポリイソシアネートの残部である。主剤(A)に、残存ポリイソシアネート(a1)が含まれていることで、速やかに硬化剤(B)との反応を行うことができる。これにより、硬化時間を短くできるとともに、残存ポリイソシアネート(a1)が水分と反応し発泡することを抑制でき、硬化物の破断強度、弾性率、破断伸度等の引張特性の低下を抑制することができる。
(硬化剤(B))
硬化剤(B)は、ポリアミン化合物(b2)と、ポリオール化合物(b1)と、を含む。
ポリアミン化合物(b2)は、ポリイソシアネートとの反応速度が速いため、ウレタンプレポリマー(a1)及び残存ポリイソシアネート(a3)との反応が速やかに進行する。また、ポリアミン(b2)は、ウレタンプレポリマー(a1)とも反応し、ウレタンプレポリマー(a1)を硬化させつつ、成長させる。この過程で、主剤(A)及び硬化剤(B)を混合した接着剤組成物は、これらの反応に伴って発熱することで、ポリオール化合物(b1)と残存ポリイソシアネート(a3)との反応が促進される。これにより、硬化時間が短くなり、可使時間を短くする効果が得られる。
ポリアミン化合物(b2)は、分子内にアミノ基を2個以上有しており、従来公知のポリアミン化合物を用いることができる。
ポリアミン化合物(b2)としては、具体的には、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD、デュポン・ジャパン社製)などの脂肪族ポリアミン;メタフェニレンジアミン、オルトフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、m−キシリレンジアミン(MXDA)、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、ジアミノジエチルジフェニルメタン、ジエチルメチルベンゼンジアミン、2−メチル−4,6−ビス(メチルチオ)−1,3−ベンゼンジアミン、4,4’−メチレンビス(2−クロロアニリン)、4,4’−メチレンビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)、トリメチレン ビス(4−アミノベンゾアート)、ビス(4−アミノ−2,3−ジクロロフェニル)メタンなどの芳香族ポリアミン;N−アミノエチルピペラジン;3−ブトキシイソプロピルアミンなどの主鎖にエーテル結合を有するモノアミン;サンテクノケミカル社製のジェファーミンEDR148に代表されるポリエーテル骨格のジアミン;イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(1,3BAC、三菱ガス化学社製)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミンなどの脂環式ポリアミン;ノルボルナンジアミン(NBDA、三井化学社製)などのノルボルナン骨格のジアミン;ポリアミドの分子末端にアミノ基を有するポリアミドアミン;2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、ポリプロピレングリコール(PPG)を骨格に持つサンテクノケミカル社製のジェファーミンD230、ジェファーミンD400;等が挙げられ、これらを1種単独で用いても2種以上を併用してもよい。
一実施形態によれば、ポリアミン化合物(b2)は、残存ポリイソシアネート(a3)との反応速度を速くする観点から、数平均分子量が500未満であり、分子内に、少なくとも2つのアミノ基と、少なくとも1つの芳香族基と、を有していることが好ましい。ポリアミン化合物(b2)は、芳香族ポリアミンの中でも、芳香族第一級ポリアミンが特に好ましい。
ポリオール化合物(b1)は、分子内に少なくとも2つの水酸基を有している。ポリオール化合物(b1)の数平均分子量は、好ましくは1000以上である。硬化剤(B)にこのようなポリオール化合物(b1)が含まれていることで、硬化物の破断伸度を高めることができる。ポリオール化合物(b1)の数平均分子量が1000未満であると、硬化物の破断伸度が低下し、硬化物が硬くなりすぎる場合がある。また、ポリオール化合物(b1)の数平均分子量は、接着剤組成物のハンドリング性を良好に保つ観点から、好ましくは20000以下であり、より好ましくは15000以下である。
また、ポリオール化合物(b1)は、ポリアミン化合物(b2)と比べ、ポリイソシアネートとの反応がゆっくりと進行するため、硬化時間が短すぎず、作業性の向上に寄与する。
ポリオール化合物(b1)は、ポリオール化合物(a2)と異なるポリオール化合物であることが好ましい。ポリオール化合物(b1)とポリオール化合物(a2)が同一のポリオール化合物であると、硬化物の破断強度、弾性率、及び破断伸度をいずれも向上させることが困難となる。
また、接着剤組成物の原料として、ポリオール化合物(a2)、及びポリオール化合物(b1)を用いたことで、硬化物の弾性率を調整することができる。
一実施形態によれば、ポリオール化合物(b1)は、硬化物の破断伸度を効果的に向上させる観点から、ポリオキシプロピレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、及びポリアクリルポリオール、及びこれらのそれぞれを部分的に変性させた部分変性物等の中から選択される少なくとも1種であることが好ましい。部分変性物中は、例えば、ポリオキシプロピレングリコール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、ポリアクリルポリオールの分子内に、共重合等により変性基を導入したものが挙げられる。このような部分変性物として、例えば、分子内の繰り返し単位のうちの一部を変性基で置き換えたものが挙げられる。変性基及び変性量は、ポリオール化合物(a2)に関して説明した変性基及び変性量と同様である。
硬化剤(B)中の活性水素基に対する主剤(A)中のイソシアネート基の当量比(以下、イソシアネート基/活性水素基比ともいう)は0.8〜4である。活性水素基とは、ポリオール化合物(b1)中の水酸基、及び、ポリアミン化合物(b2)中のアミノ基を意味する。主剤(A)中のイソシアネート基とは、ウレタンプレポリマー(a1)及び残存ポリイソシアネート(a3)中のイソシアネート基を意味する。
イソシアネート基/活性水素基比を0.8〜4の範囲内で変化させると、数平均分子量が500未満であるポリオール化合物(a2)を用いた場合において、硬化物の弾性率及び破断伸度を調整でき、用途に応じて、目標とする弾性率及び破断伸度を得ることができる。一方で、このようにイソシアネート基/活性水素基比を変化させても、硬化物の破断強度は大きく変化しない。具体的には、主剤(A)及び硬化剤(B)の混合比(質量比)が1:1(設定した比)である場合の弾性率及び破断伸度に対して、弾性率の変化率は±40%以上であり、破断伸度の変化率は±20%以上である一方で、上記混合比(質量比)が1:1である場合の破断強度に対して、破断強度の変化率は±10%以内に抑えられる。このように、主剤(A)及び硬化剤(B)の混合比が1:1からずれていても、硬化物の破断強度が大きく変化することがないので、高い破断強度を維持しつつ、弾性率及び破断伸度を調整することができる。このため、主剤(A)と硬化剤(B)の混合比を3:7〜7:3とすることができる。
すなわち、主剤(A)と硬化剤(B)の質量比は3:7〜7:3であることが好ましい。本実施形態の接着剤組成物によれば、主剤(A)と硬化剤(B)の混合比が、例えばこのような範囲内でずれていても、硬化物の破断強度の大きさへの影響が極めて少ない。具体的には、上記質量比が1:1である場合の破断強度度に対して、破断強度の変化率が±10%以内に抑えられる。一方で、上記質量比の範囲内で、弾性率の最大値を最小値の例えば2.5倍以上に調整でき、破断伸度の最大値を最小値の例えば2倍以上に調整できる。
適切な可使時間を得るために、ポリオール化合物(b1)中の水酸基に対するポリアミン化合物(b2)中のアミノ基の当量比(以降、アミノ基/水酸基比ともいう)は1.5〜6であることが好ましい。これにより、接着剤組成物の可使時間をより適切な長さとすることができる。上記当量比は、好ましくは1.5〜4である。
一実施形態によれば、ポリアミン化合物(b2)中のアミノ基に対する主剤(A)中のイソシアネート基の当量比(以降、イソシアネート基/アミノ基比ともいう)は1.2〜6である。イソシアネート基/アミノ基比が1.2未満であると、残存ポリイソシアネート(a3)のイソシアネート基と、ポリオール化合物(b1)の水酸基が反応する機会が少なくなり、硬化物の破断伸度が向上し難くなる。一方、イソシアネート基/アミノ基比が6を超えると、接着剤組成物の硬化速度が遅くなり、また、発泡の可能性が高まる。
一実施形態によれば、ポリオール化合物(b1)中の水酸基に対する主剤(A)中のイソシアネート基の当量比(以降、イソシアネート基/水酸基比)は2〜12である。イソシアネート基/水酸基比が2未満であると、イソシアネート基/アミノ基比が小さい場合に、硬化物の破断強度と破断伸度が小さくなる。一方、イソシアネート基/水酸基比が2未満であると、イソシアネート基/アミノ基比が大きい場合に、可使時間が長くなり、発泡が生じやすくなり、破断強度が向上し難くなる。また、イソシアネート基/水酸基比が12を超えると、発泡が生じやすくなる。
一実施形態によれば、ポリオール化合物(b1)は、ポリエチレングリコール、及び、ポリプロピレングリコールの少なくとも一方を含むことが好ましい。また、一実施形態によれば、ポリオール化合物(b1)は、1級水酸基を末端に有するものが特に好ましい。
一実施形態によれば、ポリオール化合物(b1)の質量に対する、原料ポリイソシアネートと反応させたポリオール化合物(a2)の質量の比は、硬化物の物性を調整する観点から、1以下であることが好ましい。
以上説明した主剤(A)及び硬化剤(B)は、それぞれ、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じてさらに、フィラー、硬化触媒、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、顔料(染料)、揺変性付与剤、紫外線吸収剤、難燃剤、界面活性剤(レベリング剤を含む)、分散剤、脱水剤、接着付与剤、帯電防止剤などの各種添加剤等を含有することができる。
主剤(A)は、フィラー、老化防止剤、着色剤、粘度調整剤、シランカップリング剤、消泡剤、及び可塑剤からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。
硬化剤(B)は、フィラー、老化防止剤、着色剤、粘度調整剤、可塑剤、及び数平均分子量が500未満の多価アルコール類からなる群から選択される少なくとも1つを含むことが好ましい。数平均分子量が500未満の多価アルコール類は、硬化剤(B)により硬化物の物性を調整する成分として用いられる。数平均分子量が500未満の多価アルコール類として、例えば、上述した低分子多価アルコール類を用いることができる。一実施形態によれば、当該多価アルコール類の数平均分子量は200以下であることが好ましい。当該多価アルコール類の分子内に含まれる水酸基数は、例えば2〜4である。当該多価アルコール類は、硬化剤(B)中、好ましくは5〜20質量%含まれる。
接着剤組成物は、有機金属化合物、第三級アミン等の触媒をあえて備える必要はない。すなわち、一実施形態によれば、接着剤組成物は、有機金属化合物、第三級アミン、その他の触媒を含まないことが好ましい。
ここで、図1を参照して、接着剤組成物の硬化反応を概念的に説明する。典型的には、図1(a)に示す2液の混合時点の状態から、図1(b)に示す硬化反応の途中の状態を経て、図1(c)に示す最終形態(符号1で示す硬化物)に至るが、主剤(A)及び硬化剤(B)の混合比によって、最終形態は、図1(a)〜図1(c)のいずれかに示したような状態となりうる。典型的には、主剤(A)に含まれるウレタンプレポリマー(a1)(符号a1)および残存ポリイソシアネート(a3)は、硬化剤(B)に含まれるポリアミン化合物(b2)と反応し、硬い粒子状物を形成し、成長していく(符号3)。一方、硬化剤(B)に含まれるポリオール化合物(b1)は、主剤(A)に含まれる残存ポリイソシアネート(a3)とポリアミン化合物(b2)との反応より遅れて反応し、マトリックス5を多く形成していく。主剤(A)と硬化剤(B)の混合比に応じて、形成される粒子の数や大きさが変化し、球晶レベルからミクロンレベルの微粒子の間で変化する。その変化が硬化物の弾性率及び破断伸度に反映されると考えられる。
本実施形態の接着剤組成物によれば、硬化速度が速く、破断強度、弾性率、及び破断伸度に優れた硬化物が得られる。また、本実施形態の接着剤組成物によれば、主剤と硬化剤の混合比を設定した比(規定の比)から意図的にずらすことで、硬化物の優れた破断強度を維持しつつ、弾性率及び破断伸度を調整することができる。
破断強度、弾性率、破断伸度に優れた硬化物として、具体的に、破断強度が15MPa以上であり、弾性率が200MPa以上であり、破断伸度が100%以上である硬化物が得られる。このような引張特性は、破断伸度が、従来のポリウレタン系接着剤と同等でありながら、破断強度が、エポキシ樹脂系接着剤の破断強度に準じる大きさである。このような特性を備える硬化物は、例えば、自動車のボディ等の構造体の部品同士を接合するのに適している。
破断強度は、好ましくは20MPa以上であり、より好ましくは25MPa以上である。破断強度の上限値は、特に制限されないが、例えば、100MPa程度である。
弾性率は、好ましくは300MPa以上であり、より好ましくは400以上である。弾性率の上限値は、特に制限されないが、例えば、2000MPa程度である。
破断伸度は、好ましくは150%以上であり、より好ましくは200%以上である。破断伸度の上限値は、特に制限されないが、例えば、500%程度である。
本実施形態によれば、接着剤組成物の可使時間が30秒〜10分となる。可使時間が10分以内であることで、作業性に優れ、発泡を抑制できる。可使時間が30秒以上であると、硬化時間が短すぎず、作業性に優れる。可使時間とは、主剤(A)と硬化剤(B)を混ぜ始めてから、ハンドリングできなくなるまでの時間を意味する。
可使時間は、好ましくは7分以内であり、より好ましくは5分以内である。
本実施形態の接着剤組成物によれば、硬化物の流動開始温度は130℃以上、好ましくは150℃以上であり、耐熱性に優れた硬化物が得られる。流動開始温度はフローテスタを用いて測定される。
本実施形態の接着剤組成物は、例えば、自動車のボディに制限されず、種々の構造体の部品同士の接合に用いられる。また、本実施形態の接着剤組成物は、接着剤として用いられるほか、例えば、塗料、防水材、床材、エラストマー、人工皮革、スパンデックスなどとして用いることができる。
(接着剤組成物の製造方法)
接着剤組成物の製造方法は、主剤(A)を作製するステップと、硬化剤(B)を作製するステップと、を備える。
主剤(A)を作製するステップでは、原料ポリイソシアネートとポリオール化合物(a2)とを、インデックスを1.8〜6として、ポリオール化合物(a2)のすべてがウレタンプレポリマー(a1)の単量体単位となるよう反応させてウレタンプレポリマー(a1)を作製する。これにより、ウレタンプレポリマー(a1)及び残存ポリイソシアネート(a3)を含む主剤(A)が作製される。ここで、原料ポリイソシアネート、ポリオール化合物(a2)、ウレタンプレポリマー(a1)、残存ポリイソシアネート(a3)は、それぞれ、上記説明した、原料ポリイソシアネート、ポリオール化合物(a2)、ウレタンプレポリマー(a1)、残存ポリイソシアネート(a3)と同様に構成される。
硬化剤(B)を作製するステップでは、ポリオール化合物(b1)と、ポリアミン化合物(b2)と、を含む硬化剤(B)を作製する。ここで、ポリオール化合物(b1)、ポリアミン化合物(b2)は、上記説明した、ポリオール化合物(b1)、ポリアミン化合物(b2)と同様に構成される。
以上の製造方法を用いて、上記説明した接着剤組成物を作製することができる。
(実験例)
本発明の効果を調べるために、表1及び表2に示した配合量に従って接着剤組成物を作製し、可使時間、硬化物の破断強度、弾性率、及び破断伸度を測定した。
下記要領でウレタンプレポリマー1〜4を作製し、表中に示した添加剤を加え、主剤を作製した。また、表中に示した原料を混合して硬化剤を作製した。
<ウレタンプレポリマー1の合成>
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量250)40gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート140g(インデックス3.0)を、窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌を行い、反応させて、ウレタンプレポリマー1を合成した。
<ウレタンプレポリマー2の合成>
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量250)27gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート175g(インデックス5.5)を窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌を行い、反応させて、ウレタンプレポリマー2を合成した。
<ウレタンプレポリマー3の合成>
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量250)18.5gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート140g(インデックス6.5)を窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌を行い、反応させて、ウレタンプレポリマー3を合成した。
<ウレタンプレポリマー4の合成>
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(数平均分子量1000)100gと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート75g(インデックス3.0)を窒素雰囲気下、80℃で4時間撹拌を行い、反応させて、ウレタンプレポリマー4を合成した。
以上のウレタンプレポリマー1〜4の作製に用いた、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートには、下記に示すものを使用した。
・ポリテトラメチレンエーテルグリコール:
PTMG250(数平均分子量250)、三菱ケミカル社製
・ポリテトラメチレンエーテルグリコール:
PTMG1000(数平均分子量1000)、三菱ケミカル社製
・4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート:
ミリオネートMT(分子量250)、東ソー社製
表中、ウレタンプレポリマー1〜4の値は、ウレタンプレポリマー(a1)及び残存ポリイソシアネート(a3)の合計量を示す。表中に示したウレタンプレポリマー1〜4以外の原料には、下記に示すものを使用した。表中、原料の量は、質量部で示される。
・カーボンブラック:200MP、新日化カーボン社製
・炭酸カルシウム1:重質炭酸カルシウム、スーパーS、丸尾カルシウム社製
・可塑剤:フタル酸ジイソノニル、ジェイプラス社製
・ポリオール1:グリセリンに、PO(1,2−プロピレンオキサイド)を付加させた後に、EO(エチレンオキサイド)を付加率14%で付加させたブロック共重合型ポリオール、サンニックスGL−3000、三洋化成社製
・ポリオール2:ポリイソプレンポリオール、出光興産社製
・ポリアミン:ジエチルメチルベンゼンジアミン、DETDA、三井化学ファイン社製
・炭酸カルシウム2:軽質炭酸カルシウム、カルファイン200、丸尾カルシウム社製
・シリカ:レオロシールQS−102S、トクヤマ社製
Figure 2021155564
Figure 2021155564
作製した主剤及び硬化剤を、表3及び表4中に示した主剤(A)/硬化剤(B)比で混合し、下記要領で、可使時間を評価するとともに、破断強度、弾性率、破断伸度を測定した。表中に、アミノ基/水酸基比、イソシアネート基/活性水素基比も示す。
表中に示さないが、実施例に関して、イソシアネート基/アミノ基比は、1.2〜6の範囲内で調整した。イソシアネート基/水酸基比は、2〜12の範囲内で調整した。
<可使時間>
可使時間は、主剤と硬化剤を混合後、ハンドリングできなくなるまでの時間、すなわち、接着剤として流動性が著しく失われるに至るまでの時間とした。可使時間が30秒〜10分であるものを、使用に適している、すなわち、適切な可使時間であると評価した。また、可使時間が10分以内であるものを硬化速度が速いと評価した。
<弾性率>
ひずみε1、ε2を下記の値とした点を除いて、JIS K7161に準拠して引張弾性率を求めた。すなわち、規定された2点のひずみε1=0.1%、およびε2=1.0%に対応する応力をそれぞれσ1、およびσ2とする時、応力の差(σ2−σ1)をひずみの差(ε2−ε1)で除した値を引張弾性率(E)とし、下式に基づいて求めた。
E=(σ2−σ1)/(ε2−ε1)
E:引張弾性率(MPa)、σ:引張応力(MPa)、ε:引張ひずみ
この結果、引張弾性率が200MPa以上であった場合を弾性率に優れると評価した。
<破断強度、破断伸度>
ダンベル状3号形試験片とし、JIS K6251に準拠して引張試験を行い、温度20℃、クロスヘッドスピード(引張速さ)200mm/分の条件で、引張強さ(破断強度)および切断時伸び(破断伸度)を測定した。破断伸度測定用の標線は20mmの間隔で付けた。この結果、破断強度が15MPa以上であった場合を破断強度に優れ、破断伸度が100%以上であった場合を破断伸度に優れると評価した。
実施例1〜3の上記の要領で測定した破断強度、弾性率、破断伸度を、それぞれ、主剤(A)と硬化剤(B)を等量で混合した場合(実施例1)を100とする指数を計算した。指数は、実施例1の破断強度、弾性率、破断伸度に対する、実施例2,3の破断強度、弾性率、破断伸度の変化率(%)に100を加えて計算した。
Figure 2021155564
Figure 2021155564
実施例1〜5と比較例1〜6の比較から、原料ポリイソシアネート及びポリオール化合物(a2)を用いて、インデックスを1.8〜6として作製したウレタンポリプレポリマー(a1)及び残存ポリイソシアネート(a3)を主剤に含み、ポリオール化合物(b1)及びポリアミン化合物(b2)を硬化剤に含むとともに、アミノ基/水酸基比を1.5〜6とし、イソシアネート基/活性水素基比を0.8〜4とした接着剤組成物によれば、硬化速度が速く、破断強度、弾性率、破断伸度に優れた硬化物が得られることがわかる。
また、実施例1と実施例2,3の比較から、当該接着剤組成物によれば、主剤(A)及び硬化剤(B)の混合比が1:1である場を基準として、破断強度の変化率は±10%以下に抑えられるとともに、弾性率の変化率は±40%以上であり、破断伸度の変化率は±20%以上であることがわかる。すなわち、当該接着剤組成物によれば、主剤と硬化剤の混合比を設定した比から意図的にずらすことで、硬化物の優れた破断強度を維持しつつ、弾性率及び破断伸度を調整することができることがわかる。
以上、本発明の2液硬化型接着剤組成物について説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されず、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々の改良や変更をしてもよいのはもちろんである。
1 硬化物
3 粒子状物
5 マトリックス

Claims (9)

  1. ウレタンプレポリマー(a1)を含む主剤(A)と、
    ポリオール化合物(b1)と、ポリアミン化合物(b2)と、を含む硬化剤(B)と、を有し、
    前記ウレタンプレポリマー(a1)は、原料ポリイソシアネートと、分子内に少なくとも1つの水酸基を有する数平均分子量500未満のポリオール化合物(a2)とを、前記ポリオール化合物(a2)中の水酸基に対する前記原料ポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量比を1.8〜6として、前記ポリオール化合物(a2)のすべてが前記ウレタンプレポリマー(a1)の単量体単位となるよう反応させて得たものであり、
    前記主剤(A)は、前記ウレタンプレポリマー(a1)のほか、前記ポリオール化合物(a2)と反応しなかった前記原料ポリイソシアネートの残部である残存ポリイソシアネート(a3)をさらに含み、
    前記ポリオール化合物(b1)中の水酸基に対するポリアミン化合物(b2)中のアミノ基の当量比は1.5〜6であり、
    前記硬化剤(B)中の活性水素基に対する前記主剤(A)中のイソシアネート基の当量比が0.8〜4である、ことを特徴とする2液硬化型接着剤組成物。
  2. 前記ポリオール化合物(a2)は、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及びこれらのそれぞれを部分的に変性させた部分変性物の中から選択される少なくとも1種である、請求項1に記載の2液硬化型接着剤組成物。
  3. 前記ポリオール化合物(b1)の数平均分子量は500以上である、請求項1又は2に記載の2液硬化型接着剤組成物。
  4. 前記ポリオール化合物(b1)は、分子内に、ポリエチレングリコールの単量体単位及びポリプロピレングリコールの単量体単位の少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載の2液硬化型接着剤組成物。
  5. 前記ポリアミン化合物(b2)は、数平均分子量が500未満であり、分子内に、少なくとも2つのアミノ基と、少なくとも1つの芳香族と、を有している、請求項1から4のいずれか1項に記載の2液硬化型接着剤組成物。
  6. 前記2液硬化型接着剤組成物を硬化させた硬化物のJIS K6251に準拠した、引張強さは15MPa以上であり、切断時伸びは100%以上である、請求項1から5のいずれか1項に記載の2液硬化型接着剤組成物。
  7. 前記2液硬化型接着剤組成物を硬化させた硬化物の引張弾性率は200MPa以上である、請求項1から6のいずれか1項に記載の2液硬化型接着剤組成物。
  8. 前記主剤(A)と前記硬化剤(B)の質量比は3:7〜7:3である、請求項1から7のいずれか1項に記載の2液硬化型接着剤組成物。
  9. 可使時間が30秒から10分である、請求項1から8のいずれか1項に記載の2液硬化型接着剤組成物。
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