JP2021154994A - 車両用乗員拘束システム - Google Patents

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Abstract

【課題】衝突時の車両におけるシートベルトの伸び出し量を、車両の速度や乗員の体格に拘わらず、適切量に設定する。【解決手段】車両用乗員拘束システム10は、シートベルト20と、シートベルト20が巻回された巻取軸22を有するリトラクタ24と、ロードリミッタを含む制動制御部(26)とを備える。該制動制御部は、所定の瞬間のシートベルト20の実ベルト伸び出し量を検知するとともに、前記所定の瞬間の目標伸び出し量を取得し、前記実ベルト伸び出し量と前記目標伸び出し量とを比較した結果に応じて、シートベルト20に付与する制動力を調整する。【選択図】図1

Description

本発明は、リトラクタの巻取軸に巻回されたシートベルトの伸び出し量を設定する車両用乗員拘束システムに関する。
車両の衝突時には、乗員の上半身が前方に移動しようとする。車両には、この際に車室内の前部に配設された内装品、例えば、ステアリングホイールやインストルメントパネルに乗員が接触することを回避して乗員を保護するべく、シートベルトが設けられる。すなわち、シートベルトに制動力が付与されることにより、乗員の上半身がシートベルトから拘束を受ける。シートベルトは、特許文献1に記載されるように、リトラクタに内蔵された巻取軸(特許文献1においていう「スプール」)に巻回されることが一般的である。
ここで、シートベルトに付与される制動力が過大であると、張力が過度に大きくなったシートベルトに乗員の上半身、特に胸部が押圧されることになる。このような事態を回避し、乗員の胸部を保護するべく、シートベルトには、予め設定された荷重が付与されたとき、その荷重を維持しながらシートベルトのさらなる送り出し(伸び出し)を許容するロードリミッタ機能が設けられる。すなわち、車両の衝突時には、ロードリミッタ機能の作用下にシートベルトが適切な若干量で伸び出す。このため、乗員の上半身がシートベルトで押圧されることや、上半身が急激に前方に移動することが回避される。
この種のロードリミッタ機能として、特許文献1、2に記載されたトーションバーを含むものが知られている。なお、特許文献1では、「フォースリミッタ機能」と表現されている。
特開2006−327413号公報 特開2019−166923号公報
ロードリミッタ機能の荷重は、例えば、衝突速度及び乗員体格に基づいて設定される。しかしながら、車両の衝突は、規定速度よりも低速時や高速時においても起こり得る。また、乗員の体格(特に体重)は様々である。このため、規定速度以外の速度での走行時や、規定外の体格の乗員の乗車時に、例えば、シートベルトの伸び出し量が多くなることが想定される。このような事態が発生した場合、乗員が車両前方の内装品に接触する懸念がある。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、衝突時の車両の速度や乗員の体格に拘わらず、シートベルトの伸び出し量を適切量に設定することが可能である車両用乗員拘束システムを提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明の一実施形態によれば、シートベルトと、前記シートベルトが巻回された巻取軸を有するリトラクタと、前記巻取軸からの前記シートベルトの伸び出しに対して抵抗を付与しつつ前記シートベルトの伸び出しを許容するロードリミッタを含む制動制御部とを備える車両用乗員拘束システムにおいて、
前記制動制御部は、所定の瞬間の前記シートベルトの実ベルト伸び出し量を検知するとともに、前記所定の瞬間の目標伸び出し量を取得し、前記実ベルト伸び出し量と前記目標伸び出し量とを比較した結果に応じて、前記シートベルトに付与する制動力を調整する車両用乗員拘束システムが提供される。
本発明によれば、車両の衝突時等の所定の瞬間におけるシートベルトの実ベルト伸び出し量に応じて、目標伸び出し量がその都度設定される。実ベルト伸び出し量は、例えば、当該瞬間の車両の速度や乗員の体格に応じて相違する。このため、目標伸び出し量は、当該瞬間の車両の速度や乗員の体格に応じて設定されることになる。従って、当該瞬間(衝突時等)の車両の速度や乗員の体格に拘わらず、シートベルトの伸び出し量を適切量に設定することが可能となる。
本発明の実施の形態に係る車両用乗員拘束システムの概略構成図である。 図1から乗員の身体が前方に移動した状態を示す要部概略側面図である。 車両用乗員拘束システムが実施する制動制御方法の概略フローチャートである。 図3に示すフローチャートの一部分である。
以下、本発明に係る車両用乗員拘束システムの制動制御方法につき、それを実施する車両用乗員拘束システムとの関係で好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下における「左」、「右」、「前」及び「後」は、運転席シートに着座した乗員の左方、右方、前方及び後方を指称する。
図1は、本実施の形態に係る車両用乗員拘束システム(以下、単に「拘束システム」とも表記する)10の概略構成図である。この拘束システム10は、乗車室の右前部にステアリングホイール12が設けられた、いわゆる右ハンドルの四輪乗用車からなる車両14に設けられる。以下、図1に示す運転席に設けられる拘束システム10を例示して説明する。従って、図1中に示されるシートは運転席シート16である。運転席シート16には、乗員である運転者18が着座する。
拘束システム10は、シートベルト20と、巻取軸22と電動モータ23を内蔵したリトラクタ24と、ロードリミッタ機能を営む制動制御部としてのECU26とを備える。ECU26は、衝突検知手段としてのフロントインパクトセンサ28や、衝突したときの車両14の速度を求める衝突速度検知手段としての加速度センサ30、図示しないエアバッグ等を含む補助拘束システム(SRS)ユニットの制御部と通信することで情報を取得する。なお、衝突検知手段及び衝突速度検知手段は、先進運転支援システム(ADAS)ユニットを構成するものであってもよい。また、ECU26自体にフロントインパクトセンサ28、加速度センサ30等を組み込むようにしてもよい。
シートベルト20の一端は前記巻取軸22に巻回され、他端は、図示しないアンカプレートを介してフロアパネル32の運転席シート16の右方側に連結される。シートベルト20の、前記一端から前記他端に至る途中は、図示しないセンタピラーの車室側端面の上部に位置決めされたショルダアンカ34に通されている。すなわち、この場合、いわゆる3点式シートベルト装置が構成されている。
シートベルト20には、該シートベルト20に沿って移動可能なタング36が設けられる。このタング36は、フロアパネル32等にバックルベルト38を介して設けられたバックル40に係合される。図1と図2を対比して諒解されるように、バックルベルト38は、巻取軸22からのシートベルト20の伸び出しに対応して傾動することが可能である。
リトラクタ24は、前記センタピラーの車室側端面の下端近傍に位置決めされる。上記したように、該リトラクタ24には、前記巻取軸22と、図示しない複数個のギアを介して該巻取軸22を駆動する電動モータ23が内蔵される。巻取軸22にはシートベルト20の一端が巻回されるとともに、リトラクタ24内に、該巻取軸22の回転角を検出して情報信号として発信する回転角センサ42(回転角検出器)が収納される。このように、回転角センサ42をリトラクタ24と一体的に構成することにより、さらなる追加部品が不要となる。この分、部品点数の低減やコストの低廉化を図ることができる。
前記ECU26は、前記回転角センサ42からの情報信号が入力される演算部としてのCPU44と、リトラクタ24内の電動モータ23を付勢又は滅勢したり、巻取軸22を正回転又は逆回転させたりするモータ駆動回路46とを含む。モータ駆動回路46には、電動モータ23の電流を検知するモータ電流検知回路48が付設される。ECU26は、さらに、フロントインパクトセンサ28や加速度センサ30と通信を行う第1通信回路50を含む。すなわち、第1通信回路50には、衝突が起こったか否かの情報や、衝突時の車両14の速度に関する情報等が入力される。
また、ECU26は、ステアリングホイール12の位置を検出する位置センサ52(位置検出器)からの情報信号が入力される第2通信回路54を含む。ステアリングホイール12には、運転者18の好みの運転姿勢に合わせて位置を変更することが可能となるように、チルト機構やテレスコピック機構が設けられる。さらに、車種によっては、ステアリングシャフトに対してステアリングホイール12を着脱することが可能なものも存在する。位置センサ52は、上下や前後に調節移動された後、又は、図示しないステアリングシャフトに取り付けられたステアリングホイール12の精確な位置を検出し、該ステアリングホイール12の位置に関する情報信号として第2通信回路54に送信する。
次に、本実施の形態に係る拘束システム10の作用効果につき、該拘束システム10によって営まれる制動制御方法との関係で説明する。なお、以下では、運転者18の場合を例示する。また、「リトラクタ24に対する制動」は、「シートベルト20に対する制動」と同義である。
運転席シート16に着座した運転者18は、必要に応じ、車両14を始動する前にステアリングホイール12の位置調整を行う。すなわち、公知のチルト機構やテレスコピック機構により、ステアリングホイール12を上下ないし前後に移動させ、自身の体格や運転姿勢に応じた適切な位置とする。なお、運転席シート16に着座した運転者18にとって、ステアリングホイール12の初期位置が適切であれば、この位置調整を行う必要は特にない。
その後、運転者18が車両14を始動することに伴い、図3に概略フローチャートが示される制動制御方法が開始される。ここで、車両14の始動は、内燃機関を搭載しているものではイグニッションスイッチのON操作であり、燃料電池を搭載しているものでは燃料電池の起動操作である。また、電動自動車では走行用モータの起動操作であり、ハイブリッド自動車では内燃機関及び走行用モータの起動操作である。
車両14を始動する前、又は始動した後、乗員である運転者18は、シートベルト20を手で引き出し、タング36をバックル40に係合する。この時点では巻取軸22に制動力は付与されておらず、従って、シートベルト20を巻取軸22から容易に引き出すことができる。勿論、この際には、巻取軸22が伸び出し方向に回転する。余剰に引き出されたシートベルト20は、タング36がバックル40に係合されたあと、巻取軸22が巻き取り方向に回転することにより、リトラクタ24内に収納されて巻取軸22に巻き取られる。
シートベルト20は、図1に示すように一部が運転者18の胸部や腹部に接触する。このことにより、シートベルト20をそれ以上巻き取ることが困難となる。すなわち、運転者18の体格に応じた伸び出し量となった時点で巻取軸22の回転が停止し、これに伴い、巻取軸22による余剰のシートベルト20の巻き取りが停止される。回転角センサ42は、このときの巻取軸22の回転角を検知し、情報信号としてCPU44に送信する。この情報信号を受けたCPU44は、ステップS1において、該情報信号に基づき、運転者18を拘束したシートベルト20の現在の伸び出し量、すなわち、初期送り出し量(初期シートベルト伸び出し量)を取得する。このように、初期送り出し量は、シートベルト20の、運転席シート16に着座した運転者18を拘束し且つタング36がバックル40に係合されているときの伸び出し量として定義される。
また、図3中に特に示していないが、内装品の1つであるステアリングホイール12の精確な位置が位置センサ52によって検出される。第2通信回路54には、この位置に関する情報が情報信号として送信される。ECU26は、この情報信号を受け、ステアリングホイール12の精確な位置に関する情報を取得する。
車両14の始動に伴い、フロントインパクトセンサ28や加速度センサ30が起動される。フロントインパクトセンサ28は、車両14の前部が何らかの物体(障害物)に接触したときに所定の検出信号を第1通信回路50に向けて発信するが、そのとき以外には検出信号を発信することはない。従って、ECU26は、ステップS2において、フロントインパクトセンサ28からの検出信号を受信したか否かに基づいて、「車両14が接触(衝突)したか否か」を判定する。「NO」であるときには、ステップS1、S2が繰り返される。
これに対し、車両14が障害物に接触した瞬間、フロントインパクトセンサ28から検出信号が発信されるとともに、加速度センサ30から衝突時の走行速度に関する情報が情報信号として第1通信回路50に発信される。これらの検出信号及び情報信号を受けたECU26は、ステップS2において「車両14が障害物に衝突した」(図2中の「YES」)と判定し、ステップS3に進む。このように、本実施の形態では、車両14の衝突時を「所定の瞬間」とする。なお、「衝突の瞬間」には、衝突後の数秒間が含まれることもあり得る。
ステップS3では、ECU26は、運転者18が運転席シート16に着座した状態(図1参照)から、図2に示すように前方に動き、ステアリングホイール12に当接する直前までのシートベルト20の伸び出し量、すなわち、最大ベルト伸び出し量(最大シートベルト伸び出し量)を規定又は取得する。換言すれば、最大ベルト伸び出し量は、前方に移動した運転者18がステアリングホイール12に当接することを回避することが可能なシートベルト20の巻取軸22からの最大の伸び出し量である。
このとき、上記したステアリングホイール12の位置情報が用いられる。また、衝突によってステアリングホイール12の位置が変化したときには、位置センサ52によって変化後の位置が検出される。この検出結果は、新たな位置情報として更新され、第2通信回路54に送信される。以上の位置情報に基づき、ECU26は、ステアリングホイール12の、運転者18に最近接する部位の位置を求め、最大ベルト伸び出し量を規定(又は取得)する。従って、最大ベルト伸び出し量を精確に求めることができる。
ステップS4に進み、ECU26は、ロードリミッタ用シートベルト伸び出し可能量(以下、「LL用ベルト伸び出し可能量」と表記する)を目標伸び出し量として取得する。具体的には、最大ベルト伸び出し量から初期送り出し量を差し引く演算を行う。このようにして取得された値が、衝突時に許容されるシートベルト20の最大伸び代である。シートベルト20が最大伸び代で伸び出されたとき、シートベルト20が最大ベルト伸び出し量となっていることや、このときに運転者18がステアリングホイール12に当接することが回避されることは勿論である。
ステップS5に進み、ECU26は、LL用ベルト伸び出し可能量(最大伸び代)と、加速度センサ30から第1通信回路50に送信された衝突時の速度情報とに基づき、巻取軸22の目標回転速度を演算によって求める。その結果、ステップS6において、モータ駆動回路46やモータ電流検知回路48を介して巻取軸22の送り出し方向の回転(正回転)が制動され、リトラクタ24に第1の制動力が付与される。
次に、ステップS7において、ECU26は、加速度センサ30から第1通信回路50に送信される速度情報に基づき、車両14が衝突中であるか否かを確認する。ECU26が「衝突は終了している」と判定したとき(「NO」であるとき)には、以降のステップは実施されない。すなわち、制動制御方法に係る制御が終了する。一方、ECU26が「衝突中である」と判定したとき(「YES」であるとき)には、ステップS8に進む。
ステップS8において、ECU26は、回転角センサ42からの情報に基づき、シートベルト20の現在の伸び出し量である実ベルト伸び出し量を検知する。実ベルト伸び出し量は、シートベルト20の、運転者18が前方に移動することで引き出された分の長さであり、初期送り出し量から、現在の送り出し量を差し引いた値である。
ステップS9に進み、ECU26は、LL用ベルト伸び出し可能量から実ベルト伸び出し量を差し引く演算を行い、結果を第1の実差分として取得する。ECU26は、さらに、ステップS10において、第1の実差分と、予め設定された第1の設定差分(いわゆる安全マージン分)とを対比する。第1の実差分は、「シートベルト20の伸び出し残量」と同義である。従って、第1の実差分が第1の設定差分よりも小であるとき、すなわち、ステップS10で「NO」であるとき、シートベルト20が安全マージン分を超える量で伸び出していることを表す。この場合、ステップS11に進む。なお、図3では、第1の設定差分を「所定差分」と表している。
ステップS11では、リトラクタ24に対して第2の制動力が付与される。すなわち、巻取軸22の正回転が制動される。第2の制動力は第1の制動力に比して大であり、このため、シートベルト20の伸び出しが一層制限される。
シートベルト20は、第2の制動力が付与されながら巻取軸22から送り出される。ECU26は、ステップS12において、回転角センサ42からの情報に基づき、シートベルト20の実ベルト伸び出し量を求め、さらに、LL用ベルト伸び出し可能量から実ベルト伸び出し量を差し引いて第2の実差分を取得する。
ECU26は、その後、ステップS13において、第2の実差分と、予め設定された第2の設定差分(安全マージン分)とを対比する。ここで、第2の設定差分は、第1の設定差分よりも小さい値として設定される。そして、第2の実差分が第2の設定差分よりも小であるとき、すなわち、ステップS13で「NO」であるとき、シートベルト20が安全マージン分を超える量で伸び出していることを表す。この場合、ステップS14に進む。なお、図3では、第2の設定差分を「所定差分」と表している。
ステップS14では、リトラクタ24に対して第3の制動力が最大、すなわち、100%で付与される。本実施の形態では、第3の制動力は、巻取軸22の巻き取り方向への回転(逆回転)がなされることで得られる。巻取軸22を逆回転させることにより大きな制動力が得られるので、シートベルト20の伸び出しがさらに一層制限される。第3の制動力が最大であるので、シートベルト20の伸び出しの制限も最大である。
これに対し、第2の実差分が第2の設定差分よりも大であるとき、すなわち、ステップS13で「YES」であるときにはステップS15に進む。該ステップS15では、リトラクタ24に対して第3の制動力が最大に満たない力、例えば、75%程度で付与される。この場合、シートベルト20の伸び出しが一層制限されるものの、伸び出しが強制的に停止されることはない。従って、運転者18がシートベルト20に押圧されることを十分に回避することができる。
このようにして第3の制動力が付与されることにより、シートベルト20の伸び出しが制限される。このため、運転者18が過度に前方に移動することや、運転者18がステアリングホイール12等の内装品に当接することが回避される。そのような状況下であっても、シートベルト20が伸び出すことが可能であるため、シートベルト20が運転者18の特に胸部等を押圧することが回避される。
ステップS14、S15のいずれも、終了後はステップS7に戻る。すなわち、車両14が衝突中であるか否かがECU26によって再確認される。衝突中である場合には、その後、ステップS8〜S10が再実行される。ステップS10において上記と同様の判定がなされた場合、ステップS11以降が再実行される。
一方、ステップS10において、第1の実差分が第1の設定差分よりも大であるとき、すなわち、ステップS10で「YES」であるとき、安全マージンに若干の余裕が残っていることを表す。この場合、図4に示すステップS16に進む。
ステップS16では、ECU26は、回転角センサ42からの情報に基づき、巻取軸22の実回転速度を取得する。そして、ECU26は、次なるステップS17において、この実回転速度と、ステップS5で求めた目標回転速度とを比較する。実回転速度が目標回転速度よりも大である(ステップS17で「YES」と判定された)ときにはステップS18に進む。
ステップS11〜S15を一度も経ることなくステップS18に到達した場合、リトラクタ24に第2の制動力が付与されていない。このため、該ステップS18では、第1の制動力が最大か否かが判定される。一方、ステップS11〜S15を経た場合、リトラクタ24に第2の制動力が付与されている。上記したように第2の制動力が第1の制動力よりも大であるので、この場合には、ステップS18にて第2の制動力が最大か否かが判定される。
第1の制動力又は第2の制動力が最大であると判定されても、目標回転速度が実回転速度よりも小であることがある。この理由は、巻取軸22の正回転の制動が不足し、必要な伸び出し量以上でシートベルト20が巻取軸22から送り出されているからである。このことを認識したECU26は、ステップS19において、第3の制動力を、それまでよりも10%程度上昇させる。すなわち、第3の制動力は、それまでが0%であったときには10%程度、50%であったときには60%程度に上昇される。
これに対し、第1の制動力又は第2の制動力が最大ではない(ステップS18で「NO」と判定された)ときには、ステップS20に進む。該ステップS20では、ECU26は、第1の制動力又は第2の制動力を、それまでよりも10%程度上昇させる。
ステップS19、S20のいずれの場合も、終了後はステップS7に戻る。すなわち、車両14が衝突中であるか否かがECU26によって再確認される。衝突中である場合には、その後、ステップS8〜S10が再実行される。ステップS10において「NO」の判定がなされた場合には、ステップS11〜S15が再実行される。また、ステップS10において「YES」、ステップS17において「YES」の判定がなされた場合には、ステップS18、S19か、又はステップS20が再実行される。
ステップS17において、実回転速度が目標回転速度よりも小である(「NO」と判定された)ときには、ステップS21に進む。このときには、ECU26は、実回転速度を大きくして目標回転速度に近づけるべく、制動力を低減する制御を行う。すなわち、ステップS21において、先ず、第3の制動力が付与中であるか否かが判断される。付与中である(「YES」である)ときには、ステップS22において第3の制動力が低減される。低減量は、例えば、10%程度である。その後は、ステップS7に戻る。
ステップS21において、第3の制動力が付与されていない(「NO」である)と判定されたときには、ステップS23に進む。該ステップS23では、第1の制動力又は第2の制動力の出力が確認される。第1の制動力又は第2の制動力が予め設定された所定出力以上(例えば、最高出力の20%以上)であるとき、すなわち、ステップS23において「YES」であるときには、ステップS24に進み、第1の制動力又は第2の制動力が適切に低減される。低減量は、例えば、最高出力の10%程度である。ステップS24の終了後は、ステップS7に戻る。
このように、本実施の形態では、衝突時(衝突した瞬間)のシートベルト20の初期送り出し量と、衝突中(運転者18が座席から前方に移動している間)のシートベルト20の伸び出し量とに基づき、運転者18が正規の位置に着座し、ステアリングホイール12に当接しない最適なシートベルト伸び出し量の目標値を設定し直す。これにより、運転者18がシートベルト20で押圧されることを回避しつつ、該運転者18をシートベルト20で十分に拘束することができる。
一方、第1の制動力又は第2の制動力が前記所定出力に満たないとき、すなわち、ステップS23において「NO」であるときには、第1の制動力又は第2の制動力が低減されることはなく、そのままステップS7に戻る。このように、ステップS23における判定結果が「YES」又は「NO」のいずれであるかに拘わらず、第1の制動力又は第2の制動力が残される。
以上のように、本実施の形態では、シートベルト20の実伸び代や巻取軸22の実回転速度を取得し、これらと、予め設定されたLL用ベルト伸び出し可能量(最大伸び代)や目標回転速度との差に基づいて、巻取軸22に付与される制動力を適切に制御するようにしている。従って、車両14が衝突した際には、シートベルト20が、運転者18の体格や衝突時の車両14の速度に応じた適切量で伸び出す。換言すれば、シートベルト20の伸び出し量を適切量に設定することが可能である。このため、車両14の衝突時、運転者18がステアリングホイール12に当接することを回避しつつ、運転者18の胸部等がシートベルト20で押圧されることが回避される。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱いない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明を助手席シートに適用することも可能である。この場合には、助手席シートに着座した乗員がダッシュボードに当接することを回避し得るように設定を行えばよい。さらに、本発明を後部席シートに適用する場合には、後部席シートに着座した乗員が、最後方に位置した運転席シート16又は助手席シートに当接することを回避し得るように設定を行う。
また、この実施の形態では、シートベルト20の伸び出し残量で制御を行う場合を挙げているが、伸び出し量にて上記と同様の制御を行うようにしてもよい。この場合においても、上記と同様の効果が得られる。
さらに、本発明に係る車両14は、シートベルト20が設けられるものであればよく、例えば、三輪車であってもよい。
10…車両用乗員拘束システム 12…ステアリングホイール
14…車両 16…運転席シート
18…運転者 20…シートベルト
22…巻取軸 24…リトラクタ
26…ECU 28…フロントインパクトセンサ
30…加速度センサ 36…タング
40…バックル 42…回転角センサ
44…CPU 46…モータ駆動回路
48…モータ電流検知回路 50…第1通信回路
52…位置センサ 54…第2通信回路

Claims (4)

  1. シートベルトと、前記シートベルトが巻回された巻取軸を有するリトラクタと、前記巻取軸からの前記シートベルトの伸び出しに対して抵抗を付与しつつ前記シートベルトの伸び出しを許容するロードリミッタを含む制動制御部とを備える車両用乗員拘束システムにおいて、
    前記制動制御部は、所定の瞬間の前記シートベルトの実ベルト伸び出し量を検知するとともに、前記所定の瞬間の目標伸び出し量を取得し、前記実ベルト伸び出し量と前記目標伸び出し量とを比較した結果に応じて、前記シートベルトに付与する制動力を調整する車両用乗員拘束システム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、前記制動制御部は、前記シートベルトに第1の制動力を付与するとともに、前記所定の瞬間に、前記シートベルトの最大伸び出し量である最大ベルト伸び出し量から前記実ベルト伸び出し量を差し引いて第1の実差分を取得し、
    前記第1の実差分が予め設定された第1の設定差分よりも小さいときには、前記シートベルトに対し、前記第1の制動力よりも大きな第2の制動力を付与する車両用乗員拘束システム。
  3. 請求項2記載のシステムにおいて、前記制動制御部は、前記第2の制動力が付与された前記シートベルトの前記実ベルト伸び出し量を、前記最大ベルト伸び出し量から差し引いて第2の実差分を取得し、
    さらに、前記第2の実差分が、前記第1の設定差分よりも小として予め設定された第2の設定差分よりも小さいときには、前記第2の制動力が付与された前記シートベルトに対し、前記巻取軸を、前記シートベルトを巻き取る方向に回転させることで第3の制動力を最大で付与する一方、前記第2の設定差分よりも大きいときには前記第3の制動力を最大に満たない力で付与する車両用乗員拘束システム。
  4. 請求項2記載のシステムにおいて、前記制動制御部は、前記第1の実差分が前記第1の設定差分よりも大きいとき、前記巻取軸の回転速度が目標回転速度に比して大きいか否かを判断し、
    記巻取軸の回転速度が目標回転速度に比して大きい場合であって且つ前記第2の制動力が最大でないときには、前記第1の制動力又は前記第2の制動力を上昇する一方、前記第2の制動力が最大であるときには、前記シートベルトに対し、前記第1の制動力又は前記第2の制動力に加えて、前記巻取軸を、前記シートベルトを巻き取る方向に回転させることで第3の制動力を付与し、
    記巻取軸の回転速度が目標回転速度に比して小さい場合であって且つ前記第3の制動力が付与されているときには該第3の制動力を下降し、前記第3の制動力が付与され且つ前記第1の制動力又は前記第2の制動力が予め設定された所定出力よりも大きいときには前記第1の制動力又は前記第2の制動力を下降する車両用乗員拘束システム。
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