JP2021154753A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】面内剪断剛性の確保とタイヤ軽量化の両立を図る。【解決手段】空気入りタイヤ10は、一対のビードコア12Aと、一対のビードコア12Aに跨って形成されたカーカス18と、カーカス18のタイヤ径方向外側に配置され樹脂で形成された環状の樹脂本体12B、及び、タイヤ周方向に延在すると共にタイヤ幅方向に間隔をあけて並び樹脂本体12Bに埋設された補強コード12A、を有するベルト層と、ベルト層のタイヤ径方向外面及び内面の少なくとも一方において、ベルト層のタイヤ赤道面からタイヤ幅方向外端までのベルト半幅におけるタイヤ幅方向外側の1/3の範囲内の少なくとも一部に配置され、延在方向が補強コード12Aと交差すると共に補強コード12Aの延在方向に対して互いに反対方向に傾斜して交錯する交錯繊維コードを有する繊維補強層32と、を備えている。【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト層を備えた空気入りタイヤに関する。
自動車に装着する空気入りタイヤとしては、カーカスのタイヤ径方向外側にタイヤ周方向に対して傾斜したコードを含んで構成された2枚以上の傾斜ベルトプライ、及び補強層等を備えたベルトを備えた構造が一般的である(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2013−244930号公報 特開2013−220741号公報
特許文献1、2の空気入りタイヤは、2枚以上の傾斜ベルトプライを備えることにより面内剪断剛性を確保しているが、プライや補強層の層数が多いため、タイヤの軽量化は困難となっている。
本発明は上記事実を考慮し、ベルトの面内剪断剛性の確保とタイヤ軽量化の両立を図った空気入りタイヤの提供を目的とする。
請求項1の空気入りタイヤは、一対のビードコアと、前記一対のビードコアに跨って形成されたカーカスと、前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され樹脂で形成された環状の樹脂本体、及び、タイヤ周方向に延在すると共にタイヤ幅方向に間隔をあけて並び前記樹脂本体に埋設された補強コード、を有するベルト層と、前記ベルト層のタイヤ径方向外面及び内面の少なくとも一方において、前記ベルト層のタイヤ赤道面からタイヤ幅方向外端までのベルト半幅におけるタイヤ幅方向外側の1/3の範囲内の少なくとも一部に配置され、延在方向が前記補強コードと交差すると共に前記補強コードの延在方向に対して互いに反対方向に傾斜して交錯する交錯繊維コードを有する繊維補強層と、を備えている。
請求項1に係る空気入りタイヤは、カーカスのタイヤ径方向外側に、樹脂本体及び樹脂本体に埋設された補強コードを有するベルト層を備えている。ベルト層では、補強コードがタイヤ周方向に延在すると共にタイヤ幅方向に間隔をあけて並んでいる。このように、補強コード間に樹脂本体を配置することにより、補強コード間にゴムを配置する場合と比較して高い面内剪断剛性を得ることができる。
このように高い面内剪断剛性が得られる一方、ベルト層のタイヤ幅方向外側は、面外の曲げにより応力が集中しやすく、補強コードがタイヤ周方向に延在している場合には、補強コードに沿って亀裂が発生しやすい。そこで、本発明では、ベルト層のタイヤ径方向外面及び内面の少なくとも一方において、ベルト層のタイヤ赤道面からタイヤ径方向外端までのベルト半幅におけるタイヤ幅方向外側の1/3の範囲内に、繊維補強層を配置する。繊維補強層は、延在方向が補強コードと交差すると共に補強コードの延在方向に対して互いに反対方向に傾斜して交錯する交錯繊維コードを有している。このように繊維補強層を配置することにより、樹脂本体の歪みが緩和され、樹脂本体の補強コードに沿った亀裂を抑制することができる。
請求項2の空気入りタイヤは、前記繊維補強層は、タイヤ幅方向における前記補強コード間のピッチよりもタイヤ幅方向に広幅である。
請求項2の空気入りタイヤによれば、タイヤ幅方向に隣接する補強コードを跨いで繊維補強層が配置されるので、補強コード間の亀裂を効果的に抑制することができる。
請求項3の空気入りタイヤは、前記繊維補強層は、前記ベルト層のタイヤ径方向内側に配置されている。
請求項3の空気入りタイヤによれば、ベルト層のタイヤ径方向内側において、樹脂本体の歪みが緩和され亀裂を抑制することができる。
請求項4の空気入りタイヤは、前記繊維補強層は、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されている。
請求項4の空気入りタイヤによれば、ベルト層のタイヤ径方向外側において、樹脂本体の歪みが緩和され亀裂を抑制することができる。
本発明に係る空気入りタイヤによれば、面内剪断剛性の確保とタイヤの軽量化の両立を図ることができる。
本実施形態に係る空気入りタイヤを、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した状態を示す半断面図である。 本実施形態に係る空気入りタイヤにおける樹脂環状ベルトの構成を示す斜視図である。 (A)は本実施形態に係る空気入りタイヤにおける樹脂環状ベルトを示す一部断面図であり、(B)は樹脂環状ベルト及び繊維補強層を平面視したときの一部破断図である。 (A)は本実施形態に係る空気入りタイヤの樹脂環状ベルト及び繊維補強層を、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した状態を示す断面図であり、(B)は本実施形態の変形例に係る空気入りタイヤの樹脂環状ベルト及び繊維補強層を、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した状態を示す断面図である。 (A)〜(C)は、本実施形態の各々の変形例に係る空気入りタイヤの樹脂環状ベルト及び繊維補強層を、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した状態を示す断面図である。 (A)(B)は、本実施形態の各々の変形例に係る空気入りタイヤの樹脂環状ベルト及び繊維補強層を、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した状態を示す断面図である。 (A)(B)は、本実施形態の各々の変形例に係る空気入りタイヤの樹脂環状ベルト及び繊維補強層を、タイヤ幅方向及びタイヤ径方向に沿って切断した状態を示す断面図である。 本発明の実施例に係る空気入りタイヤと比較例の空気入りタイヤについて行った試験結果を示す表である。
図1には、本発明の実施形態に係る空気入りタイヤ10が示されている。空気入りタイヤ10は、一例としてラジアルタイヤを示している。なお、図中矢印Wはタイヤ幅方向を示し、矢印Rはタイヤ径方向を示す。ここでいうタイヤ幅方向とは、空気入りタイヤ10の回転軸と平行な方向を指している。また、タイヤ径方向とは、空気入りタイヤ10の回転軸と直交する方向をいう。また、符号CLはタイヤ10の赤道面(タイヤ赤道面)を示している。
また、本実施形態において、後述するトレッド22の接地端E、接地幅TWとは、空気入りタイヤ10をJATMA YEAR BOOK(2018年度版、日本自動車タイヤ協会規格)に規定されている標準リムに装着し、JATMA YEAR BOOKでの適用サイズ・プライレーティングにおける最大負荷能力(内圧−負荷能力対応表の太字荷重)に対応する空気圧(最大空気圧)の100%の内圧を充填し、静止した状態で水平な平板に対して回転軸が平行となるように配置し、最大の負荷能力に対応する質量を加えたときのものである。なお、使用地又は製造地において、TRA規格、ETRTO規格が適用される場合は各々の規格に従う。
空気入りタイヤ10は、ビードコア12Aが埋設された一対のビード部12、一対のビード部12からそれぞれタイヤ径方向外側に延びる一対のサイド部14、サイド部14からタイヤ幅方向内側に延びるクラウン部16、を有している。一方のビード部12と他方のビード部12との間には、1枚のカーカスプライ18Aからなるカーカス18が跨っている。
カーカス18のタイヤ内側には、ゴムからなるインナーライナー26が配置されている。また、カーカス18のタイヤ幅方向外側には、サイドゴム層24が配置されている。
カーカス18のタイヤ径方向外側のクラウン部16には、樹脂環状ベルト20が設けられている。樹脂環状ベルト20は円環状とされている。樹脂環状ベルト20の詳細については、後述する。樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向外側には、トレッド22が配置されている。トレッド22には、タイヤ周方向に沿って複数の主溝22Aが形成されている。
図2に示すように、樹脂環状ベルト20は、タイヤ周方向に螺旋状に巻回された補強コード20Aと、補強コード20Aを被覆する樹脂材料の樹脂本体20Bを有している。補強コード20A間の間隔は、ピッチPとされている(図3(A)(B)参照)。樹脂環状ベルト20は、補強コード20Aが樹脂本体20Bで被覆された樹脂被覆コード20Cを螺旋状に巻回して一体化させたリング状の箍(たが)で構成することができる。
なお、本実施形態では、1本の樹脂被覆コード20Cをタイヤ周方向に螺旋状に巻いて樹脂環状ベルト20を形成したが、他の構成でタイヤ周方向に沿って延在する補強コード20Cを樹脂本体20B内に埋設させてもよい。例えば、樹脂被覆コード20Cをリング状に形成し、リング状の複数の樹脂被覆コード20Cをタイヤ幅方向に並べて形成することもできる。本実施形態では、樹脂被覆コード20Cは、タイヤ周方向に対して5°以下の角度で巻回されている。
樹脂本体20Bには、サイドゴム層24を構成するゴム材料、及びトレッド22を形成するゴム材料よりも引張弾性率の高い樹脂材料が用いられている。樹脂本体20Bの引張弾性率(JIS K7113:1995に規定される)は、100MPa以上が好ましい。また、樹脂本体20Bの引張弾性率の上限は、1000MPa以下とすることが好ましい。なお、樹脂本体20Bの引張弾性率は、200〜700MPaの範囲内が特に好ましい。
樹脂本体20Bの材料としては、例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー、熱硬化性樹脂、及び(メタ)アクリル系樹脂、EVA樹脂、塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等の汎用樹脂のほか、エンジニアリングプラスチック(スーパーエンジニアリングプラスチックを含む)等を用いることができる。なお、ここでの樹脂材料には、加硫ゴムは含まれない。
熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)とは、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になる高分子化合物をいう。本明細書では、このうち、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり、かつ、ゴム状弾性を有する高分子化合物を熱可塑性エラストマーとし、温度上昇と共に材料が軟化、流動し、冷却すると比較的硬く強度のある状態になり、かつ、ゴム状弾性を有しない高分子化合物をエラストマーでない熱可塑性樹脂として、区別する。
熱可塑性樹脂(熱可塑性エラストマーを含む)としては、ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPO)、ポリスチレン系熱可塑性エラストマー(TPS)、ポリアミド系熱可塑性エラストマー(TPA)、ポリウレタン系熱可塑性エラストマー(TPU)、ポリエステル系熱可塑性エラストマー(TPC)、及び、動的架橋型熱可塑性エラストマー(TPV)、ならびに、ポリオレフィン系熱可塑性樹脂、ポリスチレン系熱可塑性樹脂、ポリアミド系熱可塑性樹脂、及び、ポリエステル系熱可塑性樹脂等が挙げられる。
熱硬化性樹脂とは、温度上昇と共に3次元的網目構造を形成し、硬化する高分子化合物をいい、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。
また、補強コード20Aはスチールコードとされている。このスチールコードは、スチールを主成分とし、炭素、マンガン、ケイ素、リン、硫黄、銅、クロムなど種々の微量含有物を含むことができる。
樹脂環状ベルト20は、タイヤ幅方向中央部の外径をタイヤ幅方向両端部の外径よりも大径とし、タイヤ軸線に沿った断面で見たときに、タイヤ幅方向中央部がタイヤ径方向外側へ凸となる緩やかな円弧状とされている。なお、これに限らず、樹脂環状ベルト20を一定径、一定厚さで形成し、タイヤ軸線に沿った断面で見たときに一直線状とすることもできる。
樹脂環状ベルト20の幅BWは、タイヤ軸方向に沿って計測するトレッド22の接地幅TW(接地端E間の距離)に対して75%以上、110%以下とすることが好ましい。
樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向の外側及び内側には、繊維補強層32が配置されている。樹脂環状ベルト20のタイヤ赤道面CLからタイヤ径方向外端までのベルト半幅BW/2における、タイヤ幅方向外側の1/3の範囲を「要補強範囲SR」とすると、繊維補強層32は、少なくとも要補強範囲SRに配置されている。要補強範囲SRは、タイヤ幅方向の両端に存在している。本実施形態では、繊維補強層32は、要補強範囲SRの全域に配置されている。
図3(A)(B)に示されるように、繊維補強層32は、互いに平行に並べられた複数本の繊維コード32B(例えば、ナイロン(登録商標)/脂肪族ポリアミド等の有機繊維コード)をゴムで被覆することによって形成された繊維シート32Aを2枚重ね合わせて形成されている。本実施形態では、樹脂環状ベルト20に近い側を繊維シート32A−1、樹脂環状ベルト20から遠い側を繊維シート32A−2と称する。繊維シート32Aとして、織物を用いることができ、例えば、ビード保護部材を用いることができる。繊維シート32A−1、32A−2の各々の繊維コード32B−1、32B−2は、補強コード20Aの延在方向に対して、互いに反対方向に傾斜し、且つ補強コード20Aと交差する方向となるように配置されている。2枚の繊維シート32A−1、32A−2の繊維コード32B−1、32B−2により、本発明の交錯繊維コードが形成されている。繊維コード32B−1、32B−2のタイヤ周方向に対する傾斜角度をθ1、θ2とすると、θ1、θ2は、45°以上90°以下であることが好ましい。
繊維補強層32は、図4(A)に示されるように、タイヤ幅方向端面を介して1枚の繊維シートで樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向の内側の要補強範囲SRとタイヤ径方向の外側の要補強範囲SRの両方を覆うように配置されている。繊維補強層32は、樹脂環状ベルト20と接着剤、加硫処理により接着される。
なお、繊維補強層32は、上記の配置に限定されず、図4(B)に示されるように、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向内側と外側を、各々別体の繊維シートで覆って形成してもよい。
また、繊維補強層32は、樹脂環状ベルト20のタイヤ幅方向の両端を1枚の繊維シート32Aで覆って形成してもよい。この場合には、図5(A)に示されるように、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向内側、外側のすべてを覆うように配置してもよいし、図5(B)に示されるように、タイヤ径方向内側の一方の要補強範囲SRから、タイヤ径方向外側を経由して他方におけるタイヤ径方向内側の要補強範囲SRまで繊維補強層32を形成してもよい。さらには、図 5(C)に示されるように、タイヤ径方向外側の一方の要補強範囲SRから、タイヤ径方向内側を経由して他方におけるタイヤ径方向外側の要補強範囲SRまで繊維補強層32を形成してもよい。
また、図6(A)に示されるように、樹脂環状ベルト20の要補強範囲SRのタイヤ径方向外側のみに繊維補強層32を配置してもよいし、図6(B)に示されるように、樹脂環状ベルト20の要補強範囲SRのタイヤ径方向内側のみに繊維補強層32を配置してもよい。
また、図7(A)に示されるように、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向外側のみ全面に繊維補強層32を配置してもよいし、図7(B)に示されるように、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向内側のみ全面に繊維補強層32を配置してもよい。
また、本実施形態では、繊維補強層32を要補強範囲SRの全体を覆うように配置したが、要補強範囲SRのタイヤ幅方向の一部に繊維補強層32を配置してもよい。この場合、繊維補強層32のタイヤ幅方向の幅は、補強コード20A間のピッチPよりも広いことが好ましい。
(作用、効果)
次に、本実施形態のタイヤ10の作用、効果を説明する。
本実施形態のタイヤ10では、カーカス18のクラウン部16が、樹脂環状ベルト20で補強されている。樹脂環状ベルト20は、螺旋状に巻回された補強コード20Aが樹脂本体20Bで被覆されて形成されている。したがって、補強コード間にゴムが配置されたベルトに比較して高い面内剪断剛性を得ることができる。また、タイヤの軽量化も図ることができる。
樹脂環状ベルト20の面内剪断剛性が確保されることで、空気入りタイヤ10にスリップ角を付与した場合の横力を十分に発生させることができ、操縦安定性を確保することができ、また、応答性も向上させることができる。
また、樹脂環状ベルト20により、面外曲げ剛性も確保され、空気入りタイヤ10に大きな横力が入力した際、トレッド22のバックリング(トレッド22の表面が波打って、一部が路面から離間する現象)を抑制することができる。
また、樹脂環状ベルト20の要補強範囲SRには、繊維補強層32が配置されている。繊維補強層32は、繊維コードの延在方向が補強コード20Aと交差するように配置されているので、樹脂環状ベルト20の表面の歪みを緩和することができ、樹脂本体20Bの補強コード20Aに沿った亀裂発生、亀裂進展を抑制することができる。
なお、本実施形態では、繊維補強層32は、繊維シート32Aを2枚重ね合わせて交錯層を形成したが、交錯繊維コードをゴム被覆して形成された1層の繊維シートを用いて繊維補強層32としてもよい。
<試験例>
本発明の効果を確かめるために、図1に示す空気入りタイヤ10と繊維補強層32のみ異なる構成の複数の空気入りタイヤについて試験を行った。比較例は、繊維補強層32を有さないものとした。本発明の繊維補強層32を有する実施例1〜6の繊維補強層32は、繊維コード32Bの傾斜角度θ1、θ2を45°とし、実施例1〜6では、繊維補強層32の配置を変えている。
実施例1は、図4(A)に示すように、要補強範囲SRにおいて、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向内側と外側の両側に繊維補強層32を配置したものである。実施例2は、図6(B)に示すように、要補強範囲SRにおいて、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向内側のみに繊維補強層32を配置したものであり、実施例3は、図6(A)に示すように、要補強範囲SRにおいて、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向内側のみに繊維補強層32を配置したものである。
実施例4は、図5(A)に示すように、樹脂環状ベルト20の表面全体(タイヤ径方向内側全面と外側全面)に繊維補強層32を配置したものである。実施例5は、図7(B)に示すように、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向内側全面のみに繊維補強層32を配置したものであり、実施例6は、図7(A)に示すように、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向外側全面に繊維補強層32を配置したものである。
試験では、6000km走行した後に、樹脂環状ベルト20に発生した亀裂数及び亀裂進展長さを測定した。図8には、測定結果が示されている。繊維補強層32を有する実施例1〜6では、繊維補強層32を有さない比較例よりも、樹脂環状ベルト20に発生した亀裂数が少なく、亀裂進展長さも短い。
また、樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向外側に繊維補強層32を配置するよりも、タイヤ径方向内側に繊維補強層32配置した方が樹脂環状ベルト20に発生した亀裂数が少なく、亀裂進展長さも短い。樹脂環状ベルト20のタイヤ径方向外側及び内側の両側に繊維補強層32を配置すると、どちらか一方に配置する場合と比較して、亀裂の抑制に有効であることがわかる。
また、繊維補強層32は、樹脂環状ベルト20の要補強範囲SRにのみ配置する場合と、全面に配置する場合とでは、亀裂数及び亀裂進展長さ同程度である。
10 空気入りタイヤ、 12 ビード部、 12A ビードコア、 18 カーカス、20 樹脂環状ベルト(ベルト層)、20A 補強コード、 20B 樹脂本体
32 繊維補強層、 32B 繊維コード(交錯繊維コード)
CL タイヤ赤道面、 E 接地端、 P ピッチ
SR 要補強範囲、 TW 接地幅

Claims (4)

  1. 一対のビードコアと、
    前記一対のビードコアに跨って形成されたカーカスと、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に配置され樹脂で形成された環状の樹脂本体、及び、タイヤ周方向に延在すると共にタイヤ幅方向に間隔をあけて並び前記樹脂本体に埋設された補強コード、を有するベルト層と、
    前記ベルト層のタイヤ径方向外面及び内面の少なくとも一方において、前記ベルト層のタイヤ赤道面からタイヤ幅方向外端までのベルト半幅におけるタイヤ幅方向外側の1/3の範囲内の少なくとも一部に配置され、延在方向が前記補強コードと交差すると共に前記補強コードの延在方向に対して互いに反対方向に傾斜して交錯する交錯繊維コードを有する繊維補強層と、
    を備えた空気入りタイヤ。
  2. 前記繊維補強層は、タイヤ幅方向における前記補強コード間のピッチよりもタイヤ幅方向に広幅である、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記繊維補強層は、前記ベルト層のタイヤ径方向内側に配置されている、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記繊維補強層は、前記ベルト層のタイヤ径方向外側に配置されている、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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