JP2021154331A - 接合構造および燃料電池用セパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】リークの確率を従来よりも低減することができる接合構造の提供を目的とする。【解決手段】積層される一対の薄板(セパレータ)31、32を、連続した接合部50で接合することにより、接合部50で囲まれる一対の薄板の間の空間を封止する接合構造であって、接合部50は、複数回にわたり交差する連続した少なくとも1つの接合ライン51、52と、接合ライン51、52の隣接する2つの交差点53と当該2つの交差点53の間を結ぶ接合ライン51、52とにより囲まれる複数の空間領域54と、を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、接合構造および燃料電池用セパレータに関する。
従来より、2枚の薄板の外周部を全周にわたって互いに接合し、接合部分で囲まれた2枚の薄板間の内部を封止する接合構造がある。例えば特許文献1には、燃料電池用のバイポーラ型金属セパレータにおいて、2枚の金属セパレータの外周部を互いに近接する2本の直線状の外周接合ライン(溶接ビード)で接合する技術が開示されている。
特開2019−71252号公報
上記従来の技術は、いわば接合ラインを二重にした接合構造であり、内周側と外周側のうちのいずれか一方の接合ラインに接合不良が生じても、他方の接合ラインで内部から外部へのリークが防がれる。しかし、それぞれの接合ラインに接合不良が1箇所ずつ生じた場合にはリークが生じるものであるため、これよりもリーク発生の確率が低い接合構造が望まれている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、リークの確率を従来よりも低減することができる接合構造の提供を目的とする。
(1) 本発明に係る接合構造は、積層される一対の薄板を、連続した接合部で接合することにより、前記接合部で囲まれる前記一対の薄板の間の空間を封止する接合構造であって、前記接合部は、複数回にわたり交差する連続した少なくとも1つの接合ラインと、前記接合ラインの隣接する2つの交差点と当該2つの交差点の間を結ぶ前記接合ラインとにより囲まれる複数の空間領域と、を備える。
上記(1)によれば、複数の空間領域のそれぞれは、内周側および外周側の接合ラインで封止された構造を有する。このため、1つの空間領域を形成する内周側および外周側の双方の接合ラインがともに接合不良にならない限り、接合部全体としてはリークが生じない。このため、接合部のリークの確率を従来よりも低減することができる。
(2) (1)に記載の接合構造において、2つの前記接合ラインが所定の間隔で互いに交差しながら延在している。
(3) (2)に記載の接合構造において、前記接合ラインは波状である。
上記(2)および(3)によれば、2つの接合ラインによって複数の空間領域を容易かつ確実に形成することができる。
(4) (1)に記載の接合構造において、1つの前記接合ラインが互いに重なる複数のループ部を有する状態に延在している。
上記(4)によれば、接合ラインが1つであるため複数の空間領域を効率よく形成することができる。
(5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の接合構造において、前記一対の薄板の外周部に前記接合部を有する。
上記(5)によれば、本発明では上記のようにリークの確率が低減するため、外周部の接合部に適用することでリークを効果的に抑えることができる。
(6) 本発明に係る燃料電池用セパレータは、膜電極構造体に積層される燃料電池用セパレータであって、薄板状の第1セパレータと、前記第1セパレータに積層されて接合される薄板状の第2セパレータと、を備え、前記第1セパレータと第2セパレータとが、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の接合構造により接合されている。
上記(6)によれば、互いに接合される第1および第2セパレータを備える燃料電池用セパレータの接合構造において、リークの確率を低減させることができる。
本発明によれば、リークの確率を従来よりも低減することができる接合構造と、そのような接合構造を備えた燃料電池用セパレータを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る接合構造が適用されたセパレータを備える燃料電池の発電セルを示す分解斜視図である。 上記発電セルの積層構造を示す一部縦断面図であって、図1のII−II断面図である。 上記セパレータを示す平面図である。 図3のIVで示す部分の拡大図である。 接合ラインの変形例を示す図である。 接合ラインの他の変形例を示す図である。 図6に示す接合ラインをレーザ溶接で形成する例を示す図である。 接合ラインのリークの確率を従来技術と本発明とを比較して説明する図である。
以下、図面を参照して本発明を燃料電池スタックのセパレータに適用した一実施形態を説明する。
図1は単位燃料電池を構成する発電セル10の分解斜視図であり、図2は発電セル10の積層構造を示す図であって図1のII−II断面を示している。
図1および図2に示すように、発電セル10は、膜電極構造体20と、膜電極構造体20を挟持する燃料電池用セパレータとしての接合セパレータ30と、を備える。複数の発電セル10が、図1において例えば矢印Aで示す水平方向、または矢印Cで示す重力方向に積層され締結されることにより、不図示の燃料電池スタックが構成される。本実施形態の発電セル10の積層体である燃料電池スタックは、例えば燃料電池電気自動車の車載用燃料電池スタックとして用いられるが、用途はそれに制限されない。
図2に示すように、膜電極構造体20は、電解質膜21と、電解質膜21の一方側の面に積層されたカソード電極22と、電解質膜21の他方側の面に積層されたアノード電極23と、を備える。
電解質膜21は、例えばパーフルオロスルホン酸の薄膜に水が含浸された長方形状の固体高分子電解質膜(陽イオン膜)である。
カソード電極22およびアノード電極23は、それぞれ、長方形状のカーボンペーパーからなるガス拡散層22a、23aと、白金合金が表面に担持された多孔質カーボン粒子をガス拡散層22a、23a上に塗布することで形成された触媒層22b、23bと、を備える。カソード電極22およびアノード電極23は、それぞれ、触媒層22b、23bが電解質膜21に接触するように、ガス拡散層22a、23aを外側に向けて電解質膜21に積層されている。
接合セパレータ30は、膜電極構造体20の両面のうちの一方の面側に配置される長方形状の第1セパレータ31と、他方の面側に配置される長方形状の第2セパレータ32と、を有する。第1セパレータ31および第2セパレータ32は、薄板の一例である。積層された発電セル10において隣接する発電セル10の一方側の発電セル10の第1セパレータ31と、他方側の第2セパレータ32とが、本実施形態の接合構造により一体に接合される。
第1セパレータ31および第2セパレータ32は、例えば、鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、アルミニウム合金板等の金属製の薄板により構成される。第1セパレータ31および第2セパレータ32は、そのような金属からなる板材を波型状にプレス成形して製造される。第1セパレータ31および第2セパレータ32の厚さは、例えば0.5mm前後とされるが、この程度の厚さに限定されない。第1セパレータ31および第2セパレータ32は、好ましくはその表面に防食処理が施される。
図2に示すように、第1セパレータ31はカソード電極22のガス拡散層22aに接触し、第2セパレータ32はアノード電極23のガス拡散層23aに接触している。発電セル10は、第1セパレータ31とカソード電極22との間に複数の酸化剤ガス流路11を有し、第2セパレータ32とアノード電極23との間に燃料ガス流路12を有する。また、発電セル10は、互いに接合する第1セパレータ31と第2セパレータ32との間に、冷却水等の冷媒が流される複数の冷媒流路13を有する。
図2に示すように、第1セパレータ31は、外周部に酸化剤ガス流路11をシールするための第1凸条部311を有し、第2セパレータ32は、外周部に燃料ガス流路12をシールするための第2凸条部321を有する。これら凸条部311、321は、膜電極構造体20のカソード電極22およびアノード電極23の外側に位置し、互いに対向するように電解質膜21に向かって突出している。第1凸条部311および第2凸条部321の互いに対向する先端部が、電解質膜21との間にそれぞれ樹脂材からなるシール15を挟んで電解質膜21を押圧して挟持している。これにより、酸化剤ガスおよび燃料ガスの外部へのリークが防止されるようになっている。
図1に示すように、発電セル10は、図1において長さ方向の両端部、すなわち矢印B方向のB1側の端部およびB2側の端部のそれぞれに、積層方向(矢印A方向)に互いに連通する複数の孔からなる第1連通孔群41および第2連通孔群42を有する。
第1連通孔群41は、第1セパレータ31、第2セパレータ32および膜電極構造体20の電解質膜21のそれぞれに形成された互いに連通する3つの孔を1組とする5つの連通孔41a、41b、41c、41d、41eを有する。第2連通孔群42は、第1セパレータ31、第2セパレータ32および膜電極構造体20の電解質膜21のそれぞれに形成された互いに連通する3つの孔を1組とする5つの連通孔42a、42b、42c、42d、42eを有する。第1連通孔群41の連通孔41a〜41e、第2連通孔群42の連通孔42a〜42eは、それぞれC方向にほぼ沿って配置されている。
第1セパレータ31、第2セパレータ32および膜電極構造体20の電解質膜21のそれぞれに形成された連通孔41a〜41eおよび連通孔42a〜42eは、酸化剤ガス流路11に連通する酸化剤ガスの入口連通孔および出口連通孔と、燃料ガス流路12に連通する燃料ガスの入口連通孔および出口連通孔と、冷媒流路13に連通する冷媒の入口連通孔および出口連通孔と、に適宜に分けられて機能する。
第1セパレータ31および第2セパレータ32の互いの対向面における各連通孔41a〜41eおよび連通孔42a〜42eの周囲等の必要箇所には、各反応ガス(酸化剤ガスと燃料ガス)および冷媒が混じったりリークしたりしないように、不図示のシール部が設けられる。当該シール部は、レーザ溶接やろう付け等の手段で設けることができる。
図2および図3に示すように、本実施形態の接合セパレータ30の第1セパレータ31と第2セパレータ32とは、外周部が本実施形態に係る接合構造を構成する接合部50で接合されている。以下、当該接合構造を説明する。
本実施形態に係る接合構造は、積層される一対の薄板である第1セパレータ31および第2セパレータ32を、連続した接合部50で接合することにより、接合部50で囲まれる各セパレータ31、32の間の空間を封止する構造である。接合部50は、接合セパレータ30の外周縁に沿って周回するように連続している。
図4に示すように、接合部50は、複数回にわたり交差する連続した2つの接合ラインである第1接合ライン51および第2接合ライン52と、各接合ライン51、52の交差する複数の交差点において隣接する2つの交差点53と当該2つの交差点53の間を結ぶ各接合ライン51、52とにより囲まれる複数の楕円状の空間領域54と、を備える。
第1接合ライン51および第2接合ライン52のそれぞれは、同じ波長で互いに交差する状態に形成された波状であって、所定の間隔で交差しながら接合セパレータ30の外周部に延在している。接合部50は、上述した第1連通孔群41の各連通孔41a〜41eおよび第2連通孔群42の各連通孔42a〜42eを含む第1接合ライン51と第2接合ライン52との間の空間を全体的に囲んで封止する。
第1接合ライン51および第2接合ライン52により形成される複数の空間領域54の長さ(接合部50の延在する方向に沿った長さ)、幅といった寸法は任意であるが、例えば、長さ:0.5〜5.0mm、幅:0.5〜2.0mmといった寸法が挙げられる。また、空間領域54の数も任意であるが、例えば100個〜数百個といった数が挙げられる。
第1接合ライン51および第2接合ライン52は、本実施形態ではレーザ溶接によって連続的に形成されたレーザ溶接ビードである。なお、接合ラインとしてはレーザ溶接ビードに限定されず、レーザ溶接以外の溶接(例えば、TIG溶接、MIG溶接、シーム溶接等)によって形成された溶接ビードであってもよいし、摩擦撹拌接合やろう付け、接着剤やシーリング材等によって形成された接合部であってもよい。
以上の構成を備える本実施形態に係る発電セル10は、以下のように動作する。
第1連通孔群41の各連通孔41a〜41eおよび第2連通孔群42の各連通孔42a〜42eのうちの酸化剤ガス入口連通孔として設定された連通孔から、酸化剤ガス(例えば、空気)が供給され、その酸化剤ガスが酸化剤ガス流路11を流通する。これにより、カソード電極22に酸化剤ガスが供給される。
第1連通孔群41の各連通孔41a〜41eおよび第2連通孔群42の各連通孔42a〜42eのうちの燃料ガス入口連通孔として設定された連通孔から、燃料ガスとして水素ガスを含むガスが供給され、燃料ガス流路12を流通する。これにより、アノード電極23に燃料ガスが供給される。
第1連通孔群41の各連通孔41a〜41eおよび第2連通孔群42の各連通孔42a〜42eのうちの冷媒入口連通孔として設定された連通孔から、冷媒(純水、エチレングリコール、オイル等)が供給され、冷媒流路13を流通する。
膜電極構造体20では、カソード電極22に供給された酸化剤ガスと、アノード電極23に供給された燃料ガスとの電気化学反応が進行することで、発電が行われる。発電による発熱で加熱された膜電極構造体20は、冷媒流路13を流通する冷媒により冷却される。
カソード電極22に供給されて消費された酸化剤ガスは、酸化剤ガス流路11から所定の酸化剤ガス出口連通孔へと流動して排出される。同時に、アノード電極23に供給されて消費された燃料ガスは、燃料ガス流路12から所定の燃料ガス出口連通孔へと流動して排出される。冷媒は、冷媒流路13を流通した後、所定の冷媒出口連通孔へと流動して排出される。
以上説明した本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
燃料電池の発電セル10を構成する接合セパレータ30において、第1セパレータ31および第2セパレータ32の外周部を接合する本実施形態に係る接合構造は、積層される一対の第1セパレータ31および第2セパレータ32を、連続した接合部50で接合することにより、接合部50で囲まれる一対の薄板の間の空間を封止する接合構造であって、接合部50は、複数回にわたり交差する連続した第1接合ライン51および第2接合ライン52と、第1接合ライン51および第2接合ライン52の隣接する2つの交差点53と当該2つの交差点53の間を結ぶ各接合ライン51、52とにより囲まれる複数の空間領域54と、を備える。
これにより、複数の空間領域54のそれぞれは、内周側および外周側の各接合ライン51、52で封止された構造を有する。このため、1つの空間領域54を形成する内周側および外周側の双方の接合ライン51、52がともに接合不良にならない限り、接合部50全体としてはリークが生じない。このため、接合セパレータ30の接合部50においてリークの確率を従来よりも低減することができる。
本実施形態では、2つの接合ラインである第1接合ライン51および第2接合ライン52が、所定の間隔で互いに交差しながら延在している。
これにより、2つの接合ラインである第1接合ライン51および第2接合ライン52によって複数の空間領域54を容易かつ確実に形成することができる。
本実施形態では、第1接合ライン51および第2接合ライン52は波状である。
これにより、例えば第1接合ライン51および第2接合ライン52をレーザ溶接のビードで形成する場合、各ライン51、52は複雑に曲がったラインではないためレーザの走査を円滑かつ迅速に行うことができる。このため、複数の空間領域54を容易かつ確実に形成することができる。
本実施形態では、一対の薄板である第1セパレータ31および第2セパレータ32の外周部に接合部50を有する。
これにより、本実施形態では上記のようにリークの確率が低減するため、外周部の接合部50に適用することでリークを効果的に抑えることができる。
図5および図6は、接合部50の変形例をそれぞれ示している。図5に示す接合部50は、第1接合ライン51および第2接合ライン52がジグザグ状に延在し、隣接する2つの交差点53の間の各空間領域54が矩形状(菱形状)の形状を有している。
図6に示す接合部50は、1つの接合ライン55が互いに重なる複数の円形状のループ部55Aを有する状態に延在している。この場合、隣接するループ部55Aが交わって1つのループ部55Aに複数の空間領域54が形成される。図6に示す接合部50では、1つの接合ライン55によりより多くの空間領域54を効率よく形成することができる。
図7は、図6で示した1つの接合ライン55をレーザ溶接機60のレーザ60aで形成している状態を示している。このように接合ライン55が1つである場合、例えばレーザ溶接機60を回転させながら走査していくことにより、外周部を1周することで効率的に接合部50を設けることができる。この場合、接合セパレータ30側を回転させてもよく、レーザ溶接機60と接合セパレータ30とを相対的に回転させればよい。
なお、空間領域の形状は、楕円状、円形所、矩形状等に限定されず、様々な態様であってよい。また、接合ラインは、交差点の間の部分において図5で示したように直線の組み合わせ、円弧状、波状、ジグザグ状等、様々な態様であってよい。
次に、図8を参照して本発明の優位性を従来技術と比較して検証する。
図8は、単純形状の長方形状の接合セパレータの外周部に沿ってレーザ溶接部による連続した接合ラインを形成する場合において、接合ラインが、一本の直線的な接合ラインからなる「一本の接合ライン」、二本の平行で直線的な接合ラインからなる「二重の接合ライン」、上記実施形態で示したような二重の波線が連続的に交差した「実施形態の接合ライン」のそれぞれにおける、リークの確率を求める式(1)、(2)、(3)を示している。
図8では、接合ラインが欠損するなどの接合不良によって発生するリークの確率が、接合ラインの総長さLp(m)に1個所の確率、すなわち1/Lpでリークが発生すると想定している。例えば、Lpを15mとした場合、従来技術の「一本の接合ライン」の接合ラインの総長さをLとすると、リーク発生の確率は図8の(1)式:L/Lpから求められる。例えばLが3(m)の場合のリーク発生の確率は、3/15、すなわち20%となる。
従来の技術の「二重の接合ライン」において、内側の接合ラインの長さをLin、外側の接合ラインの長さをLoutとすると、リーク発生の確率は図8の(2)式から求められ、およそL/Lpとなる。
これに対し、「実施形態の接合ライン」では、リーク発生の確率は図8の(3)式から求められ、およそLs2 L/Lps1となる。
ここで、図8に示す3種の接合ラインを対比すると、従来技術の「一本の接合ライン」の場合のリーク発生の確率(20%)を1とした場合、「二重の接合ライン」はL/Lp、「実施形態の接合ライン」はLs2 /LpLs1となる。
図8の(1)〜(3)式で表す各確率について、実際の数値例を挙げて説明する。「一本の接合ライン」のLで示すラインを接合すべき基本的なラインとし、このLを3(m)とする。また、Lpを上記のように15mとする。すると、「一本の接合ライン」では、(1)式よりリーク発生の確率は上記のように20%である。
「二重の接合ライン」においては、内側の接合ラインLinが接合ラインLの内側に形成され、外側の接合ラインLoutが接合ラインLの外側に形成されるとする。内側の接合ラインLinを2.9(m)、外側の接合ラインLoutを3.1(m)とした場合、リーク発生の確率は、(2)式より4%となる。
「実施形態の接合ライン」においては、1つの空間領域の長さLs1が1(mm)、接合ラインLs2の長さが1.4mmとした場合、リーク発生の確率は、(3)式よりおよそ0.0026%である。
したがって、実施形態のような第1接合ライン51と第2接合ライン52の交差による複数の楕円状の空間領域54を有する接合部によれば、単純な一本の接合ラインに対して約1万分の1の確率に低減することができる。これは、複数の微細な1つの空間領域54を構成する内側および外側の一対の接合ラインがともに接合不良になった時点ではじめてリークとなるからであって、その一対の接合ラインがともに接合不良になる確率がきわめて低いことによる。
本発明は上記実施形態に制限はされず、本発明の範囲内で適宜な変形や改良が可能である。また、本発明は燃料電池用のセパレータに限らず、一対の薄板を接合して内部を封止する構造であれば、様々な分野の部品に適用することができる。
20 膜電極構造体
30 接合セパレータ(燃料電池用セパレータ)
31 第1セパレータ(薄板)
32 第2セパレータ(薄板)
50 接合部
51 第1接合ライン(接合ライン)
52 第2接合ライン(接合ライン)
53 交差点
54 空間領域
55 接合ライン
55A ループ部

Claims (6)

  1. 積層される一対の薄板を、連続した接合部で接合することにより、前記接合部で囲まれる前記一対の薄板の間の空間を封止する接合構造であって、
    前記接合部は、複数回にわたり交差する連続した少なくとも1つの接合ラインと、
    前記接合ラインの隣接する2つの交差点と当該2つの交差点の間を結ぶ前記接合ラインとにより囲まれる複数の空間領域と、を備える接合構造。
  2. 2つの前記接合ラインが所定の間隔で互いに交差しながら延在している請求項1に記載の接合構造。
  3. 前記接合ラインは波状である請求項2に記載の接合構造。
  4. 1つの前記接合ラインが互いに重なる複数のループ部を有する状態に延在している請求項1に記載の接合構造。
  5. 前記一対の薄板の外周部に前記接合部を有する請求項1〜4のいずれかに記載の接合構造。
  6. 膜電極構造体に積層される燃料電池用セパレータであって、
    薄板状の第1セパレータと、
    前記第1セパレータに積層されて接合される薄板状の第2セパレータと、を備え、
    前記第1セパレータと第2セパレータとが、請求項1〜5のいずれかに記載の接合構造により接合されている燃料電池用セパレータ。
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