JP2021154261A - ガス精製装置の運転方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転の開始直後に得られる精製ガスの純度を速やかに高めることができるガス精製装置の運転方法を提供する。【解決手段】3つの吸着塔12(吸着塔12a,吸着塔12b,吸着塔12c)と、真空ポンプ22とを備え、PSA方式により吸着塔12で原料ガスから不純物を吸着・除去する精製工程と、吸着した不純物を脱離させる再生工程とを繰り返してガス精製を行うガス精製装置11の運転方法であって、運転開始時に、次に精製工程が行われる吸着塔12に、内部を真空ポンプ22により真空排気する真空排気処理工程と、内部の圧力が、不純物が吸着する圧力に達するまで原料ガスを供給する加圧処理工程とを順に実施する。【選択図】図1

Description

本発明は、ガス精製装置の運転方法に関し、詳しくは、PSA法によって水素又はヘリウムを精製するガス精製装置の起動時の運転方法に関する。
PSA(Pressure Swing Adsorption)式のガス精製装置は、一般的に、不純物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔で、内部に流した原料ガスから不純物を高圧で吸着・除去させる吸着工程(精製工程)と、吸着した不純物を低圧で吸着剤から脱離させる再生工程とを行いガス精製を行う。また、複数の吸着塔を有する場合、吸着工程と再生工程とを、吸着塔ごとにタイミングをずらして交互に繰り返すことで連続的なガス精製が可能である。
とりわけ、再生工程を大気圧未満の圧力で行う、VPSA(Vacuum Pressure Swing Adsorption)式のものは、通常のPSA式のものに比べて、吸着工程における吸着圧力が低くても高い分離性能が得られるため、例えば、圧縮操作にリスクを伴う水素を生成する場合に多用されている。
PSA及びVPSA式のガス精製装置では、いずれも、運転を一旦停止すると、停止期間中に吸着剤に吸着していた不純物が吸着剤から離れて拡散する。よって、運転を再開するとき、拡散した不純物が精製ガスの供給側に流れて精製ガスの純度を下げることになる。このため、精製ガスが目標の純度に達するまでに時間がかかっていた。
これに対しては、運転の停止時に、吸着工程が終了した吸着塔の不純物の濃度をあらかじめ低減しておき、運転の再開時の不純物の拡散を抑制する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。具体的には、吸着工程中の吸着塔の残留ガスを再生工程中の吸着塔に送って両方の吸着塔の圧力を均一にする均圧操作をするとともに、吸着工程中の吸着塔からガスを抜いて圧力を下げる脱圧操作を行うことで、吸着塔内の不純物の濃度を低減している。
特開2009−154079号公報
しかしながら、特許文献1の方法では、均圧操作によって吸着工程中の吸着塔から再生工程中の吸着塔に流入するガス(均圧ガス)に不純物が含まれるため、再生工程中の吸着塔に不純物が流入する上に、流入した不純物が脱圧操作のみで吸着塔内から全て脱離するわけではなく、脱圧操作後も圧力に応じた量の不純物が吸着塔内に吸着したまま残存するので、運転の停止後の不純物の拡散を完全に防ぐことはできていなかった。
また、停電等による緊急停止時には、均圧操作や脱圧操作を行えないので、吸着塔内の不純物の濃度を低減できないという問題もあった。
そこで本発明は、運転の開始直後に得られる精製ガスの純度を速やかに高めることができるガス精製装置の運転方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明にかかる第1のガス精製装置の運転方法は1つ以上の吸着塔と、真空ポンプとを備え、PSA方式により前記吸着塔で原料ガスから不純物を吸着・除去する精製工程と、前記吸着塔から吸着した不純物を脱離させる再生工程とを繰り返してガス精製を行うガス精製装置の運転方法であって、運転開始時に、次に前記精製工程が行われる前記吸着塔に、内部を前記真空ポンプにより真空排気する真空排気処理工程と、内部の圧力が、不純物が吸着する圧力に達するまで原料ガスを供給する加圧処理工程とを順に実施することを特徴としている。
また、上記目的を達成するため、本発明にかかる第2のガス精製装置の運転方法は、1つ以上の吸着塔と、真空ポンプとを備え、PSA方式により前記吸着塔で原料ガスから不純物を吸着・除去する精製工程と、前記吸着塔から吸着した不純物を脱離させる再生工程とを繰り返してガス精製を行うガス精製装置の運転方法であって、運転開始時に、次に前記精製工程が行われる前記吸着塔に、内部を前記真空ポンプにより真空排気する真空排気処理工程と、内部の圧力が、不純物が吸着する圧力に達するまで精製ガス又は精製ガスと同種類かつ同純度以上の製品ガスを供給する加圧処理工程とを順に実施することを特徴としている。
また、前記真空排気処理工程において、前記真空排気が行われている前記吸着塔に上部から精製ガスを供給すること、前記ガス精製装置から得られる精製ガスは、水素又はヘリウムであることも特徴としている。
本発明によれば、運転停止中に各吸着塔内に残存した原料ガスが拡散して、精製工程前の吸着塔内に不純物が吸着している場合であっても、運転再開前には、吸着した不純物が除去されるとともに不純物を即座に吸着できる状態になるので、運転の開始直後に得られる精製ガスの純度を速やかに高めることができる。
本発明の一形態例が適用されるガス精製装置の構成を示す系統図である。 図1のガス精製装置のバルブシーケンスの一例を示すタイムチャートである。 図1のガス精製装置の起動前後の処理を示すブロック図である。 図3の真空排気処理のガスフローを示す系統図である。 図3で原料ガスを供給する場合の加圧処理のガスフローを示す系統図である。 図3で精製ガスを供給する場合の加圧処理のガスフローを示す系統図である。 図3の運転前処理の有無によるガス精製速度の差を比較した実験結果を示すグラフである。 本発明の他の形態例が適用されるガス精製装置の構成を示す系統図である。 図9のガス精製装置における真空排気処理のガスフローを示す系統図である。 図9のガス精製装置における原料ガスを供給する場合の加圧処理のガスフローを示す系統図である。 図9のガス精製装置における精製ガスを供給する場合の加圧処理のガスフローを示す系統図である。
図1は、本発明の一形態例が適用されるガス精製装置11の構成を示す系統図である。ガス精製装置11は、PSA方式によって水素又はヘリウムを含む原料ガスから不純物を分離して高純度の水素又はヘリウムを精製ガスとして得る装置である。
図1に示されるように、ガス精製装置11は、不純物を吸着する吸着剤が充填された吸着塔12を3つ(吸着塔12a、吸着塔12b、吸着塔12c)備え、原料ガス供給源13から原料ガスの供給を受けるとともに、吸着塔12から再生工程等で排出されるオフガスをオフガス排出部14に送り、吸着塔12から精製工程で供給される精製ガスを精製ガス貯留タンク15で一時的に留めてから製品ガスとして製品ガス供給部16に送るように構成されている。
ガス精製装置11の具体的な配管構成は以下の通りである。各吸着塔12(12a,12b,12c)は、それぞれの下端部に下部配管17(17a,17b,17c)を備えており、それぞれの上端部に上部配管18(18a,18b,18c)を備えている。
また、各上部配管18(18a,18b,18c)には、吸着塔12内のゲージ圧力を検出する圧力計19(19a,19b,19c)が、それぞれ取り付けられている。精製ガス貯留タンク15にも、タンク内部のゲージ圧力を検出する圧力計19dが取り付けられている。
原料ガス供給源13には、原料ガス供給ライン20が接続されており、原料ガス供給ライン20からは、原料ガス分岐ライン20a,20b,20cがそれぞれ分岐して延びている。原料ガス分岐ライン20aは、吸着塔12aの下部配管17aに接続し、原料ガス分岐ライン20bは、吸着塔12bの下部配管17bに接続し、原料ガス分岐ライン20cは、吸着塔12cの下部配管17cに接続している。
オフガス排出部14には、オフガス排出ライン21が接続されており、オフガス排出ライン21からは、オフガス分岐ライン21a,21b,21cがそれぞれ延びている。オフガス分岐ライン21aは、吸着塔12aの下部配管17aに接続し、オフガス分岐ライン21bは、吸着塔12bの下部配管17bに接続し、オフガス分岐ライン21cは、吸着塔12cの下部配管17cに接続している。
また、オフガス排出ライン21には、真空ポンプ22が取り付けられており、各吸着塔12(12a,12b,12c)内を真空排気可能である。
精製ガス貯留タンク15と製品ガス供給部16とは、製品ガス供給ライン23を介して接続されており、精製ガス貯留タンク15には、精製ガス送出ライン24と、再生ガス供給ライン25と、均圧・充圧ガス配送ライン26とが接続されている。
再生ガス供給ライン25には、精製ガス貯留タンク15から再生ガスとして供給される精製ガスの流量を調節する流量調整器27が取り付けられており、均圧・充圧ガス配送ライン26には、精製ガス貯留タンク15から充圧ガスとして供給される精製ガスの送出をオンオフするニードル弁28が取り付けられている。
精製ガス送出ライン24からは、精製ガス分岐ライン24a,24b,24cがそれぞれ延びて、精製ガス分岐ライン24aは、吸着塔12aの上部配管18aに接続し、精製ガス分岐ライン24bは、吸着塔12bの上部配管18bに接続し、精製ガス分岐ライン24cは、吸着塔12cの上部配管18cに接続している。
再生ガス供給ライン25からは、再生ガス分岐ライン25a,25b,25cがそれぞれ延びて、再生ガス分岐ライン25aは、吸着塔12aの上部配管18aに接続し、再生ガス分岐ライン25bは、吸着塔12bの上部配管18bに接続し、再生ガス分岐ライン25cは、吸着塔12cの上部配管18cに接続している。
均圧・充圧ガス配送ライン26からは、均圧・充圧ガス分岐ライン26a,26b,26cがそれぞれ延びて、均圧・充圧ガス分岐ライン26aは、吸着塔12aの上部配管18aに接続し、均圧・充圧ガス分岐ライン26bは、吸着塔12bの上部配管18bに接続し、均圧・充圧ガス分岐ライン26cは、吸着塔12cの上部配管18cに接続している。
また、原料ガス分岐ライン20a,20b,20cには、ぞれぞれ、原料ガス元弁Va1,Vb1,Vc1が取り付けられている。オフガス分岐ライン21a,21b,21cには、ぞれぞれ、オフガス元弁Va2,Vb2,Vc2が取り付けられている。
精製ガス分岐ライン24a,24b,24cには、ぞれぞれ、精製ガス元弁Va3,Vb3,Vc3が取り付けられている。再生ガス分岐ライン25a,25b,25cには、ぞれぞれ、再生ガス元弁Va4,Vb4,Vc4が取り付けられている。均圧・充圧ガス分岐ライン26a,26b,26cには、ぞれぞれ、均圧・充圧ガス元弁Va5,Vb5,Vc5が取り付けられている。
ガス精製装置11には、ガス精製装置11の運転を制御可能な制御部29が設けられている。制御部29は、真空ポンプを動作させることができ、流量調整器27と、ニードル弁28と、各弁(原料ガス元弁Va1,Vb1,Vc1、オフガス元弁Va2,Vb2,Vc2、精製ガス元弁Va3,Vb3,Vc3、再生ガス元弁Va4,Vb4,Vc4、均圧・充圧ガス元弁Va5,Vb5,Vc5)とを制御可能に構成されている。
また、制御部29は、あらかじめ設定された運転スケジュールに基づいてガス精製装置11の運転を行うように設定されている。
図2は、ガス精製装置11の通常の運転時におけるバルブシーケンスの一例を示すタイムチャートである。図2の網掛けが施された期間は弁が開かれた状態を、網掛けが施されていない期間は弁が閉じられた状態を、それぞれ示している。
図2に示されるように、図1のガス精製装置11の制御部29は、あらかじめ設定された運転スケジュールに基づいて、吸着塔12a、吸着塔12b、吸着塔12cのそれぞれにおいて、精製工程と、再生工程と、充圧工程と、均圧工程とを、所定の順序及び時間間隔で繰り返すように設定されている。
より詳細には、吸着塔12a、吸着塔12b、吸着塔12cは、期間T1〜T6において、[T1:精製工程、充圧工程、再生工程→T2:均圧工程、精製工程、均圧工程→T3:再生工程、精製工程、充圧工程→T4:均圧工程、均圧工程、精製工程→T5:充圧工程、再生工程、精製工程→T6:精製工程、均圧工程、均圧工程]と工程を遷移させ、期間T6後は、再び期間T1の工程が開始されるように設定されている。
精製工程では、原料ガス元弁Va1(又は、Vb1、Vc1)と精製ガス元弁Va3(又は、Vb3、Vc3)とが開放されるので、原料ガスが吸着塔12a(又は、12b、12c)内に流されるとともに、吸着剤が不純物を吸着する圧力(以下、吸着圧力と呼ぶ)の下で、不純物が吸着・除去され、精製ガスとして図1の精製ガス貯留タンク15に送られる。
再生工程では、再生ガス元弁Va4(又は、Vb4、Vc4)とオフガス元弁Va2(又は、Vb2、Vc2)とが開放されるので、吸着塔12内が真空排気されるとともに、精製ガス貯留タンク15から精製ガスが再生ガスとして流れ込み、吸着塔12内に吸着した不純物が吸着塔12から脱離して、吸着塔12内に残存する原料ガスとともに吸着塔12から排出される。
充圧工程では、均圧・充圧ガス元弁Va5(又は、Vb5、Vc5)とともに、図1のニードル弁28が開かれ、吸着塔12a(又は、12b、12c)内に吸着圧力に達するまで精製ガスが導入される。
均圧工程では、均圧・充圧ガス元弁Va5,Vb5,Vc5の内の2つが開かれることで、外部からのガスの流入がない状態で、2つの吸着塔12に対して、両塔の内部が連通されて圧力が均一化される。
図3は、ガス精製装置11の起動前後の処理を示すブロック図である。図3に示されるように、図1のガス精製装置11の制御部29は、ガス精製装置11の運転停止後、再び起動して運転を再開するにあたり、運転前処理として、次に精製工程が行われる吸着塔12に対して、真空排気処理30と、加圧処理31とを続けて行った後に、通常の運転を開始するように設定されている。
ここで、真空排気処理30は、吸着塔12をオフガス排出ライン21と通気させて真空ポンプ22により吸着塔12内部のガスを排出する処理であり、例えば、吸着塔12内の圧力が−80kPaGに減圧されるまで継続される。
加圧処理31は、吸着塔12に原料ガス供給ライン20から原料ガスを吸着塔12に吸着圧力となるまで導入する処理であり、例えば、吸着塔12内の圧力が70kPaGに加圧されるまで継続される。
図4は、図3の真空排気処理30のガスフローを示す系統図であり、図5は、図3で原料ガスを供給する場合の加圧処理31のガスフローを示す系統図であり、図6は、図3で精製ガスを供給する場合の加圧処理31のガスフローを示す系統図である。
図4乃至図6では、開放されている弁は白抜き、閉鎖された弁は黒塗りとし、通気可能なラインは実線、通気不可なラインは点線としている。
図4に示されるように、吸着塔12aに対して図3の真空排気処理30が行われる場合、オフガス元弁Va2と、再生ガス元弁Va4とが開放され、精製ガス貯留タンク15から精製ガスが吸着塔12a内に引き込まれるとともに、真空ポンプ22によって吸着塔12a内のガスがオフガスとしてオフガス排出部14へと引き出され、吸着塔12a内に残存する原料ガスや不純物が排出される。なお、真空排気処理は再生ガスなしでもよく、再生ガス元弁Va4が閉鎖していてもよい。
図5に示されるように、吸着塔12aに対して原料ガスによって図3の加圧処理31が行われる場合、原料ガス元弁Va1が開放され、原料ガス供給源13から吸着塔12aに、内部の圧力が吸着圧力に達するまで原料ガスが導入される。
なお、加圧処理31については、原料ガス供給ライン20から原料ガスを吸着塔12に吸着圧力となるまで導入することに代えて、精製ガス貯留タンク15から吸着塔12に精製ガスを吸着圧力となるまで導入するようにしてもよい。精製ガスを用いた方が、原料ガスに含まれる不純物が吸着塔に混入しないため、運転開始後の速やかなガス精製に貢献される。
この場合は、図6に示されるように、吸着塔12aに対して精製ガスによって図3の加圧処理31が行われると、均圧・充圧ガス元弁Va5が開放され、精製ガス貯留タンク15から吸着塔12aに、内部の圧力が吸着圧力に達するまで精製ガスが導入される。
図7は、図3の運転前処理の有無によるガス精製速度の差を比較した実験結果を示すグラフである。この実験において、原料ガスは、水素(H2)ガス75%、窒素(N2)ガス25%からなり、ガス精製装置11は、水素ガスの精製を目的としている。
図7の縦軸は、ガス精製装置11の起動後の精製工程で得られる精製ガスに含まれる、不純物である窒素ガスの濃度を対数表示で表しており、横軸は、ガス精製装置11の起動後の運転時間を表している。
また、図7の各データは、ガス精製装置11が、図2のバルブシーケンスにおいて、期間T5を終えて運転を停止した後に、期間T6から運転を再開して得られる精製ガスの純度の時間変化を、運転前処理の有無及び条件を変えて計測してプロットしたものであり、予測値を算定できるように近似曲線によって外挿されている。
第一データ系列と第二データ系列とは、運転しているガス精製装置11を、期間T5の工程を終えた際に一旦停止させ、3ヶ月経過させた後に起動してからデータの取得を開始している。
第一データ系列の方は、起動後、運転前処理をせずに、期間T6の工程を開始した場合のデータであり、第二データ系列の方は、起動後、運転前処理として、吸着塔12aを真空排気処理30により15分間、−80kPaGに減圧した後に、吸着塔12aに原料ガスを、塔内の圧力が70kPaGに加圧されるまで導入してから、期間T6の工程を開始した場合のデータである。
第三データ系列と第四データ系列とは、運転しているガス精製装置11を、期間T5の工程を終えた際に一旦停止させ、各吸着塔12を真空排気するとともに、各吸着塔12内の圧力が70kPaGになるまで窒素ガスを充填し、20時間経過させた後に起動してからデータの取得を開始している。
第三データ系列の方は、起動後、運転前処理をせずに、期間T6の工程を開始した場合のデータであり、第四データ系列の方は、起動後、運転前処理として、吸着塔12aを真空排気処理30により15分間、−80kPaGに減圧した後に、吸着塔12aに原料ガスを、塔内の圧力が70kPaGに加圧されるまで導入してから、期間T6の工程を開始した場合のデータである。
図7に示されるように、第一データ系列と第二データ系列とを比較すると、3ヶ月間の長期停止後の起動操作において、精製純度99.999%以上の水素ガスが得られるまでの時間が、運転前処理を行わなかった第一データ系列では約13時間必要であったのに対し、運転前処理を行った第二データ系列では約5時間に短縮されている。
また、第三データ系列と第四データ系列とを比較すると、装置納入時のように、起動前に各吸着塔12内に窒素ガスが充填されている条件下においても、精製純度99.99%以上の水素ガスが得られるまでの時間が、運転前処理を行わなかった第三データ系列では、約10時間必要であったと予測されるのに対し、運転前処理を行った第四データ系列では約10分に短縮されている。
第一データ系列と第2データ系列との比較から分かるように、一旦停止した運転を再開する際に、次に精製工程が行われる吸着塔12に対して、内部を真空ポンプ22により真空排気をした後に、内部の圧力が吸着圧力に達するまで原料ガスを供給することによって、運転停止中に各吸着塔12内に残存した原料ガスが拡散して、精製工程前の吸着塔12内に吸着していた不純物の影響で、精製ガスの純度が安定するまでに必要だった時間を短縮することが可能となっている。
また、第三データ系列と第四データ系列との比較から分かるように、装置納入時のような吸着塔内に窒素ガスが充填されている条件においても、精製ガスの純度が安定するまでに必要な時間が短縮できることから、本発明のガス精製装置の運転方法が、納入直後の運転にも効果があることが分かる。
図8は、本発明の他の形態例が適用されるガス精製装置41の構成を示す系統図である。
図8に示されるように、ガス精製装置41は、図1のガス精製装置11と同様にPSA方式によって水素又はヘリウムを含む原料ガスから不純物を分離して高純度の水素又はヘリウムを精製ガスとして得る装置であるが、吸着塔12は、吸着塔12aと吸着塔12bとの2つであり、均圧・充圧ガス配送ライン26が設けられていない点が異なっている。
また、ガス精製装置41の制御部29は、図3に示したガス精製装置11の起動前後の処理と同様の処理を行うように設定されており、ガス精製装置41の運転停止後、再び起動して運転を再開するにあたり、運転前処理として、次に精製工程が行われる吸着塔12に対して、真空排気処理30と、加圧処理31とを続けて行った後に、通常の運転を開始するように設定されている。
図9は、ガス精製装置41における真空排気処理30のガスフローを示す系統図であり、図10は、図8のガス精製装置41における原料ガスを供給する場合の加圧処理31のガスフローを示す系統図であり、図11は、図9のガス精製装置41における精製ガスを供給する場合の加圧処理31のガスフローを示す系統図である。
図9乃至図11では、開放されている弁は白抜き、閉鎖された弁は黒塗りとし、通気可能なラインは実線、通気不可なラインは点線としている。
図9に示されるように、吸着塔12aに対して真空排気処理30が行われる場合、オフガス元弁Va2と、再生ガス元弁Va4とが開放され、精製ガス貯留タンク15から精製ガスが吸着塔12a内に引き込まれるとともに、真空ポンプ22によって吸着塔12a内のガスがオフガスとしてオフガス排出部14へと引き出され、吸着塔12a内に残存する原料ガスや不純物が排出される。
図10に示されるように、吸着塔12aに対して原料ガスによって図3の加圧処理31が行われる場合、原料ガス元弁Va1が開放され、原料ガス供給源13から吸着塔12aに、内部の圧力が吸着圧力に達するまで原料ガスが導入される。
図11に示されるように、吸着塔12aに対して精製ガスによって図3の加圧処理31が行われる場合、再生ガス元弁Va4が開放され、精製ガス貯留タンク15から吸着塔12aに、内部の圧力が吸着圧力に達するまで精製ガスが導入される。
このように、本発明の、ガス精製装置11、41の運転方法によれば、一旦停止した運転を再開する際に、次に精製工程が行われる吸着塔12に対して、内部を真空ポンプ22により真空排気をした後に、内部の圧力が吸着圧力に達するまで原料ガス又は精製ガスが供給される。
したがって、運転停止中に各吸着塔12内に残存した原料ガスが拡散して、精製工程前の吸着塔12内に不純物が吸着している場合であっても、運転再開前には、吸着した不純物が除去されるとともに不純物を即座に吸着できる状態になるので、運転の開始直後に得られる精製ガスの純度を速やかに高めることができる。
なお、本発明は、以上の形態例に限定されることなく、発明の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、本形態例では、ガス精製装置の吸着塔は、2つ又は3つが設けられているが、必ずしも吸着塔の数が2つ又は3つに限られるわけではなく、吸着塔が一つの場合も含めて任意の数にしてよい。
また、本形態例では、真空排気処理において、次に精製工程を行う吸着塔のみ真空排気するようにしているが、必ずしも真空排気を次に精製工程を行う吸着塔のみに限定する必要はなく、次に精製工程を行う吸着塔とともに他の吸着塔について真空排気してもよく、あるいは全ての吸着塔について真空排気するようにしてもよい。
また、本形態例では、加圧処理において、吸着塔に原料ガス又は精製ガスを供給しているが、吸着塔の内部の圧力を吸着圧力まで高められるのであれば、他のガスを供給してもよく、例えば、精製ガスと同種類かつ同純度以上の製品ガスを充填したボンベから供給してもよい。この場合も精製ガスと同様に、吸着塔の上部から導入することにより、速やかなガス精製に貢献される。
なお、本発明の運転方法が適用されるガス精製装置の精製対象として、上述の形態例で水素又はヘリウムとしている理由は、分子径が大きい場合には真空排気処理をする時間を要してしまうためで、分子径の小さい水素又はヘリウムにおいて、本発明の効果を十分に発揮できるからである。
11…ガス精製装置 12…吸着塔 12a…吸着塔 12b…吸着塔 12c…吸着塔 13…原料ガス供給源 14…オフガス排出部 15…精製ガス貯留タンク 16…製品ガス供給部 17(17a,17b,17c)…下部配管 18(18a,18b,18c)…上部配管 19(19a,19b,19c,19d)…圧力計 20…原料ガス供給ライン 20a,20b,20c…原料ガス分岐ライン 21…オフガス排出ライン 21a,21b,21c…オフガス分岐ライン 22…真空ポンプ 23…製品ガス供給ライン 24…精製ガス送出ライン 24a,24b,24c…精製ガス分岐ライン 25…再生ガス供給ライン 25a,25b,25c…再生ガス分岐ライン 26…均圧・充圧ガス配送ライン 26a,26b,26c…均圧・充圧ガス分岐ライン 27…流量調整器 28…ニードル弁 29…制御部 30…真空排気処理 31…加圧処理 41…ガス精製装置
Va1,Vb1,Vc1…原料ガス元弁 Va2,Vb2,Vc2…オフガス元弁 Va3,Vb3,Vc3…精製ガス元弁 Va4,Vb4,Vc4…再生ガス元弁 Va5,Vb5,Vc5…均圧・充圧ガス元弁

Claims (4)

  1. 1つ以上の吸着塔と、真空ポンプとを備え、PSA方式により前記吸着塔で原料ガスから不純物を吸着・除去する精製工程と、前記吸着塔から吸着した不純物を脱離させる再生工程とを繰り返してガス精製を行うガス精製装置の運転方法であって、
    運転開始時に、次に前記精製工程が行われる前記吸着塔に、内部を前記真空ポンプにより真空排気する真空排気処理工程と、内部の圧力が、不純物が吸着する圧力に達するまで原料ガスを供給する加圧処理工程とを順に実施することを特徴とするガス精製装置の運転方法。
  2. 1つ以上の吸着塔と、真空ポンプとを備え、PSA方式により前記吸着塔で原料ガスから不純物を吸着・除去する精製工程と、前記吸着塔から吸着した不純物を脱離させる再生工程とを繰り返してガス精製を行うガス精製装置の運転方法であって、
    運転開始時に、次に前記精製工程が行われる前記吸着塔に、内部を前記真空ポンプにより真空排気する真空排気処理工程と、内部の圧力が、不純物が吸着する圧力に達するまで精製ガス又は精製ガスと同種類かつ同純度以上の製品ガスを供給する加圧処理工程とを順に実施することを特徴とするガス精製装置の運転方法。
  3. 前記真空排気処理工程において、前記真空排気が行われている前記吸着塔に上部から精製ガスを供給することを特徴とする請求項1又は2記載のガス精製装置の運転方法。
  4. 前記ガス精製装置から得られる精製ガスは、水素又はヘリウムであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載のガス精製装置の運転方法。
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