[第1実施形態]
以下、図1〜図6を参照して、第1実施形態に係る締結工具システム1Aについて説明する。
図1に示すように、締結工具システム1Aは、締結工具本体2Aと、締結工具本体2Aに連結された容器6Aと、容器6Aを介して締結工具本体2Aに連結された集塵機7とを含む。締結工具本体2Aは、ファスナを使用して作業材を締結するように構成された電動工具である。より詳細には、締結工具本体2Aは、周知のファスナの一例であるブラインドリベット(図3参照)を使用して作業材を締結するように構成されており、リベッタとも称される。容器6Aは、締結作業でブラインドリベットから分離されるピンの一部を収容可能な容器である。集塵機7は、締結工具本体2Aとは別個独立の装置であるが、本実施形態では、容器6Aを介して締結工具本体2Aに連結され、締結工具本体2Aと共に締結工具システム1Aを構成している。
まず、締結工具本体2A、容器6Aおよび集塵機7の概略構成について説明する。
図2に示すように、締結工具本体2Aの外郭は、主に、ハウジング20と、ハウジング20に保持されたノーズ5とによって形成されている。
ハウジング20は、側面視略T字状に形成された中空体であって、駆動機構収容部21と、把持部23と、コントローラ収容部25とを含む。駆動機構収容部21は、矩形箱状に形成された部分であって、所定の駆動軸A1に沿って延在する。駆動機構収容部21は、モータ31および駆動機構4を収容する。把持部23は、使用者によって把持される長尺筒状の部分であって、駆動機構収容部21の長軸方向における略中央部から、駆動軸A1に交差する方向(詳細には、概ね直交する方向)に突出している。把持部23には、使用者による押圧操作(引き捜査)が可能なトリガ231が設けられている。コントローラ収容部25は、矩形箱状に形成された部分であって、把持部23の突出端に接続している。コントローラ収容部25は、コントローラ36を収容する。また、コントローラ収容部25には、充電式のバッテリ28を着脱可能である。
ノーズ5は、駆動機構収容部21の長軸方向(駆動軸A1の延在方向)における一端部から、駆動軸A1に沿って突出している。使用者がブラインドリベットをノーズ5の先端部に係合させ、トリガ231を引き操作すると、モータ31が駆動され、ブラインドリベットによって作業材が締結される。
容器6Aは、駆動軸A1の延在方向において、駆動機構収容部21のノーズ5と反対側の端部に取り外し可能に連結されている。容器6Aの内部空間は、締結工具本体2A内を延在する通路201と通じている。
図1に示すように、集塵機7は、定置式の集塵機である。なお、ここでいう「定置式」とは、床、地面、天板等の何らかの面上に配置された状態で使用される前提のタイプであることを意味し、必ずしも面上に固定されていることを要するものではない。集塵機7は、ホース72Aを通して空気と共に塵埃等を吸引し、収集するように構成されている。本実施形態では、集塵機7は、連結カバー65Aを介して容器6Aに連結されており、空気と共にブラインドリベットから分離されたピンの一部を吸引することで、容器6Aに導くことが可能である。
以下、締結工具システム1Aの詳細構成について説明する。
ここでまず、図3を参照して、締結工具本体2Aで使用可能なブラインドリベットについて、ブラインドリベット9(以下、単にリベット9という)を例に挙げて説明する。図3に示すように、リベット9は、一体的に形成されたピン91とスリーブ95とで構成されている。
スリーブ95は、全体としては円筒状の筒状体である。スリーブ95は、軸方向における一端部から径方向外側に突出するフランジ953を有する。
ピン91は、スリーブ95を貫通し、スリーブ95の両端から突出する棒状体である。ピン91は、軸部911と、軸部911の一端部に形成されたヘッド915とを含む。ヘッド915は、スリーブ95の内径よりも大径に形成され、フランジ953とは反対側のスリーブ95の端部から突出するように配置されている。軸部911は、スリーブ95を貫通して、フランジ953側の端部から軸方向に突出している。軸部911のうち、スリーブ95内に配置された部分には、破断用の小径部912が形成されている。小径部912は、他の部分よりも比較的強度の弱い部分であり、ピン91が軸方向に引っ張られると、最初に破断するように構成されている。軸部911のうち、小径部912に対してヘッド915とは反対側の部分を、ピンテール913という。ピンテール913は、軸部911が破断した場合に、ピン91(リベット9)から分離される部分である。
なお、締結工具本体2Aでは、図3で例示されたリベット9のほか、ピン91およびスリーブ95の軸方向の長さや径、小径部912の位置等が異なる複数種類のブラインドリベットが使用可能である。以下の説明では、便宜上、リベット9を例に挙げるが、以下の説明は、他のブラインドリベットにも適用される。
以下、締結工具本体2Aの詳細構成について説明する。なお、以下では、締結工具本体2Aの方向に関して、説明の便宜上、駆動軸A1(または駆動機構収容部21の長軸)の延在方向を前後方向と規定する。前後方向において、ノーズ5が配置されている側を前側、反対側(つまり、容器6Aが配置されている側)を後側と定義する。また、駆動軸A1に直交し、把持部23の長軸の延在方向に対応する方向を上下方向と規定する。上下方向において、把持部23の突出端側(コントローラ収容部25側)を下側、把持部23の基端部側(駆動機構収容部21側)を上側と定義する。また、前後方向および上下方向に直交する方向を左右方向と定義する。
まず、駆動機構収容部21の内部構造について説明する。図4に示すように、駆動機構収容部21には、主に、モータ31と、モータ31によって駆動される駆動機構4が収容されている。
モータ31は、駆動機構収容部21の後端部の下部に収容されている。本実施形態では、モータ31として、ブラシレス直流(DC)モータが採用されている。モータ31は、モータシャフト32の回転軸が、駆動軸A1の下側で駆動軸A1と平行に(つまり、前後方向に)延在するように配置されている。モータシャフト32の後端部には、モータ31冷却用のファン35が固定されている。
駆動機構4は、モータ31の動力によって、後述するジョーアセンブリ53(図4参照)を、駆動軸A1に沿って、ハウジング20およびアンビル51(図4参照)に対して前後方向に移動させるように構成されている。本実施形態では、駆動機構4は、遊星減速機41と、中間シャフト42と、ボールネジ機構43とを含む。以下、これらの構成について、順に説明する。
遊星減速機41は、モータ31の前側に、モータ31と同軸状に配置されている。遊星減速機41は、遊星歯車機構を用いた減速機であって、モータシャフト32から入力されるトルクを増大させ、中間シャフト42に出力するように構成されている。なお、遊星歯車機構の構成自体は周知であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
中間シャフト42は、遊星減速機41の最終出力シャフトに同軸状に連結され、遊星減速機41から前方に延在している。中間シャフト42の前端部には、駆動ギヤ421が固定されている。
ボールネジ機構43は、ナット44と、ネジシャフト45とを主体として構成されている。本実施形態では、ボールネジ機構43は、ナット44の回転運動をネジシャフト45の直線運動に変換して、ジョーアセンブリ53を直線状に移動させるように構成されている。
ナット44は、前後方向の移動が規制され、且つ、駆動軸A1周りに回転可能な状態で、駆動機構収容部21に支持されている。ナット44は、被動ギヤ441を有する。被動ギヤ441は、ナット44の外周部に一体的に設けられ、中間シャフト42の駆動ギヤ421に噛合している。なお、駆動ギヤ421と被動ギヤ441は、減速ギヤ機構として構成されている。
ネジシャフト45は、駆動軸A1周りの回転が規制され、且つ、駆動軸A1に沿って前後方向に移動可能な状態でナット44に係合している。より詳細には、ネジシャフト45は、長尺体として構成され、駆動軸A1に沿って延在するように、ナット44に挿通されている。詳細な図示は省略するが、ナット44の内周面に形成された螺旋溝とネジシャフト45の外周面に形成された螺旋溝によって規定される軌道内には、多数のボールが転動可能に配置されている。ネジシャフト45は、これらのボールを介してナット44に係合している。
このような構成により、モータ31の駆動に伴ってナット44が駆動軸A1周りに回転されると、ネジシャフト45は、駆動軸A1周りの回転が規制された状態で、ナット44およびハウジング20に対して前後方向に直線状に移動する。
また、ネジシャフト45の後端部には、延設シャフト451が同軸状に連結固定され、ネジシャフト45に一体化されている。以下、一体化されたネジシャフト45と延設シャフト451を総称して、駆動シャフト450ともいう。駆動シャフト450は、駆動軸A1に沿って駆動シャフト450を貫通する貫通孔を有する。
更に、ハウジング20(詳細には、駆動機構収容部21)の後壁には、ハウジング20の内部と外部とを連通する開口211が形成されている。開口211は、駆動軸A1上に配置されている。開口211には、円筒状のガイドスリーブ212が嵌めこまれている。ガイドスリーブ212内には、駆動シャフト450の後端部が配置されている。ガイドスリーブ212は、駆動シャフト450の後端部を駆動軸A1に沿って摺動案内するように構成されている。
更に、ハウジング20(詳細には、駆動機構収容部21)の後端部には、開口211を取り巻くように構成された筒状の容器連結部22が設けられている。容器連結部22は、容器6Aを着脱可能に構成されている。より詳細には、容器連結部22の内周部は、容器6Aに形成された雄ネジ部611に係合可能な雌ネジ部221として構成されている。
また、ネジシャフト45の後端部には、磁石480が固定されている。一方、駆動機構収容部21には、検出機構48が設けられている。本実施形態では、検出機構48は、第1センサ481および第2センサ482の2つのセンサを含む。第2センサ482は、第1センサ481よりも後方に配置されている。なお、本実施形態では、第1センサ481および第2センサ482は、何れも、ホール素子を備えたホールセンサとして構成されている。第1センサ481および第2センサ482は、何れも電線(図示略)を介してコントローラ36(図2参照)に電気的に接続されており、磁石480が所定の検出範囲内に配置されている場合、所定の検出信号をコントローラ36へ出力するように構成されている。
以下、把持部23の内部構造について説明する。図2に示すように、把持部23の上端部の前側には、トリガ231が設けられている。把持部23の内部には、スイッチ233が収容されている。スイッチ233は、トリガ231が押圧されていない間はオフ状態で維持され、トリガ231が所定量押圧されるとオン状態とされる。スイッチ233は、把持部23内を延在する電線(図示略)によって、コントローラ36に接続されており、オン状態とされている間、トリガ231の操作量(押圧量)を示す信号(以下、トリガ信号という)をコントローラ36に出力するように構成されている。
以下、コントローラ収容部25の内部構造について説明する。図2に示すように、コントローラ収容部25には、無線ユニット38と、コントローラ36とが収容されている。
無線ユニット38は外部機器との無線通信が可能に構成されている。公知の構成のため、詳細な図示は省略するが、本実施形態では、無線ユニット38は、締結工具本体2Aとは別個の装置であって、制御回路、コネクタ、アンテナ等を備える。無線ユニット38は、コントローラ収容部25内に設けられた装着部に取り外し可能に装着されている。無線ユニット38が装着部に装着されると、無線ユニット38は、コネクタを介してコントローラ36に電気的に接続される。但し、無線ユニット38は、取り外し不能に締結工具本体2Aに内蔵されていてもよい。無線ユニット38は、コントローラ36からの制御信号に従って、後述する集塵機7の無線ユニット75に対し、集塵機7を動作させるための信号を送信するように構成されている。
コントローラ36は、締結工具本体2Aの動作を制御するように構成された制御装置である。詳細な図示は省略するが、コントローラ36は、回路基板に搭載されたマイクロコンピュータ等を含む。コントローラ36は、スイッチ233から出力されるトリガ信号、第1センサ481および第2センサ482から出力される検出信号等に基づき、モータ31の駆動を制御するように構成されている。また、コントローラ36は、スイッチ233から出力される信号に基づき、無線ユニット38に制御信号を出力することで、無線ユニット38の動作を制御するように構成されている。
コントローラ収容部25の下端部には、バッテリ装着部27が設けられている。バッテリ装着部27は、バッテリ28を着脱可能に構成されている。バッテリ28は、コントローラ36、モータ31を含む締結工具本体2Aの各部へ電力を供給するための、繰り返し充電が可能な電源であって、バッテリパックとも称される。周知の構成であるため詳細な説明は省略するが、バッテリ装着部27は、バッテリ28をスライド係合可能なレールと、バッテリ28の端子と電気的に接続可能な端子とを備えている。
以下、ノーズ5について説明する。図4に示すように、ノーズ5は、円筒状のアンビル51と、アンビル51内に同軸状に保持されたジョーアセンブリ53とを主体として構成されている。なお、このような構成を有するノーズ5については公知であるため、以下では簡単に説明する。
アンビル51は、駆動軸A1に沿って延在するように、ハウジング20(詳細には、駆動機構収容部21)の前端部に固定部材510によって連結されている。アンビル51は、長尺の円筒状のスリーブ511と、スリーブ511の前端部に固定されたノーズチップ514とを含む。ノーズチップ514の前端部は、リベット9のフランジ953に当接可能にスリーブ511の外部に配置されている。ノーズチップ514の後端部は、スリーブ511内に突出するように配置されている。ノーズチップ514には、ピンテール913を挿入可能な挿入孔が形成されている。
ジョーアセンブリ53は、ジョーケース531と、複数のジョー533と、押圧部材535と、付勢バネ537とを主体として構成されている。
ジョーケース531は、円筒状に形成され、アンビル51のスリーブ511内を駆動軸A1に沿って摺動可能に保持されている。ジョーケース531の前端部は、前方へ向けて内径が小さくなるテーパ部として構成されている。ジョーケース531は、円筒状の連結部材539を介してネジシャフト45の前端部に固定されている。
複数のジョー533は、ジョーケース531のテーパ部の内周面(テーパ面)に整合する外周面(テーパ面)を有し、ジョーケース531のテーパ部内で摺動可能に保持されている。複数のジョー533の中心部(駆動軸A1を中心とする領域)には、ピンテール913を挿入可能な空隙が設けられている。
押圧部材535は、円筒状に形成され、連結部材539内に摺動可能に配置されている。付勢バネ537は、前後方向において、押圧部材535と連結部材539の間に配置されている。ジョー533は、付勢バネ537の付勢力によって押圧部材535を介して前方へ付勢されている。
以上のような構成により、ノーズ5の先端からハウジング20の開口211まで、駆動軸A1に沿ってハウジング20内を前後方向に延在する通路201が形成される。より詳細には、通路201は、ノーズチップ514、ジョーアセンブリ53、駆動シャフト450、およびガイドスリーブ212の内部を延在する空間である。通路201は、リベット9から分離されたピンテール913が通過可能に構成されており、通路201の後端は、容器6Aの内部空間に通じている。
ジョーアセンブリ53が駆動軸A1に沿ってアンビル51に対して後方へ移動すると、付勢バネ537によって前方に付勢されたジョー533に対し、ジョーケース531は後方に移動する。ジョー533のテーパ面とジョーケース531のテーパ面との作用で、複数のジョー533は、径方向に互いに近接するように移動する。これにより、ジョー533によるピンテール913の把持力が増大し、ピンテール913は強固に把持され、後方に引っ張られる。反対に、ジョーアセンブリ53が駆動軸A1に沿って前方に戻されると、ジョー533がノーズチップ514の後端に当接し、ジョーケース531はジョー533に対して前方に移動する。複数のジョー533は、径方向に互いに離間可能となる。これにより、ジョー533によるピンテール913の把持力が低下し、ピンテール913は、外力が付与されるとジョー533から離脱可能となる。
以下、容器6Aについて説明する。
図2に示すように、容器6Aは、ハウジング20(詳細には、駆動機構収容部21)の後端部に、取り外し可能に連結されている。より詳細には、容器6Aは、全体としては、一端が開放され、一端が閉塞された有底円筒状の容器として構成されている。容器6Aは、開放側の端部の外周部に形成された雄ネジ部611が、容器連結部22の雌ネジ部221に螺合されることで、ハウジング20に連結されている。以下、容器6Aの方向については、便宜上、ハウジング20に装着された状態を基準として定義する。つまり、容器6Aの軸方向が前後方向であり、開放端側(雌ネジ部221を有する側)が前側、閉塞端側が後側である。
図5および図6に示すように、本実施形態では、容器6Aは、容器連結部22に着脱可能な本体61Aと、本体61Aに着脱可能な蓋63Aとを含む。
本体61Aは、両端が開放された円筒部材である。本体61Aの前端部には、雄ネジ部611が設けられ、後端部には、雌ネジ部612が設けられている。雌ネジ部612は、容器連結部22の雌ネジ部221(図2参照)と同一形状に形成されている。なお、ここでいう同一形状とは、ネジのピッチ、径、ネジ山の角度が同じことをさすものである。本体61Aの外周部の略中央部には、径方向外側に突出する環状のフランジ617が設けられている。また、本体61Aの外周部の後端部には、複数の円柱状の突起619が設けられている。突起619は、本体61Aの軸周りの周方向において、互いから離間して等間隔で設けられ、本体61Aの外周面から径方向外側に突出している。
本体61Aの後側部分(詳細には、フランジ617よりも後側の部分)には、複数の通気孔615が設けられている。通気孔615は、容器6Aの内部と外部とを連通し、空気の流通を許容する貫通孔である。通気孔615は、リベット9のピンテール913が通過できないように構成されている。本実施形態では、通気孔615は、断面円形の貫通孔であって、通気孔615の径は、締結工具本体2Aで使用可能な複数種類のブラインドリベット(図3のリベット9を含む)のうち、最小径を有するピンテールの径よりも小さく設定されている。通気孔615は、容器6Aの軸周りの周方向において、複数の位置に設けられている。本実施形態では、ハウジング20に連結された容器6Aの上端部、下端部、左端部、右端部の夫々の領域に、複数の通気孔615が、周方向および前後方向に等間隔で配置されている。
蓋63Aは、有底の円筒状部材であって、本体61Aの後端部に取り外し可能に連結され、本体61Aの後端の開口を塞ぐように構成されている。より詳細には、蓋63Aの開放側の端部、つまり前端部には、雄ネジ部631が設けられている。雄ネジ部631は、本体61Aの雄ネジ部611と同一形状に形成されている。蓋63Aの雄ネジ部631が本体61Aの雌ネジ部612に螺合されることで、蓋63Aが本体61Aに連結される。また、締結工具本体2Aの収納時等、容器6Aがハウジング20から取り外された場合には、蓋63Aの雄ネジ部631が容器連結部22の雌ネジ部221に螺合されることで、蓋63Aのみが容器連結部22に装着され、開口211を塞ぐことも可能である。
また、図2、図5および図6に示すように、本実施形態では、容器6Aには、容器6Aの一部を覆う連結カバー65Aが取り外し可能に装着されている。連結カバー65Aは、容器6Aと集塵機7とを連結し、集塵機7によるピンテール913の吸引を可能とするための部材である。以下、連結カバー65Aの詳細構成について説明する。なお、連結カバー65Aの方向については、便宜上、容器6Aに装着された状態を基準として定義する。
連結カバー65Aは、容器6Aの本体61Aに嵌合可能な筒状部66と、筒状部66に着脱可能なホース連結部67とを含む。
筒状部66は、容器6Aの本体61Aよりも大径の円筒部材であって、容器6Aの径方向外側に配置される。筒状部66の内径は、筒状部66の内周面が本体61Aの複数の突起619の突出端に概ね接するように設定されている。なお、突起619は、連結カバー65Aと容器6Aの間の間隔を維持し、容器6Aと連結カバー65Aの間の円滑な空気の流れを確保するために設けられている。このため、突起619の径は比較的小さく、突起619間の間隔は比較的大きい。筒状部66の前端部には、径方向内側に突出する環状のストッパ部661が設けられている。ストッパ部661の後端部には、環状の弾性部材(いわゆるOリング)663が装着されている。また、筒状部66の後端部の外周部には、雄ネジ部665が設けられている。
ホース連結部67は、段付きの円筒部材であって、ホース連結部67の前側部分を構成する大径部671と、後側部分を構成する小径部675とを含む。大径部671は筒状部66よりも大きい内径を有する。大径部671には、雄ネジ部665に螺合可能な雌ネジ部672が設けられている。大径部671と小径部675とをつなぐ環状のショルダ部673には、前方へ突出する複数の突起674が設けられている。小径部675は、集塵機7に接続されるホース72Aの一端部を取り付け可能に構成されている。より詳細には、小径部675の内周部には、ホース72Aの螺旋状の蛇腹に対応する螺旋状の溝676が形成されている。ホース72Aは、端部の蛇腹が溝676に係合するようにホース連結部67に嵌め込まれ、連結される。
本実施形態では、連結カバー65Aは、容器6Aがハウジング20に取り付けられる前に容器6Aに取り付けられ、容器6Aと一体化されて、容器ユニット60Aを構成する。より詳細には、まず、筒状部66が、ストッパ部661がフランジ617に前側から当接する位置まで、容器6Aの前側から容器6Aの径方向外側に嵌め込まれる。その後、突起674が容器6A(蓋63A)の後端に当接する位置まで、雌ネジ部672が雄ネジ部665に螺合され、ホース連結部67が筒状部66に連結される。以上の手順で、容器ユニット60Aが形成される。使用者は、容器連結部22に容器6Aを連結することで、容器ユニット60A全体をハウジング20に連結することができる。
容器ユニット60Aでは、ストッパ部661の弾性部材663がフランジ617に密着し、ストッパ部661とフランジ617の間の隙間をシールする。よって、図2に示すように、容器ユニット60Aがハウジング20に取り付けられ、ホース72Aが容器ユニット60Aに取り付けられると、連結カバー65Aの内部空間は、外部空間から隔離される。一方、連結カバー65Aの内部空間は、ホース72Aの内部空間、および、通気孔615を介して容器6Aの内部空間、ひいては通路201と通じる。
なお、容器6A内に溜まったピンテール913の量を容易に確認できるように、容器ユニット60Aのうち、少なくとも、容器6Aの本体61Aと、連結カバー65Aの筒状部66は、透明な材料(例えば、合成樹脂)で形成されると好ましい。
以下、図1を参照して、集塵機7について説明する。集塵機7は、モータ73の動力でファン731を回転させることで、ホース72Aを介して空気を吸い込む集塵機である。上述のように、集塵機7は、床等の上に配置されて使用されるものであるため、集塵機7の方向に関しては、説明の便宜上、図1に示すように、集塵機7が概ね水平な床に配置された姿勢を基準として、集塵機7の上下方向を規定する。
集塵機7は、ハウジング71と、ハウジング71に連結されたホース72Aと、ハウジング71に収容されたモータ73、ファン731、無線ユニット75、およびコントローラ74とを備えている。
ハウジング71は、矩形箱状の中空体である。ハウジング71の下側部分は、吸引した粉塵を収容する収容部であって、その内部には、フィルタ(図示略)等が配置されている。ハウジング71の上側部分の内部には、モータ73と、ファン731と、無線ユニット75と、コントローラ74とが収容されている。ハウジング71の側面の1つには、ホース差込み口712が設けられている。ハウジング71の下端部には、移動用のキャスタが取り付けられている。
ホース72Aは、ホース差込み口712に取り外し可能に連結されている。ホース72Aは、連結カバー65Aに連結可能なホースである。なお、ホース差込み口712には、ホース72Aのほか、複数種類のホースを選択的に連結することができる。
本実施形態の集塵機7は、ハウジング71に適切なホース(および付属品)を連結することで、締結工具本体2Aのみならず、締結工具本体2A以外の様々な電動工具(例えば、ハンマドリル、電動ハンマ、丸鋸、グラインダ、カッタ)と共に使用可能である。また、集塵機7は、ノズルが取り付けられたホースが装着された場合には、通常の掃除機としても使用することができる。つまり、集塵機7は、締結工具本体2Aから分離された状態で、締結工具本体2Aから独立して使用可能な集塵機である。
ファン731は、モータ73によって回転駆動され、ホース72Aを介してハウジング71内部へ空気を吸引するように構成されている。通常の集塵作業時には、空気と共に粉塵がハウジング71内に吸い込まれ、ハウジング71内のフィルタによって捕捉される。詳細は後述するが、本実施形態では、集塵機7は、締結作業でリベット9から分離されたピンテール913を空気と共に吸引し、容器6Aまで導くために用いられる。
無線ユニット75は、外部機器との無線通信が可能に構成されている。なお、無線ユニット75は、締結工具本体2Aに装着された無線ユニット38と実質的に同一の構成を有する装置であって、集塵機7の内部に設けられた装着部に装着されている。無線ユニット75は、コネクタを介してコントローラ74に電気的に接続されている。但し、無線ユニット75は、取り外し不能に集塵機7に内蔵されていてもよい。無線ユニット75は、締結工具本体2Aから受信した信号を適宜処理し、コントローラ74に出力する。
コントローラ74は、集塵機7の動作を制御するように構成された制御装置である。詳細な図示は省略するが、コントローラ74は、回路基板に搭載されたマイクロコンピュータ等を含む。コントローラ74は、無線ユニット75からの信号に基づき、モータ73の駆動を制御するように構成されている。
更に、ハウジング71の上部内には、締結工具本体2Aのバッテリ装着部27と同様の構成を有するバッテリ装着部(図示略)が設けられている。このバッテリ装着部には、締結工具本体2Aおよび他の動力工具にも使用可能なバッテリ28を着脱可能である。
以下、リベット9の締結作業時の締結工具システム1A(締結工具本体2Aおよび集塵機7)の動作について説明する。
締結作業の開始時には、駆動シャフト450およびジョーアセンブリ53は、所定の初期位置(図2および図4に示す位置)に配置されている。使用者は、リベット9(図3参照)のピンテール913の一部を、ノーズ5の先端部に(より詳細には、ノーズチップ514の挿入孔を通してジョー533の内部に)挿入する。このとき、先の締結作業において、リベット9から分離されたピンテール913がジョー533の内部に残っている場合がありうる。この場合、残っているピンテール913は、新たに挿入されたリベット9のピンテール913により後方へ押し込まれ、通路201内に移動する。先の締結作業においてリベット9から分離されたピンテール913は、何らかの外力により、すでに通路201内に移動している場合もある。
締結工具本体2Aのコントローラ36は、トリガ信号に基づき、使用者がトリガ231を押圧操作し、スイッチ233がオン状態とされたことを認識すると、無線ユニット38に制御信号を出力する。無線ユニット38は、これを受け、集塵機7の無線ユニット75に、駆動開始を指示する信号(以下、開始信号という)を送信する。集塵機7のコントローラ74は、無線ユニット75を介して開始信号を受け付けると、モータ73の駆動を開始する。一方、締結工具本体2Aのコントローラ36は、モータ31の駆動は開始しない。
集塵機7では、モータ73の駆動に伴い、ファン731が回転駆動され、ホース差込み口712に接続されたホース72Aを介して空気が吸引される。上述のように、ホース72Aに接続された連結カバー65Aの内部空間は、通気孔615を介して容器6Aの内部空間、ひいては通路201に通じている。よって、集塵機7は、連結カバー65A、容器6A、および通路201を通して空気を吸引する。これにより、上述のように、通路201内のピンテール913は、集塵機7によって吸引され、通路201内を後方へ移動し、容器6A内に到達する。上述のように、通気孔615はピンテール913の径よりも小径であるため、ピンテール913は容器6Aから脱出することができず、容器6A内にとどまる。
また、集塵機7の吸引力は、ピンテール913がノーズ5の先端部に挿入された状態のリベット9に作用する。よって、ジョー533による把持力が弱い場合でも、リベット9は、ピンテール913の一部がジョー533に挿入され、フランジ953がノーズチップ514の先端に当接した状態で保持される。以下、集塵機7の吸引力によってノーズ5の先端部に保持されたリベット9の状態を、仮保持状態という。使用者は、ノーズ5の先端を所望の方向へ向け、仮保持状態のリベット9のスリーブ95を、作業材の取付け孔に容易に挿入することができる。
締結工具本体2Aのコントローラ36は、トリガ信号に基づき、トリガ231の操作量が所定の閾値を超えたと判断すると、モータ31の正転駆動を開始する。なお、正転駆動とは、駆動シャフト450を後方へ移動させる方向にモータシャフト32を回転させる駆動態様である。モータ31の正転駆動に伴い、駆動シャフト450およびジョーアセンブリ53は、初期位置から後方へ移動する。ジョーアセンブリ53の後方への移動に伴い、ピンテール913は、ジョー533によって強固に把持され、後方に引っ張られる。コントローラ36は、第2センサ482からの検出信号を認識するまで、モータ31の正転駆動を継続する。この間に、小径部912でピン91が破断し、ピンテール913がリベット9から分離される。この時点では、分離されたピンテール913は、ジョー533によって把持されている。
締結工具本体2Aのコントローラ36は、第2センサ482からの検出信号を認識すると、モータ31の正転駆動を停止する。駆動シャフト450およびジョーアセンブリ53は、所定の停止位置で停止する。コントローラ36は、モータ31が停止するのとほぼ同時、あるいはモータ31の停止から所定時間経過後に、無線ユニット38に制御信号を出力する。無線ユニット38は、これを受け、集塵機7の無線ユニット75に、駆動停止を指示する信号(以下、停止信号という)を送信する。集塵機7のコントローラ74は、無線ユニット75を介して停止信号を受け付けると、モータ73の駆動を停止する。
締結工具本体2Aのコントローラ36は、トリガ信号に基づき、使用者がトリガ231の押圧操作を解除し、スイッチ233がオフ状態とされたことを認識すると、モータ31の逆転駆動を開始する。なお、逆転駆動とは、駆動シャフト450を前方へ移動させる方向にモータシャフト32を回転させる駆動態様である。モータ31の逆転駆動に伴い、駆動シャフト450およびジョーアセンブリ53は、停止位置から前方へ移動する。分離されたピンテール913は、ジョー533によって把持された状態でジョーアセンブリ53と共に前方へ移動する。この間、ジョー533の把持力は弱まっていく。
コントローラ36は、第1センサ481からの検出信号を認識するまで、モータ31の逆転駆動を継続する。コントローラ36は、第1センサ481からの検出信号を認識すると、モータ31の逆転駆動を停止する。駆動シャフト450およびジョーアセンブリ53は、初期位置で停止する。これをもって、1つのリベット9の締結工程が完了する。
以上に説明したように、本実施形態の締結工具システム1Aは、締結工具本体2Aに連結された集塵機7を備える。集塵機7は、ジョーアセンブリ53から容器6Aまで延在する通路201を通して空気を吸引することが可能である。集塵機7が通路201を通して空気を吸引することで、通路201に残るピンテール913を空気と共に吸引し、容器6Aまで導くことができる。これにより、締結作業でリベット9から分離されたピンテール913を確実に容器6Aに回収することができる。
また、集塵機7は、容器6Aと、容器6Aの一部を覆う連結カバー65Aとで構成された容器ユニット60Aを介して吸引を行うように構成されている。よって、分離されたピンテール913を効率的に吸引し、容器6Aに回収することができる。容器6Aは、有底円筒状に形成され、周方向において等間隔で配置された複数の通気孔615を有する。締結作業時の作業材の位置に応じて、ノーズ5の先端を向ける方向、ひいては、容器6Aの向きは変化するが、ピンテール913は、容器6A内で常に重力方向に溜まる。上述のような通気孔615の配置によれば、容器6Aの向きにかかわらず、容器6Aに溜まったピンテール913によって通気孔615が塞がれ、吸引が妨げられる可能性を低減することができる。
また、ピンテール913を吸引するための集塵機7は、締結工具本体2Aから分離可能である。よって、例えば、吸引が不要な締結作業時や、締結工具システム1Aの収納時に、締結工具本体2Aと集塵機7とを分離することができるため、利便性が向上する。特に、本実施形態では、締結工具本体2Aから分離された状態で、締結工具本体2Aから独立して使用可能な既存の集塵機7が利用されている。これにより、合理的且つ経済的な締結工具システム1Aが実現されている。
また、締結工具本体2Aおよび集塵機7は、夫々、無線ユニット38および75を備えている。よって、無線通信を用いて、締結工具本体2Aおよび集塵機7との間で集塵機7の動作に必要な情報(トリガ231の操作状態等)を効率的に送受信し、集塵機7の動作(モータ73の駆動)を適切に制御することができる。特に、本実施形態では、集塵機7は、トリガ231がスイッチ233をオン状態とするまで操作されると、吸引を開始する。一方、締結工具本体2Aは、トリガ231が更に押圧され、操作量が所定の閾値を超えると、モータ31および駆動機構4の駆動を開始する。よって、モータ31および駆動機構4の駆動前に、集塵機7の吸引力で、締結作業に使用されるリベット9を吸引し、ノーズ5の先端部に仮に(一時的に)保持させることが可能となる。これにより、例えば、使用者が、ノーズ5の先端を下方に向けた場合でも、リベット9がジョー533から外れるのを防止することができ、作業性が向上する。
また、容器6Aは、容器連結部22に螺合されることで、ハウジング20に連結されている。よって、例えば、容器6Aに溜まったピンテール913の排出時や、締結工具本体2Aの収納時に、使用者は、ハウジング20から容器6Aを容易に取り外すことができる。更に、連結カバー65Aは、容器6Aから取り外し可能である。例えば、ノーズ5の先端を上に向けて行う締結作業時等、集塵機7による吸引がなくても通路201内のピンテール913を容器6Aへ容易に回収できる場合がある。このような場合には、使用者は、容器6Aから連結カバー65Aを取り外し、容器6Aのみをハウジング20に取り付けて使用することができる。
[第2実施形態]
以下、図7および図8を参照して、第2実施形態に係る締結工具1Bについて説明する。なお、本実施形態の締結工具1Bは、第1実施形態の締結工具システム1Aと共通の構成を含む。よって、以下では、締結工具1Bのうち、締結工具システム1Aと実質的に同一の構成(形状が若干異なる場合を含む)については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化し、異なる構成について、主に説明する。なお、この点については、本実施形態以降の説明でも同様である。
まず、締結工具1Bの概略構成について説明する。図7および図8に示すように、締結工具1Bは、締結工具本体2Bと、吸引ユニット8とを含む。
締結工具本体2Bは、吸引ユニット8に電気的に接続するためのコネクタ391を備えている。コネクタ391は、ハウジング20(詳細には、駆動機構収容部21の下後端部)に配置されており、電線392を介してコントローラ36に接続されている。吸引ユニット8には、コントローラ36およびコネクタ391を介して、締結工具本体2Bのバッテリ装着部27に装着されたバッテリ28から電力が供給される。なお、詳細な図示は省略するが、第1実施形態とは異なり、締結工具本体2Bの容器連結部22は、雌ネジ部を有していない。締結工具本体2Bのその他の構成については、締結工具本体2Aと同一である。
吸引ユニット8は、容器6Aと、吸引装置80とを備えている。なお、詳細な図示は省略するが、本実施形態では、第1実施形態とは異なり、容器6Aの前端部は、雄ネジ部を有していない。容器6Aのその他の構成については、第1実施形態と同一である。吸引装置80は、第1実施形態の集塵機7のように、締結工具本体2Aから独立して使用されうる装置ではなく、締結工具本体2Bに取り付けられ、ピンテール913を吸引する機能、および、ノーズ5の先端部にリベット9を仮保持する機能のみを発揮するように構成された装置である。吸引装置80は、吸引ユニット8として容器6Aと一体化され、締結工具本体2Aのハウジング20に取り外し可能に連結されている。これにより、締結工具本体2B、容器6A、および吸引装置80は、単一の装置としての締結工具1Bを構成する。
以下、吸引ユニット8の詳細構成について説明する。図7および図8に示すように、吸引ユニット8は、容器6Aと、容器6Aの一部を覆うカバー81と、カバー81に連結された吸引装置80とを備えている。
カバー81は、容器6Aの本体61Aよりも一回り大きい円筒状に形成され、容器6Aの径方向外側に配置されて、容器6Aの前端部以外の部分を覆っている。カバー81には、径方向内側に突出する環状の当接部811および812が設けられている。当接部811および812は、夫々、前端部と、容器6Aのフランジ617の前側で、容器6Aの本体61Aの外周面に当接し、容器6Aを保持している。当接部812の後端部には、環状の弾性部材(いわゆるOリング)813が装着されている。なお、容器6A内に溜まったピンテール913の量を容易に確認できるように、容器6Aの本体61Aおよびカバー81は、透明な材料(例えば、合成樹脂)で形成されると好ましい。
吸引装置80は、ハウジング82と、ハウジング82内に収容されたモータ86およびファン87とを備える。
ハウジング82は、カバー81と一体的に形成されている。ハウジング82は、カバー81の後側に設けられたファン収容部83と、ファン収容部83の後側に設けられたモータ収容部84と、カバー81、ファン収容部83、およびモータ収容部84の下側に設けられた配線部85とを含む。
ファン収容部83は、ピンテール913吸引用の空気流を生成するためのファン87を収容する部分であって、円筒状に形成されている。本実施形態では、ファン87には、遠心ファンが採用されている。ファン87は、前方から後方に向けて回転軸方向に空気を吸い込み、径方向外側に送出するように配置されている。そこで、ファン収容部83(ファン87を取り囲む周壁)には、ファン87から送出された空気をハウジング82の外部へ排出するための排気口835が設けられている。
ファン87の前側および後側には、夫々、区画壁が設けられている。なお、前側の区画壁には、カバー81側から空気を吸い込むための吸込み口832が設けられている。更に、前側の区画壁には、前方(容器6A側)へ突出する複数の突起837が設けられている。容器6Aは、突起837と上述の当接部812とによって前後方向に位置決めされており、弾性部材813は、当接部812とフランジ617に密着し、これらの間の隙間をシールしている。
モータ収容部84は、モータ86を収容する有底円筒状の部分であって、ハウジング82の後端部を構成する。モータ86の出力シャフト861は、容器6Aと同軸状に、前後方向に延在している。出力シャフト861の前端部は、ファン収容部83内に突出しており、この部分にファン87が固定されている。モータ86の駆動は、締結工具本体2Bのコントローラ36によって制御される。
配線部85は、カバー81、ファン収容部83、およびモータ収容部84の下側に設けられ、ハウジング82の下端部を構成する。配線部85の前端部は、カバー81よりも前方に突出しており、駆動機構収容部21の下後端部の外周部に整合するように構成されている。配線部85の前端部には、締結工具本体2Bのコネクタ391に物理的に係合可能、且つ、電気的に接続可能なコネクタ853が設けられている。配線部85内には、モータ86への給電用の電線854を配置するための通路851が形成されている。電線854は、通路851を通ってコネクタ853とモータ86とを接続している。
以上のような構成により、吸引装置80は、容器6Aおよびカバー81と一体化されて、吸引ユニット8を構成している。使用者は、容器6Aの前端部を容器連結部22に嵌め込むともに、コネクタ853をコネクタ391に係合させることで、吸引ユニット8をハウジング20に連結することができる。なお、図示は省略するが、締結工具本体2Bのハウジング20および吸引ユニット8のハウジング82には、吸引ユニット8をハウジング20に連結された状態でロックするためのロック機構と、ロックを解除するための操作部材が設けられている。
コネクタ853とコネクタ391とは、物理的係合に伴い、互いに電気的に接続される。これにより、バッテリ装着部27に装着されたバッテリ28から、コントローラ36を介して吸引装置80のモータ86に電力が供給される。また、吸引ユニット8がハウジング20に取り付けられると、カバー81内で当接部812の後側に形成される空間は、通気孔615を介して容器6Aの内部空間、ひいては通路201と通じる。
以下、リベット9の締結作業時の締結工具1B(締結工具本体2Bおよび吸引装置80)の動作について説明する。
締結工具本体2Bのコントローラ36は、トリガ信号に基づき、使用者がトリガ231を押圧操作し、スイッチ233がオン状態とされたことを認識すると、吸引装置80のモータ86の駆動を開始する。一方、コントローラ36は、モータ31の駆動は開始しない。モータ86の駆動に伴い、ファン87が回転駆動されると、カバー81、容器6A、および通路201を通して空気が吸引される。これにより、通路201内にある分離後のピンテール913は、空気と共に吸引されて通路201内を後方へ移動して容器6Aに回収される。また、締結作業に使用されるリベット9にも吸引力が作用するため、リベット9は、仮保持状態とされる。
コントローラ36は、トリガ信号に基づき、トリガ231の操作量が所定の閾値を超えたと判断すると、モータ31の正転駆動を開始する。コントローラ36は、その後、第2センサ482からの検出信号を認識すると、モータ31の正転駆動を停止する。また、コントローラ36は、モータ31の停止とほぼ同時、あるいはモータ31の停止から所定時間経過後に、吸引装置80のモータ86の駆動も停止する。
コントローラ36は、トリガ信号に基づき、使用者がトリガ231の押圧操作を解除し、スイッチ233がオフ状態とされたことを認識すると、モータ31の逆転駆動を開始する。コントローラ36は、その後、第1センサ481からの検出信号を認識すると、モータ31の逆転駆動を停止する。駆動シャフト450およびジョーアセンブリ53は、初期位置で停止する。これをもって、1つのリベット9の締結工程が完了する。
以上に説明したように、本実施形態の締結工具1Bは、締結工具本体2Bに連結された吸引装置80を備える。吸引装置80は、ジョーアセンブリ53から容器6Aまで延在する通路201を通して空気を吸引することが可能である。吸引装置80が通路201を通して空気を吸引することで、通路201に残るピンテール913を空気と共に吸引し、容器6Aまで導くことができる。これにより、締結作業でリベット9から分離されたピンテール913を、確実に容器6Aに回収することができる。また、吸引装置80は、容器6Aと、容器6Aの一部を覆うカバー81とを介して吸引を行うように構成されている。よって、分離されたピンテール913を効率的に吸引し、容器6Aに回収することができる。
また、本実施形態では、吸引装置80は、モータ86およびファン87を備えるとともに、容器6Aおよびカバー81と一体化されて、吸引ユニット8を構成している。そして、吸引ユニット8は、締結工具本体2Bから分離可能である。よって、吸引が不要な締結作業時や、締結工具1Bの収納時に、締結工具本体2Bと吸引ユニット8とを分離することができるため、利便性が向上する。なお、吸引が不要な締結作業時には、吸引ユニット8が取り外される代わりに、ピンテール913の回収用の容器(例えば、第1実施形態で説明した容器6A単体、あるいは別の容器)が容器連結部22に取り付けられればよい。また、吸引装置80のモータ86は、締結工具本体2Bのモータ31と同じく、バッテリ装着部27に装着されたバッテリ28から供給される電力で駆動される。これにより、吸引装置80に別途電力供給用の構成を設ける必要がなく、効率的な電力供給態様が実現されている。
上記実施形態は単なる例示であり、本発明に係る締結工具は、例示された締結工具システム1Aおよび締結工具1Bに限定されるものではない。例えば、下記に例示される変更を加えることができる。なお、これらの変更は、これらのうち何れか1つのみ、あるいは複数が、実施形態に示す締結工具システム1A、締結工具1B、あるいは請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
例えば、第1実施形態の締結工具本体2A(図2参照)に着脱可能なピンテール913の容器、および、容器の少なくとも一部を覆うとともに、容器と集塵機7とを連結するカバー部材は、上述の容器6Aおよび連結カバー65A(つまり、容器ユニット60A)に限られない。
例えば、容器6Aの構成(例えば、大きさ、形状、構成要素)は、任意に変更されうる。また、容器6Aの本体61Aおよび蓋63Aは、一体的に形成されていてもよい。容器6Aの周壁または底壁(後壁)に、溜まったピンテール913を取り出すための開閉可能な開口が設けられてもよい。容器6Aは、螺合以外の方法でハウジング20に取り外し可能に連結されてもよい。また、容器6Aは、ハウジング20に固定され、締結工具本体2Aから分離不能であってもよい。更に、通気孔615の形状、大きさ、数および配置も適宜変更されうる。但し、通気孔615は、空気の吸引を許容しつつ、ピンテール913が容器6Aから完全に抜け出ないような形状および大きさを有することが必要である。例えば、通気孔615は細長いスリットであってもよい。また、例えば、容器6Aのうち、連結カバー65Aによって覆われる部分の少なくとも一部が、細かい網状に形成されてもよい。
同様に、連結カバー65Aの構成(例えば、大きさ、形状)は、任意に変更されうる。また、連結カバー65Aと容器6Aとの連結態様や、ホース72Aとの連結態様も、適宜、変更されうる。例えば、連結カバー65Aは、容器6Aに固定され、容器6Aから取り外し不能であってもよいし、ホース72Aに固定され、ホース72Aから取り外し不能であってもよい。
以下、図9および図10を参照して、容器ユニット60Aの具体的な一変形例に係る容器ユニット60Bについて説明する。なお、以下では、容器ユニット60Bのうち、容器ユニット60A(図5および図6参照)と実質的に同一の構成(形状が若干異なる場合を含む)については、同一の符号を付して説明を省略または簡略化し、異なる構成について、主に説明する。
図9および図10に示すように、変形例に係る容器ユニット60Bは、容器6Bと、連結カバー65Bとを含む。
容器6Bは、容器連結部22に着脱可能な円筒状の本体61Bと、本体61Bに着脱可能な蓋63Bとを含む。
本体61Bは、両端が開放された円筒部材である。本体61Bの前端部および後端部は、夫々、雄ネジ部611および雌ネジ部612を有する。また、本体61Bには、通気孔は設けられていない。
蓋63Bは、前端が開放され、後端が閉塞された有底の円筒状部材であって、本体61Bの後端部に取り外し可能に連結され、本体61Bの後端の開口を塞ぐように構成されている。本実施形態では、蓋63Bの前側部分は、径がより大きい大径部633として形成され、後側部分は、径がより小さい小径部637として構成されている。大径部633の前端部は、本体61Bの雌ネジ部612に螺合可能な雄ネジ部631を有する。また、大径部633の後端部は、雄ネジ部634を有する。小径部637の周壁には、複数の通気孔638が設けられている。通気孔638は、容器6Bの内部と外部とを連通し、空気の流通を許容する貫通孔である。通気孔638は、容器6Aの通気孔615(図6参照)と同様、リベット9(図3参照)のピンテール913が通過できないように構成されている。本実施形態では、通気孔638は、容器6Bの全周に亘って、周方向および前後方向に等間隔で配置されている。
連結カバー65Bは、筒状部材として形成されている。連結カバー65Bの前側部分は、円筒状の筒状部681として構成され、連結カバー65Bの後側部分は、後方に向けて径が小さくなる漏斗状のテーパ部683として構成されている。
筒状部681は、蓋63Bの小径部637よりも大径の円筒状に形成されており、小径部637の径方向外側に配置される。筒状部681の前端部は、蓋63Bの雄ネジ部634に螺合可能な雌ネジ部682を有する。テーパ部683は、ホース72Aの付属部品である連結部材720に連結可能に構成されている。なお、連結部材720は、ホース72Aを締結工具本体2Aとは別の電動工具に連結するための既存の付属部品であって、後側部分に、ホース72Aの一端部が嵌め込まれている。また、連結部材720の前側部分は、雌ネジ部721を有する。テーパ部683は、雄ネジ部684を有し、雄ネジ部684と雌ネジ部721との螺合により、連結部材720がテーパ部683に取り付けられる。
本変形例では、雌ネジ部682が蓋63Bの雄ネジ部634に螺合されることで、連結カバー65Bが容器6Bと一体化され、容器ユニット60Bが形成されている。容器ユニット60Bでは、連結カバー65Bの前端部と蓋63Bの大径部633の隙間は、雌ネジ部682と雄ネジ部634とが螺合することで塞がれている。よって、容器ユニット60Bがハウジング20(図2参照)に取り付けられ、ホース72Aが連結部材720を介して容器ユニット60Bに取り付けられると、連結カバー65Bの内部空間は、外部空間から隔離される。一方、連結カバー65Bの内部空間は、ホース72Aの内部空間、および、通気孔638を介して容器6Bの内部空間、ひいては通路201(図2参照)と通じる。
締結工具本体2Aに容器ユニット60Bが取り付けられ、連結カバー65Bにホース72Aが連結されている場合の締結工具本体2Aおよび集塵機7の動作は、締結工具本体2Aに容器ユニット60Aが取り付けられ、連結カバー65Aにホース72Aが連結されている場合と、実質的に同一である。
なお、上述の容器6Aに関する各種変更は、第2実施形態の吸引ユニット8の容器6Aにも、同様に適用されうる。
また、容器6Aの配置位置は、ハウジング20の後端部である必要はない。例えば、容器6Aは、ハウジング20の駆動機構収容部21内に設けられてもよい。また、容器6Aは、締結工具本体2A(ハウジング20)に直接的に連結されている必要はない。例えば、容器6Aは、集塵機7に設けられてもよい。また、容器6Aは、締結工具本体2A(ハウジング20)および集塵機7(ハウジング71)とは別個に、ホースの途中に設けられていてもいてもよい。以下に、図11を参照して、このような変形例にかかる締結工具システム1Cについて説明する。
図11に示すように、締結工具システム1Cは、締結工具本体2Aと、集塵機7と、容器ユニット60Cとを含む。なお、本変形例では、集塵機7のハウジング71には、第1実施形態のホース72Aとは異なるホース72Cが連結されている。ホース72Cは、一端部がハウジング71に連結された第1部分722と、締結工具本体2Aのハウジング20に一端部が連結された第2部分723とを含む。なお、第2部分723は、容器連結部22に螺合可能な連結部材724を介してハウジング20に連結されている。第1部分722の他端部と、第2部分723の他端部には、容器ユニット60Cが連結されている。つまり、容器ユニット60Cは、ホース72Cの途中に配置されている。
詳細な図示は省略するが、容器ユニット60Cは、第1実施形態の容器ユニット60A(図5および図6参照)と概ね同一構成の容器6Aと連結カバー65Aとを備えている。但し、容器6Aの前端部の内周部には、雄ネジ部611に代えて、連結カバー65Aのホース連結部67と同様、溝676が形成されている。第1部分722および第2部分723のそれぞれの端部がホース連結部67と容器6Aの前端部に取り外し可能に嵌め込まれることで、容器ユニット60Cは、ホース72Cに連結されている。但し、容器ユニット60Cは、取り外し不能にホース72Cに固定されていてもよい。
以上のような構成により、締結工具本体2Aの通路201と、通路201に通じる第2部分723の内部空間とからなるピンテール913の通路202が、ノーズ5の先端から容器6Aまで延在する。よって、締結工具システム1Cでは、集塵機7のモータ73(図1参照)が駆動されると、通路201にあるピンテール913は、通路202を通して空気と共に吸引され、容器6Aまで導かれる。このように、締結工具システム1Cも、締結作業でリベット9から分離されたピンテール913を、確実に容器6Aに回収することができる。また、容器ユニット60Cは、ハウジング20に直接的に連結されておらず、締結工具本体2Aから離れた位置にあるため、締結工具本体2A単体での取り回しが容易となる。
また、第2実施形態の締結工具本体2B(図7参照)に着脱可能な吸引装置は、吸引装置80に限られない。
例えば、吸引装置80は、容器6Aおよびカバー81と一体化されている必要はない。例えば、吸引装置80は、締結工具本体2Bと一体化されていてもよい。この場合、吸引装置80のモータ86は、コネクタ853および39を介さず、電線によってコントローラ36と接続されればよい。また、容器6Aおよびカバー81が容器ユニットを構成し、モータ86、ファン87、コネクタ853および電線854と、これらを収容するハウジング82とが、容器ユニットとは別個の吸引ユニットを構成してもよい。そして、吸引ユニットは、容器ユニットおよびハウジング20に対して取り外し可能に連結されてもよい。
また、吸引装置80のモータ86の電源は、バッテリ28でなく、外部の商用電源であってもよい。以下に、図12を参照して、このような変形例にかかる締結工具1Dについて説明する。
図12に示すように、締結工具1Dは、締結工具本体2Dと、締結工具本体2Dに取り外し可能に連結された吸引ユニット8とを含む。締結工具本体2Dは、第2実施形態の締結工具本体2B(図8参照)と同様、ハウジング20と、ハウジング20に収容されたモータ31および駆動機構4を備える。また、締結工具本体2Dは、吸引装置80のコネクタ853に接続可能なコネクタ391を備える。更に、締結工具本体2Dは、把持部23の下端部に、外部の商用電源に接続可能な電源コード394を備えている。吸引装置80には、コネクタ391および853を介して、商用電源から締結工具本体2Bに供給された電力が供給され、モータ86は、この電力により駆動される。このように、本変形例でも、吸引装置80に別途電力供給用の構成を設ける必要がなく、効率的な電力供給態様が実現される。
集塵機7(図1および図11参照)のモータ73の駆動は、必ずしも締結工具本体2Aの動作に応じて制御される必要はない。例えば、集塵機7のコントローラ74は、集塵機7に設けられた操作部材(押しボタン、タッチパネル等)の操作に応じて、モータ73の駆動の開始および停止を行ってもよい。また、集塵機7のモータ73の駆動開始と、締結工具本体2Aのモータ31の駆動開始のタイミングは、実質的に同時であってもよい。集塵機7のモータ73の駆動停止と、締結工具本体2Aのモータ31の駆動停止のタイミングについても、適宜変更されうる。なお、吸引装置80(図7および図12参照)のモータ86の駆動に関しても、同様の変更が可能である。
締結工具本体2Aのハウジング20、モータ31、駆動機構4、ノーズ5等の構成および配置は、適宜、変更されうる。例えば、モータ31は、ブラシを有するモータであってもよい。ボールネジ機構43に代えて、内周部に雌ネジが形成されたナットと、外周部に雄ネジが形成され、ナットに直接螺合されたネジシャフトとを備えた送りネジ機構が採用されてもよい。
また、ノーズ5のアンビル51およびジョーアセンブリ53の構成は、適宜、変更されてよい。例えば、アンビル51は、リベット9を仮に保持することが可能な構成を有してもよい。アンビル51とハウジング20との連結構造は変更されてもよい。ジョーアセンブリ53は、アンビル51に対する前後方向の相対移動に連動して、ジョー533が径方向に移動することで、ピン91に対する把持力が変化するように構成されていればよく、例えば、ジョーケース531やジョー533の形状、ネジシャフト45との連結構造等は、適宜、変更されてよい。
ノーズ5は、ブラインドリベット9ではなく、いわゆる複数部材加締め式のファスナ(multi-piece swage type fastener)のうち、ピンが破断するタイプのファスナに適合するように構成されてもよい。複数部材加締め式のファスナでは、ピンと、ピンが挿通された筒状部(カラーとも称される)は、元々は互いに別体として形成されている。複数部材加締め式のファスナは、ピンのヘッドと、ピンの軸部に加締められた筒状部とで作業材を挟持するタイプのファスナである。ピンが破断するタイプの場合、ブラインドリベット9と同様、ピンは、破断用の小径部を有し、ピンがジョー533によって軸方向に強く引っ張られて小径部で破断すると、作業材の締結が完了する。
なお、上述の締結工具本体2Aに関する各種変更は、締結工具本体2Bおよび2Dにも、同様に適用されうる。
上記実施形態および変形例の各構成要素と本発明の各構成要素の対応関係を以下に示す。但し、実施形態の各構成要素は単なる一例であって、本発明の各構成要素を限定するものではない。
締結工具システム1A、1C、締結工具1B、1Dの各々は、「締結工具」の一例である。ブラインドリベット9は、「ファスナ」の一例である。締結工具本体2A、2B、2Dの各々は、「締結工具本体」の一例である。容器6A、6Bの各々は、「容器」の一例である。通路201および通路202の各々は、「通路」の一例である。集塵機7および吸引装置80の各々は、「吸引装置」の一例である。ハウジング20は、「ハウジング」の一例である。モータ31は、「第1モータ」の一例である。ジョーアセンブリ53は、「ピン把持部」の一例である。駆動機構4は、「駆動機構」の一例である。
連結カバー65A、65B、カバー81の各々は、「カバー部材」の一例である。通気孔615、638の各々は、「貫通孔」の一例である。無線ユニット38は、「第1通信装置」の一例である。無線ユニット75は、「第2通信装置」の一例である。モータ73および86の各々は、「第2モータ」の一例である。吸引ユニット8は、「ユニット」の一例である。ファン731および87の各々は、「ファン」の一例である。バッテリ装着部27およびバッテリ28は、夫々、「バッテリ装着部」および「バッテリ」の一例である。電源コード394は、「電源コード」の一例である。トリガ231は、「操作部材」の一例である。
更に、本発明および上記実施形態とその変形例の趣旨に鑑み、以下の態様が構築される。以下の態様は、独立して、あるいは、実施形態に示す締結工具システム1A、1C、締結工具1B、1D、上記変形例、別の態様、または各請求項に記載された発明と組み合わされて採用されうる。
[態様1]
前記容器は、前記駆動軸上で前記ハウジングに連結されており、
前記通路は、前記ハウジング内を前記駆動軸に沿って直線状に延在する。
[態様2]
前記容器は、前記ハウジングに取り外し可能に連結されている。
[態様3]
前記カバー部材は、前記容器に取り外し可能に連結されている。
[態様4]
前記集塵機は、
第2モータと、
前記第2モータによって回転駆動されるように構成されたファンと、
前記第2モータおよび前記ファンを収容する第2ハウジングと、
吸引用のホースとを備え、
前記ホースの一端部は、前記第2ハウジングに一端部が連結され、前記ホースの他端部は、前記カバー部材に連結されている。
ホース72Aは、本態様の「ホース」の一例である。
[態様5]
前記集塵機は、
第2モータと、
前記第2モータによって回転駆動されるように構成されたファンと、
前記第2モータおよび前記ファンを収容する第2ハウジングと、
吸引用のホースとを備え、
前記ホースは、前記第2ハウジングに一端部が連結された第1部分と、前記ハウジングに一端部が連結された第2部分とを含み、
前記容器は、前記第1部分の他端部と、前記第2部分の他端部に連結されている。
[態様6]
前記ユニットは、更に、前記容器を備える。
[態様7]
前記締結工具は、前記操作部材の前記操作量に応じて前記吸引装置および前記第1モータの動作を制御するように構成された制御装置を更に備える。
コントローラ36およびコントローラ74は、本態様の「制御装置」の一例である。