JP2021148377A - 吸引装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】同軸二重構造のプロペラファンを用い、広範囲を囲い込むエアカーテンを安定的に形成することができ、かつ吸引流としての強い竜巻流を実現して、前記囲い込んだ範囲を効率的に吸引することができる吸引装置を提供する。【解決手段】吸引流を発生させる第1の羽根3aと吹出流を発生させる第2の羽根3bとを有するプロペラファン3と、前記吹出流を前記吸引流から仕切って拡げる中間ガイド4aと、中間ガイド4aとの間に吹出流の通路4を形成する外側ガイド4bと、中間ガイド4aの内側に設けられ、内側に吸引流の通路7を形成する内側ガイド6とを有し、吹出流の通路4に、吹出流をプロペラファン3の回転方向に旋回させる第1の仕切板5を設けた構成としている。【選択図】 図2
Description
この発明は、局部排気のための吸引装置に関する。
従来より、局部排気のための吸引装置が種々提案されている。
例えば、特許文献1の装置では、外側部分で吹き出し流を発生させ内側部分で吸引流を発生させるように羽根が配置された同軸二重構造のプロペラファンを用い、外側部分で吹き出し流を発生させてエアカーテンを形成する一方、内側部分でその内側の空気を吸引している。プロペラファンの回転により、吹き出し流と吸引流が同方向に回転するため、竜巻流が発生し、効果的な吸引が実現できる。
特許文献2の装置では、2台のシロッコファンを用い、一方のファンで周辺部からの吹出しを行ってエアカーテンを発生させるとともに、他方のファンで中心部からの吸引を行っている。このとき、吹出流の通路の途中に傾斜羽根を設けて吹出流を旋回させ、それにより竜巻流を発生させている
例えば、特許文献1の装置では、外側部分で吹き出し流を発生させ内側部分で吸引流を発生させるように羽根が配置された同軸二重構造のプロペラファンを用い、外側部分で吹き出し流を発生させてエアカーテンを形成する一方、内側部分でその内側の空気を吸引している。プロペラファンの回転により、吹き出し流と吸引流が同方向に回転するため、竜巻流が発生し、効果的な吸引が実現できる。
特許文献2の装置では、2台のシロッコファンを用い、一方のファンで周辺部からの吹出しを行ってエアカーテンを発生させるとともに、他方のファンで中心部からの吸引を行っている。このとき、吹出流の通路の途中に傾斜羽根を設けて吹出流を旋回させ、それにより竜巻流を発生させている
しかしながら、特許文献1に記載の吸引装置では、広範囲を囲い込むエアカーテンを形成するために、吹出流がガイドによりスカート状に拡げられるので、吹出流の旋回が弱まり、その結果、吹き出し流が反転して形成される吸引流の旋回、すなわち竜巻流も弱くなる懸念がある。また、吹き出し流の旋回が弱いと、吹き出し流はすぐに拡散されるので、エアカーテンも安定的に形成できない懸念もある。
特許文献2に記載の吸引装置は、吹き出し流はシロッコファンにより生じるため、そもそも旋回の小さい気流であり、これを傾斜羽根だけでは十分に旋回できない懸念もある。また、傾斜羽根によって旋回させられた吹出流は、その後ガイドによってスカート状に拡げられるので、特許文献1と同様に、吹き出し流の旋回が弱まり、その結果、竜巻流やエアカーテンも安定的に形成できない懸念もある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたもので、広範囲を囲い込むエアカーテンを安定的に形成することができ、かつ吸引流としての強い竜巻流を実現して、前記囲い込んだ範囲を効率的に吸引することができる吸引装置を提供することを目的とする。
本発明に係る吸引装置では、回転により吸引流を発生させる第1の羽根と、該第1の羽根の外周側に一体的に設けられ、該第1の羽根と一体的に回転して吹出流を発生させる第2の羽根と、を有するプロペラファンと、前記プロペラファンより吸引対象側に配置され、前記吹出流を前記吸引流から仕切って拡げる略スカート状の中間ガイドと、前記中間ガイドの外側に設けられ、前記中間ガイドとの間に吹出流の通路を形成する略スカート状の外側ガイドと、前記中間ガイドの内側に設けられ、内側に前記吸引流の通路を形成する、筒状又は前記中間ガイドより広がりの小さいスカート状の内側ガイドと、を有し、前記吹出流の通路内に、前記吹出流を前記プロペラファンの回転方向に螺旋状に旋回させる第1の仕切板を設けた構成としている。
この構成により、吹き出し流は、プロペラファンによって旋回されるとともに、スカート状に広がる通路内で第1の仕切り板によってさらに旋回されるので、スカート状に拡がった後も旋回が維持され、広範囲を囲むエアカーテンが安定的に形成できる。また、この吹き出し流が反転して形成される吸引流にも旋回が維持されるので、強力な竜巻流が発生して、前記エアカーテンに囲まれた範囲内の効率的な吸引が実現する。
この構成により、吹き出し流は、プロペラファンによって旋回されるとともに、スカート状に広がる通路内で第1の仕切り板によってさらに旋回されるので、スカート状に拡がった後も旋回が維持され、広範囲を囲むエアカーテンが安定的に形成できる。また、この吹き出し流が反転して形成される吸引流にも旋回が維持されるので、強力な竜巻流が発生して、前記エアカーテンに囲まれた範囲内の効率的な吸引が実現する。
好ましくは、前記吸引装置では、前記第1の仕切板を、前記吹出流の通路の最初から最後まで形成した構成を採用できる。この構成により、吹き出し流の旋回を吹き出し口まで減衰させずに維持することができる。
好ましくは、前記吸引装置では、前記第1の仕切板の傾斜角度を、前記プロペラファンによって生ずる気流の自然な旋回角度に合わせた構成を採用できる。この構成により、前記プロペラファンによって生じた旋回角を、プロペラファンを回転させるモータに負荷をかけることなく維持することができる。
代替的に、前記吸引装置では、前記第1の仕切板を、前記吹出流の通路の最初の箇所では傾斜角度を前記プロペラファンによって生ずる気流の自然な旋回角度に合わせ、前記吹き出し流の通路の最後に向けて徐々に傾斜角度を徐々に大きくなるように湾曲させた構成としてもよい。この構成により、前記プロペラファンの前記第2の羽根によって旋回された吹出流の旋回角度をモータに負荷をかけることなく増加させることができる。
好ましくは、前記吸引装置では、前記中間ガイドと前記外側ガイドの間隔は、吹出方向の先に行くほど狭まる構成を採用できる。この構成により、吹き出し流の通路が、先に向かってスカート状に広がっても、流路断面積があまり広がらないので、吹き出し流の流速を大きく低下させることなく前記吹出口まで維持することができる。
好ましくは、前記吸引装置では、前記吹出流の通路において、前記第1の仕切板で区切られた各流路の断面積は、前記吹き出し流の通路の最初から最後まで一定である構成としている。この構成により、吹き出し流の流速を一定に前記吹出口まで維持することができる。
また、前記吸引装置では、前記内側ガイド内に、前記吸引流を、前記プロペラファンの回転方向に螺旋状に旋回させる第2の仕切板を設けた構成としてもよい。この構成により、プロペラファンの第1の羽根の旋回によって発生する竜巻流を乱さずに、回転しているファンに指が触れることを防ぐ安全対策としてのフィンガーガードの機能を発揮させることができる。
また、本発明に係る吸引装置では、内管と外管からなり、前記内管の内側で前記吸引流を流すとともに、前記内管と前記外管との間で前記吹出流を流す二重ダクトを、前記プロペラファンの、前記吸引対象側と反対側に設けた構成としてもよい。この構成により、前記二重ダクトを介して、吹出流の空気の取得および、吸引した空気の送出が可能になる。
本発明に係る吸引装置によれば、外側部分で吹き出し流を発生させ内側部分で吸引流を発生させるように羽根が配置された同軸二重構造のプロペラファンを用い、吹出流のスカート状に広がる通路内に、吹出流をプロペラファンの回転方向に螺旋状に旋回させる第1の仕切板を設けた。このため、吹き出し流は、プロペラファンによって旋回されるとともに、第1の仕切り板によってさらに旋回されるので、スカート状に拡げても旋回が維持され、広範囲を囲むエアカーテンが安定的に形成できる。また、この吹き出し流が反転して形成される吸引流にも旋回が維持されるので、強力な竜巻流が発生して、前記エアカーテンに囲まれた範囲内の効率的な吸引が実現する。
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る吸引装置の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
まず、図1〜図3を参照しながら、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態の吸引装置1は、いわゆる局部排気を行う吸引装置であり、図1に示すように、吹き出し流の上流側から、二重ダクト2と、プロペラファン3と、ガイド(4a,4b,6)が配置されてなる。
二重ダクト2は、内管2aと外管2bからなり、内管2aの内側に吸引流を流す内側通路2cを形成するとともに、内管2aと外管2bとの間に吹出流を流す外側通路2dを形成する。吸引した空気を、二重ダクト2の内側通路2cを通して例えば室外に排出することができる。本実施形態では、外管2bは、後述する外側ガイド4bと一体化されて短く形成され、吹き出し流を室内から取り入れるようにしている。
プロペラファン3は、吸引流を発生させる第1の羽根3aが配置された中央部分と、吹き出し流を発生させるために第1の羽根の傾斜と逆の傾斜に形成された第2の羽根3bが配置された周辺部分とが一体的に形成された同軸二重構造を有し、モータ等によって回転駆動されるようになっている。
(第1の実施形態)
まず、図1〜図3を参照しながら、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態の吸引装置1は、いわゆる局部排気を行う吸引装置であり、図1に示すように、吹き出し流の上流側から、二重ダクト2と、プロペラファン3と、ガイド(4a,4b,6)が配置されてなる。
二重ダクト2は、内管2aと外管2bからなり、内管2aの内側に吸引流を流す内側通路2cを形成するとともに、内管2aと外管2bとの間に吹出流を流す外側通路2dを形成する。吸引した空気を、二重ダクト2の内側通路2cを通して例えば室外に排出することができる。本実施形態では、外管2bは、後述する外側ガイド4bと一体化されて短く形成され、吹き出し流を室内から取り入れるようにしている。
プロペラファン3は、吸引流を発生させる第1の羽根3aが配置された中央部分と、吹き出し流を発生させるために第1の羽根の傾斜と逆の傾斜に形成された第2の羽根3bが配置された周辺部分とが一体的に形成された同軸二重構造を有し、モータ等によって回転駆動されるようになっている。
第1の羽根3aを有する中央部分は、二重ダクト2の内側通路2cに対応する位置に配置され、プロペラファン3が回転すると、吸引流(図1において、上方向の流れ)を発生させる。第2の羽根3bを有する周辺部分は、二重ダクト2の外側通路2dに対応する位置に配置され、内側部分とともに回転して吹出流(図1において、下方向の流れ)を発生させる。プロペラファン3は、吸引流を生ずる内側部分と吹き出し流を生ずる外側部分とを仕切る筒状体3cをさらに有する。筒状体3cは、外側部分から吹出されるエアの一部が内側部分に侵入するのを防止する役割を有する。
ガイド(4a,4b,6)は、プロペラファン3の吸引対象11側に配置され、中間ガイド4aと外側ガイド4bと内側ガイド6からなる。中間ガイド4aは、外側に拡がる略スカート状(あるいは略円錐台状)の筒状体であり、プロペラファン3の外側部分から吹き出される吹出流を、プロペラファン3の内側部分に吸引される吸引流から仕切ってスカート状に拡げる役割を有する。外側ガイド4bは、略スカート状(あるいは略円錐台状)のガイドであって、中間ガイド4aの外側に設けられ、該中間ガイド4aとの間に吹出流の通路4を形成する。内側ガイド6は、中間ガイド4aの内側に設けられ、筒状又は前記中間ガイドより広がりの小さいスカート状(あるいは略円錐台状)を成し、内側に前記吸引流の通路7を形成する。
なお、図1において、8はプロペラファン3を回転させるモータ等の駆動部、9は吸引装置1によって生ずる気流の方向を示す矢印である。
なお、図1において、8はプロペラファン3を回転させるモータ等の駆動部、9は吸引装置1によって生ずる気流の方向を示す矢印である。
ここで、本実施形態の吸引装置1においては、外側ガイド4bと中間ガイド4aとの間の吹出流の通路4内には、第1の仕切板5が設けられている。この第1の仕切板5は、吹出流をプロペラファン3の回転方向と同方向に強制的に螺旋状に旋回させるものある。図2において、プロペラファン3は、手前側の第2の羽根3bが左から右に動くように回転することにより下方への吹き出し流を発生させるので、その吹き出し流もプロペラファン3と同方向の回転成分、すなわち、手前側が左から右に動くような旋回成分を有する。各第1の仕切板5は、この吹き出し流の旋回方向と同方向に傾けて配置されている。第1の仕切板5は、周方向に一定間隔で複数設けられ、各第1の仕切板5は、円錐台形の中間ガイド4aの母線に対して所定角度(「傾斜角度」θ1という)傾いた螺旋形を有している。吹出流の通路4において、第1の仕切板5で区切られた各流路に流れる吹き出し流は、第1の仕切板5に案内されて螺旋状の旋回流となって吹出流の通路4の吹出口4cから吹き出されるようになっている。
本実施形態では、第1の仕切板5を、吹出流の通路4の略最初から略最後まで形成している。この構成により、吹き出し流の旋回を吹き出し口まで減衰させずに維持することができる。
また、本実施形態では、第1の仕切板5の傾斜角度θ1を、プロペラファン3によって生ずる気流の自然な旋回角度に合わせた角度としている。この構成により、前記プロペラファン3によって生じた旋回角度を、プロペラファン3を回転させるモータ8に負荷をかけることなく維持することができる。この「自然な旋回角度」は、例えば、実験的にドライアイスの霧の流れを観察することにより求めてもよく、流体力学的なシミュレーションによって求めても良い。
代替的に、第1の仕切板5を、吹出流の通路4の最初の箇所では傾斜角度θ1をプロペラファン3によって生ずる気流の自然な旋回角度に合わせ、吹出流の通路4の最後に向けて徐々に傾斜角度θ1を徐々に大きくなるように湾曲させた構成としてもよい。この構成により、前記プロペラファンの前記第2の羽根によって旋回された吹出流の旋回角度を、モータに負荷をかけることなく増加させることができる。
また、本実施形態では、中間ガイド4aと外側ガイド4bの間隔dは、吹出方向の先に行くほど狭めている。すなわち、図2において、あるY方向位置での中間ガイド4aと外側ガイド4bの平均の半径をrとすると、その位置での吹出流の通路4の流路断面積Aは、A=2πrdとなり、吹き出し方向(下方向)に進むほどrは大きくなるので、Aも大きくなり、その結果、吹き出し流の流速(Y方向成分)が低下するという問題がある。そこで、吹出方向の先に行くほどdを小さくしている。この構成により、吹き出し流の通路が、先に向かってスカート状に広がっても、流路断面積Aがあまり広がらないので、吹き出し流の流速を大きく低下させることなく前記吹出口4cまで維持することができる。
好ましくは、前記吹出流の通路4において、前記第1の仕切板5で区切られた各流路の断面積は、前記吹出流の通路4の最初から最後まで一定である。尤も、厳密に各流路の断面積を一定にするには、中間ガイド4aと外側ガイド4bの間隔dを非直線的に変化させる必要があり、困難なので、近似的に各流路の最初と最後における断面積を同一にする。その場合、最初と最後における吹出流の通路4全体の流路断面積A=2πrdが同一になるので、最初と最後における中間ガイド4aと外側ガイド4bの平均の半径rをr1,r2とし,最初と最後における中間ガイド4aと外側ガイド4bの間隔dをd1,d2とすると、r1d1=r2d2となるようにd1とd2を選べば良い。この構成により、吹き出し流の流速を一定に前記吹出口4cまで維持することができる。
次に、このように構成された本実施形態の吸引装置1の動作について、図1を参照して説明する。プロペラファン3が回転駆動されると、第2の羽根3bによって吹出流が発生する。この吹出流は、プロペラファン3の回転方向と同じ方向に旋回する成分を有し、旋回しながら中間ガイド4aと外側ガイド4bとの間の吹出流の通路4内を流れる。その際、該通路内の吹出流は、第1の仕切板5によってプロペラファン3の回転方向と同じ方向にさらに旋回される。この吹出流は、吹出流の通路4の吹出口4cから図1の下に向けてスカート状に吹き出される。なお、本実施形態では、内側ガイド6と中間ガイド4aによって吹出流と吸引流との間に空間的なギャップを設けており、このギャップにより、吹出流の通路4の吹出口4cを出た吹出流の一部がすぐに反転して内側ガイド6の吸引口6aに吸引されることが防止される。吹出流の通路4の吹出口4cからスカート状に吹き出された吹出流は、螺旋状に旋回しているので、吸引対象11を囲む安定したエアカーテン10を形成する。
エアカーテン10を形成した吹出流は、その吹き出しの強さで決まる到達点まで行ったところで折り返し、内側ガイド6の吸引口6a側に向きを変えて、そのまま旋回しながら内側ガイド6の吸引口6aに向かって上昇する、この流れの様子が、図3に矢印9で示されている。
他方、プロペラファン3が回転することにより、プロペラファン3の第1の羽根3aによって内側ガイド6の通路7内に吸引流が発生するが、この吸引流は、第1の羽根3aの回転方向と同じ方向に旋回しながら下方の空気を吸引する。この吸引流の旋回運動に、エアカーテン10を形成した後に反転上昇した吹き出し流の旋回運動が加わり、吸引対象11まで達する竜巻状の渦12が形成される。この竜巻状の渦12により、吸引対象11を効率的に吸引することができる。
図3は、図1に示した吸引装置1を底面側から見た図であって、吹出流が吸引流に遷移していく様子を示している。同図には、中間ガイド4aと外側ガイド4bとの間の吹出流の通路4内でさらに旋回された吹出流は、その吹出口4cから吹出されてその到達点に達したところで内側ガイド6側に折り返して渦状の流れとなり、内側ガイド6内の通路7に竜巻状の吸引流となり、この吸引流とともに局所的な領域にある吸引対象11が吸い込まれることが示されている。なお、本実施形態では、図3に示すように、吹出流および吸引流とも時計方向に回転させているが、本発明は勿論これに限らず、プロペラファン3の構成およびその回転方向によっては反時計方向に回転するようにしても勿論良い。
本実施形態の吸引装置1によれば、外側部分で吹き出し流を発生させ内側部分で吸引流を発生させるように羽根が配置された同軸二重構造のプロペラファン3を用い、吹出流のスカート状に広がる通路4内に、吹出流をプロペラファン3の回転方向に螺旋状に旋回させる第1の仕切板5を設けた。このため、吹き出し流は、プロペラファン3によって旋回されるとともに、第1の仕切板5によってさらに旋回されるので、スカート状に拡げても旋回が維持され、広範囲を囲むエアカーテンが安定的に形成できる。また、この吹き出し流が反転して形成される吸引流にも旋回が維持されるので、強力な竜巻流が発生して、前記エアカーテンに囲まれた範囲内の効率的な吸引が実現する。
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る吸引装置の第2の実施形態について、図4および図5を参照して説明する。本実施形態の吸引装置1では、内側ガイド6内に、吸引流をプロペラファン3の回転方向と同方向に旋回させる第2の仕切板13を設けた構成としている。これ以外の構成は、第1の実施形態と同様なので、同様な作用・機能を有する要素については同一符号を付し、それらの詳細説明を省略する。
次に、本発明に係る吸引装置の第2の実施形態について、図4および図5を参照して説明する。本実施形態の吸引装置1では、内側ガイド6内に、吸引流をプロペラファン3の回転方向と同方向に旋回させる第2の仕切板13を設けた構成としている。これ以外の構成は、第1の実施形態と同様なので、同様な作用・機能を有する要素については同一符号を付し、それらの詳細説明を省略する。
本実施形態の第2の仕切板13は、図4及び図5に示すように、プロペラファン3の内側部分の第1の羽根3aに類似した形状を有し、中央のハブ13aを中心に各第2の仕切板13が羽根のように放射状に配置され、その外周側は内側ガイド6の内周に固定されている。図4及び図5において、プロペラファン3は、手前側の第1の羽根3aが左から右に動くように回転することにより吸引流を発生させるので、その吸引流もプロペラファン3と同方向の回転成分、すなわち、手前側が左から右に動くような旋回成分を有する。各第2の仕切板13は、この吸引流の旋回に合わせて、旋回方向と同方向に傾けて配置されている。第2の仕切板13の、内側ガイド6の母線に対する傾き角θ2(図5参照)は、例えば、典型的な使用状態においてプロペラファン3によって生ずる吸引流の自然な旋回角度に合わせた角度とするのが好ましい。この構成により、前記プロペラファン3によって生ずる旋回流を乱すことなく、回転しているファンに指が触れることを防ぐ安全対策としてのフィンガーガードの機能を発揮させることができる。
なお、本実施形態では、第2の仕切板13は、中央のハブ13aから内側ガイド6の内周まで設けたが、どちらか一方から途中まで設けてもよい。また、本実施形態では、第2の仕切板13は、吸引流の通路7の長さ方向において、狭い範囲にのみ設けたが、吸引流の通路7の略全長にわたって設けてもよい。
本実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加え、第2の仕切板13が吸引流を強制的に旋回させるので、前記吸引流の、第1の羽根3aによって生ずる旋回と相俟って強い竜巻流を形成することができ、それによって効率的な吸引が実現する。
(適用例)
本発明に係る吸引装置を用いた一例について、図6を参照して説明する。本例では、吸引装置1に、吸引対象側と反対側に、第1の実施形態より二重部分の長い二重ダクト21を取り付けている。これにより、屋内に設置した調理用レンジ台22から発生する湯気や煙を吸引対象11として吸引し、例えば屋外へ排気するとともに、吹き出し流も屋外から取り入れるようにしている。二重ダクト21は、内管21aと外管21bからなり、内管21a内に吸引流を流す内側通路21cを形成するとともに、内管21aと外管21bの間に吹き出し流を流す外側通路21dを形成している。これにより、プロペラファン3が回転駆動されると、外気が、外側通路21dを通って吸引装置1の吹出流の通路4から吹き出されてエアカーテン10を形成するとともに、吸引装置1の内側部分には、吸引流が発生し、内側ガイド6内とその下方に竜巻状の渦12が発生する。エアカーテン10と竜巻状の渦12によって、調理用レンジ台22からの湯気や煙が捕えられ、この煙が内側通路21cを通って屋外へ排気される。図6において、23は家の外壁、24は14の調理用レンジ台22の設置台をそれぞれ示す。この例においては、屋外の外気を導入して吹出流を形成しているが、第1の実施形態のように、屋内のエアを取り込んで吹出流を形成するようにしても良い。
本発明に係る吸引装置を用いた一例について、図6を参照して説明する。本例では、吸引装置1に、吸引対象側と反対側に、第1の実施形態より二重部分の長い二重ダクト21を取り付けている。これにより、屋内に設置した調理用レンジ台22から発生する湯気や煙を吸引対象11として吸引し、例えば屋外へ排気するとともに、吹き出し流も屋外から取り入れるようにしている。二重ダクト21は、内管21aと外管21bからなり、内管21a内に吸引流を流す内側通路21cを形成するとともに、内管21aと外管21bの間に吹き出し流を流す外側通路21dを形成している。これにより、プロペラファン3が回転駆動されると、外気が、外側通路21dを通って吸引装置1の吹出流の通路4から吹き出されてエアカーテン10を形成するとともに、吸引装置1の内側部分には、吸引流が発生し、内側ガイド6内とその下方に竜巻状の渦12が発生する。エアカーテン10と竜巻状の渦12によって、調理用レンジ台22からの湯気や煙が捕えられ、この煙が内側通路21cを通って屋外へ排気される。図6において、23は家の外壁、24は14の調理用レンジ台22の設置台をそれぞれ示す。この例においては、屋外の外気を導入して吹出流を形成しているが、第1の実施形態のように、屋内のエアを取り込んで吹出流を形成するようにしても良い。
本発明に係る吸引装置は、前記例からも明らかなように、調理用レンジ台22の上などに設置し、局所的な排気を行うのに適している。すなわち、当装置では、安定したエアカーテンとその内側の竜巻流を形成できるので、局所的に発生する悪臭や粉塵などを、広範囲に拡がらせることなく吸引して外部へ排出する用途などに応用することができる。
1 吸引装置
2,21 二重ダクト
2a,21a 内菅
2b,21b 外菅
2c,21c 内側通路
2d,21d 外側通路
3 プロペラファン
3a 第1の羽根
3b 第2の羽根
3c 筒状体
4 吹出し流の通路
4a 中間ガイド
4b 外側ガイド
4c 吹出口
5 第1の仕切板
6 内側ガイド
6a 吸引口
7 吸引流の通路
8 駆動部
9 流れを示す矢印
10 エアカーテン
11 吸引対象
12 竜巻状の渦
13 第2の仕切板
13a ハブ
22 調理用レンジ台
23 家の外壁
24 調理用レンジ設置台
2,21 二重ダクト
2a,21a 内菅
2b,21b 外菅
2c,21c 内側通路
2d,21d 外側通路
3 プロペラファン
3a 第1の羽根
3b 第2の羽根
3c 筒状体
4 吹出し流の通路
4a 中間ガイド
4b 外側ガイド
4c 吹出口
5 第1の仕切板
6 内側ガイド
6a 吸引口
7 吸引流の通路
8 駆動部
9 流れを示す矢印
10 エアカーテン
11 吸引対象
12 竜巻状の渦
13 第2の仕切板
13a ハブ
22 調理用レンジ台
23 家の外壁
24 調理用レンジ設置台
Claims (8)
- 局部排気を行うための吸引装置であって、
回転により吸引流を発生させる第1の羽根と、該第1の羽根の外周側に一体的に設けられ、該第1の羽根とともに回転して吹出流を発生させる第2の羽根と、を有するプロペラファンと、
前記プロペラファンより吸引対象側に配置され、前記吹出流を前記吸引流から仕切って拡げる略スカート状の中間ガイドと、
前記中間ガイドの外側に設けられ、前記中間ガイドとの間に吹出流の通路を形成する略スカート状の外側ガイドと、
前記中間ガイドの内側に設けられ、内側に前記吸引流の通路を形成する、筒状又は前記中間ガイドより広がりの小さいスカート状の内側ガイドと、
を有し、
前記吹出流の通路内に、前記吹出流を前記プロペラファンの回転方向に螺旋状に旋回させる第1の仕切板を設けたことを特徴とする、吸引装置。 - 前記第1の仕切板を、前記吹出流の通路の最初から最後まで形成したことを特徴とする、請求項1に記載の吸引装置。
- 前記第1の仕切板の傾斜角度を、前記プロペラファンによって生ずる気流の自然な旋回角度に合わせたことを特徴とする、請求項1に記載の吸引装置。
- 前記第1の仕切板を、前記吹出流の通路の最初の箇所では傾斜角度を前記プロペラファンによって生ずる気流の自然な旋回角度に合わせ、前記吹出流の通路の最後に向けて徐々に傾斜角度を徐々に大きくなるように湾曲させたことを特徴とする、請求項1に記載の吸引装置。
- 前記中間ガイドと前記外側ガイドの間隔を、前記吹出口に向かって狭めたことを特徴とする、請求項1に記載の吸引装置。
- 前記吹出流の通路において、前記第1の仕切板で区切られた各流路の断面積を、前記吹出流の通路の最初から最後まで一定としたことを特徴とする、請求項5に記載の吸引装置。
- 前記内側ガイド内に、前記吸引流を、前記プロペラファンの回転方向に螺旋状に旋回させる第2の仕切板を設けたことを特徴とする、請求項1に記載の吸引装置。
- 内管と外管からなり、前記内管の内側で前記吸引流を流すとともに、前記内管と前記外管との間で前記吹出流を流す二重ダクトを、前記プロペラファンの、前記吸引対象側と反対側に設けたことを特徴とする、請求項1から7のいずれかに記載の吸引装置。
Priority Applications (1)
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JP2020050327A JP2021148377A (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 吸引装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2020050327A JP2021148377A (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 吸引装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2021148377A true JP2021148377A (ja) | 2021-09-27 |
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ID=77851175
Family Applications (1)
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JP2020050327A Pending JP2021148377A (ja) | 2020-03-19 | 2020-03-19 | 吸引装置 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2021148377A (ja) |
-
2020
- 2020-03-19 JP JP2020050327A patent/JP2021148377A/ja active Pending
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Legal Events
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A521 | Written amendment |
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