JP2021148280A - 電動弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期間使用しても閉弁時の通過流量の変化を抑制でき、さらには異音の発生を抑制できる電動弁を提供する。【解決手段】弁体20と、弁座8aおよび前記弁座につながる弁口9を備えた弁座部8と、前記弁座部と連結され弁室VCが形成された弁本体部5と、前記弁本体部に接合されたキャン58と、前記キャンの内側に配在されたロータ57と、前記ロータの回転に応じて、前記弁体を前記弁座に対して近接又は離間する方向に移動させる弁体駆動部と、を有する電動弁1は、前記弁本体部の弁口と、前記弁体の少なくとも一部を挟んで前記弁口とは反対側に画成された背圧室30とを連通する均圧通路APが設けられ、前記弁室に流体が流入する流入管ITの軸線方向Oに見たときに、前記弁室と前記背圧室とを連通する連通穴14fが、前記流入管の軸線より前記弁口とは反対側に形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、電動弁に関する。
従来から、電動弁は、例えば流体の配管系統の途中に組み付けられて、流体の流路の開閉や流量制御を行うために使用されている(例えば、特許文献1参照)。このような電動弁においては、弁本体に装着されたステッピングモータなどの駆動源により弁体を駆動させ、精度良い流量制御を実現している。
特許第6516960号公報
ところで、この種の電動弁において、閉弁時にも少量の流体を通過させることが要求される場合がある。かかる場合、ステッピングモータなどを用いた電動弁であれば、弁体を弁座からわずかな量だけ離間させる制御も本来的には可能であるが、オリフィス径が大きいと弁体が弁座から離間した直後に多量の流体が流出してしまうため、一般的には流量制御が難しいとされる。そこで、円形の弁座に機械加工で小溝を設けることで、弁体が弁座に着座した状態でも、所定量の流体を小溝を通して通過させるなどの工夫がされている。
しかしながら、弁座に小溝を形成した場合、繰り返し弁体が弁座に着座することで、小溝の周囲に塑性変形や摩耗が生じ、通過する流体の量を変動させるおそれがある。また、さらに、流体が小溝を通過する際に、異音が生じやすいという問題もある。かかる異音の問題は、流体が気液二相流となる冷媒である場合に特に顕著になる。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであって、長期間使用しても閉弁時の通過流量の変化を抑制でき、さらには異音の発生を抑制できる電動弁を提供することを目的とする。
本発明の電動弁は、
弁体と、
弁座および前記弁座につながる弁口を備えた弁座部と、
前記弁座部と連結され弁室が形成された弁本体部と、
前記弁本体部に接合されたキャンと、
前記キャンの内側に配在されたロータと、
前記ロータの回転に応じて、前記弁体を前記弁座に対して近接又は離間する方向に移動させる弁体駆動部と、を有し、
前記弁本体部の弁口と、前記弁体の少なくとも一部を挟んで前記弁口とは反対側に画成された背圧室とを連通する均圧通路が設けられ、
前記弁室に流体が流入する流入管の軸線方向に見たときに、前記弁室と前記背圧室とを連通する連通穴が、前記流入管の軸線より前記弁口とは反対側に形成されている、
ことを特徴とする。
本発明によれば、長期間使用しても閉弁時の通過流量の変化を抑制でき、さらには異音の発生を抑制できる電動弁を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。 図2は、比較例に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。 図3は、比較例にかかる電動弁の弁座部材の斜視図である。 図4は、第1変形例に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。 図5は、第2変形例に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。 図6は、第3変形例に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。 図7は、本発明の第2の実施形態に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。 図8は、本発明の第3の実施形態に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。
以下、本発明に係る電動弁の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。なお、本明細書では、特に示さない限り、図面の上方を重力方向上方(以下、単に上方という)とし、図面の下方を重力方向下方(以下、単に下方という)とする。また、本明細書では、弁本体における弁室の側方に連結された流体導入管側を上流側、弁室の下方に連結された流体導出管側を下流側とする流れ方向の場合を記載するが、逆方向に流れる用途に本発明の電動弁が使用できることはもちろんである。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る電動弁の閉弁状態を示す縦断面図である。本実施形態の電動弁1は、例えば冷凍サイクルにおいて冷媒流量を調整するために用いられる。電動弁1の軸線をLとする。
電動弁1は、主として、ステンレス等の金属製の筒状体6を有する弁本体部5と、弁本体部5に固着されたキャン58と、弁本体部5及びキャン58によって画成された内部空間で弁本体部5に固定配置された支持部材19と、支持部材19により支持されて前記内部空間に昇降可能に配置された弁体20と、弁体20を昇降させるべく弁本体部5の上方に取り付けられたステッピングモータ50と、を備えている。
筒状体6には、その内部に弁室VCが画成されると共に、その側部に弁室VCに開口する横向きの第1開口6aが形成され、その底部に弁室VCに開口する縦向きの第2開口6bが形成されている。第2開口6bには、ほぼ等しい肉厚の小径円筒と大径円筒と同軸に連設してなる形状を備えた弁座部材8が取り付けられている。弁座部材8は、上端に弁座8aを備え、下端に嵌合部8cを備えており、嵌合部8cが第2開口6bに嵌合している。また、弁座部材8は、軸線Lを中心軸線とし、弁室VCに開口する弁口9と、弁口9に接続するとともにそれより大径であり、外部に開口する接続口12とを有する。
第1開口6aには、流入管ITの端部が挿入されてロウ付けにより接合され、接続口12には、流出管OTの端部が挿入されてロウ付けにより接合されている。
また、弁座部材8の上端部には、弁座8aに連接する傾斜面8bが形成され、この傾斜面8bの上端部は、流入管ITの軸線Oより下方に位置している。
筒状体6の開口した上端には、小径円筒と大径円筒と同軸に連設してなる形状を備えた筒状基部13が取り付けられている。筒状基部13の上端部には、有頂円筒状のキャン58の下端部が溶接等によって接合されている。
筒状基部13とキャン58の内側には、支持部材19が配置されている。支持部材19は、保持筒14と、軸受部材15とを有する。保持筒14は、薄肉筒状の円管部14eと、円管部14eの内周から径方向内側に延在する隔壁14cとを連設してなる。中空の軸受部材15は、大径円筒部15bと、その下方に配置された小径円筒部15aとを同軸に連設してなる形状を備え、小径円筒部15aの内周に雌ねじ15iを備えている。
筒状基部13の内周段部に当接するようにして、保持筒14が圧入等により固定され、軸線方向に位置決めされている。また、保持筒14の上端側の内周に軸受部材15が挿入されて、保持筒14の上端をかしめることにより、保持筒14と軸受部材15とが連結固定されている。
保持筒14の隔壁14cと軸受部材15との間にばね室SCが画成され、ばね室SCに弁体20を開弁方向に付勢する開弁ばね25が収納されている。
弁体20の上部は、保持筒14における隔壁14cよりも下側に形成された弁体ガイド穴14bに摺動自在に嵌挿されている。弁体20内には、下端が弁座部材8の弁口9に向かってテーパ状に開口した太径通路部32bと、太径通路部32bに接続され上端が開口した細径通路部32cとが形成されている。
細径通路部32cには、推力伝達部材23の小径下部23cが嵌合固定される。弁体20の下端部には、弁座部材8の弁座8aに対して接離して弁口9を開閉する略円錐台状の弁体部20aが形成されている。
ここで、太径通路部32bの内径は、側面視で見て細径通路部32cの下端から弁座部材8の弁口9に向かって直線的に増加しているが、例えば弁座部材8の弁口9に向かって曲線的(例えば、上方もしくは下方に向かって凸となる放物線等からなる曲線状)に増加してもよい。
ステッピングモータ50は、ヨーク51、ボビン52、コイル53、樹脂モールドカバー54等からなるステータ55と、キャン58の内部にキャン58に対して回転自在に配置され、ロータ支持部材56がその上部内側に固着されたロータ57と、を有している。
ステータ55は、キャン58の外側に嵌合固定されている。また、ロータ57の内周側には、ロータ支持部材56に一体に形成された太陽歯車41、保持筒14の上部に固着された薄肉筒状体43の上端に固定された固定リング歯車47、太陽歯車41と固定リング歯車47との間に配置されてそれぞれに歯合する遊星歯車42、遊星歯車42を回転自在に支持するキャリア44、遊星歯車42に外側から歯合する有底リング状の出力歯車45、出力歯車45の底部に形成された孔にその上部が圧入等によって固着された出力軸46等からなる不思議遊星歯車式減速機構(減速機構)40が設けられている。ここで、固定リング歯車47の歯数は、出力歯車45の歯数とは異なるように設定されている。不思議遊星歯車式減速機構40とステッピングモータ50とで駆動機構を構成する。
出力軸46の上部の中心部には孔が形成され、該孔には太陽歯車41(ロータ支持部材56)とキャリア44の中心部を挿通した支持軸49の下部が挿通されている。この支持軸49の上部は、キャン58の内径と略同一の外径を有し、ロータ支持部材56の上側でキャン58に内接して配置される支持部材48の中心孔に挿通されている。ロータ57自体は、支持部材48等によってキャン58の内部で上下動しないように保持されており、キャン58に外嵌固定されたステータ55との位置関係が常に一定に維持されている。
減速機構40の出力軸46の下部は、軸受部材15の上部に回転自在に嵌挿され、出力軸46の下部には、軸線Lに沿って延びるスリット状の嵌合部46aが形成されている。軸受部材15の雌ねじ15iと螺合する雄ねじ17aが螺設された回転昇降軸17の上端には板状部17cが突設され、板状部17cが嵌合部46aに摺動自在に嵌合されている。出力軸46がロータ57の回転と共に回転し、その回転力が回転昇降軸17に伝達されると、軸受部材15の雌ねじ15iと回転昇降軸17の雄ねじ17aの螺合によるねじ送り運動によって、回転昇降軸17が回転しながら昇降することとなる。
回転昇降軸17の下方には、該回転昇降軸17の下方への推力がボール18、ボール受座16を介して伝達される段付き筒状の推力伝達部材23が配置されている。なお、回転昇降軸17と推力伝達部材23との間にボール18を介在させることにより、例えば回転昇降軸17が回転しながら下降しても、回転昇降軸17から推力伝達部材23へ下方への推力のみが伝達され、回転力は伝達されない。
推力伝達部材23は、上方から、内周に前記ボール受座16が嵌め込まれる大径上部23a、保持筒14の隔壁14cに形成された孔に摺動自在に挿通される中間胴部23b、中間胴部23bよりも小径の小径下部23cと、を連設してなる。推力伝達部材23の内部には、軸線Lを中心軸線とする貫通孔32dと、貫通孔32dに直交して背圧室30(後述)に連通する横孔32eが形成されている。ただし、貫通孔32dの上端開口はボール受座16によって閉塞されている。貫通孔32dと、横孔32eと、弁体20の太径通路部32bおよび細径通路部32cにより、均圧通路APが構成される。
推力伝達部材23の小径下部23cは、上記したように、弁体20の細径通路部32c内に圧入等により嵌合固定されており、弁体20と推力伝達部材23は一体的に昇降可能である。なお、弁体20の上端面と推力伝達部材23の中間胴部23bの下端段差部との間には、小径下部23cの圧入時において環状の押さえ部材24が挟み込まれて固定されている。この押さえ部材24と弁体20の上端部により形成された環状溝内にO−リングORが配置され、弁体ガイド穴14bとの間を密封している。
また、保持筒14の隔壁14cよりも上側のばね室SCには、上記したように、圧縮コイルばねからなる開弁ばね25が、その下端を隔壁14cに支持されるようにして配置されている。また、推力伝達部材23の上端周囲に、上下に鍔状の引っ掛け部28a、28bを有するばね受け体28が配在されている。ばね受け体28の上側の引っ掛け部28aは開弁ばね25の上部に載置され、下側の引っ掛け部28bは推力伝達部材23の大径上部23aの下端段差部に掛止され、これにより開弁ばね25の付勢力(引き上げ力)を、推力伝達部材23を介して弁体20に伝達することが可能になる。
また、保持筒14には、ばね室SCとキャン58の内部を連通し、その差圧をキャンセルする連通孔14dが形成され、さらに背圧室30と弁室VCとを連通する円筒孔状の連通穴14fが形成されている。連通穴14fは、側面視で流入管ITの軸線O(好ましくは、流入管ITの内周上端E)よりも上方(軸線Oを挟んで弁口9と反対側)に配置されている。連通穴14fの径は、閉弁時に流出管OTに流す冷媒の量に応じて任意に設定されるが、後述する均圧通路APの最小断面積よりも小さい断面積を有することが望ましい。
(電動弁の動作)
ステッピングモータ50のロータ57を一方向に回転駆動させると、減速機構40の出力軸46を介してロータ57の回転が回転昇降軸17に減速されて伝達され、軸受部材15の雌ねじ15iと回転昇降軸17の雄ねじ17aの螺合によるねじ送り運動によって回転昇降軸17が回転しながら下降される。この回転昇降軸17の推力により推力伝達部材23及び弁体20が開弁ばね25の付勢力に抗して押し下げられ、最終的には弁体20のスカート部20cの下端部からなる弁体部20aが弁座8aに着座して弁口9が閉じられる。
これに対し、ステッピングモータ50のロータ57を他方向に回転駆動させると、減速機構40の出力軸46を介してロータ57の回転が回転昇降軸17に減速されて伝達され、雌ねじ15iと雄ねじ17aの螺合によるねじ送り運動によって回転昇降軸17が回転しながら上昇する。これに伴い推力伝達部材23及び弁体20が開弁ばね25の付勢力によって引き上げられ、弁体部20aが弁座8aから離間して弁口9が開かれる。
なお、ロータ57の回転に応じて、弁体部20aを弁座8aに対して近接又は離間する方向に移動させる構成を弁体駆動部とする。ここで本実施形態の弁体駆動部は、ロータ57、減速機構40、軸受部材15(雌ねじ15i)、回転昇降軸17(雄ねじ17a)および開弁ばね25を有しているが、後述するように、ロータと雄ねじ又は雌ねじを固着し、減速機構40や開弁ばねを用いないものでもよい。
本実施形態によれば、前記弁体20の上方で押さえ部材24と、保持筒14の隔壁14cとの間に背圧室30が画成されている。また、細径通路部32cが、推力伝達部材23の貫通孔32d及び横孔32eを介して背圧室30に連通している。このため、閉弁状態において弁体20に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と弁体20に作用する押し上げ力(開弁方向に働く力)とを釣り合わせる(差圧をキャンセルする)べく、背圧室30の室径と弁口9の口径とは略同一に設定されている。
本実施形態の電動弁1においては、弁口9の開弁時に、流入管ITから流入した冷媒(流体)が、弁室VCを通り弁座部材8の弁口9を介して流出管OTへ向かう。このとき、流入管ITの軸線Oの近傍に沿って流れる比較的流速の早い冷媒は、弁体20に当たることで流速が低下し、その後、弁体部20aと弁座8aとの間を通過するので、通過音を有効に低減できる。
一方、弁口9の閉弁時には、弁体部20aが弁座8aに着座することで、この間を冷媒が通過できなくなる。しかしながら本実施形態においては、弁室VCと背圧室30とを連通する連通穴14fが設けられているので、連通穴14fの径により制限された冷媒を、弁室VCから連通穴14fを介して背圧室30へと流入させ、さらに背圧室30から横孔32eと貫通孔32dを含む均圧通路APへと流出させて、弁口9へと流すことができる。
このとき、気液二相流となって弁室VCに流入した冷媒は、弁室VC内で重力に従い、弁室VCの下部に流れる液相と、弁室VCの上部に流れる気相とに分かれることとなる。連通穴14fは流入管ITの軸線Oより上方(軸線Oを挟んで弁口9と反対側)に配置されているため、弁室VCの上部に流れた気相を背圧室30に流入させることができる。背圧室30に流入した気相は、横孔32eおよび貫通孔32dを含む均圧通路APに流れ、弁口9を通って流出管OT側へと流れる。流出管OTに流れた気相は加圧されることで液相に変化し、冷凍システム内を循環することで、冷媒内に含まれたオイルにより各部の潤滑を行うことができる。
[比較例]
図2は、比較例に係る電動弁1’の閉弁状態を示す縦断面図である。図3は、比較例にかかる電動弁1’の弁座部材8’の斜視図である。比較例の電動弁1’は、上記実施形態の電動弁1に対して、保持筒14’と弁座部材8’の構成のみが異なる。それ以外の構成は、上記実施形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
保持筒14’は、連通穴を有しない以外、上記実施形態の保持筒14と同様な構成を有する。
弁座部材8’は、図3に示すように、弁座8aに交差するようにして、4つのノッチNCを周方向に等間隔に形成している。ノッチNCは、刃物治具を弁座8aに強く押圧することで小溝状に形成できる。このため弁体部20aが弁座8aに着座した状態で、ノッチNCを介して少量の冷媒を弁口9に流すことができる。
しかし、刃物治具を弁座8aに押圧することで、ノッチNCの周囲に塑性変形や摩耗が生じ、弁体部20aが弁座8aに着座した際の密着性の悪化やノッチNCの断面形状の変化により、意図せぬ冷媒漏れや冷媒通過量の変化を生じる恐れがある。
また、冷媒が気液二相流である場合に、小さな断面形状のノッチNCを通過する際に、比較的大きな通過音を発生させるおそれがある。
これに対し本実施形態によれば、図1に示すように保持筒14に連通穴14fを設けることで、弁室VCと背圧室30とを連通させているため、ノッチNCを設けないことで弁座8aの不均一な塑性変形や摩耗を抑えられるほか、長期間使用しても、あるいは冷媒中に異物が混入していた場合でも、連通穴14fを通過する冷媒の量は変化しないため、閉弁時に弁口9に流れる冷媒量を常に一定とすることができる。
また、本実施形態によれば、弁室VCに気液二相流である冷媒が流入してきた際に、弁室VCの上部に気相が流れることで、気相のみを連通穴14fを通過させることができるため、通過音を小さく抑えることができる。
[第1変形例]
図4は、本実施形態の変形例を示す電動弁1の閉弁状態を示す縦断面図である。本変形例は、図1に示す電動弁1を、軸線Lが水平方向に延在するように(弁体の移動方向と重力方向とが直交するように)設置した例であり、構成自体は第1の実施形態と同様である。
本変形例のように、電動弁1を横向きに設置しても、連通穴14fは流入管ITの軸線O(好ましくは、流入管ITの内周上端E)より上方であって軸線Oを挟んで弁口9と反対側に配置されているため、第1実施形態と同様に動作する。なお、連通穴14fの位置が外からわかるように、マークなどを筒状体6に連通穴14fに応じて付与してもよい。
図4は、電動弁1を流入管ITの軸線Oが水平になる姿勢としているが、軸線Lの回りに電動弁1を回転させてもよい。その場合、連通穴14fは、電動弁の軸線Lに沿った方向から見たときに、軸線Lを含む水平面(重力方向に直交する面)より重力方向上方に位置している。このため、流入管ITから弁室に流入した液体状態の冷媒は弁室の底に溜まり、閉弁状態では気体の冷媒が連通穴14fを通過する。なお、図4では連通穴14fは保持筒14の最も重力方向上方の位置に形成されている。
[第2変形例]
図5は、本発明の第2変形例に係る電動弁1Aの閉弁状態を示す縦断面図である。本実施形態の電動弁1Aは、上記実施形態の電動弁1に対して、O−リングORを設ける位置が異なっている。それ以外の構成は、上記実施形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
本実施形態においては、弁体20Aの上端に段差を設けない代わりに、弁体20Aの上端外周に対向して、保持筒14Aの内周溝14gを形成している。内周溝14g内にO−リングORを配置し、保持筒14Aと弁体20Aとの間を密封している。
図1に示す実施形態において、連通穴14fが保持筒14側に設けられている。したがって、弁体20が保持筒14に対して相対移動する際には、O−リングORが連通穴14fと干渉しないようにすることが望ましく、それにより電動弁1の軸線L方向の寸法の長尺化を招くことがある。
これに対し本実施形態によれば、O−リングORを保持筒14A側に設けることで、O−リングORが連通穴14fと干渉するおそれはなくなり、電動弁1Aの軸線L方向の寸法の短縮化を図ることができる。
[第3変形例]
図6は、本発明の第3変形例に係る電動弁1Bの閉弁状態を示す縦断面図である。本実施形態の電動弁1Bは、第1の実施形態の電動弁1に対して、連通穴を設ける位置が異なっている。それ以外の構成は、上記実施形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
本実施形態において、保持筒14Bには連通穴が設けられておらず、代わりに弁体20Bに連通穴20bを形成し、連通穴20bを介して弁室VCと均圧通路APとを連通させている。連通穴20bは、均圧通路APの最小断面積よりも小さい断面積を有することが望ましい。
本実施形態の連通穴20bも、流入管ITの軸線O(好ましくは、流入管ITの内周上端E)よりも上方(軸線Oを挟んで弁口9と反対側)に位置する。したがって、弁室VCに気液二相流である冷媒が流入してきた際に、弁室VCの上部に気相が流れることで、気相のみを連通穴20bを通過させることができるため、通過音を小さく抑えることができる。
[第2の実施形態]
図7は、本発明の第2の実施形態に係る電動弁1Cの閉弁状態を示す縦断面図である。本実施形態の電動弁1Cは、不思議遊星式歯車減速機構を有しておらず、弁体を直動する方式の電動弁である。本実施形態において、ステッピングモータ50は、上述した実施形態と同様であるため、同じ符号を付して重複説明を省略する。
電動弁1Cは、弁座部材123と、弁座部材123を取り付けた弁本体部120と、弁本体部120に取り付けられて弁軸124を駆動させるロータ57を内蔵するキャン140と、キャン140に外嵌されロータ57を回転駆動するステータ55とを備えている。ロータ57とステータ55とにより、駆動機構としてのステッピングモータを構成している。
キャン140はステンレスなどの非磁性の金属から形成され、有頂円筒状をしている。キャン140の開放した下端は、弁本体部120に固着されている。弁本体部120は、基体121と、弁座部材123を嵌合保持するパイプ状の筒部材122と、からなる。キャン140の下端と、基体121の外周と、筒部材122の上端が同時に溶接されると好ましい。
略円筒状の弁軸124は、ステンレス又は真鍮などから形成され、上端側の小径軸部124aと、小径軸部124aより大径の中径軸部124bと、中径軸部124bより大径の大径軸部124cと、下端側の弁体部(弁体)124dとを同軸に連設してなる。大径軸部124cの下端には、拡径した環状部124eが形成されている。
略円筒状の弁軸ホルダ132は、キャン140内において、弁軸124の上端側を収容するように配置されている。弁軸ホルダ132の上端は、弁軸124の小径軸部124aの上端が圧入固定されたプッシュナット133により当接している。
プッシュナット133の外周に沿って、圧縮コイルばねで構成される復帰ばね135を取付けている。復帰ばね135は、詳細を後述するガイドブッシュ126の固定ねじ部125と弁軸ホルダ132の移動ねじ部131との螺合が外れたときに、キャン140の頂部内面に当接して固定ねじ部125と移動ねじ部131との螺合を復帰させるように付勢する機能を有する。
キャン140に対して隙間を開けて配置されたロータ57と、弁軸ホルダ132とは、支持リング136を介して結合されている。より具体的に支持リング136は、ロータ57の成形時にインサートされた黄銅製の金属リングで構成されており、支持リング136の内周孔部に弁軸ホルダ132の上部突部が嵌合し、上部突部の外周をかしめ固定してロータ57、支持リング136及び弁軸ホルダ132を結合している。
弁軸ホルダ132の外周には、ストッパ機構の一方を構成する上ストッパ体137が固着されている。上ストッパ体137はリング状の樹脂より構成され、下方に向けて板状の上ストッパ片137aが突設されている。
円筒状のガイドブッシュ126が、弁軸ホルダ132と弁軸124との間に配置されている。ガイドブッシュ126の下端は、基体121の中央開口121aに圧入により嵌合している。ガイドブッシュ126の外周には、ストッパ機構の他方を構成する下ストッパ体127が固着されている。下ストッパ体127はリング状の樹脂より構成され、上方に板状の下ストッパ片127aが突設されており、前記した上ストッパ片137aと係合可能となっている。
下ストッパ体127はガイドブッシュ126の外周に形成された螺旋溝部分126aに射出成形により固着され、上ストッパ体137は弁軸ホルダ132の外周に形成された螺旋溝部分132bに射出成形により固着されている。
弁軸ホルダ132の内面に移動ねじ部131が形成されており、ガイドブッシュ126の外周に形成された固定ねじ部125と螺合している。
弁軸124は、弁軸ホルダ132の軸線Lに沿って上下動可能に嵌挿されており、弁軸ホルダ132内に縮装された圧縮コイルばね134によって下方に付勢されている。ガイドブッシュ126の側面には、弁室VCとキャン140内の圧力均衡を図る均圧孔132aが形成されている。
本実施形態の弁体駆動部は、ロータ57、弁軸ホルダ132(移動ねじ部131)、ガイドブッシュ126(固定ねじ部125)および圧縮コイルばね134を有している。
基体121は、中央開口121aを備えた大径部121bと、小径部121cとを同軸に連設してなる。大径部121bは、その外周近傍において上下に延在する貫通開口121dを有する。小径部121cは、弁軸124の中径軸部124bと大径軸部124cとの境界を収容する中央開口121eと、中央開口121eから外部へと連通する上方均圧孔121fとを備えている。中央開口121eと中径軸部124bとの間が背圧室170となる。貫通開口121dを介して背圧室170の内圧とキャン140の内圧との差圧がキャンセルされ、弁軸124の動作をスムーズに行える。
小径部121cの下端内周には、周溝121gが形成されており、その内部にはO−リングORが配置されて大径軸部124cに接しており、小径部121cと弁軸124との間を密封している。
小径部121cの下端側は、弁座部材123の上方段部に嵌合している。弁座部材123の下端外周は、筒部材122の下端にロウ付け等によって接合されている。弁座部材123は、弁軸124の大径軸部124cを収容する中心開口123aを有する。中心開口123aの内周に対して、環状部124eの外周が摺動可能に嵌合している。中心開口123aと大径軸部124cとの間が弁室VCとなる。
弁座部材123は、中心開口123aの下端に弁座123bを備え、弁座123bの下方に弁口123cを備え、弁口123cの下方に嵌合部123dを備えている。嵌合部123dには、流出管OTの端部がロウ付け等により接合されている。
弁座部材123の外周には、軸線Lに沿った方向に延在する直線溝123fが形成されている。直線溝123fは、これを覆う筒部材122の内周とともに縦通路VPを形成する。また弁座部材123は、弁口123cと直線溝123fの溝底とを連通する下方均圧孔123gと、中央開口121aと直線溝123fの溝底とを連通する連通穴123hとを有する。連通穴123hは、均圧通路APの最小断面積よりも小さい断面積を有することが望ましい。
弁口123cと弁室VCは、下方均圧孔123gと、縦通路VPと、連通穴123hからなる均圧通路APを介して連通している。また、弁座部材123の上端が、基体121の大径部121bと離間しているため、弁口123cと背圧室170は、下方均圧孔123gと、縦通路VPと、上方均圧孔121fとを介して連通している。このため、弁口123c内の圧力を、背圧室170と弁室VCの圧力に釣り合わせることができ、弁軸124の動作を精度良く行わせることができる。
また、背圧室170は、キャン140の内部空間と、上方均圧孔121fおよび貫通開口121dを介して連通している。このため、大径軸部124cの移動により背圧室170の容積が変化した場合でも、背圧室170の圧力変動を抑制できる。
流入管ITの端部は、筒部材122の横穴122aと弁座部材123の横穴123iに挿通され、ロウ付け等により接合されている。
(電動弁の動作)
以上のように構成された電動弁1Cの動作について説明する。図1において、外部から給電することにより、ステータ55のコイル53に通電を行い励磁すると、それにより発生した磁力によりロータ57に回転力が生じるため、弁本体部120に固着されたガイドブッシュ126に対しロータ57及び弁軸ホルダ132が回転駆動される。
これにより、ガイドブッシュ126の固定ねじ部125と、弁軸ホルダ132の移動ねじ部131とのねじ送り機構(ねじ送り部ともいう)により、弁軸ホルダ132がその軸線L方向に変位する。通電方向に応じて、弁軸ホルダ132が、例えば下方に移動して弁軸124の弁体部124dが弁座123bに着座又は離脱する。
弁体部124dが着座した時点(閉弁状態)では、上ストッパ体137は未だ下ストッパ体127に当接しておらず、弁体部124dが着座したままロータ57及び弁軸ホルダ132はさらに回転下降する。このときは弁軸124に対する弁軸ホルダ132の相対的な下降変位は、圧縮コイルばね134が圧縮されることにより吸収される。
その後、ロータ57が更に回転して弁軸ホルダ132が下降して、上ストッパ体137の上ストッパ片137aが下ストッパ体127の下ストッパ片127aに当接する。これらのストッパ片127a、137a同士の当接によって、ステータ55への通電が継続されても、弁軸ホルダ132の下降は強制的に停止される。
上ストッパ体137と下ストッパ体127とから構成されるストッパ機構は、ロータ57の軸方向の全長内に配置されているため、ストッパ機構が機能しているときでもロータ57や弁軸ホルダ132が大きく傾いたりすることが少なく作動が安定し、次にロータ57を逆転するときでも円滑に行うことができる。
ステータ55に逆特性の給電を行うと、ガイドブッシュ126に対しロータ57及び弁軸ホルダ132が上記と逆方向に回転され、上記のねじ送り機構により、弁軸ホルダ132が上方に移動して弁軸124の下端の弁体部124dが弁座123bから離れ(開弁状態)、冷媒が通過可能となる。ロータ57の回転量によって弁開度を変更することで、冷媒の通過量が調整される。ロータ57の回転量は、パルスモータへの入力パルス数にて規制されるため、冷媒通過量の正確な調整が可能である。
気液二相流となって流入管ITから弁室VCに流入した冷媒が、弁室VC内で重力に従い、弁室VCの下部に流れる液相と、弁室VCの上部に流れる気相とに分かれる。本実施形態によれば、連通穴123hが側面視で流入管ITの軸線O(好ましくは、流入管ITの内周上端E)より上方(軸線Oを挟んで弁口123cと反対側)に配置されているため、閉弁時に、弁室VCの上部に流れた気相を、連通穴123hから縦通路VPに流入させることができる。縦通路VPに流入した気相の一部は、上方均圧孔121fを介して背圧室170に流入し、縦通路VPに流入した気相の残りは、下方均圧孔123gを介して弁口123cに流れる。これにより、閉弁時に通過する冷媒の量を一定に制御でき、また冷媒通過音の低減を図ることができる。
[第3の実施形態]
図8は、本発明の第3の実施形態に係る電動弁1Dの閉弁状態を示す縦断面図である。本実施形態の電動弁1Dも、不思議遊星式歯車減速機構を有しておらず、弁体を直動する方式の電動弁である。図8においては、ステッピングモータのステータを省略している。
電動弁1Dは、有頂円筒状のキャン340の開口端に、弁本体部320が溶接などにより接合されている。弁本体部320は、内部に弁室VCを有している。また、弁本体部320には、弁室VCに連通する横孔に流入管ITがロウ付け等により接合されている。さらに、弁本体部320の下端内周には、弁座310と弁口309が形成された弁座部材308が接合されている。弁座部材308には、弁口309に接続するようにして流出管OTがロウ付け等によって接合されている。
キャン340の内側には、ロータ357が相対回転可能に収容され、ロータ357の中央には、弁軸324を挿通したブッシュ部材333が配置されている。ブッシュ部材333により支持されて、弁軸324とロータ357とは、回転しつつ上下方向に一体的に移動する。弁軸324の中間部付近の外周面には雄ネジ324aが形成されている。
キャン340の上部外周には、不図示のステータが配置され、ロータ357とステータとでステッピングモータが構成される。
キャン340の頂部内側にはガイド支持体352が固定されている。ガイド支持体352は、円筒部353と、円筒部353の上端側に形成された傘状部354とを有している。傘状部354はキャン340の頂部内側と略同形状に成形されている。
円筒部353内には、弁軸324のガイドをする筒部材365が嵌合されている。筒部材365は、弁軸324を回転可能に保持している。
弁軸324のブッシュ部材333より下方には、弁軸ホルダ306が、弁本体部320に対して相対回転不能に固定されている。
弁軸ホルダ306に設けたフランジ部307は、キャン340の下端が接合された弁体案内部材372の上部フランジ部の上面に対して固着されている。また、弁軸ホルダ306の内部には、貫通孔306hが形成されている。
弁軸ホルダ306の上側開口内には、弁軸324の外周に形成された雄ネジ324aと螺合する雌ネジ306dが形成されている。
弁軸ホルダ306の側面には、均圧孔306aが穿設され、この均圧孔306aにより、弁軸ホルダ306内の弁軸ホルダ室383と、ロータ収容室367(第2の背圧室)との間が連通している。これにより、弁軸ホルダ306の円滑な移動を確保できる。
また、弁軸324の下方には、筒状の弁ガイド318が弁軸ホルダ306の貫通孔306hに対して摺動可能に配置されている。この弁ガイド318は、上端が内側に折り曲げられて鍔部318aを形成しており、弁軸324の下端に形成された鍔部324bとの間で、ワッシャ370を挟持している。
弁軸324の下端の鍔部324bは、弁ガイド318に対して回転可能、かつ径方向に変位可能となるように弁ガイド318の鍔部318aの下方に配置されている。
また、弁軸324の下端部には、鍔部324bの下方に突出し、後述するバネ受け335と点接触する突出部324cが形成されている。この突出部324cは、弁部材317が揺動する場合の支点となる。
さらに、弁ガイド318内には、圧縮された弁バネ327とバネ受け335とが収容されている。バネ受け335の上端凹部は、上述したように弁軸324の突出部324cと点接触している。
本実施形態の弁体駆動部は、ロータ357、ブッシュ部材333、弁軸324(雄ネジ324a)、弁軸ホルダ306(雌ネジ306d)、バネ受け335及び弁バネ327を有している。
弁本体部320の内側には、弁部材317と、弁部材317の軸線方向への移動を案内する弁体案内部材372が配置され、弁部材317と弁体案内部材372との間には、O―リングORが配置されている。弁体案内部材372の大径の上端は、弁軸ホルダ306の下端外周と弁本体部320の上端内周との間で保持され、弁体案内部材372の小径の下端は、弁部材317の外周に取り付けられている。さらに弁体案内部材372は、流入管ITの軸線O(好ましくは流入管ITの内周上端E)より上方(軸線Oを挟んで弁口309と反対側)に、弁室VCと背圧室328とを連通する連通穴372fを有している。連通穴372fは、均圧通路APの最小断面積よりも小さい断面積を有することが望ましい。
弁部材317は、弁体保持部317aと、中空円筒状の弁体部317bと、両者間に配置された間座317eとから構成されている。弁体保持部317aは、横孔317cを形成した大円筒と、下方に突出して弁体部317bに嵌合し、横孔317cに交差する縦孔317dを備えた小円筒とを連設してなる。弁口309は、縦孔317dと横孔317cとからなる均圧通路APを介して、弁体案内部材372の内部に設けた背圧室328に連通する。
以下に、電動弁1Dの動作について説明する。ステッピングモータに電力が供給されることによりロータ357が回転し、これに伴い弁軸324が回転し、弁軸324の雄ネジ324aと雌ネジ306dとの相対螺動により、弁軸324が回転しつつ軸線方向に移動する。これにより弁部材317が上下移動して、弁座部材308の弁座310に着座し、もしくは離間する。
気液二相流となって流入管ITから弁室VCに流入した冷媒が、弁室VC内で重力に従い、弁室VCの下部に流れる液相と、弁室VCの上部に流れる気相とに分かれる。本実施形態によれば、連通穴372fが側面視で流入管ITの軸線O(好ましくは、流入管ITの内周上端E)より上方(軸線Oを挟んで弁口309と反対側)に配置されているため、閉弁時に、弁室VCの上部に流れた気相を、連通穴372fから背圧室328に流入させることができる。
背圧室328に流入した気相は、横孔317cおよび縦孔317dを介して弁口309に流れ、流出管OT側へと流れる。流出管OTに流れた気相は加圧されることで液相に変化し、冷凍システム内を循環することで、冷媒内に含まれたオイルにより各部の潤滑を行うことができる。
また、本実施形態によれば、弁室VCに気液二相流である冷媒が流入してきた際に、弁室VCの上部に気相が流れることで、気相のみを連通穴372fを通過させることができるため、通過音を小さく抑えることができる。
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されない。本発明の範囲内において、上述の実施形態の任意の構成要素の変形が可能である。また、上述の実施形態において任意の構成要素の追加または省略が可能である。また、冷媒を逆流れ状態でも使用できることはもちろんであり、逆流れ状態では、冷媒が流出管OTから弁室に流入し、流入管ITから流出する。
1、1A、1B、1C、1D 電動弁
5、120、320 弁本体部
8、123、308 弁座部材
9、123c、309 弁口
20、20A、20B 弁体
124、324 弁軸
30、170、328 背圧室
14f、20b、123h、372f 連通穴
40 不思議遊星歯車式減速機構
50 ステッピングモータ
55 ステータ
57 ロータ
58、140、340 キャン
AP 均圧通路
VC 弁室
IT 流入管
OT 流出管

Claims (7)

  1. 弁体と、
    弁座および前記弁座につながる弁口を備えた弁座部と、
    前記弁座部と連結され弁室が形成された弁本体部と、
    前記弁本体部に接合されたキャンと、
    前記キャンの内側に配在されたロータと、
    前記ロータの回転に応じて、前記弁体を前記弁座に対して近接又は離間する方向に移動させる弁体駆動部と、を有し、
    前記弁本体部の弁口と、前記弁体の少なくとも一部を挟んで前記弁口とは反対側に画成された背圧室とを連通する均圧通路が設けられ、
    前記弁室に流体が流入する流入管の軸線方向に見たときに、前記弁室と前記背圧室とを連通する連通穴が、前記流入管の軸線より前記弁口とは反対側に形成されている、
    ことを特徴とする電動弁。
  2. 当該電動弁を、前記キャンが反重力方向、前記弁口が重力方向に向くように配置した際に、
    前記連通穴は、前記軸線方向に見たときに、前記流入管の内周上端より重力方向上方に位置するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
  3. 当該電動弁を、前記弁体の移動方向と重力方向とが直交するように配置した際に、
    前記連通穴は、当該電動弁の軸線方向から見たときに、前記電動弁の軸線を含む水平面より重力方向上方に位置するように形成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電動弁。
  4. 前記連通穴の断面積は、前記均圧通路の最小断面積よりも小さい、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電動弁。
  5. 前記ロータを回転駆動すべく前記キャンの外側に配置されたステータを有する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の電動弁。
  6. 前記弁体駆動部は、前記ロータの回転を減速させて前記弁体に伝達する減速機構を有する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動弁。
  7. 前記弁体駆動部は、前記ロータの回転を減速機構を介さず前記弁体に伝達する、
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の電動弁。

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