JP2021147296A - バーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法 - Google Patents

バーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法 Download PDF

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【課題】 光ファイバ用母材を効率よく製造できるバーナー装置を実現し得るバーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法を提供する。
【解決手段】 バーナー用フード40は、内部でガラス微粒子22が生成される火炎31Fが形成される場合において、この火炎31の少なくとも一部における外周を囲い、ガラス微粒子22の進行方向側の端にガラス微粒子22が射出される開口41Hbが形成される筒状のフード本体41を備え、フード本体41には、内周面41Sに沿うように可燃性ガスを供給するガス供給口45Iが少なくとも1つ設けられる。
【選択図】 図4

Description

本発明は、バーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法に関する。
光ファイバの製造に用いる光ファイバ用母材を製造する方法として、OVD法(Outside Vapor Deposition method)やVAD法(Vapor Phase Axial Deposition)等を用いてガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成し、当該多孔質ガラス体を焼結させる方法が知られている。
例えば、下記特許文献1には、ガラス微粒子を堆積させるためのバーナー装置が記載されている。このバーナー装置は、可燃性ガスと助燃性ガスと原料ガスとを含むガスを噴出口から噴出して火炎を形成してこの火炎内にガラス微粒子を生成するバーナーと、バーナーによって形成される火炎の外周を囲む筒状のフードとを備える。
特開平5−58661号公報
上記特許文献1に記載のバーナー装置のように火炎の外周を囲む筒状のフードを備える場合、例えば、フードを備えない場合と比べて、大気の流れの影響等によって火炎が広がることを抑制して原料への熱伝達効率を上げてガラス微粒子の凝集を促進できる。このため、ガラス微粒子の径を大きくしてガラス微粒子に強い慣性力を働かせることができ、ターゲットに当たるガラス微粒子を多くしてガラス微粒子の堆積効率を向上させることができる。しかし、このようなバーナー装置では、フードの内周面にガラス微粒子が付着して当該ガラス微粒子が無駄になる場合がある。このため、より効率よく光ファイバ用母材を製造したいという要請がある。
そこで、本発明は、光ファイバ用母材を効率よく製造できるバーナー装置を実現し得るバーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的の達成のため、本発明のバーナー用フードは、内部でガラス微粒子が生成される火炎が形成される場合において、前記火炎の少なくとも一部における外周を囲い、前記ガラス微粒子の進行方向側の端に前記ガラス微粒子が射出される開口を有する筒状のフード本体を備え、前記フード本体には、内周面に沿うように可燃性ガスを供給するガス供給口が少なくとも1つ設けられることを特徴とするものである。
バーナーによって火炎を形成する場合、一般的に酸素等の助燃性ガスが余る傾向にある。このため、このようなバーナー用フードでは、フード本体の内周面に沿うように供給される可燃性ガスが余った助燃性ガスと反応して燃焼する。このため、ガス供給口から可燃性ガスがフード本体の内周面に沿うように供給されない場合と比べて、フード本体の内側の領域における内周面側の温度が高くなるようにし得、サーモフォレシス効果によってガラス微粒子がフード本体の内周面に近づくことを抑制し得る。したがって、本発明のバーナー用フードによれば、フード本体に内周面に沿うように可燃性ガスを供給するガス供給口が設けられない場合と比べて、フード本体の内周面へのガラス微粒子の付着を抑制してガラス微粒子の堆積効率を高くし得、光ファイバ用母材を効率よく製造できるバーナー装置に適用可能なバーナー用フードを実現し得る。
また、前記ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と平行で前記進行方向側に向けて前記可燃性ガスを供給することとしてもよい。
このような構成にすることで、ガス供給口がフード本体の長手方向と平行で進行方向側と反対側に向けて可燃性ガスを供給する場合と比べて、火炎が乱れることを抑制し得、ガラス微粒子の堆積効率を向上させ得る。
或いは、ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と非平行な方向へ向けて前記可燃性ガスを供給することとしてもよい。
このような構成にすることで、例えば、火炎を形成するガスの勢いによって、可燃性ガスが、フード本体の内周面に沿って旋回しながらガラス微粒子の進行方向に流れるようにし得る。このため、このバーナー用フードによれば、フード本体の内周面の周方向において、ガラス微粒子の付着を抑制する効果にムラが生じることを抑制し得る。
ガス供給口がフード本体の長手方向と非平行な方向へ向けて可燃性ガスを供給する場合、前記ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と垂直な方向へ向けて前記可燃性ガスを供給することとしもよい。或いは、前記ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と垂直な方向に向かって前記進行方向側に傾いた方向へ向けて前記可燃性ガスを供給することとしてもよい。前者の場合には、フード本体の内周面の周方向においてガラス微粒子の付着を抑制できる範囲を広くし得、後者の場合には、火炎が乱れることを抑制し得る。
また、前記フード本体には、前記ガス供給口が複数設けられ、前記フード本体の長手方向に沿って見る場合に、複数の前記ガス供給口は、前記フード本体の中心軸を基準とした回転対称となる位置に設けられることとしてもよい。
このような構成にすることで、複数のガス供給口が非回転対称となる位置に設けられる場合と比べて、ガス供給口からの可燃性ガスが内周面に沿って流れる領域をフード本体の周方向に広げ得る。したがって、このようなバーナー用フードによれば、ガラス微粒子の付着を抑制し得る範囲を広くし得る。
或いは、ガス供給口がフード本体の長手方向と平行でガラス微粒子の進行方向側に向けて可燃性ガスを供給する場合、前記フード本体には、前記ガス供給口が複数設けられ、前記フード本体の中心軸を含み前記フード本体の長手方向に平行な平面を基準とした一方側に位置する前記ガス供給口の数は、他方側に位置する前記ガス供給口の数より多いこととしてもよい。
例えば、火炎を形成するための可燃性ガスに水素ガスが用いられるとともにフード本体が鉛直方向に対して傾くように配置される場合、空気に対して比重の軽い水素ガスはフード本体の内側の領域において上方側に集まる傾向にある。このため、火炎は、フード本体の内周面のうち下方側より上方側に近づき、フード本体の内周面における上方側にガラス微粒子がより付着しやすくなる傾向にある。このため、このような場合、中心軸を含みフード本体の長手方向に平行な平面を基準とした一方側が上方側に位置するようにフード本体を配置することで、フード本体の内周面における上方側を沿うように流れる可燃性ガスの流量を、下方側を沿うように流れる可燃性ガスの流量より多くし得る。したがって、このバーナー用フードによれば、フード本体の内周面にガラス微粒子が付着することを適切に抑制することができる。
また、前記ガス供給口は、前記フード本体のうち前記火炎を囲っている部位の前記進行方向側と反対側の端から前記開口までの部位における前記フード本体の長手方向の中心より前記進行方向側と反対側に設けられることとしてもよい。
このような構成にすることで、ガス供給口が上記の中心より進行方向側に設けられる場合と比べて、フード本体の長手方向において、ガラス微粒子の付着を抑制できる範囲を広くし得る。
また、本発明のバーナー装置は、上記のバーナー用フードと、可燃性ガスと助燃性ガスと原料ガスとを含むガスを噴出口から噴出して前記バーナー用フードによって少なくとも一部における外周が囲われる火炎を形成し、前記火炎内にガラス微粒子を生成するバーナーと、を備えることを特徴とするものである。
このバーナー装置によれば、フード本体にガラス微粒子が付着することが抑制され、ガラス微粒子の堆積効率を高くし得、光ファイバ用母材を効率よく製造し得る。
また、前記バーナー用フードの前記フード本体と前記バーナーとが離隔していることとしてもよい。
このような構成にすることで、フード本体とバーナーとの隙間から大気をフード本体の内側の領域に供給し得、ガス供給口から供給される可燃性ガスを大気中の酸素と反応させて燃焼させることができる。このため、ガス供給口から供給される可燃性ガスを燃焼させるための酸素等の助燃性ガスをバーナーから噴出しなくてもガス供給口から供給される可燃性ガスを燃焼させることができる。
また、本発明の光ファイバ用母材の製造方法は、上記のバーナー装置におけるフード本体の開口から出射されるガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成する堆積工程を備えることを特徴とするものである。
この光ファイバ用母材の製造方法によれば、例えば、上記のようにガラス微粒子の堆積効率を高くし得、光ファイバ用母材の生産性を向上し得る。
また、本発明の光ファイバの製造方法は、上記の光ファイバ用母材の製造方法によって製造される光ファイバ用母材を線引きする線引工程を備えることを特徴とするものである。
この光ファイバの製造方法によれば、例えば、上記のように光ファイバ用母材の生産性が向上されるため、光ファイバの生産性を向上し得る。
以上のように、本発明によれば、光ファイバ用母材を効率よく製造できるバーナー装置を実現し得るバーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法が提供される。
本発明の第1実施形態に係るバーナー装置を用いて製造される光ファイバの長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。 図1に示す光ファイバを製造するための光ファイバ用母材の長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。 図2に示す光ファイバ用母材の製造に用いるバーナー装置を概略的に示す図である。 図3のIV−IV線におけるフード本体の断面の様子を概略的に示す図である。 図3のV−V線におけるフード本体の断面の様子と当該断面における温度分布の様子を概略的に示す図である。 本発明の第1実施形態に係る光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法の工程を示すフローチャートである。 線引工程の様子を示す図である。 第2実施形態のバーナー用フードを概略的に示す断面図である。 図8に示すバーナー用フードをフード本体の中心軸に沿った方向から見た図である。 本発明の変形例に係るバーナー用フードを図8と同様の視点で示す図である。 本発明の別の変形例におけるフード本体の断面の様子と当該断面における温度分布の様子を概略的に示す図である。
以下、本発明に係るバーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法を実施するための形態が添付図面とともに例示される。以下に例示する実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、以下の実施形態から変更、改良することができる。また、本明細書では、理解を容易にするために、各部材の寸法が誇張して示されている場合がある。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係るバーナー装置を用いて製造される光ファイバの長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。図1に示すように、本実施形態の光ファイバ1は、コア10と、コア10の外周面を囲むクラッド11と、クラッド11の外周面を被覆する被覆層12とを主な構成として備える。光ファイバ1の長手方向と垂直な断面におけるクラッド11の外形は円形とされ、当該コア10はクラッド11の中心に配置されている。なお、光ファイバ1の長手方向と垂直な断面におけるクラッド11の外形は楕円形や多角形等の非円形とされもよい。図1では、クラッド11の外形が円形とされる光ファイバ1が示されている。
被覆層12は、樹脂からなる。被覆層12を構成する樹脂として、例えば熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂が挙げられる。被覆層12は、クラッド11を囲う1つの樹脂の層からなる単層構造とされてもよく、複数の樹脂の層からなる多層構造とされてもよい。
図2は、図1に示す光ファイバ1を製造するための光ファイバ用母材の長手方向に垂直な断面の様子を示す図である。図2に示すように、光ファイバ用母材1Pは、円柱状の形状に形成され、コア10となるロッド状のコアガラス体10Pと、コアガラス体10Pの外周面を囲みクラッド11となるクラッドガラス体11Pとから構成される。光ファイバ用母材1Pの長手方向と垂直な断面において、クラッドガラス体11Pの外形は円形であり、コアガラス体10Pはクラッドガラス体11Pの中心に配置されている。また、光ファイバ用母材1Pの長手方向と垂直な断面において、コアガラス体10Pの外形は円形である。
次に、本実施形態に係る光ファイバ用母材1Pの製造に用いるバーナー装置について説明する。
図3は、図2に示す光ファイバ用母材1Pの製造に用いるバーナー装置を概略的に示す図である。図3に示すように、本実施形態のバーナー装置30は、バーナー31と、バーナー用フード40と、を主な構成として備える。
本実施形態のバーナー31は、ガスの流路となるガス管を複数有する多重管バーナーである。バーナー31には、図示しないガス供給源からガスが供給され、バーナー31は、当該ガスを噴出口31Hから噴出する。具体的には、バーナー31には、ガス供給源から原料ガス、可燃性ガス、及び助燃性ガスが供給され、これらのガスを噴出口31Hから噴出する。
原料ガスは、ガラス微粒子の原料を含むガスであり、原料は気体状態であってもよく、液体状態であってもよい。この原料として、例えば、アルキルシロキサン、アルキルシクロシロキサン等のシリコンや、四塩化ケイ素(SiCl)等が挙げられる。例えば、原料としてアルキルシロキサンを用いる場合、原料ガスはアルキルシロキサンと酸素とを含むガスとしてもよく、アルキルシロキサンと酸素とアルゴン等の不活性ガスとを含むガスとされてもよい。また、原料として四塩化ケイ素を用いる場合、原料ガスは四塩化ケイ素と酸素とを含むガスとされてもよく、四塩化ケイ素とアルゴン等の不活性ガスとを含むガスとされてもよく、四塩化ケイ素と酸素とアルゴン等の不活性ガスとを含むガスとされてもよい。また、可燃性ガスとして、例えば、酸水素ガス、水素、メタン等が挙げられ、助燃性ガスとして、例えば、酸素が挙げられる。
バーナー31は、可燃性ガス及び助燃性ガスの燃焼によって火炎31Fを形成するとともに、当該火炎31F内に原料を放出し、原料が加水分解反応または燃焼反応してシリカガラス(SiO)となり、火炎31F内にガラス微粒子が生成される。
本実施形態のバーナー用フード40は、両端に開口41Ha,41Hbを有する円筒状のフード本体41と、複数のガス供給管45Pとを備える。フード本体41は、一方の開口41Haがバーナー31の噴出口31Hと所定の間隔をあけて対向し中心軸41aが噴出口31Hの中心またはその近傍を通るように配置される。フード本体41の内径は、噴出口31Hの外径よりも大きく、長手方向において概ね一定である。このようなフード本体41は、バーナー31によって形成される火炎31Fの一部における外周を囲っており、フード本体41における火炎31Fを囲っている部位41bは、開口41Haから火炎31Fの先端と重なる位置までの部位である。火炎31F内に生成されるガラス微粒子は、フード本体41の内側の領域を開口41Ha側から開口41Hb側に進行して開口41Hbから出射される。また、フード本体41とバーナー31とは、上記のように離隔しているため、大気がフード本体41とバーナー31との隙間GPを介して一方の開口41Haからフード本体41の内側の領域に流入される。このため、一方の開口41Haは、大気を内部の領域に流させる大気導入口を兼ねている。なお、図3に示す例では、火炎31Fの先端はフード本体41の内側の領域内に位置している。しかし、火炎31Fは、一方の開口41Haからフード本体41の内側の領域内に入り、他方の開口41Hbから突出していてもよい。フード本体41を構成する材料として、例えば、ステンレス、鉄等の金属や、石英等のセラミックが挙げられる。
バーナー装置30は、このように開口41Hbから出射されるガラス微粒子が出発母材20に向かうように配置される。本実施形態では、フード本体41の中心軸41aが出発母材20と交わっており、中心軸41aが概ね水平方向に延在するようにバーナー装置30が配置される。なお、出発母材20に対するバーナー装置30の相対的な位置は、特に制限されるものではない。例えば、バーナー装置30は、出発母材20より下方に配置されてもよい。
出発母材20は、図1の光ファイバ1の一部となる部材である。具体的には、出発母材20は、コア10となるコアガラス体10Pからなる円柱状のコアロッドである。なお、出発母材20は、コアガラス体10Pからなるコアロッドの外周面がクラッドガラス体11Pと同じガラス体から成る被覆層で被覆された円柱状のガラスロッドとされてもよい。この出発母材20は、図示しない旋盤によって当該出発母材20の軸中心に回転させられる。このように回転する出発母材20の外周面に開口41Hbから出射されるガラス微粒子22が吹き付けられて当該ガラス微粒子22が堆積される。
複数のガス供給管45Pは、ガスの流路となるガス管であり、一端がフード本体41に接続され、他端が図示しないガス供給源に接続される。複数のガス供給管45Pには、このガス供給源から可燃性ガスが供給される。複数のガス供給管45Pがフード本体41に接続される接続部は、フード本体41の長手方向において概ね同じ位置に位置し、一方の開口41Haの近傍に位置している。
図4は、図3のIV−IV線におけるフード本体41の断面の様子を概略的に示す図であり、ガス供給管45Pが接続される部位を通る断面の様子を示す図である。図4に示すように、フード本体41の開口41Haの近傍における当該フード本体41の内周面41Sには、複数のガス供給管45Pに対応する複数のガス供給口45Iが設けられており、それぞれのガス供給口45Iには、1つのガス供給管45Pが接続されている。フード本体41の長手方向に沿って見る場合に、複数のガス供給口45Iは、フード本体41の中心軸41aを基準とした回転対称となる位置に設けられる。フード本体41の長手方向におけるこれらガス供給口45Iの位置は、概ね同じである。なお、図3、図4では、2つのガス供給口45Iが中心軸41aを基準とした180°回転対称となる位置に設けられる例が示されており、ガス供給管45Pの数は2つである。しかし、ガス供給口45Iの数は特に制限されるものではなく、1つであっても3つ以上であってもよい。また、ガス供給口45Iの数が複数である場合、複数のガス供給口45Iの位置は、フード本体41の中心軸41aを基準とした回転対称となる位置でなくてもよく、フード本体41の長手方向においてずれていてもよい。
ガス供給口45Iにはガス供給管45Pから可燃性ガスが供給され、ガス供給口45Iからフード本体41の内側の領域に可燃性ガスが供給される。本実施形態のガス供給口45Iは、この可燃性ガスがフード本体41の内周面41Sに沿うように、フード本体41の長手方向と垂直かつフード本体41の内周面41Sの接線方向に向かって可燃性ガスを供給する。このように供給される可燃性ガスは、バーナー31の噴出口31Hから噴出して火炎31Fを形成するガスの勢いによって、フード本体41の内周面41Sに沿って旋回しながらガラス微粒子22の進行方向に流れる。
なお、ガス供給口45Iは、バーナー31の噴出口31Hからガスが噴出されている状態において、可燃性ガスがフード本体41の内周面41Sに沿うように当該可燃性ガスを供給すればよい。例えば、フード本体41の長手方向と垂直な断面において、ガス供給口45Iが可燃性ガスを供給する方向は、フード本体41の内周面41Sの接線に対して中心軸41a側に傾いた方向であってもよい。なお、バーナー31の噴出口31Hから噴出されるガスの流れが乱れることを抑制する観点では、この傾いた方向と接線とのなす角度は、30度以下であることが好ましい。また、ガス供給口45Iが可燃性ガスを供給する方向は、フード本体41の長手方向と垂直な方向に対して傾いた方向であってもよい。なお、バーナー31の噴出口31Hから噴出されるガスの流れが乱れることを抑制する観点では、ガス供給口45Iが可燃性ガスを供給する方向は、フード本体41の長手方向と垂直な方向に向かってガラス微粒子22の進行方向側である開口41Hb側に傾いた方向であることが好ましい。一方、ガス供給口45Iからの可燃性ガスが内周面41Sに沿って流れる領域をフード本体41の周方向に広げる観点では、本実施形態のように、ガス供給口45Iが可燃性ガスを供給する方向は、フード本体41の長手方向と垂直な方向であることが好ましい。
本実施形態では、前述のように、大気が開口41Haからフード本体41の内側の領域に流入される。このため、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスは、開口41Haから流入する大気中の酸素と反応して燃焼する。
図5は、図3のV−V線におけるフード本体41の断面の様子と当該断面における温度分布の様子を概略的に示す図である。なお、図4のV−V線は、フード本体41のうち火炎31Fの外周を囲う部位41bをフード本体41の長手方向と垂直な方向に横切っている。また、図5では、ガス供給口45Iから可燃性ガスが供給される場合の温度分布が実線で示され、ガス供給口45Iから可燃性ガスが供給されない場合の温度分布が破線で示されている。また、理解を容易にするため、実線で示される温度分布と破線で示される温度分布はわずかにずらして記載されている。図5に示すように、ガス供給口45Iから可燃性ガスが供給される場合、当該可燃性ガスが燃焼することで、ガス供給口45Iから可燃性ガスが供給されない場合と比べて、フード本体41の内側の領域における内周面41S側の温度を高くするようにできる。換言すれば、このような温度分布となるように、ガス供給口45Iの位置、及びガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量等を調節する。なお、フード本体41のうちガス供給口45Iより開口41Hb側の少なくとも一部においてこのような温度分布となればよい。
このようなバーナー装置30は、図示しない移動装置によって出発母材20に対する相対的位置を変化できるように支持される。
次に、本実施形態に係る光ファイバ用母材1Pの製造方法、及び光ファイバ1の製造方法について説明する。
図6は、本実施形態に係る光ファイバ用母材1Pの製造方法、及び光ファイバ1の製造方法の工程を示すフローチャートである。図6に示すように、本実施形態の光ファイバ用母材1Pの製造方法は、堆積工程P1と、焼結工程P2とを備える。また、光ファイバ1の製造方法は、これら工程により製造された光ファイバ用母材1Pを線引きする線引工程P3を備える。
<堆積工程P1>
本工程は、図3、図4に示すバーナー装置30を用いて出発母材20の外面にガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体21を形成する工程である。本工程では、まず、上記の出発母材20を準備し、図示しない旋盤によって、出発母材20を当該出発母材20の軸中心に所定の速度で回転させる。次に、図示しないガス供給源からバーナー31に、原料ガス、可燃性ガス、及び助燃性ガスをそれぞれ所定の流量で供給し、バーナー31の噴出口31Hからこれらガスを噴出させて火炎31F内にガラス微粒子22を生成する。また、ガス供給源からガス供給管45Pに可燃性ガスを供給することで、ガス供給口45Iからフード本体41の内周面41Sに沿うように可燃性ガスを供給し、当該可燃性ガスを燃焼させる。そして、フード本体41の開口41Hbからガラス微粒子22を射出して出発母材20の外周面にガラス微粒子22を吹き付け、出発母材20の外周面を被覆するようにガラス微粒子22を堆積させる。このガラス微粒子22の堆積により、クラッド11となる多孔質ガラス体21が形成され、当該多孔質ガラス体21は出発母材20の外周面を被覆する。
なお、このようにガラス微粒子22を堆積させるとき、図示しない移動装置によって、バーナー装置30を出発母材20の長手方向に沿って繰り返し往復移動させる。また、バーナー装置30をガラス微粒子22の射出方向と概ね平行で出発母材20から離隔する方向に徐々に移動させる。そして、ガラス微粒子22が射出される開口41Hbと多孔質ガラス体21との距離を概ね一定に維持する。ガラス微粒子22の大きさは、開口41Hbからの距離によって変化する傾向にある。このため、上記のようにバーナー装置30を移動させることで、大きさが概ね同じガラス微粒子22が堆積され、多孔質ガラス体21の嵩密度を概ね一定にできる。
なお、ドーパントが添加されたシリカガラスによって光ファイバ1のクラッド11が形成される場合、例えば、ガス供給源は、当該ドーパントが添加された原料ガスをバーナー31に供給して、火炎内に原料とともにドーパントを放出する。
こうして、必要な回数だけバーナー装置30を往復移動させて、所定の重量の多孔質ガラス体21を形成する。
<焼結工程P2>
まず、必要に応じて多孔質ガラス体21が形成された出発母材20に脱水を行う。当該脱水は、ヒータが設けられ、アルゴン(Ar)、ヘリウム(He)等のガスが充填された炉内で所定時間エージングされることにより行われる。
次に焼結工程P2を行う。本工程は、炉内を減圧し、炉内の温度を更に上げて多孔質ガラス体21が透明なガラス体となるまで行う。このとき用いる炉は上記の脱水に用いる炉であってもよく、上記脱水に用いる炉と異なる炉であってもよい。
本工程においては、出発母材20は殆ど変化することなく図2に示す光ファイバ用母材1Pのコアガラス体10Pとなる。また、多孔質ガラス体21が光ファイバ用母材1Pのクラッドガラス体11Pとなる。こうして、図2に示す光ファイバ用母材1Pを得る。
<線引工程P3>
図7は、本工程の様子を示す図である。まず、本工程を行う準備段階として、堆積工程P1及び焼結工程P2により製造された光ファイバ用母材1Pを紡糸炉110に設置する。そして、紡糸炉110の加熱部111を発熱させて、光ファイバ用母材1Pを加熱する。この加熱によって光ファイバ用母材1Pの下端部は溶融状態となり、この下端部からガラス線が引き出される。この線引きされたガラス線は、紡糸炉110から出ると、すぐに固化して、コアガラス体10Pがコア10となり、クラッドガラス体11Pがクラッド11となり、コア10とクラッド11とから構成される光ファイバ裸線1Nとなる。このようにして、光ファイバ用母材1Pから光ファイバ裸線1Nを線引きする。その後、この光ファイバ裸線1Nは、冷却装置120を通過して、適切な温度まで冷却される。
次に、この光ファイバ裸線1Nは、被覆層12となる未硬化状態の樹脂が貯留された塗布部131を通過して、この樹脂によって被覆される。この樹脂が被覆された光ファイバ裸線1Nは、硬化部132を通過して、樹脂が硬化して被覆層12が形成され、図1に示す光ファイバ1となる。例えば、被覆層12が熱硬化性樹脂から成る場合、硬化部132は光ファイバ裸線1Nを被覆する樹脂に熱を加える構成とされ、被覆層12が紫外線硬化性樹脂から成る場合、硬化部132は光ファイバ裸線1Nを被覆する樹脂に紫外線を照射する構成とされる。
そして、光ファイバ1は、ターンプーリー141により方向が変換され、巻き取り部142により巻き取られる。こうして、図1に示す光ファイバ1が製造される。
以上説明したように、本実施形態のバーナー用フード40は、筒状のフード本体41を備える。フード本体41は、内部でガラス微粒子22が生成される火炎31Fの一部における外周を囲い、ガラス微粒子22の進行方向側の端にガラス微粒子22が射出される開口41Hbを有する。フード本体41には、内周面41Sに沿うように可燃性ガスを供給するガス供給口45Iが少なくとも1つ設けられる。また、フード本体41には、大気をフード本体41の内側の領域に流入させる大気導入口を兼ねる開口41Haを有する。
本実施形態のバーナー用フード40では、フード本体41の内周面41Sに沿うように供給される可燃性ガスは開口41Haから流入する大気中の酸素と反応して燃焼する。そして、図5に示すように、ガス供給口45Iから可燃性ガスが供給されない場合と比べて、フード本体41の内側の領域における内周面41S側の温度が高くなるようにし得る。このため、サーモフォレシス効果によってガラス微粒子22がフード本体41の内周面41Sに近づくことを抑制し得る。したがって、本実施形態のバーナー用フード40によれば、フード本体41に内周面41Sに沿うように可燃性ガスを供給するガス供給口45Iが設けられない場合と比べて、フード本体41の内周面41Sへのガラス微粒子22の付着を抑制してガラス微粒子22の堆積効率を高くし得、光ファイバ用母材1Pを効率よく製造できるバーナー装置30を実現し得る。
また、本実施形態のバーナー用フード40では、ガス供給口45Iは、フード本体41の長手方向と垂直な方向へ向けて可燃性ガスを供給する。このため、火炎31Fを形成するバーナー31からのガスの勢いによって、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスが、フード本体41の内周面に沿って旋回しながらガラス微粒子22の進行方向に流れるようにできる。このため、本実施形態のバーナー用フード40によれば、フード本体41の内周面41Sの周方向において、ガラス微粒子22の付着を抑制する効果にムラが生じることを抑制し得る。
また、本実施形態のバーナー用フード40では、フード本体41には、ガス供給口45Iが複数設けられる。フード本体41の長手方向に沿って見る場合に、これら複数のガス供給口45Iは、フード本体41の中心軸41aを基準とした回転対称となる位置に設けられている。このため、複数のガス供給口45Iが非回転対称となる位置に設けられる場合と比べて、ガス供給口45Iからの可燃性ガスが内周面41Sに沿って流れる領域をフード本体41の周方向に広げ得る。したがって、本実施形態のバーナー用フード40によれば、ガラス微粒子22の付着を抑制し得る範囲を広くし得る。
また、本実施形態のバーナー装置30は、上記のバーナー用フード40と、バーナー31と、を備える。バーナー31は、可燃性ガスと助燃性ガスと原料ガスとを含むガスを噴出口31Hから噴出してバーナー用フード40によって少なくとも一部における外周が囲われる火炎31Fを形成し、この火炎31F内にガラス微粒子22を生成する。本実施形態のバーナー装置30によれば、バーナー用フード40にガラス微粒子22が付着することが抑制され、ガラス微粒子22の堆積効率を高くし得、光ファイバ用母材1Pを効率よく製造し得る。
また、本実施形態のバーナー装置30では、バーナー用フード40のフード本体41とバーナー31とが離隔している。このため、本実施形態のバーナー装置30によれば、フード本体41とバーナー31との隙間GPから大気をフード本体41の内側の領域に供給し得、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスを大気中の酸素と反応させて燃焼させることができる。このため、例えばガス供給口45Iから供給される可燃性ガスを燃焼させるための酸素等の助燃性ガスをバーナー31から噴出しなくてもガス供給口45Iから供給される可燃性ガスを燃焼させることができる。
また、本実施形態の光ファイバ用母材の製造方法は、上記のバーナー装置30におけるフード本体41の開口41Hbから出射されるガラス微粒子22を堆積させて多孔質ガラス体21を形成する堆積工程P1を備える。本実施形態の光ファイバ用母材の製造方法によれば、例えば、上記のようにガラス微粒子22の堆積効率を高くし得、光ファイバ用母材1Pの生産性を向上し得る。
また、本実施形態の光ファイバの製造方法は、上記の光ファイバ用母材の製造方法によって製造される光ファイバ用母材1Pを線引きする線引工程P3を備える。本実施形態の光ファイバの製造方法によれば、例えば、上記のように光ファイバ用母材1Pの生産性が向上されるため、光ファイバ1の生産性を向上し得る。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図8、図9を参照して詳細に説明する。なお、第1実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図8は、本実施形態のバーナー用フードを概略的に示す断面図であり、フード本体41の中心軸41aに沿った鉛直断面図である。なお、図8では、バーナー31の先端部も記載されている。また、図9は、図8に示すバーナー用フード40をフード本体41の長手方向に沿った方向から見た図であり、ガラス微粒子22が出射される開口41Hb側から見た図である。図8、図9に示すように、本実施形態のバーナー用フード40は、ガス供給口45Iが可燃性ガスを供給する方向がフード本体41の長手方向と平行な方向である点、及び複数のガス供給口45Iが中心軸41aを基準とした非回転対称となる位置に設けられる点において、第1実施形態のバーナー用フード40と異なる。
本実施形態では、ガス供給口45Iは、フード本体41の長手方向と平行でガラス微粒子22の進行方向側である開口41Hb側に向けて可燃性ガスを供給する。このため、ガス供給口45Iがフード本体41の長手方向と平行でガラス微粒子22の進行方向側と反対側である開口41Ha側に向けて可燃性ガスを供給する場合と比べて、バーナー31の噴出口31Hされるガスの流れが乱れることを抑制し得る。したがって、本実施形態のバーナー用フード40によれば、バーナー31よって形成される火炎31Fが乱れることを抑制し得、ガラス微粒子22の堆積効率を向上させ得る。なお、ガス供給口45Iが可燃性ガスを供給する方向が長手方向と平行な方向に対して開口41Hb側に向かって中心軸41aに近づくように傾いてもよい。このような場合において、バーナー31の噴出口31Hされるガスの流れが乱れることを抑制する観点では、この傾いた方向と中心軸41aとのなす角度は、30度以下であることが好ましい。
また、本実施形態では、中心軸41aを含みフード本体41の長手方向に平行な平面RSを基準とした一方側に位置するガス供給口45Iの数は、この平面RSを基準とした他方側に位置する複数のガス供給口45Iの数より多い。一方側に位置するガス供給口45Iは、フード本体41の周方向に所定の間隔をあけて配置され、他方側に位置するガス供給口45Iは、フード本体41の周方向に所定の間隔とは異なる間隔をあけて配置される。なお、図8、図9では、一方側に5つのガス供給口45Iが設けられ、他方側に3つのガス供給口45Iが設けられる例が示されており、ガス供給管45Pの数は8つである。しかし、一方側に位置するガス供給口45Iの数が他方側に位置するガス供給口45Iの数より多ければよく、一方側に位置するガス供給口45Iの数や他方側に位置するガス供給口45Iの数は特に制限されるものではない。例えば、一方側にのみガス供給口45Iが配置されていてもよい。また、一方側に位置するガス供給口45Iにおける周方向の間隔や、他方側に位置するガス供給口45Iにおける周方向の間隔は特に制限されるものではない。
本実施形態では、平面RSが水平方向に延在し、5つのガス供給口45Iが設けられ側である一方側が上側に位置するように、フード本体41が配置される。このため、例えば、バーナー31によって火炎31Fを形成するための可燃性ガスに水素ガスが用いられる場合、空気に対して比重の軽い水素ガスはフード本体41の内側の領域において上方側に集まる傾向にある。このため、火炎31Fは、フード本体41の内周面41Sのうち下方側より上方側に近づき、フード本体41の内周面41Sにおける上方側にガラス微粒子がより付着しやすくなる傾向にある。ここで、本実施形態では、上記のように、上側である一方側に位置するガス供給口45Iの数は、下側に位置するガス供給口45Iの数より多いため、フード本体41の内周面41Sにおける上方側を沿うように流れる可燃性ガスの流量を、下方側を沿うように流れる可燃性ガスの流量より多くし得る。このため、本実施形態のバーナー用フード40によれば、フード本体41の内周面にガラス微粒子22が付着することを適切に抑制することができる。
なお、フード本体41の内周面にガラス微粒子22が付着することを適切に抑制する観点では、フード本体41の内周面41Sにおける上方側を沿うように流れる可燃性ガスの流量が下方側を沿うように流れる可燃性ガスの流量より多くなればよい。このため、上側である一方側に位置するガス供給口45Iの数は、下側に位置するガス供給口45Iの数以下であってもよく、このような場合は、上側に位置するガス供給口45Iの全体から供給される可燃性ガスの流量を下側に位置するガス供給口45Iの全体から供給される可燃性ガスより多くする。
以上、本発明について、上記実施形態を例に説明したが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、長手方向において内径が概ね一定の円筒状のフード本体41を例に説明した。しかし、フード本体の内径は、長手方向において一定でなくてもよい。例えば、フード本体は、ガラス微粒子22の進行方向に向かって内径が徐々に小さくなる縮径部や、ガラス微粒子22の進行方向に向かって内径が徐々に大きくなる拡径部を有していてもよい。また、中心軸41aと垂直な断面におけるフード本体41の内周面41Sの形状は楕円形や多角形等の非円形とされもよい。
また、上記実施形態では、ガラス微粒子22が出射される開口41Hbと反対側の開口41Haの近傍にガス供給口45Iが設けられるフード本体41を例に説明した。しかし、フード本体41の長手方向におけるガス供給口45Iの位置は、特に制限されるものではない。しかし、フード本体41へのガラス微粒子22の付着を抑制する範囲を広くする観点では、フード本体41の長手方向におけるガス供給口45Iの位置は、フード本体41の長手方向と平行な方向における中心よりガラス微粒子22の進行方向側と反対側に設けられることが好ましい。このような構成にすることで、ガス供給口45Iが上記の中心よりガラス微粒子22の進行方向側に設けられる場合と比べて、フード本体41の中心軸41aと平行な方向において、ガラス微粒子の付着を抑制できる範囲を広くし得る。なお、上記実施形態では、フード本体41のうち火炎31Fを囲っている部位41bにおけるガラス微粒子22の進行方向側と反対側の端は、フード本体41の一端である開口41Haである。
また、上記実施形態では、バーナー31とバーナー用フード40のフード本体41とが離隔しているバーナー装置30を例に説明した。しかし、例えば、図10に示すように、バーナー31にフード本体41が接続されていてもよい。なお、図10は、本発明の変形例に係るバーナー用フード40を図8と同様の視点で示す図であり、第2実施形態と同一又は同等の構成要素については、同一の参照符号を付して特に説明する場合を除き重複する説明は省略する。
図10に示すように、本変形例のフード本体41は、ガラス微粒子22が出射される開口41Hb側と反対側の端部に接続部41cを有する。本変形例の接続部41cは、ガラス微粒子22の進行方向に向かって内径が徐々に大きくなる円筒状に形成される。この接続部41cの開口41Hb側と反対側の端の全周はバーナー31の外周面に接続し、フード本体41の内側の領域内にバーナー31の先端部が入り込んでいる。そして、フード本体41は、火炎31Fの全体における外周を囲っている。
ここで、バーナーによって火炎を形成する場合、一般的に酸素等の助燃性ガスが余る傾向にある。このため、本変形例のバーナー用フード40では、ガス供給口45Iからフード本体41の内周面41Sに沿うように供給される可燃性ガスがバーナー31の噴出口31Hから噴出された助燃性ガスの一部と反応して燃焼する。このため、大気をフード本体41の内側の領域に流入させる大気導入口がフード本体41に形成されない本変形例のバーナー用フード40であっても、第2実施形態と同様にして、フード本体41にガラス微粒子22が付着することを抑制し得る。なお、本変形例では、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスが不完全燃焼することを抑制するため、バーナー31の噴出口31Hから噴出される助燃性ガスの流量を第2実施形態より多くしてもよい。また、本変形例のフード本体41に、外周面から内周面まで貫通する貫通孔である大気導入口を設けてもよい。このような構成にすることで、大気導入口から大気を内部の領域に流させることができ、大気中の酸素とガス供給口45Iから供給される可燃性ガスとを反応させ当該可燃性ガスの不完全燃焼を抑制し得る。なお、大気導入口は、ガス供給口45Iより開口41Hb側と反対側に設けられることが好ましい。また、ガス供給口45Iは、フード本体41のうち火炎31Fを囲っている部位41bにおけるガラス微粒子22の進行方向側と反対側の端41eからガラス微粒子22が出射される開口41Hbまでの部位におけるフード本体41の長手方向での中心MPよりガラス微粒子22の進行方向側と反対側に設けられることが好ましい。なお、火炎31Fを囲っている部位41bは、バーナー31の噴出口31Hと重なる位置から火炎31Fの先端と重なる位置までの部位であり、上記端41eは、噴出口31Hと重なる部位である。このような構成にすることで、ガス供給口45Iが上記の中心よりガラス微粒子22の進行方向側に設けられる場合と比べて、フード本体41の長手方向において、ガラス微粒子の付着を抑制できる範囲を広くし得る。なお、第1実施形態及び第2実施形態では、上記の中心MPはフード本体41の長手方向における中心である。また、第1実施形態のフード本体41が本変形例に示される接続部41cを有していてもよい。
また、フード本体41のガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量は、バーナー31の噴出口31Hから噴射される原料ガス、可燃性ガス、及び助燃性ガスの流量に応じて変化させることが好ましい。ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量を変化させることで、フード本体41の内部の領域における温度分布を変化させることができる。例えば、図11に示すような温度分布となるように、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量を調節してもよい。なお、図11は、別の変形例におけるフード本体の断面の様子と当該断面における温度分布の様子を概略的に示す図である。この別の変形例では、フード本体41は第1実施形態と同様の構成とされ、図11に示す断面の位置は図5に示す断面の位置と同じであり、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量が第1実施形態と異なる。また、図11では、ガス供給口45Iから可燃性ガスが供給される場合の温度分布が実線で示され、ガス供給口45Iから可燃性ガスが供給されない場合の温度分布が破線で示されている。また、理解を容易にするため、実線で示される温度分布と破線で示される温度分布はわずかにずらして記載されている。ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量を調節して、図11に示すように、フード本体41の内側の領域における内周面41S側の温度をフード本体41の中心軸41a及びその近傍の温度より高くしてもよい。換言すれば、このような温度分布となるように、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量を調節してもよい。このような構成にすることで、第1実施形態と同様に、サーモフォレシス効果によってガラス微粒子22がフード本体41の内周面41Sに近づくことを抑制し得る。また、本変形例のバーナー用フード40では、上記のように、フード本体41の内側の領域における内周面41S側の温度をフード本体41の中心軸41a及びその近傍の温度より高いため、ガラス微粒子22をフード本体41の中心軸41a及びその近傍により集中させ得る。このため、本変形例のバーナー用フード40によれば、ガラス微粒子22の凝集を促進し得、ガラス微粒子の堆積効率をより高くし得る。なお、ガラス微粒子の堆積効率をより高くする観点では、フード本体41のうちガス供給口45Iより開口41Hb側の少なくとも一部において、内周面41S側の温度がフード本体41の中心軸41a及びその近傍の温度より高くなればよい。また、第2実施形態のフード本体41や前述の変形例のフード本体41においても、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスの流量を調節することで、内周面41S側の温度がフード本体41の中心軸41a及びその近傍の温度より高くなるようにできる。
また、上記実施形態では、バーナー31とバーナー用フード40のフード本体41と相対的位置が変化しないバーナー装置30を例に説明した。しかし、バーナー装置30は、バーナー31とバーナー用フード40のフード本体41と相対的位置が変更可能に構成されてもよい。また、バーナー用フード40のフード本体41には、ガス供給口45Iから供給される可燃性ガスと反応させる助燃性ガスを供給する別のガス供給口が設けられてもよい。また、ガス供給口45Iから可燃性ガス及び助燃性ガスを含むガスを供給してもよい。
また、上記実施形態では、OVD法により出発母材20の外周面にガラス微粒子22を堆積させるバーナー装置30を例に説明した。しかし、バーナー装置30は、VAD法により出発母材20の外面にガラス微粒子22を堆積させることもできる。この場合、例えば、出発母材20は長手方向が鉛直に沿うように配置され、バーナー装置30は軸中心に回転する出発母材20の下側の端部における外面にガラス微粒子22を堆積させるように配置される。
以上説明したように、本発明によれば、光ファイバ用母材を効率よく製造できるバーナー装置を実現し得るバーナー用フード、バーナー装置、光ファイバ用母材の製造方法、及び光ファイバの製造方法が提供され、光ファイバ通信等の分野で利用することが期待される。
1・・・光ファイバ
1P・・・光ファイバ用母材
30・・・バーナー装置
31・・・バーナー
40・・・バーナー用フード
41・・・フード本体
41S・・・内周面
41Ha,41Hb・・・開口
45I・・・ガス供給口
P1・・・堆積工程
P2・・・焼結工程
P3・・・線引工程

Claims (12)

  1. 内部でガラス微粒子が生成される火炎が形成される場合において、前記火炎の少なくとも一部における外周を囲い、前記ガラス微粒子の進行方向側の端に前記ガラス微粒子が射出される開口を有する筒状のフード本体を備え、
    前記フード本体には、内周面に沿うように可燃性ガスを供給するガス供給口が少なくとも1つ設けられる
    ことを特徴とするバーナー用フード。
  2. 前記ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と平行で前記進行方向側に向けて前記可燃性ガスを供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバーナー用フード。
  3. 前記ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と非平行な方向へ向けて前記可燃性ガスを供給する
    ことを特徴とする請求項1に記載のバーナー用フード。
  4. 前記ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と垂直な方向へ向けて前記可燃性ガスを供給する
    ことを特徴とする請求項3に記載のバーナー用フード。
  5. 前記ガス供給口は、前記フード本体の長手方向と垂直な方向に向かって前記進行方向側に傾いた方向へ向けて前記可燃性ガスを供給する
    ことを特徴とする請求項3に記載のバーナー用フード。
  6. 前記フード本体には、前記ガス供給口が複数設けられ、
    前記フード本体の長手方向に沿って見る場合に、複数の前記ガス供給口は、前記フード本体の中心軸を基準とした回転対称となる位置に設けられる
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のバーナー用フード。
  7. 前記フード本体には、前記ガス供給口が複数設けられ、
    前記フード本体の中心軸を含み前記フード本体の長手方向に平行な平面を基準とした一方側に位置する前記ガス供給口の数は、他方側に位置する前記ガス供給口の数より多い
    ことを特徴とする請求項2に記載のバーナー用フード。
  8. 前記ガス供給口は、前記フード本体のうち前記火炎を囲っている部位の前記進行方向側と反対側の端から前記開口までの部位における前記フード本体の長手方向の中心より前記進行方向側と反対側に設けられる
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載のバーナー用フード。
  9. 請求項1から8のいずれか1項に記載のバーナー用フードと、
    可燃性ガスと助燃性ガスと原料ガスとを含むガスを噴出口から噴出して前記バーナー用フードのフード本体によって少なくとも一部における外周が囲われる火炎を形成し、前記火炎内にガラス微粒子を生成するバーナーと、
    を備える
    ことを特徴とするバーナー装置。
  10. 前記バーナー用フードの前記フード本体と前記バーナーとが離隔している
    ことを特徴とする請求項9に記載のバーナー装置。
  11. 請求項9または10に記載のバーナー装置におけるフード本体の開口から出射されるガラス微粒子を堆積させて多孔質ガラス体を形成する堆積工程を備える
    ことを特徴とする光ファイバ用母材の製造方法。
  12. 請求項11に記載の光ファイバ用母材の製造方法によって製造される光ファイバ用母材を線引きする線引工程を備える
    ことを特徴とする光ファイバの製造方法。

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