JP2021147262A - 光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にする光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置を提供する。【解決手段】ガラスファイバの周囲に紫外線硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法である。ガラスファイバの周囲に紫外線硬化樹脂を塗布するステップと、紫外線硬化樹脂を塗布したガラスファイバを、紫外線を透過可能な筒状体(石英管2で例示)の内部に通過させるステップと、光源(UVバルブ4で例示)を用いて紫外線を筒状体の外から照射して硬化させ、被覆を形成するステップと、紫外線の照射による被覆の硬化度に相関する特性を求める(UV硬化センサー50で例示)ステップと、求めた被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、被覆の硬化度が一定になるように光源への投入電力を制御(電力制御部41で例示)するステップと、を含む。【選択図】図3
Description
本開示は、光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置に関する。
ガラスファイバを保護用の紫外線硬化樹脂(以下、UV(ultraviolet)硬化樹脂と称する)で被覆したものは光ファイバ素線と呼ばれる。UV硬化樹脂は所定の粘度に調製されており、UV硬化樹脂の樹脂塗布装置にてガラスファイバに塗布される。その後、UV硬化樹脂は、UV照射炉にて紫外線が照射されて硬化する。例えば、特許文献1にはUV照射炉が開示されている。このUV照射炉は、紫外線を透過可能に構成された筒状体(以下、石英管と称する)を有する。UV硬化樹脂を塗布したガラスファイバが石英管内を通過する。光源は石英管の外に配置され、紫外線が石英管の外からUV硬化樹脂に照射される。
UV硬化樹脂の一部が揮発して石英管の内面に付着すると、石英管が曇化する。石英管の曇化は、UV硬化樹脂に到達する紫外線量にムラを生じさせるので、UV硬化樹脂による被覆の硬化度が光ファイバ素線の長手方向で異なる場合がある。特許文献1には、被覆の硬化度を均一にするために、石英管を透過した紫外線(以下、石英管の透過光と称する)の照度が一定になるように光源への投入電力を制御する技術が開示されている。
ところで、光源からの紫外線は、石英管の周壁(詳しくは、光源から見て手前側の周壁)を透過してこの石英管の内部に入り、再び石英管の周壁(詳しくは、光源から見て奥側の周壁)を透過して石英管の外部に出て、石英管の透過光として、石英管2の外部に配置されたセンサーで検出される。
石英管が曇化していた場合には、石英管の透過光は、手前側の周壁の曇り部分で減衰された後、奥側の周壁の曇り部分でさらに減衰されたものがセンサーで検出されるので、このセンサーでは、石英管の内部における紫外線の照度よりも、奥側の周壁を透過した分だけ小さな値が検出される。
石英管が曇化していた場合には、石英管の透過光は、手前側の周壁の曇り部分で減衰された後、奥側の周壁の曇り部分でさらに減衰されたものがセンサーで検出されるので、このセンサーでは、石英管の内部における紫外線の照度よりも、奥側の周壁を透過した分だけ小さな値が検出される。
このため、石英管の透過光の照度が一定になるように光源への投入電力を制御した場合には、奥側の周壁を透過してさらに減衰した分を補うために、光源からの紫外線の照度は、石英管の内部で被覆の硬化に本来必要な照度よりも大きくなってしまう。これでは、石英管が曇化するに連れて、石英管の内部における紫外線の照度が次第に高くなり、被覆の硬化度も次第に高くなることから、被覆の硬化度が光ファイバの長手方向で均一にならない。そこで、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にすることが望まれる。
本開示は、上述のような実情に鑑みてなされたもので、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にする光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置を提供することを目的とする。
本開示の一態様に係る光ファイバの製造方法は、ガラスファイバの周囲にUV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、前記ガラスファイバの周囲に前記UV硬化樹脂を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な筒状体の内部に通過させるステップと、光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成するステップと、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度が一定になるように前記光源への投入電力を制御するステップと、を含む。
本開示の一態様に係る光ファイバの製造方法は、ガラスファイバの周囲にUV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、前記ガラスファイバの周囲に前記UV硬化樹脂を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な第1の筒状体の内部に通過させるステップと、第1の光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成する第1の照射ステップと、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、前記特性を求めた後、第2の光源を用いて前記被覆に紫外線を照射する第2の照射ステップと、求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度に応じて前記第2の光源への投入電力を制御するステップと、を含む。
本開示の一態様に係る光ファイバの製造方法は、ガラスファイバの周囲にUV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、前記ガラスファイバの周囲に前記UV硬化樹脂を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な第1の筒状体の内部に通過させるステップと、第1の光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成する第1の照射ステップと、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、前記特性を求めた後、第2の光源を用いて前記被覆に紫外線を照射する第2の照射ステップと、求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度に応じて前記第2の光源への投入電力を制御するステップと、を含む。
本開示の一態様に係る光ファイバの製造装置は、UV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、紫外線を透過可能に構成されて、前記UV硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する光源を有する紫外線照射炉と、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度が一定になるように前記光源への投入電力を制御する電力制御部と、を備える。
本開示の一態様に係る光ファイバの製造装置は、UV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、紫外線を透過可能に構成されて、前記UV硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する第1の光源を有する第1の紫外線照射炉と、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、前記特性を求めた後、前記被覆に紫外線を照射する第2の光源を有する第2の紫外線照射炉と、該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記第2の光源への投入電力を制御する電力制御部と、を備える。
本開示の一態様に係る光ファイバの製造装置は、UV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、紫外線を透過可能に構成されて、前記UV硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する第1の光源を有する第1の紫外線照射炉と、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、前記特性を求めた後、前記被覆に紫外線を照射する第2の光源を有する第2の紫外線照射炉と、該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記第2の光源への投入電力を制御する電力制御部と、を備える。
上記によれば、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にできる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
本開示に係る光ファイバの製造方法は、(1)ガラスファイバの周囲にUV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、前記ガラスファイバの周囲に前記UV硬化樹脂を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な筒状体の内部に通過させるステップと、光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成するステップと、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度が一定になるように前記光源への投入電力を制御するステップと、を含む。
被覆の硬化度に相関する特性を取得し、筒状体内における紫外線の照度が一定となるように、光源への投入電力を制御する。このため、筒状体を透過した紫外線の照度を一定とした場合のような奥側の周壁を透過した分を補わなくて済む。よって、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にできる。
本開示に係る光ファイバの製造方法は、(2)ガラスファイバの周囲にUV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、前記ガラスファイバの周囲に前記UV硬化樹脂を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な第1の筒状体の内部に通過させるステップと、第1の光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成する第1の照射ステップと、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、前記特性を求めた後、第2の光源を用いて前記被覆に紫外線を照射する第2の照射ステップと、求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度に応じて前記第2の光源への投入電力を制御するステップと、を含む。
紫外線の照射による被覆の硬化度に相関する特性を求めた後に、この求めた特性に応じた照射を行うため、被覆の硬化度を長さ方向でより確実に均一にすることができる。
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
本開示に係る光ファイバの製造方法は、(1)ガラスファイバの周囲にUV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、前記ガラスファイバの周囲に前記UV硬化樹脂を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な筒状体の内部に通過させるステップと、光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成するステップと、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度が一定になるように前記光源への投入電力を制御するステップと、を含む。
被覆の硬化度に相関する特性を取得し、筒状体内における紫外線の照度が一定となるように、光源への投入電力を制御する。このため、筒状体を透過した紫外線の照度を一定とした場合のような奥側の周壁を透過した分を補わなくて済む。よって、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にできる。
本開示に係る光ファイバの製造方法は、(2)ガラスファイバの周囲にUV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、前記ガラスファイバの周囲に前記UV硬化樹脂を塗布するステップと、前記UV硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な第1の筒状体の内部に通過させるステップと、第1の光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成する第1の照射ステップと、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、前記特性を求めた後、第2の光源を用いて前記被覆に紫外線を照射する第2の照射ステップと、求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度に応じて前記第2の光源への投入電力を制御するステップと、を含む。
紫外線の照射による被覆の硬化度に相関する特性を求めた後に、この求めた特性に応じた照射を行うため、被覆の硬化度を長さ方向でより確実に均一にすることができる。
本開示に係る光ファイバの製造装置は、(3)UV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、紫外線を透過可能に構成されて、前記UV硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する光源を有する紫外線照射炉と、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度が一定になるように前記光源への投入電力を制御する電力制御部と、を備える。
被覆の硬化度に相関する特性を取得し、筒状体内における紫外線の照度が一定となるように、光源への投入電力を制御する。このため、筒状体を透過した紫外線の照度を一定とした場合のような奥側の周壁を透過した分を補わなくて済む。よって、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にできる。
本開示に係る光ファイバの製造装置は、(4)UV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、紫外線を透過可能に構成されて、前記UV硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する第1の光源を有する第1の紫外線照射炉と、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、前記特性を求めた後、前記被覆に紫外線を照射する第2の光源を有する第2の紫外線照射炉と、該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記第2の光源への投入電力を制御する電力制御部と、を備える。
紫外線の照射による被覆の硬化度に相関する特性を求めた後に、この求めた特性に応じた照射を行うため、被覆の硬化度を長さ方向でより確実に均一にすることができる。
被覆の硬化度に相関する特性を取得し、筒状体内における紫外線の照度が一定となるように、光源への投入電力を制御する。このため、筒状体を透過した紫外線の照度を一定とした場合のような奥側の周壁を透過した分を補わなくて済む。よって、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にできる。
本開示に係る光ファイバの製造装置は、(4)UV硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、紫外線を透過可能に構成されて、前記UV硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する第1の光源を有する第1の紫外線照射炉と、前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、前記特性を求めた後、前記被覆に紫外線を照射する第2の光源を有する第2の紫外線照射炉と、該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記第2の光源への投入電力を制御する電力制御部と、を備える。
紫外線の照射による被覆の硬化度に相関する特性を求めた後に、この求めた特性に応じた照射を行うため、被覆の硬化度を長さ方向でより確実に均一にすることができる。
(5)本開示の光ファイバの製造装置の一態様では、前記特性取得部が、紫外線を前記被覆に照射し、該紫外線の照射によって前記被覆から放射された蛍光の強度を測定するUV硬化センサーである。
紫外線の照射によって被覆から放射された蛍光の強度を測定すれば、被覆の硬化度が分かるので、光源への投入電力を容易に制御できる。
(6)本開示の光ファイバの製造装置の一態様では、前記特性取得部が、官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光を前記被覆に照射し、該赤外光の照射による前記被覆からの反射光または透過光の照度を測定する特性センサーである。
官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光の照射による被覆からの反射光または透過光の照度を測定すれば、被覆の硬化度が分かるので、光源への投入電力を容易に制御できる。
紫外線の照射によって被覆から放射された蛍光の強度を測定すれば、被覆の硬化度が分かるので、光源への投入電力を容易に制御できる。
(6)本開示の光ファイバの製造装置の一態様では、前記特性取得部が、官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光を前記被覆に照射し、該赤外光の照射による前記被覆からの反射光または透過光の照度を測定する特性センサーである。
官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光の照射による被覆からの反射光または透過光の照度を測定すれば、被覆の硬化度が分かるので、光源への投入電力を容易に制御できる。
(7)本開示の光ファイバの製造装置の一態様では、前記紫外線照射炉の下方に配置されて回転可能に構成され、前記被覆した光ファイバの走行ラインの方向を変更する直下ローラーと、を備え、前記特性取得部が、前記紫外線照射炉と前記直下ローラーとの間に配置される。
直下ローラーに接触する前は、直下ローラーに接触した後に比べて被覆の状態が良い。このため、特性取得部を紫外線照射炉と直下ローラーとの間に配置すれば、より正確な被覆の硬化度に相関する特性を取得できる。また、被覆の硬化度に相関する特性を紫外線照射炉の近傍で取得できるため、光源への投入電力を速やかに制御できる。
(8)本開示の光ファイバの製造装置の一態様では、前記紫外線照射炉の下方に配置されて回転可能に構成され、前記被覆した光ファイバの走行ラインの方向を変更する直下ローラーと、該直下ローラーから送られた光ファイバをボビンに巻き取る巻き取り装置と、を備え、前記特性取得部が、前記直下ローラーと前記ボビンとの間に配置される。
光ファイバを直下ローラーとボビンの双方で案内すれば、光ファイバの線ブレが少なくなる。よって、仮に線速が1000m/min以上に高くなっても、被覆の硬化度に相関する特性を正確に取得できる。
直下ローラーに接触する前は、直下ローラーに接触した後に比べて被覆の状態が良い。このため、特性取得部を紫外線照射炉と直下ローラーとの間に配置すれば、より正確な被覆の硬化度に相関する特性を取得できる。また、被覆の硬化度に相関する特性を紫外線照射炉の近傍で取得できるため、光源への投入電力を速やかに制御できる。
(8)本開示の光ファイバの製造装置の一態様では、前記紫外線照射炉の下方に配置されて回転可能に構成され、前記被覆した光ファイバの走行ラインの方向を変更する直下ローラーと、該直下ローラーから送られた光ファイバをボビンに巻き取る巻き取り装置と、を備え、前記特性取得部が、前記直下ローラーと前記ボビンとの間に配置される。
光ファイバを直下ローラーとボビンの双方で案内すれば、光ファイバの線ブレが少なくなる。よって、仮に線速が1000m/min以上に高くなっても、被覆の硬化度に相関する特性を正確に取得できる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、添付図面を参照しながら、本開示に係る光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置の具体例について説明する。
図1は、光ファイバ製造装置10の一例を示す図であり、光ファイバ素線を製造する場合を例に挙げて説明する。
以下、添付図面を参照しながら、本開示に係る光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置の具体例について説明する。
図1は、光ファイバ製造装置10の一例を示す図であり、光ファイバ素線を製造する場合を例に挙げて説明する。
図1に示すように、光ファイバ製造装置10は、最上流位置に、光ファイバ母材Gを加熱して軟化させる線引き炉11を備える。
線引き炉11は、内側に光ファイバ母材Gが供給される円筒状の炉心管12と、この炉心管12を取り囲む発熱体13と、炉心管12内に不活性ガスを供給するガス供給部14とを有している。なお、発熱体13は、抵抗炉でもよいし、誘導炉でもよい。
線引き炉11は、内側に光ファイバ母材Gが供給される円筒状の炉心管12と、この炉心管12を取り囲む発熱体13と、炉心管12内に不活性ガスを供給するガス供給部14とを有している。なお、発熱体13は、抵抗炉でもよいし、誘導炉でもよい。
光ファイバ母材Gの上部は母材送りユニットFに把持されており、光ファイバ母材Gは母材送りユニットFにより炉心管12内に送られる。光ファイバ母材Gの下端部分が発熱体13によって加熱されて下方に線引きされると、光ファイバ素線G2の構成部材であるガラスファイバG1が形成される。ガラスファイバG1は、コア部およびクラッド部を有し、標準外径が例えば125μmの光導波路である。
光ファイバ製造装置10は、線引き炉11の下流側に冷却ユニット15を備える。冷却ユニット15には、例えばヘリウムガスの冷却ガスが供給されており、光ファイバ母材Gから線引きされたガラスファイバG1は、冷却ユニット15で冷却される。
光ファイバ製造装置10は、冷却ユニット15の下流側に外径測定ユニット16を備える。外径測定ユニット16は、例えばレーザ光を用いてガラスファイバG1の外径を測定可能に構成されており、冷却ユニット15で冷却されたガラスファイバG1は、外径測定ユニット16で外径が測定されて下方に送られる。なお、外径測定ユニット16は、ガラスファイバG1の外径を非接触で測定できれば、レーザ光以外の測定方式であってもよい。
光ファイバ製造装置10は、冷却ユニット15の下流側に外径測定ユニット16を備える。外径測定ユニット16は、例えばレーザ光を用いてガラスファイバG1の外径を測定可能に構成されており、冷却ユニット15で冷却されたガラスファイバG1は、外径測定ユニット16で外径が測定されて下方に送られる。なお、外径測定ユニット16は、ガラスファイバG1の外径を非接触で測定できれば、レーザ光以外の測定方式であってもよい。
光ファイバ製造装置10は、外径測定ユニット16の下流側にUV硬化樹脂の樹脂塗布装置17、UV硬化炉1を備える。なお、UV硬化炉1が、本開示の紫外線照射炉に相当する。
樹脂塗布装置17には、例えばガラスファイバ保護用のUV硬化樹脂が蓄えられている。外径が測定されたガラスファイバG1には、UV硬化樹脂(例えばウレタンアクリレート樹脂)が樹脂塗布装置17にて塗布され、このUV硬化樹脂はUV硬化炉1で紫外線が照射されて硬化する。これにより、ガラスファイバG1の周囲にUV硬化樹脂による被覆が形成された光ファイバ素線G2となる。
樹脂塗布装置17には、例えばガラスファイバ保護用のUV硬化樹脂が蓄えられている。外径が測定されたガラスファイバG1には、UV硬化樹脂(例えばウレタンアクリレート樹脂)が樹脂塗布装置17にて塗布され、このUV硬化樹脂はUV硬化炉1で紫外線が照射されて硬化する。これにより、ガラスファイバG1の周囲にUV硬化樹脂による被覆が形成された光ファイバ素線G2となる。
なお、ガラスファイバ保護用のUV硬化樹脂は、プライマリ(一次)樹脂とセカンダリ(二次)樹脂で構成してもよい。この場合、一次被覆用の樹脂塗布装置、第1のUV硬化炉が設けられ、この第1のUV硬化炉の下流に、二次被覆用の樹脂塗布装置、第2のUV硬化炉が設けられる。
あるいは、着色用のUV硬化樹脂を蓄えた樹脂塗布装置を設けておき、光ファイバ素線G2に着色用のUV硬化樹脂による被覆を形成した光ファイバ心線であってもよい。このため、光ファイバ素線G2の他、光ファイバ心線も本開示の光ファイバに相当する。
あるいは、着色用のUV硬化樹脂を蓄えた樹脂塗布装置を設けておき、光ファイバ素線G2に着色用のUV硬化樹脂による被覆を形成した光ファイバ心線であってもよい。このため、光ファイバ素線G2の他、光ファイバ心線も本開示の光ファイバに相当する。
光ファイバ製造装置10は、UV硬化炉1の下流側に、直下ローラー18、およびガイドローラー19を備える。直下ローラー18は、線引き炉11の直下に配置され、光ファイバ素線G2の走行方向が垂直方向から例えば水平方向へと変更される。
直下ローラー18によって走行方向が変更された光ファイバ素線G2は、ガイドローラーに案内されて走行方向が水平方向から例えば斜め上方へと変更される。
直下ローラー18によって走行方向が変更された光ファイバ素線G2は、ガイドローラーに案内されて走行方向が水平方向から例えば斜め上方へと変更される。
光ファイバ製造装置10は、ガイドローラー19の下流側に、さらに、引き取り装置20、ガイドローラー21、ダンサローラー22、および巻き取り装置23を備えている。光ファイバ素線G2は、引き取り装置20のキャプスタンで所定の速度で引き取られ、ダンサローラー22を介して巻き取り装置23のボビンBに巻き取られる。
図2は、UV硬化炉1の一例を示す図である。
UV硬化炉1は、筒状の石英管2と、石英管2の外部に配置されたUVバルブ4と、UVバルブ4からの紫外線を光ファイバ素線G2に集光するための反射鏡3とを備える。
石英管2は紫外線に対して透光性を有しており、石英管2の中心軸が光ファイバ素線G2の通過位置に配置されている。なお、石英管2が本開示の筒状体に相当する。
UV硬化炉1は、筒状の石英管2と、石英管2の外部に配置されたUVバルブ4と、UVバルブ4からの紫外線を光ファイバ素線G2に集光するための反射鏡3とを備える。
石英管2は紫外線に対して透光性を有しており、石英管2の中心軸が光ファイバ素線G2の通過位置に配置されている。なお、石英管2が本開示の筒状体に相当する。
UVバルブ4は、例えばUV−LED(Light Emitting Diode)光源を有し、光ファイバ素線G2に紫外線を照射可能である。なお、UV−LED光源に替えて、水銀蒸気中の放電によって紫外線を放射するようなUVランプでもよい。
反射鏡3は、石英管2とUVバルブ4を取り囲むように配置され、UVバルブ4から照射された紫外線は、反射鏡3で反射されて石英管2に照射される。
反射鏡3は、石英管2とUVバルブ4を取り囲むように配置され、UVバルブ4から照射された紫外線は、反射鏡3で反射されて石英管2に照射される。
石英管2内には、例えばヘリウムガス、窒素ガス等の不活性ガスを含むパージガスがダウンフローで供給される。詳しくは、石英管2の上端側はガス供給路に接続されており、流量調節器8で流量調整されたパージガスが、石英管2の上端側から石英管2の内部に供給される。石英管2の下端側はガス排出路に接続されており、石英管2内に供給されたパージガスや、UV硬化炉1の入口5や出口6から石英管2内に入り込んだ空気等の気体が、石英管2の下端側から排出される。
石英管2内に酸素が存在すると、UV硬化樹脂に対する紫外線硬化反応が阻害される。そこで、パージガスの流量を増やして石英管2内のパージガスの濃度を高くし、石英管2内の酸素濃度を低くしている。なお、石英管2内の酸素濃度は、入口5や出口6に設けたシャッター7の開度を調節したり、排出路に設けた吸引ポンプ9で石英管2内の気体を排気して調節したりしてもよい。
また、石英管2の内面には、光触媒コーティング層Cが設けられている。光触媒コーティング層Cは、主に二酸化チタン(TiO2)で構成され、バインダ成分も含まれる。二酸化チタンとバインダ成分を混合したコーティング液が石英管2の内面に塗られており、例えば加熱して石英管2の内面に焼き付けられている。
また、石英管2の内面には、光触媒コーティング層Cが設けられている。光触媒コーティング層Cは、主に二酸化チタン(TiO2)で構成され、バインダ成分も含まれる。二酸化チタンとバインダ成分を混合したコーティング液が石英管2の内面に塗られており、例えば加熱して石英管2の内面に焼き付けられている。
光ファイバ素線G2は、UV硬化炉1の入口5から石英管2の内部に導入される。光ファイバ素線G2は、石英管2の内部を通過し、UV硬化炉1の出口6から石英管2の外部に送出されて直下ローラー18に向かう。
UVバルブ4からの紫外線は、石英管2の外から、石英管2の内部を通過している光ファイバ素線G2に照射される。この紫外線の照射により、光ファイバ素線G2の被覆の硬化が進むが、本開示では、被覆の硬化度に相関する特性を求めており、制御装置40は、この求めた被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、被覆の硬化度が一定になるようにUVバルブ4の光源への投入電力を制御している。
UVバルブ4からの紫外線は、石英管2の外から、石英管2の内部を通過している光ファイバ素線G2に照射される。この紫外線の照射により、光ファイバ素線G2の被覆の硬化が進むが、本開示では、被覆の硬化度に相関する特性を求めており、制御装置40は、この求めた被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、被覆の硬化度が一定になるようにUVバルブ4の光源への投入電力を制御している。
詳しくは、図1に示すように、UV硬化炉1と直下ローラー18との間には、UV硬化センサー50が配置されている。UV硬化センサー50が本開示の特性取得部に相当する。
UV硬化センサー50は、図3に示すように、コントローラー部51およびセンサー部52からなる。コントローラー部51では、UV硬化センサー50の駆動を制御し、センサー部52では、被覆の硬化度に相関する特性を測定しており、UV硬化センサー50は、UV硬化樹脂の硬化状態を非接触で確認できる。なお、UV硬化センサー50は小型軽量化が可能なため、光ファイバ制御装置への設置の自由度が高いという利点がある。
UV硬化センサー50は、図3に示すように、コントローラー部51およびセンサー部52からなる。コントローラー部51では、UV硬化センサー50の駆動を制御し、センサー部52では、被覆の硬化度に相関する特性を測定しており、UV硬化センサー50は、UV硬化樹脂の硬化状態を非接触で確認できる。なお、UV硬化センサー50は小型軽量化が可能なため、光ファイバ制御装置への設置の自由度が高いという利点がある。
より具体的には、図3に示すように、センサー部52は、UV照射ユニット53と、蛍光捕捉ユニット54とを有する。UV照射ユニット53は、検査用の紫外線を光ファイバ素線G2の被覆に照射する。この検査用の紫外線は、被覆を硬化させない程度の微弱な紫外線であり、蛍光捕捉ユニット54が微弱な蛍光信号を確実に捕捉できるように、例えばパルス変調がかけられている。また、この検査用の紫外線は、例えば絞った状態で光ファイバ素線G2の被覆に照射される。蛍光捕捉ユニット54は、この紫外線の照射によって被覆から放射された蛍光をフィルタリングして捕捉し、蛍光の強度を測定する。この測定結果は、制御装置40に出力される。
制御装置40は、例えば1個あるいは複数個のCPU(Central Processing Unit)等を有し、例えばROM(Read Only Memory)に格納されている各種のプログラムやデータをRAM(Random Access Memory)にロードし、このロードしたRAM内のプログラムを実行する。これにより、光ファイバ製造装置10の動作を制御できる。
また、図1に示すように、制御装置40は電力制御部41を有する。電力制御部41は、UV硬化センサー50による捕捉した蛍光の強度の測定結果に基づいて、被覆の硬化度が所定の範囲内で一定になるようにUVバルブ4の光源への投入電力を制御している。例えば、捕捉した蛍光の強度が低いと判定された場合、被覆の硬化度が低いため、電力制御部41は、光源への投入電力を増加させる信号をUVバルブ4に出力する。これにより、石英管2に向けて照射される紫外線の照度が大きくなるので、石英管2内における紫外線の照度を大きくすることができる。
また、図1に示すように、制御装置40は電力制御部41を有する。電力制御部41は、UV硬化センサー50による捕捉した蛍光の強度の測定結果に基づいて、被覆の硬化度が所定の範囲内で一定になるようにUVバルブ4の光源への投入電力を制御している。例えば、捕捉した蛍光の強度が低いと判定された場合、被覆の硬化度が低いため、電力制御部41は、光源への投入電力を増加させる信号をUVバルブ4に出力する。これにより、石英管2に向けて照射される紫外線の照度が大きくなるので、石英管2内における紫外線の照度を大きくすることができる。
このように、光ファイバ素線G2の被覆の硬化度に相関する特性(蛍光の強度)を取得し、石英管2内における紫外線の照度が一定となるように、光源への投入電力を制御する。このため、石英管2を透過した紫外線の照度を一定とした場合のような、奥側の周壁を透過した分を補わなくて済む。よって、被覆の硬化度を光ファイバの長さ方向で均一にできる。
また、UV硬化センサー50を用い、紫外線の照射によって光ファイバ素線G2の被覆から放射された蛍光の強度を測定すれば、被覆の硬化度が分かるので、光源への投入電力を容易に制御できる。
また、UV硬化センサー50を用い、紫外線の照射によって光ファイバ素線G2の被覆から放射された蛍光の強度を測定すれば、被覆の硬化度が分かるので、光源への投入電力を容易に制御できる。
また、直下ローラー18に接触する前は、直下ローラー18に接触した後に比べて被覆の状態が良い。このため、UV硬化センサー50をUV硬化炉1と直下ローラー18との間に配置すれば、より正確な被覆の硬化度に相関する特性を取得できる。また、被覆の硬化度に相関する特性をUV硬化炉1の近傍で取得できるため、光源への投入電力を速やかに制御できる。
上記実施例では、光ファイバ素線G2の被覆から放射された蛍光の強度を測定し、この測定結果から光源への投入電力を制御した。しかし、本開示はこの例に限定されない。例えば、蛍光の強度と硬化度の関係を予め求めておき、蛍光の強度の測定結果から被覆の硬化度を算出し、この算出した被覆の硬化度から光源への投入電力を制御してもよい。
また、UV硬化センサー50を、直下ローラー18とボビンBとの間に配置してもよい。光ファイバ素線G2を直下ローラー18とボビンBの双方で案内すれば、光ファイバ素線G2の線ブレが少なくなる。よって、仮に線速が1000m/min以上に高くなっても、被覆の硬化度に相関する特性を正確に取得できる。
また、UV硬化センサー50を、直下ローラー18とボビンBとの間に配置してもよい。光ファイバ素線G2を直下ローラー18とボビンBの双方で案内すれば、光ファイバ素線G2の線ブレが少なくなる。よって、仮に線速が1000m/min以上に高くなっても、被覆の硬化度に相関する特性を正確に取得できる。
あるいは、上記実施例では、UV硬化センサー50を用いて被覆の硬化度を評価した。しかし、被覆の硬化度は、IR(赤外分光法)を用いて評価することもできる。
具体的には、UV硬化センサー50に替えて、図4に示すような、UV硬化樹脂の硬化状態を非接触で確認できる特性センサー62を用いてもよい。このため、特性センサー62も本開示の特性取得部に相当する。
具体的には、UV硬化センサー50に替えて、図4に示すような、UV硬化樹脂の硬化状態を非接触で確認できる特性センサー62を用いてもよい。このため、特性センサー62も本開示の特性取得部に相当する。
特性センサー62は、例えば外乱を遮光可能なケーシング内に設置されており、光源ユニット63および赤外光検出ユニット64を有している。
光源ユニット63は、官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光を、光ファイバ素線G2の被覆に照射する。これにより、所定の波長の赤外光だけが被覆に吸収される。赤外光検出ユニット64は、被覆から例えば反射した赤外光の反射光を検出して、この赤外光の反射光の照度を測定する。この測定結果は、制御装置40に出力される。
光源ユニット63は、官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光を、光ファイバ素線G2の被覆に照射する。これにより、所定の波長の赤外光だけが被覆に吸収される。赤外光検出ユニット64は、被覆から例えば反射した赤外光の反射光を検出して、この赤外光の反射光の照度を測定する。この測定結果は、制御装置40に出力される。
光源ユニット63は、例えば量子カスケードレーザーである。赤外光検出ユニット64は、例えばInAs(ヒ化インジウム)フォトダイオードや、InAsSb(インジウム砒素アンチモン)フォトダイオード、InSb(アンチモン化インジウム)フォトダイオードのような赤外光検出素子である。UV硬化樹脂の硬化状態は、反応前後のIRスペクトルの1640〜1620[cm−1]のビニル基C=C伸縮振動バンドや、1430〜1400[cm−1]のビニル基C−H面内対称変角振動バンド、820〜800[cm−1]のビニル基C−H面外変角振動バンドの強度比で評価できる。
電力制御部41は、特性センサー62による赤外光の反射光の照度の測定結果に基づいて、被覆の硬化度が所定の範囲内で一定になるようにUVバルブ4の光源への投入電力を制御している。
このように、光ファイバ素線G2の被覆に、官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光を照射し、この照射による被覆からの反射光の照度を測定すれば、被覆の硬化度に相関する特性(振動モードや結合)を取得できるため、光源への投入電力を容易に制御できる。
このように、光ファイバ素線G2の被覆に、官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光を照射し、この照射による被覆からの反射光の照度を測定すれば、被覆の硬化度に相関する特性(振動モードや結合)を取得できるため、光源への投入電力を容易に制御できる。
なお、上記実施例では、被覆から反射した赤外光の反射光を検出したが、赤外光検出ユニット64は、被覆を透過した赤外光の透過光を検出してもよい。この赤外光の透過光の照度を測定した場合にも、被覆に吸収された赤外光の波長が分かり、被覆の硬化度に相関する特性を取得できる。
図1では、直下ローラー18の前に、UV硬化炉1とUV硬化センサー50を設置した例を挙げて説明した。しかし、図5に示すように、UV硬化センサー50の後にも別のUV硬化炉1aを設置してもよい。
UV硬化炉1aには、石英管およびUVバルブ(本開示の第2の光源に相当する。この場合、UV硬化炉1が第1の紫外線照射炉に、石英管2が第1の筒状体に、UVバルブ4が第1の光源にそれぞれ相当する。)が設置されており、UV硬化炉1aのUVバルブでは、UV硬化センサー50で検出された硬化度が低い場合には照度を上げるのに対し、硬化度が高い場合には照度を下げる。これにより、UV硬化炉1aを通過した後の光ファイバの硬化度をより一定に保つことができる。
また、図5に示したUV硬化炉1aでは、樹脂からの揮発成分がUV硬化炉1を通過する場合に比べて抑制されるため、UV硬化炉1aの石英管が曇化しにくいという利点がある。また、樹脂からの揮発成分が抑制されているため、照度の制御がやりやすいという利点がある。
UV硬化炉1aには、石英管およびUVバルブ(本開示の第2の光源に相当する。この場合、UV硬化炉1が第1の紫外線照射炉に、石英管2が第1の筒状体に、UVバルブ4が第1の光源にそれぞれ相当する。)が設置されており、UV硬化炉1aのUVバルブでは、UV硬化センサー50で検出された硬化度が低い場合には照度を上げるのに対し、硬化度が高い場合には照度を下げる。これにより、UV硬化炉1aを通過した後の光ファイバの硬化度をより一定に保つことができる。
また、図5に示したUV硬化炉1aでは、樹脂からの揮発成分がUV硬化炉1を通過する場合に比べて抑制されるため、UV硬化炉1aの石英管が曇化しにくいという利点がある。また、樹脂からの揮発成分が抑制されているため、照度の制御がやりやすいという利点がある。
なお、UV硬化炉1aの石英管内には窒素パージしたほうが好ましいが、コスト削減を考えると、窒素パージせずに空気中でもよい。また、UV硬化センサー50とUV硬化炉1aは、直下ローラー18の後に設置してもよい。また、UV硬化炉1aのUVバルブは、図1で説明したボビンB上に取り付けてもよい。この場合のUV硬化炉1aは、石英管やミラーが設置されておらず、ボビンBの上方からのみ照射する形態でもよい。また、図5に示した例では、UV硬化炉1のUVバルブ4およびUV硬化炉1aのUVバルブの双方を制御することもできる。具体的には、UV硬化センサー50の検出結果に基づいてUV硬化炉1のUVバルブ4を制御し、それでも硬化度が変動した場合には、UV硬化炉1aのUVバルブを制御することにより、硬化度の変動を低減させてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,1a…UV硬化炉(紫外線照射炉)、2…石英管(筒状体)、3…反射鏡、4…UVバルブ(光源)、5…入口、6…出口、7…シャッター、8…流量調節器、9…吸引ポンプ、10…光ファイバ製造装置、11…線引き炉、12…炉心管、13…発熱体、14…ガス供給部、15…冷却ユニット、16…外径測定ユニット、17…樹脂塗布装置、18…直下ローラー、19、21…ガイドローラー、20…引き取り装置、22…ダンサローラー、23…巻き取り装置、40…制御装置、41…電力制御部、50…UV硬化センサー(特性取得部)、51…コントローラー部、52…センサー部、53…UV照射ユニット、54…蛍光捕捉ユニット、62…特性センサー(特性取得部)、63…光源ユニット、64…赤外光検出ユニット、B…ボビン、C…光触媒コーティング層、F…母材送りユニット、G…光ファイバ母材、G1…ガラスファイバ、G2…光ファイバ素線。
Claims (8)
- ガラスファイバの周囲に紫外線硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、
前記ガラスファイバの周囲に前記紫外線硬化樹脂を塗布するステップと、
前記紫外線硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な筒状体の内部に通過させるステップと、
光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成するステップと、
前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、
求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度が一定になるように前記光源への投入電力を制御するステップと、
を含む、光ファイバの製造方法。 - ガラスファイバの周囲に紫外線硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造方法であって、
前記ガラスファイバの周囲に前記紫外線硬化樹脂を塗布するステップと、
前記紫外線硬化樹脂を塗布した前記ガラスファイバを、紫外線を透過可能な第1の筒状体の内部に通過させるステップと、
第1の光源を用いて紫外線を前記筒状体の外から照射して硬化させ、前記被覆を形成する第1の照射ステップと、
前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求めるステップと、
前記特性を求めた後、第2の光源を用いて前記被覆に紫外線を照射する第2の照射ステップと、
求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度に応じて前記第2の光源への投入電力を制御するステップと、
を含む、光ファイバの製造方法。 - 紫外線硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、
紫外線を透過可能に構成されて、前記紫外線硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する光源を有する紫外線照射炉と、
前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、
該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記被覆の硬化度が一定になるように前記光源への投入電力を制御する電力制御部と、
を備える、光ファイバの製造装置。 - 紫外線硬化樹脂を被覆した光ファイバの製造装置であって、
紫外線を透過可能に構成されて、前記紫外線硬化樹脂を被覆して形成した前記光ファイバをその内部に通過させる筒状体、および、前記紫外線を前記筒状体の外から前記被覆に照射する第1の光源を有する第1の紫外線照射炉と、
前記紫外線の照射による前記被覆の硬化度に相関する特性を求める特性取得部と、
前記特性を求めた後、前記被覆に紫外線を照射する第2の光源を有する第2の紫外線照射炉と、
該特性取得部で求めた前記被覆の硬化度に相関する特性に基づいて、前記第2の光源への投入電力を制御する電力制御部と、
を備える、光ファイバの製造装置。 - 前記特性取得部が、紫外線を前記被覆に照射し、該紫外線の照射によって前記被覆から放射された蛍光の強度を測定するUV硬化センサーである、請求項3または請求項4に記載の光ファイバの製造装置。
- 前記特性取得部が、官能基由来の吸収に合致する波長の赤外光を前記被覆に照射し、該赤外光の照射による前記被覆からの反射光または透過光の照度を測定する特性センサーである、請求項3または請求項4に記載の光ファイバの製造装置。
- 前記紫外線照射炉の下方に配置されて回転可能に構成され、前記被覆した光ファイバの走行ラインの方向を変更する直下ローラーと、を備え、
前記特性取得部が、前記紫外線照射炉と前記直下ローラーとの間に配置される、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の光ファイバの製造装置。 - 前記紫外線照射炉の下方に配置されて回転可能に構成され、前記被覆した光ファイバの走行ラインの方向を変更する直下ローラーと、該直下ローラーから送られた光ファイバをボビンに巻き取る巻き取り装置と、を備え、
前記特性取得部が、前記直下ローラーと前記ボビンとの間に配置される、請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の光ファイバの製造装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020047111A JP2021147262A (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | 光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置 |
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JP2020047111A Pending JP2021147262A (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | 光ファイバの製造方法および光ファイバの製造装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2021183187A (ja) * | 2020-08-19 | 2021-12-02 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
JP2022000214A (ja) * | 2020-01-22 | 2022-01-04 | 株式会社三洋物産 | 遊技機 |
-
2020
- 2020-03-18 JP JP2020047111A patent/JP2021147262A/ja active Pending
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