JP2021147082A - 運搬用スペーサーおよび運搬用スペーサーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】芯材を被覆する外皮に対して、繰り返し使用による荷台への擦れに起因する破損を防止する。【解決手段】運搬用スペーサー(1)は、樹脂発泡体から構成された芯材(2)と、芯材(2)を被覆する、樹脂製のフィルムから構成された外皮(3)と、を備え、外皮(3)における芯材(2)の周縁部(2a)の被覆部分には、前記フィルム同士の接合部(3a)がある第1の部分(3A)と接合部(3a)がない第2の部分(3B)とが存在し、前記接合部は平滑である。【選択図】図2
Description
本発明は、運搬用スペーサーおよび運搬用スペーサーの製造方法に関する。
従来から、トラック輸送する際の荷物の崩れ防止、及び緩衝材としての目的で、荷物間に運搬用スペーサーを設置することが知られている。このような運搬用スペーサーとしては、軽量性、経済性及び緩衝特性等の観点から、ポリスチレン発泡体等の合成樹脂発泡体が多く使用されている。しかし、この合成樹脂発泡体は、使用中の衝撃等によって割れや欠けが生じ易く、繰り返し使用が困難であると共に、発生した破片や粉体が荷物に付着し、荷物を汚す懸念があった。
そこで、特許文献1には、芯材として、ポリオレフィン系樹脂発泡体を用い、2枚のポリオレフィン系樹脂シートで芯材を被覆したスペーサーが提案されている。
特許文献1に記載の技術によれば、合成樹脂発泡体からなる芯材が合成樹脂層により被覆されているため、次の(i)および(ii)の効果を奏する。(i)荷物との接触あるいは摩擦により芯材に起因したカスが発生するのを防止できる。(ii)荷物の積込みまたは積降しの際の衝撃等により欠けまたは割れが発生するのを防止できる。
しかしながら、特許文献1に記載のスペーサーの合成樹脂層は、芯材の上下に接着剤シートおよび合成樹脂シートを各々置いて加圧し、芯材の全面に合成樹脂シートを接着することにより形成される。このため、当該スペーサーの周縁部には、合成樹脂シート同士が接着した接着界面(耳部)が形成される。この接着界面は、スペーサーの繰り返しの使用により、荷台への擦れ等により破損する。そして、これにより、芯材が欠けて、発生した破片が荷物に付着し、汚染を引き起こす課題が残されていた。
本発明の一態様は、芯材を被覆する合成樹脂層に対して、スペーサーの繰り返しの使用による荷台への擦れに起因する破損を防止し得る運搬用スペーサーおよび運搬用スペーサーの製造方法を実現することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る運搬用スペーサーは、板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材と、前記芯材を被覆する、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮と、を備え、前記外皮における前記芯材の周縁部の被覆部分には、前記フィルム同士の接合部を有する第1の部分と当該接合部を有しない第2の部分とが存在し、前記第1の部分における接合部は平滑であることを特徴としている。
また、本発明の他の態様に係る運搬用スペーサーの製造方法は、板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材に対して、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮を被覆する被覆工程であって、前記外皮における前記芯材の周縁部の被覆部分において、前記フィルム同士の接合部を有する第1の部分と当該接合部を有しない第2の部分とが存在するように、前記外皮を被覆する被覆工程と、前記第1の部分における接合部を平滑に処理する平滑処理工程と、を含むことを特徴としている。
本発明の一態様によれば、芯材を被覆する合成樹脂層に対して、スペーサーの繰り返しの使用による荷台への擦れに起因する破損を防止できる。
本発明の一実施形態について以下に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、以下に説明する各構成に限定されるものではなく、請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能である。また、異なる実施形態または実施例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態または実施例についても、本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。なお、本明細書中に記載された学術文献および特許文献の全てが、本明細書中において参考文献として援用される。また、本明細書において特記しない限り、数値範囲を表す「A〜B」は、「A以上(Aを含みかつAより大きい)B以下(Bを含みかつBより小さい)」を意図する。
図1は、本実施形態に係る運搬用スペーサー1(以下、単にスペーサー1と称することもある)の概略構成を示し、図1の101は正面図であり、図1の102は側面図であり、図1の103は下面図である。また、図2の201は、図1の101に示すスペーサー1のI−I線断面図であり、図2の202は、図1の101に示す運搬用スペーサーのII−II線断面図である。
図1および図2に示されるように、スペーサー1は、板状の芯材2と、芯材2を被覆する外皮3と、を備えている。芯材2は、板状の合成樹脂発泡体から構成されている。芯材2の周縁部2aは曲面により構成されている。また、外皮3は、合成樹脂製のフィルムから構成されており、芯材2の全面と密着している。
本実施形態に係るスペーサー1によれば、外皮3により芯材2が保護されている。このため、荷物との接触または摩擦によって、芯材2に起因するカスが発生するのを防止できる。さらには、荷物の積込み、積下ろし時の衝撃等によって、芯材2に欠けまたは割れが発生するのを防止できる。また、芯材2に欠けまたは割れが生じても、芯材2を被覆する外皮3の存在により、芯材2の破片、粉体等が荷物に混入する、あるいは付着することを防止できる。
ここで、本実施形態に係るスペーサー1において、外皮3における芯材2の周縁部2aを被覆する部分には、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aと当該接合部3aを有しない第2の部分3Bとが存在する。そして、前記第1の部分における前記接合部は平滑である。ここでいう「平滑」とは、前記フィルム同士の接合部3aにおいて、周縁部2aに対して突出した突起部がない面をいう。このような平滑は、例えば、芯材2の周縁部2aの面に密着するように前記フィルム同士の接合部3aを加熱圧着することにより形成される。このため、「平滑」は、前記フィルム同士の接合部3aにおいて、芯材2の周縁部2aの面に沿って加熱溶着された面であるともいえる。さらに換言すれば、「平滑」とは、JIS B0601−2001『表面粗さ』試験によって得られる最大高さ(Rz)が2500μm以下のことをいう。
スペーサー1は、荷物の床面に対して立てかけた状態で使用される。このため、スペーサー1の使用時には、スペーサー1の周縁部が荷台の床面等に接触する。本実施形態に係るスペーサー1の外皮3では、このように荷台の床面等に接触する周縁部を、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aおよび当該接合部3aを有さない第2の部分3Bとし、接合部3aは平滑である。それゆえ、スペーサー1の周縁部には、外皮3を形成する合成樹脂製のフィルム同士の接合に起因する突出部(上述した耳部)がない。このため、スペーサー1の周縁部には、外皮3を形成するこのため、芯材2を被覆する外皮3に対して、スペーサー1の繰り返しの使用による荷台への擦れに起因する破損を防止できる。そして、スペーサー1の耐久性が向上し、繰り返し使用によるスペーサー1の経済性を保持できる。
スペーサー1は、矩形板形状である。この場合、図2に示されるように、スペーサー1において、長辺側の周縁部が第1の部分3Aに対応し、短辺側の周縁部が第2の部分3Bに対応する。このようにスペーサー1が矩形板形状である場合、上述した荷台の床面等のスペーサー載置面に接触する周縁部は、長辺側の周縁部(第1の部分3A)であってもよいし、短辺側の周縁部(第2の部分3B)であってもよい。すなわち、スペーサー1の使用様態は、長辺側の周縁部をスペーサー載置面に接触させてスペーサー1を立てかけて使用する第1の使用様態であってもよいし、短辺側の周縁部をスペーサー載置面に接触させてスペーサー1を立てかけて使用する第2の使用様態であってもよい。
とりわけ、スペーサー載置面に接触する周縁部は、接合部3aを有さない第2の部分3Bに対応していることが好ましい。すなわち、前記第1の使用様態では、長辺側の周縁部が第2の部分3Bに対応することが好ましい。また、前記第2の使用様態では、短辺側の周縁部が第2の部分3Bに対応することが好ましい。
また、前記特許文献1に記載の技術のようにスペーサーの周縁部から合成樹脂層の接着界面(耳部)が突出した場合、スペーサーを立てかけた際に、スペーサーは、安定性が保たれず、倒れやすいものとなる。一方、本実施形態に係るスペーサー1の周縁部には、突出部(耳部)がない。このため、立てかけた際のスペーサー1の安定性が向上する。
また、図1の101に示されるように、本実施形態に係るスペーサー1は、四隅が面取りされた形状である。図1の101に示される構成では、スペーサー1の四隅にはR面が形成されている。このような形状は、合成樹脂発泡体からなる芯材2の四隅がR面に面取りされていることにより形成される。このようにスペーサー1の四隅が鋭利な形状を呈さないため、スペーサー1の四隅部分と荷物または荷台との接触により、当該四隅部分に欠けまたは外皮3のほつれが発生することを防止できる。
図1に示された構成では、スペーサー1の形状は、正面側から見て、矩形形状であった。しかし、スペーサー1の正面側から見た形状は、矩形形状に限定されず、六角形等の多角形状、更には楕円形状、円形状、上下及び又は左右が非対称な形状であっても良い。取り扱い易さや立てかけ使用時の安定性等の観点から、スペーサー1は、矩形状の板体であることが好ましい。矩形状の板体とした場合のスペーサー1のサイズ、特に長さ及び幅は、特には限定されない。通常の使用では、スペーサー1は、長さが1,500〜3,000mm、幅が750〜1,500mmであることが好ましい。
また、緩衝性と輸送効率の観点から、スペーサー1の厚さは、10〜200mmであることが好ましく、10〜100mmであることがより好ましい。
〔芯材2〕
スペーサー1の芯材2は、合成樹脂発泡体から構成されている。この芯材2を形成する合成樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂発泡体;耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)やポリスチレン等のポリスチレン系樹脂発泡体;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂発泡体;ポリカーボネート樹脂発泡体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂発泡体;ポリウレタン等のポリウレタン系樹脂発泡体;等が挙げられる。これら例示した樹脂発泡体の中でも、可撓性、圧縮歪みの回復性及び柔軟性に優れている点から、前記合成樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡体であることが好ましい。さらに、経済性を勘案すると、前記合成樹脂発泡体は、ポリエチレン系樹脂発泡体であることがさらに好ましい。
スペーサー1の芯材2は、合成樹脂発泡体から構成されている。この芯材2を形成する合成樹脂発泡体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂発泡体;耐衝撃性ポリスチレン(HIPS)やポリスチレン等のポリスチレン系樹脂発泡体;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂発泡体;ポリカーボネート樹脂発泡体;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂発泡体;ポリウレタン等のポリウレタン系樹脂発泡体;等が挙げられる。これら例示した樹脂発泡体の中でも、可撓性、圧縮歪みの回復性及び柔軟性に優れている点から、前記合成樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂発泡体であることが好ましい。さらに、経済性を勘案すると、前記合成樹脂発泡体は、ポリエチレン系樹脂発泡体であることがさらに好ましい。
本実施形態に係るスペーサー1において、芯材2がポリエチレン系樹脂発泡体により構成されることにより、可撓性、柔軟性及び圧縮歪も回復性に優れた運搬用スペーサー1を実現できる。
さらに、芯材2は、ビーズ法による発泡成形体により構成されていることが好ましい。ビーズ法による発泡成形体は、表面全体が緻密且つ滑らかなスキン層が形成される。このため、当該発泡成形体は、カスの発生が少なく、強度の向上が図れるため好ましい。このような発泡成形体は、ポリエチレン系樹脂をビーズ状に発泡させてなる発泡粒子を成形金型内に充填し、所定の温度に加熱し、その後冷却する型内成形方法により製造される。
スペーサー1の緩衝性、軽量性及び取扱いの観点から、芯材2としてのポリエチレン系樹脂発泡体の発泡倍率は、10倍以上であることが好ましく、18倍以上であることがより好ましい。また、スペーサー1の自立性の観点から、芯材2の発泡倍率は、100倍以下であることが好ましく、60倍以下であることがより好ましい。
また、スペーサー1を自立させて荷物の間に挿入する作業性を確保するためには、芯材2の曲げ弾性率(JIS K7221−1(2006年)準拠)は、1MPa以上であることが好ましく、1.5MPa以上であることがより好ましい。荷物に対する緩衝性能、荷物間等の隙間への挿入作業容易性の観点から、芯材2の曲げ弾性率は、25MPa以下であることが好ましく、20MPa以下であることがより好ましい。
また、芯材2は、正面矩形形状の四隅が面取りされていることが好ましい。四隅(角部)部分が面取りされていることにより、当該四隅部分は鋭利な形状を呈さない。このため、鋭角な角部と荷物または荷台との接触を回避でき、スペーサー1の四隅部分の欠けまたは外皮3のほつれなどを防止できる。
また、芯材2を構成するポリエチレン系樹脂には、必要に応じて、帯電防止剤、気泡調整剤、難燃剤、難燃助剤、充填剤等の各種添加剤を添加することができる。
〔外皮3:被覆用の合成樹脂フィルム〕
芯材2を被覆する外皮3の材料は、芯材と同素材の熱収縮フィルムであることが好ましい。熱収縮性フィルムに使用される合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体;アイオノマー等のエチレン系共重合体;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリアクリロニトリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。また、前記熱収縮フィルムは、上記で例示した二種以上の樹脂ブレンドから構成されたフィルム、または上記で例示した二種以上の樹脂それぞれからなる複数の層を有し、これらの層が組み合わされた複合フィルムであってもよい。
芯材2を被覆する外皮3の材料は、芯材と同素材の熱収縮フィルムであることが好ましい。熱収縮性フィルムに使用される合成樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等のポリオレフィン系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体;アイオノマー等のエチレン系共重合体;ポリアミド系樹脂;ポリエステル系樹脂;エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物;ポリビニルアルコール系樹脂;ポリアクリロニトリル系樹脂;ポリカーボネート系樹脂;ポリスチレン系樹脂;ポリ塩化ビニル系樹脂;ポリ塩化ビニリデン系樹脂;等が挙げられるが、これらに限定されるものでない。また、前記熱収縮フィルムは、上記で例示した二種以上の樹脂ブレンドから構成されたフィルム、または上記で例示した二種以上の樹脂それぞれからなる複数の層を有し、これらの層が組み合わされた複合フィルムであってもよい。
上記で例示した材料の中でも、スペーサー1に緩衝性を付与する上で、外皮3は、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂製のフィルムにより構成されていることが好ましい。それと共に、芯材2がポリオレフィン系樹脂発泡体により構成され、かつ外皮3が芯材2の材料と同系のポリオレフィン系樹脂により構成された場合は、特に好ましい。その理由は、スペーサー1をリサイクルするに際し、芯材2と外皮3とを分離する必要がなくなり、リサイクル性が良好な運搬用スペーサーを実現できるためであり、また、芯材2と外皮3との積層接着を強固なものとするためである。さらに、このような観点から、本実施形態に係るスペーサー1において、芯材2および外皮3の材料の好ましい組み合わせは、(a)芯材2の材料がポリプロピレン系樹脂発泡体であり、かつ外皮3の材料がポリプロピレン系樹脂である組み合わせ、または、(b)芯材2の材料がポリエチレン系樹脂発泡体であり、かつ外皮3の材料がポリエチレン系樹脂である組み合わせである。また、摩擦によるカスが発生しにくいという観点からは、上記した合成樹脂の中でも、外皮3の材料としてポリエチレン系樹脂を使用することが好ましい。そして、ポリエチレン系樹脂の中でも、経済性を考慮する場合は、低密度ポリエチレン系樹脂製の熱収縮フィルムを、トラック荷室が温度上昇し、荷室内に適度な耐熱性が求められる場合は、高密度ポリエチレン系樹脂製の熱収縮フィルムを、外皮3の材料として使用することがそれぞれ好ましい。
また、上記した外皮3を形成する合成樹脂には、必要に応じて添加剤を必要量添加することができる。当該添加剤としは、結晶核剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、着色剤、気泡調整剤、収縮防止剤、導電性付与剤等が挙げられる。上記した添加剤の中でも、スペーサー1の表面に埃または塵が付着し難くなるという観点から、帯電防止剤を添加することが好ましい。
芯材2を保護できる点から、外皮3の厚さは、25μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましい。その一方で、表面が硬くなり、荷物に傷つける虞れがある点から、外皮3の厚さは、200μm以下が好ましく、150μm以下がより好ましい。
また、外皮3として熱収縮フィルムを使用する場合、当該熱収縮フィルムを熱収縮させるための加熱方法は、従来公知の方法であれば、特に限定されない。当該加熱方法として、例えば、熱収縮フィルムに対して熱風を吹き付ける方法、熱収縮フィルムに対して熱水または蒸気を吹き付ける方法、熱板により熱収縮フィルムを圧しつける方法(加熱圧着)等が挙げられる。接合部を平滑にするためには熱板により加熱圧着を行う方法が好ましい。加工処理および加工コストを勘案すると、当該加熱方法は、熱収縮フィルムに対して熱風を吹き付ける方法であることが好ましい。
また、外皮3を構成する熱収縮フィルムの収縮率は、当該熱収縮フィルムの製膜時の延伸倍率により調整され得る。芯材2としての合成樹脂発泡体に密着させるとともに、外皮3の表面を平滑化し仕上げを美麗化させるためには、前記収縮率は、機械方向(MDと略す)若しくはMDと直交方向(TDと略す)の何れか一方の方向、またはMDおよびTDの両方の方向において、20%以上、好ましくは50%以上あればよい。
熱収縮フィルムを熱収縮させて芯材2に被覆するには、経済的に、低温度で被覆処理することが望ましい。それゆえ、前記熱収縮フィルムとしては、前記数値範囲の収縮率を低温度で達成できるフィルムがより好ましい。
ここで、本実施形態に係るスペーサー1において、外皮3は、筒状または袋状の合成樹脂製のフィルムから構成されていることが好ましい。この場合、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aは、前記筒状または袋状の開口部にある前記フィルム同士の加熱圧着部に対応する。また、前記接合部を有さない第2の部分3Bは、前記筒状または袋状の側面にある前記フィルムに対応する。このように、外皮3を構成するフィルムとして筒状または袋状の合成樹脂製のフィルムを用いることによって、より効率的に、上述した効果を奏するスペーサー1を製造することができる。
前記筒状または袋状の合成樹脂製のフィルムの製膜方法としては、特に限定されないが、例えば、インフレーション押出成形方法、Tダイ押出成形法などが挙げられる。容易に円筒状(チューブ状)に加工する、あるいは円筒状(チューブ状)物の一方の端部が開口した袋状に加工するためには、インフレーション押出成形方法が好ましい。
また、上述した合成樹脂製のフィルムの製膜方法では、熱収縮フィルムを延伸させる。熱収縮フィルムを延伸させる方法として、一軸延伸方法および二軸延伸方法が考えられる。一軸延伸方法は、縦軸延伸法であっても横軸延伸法であってもよい。さらに、二軸延伸方法には、縦延伸と横延伸とを順次行う逐次二軸延伸法、縦延伸と横延伸とを一度に行う同時二軸延伸法があり、逐次二軸延伸法の具体的な方式としては、テンター方式およびチューブラー方式がある。方式は特に限定されないが、操作の簡便性から、テンター方式が好適に用いられる。
(変形例)
本実施形態に係るスペーサー1の変形例について、説明する。図3は、図1に示すスペーサー1の変形例であるスペーサー1Aの概略構成を示し、図3の301は正面図であり、図3の302は側面図であり、図3の303は下面図である。また、図4は、図3の301に示すスペーサー1AのIII−III線断面図であり、図4の402は、図3の301に示すスペーサー1AのIV−IV線断面図である。
本実施形態に係るスペーサー1の変形例について、説明する。図3は、図1に示すスペーサー1の変形例であるスペーサー1Aの概略構成を示し、図3の301は正面図であり、図3の302は側面図であり、図3の303は下面図である。また、図4は、図3の301に示すスペーサー1AのIII−III線断面図であり、図4の402は、図3の301に示すスペーサー1AのIV−IV線断面図である。
図3および図4に示されるように、スペーサー1Aは、四隅がC面に面取りされた点が図1および図2に示す構成と異なる。さらに、スペーサー1Aは、芯材2の周縁部2aが平面によって構成されている点が図1および図2に示す構成と異なる。
スペーサー1Aにおいて、外皮3における芯材2の周縁部2aを被覆する部分には、前記フィルム同士の接合部がある第1の部分と当該接合部がない第2の部分とが存在する。ここで、スペーサー1Aでは、芯材2の周縁部2aが平滑な平面によって構成されている。
図3および図4に示される構成であっても、芯材2を被覆する外皮3に対して、スペーサー1Aの繰り返しの使用による荷台への擦れに起因する破損を防止できる。
さらに、スペーサー1Aの四隅がC面に面取りされた構成であっても、スペーサー1Aの四隅部分と荷物または荷台との接触により、当該四隅部分に欠けまたは外皮3のほつれが発生することを防止できる。
〔本実施形態に係るスペーサー1の製造方法:芯材2に対する外皮3の被覆方法〕
本実施形態に係るスペーサー1は、上述したフィルムからなる外皮3により芯材2の全表面が被覆されている。スペーサー1の製造方法は、板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材2に対して、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮3を被覆する被覆工程と、平滑処理工程と、を含んでいる。被覆工程では、外皮3における芯材2の周縁部2aの被覆部分において、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aと当該接合部3aを有さない第2の部分3Bとが存在するように、外皮3を被覆する。そして、前記平滑処理工程では、第1の部分3Aにおける接合部3aを平滑に処理する。スペーサー1の製造方法は、上述の被覆工程および平滑処理工程を含んでいれば、特に限定されない。
本実施形態に係るスペーサー1は、上述したフィルムからなる外皮3により芯材2の全表面が被覆されている。スペーサー1の製造方法は、板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材2に対して、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮3を被覆する被覆工程と、平滑処理工程と、を含んでいる。被覆工程では、外皮3における芯材2の周縁部2aの被覆部分において、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aと当該接合部3aを有さない第2の部分3Bとが存在するように、外皮3を被覆する。そして、前記平滑処理工程では、第1の部分3Aにおける接合部3aを平滑に処理する。スペーサー1の製造方法は、上述の被覆工程および平滑処理工程を含んでいれば、特に限定されない。
スペーサー1の製造方法としては、図5に示された方法が例示される。図5は、スペーサー1の製造方法の一例を模式的に示した図である。
図5に示す方法では、筒状(チューブ状)の熱収縮フィルム31が使用される。そして、この熱収縮フィルム31は、ロール状に巻かれた状態となっている。熱収縮フィルム31は、例えばポリエチレン系樹脂からなる。また、熱収縮フィルム31は、例えばインフレーション押出成形法により製造される。なお、図5に示す方法にて使用される熱収縮フィルム31は、筒状に限定されず、一方のみが開口した袋状であってもよい。
まず、図5に示す方法では、前記被覆工程は、収容工程と、加熱圧着工程と、を含む。前記収容工程は、工程500および工程501に対応する。前記加熱圧着工程は、図5に示す工程502および工程503に対応する。また、前記平滑処理工程は、工程503に対応する。図5に示す方法は、前記加熱圧着工程と前記平滑処理工程とが同時に行われる方法である。また、図5に示す方法では、芯材2は、四隅が面取りされた周縁部2aを有する。
まず、工程500では、熱収縮フィルム31の開口部31aから芯材2を挿入する。このとき、短辺側の周縁部(前記第2の部分)が熱収縮フィルム31の側面31cおよび31dに対応するように、芯材2を熱収縮フィルム31の開口部31aから挿入する。次いで、工程501では、熱収縮フィルム31を所定寸法に切断する。使用される熱収縮フィルム31の開口寸法は、芯材2の長辺または短辺の大きさと略同じである。また、熱収縮フィルム31の切断寸法は、芯材2の寸法に応じて適宜設定可能である。好ましくは、芯材2よりも一回り大きい寸法になるように、熱収縮フィルム31を切断する。この切断により分離された熱収縮フィルム31は、両端に開口部31aおよび31bがある筒状となる。
次いで、切断した熱収縮フィルム31の一方の開口部31bを溶断し、熱融着部31βを形成する。なお、前記溶断は、芯材2における面取りされた周縁部2aの形状に適合するように行われる。また、熱融着部31βは、開口部31bにある熱収縮フィルム31同士が熱融着した部分である。これにより、開口部31bが封止されるので、当該熱収縮フィルム31は、開口部31aを有する袋状となる。
そして、開口部31aを溶断し、熱融着部31αを形成する。前記溶断は、芯材2における面取りされた周縁部2aの形状に適合するように行われる。熱融着部31αは、開口部31aにある熱収縮フィルム31同士が熱融着した部分である。これにより、開口部31aが封止されるので、芯材2が熱収縮フィルム31内に収容された収容物10が製造される。
収容物10は、熱収縮フィルム31における芯材2の周縁部2aの被覆部分において、熱融着部31αおよび31βがある第1の部分と、熱融着部31αおよび31βがない第2の部分とが存在する。前記第1の部分における熱融着部31αおよび31βはそれぞれ、開口部31aおよび31bにある熱収縮フィルム31同士が熱融着した部分である。また、前記第2の部分は、筒状の熱収縮フィルム31の側面31cおよび31dに対応する。また、収容物10の周縁部は、芯材2の面取りした周縁部2aに適合した形状となっている。
次に、収容物10に対して、熱収縮フィルム31と芯材2とが接着するように加熱圧着する(加熱圧着工程)。具体的には、まず、工程502にて、加熱プレス機に収容物10をセットする。このとき、熱収縮フィルム31における芯材2の上面被覆部分31eが上側プレス型41側に位置し、熱収縮フィルム31における芯材2の下面被覆部分31fが下側プレス型42側に位置する。
上側プレス型41および下側プレス型42は、互いに組み合わさったとき、収容物10の全面を覆うように構成されている。また、上側プレス型41および下側プレス型42と収容物10との間には熱板が仕込まれている。
次いで、工程502にて加熱プレス機にセットされた収容物10に対して、芯材2と熱収縮フィルム31とが接着するように加熱圧着する(工程503)。工程503では、上側プレス型41および下側プレス型42を互いに近接することにより、収容物10を押圧する。そして、前記熱板により収容物10を加熱する。上側プレス型41および下側プレス型42と前記熱板とにより、収容物10は、全面同時に加熱圧着されることになる。これにより、芯材2の全面に対して、熱収縮フィルム31が熱収縮しつつ溶着し、芯材2を被覆する外皮3が形成される。
このとき、前記熱板との接触により、熱融着部31αおよび31βに形成された凸部等が均され、平滑となる。すなわち、図5に示す方法では、工程503にて、熱収縮フィルム31における熱融着部31αおよび31βを平滑に処理する平滑処理工程が行われる。
工程500〜503を経て、スペーサー1が製造される。このスペーサー1において、外皮3における芯材2の周縁部2aの被覆部分には、熱収縮フィルム31同士の熱融着部31αおよび31βがある第1の部分と熱融着部31αおよび31βがない第2の部分とが存在する。そして、前記第1の部分における熱融着部31αおよび31βは平滑である。それゆえ、芯材2を被覆する外皮3に対して、スペーサー1の繰り返しの使用による荷台への擦れに起因する破損を防止できる。
なお、図5に示す方法において、収容物10は、全面同時に加熱圧着されていた。しかし、本実施形態に係る方法における加熱圧着工程は、熱収縮フィルム31と芯材2とが接着できればよく、加熱プレス機等の加熱圧着装置の構成に応じて適宜設定し得る。例えば、前記加熱圧着工程では、まず、上面被覆部分31eおよび下面被覆部分31fにて熱収縮フィルム31と芯材2とが接着するように加熱圧着してもよい。この場合、使用される加熱圧着装置は、上面被覆部分31eおよび下面被覆部分31fのみをプレスする装置であり、熱圧着コンベア、加熱プレス機等が挙げられる。
そして、その後、熱収縮フィルム31における芯材2の周縁部2aの被覆部分に対して、熱収縮フィルム31と芯材2とが接着するように加熱圧着する。このとき、加熱熱風炉、工業用加熱ドライヤー、熱板等を用いて、前記周縁部2aの被覆部分を熱収縮させることによって、周縁部2aに熱収縮フィルム31を接着させる。
このように周縁部2aの被覆部分を熱収縮並びに加熱圧着させる過程で、熱融着部31αおよび31βは、凸部等が均され平滑となる。すなわち、熱収縮フィルム31における熱融着部31αおよび31βを平滑に処理する平滑処理工程が行われる。なお、平滑処理工程の具体的な方法は本方法に限定されない。
また、図5に示す方法において、加熱圧着工程前の収容物10の周縁部は、芯材2の面取りした周縁部2aに適合した形状であった。しかし、加熱圧着工程前の収容物10は、芯材2が外皮3内に収容されていればよく、形状は特に限定されない。
加熱圧着工程前の収容物10の周縁部は、芯材2の面取りした周縁部2aに適合していなくてもよい。この場合、例えば、上面被覆部分31eおよび下面被覆部分31fにて熱収縮フィルム31と芯材2とが接着するように加熱圧着した後に、芯材2の周縁部2aに適合するように、収容物10の四隅を面取りすればよい。例えば、加熱溶断により収容物10を面取りし得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
(まとめ)
本発明の態様1に係る運搬用スペーサー1は、板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材2と、前記芯材2を被覆する、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮3と、を備え、前記外皮3における前記芯材2の周縁部2aの被覆部分には、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aと当該接合部3aを有しない第2の部分3Bとが存在し、前記第1の部分における接合部3aは平滑である構成である。
本発明の態様1に係る運搬用スペーサー1は、板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材2と、前記芯材2を被覆する、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮3と、を備え、前記外皮3における前記芯材2の周縁部2aの被覆部分には、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aと当該接合部3aを有しない第2の部分3Bとが存在し、前記第1の部分における接合部3aは平滑である構成である。
本発明の態様2に係る運搬用スペーサー1は、態様1において、前記外皮3は、筒状または袋状のフィルム(熱収縮フィルム31)から構成されており、前記第1の部分は、前記筒状または袋状の開口部31aおよび31bにあるフィルム同士の熱融着部31αおよび31βに対応し、前記第2の部分は、前記筒状または袋状の側面31cおよび31dにある前記フィルムに対応する構成である。
本発明の態様3に係る運搬用スペーサー1は、態様1または2において、前記芯材2は、ポリエチレン系樹脂発泡成形体からなり、前記ポリエチレン系樹脂発泡成形体は、発泡倍率が10〜100倍であり、かつ曲げ弾性率が1〜25MPaである構成である。
本発明の態様4に係る運搬用スペーサー1は、態様1〜3の何れかにおいて、前記芯材2は、その四隅が面取りされている構成である。
本発明の態様5に係る運搬用スペーサー1は、態様1〜4の何れかにおいて、前記外皮3は、低密度ポリエチレン系樹脂製または高密度ポリエチレン系樹脂製の熱収縮フィルムである構成である。
本発明の態様6に係る運搬用スペーサー1の製造方法は、板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材2に対して、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮3を被覆する被覆工程であって、前記外皮3における前記芯材2の周縁部2aの被覆部分において、前記フィルム同士の接合部3aを有する第1の部分3Aと当該接合部3aを有しない第2の部分3Bとが存在するように、前記外皮を被覆する被覆工程と、前記第1の部分3Aにおける接合部3aを平滑に処理する平滑処理工程と、を含む。
本発明の態様7に係る運搬用スペーサー1の製造方法は、態様6において、前記外皮3は、筒状または袋状のフィルム(熱収縮フィルム31)から構成されており、前記被覆工程は、前記第2の部分が前記フィルムの側面31cおよび31dに対応するように、前記芯材2を前記フィルムの開口部31aから挿入し、開口部31aおよび31bにあるフィルム同士を熱融着する収容工程(工程500および501)と、前記収容工程にて得られた収容物10に対して、前記フィルムと前記芯材2とが接着するように加熱圧着する加熱圧着工程(工程502および503)と、を含み、前記平滑処理工程(工程503)では、前記フィルムにおける前記熱融着した部分を平滑に処理する。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例について、説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することができる。
評価項目
(摺動試験)
以下、実施例および比較例にて取得するサンプルから短辺側を試験片(幅200mm×長さ50mm×厚み40mm)を切り出した。そして、切り出した試験片に1Kgの荷重がかかるようにバウデン試験機に試験片を配置し、木片にて摺動試験(スパン100mm)を実施した。
(摺動試験)
以下、実施例および比較例にて取得するサンプルから短辺側を試験片(幅200mm×長さ50mm×厚み40mm)を切り出した。そして、切り出した試験片に1Kgの荷重がかかるようにバウデン試験機に試験片を配置し、木片にて摺動試験(スパン100mm)を実施した。
摺動回数に対する運搬用スペーサーの短辺側側面の外観評価を実施した。
(ひっかかり試験)
前記摺動試験と同様の試験片を用いた。荷物梱包用のラップに対して試験片を押し当てて移動させ、当該移動に対して熱収縮フィルムが引き裂きや伸びなどのダメージが与えられるかの官能評価を実施した。
前記摺動試験と同様の試験片を用いた。荷物梱包用のラップに対して試験片を押し当てて移動させ、当該移動に対して熱収縮フィルムが引き裂きや伸びなどのダメージが与えられるかの官能評価を実施した。
(実施例1)
合成樹脂発泡体からなる芯材2として、(a)発泡倍率が60倍であり、(b)寸法が:長さ2,250mm×幅1,000mm×厚さ40mmであり、(c)四隅が面取りされた、ビーズ法による板状のポリエチレンフォームを準備した。
合成樹脂発泡体からなる芯材2として、(a)発泡倍率が60倍であり、(b)寸法が:長さ2,250mm×幅1,000mm×厚さ40mmであり、(c)四隅が面取りされた、ビーズ法による板状のポリエチレンフォームを準備した。
一方で、外皮3を構成するフィルムとして、低密度ポリエチレン系樹脂製(大倉工業社製 パワーシュリンク 厚さ100μm)の、一方が開口した袋状の熱収縮フィルム(寸法:長さ2,390mm×幅1,140mm×厚さ100μm)を準備した。なお、当該熱収縮フィルムは、インフレーション押出成形方法により製膜され、二軸延伸されたフィルムである。
袋状の熱収縮フィルムの開口面から芯材2を挿入し、約100℃に設定したヒートシーラーにより袋状の熱収縮フィルムの開口面を約5秒間加熱プレスし、開口面を封止した。これにより、ビーズ法によるポリエチレンフォーム(芯材2)が袋状の熱収縮フィルムに収容された収容物10を作製した。
次いで、加熱設定温度110℃の熱板が設置された熱プレス機を用いて、約60秒間、収容物10の表裏面を加熱プレスし、芯材2の表裏面に熱収縮フィルムを積層接着した。
次に、加熱溶断により、前記積層接着した収容物10の四隅の面取りを行った。この時に、芯材2の側面周縁部とフィルムとを、加熱圧着により、熱溶着させた。以上により、芯材2の短辺側部分を被覆する外皮3に熱収縮フィルムの接合面が存在しない運搬用スペーサーを得た。
このスペーサーのサンプルから試験片を切り出し、摺動試験およびひっかかり試験を行い、外皮3の外観について観察した。結果を表1に示す。
(比較例1)
合成樹脂発泡体からなる芯材2として、(a)発泡倍率が60倍であり、(b)寸法が:長さ2,250mm×幅1,000mm×厚さ40mmである、ビーズ法による板状のポリエチレンフォームを準備した。
合成樹脂発泡体からなる芯材2として、(a)発泡倍率が60倍であり、(b)寸法が:長さ2,250mm×幅1,000mm×厚さ40mmである、ビーズ法による板状のポリエチレンフォームを準備した。
Tダイ押出成形方法により製膜され、二軸延伸されたポリエチレン系樹脂製の熱収縮フィルム(寸法:長さ2,390mm×幅1,140mm×厚み100μm)を2枚準備した。そして、2枚の熱収縮フィルムを重ねて、開口部として一辺を残し、約100℃に設定したヒートシーラーにより、各辺5秒間、3辺を加熱プレスし封止して、外皮3とした。
その後、前記開口部から芯材2を挿入し、約100℃に設定したヒートシーラーにより前記開口部にある熱収縮フィルムを約5秒間加熱プレスし、開口部を封止した。これにより、ポリエチレン系樹脂製の熱収縮フィルムにより芯材2を被覆した被覆物を作製した。
その後、加熱設定温度約110℃のプレス機を用いて、60秒間、前記被覆物の表裏面を加熱プレスし、芯材2の表裏面に熱収縮フィルムを積層接着した。
次に、実施例1と同様に、加熱溶断により、前記積層接着した前記被覆物の角部四隅の面取りを行った。
芯材2の周縁部、並びに長辺側の2箇所および短辺側の2箇所からはみだしている熱収縮フィルム接合部を折り曲げて芯材2の側壁面に当接させた。そして、この状態で、約100℃の熱板を加熱圧着することによって、芯材2の側壁面に熱収縮フィルムを接合した運搬用スペーサーを得た。
このスペーサーのサンプルから試験片を切り出し、摺動試験およびひっかかり試験を行い、外皮3の外観について観察した。結果を表1に示す。
(比較例2)
合成樹脂発泡体からなる芯材2として、(a)発泡倍率が60倍であり、(b)寸法が:長さ2,250mm×幅1,000mm×厚さ40mmである、ビーズ法による板状のポリエチレンフォームを準備した。そして、加熱溶断により、準備した芯材2の四隅の面取りを行った。
合成樹脂発泡体からなる芯材2として、(a)発泡倍率が60倍であり、(b)寸法が:長さ2,250mm×幅1,000mm×厚さ40mmである、ビーズ法による板状のポリエチレンフォームを準備した。そして、加熱溶断により、準備した芯材2の四隅の面取りを行った。
外皮3として、Tダイ押出成形方法により製膜されたポリエチレン系樹脂製の熱収縮フィルム(寸法:長さ2,390mm×幅1,140mm×厚み100μm)を2枚準備した。
加熱用金型(温度110℃)を用いて、芯材2の上下に、芯材2の本体より一回り大きい面積の接着剤シート(倉敷紡績社製 クランベターX2200)、及び外皮3を各々配置して加圧し、芯材2の表裏面に外皮3を接着させた。
その後、芯材2の周縁部の各側面(8面)について、芯材2の本体からはみ出した接着剤シートと外皮3の余剰部とを折り曲げて、芯材2の周辺部側面に沿ってあてがった。そして、アイロン(熱板)を用いて、芯材2の各側面に熱収縮フィルムを当接させ接着させて、運搬用スペーサーを得た。
このスペーサーのサンプルから試験片を切り出し、摺動試験およびひっかかり試験を行い、外皮3の外観について観察した。結果を表1に示す。
表1から分かるように、比較例1および2と比較して、実施例1の運搬用スペーサーは、摺動試験およびひっかかり試験の結果が良好であった。それゆえ、実施例1のスペーサーによれば、外皮に対して、スペーサーの繰り返しの使用による荷台への擦れに起因する破損を防止できる。
1、1A スペーサー(運搬用スペーサー)
2 芯材
2a 周縁部
3 外皮
3a 接合部
3A 第1の部分
3B 第2の部分
31 熱収縮フィルム(合成樹脂製のフィルム)
31a、31b 開口部
31c、31c 側面
31α、31β 熱融着部(フィルム同士の接合部)
501 工程(収容工程)
502 工程(加熱圧着工程)
503 工程(加熱圧着工程、平滑処理工程)
2 芯材
2a 周縁部
3 外皮
3a 接合部
3A 第1の部分
3B 第2の部分
31 熱収縮フィルム(合成樹脂製のフィルム)
31a、31b 開口部
31c、31c 側面
31α、31β 熱融着部(フィルム同士の接合部)
501 工程(収容工程)
502 工程(加熱圧着工程)
503 工程(加熱圧着工程、平滑処理工程)
Claims (7)
- 板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材と、
前記芯材を被覆する、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮と、を備え、
前記外皮における前記芯材の周縁部の被覆部分には、前記フィルム同士の接合部を有する第1の部分と、当該接合部を有しない第2の部分と、が存在し、
前記第1の部分における接合部は平滑である、運搬用スペーサー。 - 前記外皮は、筒状または袋状のフィルムから構成されており、
前記第1の部分は、前記筒状または袋状の開口部にあるフィルム同士の熱融着部に対応し、
前記第2の部分は、前記筒状または袋状の側面にある前記フィルムに対応する、請求項1に記載の運搬用スペーサー。 - 前記芯材は、ポリエチレン系樹脂発泡成形体からなり、
前記ポリエチレン系樹脂発泡成形体は、発泡倍率が10〜100倍であり、かつ曲げ弾性率が1〜25MPaである、請求項1または2に記載の運搬用スペーサー。 - 前記芯材は、その四隅が面取りされている、請求項1〜3の何れか1項に記載の運搬用スペーサー。
- 前記外皮は、低密度ポリエチレン系樹脂製または高密度ポリエチレン系樹脂製の熱収縮フィルムである、請求項1〜4の何れか1項に記載の運搬用スペーサー。
- 板状の合成樹脂発泡体から構成された芯材に対して、合成樹脂製のフィルムから構成された外皮を被覆する被覆工程であって、前記外皮における前記芯材の周縁部の被覆部分において、前記フィルム同士の接合部を有する第1の部分と当該接合部を有しない第2の部分とが存在するように、前記外皮を被覆する被覆工程と、
前記第1の部分における接合部を平滑に処理する平滑処理工程と、を含む、運搬用スペーサーの製造法。 - 前記外皮は、筒状または袋状のフィルムから構成されており、
前記被覆工程は、
前記第2の部分が前記フィルムの側面に対応するように、前記芯材を前記フィルムの開口部から挿入し、前記開口部にあるフィルム同士を熱融着する収容工程と、
前記収容工程にて得られた収容物に対して、前記フィルムと前記芯材とが接着するように加熱圧着する加熱圧着工程と、を含み、
前記平滑処理工程では、前記フィルムにおける前記熱融着した部分を平滑に処理する、請求項6に記載の運搬用スペーサーの製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2020048352A JP2021147082A (ja) | 2020-03-18 | 2020-03-18 | 運搬用スペーサーおよび運搬用スペーサーの製造方法 |
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