JP2021146857A - 車両用制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】タイヤの空気圧を検出して検出信号を送信する送受信機を用いることなく、空気圧の測定時に記憶した測定結果を用いて制御を行う場合に比較して高精度な制御を行うことが可能な車両用制御装置を提供する。【解決手段】制御装置4は、4輪駆動車1のタイヤの空気圧を測定した際の実測値を当該測定時のタイヤの空気圧に影響する影響因子の状態量と共に記憶する記憶手段41と、車両の走行に関する走行装置の制御量を演算する制御量演算手段42と、記憶手段41により記憶された実測値、及び記憶手段41により記憶された影響因子の状態量と走行装置の制御時における影響因子の状態量との差によって、走行装置の制御時におけるタイヤの空気圧を推定する推定手段43と、推定手段43によって推定されたタイヤの空気圧に応じて走行装置の制御量を補正する補正手段44とを有する。【選択図】図3

Description

本発明は、車両の走行装置を制御する車両用制御装置に関する。
従来、車両のタイヤに備えられた圧力センサによるタイヤ空気圧の検出信号を無線通信によって車体側の受信機に送信するタイヤ空気圧検出装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載のタイヤ空気圧検出装置は、タイヤ側の送受信機が、圧力センサを有するセンシング部と、空気圧に関するデータを作成する制御部と、空気圧に関するデータを送信する送受信部とを備え、電池からの電力供給を受けて動作する。
また、本出願人は、タイヤの空気圧の検出結果を制御に用いるステアバイワイヤ方式の操舵装置を提案している(特許文献2参照)。この操舵装置では、制御パラメータである比例ゲイン、積分ゲインおよび微分ゲインの少なくとも何れかを、タイヤの空気圧に応じて変更することにより、タイヤの空気圧による転舵モータに対する指令値への影響を補償するように構成されている。
特開2019−98837号公報 特開2018−199477号公報(請求項15、段落[0167]−[0178])
上記のようなタイヤ空気圧検出装置は、タイヤ側の送受信機が高コストであると共に、定期的に電池交換を行う必要があり、搭載される車両が一部の高級車等に限られる。このため、タイヤの空気圧を検出して検出信号を送信する送受信機を有しない車両では、例えば車検時や法定点検の際に測定したタイヤの空気圧を制御装置に記憶させ、記憶された空気圧に基づいて装置の制御を行うことが考えられる。しかし、タイヤの空気圧は、気温や気圧によって変化してしまうので、測定時の空気圧と走行時における実際の空気圧とが大きく変わってしまう場合がある。
本発明は、上記の事情に鑑みて創案されたものであり、その目的は、タイヤの空気圧を検出して検出信号を送信する送受信機を用いることなく、空気圧の測定時に記憶した測定結果を用いて制御を行う場合に比較して高精度な制御を行うことが可能な車両用制御装置を提供することにある。
本発明は、上記の目的を達成するため、車両のタイヤの空気圧を測定した際の実測値を当該測定時の前記タイヤの空気圧に影響する影響因子の状態量と共に記憶する記憶手段と、前記車両の走行に関する走行装置の制御量を演算する制御量演算手段と、前記記憶手段により記憶された前記実測値、及び前記記憶手段により記憶された前記影響因子の状態量と前記走行装置の制御時における前記影響因子の状態量との差によって、前記制御時における前記タイヤの空気圧を推定する推定手段と、前記推定手段によって推定された前記タイヤの空気圧に応じて前記制御量を補正する補正手段と、を有する車両用制御装置を提供する。
本発明に係る車両用制御装置によれば、タイヤの空気圧を検出して検出信号を送信する送受信機を用いることなく、空気圧の測定時に記憶した測定結果を用いて制御を行う場合に比較して高精度な制御を行うことが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る4輪駆動車の概略の構成例を示す概略構成図である。 駆動力伝達装置の構成例を示す断面図である。 制御装置が駆動力伝達装置を制御するために実行する制御内容の具体例を示す制御ブロック図である。 第2の実施の形態に係る4輪駆動車の構成例を示す概略構成図である。 第3の実施の形態に係る4輪駆動車の構成例を示す概略構成図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る4輪駆動車の概略の構成例を示す概略構成図である。図1に示すように、4輪駆動車1は、左右前輪191,192及び左右後輪193,194を有しており、左右前輪191,192及び左右後輪193,194に駆動源としてのエンジン11の駆動力が伝達される4輪駆動状態と、左右前輪191,192のみにエンジン11の駆動力が伝達される2輪駆動状態とを切り替え可能である。エンジン11の出力軸であるクランクシャフトの回転は、トランスミッション12によって変速される。なお、駆動源として電動モータを用いてもよく、エンジンと電動モータとを組み合わせて駆動源としてもよい。
左右前輪191,192は、エンジン11の駆動力が常に伝達される主駆動輪であり、左右後輪193,194は、4輪駆動車1の車両状態に応じてエンジン11の駆動力が伝達される副駆動輪である。左右前輪191,192及び左右後輪193,194には、車輪速センサ101〜104がそれぞれ対応して配置されている。
4輪駆動車1には、GPS(Global Positioning System)受信機31を備えたナビゲーション装置3が搭載されている。ナビゲーション装置3は、GPS受信機31によって得られた4輪駆動車1の現在位置に基づいて、タッチパネル付きディスプレイ及びスピーカによって運転者に対して目的地までの経路案内を行う。
また、4輪駆動車1は、前輪側に配置されたフロントディファレンシャル13及びトランスファ14と、車両前後方向に駆動力を伝達するプロペラシャフト15と、後輪側に配置されたリヤディファレンシャル16と、リヤディファレンシャル16に駆動力を伝達するピニオンギヤシャフト160と、左右の前輪側のドライブシャフト171,172と、左右の後輪側のドライブシャフト181,182と、プロペラシャフト15とピニオンギヤシャフト160との間に配置された駆動力伝達装置2とを有している。
駆動力伝達装置2は、4輪駆動車1の走行に関する走行装置であり、制御装置4によって制御される。制御装置4は、駆動力伝達装置2に電流を供給し、駆動力伝達装置2は、制御装置4から供給される電流に応じた駆動力をプロペラシャフト15からピニオンギヤシャフト160に伝達する。駆動力伝達装置2の構成については後述する。
制御装置4は、車輪速センサ101〜104によって検出される左右前輪191,192及び左右後輪193,194の回転速度を示す車輪速の情報、アクセルペダルセンサ105によって検出されるアクセルペダル111の操作量(踏み込み量)を示すアクセル開度の情報、操舵角センサ106によって検出されるステアリングホイール112の回転角を示す操舵角の情報、外気温センサ107によって検出される外気温の情報、及びエンジンオフタイマ108によって検出されるエンジン11の停止後の経過時間の情報を、例えばCAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークによって取得可能である。また、制御装置4は、車載ネットワークによってナビゲーション装置3との通信が可能であり、ナビゲーション装置3から現在位置の高度(標高)を含む位置情報を取得することが可能である。
左右前輪191,192には、エンジン11の駆動力が、トランスミッション12、フロントディファレンシャル13、及び左右の前輪側のドライブシャフト171,172を介して伝達される。フロントディファレンシャル13は、左右の前輪側のドライブシャフト171,172にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ131,131と、一対のサイドギヤ131,131にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ132,132と、一対のピニオンギヤ132,132を支持するピニオンギヤシャフト133と、これらを収容するフロントデフケース134とを有している。
トランスファ14は、フロントデフケース134に固定されたリングギヤ141と、プロペラシャフト15の車両前方側の端部に連結されてリングギヤ141に噛み合うピニオンギヤ142とを有し、プロペラシャフト15に駆動力を伝達する。プロペラシャフト15の車両後方側の端部は、駆動力伝達装置2の入力回転部材であるハウジング20に連結されている。
リヤディファレンシャル16は、左右の後輪側のドライブシャフト181,182にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ161,161と、一対のサイドギヤ161,161にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ162,162と、一対のピニオンギヤ162,162を支持するピニオンギヤシャフト163と、これらを収容するリヤデフケース164と、リヤデフケース164に固定されてピニオンギヤシャフト160と噛み合うリングギヤ165とを有している。
左前輪191は、ドライブシャフト171に連結されたホイール191aと、ホイール191aに装着されたタイヤ191bとを有し、右前輪192は、ドライブシャフト172に連結されたホイール192aと、ホイール192aに装着されたタイヤ192bとを有している。また、左後輪193は、ドライブシャフト181に連結されたホイール193aと、ホイール193aに装着されたタイヤ193bとを有し、右後輪194は、ドライブシャフト182に連結されたホイール194aと、ホイール194aに装着されたタイヤ194bとを有している。タイヤ191b,192b,193b,194bは、空気が充填された空気入りタイヤである。
(駆動力伝達装置の構成)
図2は、駆動力伝達装置2の構成例を示す断面図である。図2において、回転軸線Oよりも上側は駆動力伝達装置2の作動状態を、下側は駆動力伝達装置2の非作動状態を、それぞれ示す。以下、回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
駆動力伝達装置2は、フロントハウジング21及びリヤハウジング22からなるハウジング20と、ハウジング20に対して相対回転可能に軸受支持されたインナシャフト23と、ハウジング20とインナシャフト23との間に配置されたメインクラッチ24と、メインクラッチ24を押圧するスラスト力を発生させるカム機構25と、制御装置4から電流の供給を受けてカム機構25を作動させる電磁クラッチ機構26とを有して構成されている。ハウジング20の内部には、図略の潤滑油が封入されている。
フロントハウジング21は、円筒状の筒部21aと底部21bとを一体に有する有底円筒状であり、底部21bにプロペラシャフト15(図1参照)が例えば十字継手を介して連結される。筒部21aの内面には、軸方向に延びる複数の外側スプライン突起211が形成されている。リヤハウジング22は、径方向の一部がリング状の非磁性体221によって形成されており、フロントハウジング21と一体に回転する。
インナシャフト23は、軸受271,272によってハウジング20の内周に支持されており、軸方向に延びる複数の内側スプライン突起231を外周面に有している。また、インナシャフト23の一端部における内面には、ピニオンギヤシャフト160(図1参照)の一端部が相対回転不能に嵌合されるスプライン嵌合部232が形成されている。
メインクラッチ24は、軸方向に沿って交互に配置された複数のメインアウタクラッチプレート241及び複数のメインインナクラッチプレート242からなる。メインアウタクラッチプレート241は、外周側の端部がフロントハウジング21の外側スプライン突起211に係合している。メインインナクラッチプレート242は、内周側の端部がインナシャフト23の内側スプライン突起231に係合している。
カム機構25は、電磁クラッチ機構26を介してハウジング20の回転力を受けるパイロットカム251と、メインクラッチ24を軸方向に押圧するメインカム252と、パイロットカム251とメインカム252との間に配置された複数の球状のカムボール253とを有して構成されている。パイロットカム251とメインカム252との対向面には、周方向に沿って軸方向の深さが変化する複数のカム溝251a,252aがそれぞれ形成されており、これらのカム溝251a,252aの間にカムボール253が配置されている。パイロットカム251とリヤハウジング22との間には、スラスト軸受254が配置されている。メインカム252は、インナシャフト23の内側スプライン突起231に相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合しており、リターンスプリングとしての皿ばね255によってパイロットカム251側に付勢されている。
電磁クラッチ機構26は、アーマチャ260と、複数のパイロットアウタクラッチプレート261と、複数のパイロットインナクラッチプレート262と、電磁コイル263とを有して構成されている。電磁コイル263は、軸受273によってリヤハウジング22に支持されたヨーク264に保持されている。電磁コイル263には、電線265を介して制御装置4からの電流が供給される。
複数のパイロットアウタクラッチプレート261及びパイロットインナクラッチプレート262は、アーマチャ260とリヤハウジング22との間に、軸方向に沿って交互に配置されている。パイロットアウタクラッチプレート261及びアーマチャ260は、外周側の端部がフロントハウジング21の外側スプライン突起211に係合している。パイロットインナクラッチプレート262は、内周側の端部がパイロットカム251に係合している。
駆動力伝達装置2は、電磁コイル263に供給する電流に応じて左右後輪193,194側に伝達する駆動力を調節可能である。駆動力伝達装置2は、電磁コイル263に供給される電流によって磁路Gに磁束が発生し、アーマチャ260がリヤハウジング22側に引き寄せられてパイロットアウタクラッチプレート261とパイロットインナクラッチプレート262とが摩擦接触し、パイロットカム251がメインカム252に対して相対回転し、カムボール253がカム溝251a,252aを転動してメインカム252にメインクラッチ24を押圧するスラスト力が発生する。そして、複数のメインアウタクラッチプレート241と複数のメインインナクラッチプレート242との間に摩擦力が発生してハウジング20からインナシャフト23に駆動力が伝達される。
ところで、左右後輪193,194は、タイヤ193b,194bの空気圧に応じて回転抵抗が変化する。具体的には、タイヤ193b,194bの空気圧が高くなると左右後輪193,194の回転抵抗が小さくなり、タイヤ193b,194bの空気圧が低くなると左右後輪193,194の回転抵抗が大きくなる。このため、タイヤ193b,194bの空気圧が高い場合と低い場合とでは、同じ駆動力を左右後輪193,194に伝達したとしても、回転抵抗の変化分だけ、4輪駆動車1を推進させることに寄与する推進力が変化してしまう。そして、この推進力の変化によって加速時や旋回時等における車両挙動が変わり、運転者が感じる運転フィーリングが低下してしまうおそれがある。なお、以下、タイヤ193b,194bの空気圧を単にタイヤ空気圧という。
本実施の形態では、タイヤ空気圧が変動して左右後輪193,194の回転抵抗が変化しても、4輪駆動車1を推進させることに寄与する左右後輪193,194の駆動力の変化を抑制すべく、制御装置4が、タイヤ空気圧を測定した際の実測値をその測定時のタイヤ空気圧に影響する影響因子の状態量と共に記憶する記憶手段41と、駆動力伝達装置2の制御量を演算する制御量演算手段42と、記憶手段41により記憶された実測値、及び記憶手段41により記憶された影響因子の状態量と駆動力伝達装置2の制御時における影響因子の状態量との差によって、駆動力伝達装置2の制御時におけるタイヤ空気圧を推定する推定手段43と、推定手段43によって推定されたタイヤ空気圧に応じて駆動力伝達装置2の制御量を補正する補正手段44とを備えている。
なお、タイヤ空気圧の測定が自動車整備工場等で行われた場合には、当該測定作業を行った作業者が例えば制御装置4に操作端末を接続してタイヤ空気圧の実測値を制御装置4に記憶させることができる。また、例えばナビゲーション装置3のタッチパネル付きディスプレイをUI(User Interface)としてタイヤ空気圧の実測値を制御装置4に記憶させることができるようにしてもよい。次に、制御装置4が記憶手段41、制御量演算手段42、推定手段43、及び補正手段44として行う制御内容の一例について、図3を参照してより詳細に説明する。
図3は、制御装置4が駆動力伝達装置2を制御するために実行する制御内容の具体例を示す制御ブロック図である。この制御ブロック図において、タイヤ空気圧記憶部4iの処理は、記憶手段41によって行われる処理である。トルク指令値演算部4aの処理は、制御量演算手段42によって行われる処理である。タイヤ空気圧推定部4jの処理は、推定手段43によって行われる処理である。補正値演算部4k及び加算器4bの処理は、補正手段44によって行われる処理である。
トルク指令値演算部4aは、車輪速センサ101〜104の検出値、アクセルペダルセンサ105の検出値、及び操舵角センサ106の検出値に基づいて、左右後輪193,194に伝達すべき駆動力の大きさを示すトルク指令値Tを演算する。このトルク指令値Tは、駆動力伝達装置2の制御量の一例である。加算器4bは、トルク指令値Tに後述する補正値演算部4kで演算された補正値αを加算し、補正トルク指令値T**を算出する。
電流指令値演算部4cは、駆動力伝達装置2の電磁コイル263に供給される電流と駆動力伝達装置2によって伝達される駆動力(トルク)との関係を示すI−T特性マップに補正トルク指令値T**を適用し、電流指令値Iを演算する。減算器4dは、電流指令値Iと、電磁コイル263に供給される電流を検出する電流センサ40の検出値との差である電流偏差ΔIを演算する。
電流制御部4eは、電流偏差ΔIに基づいてフィードバック演算を行い、このフィードバック演算の結果に応じてデューティー比が調節されたPWM(Pulse Width Modulation)信号を駆動回路4fに出力する。駆動回路4fは、PWM信号によってオン状態とオフ状態とが切り替わるパワートランジスタ等のスイッチング素子を有し、デューティー比に応じた大きさの電流を駆動力伝達装置2の電磁コイル263に供給する。
タイヤ熱推定値演算部4gは、4輪駆動車1の走行時には、例えば車輪速センサ103,104の検出値によって求められる左右後輪193,194の過去の所定時間の平均車輪速に基づいて、タイヤ193b,194bの発熱量THを推定演算する。この発熱量THは、走行時において路面と接するタイヤ193b,194bの接地面が平らになるように連続的に撓むことにより発生する熱の量であり、例えば車速の積分値によっても求めることが可能である。
また、タイヤ熱推定値演算部4gは、4輪駆動車1のエンジン11の始動時(イグニッションオン時)には、エンジン11が停止(イグニッションオフ)してからの経過時間を計測するエンジンオフタイマ108の計測値、及びエンジン11が停止したときのタイヤ193b,194bの発熱量の演算値に基づいて、現時点のタイヤ193b,194bの発熱量THを演算し、この演算結果をタイヤ193b,194bの発熱量THの初期値とする。この初期値は、エンジン11が停止してからの経過時間が長いほど、タイヤ193b,194bからの放熱が考慮された低い値となる。
気圧演算部4hは、例えばナビゲーション装置3から得られる現在位置の高度の情報に基づいて、現在位置の気圧(大気圧)APを算出する。なお、4輪駆動車1が気圧計を備えている場合には、この気圧計の検出値を気圧APとしてもよい。また、道路交通に関する総合的な情報通信システムである高度道路交通システム(ITS:Intelligent Transport Systems)の通信仕様に則った路車間通信により、現在位置の気圧APを取得してもよい。
タイヤ空気圧記憶部4iは、タイヤ空気圧を測定した際の実測値を取得し、この実測値を、その測定時におけるタイヤ193b,194bの発熱量TH、現在位置の気圧AP、及び外気温センサ107の検出値である外気温OTの情報と共に不揮発性メモリに記憶する。タイヤ193b,194bの発熱量TH、気圧AP、及び外気温OTは、タイヤ空気圧に影響する影響因子の状態量の一例である。
タイヤ空気圧推定部4jは、タイヤ空気圧記憶部4iによって記憶されたタイヤ空気圧の実測値Pと、タイヤ193b,194bの発熱量TH、気圧AP、及び外気温OTの取得時(駆動力伝達装置2の制御時)と実測時との差によって、タイヤ空気圧の現在値Pを推定する。補正値演算部4kは、このタイヤ空気圧の現在値Pに応じて、トルク指令値Tの補正値αを算出する。この補正値αは、加算器4bによってトルク指令値Tに加算される。
次に、タイヤ空気圧推定部4j及び補正値演算部4kの処理内容について、より具体的に説明する。タイヤ空気圧推定部4jは、次式(1)〜(3)により、発熱量TH、気圧AP、及び外気温OTの実測時の値と現在値との差である発熱量差ΔTH、気圧差ΔAP、及び外気温差ΔOTを求める。
発熱量差ΔTH=発熱量THの現在値−空気圧実測時の発熱量TH …(1)
気圧差ΔAP=気圧APの現在値−空気圧実測時の気圧AP …(2)
外気温差ΔOT=外気温OTの現在値−空気圧実測時の外気温OT …(3)
実測時におけるタイヤ空気圧を基準にした場合、タイヤ空気圧の現在値Pは、発熱量差ΔTH、気圧差ΔAP、及び外気温差ΔOTが大きいほど大きくなる。タイヤ空気圧推定部4jでは、発熱量差ΔTH、気圧差ΔAP、及び外気温差ΔOTと、実測時におけるタイヤ空気圧を基準とするタイヤ空気圧の変化量との関係を例えばマップの形式で記憶しており、算出された発熱量差ΔTH、気圧差ΔAP、及び外気温差ΔOT、ならびに実測時におけるタイヤ空気圧に基づいて、タイヤ空気圧の現在値Pを算出する。
補正値演算部4kは、算出されたタイヤ空気圧の現在値Pがタイヤ空気圧の適正値よりも高い場合には補正値αを負値とし、算出されたタイヤ空気圧の現在値Pがタイヤ空気圧の適正値よりも低い場合には補正値αを正値とする。また、補正値αの大きさ(絶対値)は、算出されたタイヤ空気圧の現在値Pとタイヤ空気圧の適正値との差の絶対値が大きいほど大きくなる。つまり、補正手段44は、推定手段43によって推定されるタイヤ空気圧が低いほど、トルク指令値Tに対して補正トルク指令値T**が大きくなるようにトルク指令値Tを補正する。これにより、タイヤ空気圧が低くなる場合に増大する左右後輪193,194の回転抵抗の増加分を補い、例えば車輪速センサ101〜104、アクセルペダルセンサ105、及び操舵角センサ106の検出値に応じた適切な大きさの駆動力が駆動力伝達装置2を経て左右後輪193,194に伝達される。
このように、本実施の形態によれば、例えばタイヤ空気圧を実測した際の実測値を用いて駆動力伝達装置2の制御を行う場合に比較して、タイヤ空気圧によって変化する左右後輪193,194の回転抵抗を考慮したより高精度な制御を行うことが可能となる。
なお、上記の実施の形態では、タイヤ空気圧に影響する影響因子の状態量として、発熱量TH、気圧AP、及び外気温OTを用いた場合について説明したが、これら三つの影響因子のうち何れか一つ又は二つの影響因子を用いなくともよい。また、他の影響因子をタイヤ空気圧の推定演算に用いてもよい。例えば、左右後輪193,194の懸架装置に荷重センサが設けられている場合には、この荷重センサの検出値をタイヤ空気圧に影響する影響因子の状態量として考慮に加えてもよい。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図4を参照して説明する。図4は、第2の実施の形態に係る4輪駆動車1Aの概略の構成例を示す概略構成図である。この4輪駆動車1Aは、第1の実施の形態と同様、左右前輪191,192及び左右後輪193,194にエンジン11の駆動力が伝達される4輪駆動状態と、左右前輪191,192のみにエンジン11の駆動力が伝達される2輪駆動状態とを切り替え可能であるが、駆動力伝達装置2の配置等が異なっている。図4において、第1の実施の形態において説明したものと共通する部材等については、図1に付したものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
第1の実施の形態では、駆動力伝達装置2がプロペラシャフト15とリヤディファレンシャル16との間に配置された場合について説明したが、本実施の形態では、プロペラシャフト15の後端部にピニオンギヤ50が連結されており、このピニオンギヤ50がリングギヤ51に噛み合わされている。また、リングギヤ51には、車幅方向に延びる連結シャフト52が一体回転するように固定されている。連結シャフト52の両端部には、一対の駆動力伝達装置2のハウジング20がそれぞれ相対回転不能に連結されている。一方の駆動力伝達装置2のインナシャフト23は、左後輪側のドライブシャフト181と相対回転不能に連結されている。また、他方の駆動力伝達装置2のインナシャフト23は、右後輪側のドライブシャフト182と相対回転不能に連結されている。
一対の駆動力伝達装置2は、本実施の形態における走行装置に相当するものであり、制御装置4によって制御される。制御装置4は、一方の駆動力伝達装置2を介して左後輪193に伝達する駆動力、及び他方の駆動力伝達装置2を介して右後輪194に伝達する駆動力を、それぞれ独立して調節することが可能である。
制御装置4は、第1の実施の形態と同様、記憶手段41、制御量演算手段42、推定手段43、及び補正手段44を有しており、記憶手段41は、左後輪193及び右後輪194のそれぞれについて、タイヤ193b,194bの空気圧の実測値と、その測定時における発熱量TH、気圧AP、及び外気温OTの情報とを不揮発性メモリに記憶する。制御量演算手段42は、一方の駆動力伝達装置2によって左後輪193に伝達すべき駆動力のトルク指令値T、及び他方の駆動力伝達装置2によって右後輪194に伝達すべき駆動力のトルク指令値Tをそれぞれ演算する。推定手段43は、制御時における左後輪193及び右後輪194のそれぞれのタイヤ193b,194bの空気圧を推定する。補正手段44は、左後輪193のタイヤ193bの空気圧の推定値に応じて一方の駆動力伝達装置2によって伝達すべき駆動力のトルク指令値Tを補正し、右後輪194のタイヤ194bの空気圧の推定値に応じて他方の駆動力伝達装置2によって伝達すべき駆動力のトルク指令値Tを補正する。
制御装置4は、4輪駆動車1Aの直進時には、左後輪193による推進力と右後輪194による推進力が等しくなるように一対の駆動力伝達装置2を制御する。また、制御装置4は、右旋回時には左後輪193による推進力が右後輪194による推進力よりも大きくなるように一対の駆動力伝達装置2を制御し、左旋回時には右後輪194による推進力が左後輪193による推進力よりも大きくなるように一対の駆動力伝達装置2を制御する。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様、タイヤ空気圧によって変化する左右後輪193,194の回転抵抗を考慮したより高精度な制御を行うことが可能となる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図5を参照して説明する。図5は、第3の実施の形態に係る4輪駆動車1Bの概略の構成例を示す構成図である。第1及び第2の実施の形態では、4輪駆動車1,1Aが単一の駆動源としてのエンジン11の駆動力を左右前輪191,192及び左右後輪193,194に配分するように構成された場合について説明したが、本実施の形態に係る4輪駆動車1Bは、主駆動源としてのエンジン11によって主駆動輪としての左右前輪191,192を駆動し、副駆動源としての電動モータ6によって副駆動輪としての左右後輪193,194を駆動する。
また、4輪駆動車1Bは、電動モータ6の出力軸61の回転を減速して電動モータ6の駆動力(トルク)をリヤディファレンシャル16に駆動力を伝達する減速機構7を備えている。減速機構7は、電動モータ6の出力軸61に連結されたピニオンギヤ71と、ピニオンギヤ71に噛み合う大径ギヤ72と、大径ギヤ72と一体に回転する小径ギヤ73とを有し、小径ギヤ73がリヤディファレンシャル16のリングギヤ165に噛み合わされている。なお、図5において、第1の実施の形態において説明したものと共通する部材等については、図1に付したものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。
電動モータ6は、制御装置4によって制御される。つまり、本実施の形態では、電動モータ6が車両の走行に関する走行装置である。制御装置4は、車輪速センサ101〜104の検出値、アクセルペダルセンサ105の検出値、及び操舵角センサ106の検出値に基づいて、電動モータ6で発生すべき駆動力の大きさを示すトルク指令値を制御量として演算し、推定手段43によって推定された左右後輪193,194のタイヤの空気圧に応じて、トルク指令値を補正する。
本実施の形態によっても、第1の実施の形態と同様、タイヤ空気圧によって変化する左右後輪193,194の回転抵抗を考慮したより高精度な制御を行うことが可能となる。
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記第1及び第2の実施の形態では、駆動力伝達装置2を制御装置4の制御対象である走行装置とした場合について説明し、第3の実施の形態では、副駆動源としての電動モータ6を制御装置4の制御対象である走行装置とした場合について説明したが、これに限らず、例えば左右前輪191,192をステアリングホイール112の操舵操作に応じて転舵させるステアリング装置を走行装置として制御装置4によって制御してもよい。
1,1A,1B…4輪駆動車 191,192…左右前輪(主駆動輪)
193,194…左右後輪(副駆動輪) 193b,194b…タイヤ
2…駆動力伝達装置(走行装置) 4…制御装置(車両用制御装置)
41…記憶手段 42…制御量演算手段
43…推定手段 44…補正手段
6…電動モータ(走行装置) AP…気圧(影響因子)
OT…外気温(影響因子) P…実測値
T…トルク指令値(制御量) TH…発熱量(影響因子)

Claims (4)

  1. 車両のタイヤの空気圧を測定した際の実測値を当該測定時の前記タイヤの空気圧に影響する影響因子の状態量と共に記憶する記憶手段と、
    前記車両の走行に関する走行装置の制御量を演算する制御量演算手段と、
    前記記憶手段により記憶された前記実測値、及び前記記憶手段により記憶された前記影響因子の状態量と前記走行装置の制御時における前記影響因子の状態量との差によって、前記制御時における前記タイヤの空気圧を推定する推定手段と、
    前記推定手段によって推定された前記タイヤの空気圧に応じて前記制御量を補正する補正手段と、
    を有する車両用制御装置。
  2. 前記影響因子は、気圧、外気温、及びタイヤの発熱量の少なくとも何れかを含む、
    請求項1に記載の車両用制御装置。
  3. 前記気圧を、前記車両の現在位置の高度から求める、
    請求項2に記載の車両用制御装置。
  4. 前記車両は、前輪及び後輪の一方を主駆動輪として他方を副駆動輪とする4輪駆動車であり、
    前記走行装置は、前記副駆動輪に伝達する駆動力を調節可能な駆動力伝達装置であり、
    前記補正手段は、前記推定手段によって推定される前記タイヤの空気圧に応じて前記副駆動輪に伝達する駆動力の大きさに関する制御量を補正する、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の車両用制御装置。
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