JP2021126960A - 4輪駆動車の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自車両の側方を他車両が走行することによる風圧が自車両の走行に与える影響を抑制することが可能な4輪駆動車の制御装置を提供する。【解決手段】左右前輪191,192及び左右後輪193,194の少なくとも何れかに伝達される駆動力を調節可能な駆動力伝達装置2を備えた4輪駆動車の制御装置3は、自車両1と自車両1の周辺を走行する他車両8との相対的な位置関係に基づいて、他車両8の走行による風圧が自車両1の走行に与える影響を抑制するように駆動力伝達装置2を制御する。【選択図】図4

Description

本発明は、左右前輪及び左右後輪の少なくとも何れかに伝達される駆動力を調節可能な駆動力伝達装置を備えた4輪駆動車の制御装置に関する。
従来、走行時に横風等の外乱によって車両が左右に振られることによる車両挙動の不安定化を、左右輪の差動を制限して抑制するようにした差動制限力制御装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の差動制限力制御装置は、車両の重心よりも前方の部分に受ける風力を検出する風力検出手段と、動力装置により発生された動力を差動を許容して左右の駆動輪(後輪)に伝達する差動装置と、左右の駆動輪の差動に対抗する差動対抗力を発生して差動装置による差動の制限を行う差動制限手段と、風力検出手段により風力が検出されたとき、検出された風力に応じた差動対抗力を発生させるように差動制限手段を制御する差動制限力制御手段とを備える。
特開2009−257383号公報
しかし、風による外乱は、他車両が自車両の側方を走行する際にも発生し得る。特に、トラックやバス等の大型自動車が後方から自車両を追い越して行く際には、自車両が大きな風圧を受けるため、車両挙動が乱れるおそれがある。また、自車両の側方を走行する他車両の風圧によってヨーレイトが変化してから、例えば特許文献1に記載されているように左右輪に差動対抗力を発生させることにより車両挙動の安定化を図っても、その効果が表れるまでの間の時間的な遅れにより、一時的には車両挙動が乱れてしまう。
そこで、本発明は、自車両の側方を他車両が走行することによる風圧が自車両の走行に与える影響を抑制することが可能な4輪駆動車の制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、上記の目的を達成するため、左右前輪及び左右後輪の少なくとも何れかに伝達される駆動力を調節可能な駆動力伝達装置を備えた4輪駆動車の制御装置であって、自車両と当該自車両の周辺を走行する他車両との相対的な位置関係に基づいて、前記他車両の走行による風圧が前記自車両の走行に与える影響を抑制するように前記駆動力伝達装置を制御する、4輪駆動車の制御装置を提供する。
本発明に係る4輪駆動車の制御装置によれば、自車両の側方を他車両が走行することによる風圧が自車両の走行に与える影響を抑制することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係る制御装置が搭載された4輪駆動車の概略の構成例を示す概略構成図である。 駆動力伝達装置の構成例を示す断面図である。 (a)〜(d)は、他車両が自車両の後方から前方に向かって自車両を追い越していく際の様子を示す説明図である。 制御装置が行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。 左右後輪に伝達される駆動力の時間的な変化の一例を示すグラフである。 第2の実施の形態に係る4輪駆動車の構成例を示す概略構成図である。 第3の実施の形態に係る4輪駆動車の構成例を示す概略構成図である。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態について、図1乃至図5を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る制御装置が搭載された4輪駆動車の概略の構成例を示す概略構成図である。
4輪駆動車1は、駆動源としてのエンジン11の駆動力を左右前輪191,192及び左右後輪193,194に配分可能な駆動力伝達系10を備えている。エンジン11の出力軸であるクランクシャフトの回転は、トランスミッション12によって変速される。なお、駆動源として電動モータを用いてもよく、エンジンと電動モータとを組み合わせて駆動源としてもよい。また、以下、4輪駆動車1を自車両1ということがある。
左右前輪191,192は、エンジン11の駆動力が常時伝達される主駆動輪である。左右後輪193,194は、駆動力伝達系10に設けられた駆動力伝達装置2を介してエンジン11の駆動力が配分される補助駆動輪である。左右前輪191,192ならびに左右後輪193,194には、車輪速センサ101〜104がそれぞれ対応して配置されている。駆動力伝達装置2は、制御装置3によって制御される。また、4輪駆動車1には、他車両との車車間通信が可能な車車間通信装置4が搭載されており、制御装置3と車車間通信装置4とが車載ネットワークを介して情報を送受信可能に接続されている。
4輪駆動車1は、エンジン11の駆動力が左右前輪191,192及び左右後輪193,194に配分される4輪駆動状態と、エンジン11の駆動力が左右前輪191,192のみに配分される2輪駆動状態とを切り替え可能である。2輪駆動状態での走行時には、4輪駆動状態での走行時に比較して動力損失が低減され、省燃費性能が向上する。一方、4輪駆動状態での走行時には、エンジン11の駆動力が四つの車輪に配分されるため、走行安定性が高まり、2輪駆動状態での走行時に比較して外乱を受けても車両挙動が安定しやすい。
駆動力伝達系10は、前輪側に配置されたフロントディファレンシャル13及びトランスファ14と、車両前後方向に駆動力を伝達するプロペラシャフト15と、後輪側に配置されたリヤディファレンシャル16と、リヤディファレンシャル16に駆動力を伝達するピニオンギヤシャフト160と、左右の前輪側のドライブシャフト171,172と、左右の後輪側のドライブシャフト181,182とを有している。駆動力伝達装置2は、プロペラシャフト15とピニオンギヤシャフト160との間に配置され、左右後輪193,194に伝達される駆動力を調節可能である。
駆動力伝達装置2は、制御装置3から供給される電流に応じた駆動力をプロペラシャフト15からピニオンギヤシャフト160に伝達する。制御装置3は、車載ネットワークを介して、車輪速センサ101〜104によって検出される左右前輪191,192及び左右後輪193,194の回転速度を示す車輪速の情報や、アクセルペダルセンサ105によって検出されるアクセルペダル111の操作量を示すアクセル開度の情報、及び操舵角センサ106によって検出されるステアリングホイール(ハンドル)112の回転角を示す操舵角の情報を取得可能である。車輪速、アクセル開度、及び操舵角の情報は、4輪駆動車1の車両状態を示す状態量の一例であり、制御装置3は、これらの状態量に基づいて駆動力伝達装置2を制御し、左右前輪191,192及び左右後輪193,194への駆動力配分割合を調節する。
左右前輪191,192には、エンジン11の駆動力が、トランスミッション12、フロントディファレンシャル13、及び左右の前輪側のドライブシャフト171,172を介して伝達される。フロントディファレンシャル13は、左右の前輪側のドライブシャフト171,172にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ131,131と、一対のサイドギヤ131,131にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ132,132と、一対のピニオンギヤ132,132を支持するピニオンギヤシャフト133と、これらを収容するフロントデフケース134とを有している。
トランスファ14は、フロントデフケース134に固定されたリングギヤ141と、プロペラシャフト15の車両前方側の端部に連結されてリングギヤ141に噛み合うピニオンギヤ142とを有し、プロペラシャフト15に駆動力を伝達する。プロペラシャフト15の車両後方側の端部は、駆動力伝達装置2の入力回転部材であるハウジング20に連結されている。駆動力伝達装置2は、ハウジング20と相対回転可能に配置された出力回転部材としてのインナシャフト23を有しており、インナシャフト23にピニオンギヤシャフト160が相対回転不能に連結されている。駆動力伝達装置2の詳細については後述する。
リヤディファレンシャル16は、左右の後輪側のドライブシャフト181,182にそれぞれ相対回転不能に連結された一対のサイドギヤ161,161と、一対のサイドギヤ161,161にギヤ軸を直交させて噛合する一対のピニオンギヤ162,162と、一対のピニオンギヤ162,162を支持するピニオンギヤシャフト163と、これらを収容するリヤデフケース164と、リヤデフケース164に固定されてピニオンギヤシャフト160と噛み合うハイポイドギヤからなるリングギヤ165とを有している。
(駆動力伝達装置の構成)
図2は、駆動力伝達装置2の構成例を示す断面図である。図2において、回転軸線Oよりも上側は駆動力伝達装置2の作動状態(トルク伝達状態)を、下側は駆動力伝達装置2の非作動状態(トルク非伝達状態)を、それぞれ示す。以下、回転軸線Oに平行な方向を軸方向という。
駆動力伝達装置2は、フロントハウジング21及びリヤハウジング22からなるハウジング20と、ハウジング20と同軸上で相対回転可能に支持された筒状のインナシャフト23と、ハウジング20とインナシャフト23との間に配置されたメインクラッチ24と、メインクラッチ24を押圧するスラスト力を発生させるカム機構25と、制御装置3から電流の供給を受けてカム機構25を作動させる電磁クラッチ機構26とを有して構成されている。ハウジング20の内部には、図略の潤滑油が封入されている。
フロントハウジング21は、円筒状の筒部21aと底部21bとを一体に有する有底円筒状であり、底部21bにプロペラシャフト15(図1参照)が例えば十字継手を介して連結される。筒部21aの内面には、軸方向に延びる複数の外側スプライン突起211が形成されている。リヤハウジング22は、径方向の一部がリング状の非磁性体221によって形成されており、フロントハウジング21と一体に回転する。
インナシャフト23は、軸受271,272によってハウジング20の内周に支持されており、軸方向に延びる複数の内側スプライン突起231を外周面に有している。また、インナシャフト23の一端部における内面には、ピニオンギヤシャフト160(図1参照)の一端部が相対回転不能に嵌合されるスプライン嵌合部232が形成されている。
メインクラッチ24は、軸方向に沿って交互に配置された複数のメインアウタクラッチプレート241及び複数のメインインナクラッチプレート242からなる。メインアウタクラッチプレート241は、外周側の端部がフロントハウジング21の外側スプライン突起211に係合している。メインインナクラッチプレート242は、内周側の端部がインナシャフト23の内側スプライン突起231に係合している。
カム機構25は、電磁クラッチ機構26を介してハウジング20の回転力を受けるパイロットカム251と、メインクラッチ24を軸方向に押圧するメインカム252と、パイロットカム251とメインカム252との間に配置された複数の球状のカムボール253とを有して構成されている。パイロットカム251とメインカム252との対向面には、周方向に沿って軸方向の深さが変化する複数のカム溝251a,252aがそれぞれ形成されており、これらのカム溝251a,252aの間にカムボール253が配置されている。パイロットカム251とリヤハウジング22との間には、スラスト軸受254が配置されている。メインカム252は、インナシャフト23の内側スプライン突起231に相対回転不能かつ軸方向移動可能に係合しており、リターンスプリングとしての皿ばね255によってパイロットカム251側に付勢されている。
電磁クラッチ機構26は、アーマチャ260と、複数のパイロットアウタクラッチプレート261と、複数のパイロットインナクラッチプレート262と、電磁コイル263とを有して構成されている。電磁コイル263は、軸受273によってリヤハウジング22に支持されたヨーク264に保持されている。電磁コイル263には、電線265を介して制御装置3からの電流が供給される。
複数のパイロットアウタクラッチプレート261及びパイロットインナクラッチプレート262は、アーマチャ260とリヤハウジング22との間に、軸方向に沿って交互に配置されている。パイロットアウタクラッチプレート261及びアーマチャ260は、外周側の端部がフロントハウジング21の外側スプライン突起211に係合している。パイロットインナクラッチプレート262は、内周側の端部がパイロットカム251に係合している。
制御装置3は、電磁コイル263に供給する電流を増減させることにより、駆動力伝達装置2から左右後輪193,194側に伝達される駆動力を調節可能である。駆動力伝達装置2は、電磁コイル263に供給される電流によって磁路Gに磁束が発生し、アーマチャ260がリヤハウジング22側に引き寄せられてパイロットアウタクラッチプレート261とパイロットインナクラッチプレート262とが摩擦接触し、パイロットカム251がメインカム252に対して相対回転し、カムボール253がカム溝251a,252aを転動してメインカム252にメインクラッチ24を押圧するスラスト力が発生する。そして、複数のメインアウタクラッチプレート241と複数のメインインナクラッチプレート242との間に摩擦力(締結力)が発生してハウジング20からインナシャフト23に駆動力が伝達される。
駆動力伝達装置2では、上記のように電磁クラッチ機構26及びカム機構25が順次作動してメインクラッチ24の複数のメインアウタクラッチプレート241と複数のメインインナクラッチプレート242との間に摩擦力が発生するので、電磁コイル263に電流が供給されてから左右後輪193,194に駆動力が伝達されるまでに時間的な遅れが発生する。このため、二輪駆動状態での走行時に例えば車体が受ける風等による外乱が発生して車両挙動が乱れた場合、車両挙動の乱れが例えばヨーレイトセンサによって検出されてから電磁コイル263に電流を供給しても、左右後輪193,194に駆動力が伝達されるまでの時間的な遅れにより、例えば数秒間にわたって車両挙動の乱れが継続してしまうおそれがある。
図3(a)〜(d)は、自車両1が走行する車線の隣車線を自車両1と同一方向に向かって走行する他車両8が、自車両1の後方から前方に向かって自車両1を追い越していく際の様子を示す説明図である。他車両8は、大型自動車であり、より具体的には大型貨物自動車(大型トラック)である。また、他車両8は、車車間通信装置81を備えており、この車車間通信装置81により自車両1との車車間通信が可能である。制御装置3は、他車両8との車車間通信により、他車両8の属性情報や、車速、前後加速度、及び操舵角等の車両状態情報、ならびに緯度・経度を示す現在位置の情報などを取得可能である。属性情報には、大型自動車、中型自動車、普通自動車、及び自動二輪車等の車両の大きさに関する種別情報が含まれる。
図3(a)は、自車両1の後方を他車両8が走行している状態を示している。また、図3(a)では、他車両8の走行によって発生する風(以下、この風を走行風という)を符号Wで示している。走行風Wは、他車両8が進行方向前方の空気を押しのけることにより発生するものであり、特に他車両8の前端部の左右両側方において最も風圧が強くなる。
図3(b)は、自車両1の後端部に他車両8の前端部が到達した時点の状態を示している。この状態では、まだ自車両1が走行風Wの影響を大きく受けることはなく、自車両1の車両挙動に走行風Wによる乱れが生じることもない。
図3(c)は、他車両8の前端部が自車両1の側方における前後方向の中央部に到達した時点の状態を示している。自車両1は、他車両8が自車両1の側方を通過しつつあるとき、すなわち図3(c)に示す時点の前後において最も大きく走行風Wの風圧の影響を受ける。そして、他車両8の速度によっては自車両1の車両挙動が乱れ、運転者がハンドルをとられたように感じることがある。
図3(d)は、他車両8が自車両1を追い越し、他車両8の後端部が自車両1の前端部よりも前方に位置した状態を示している。この状態では、自車両1が受ける走行風Wの影響は収まり、自車両1の車両挙動が走行風Wによって乱れることはない。
本実施の形態では、走行風Wによる自車両1の車両挙動の乱れを抑制するため、制御装置3が、自車両1と自車両1の周辺を走行する他車両との相対的な位置関係に基づいて、この他車両の走行による風圧が自車両1の走行に与える影響を抑制するように駆動力伝達装置2を制御する。具体的には、他車両の走行による風圧が自車両1の車両挙動に影響を与える可能性があると判断されるとき、駆動力伝達装置2によって左右後輪193,194側に伝達される駆動力を2輪駆動状態よりも高めて4輪駆動状態とする。
この機能を実現するため、制御装置3は、自車両1の周辺を走行する他車両と自車両1との相対的な位置関係を認識する相対位置認識手段31と、相対位置認識手段31により認識した他車両との相対的な位置関係の時間的な変化に基づいて、当該他車両が自車両1の側方を通過することにより自車両1の車両挙動が走行風の影響を受けるか否かを判定する判定手段32と、判定手段32によって自車両1の車両挙動が走行風の影響を受けると判定されたとき、駆動力伝達装置2の電磁コイル263に供給する電流を所定値以上にして後輪193,194への駆動力配分割合を高める駆動力配分制御手段33とを備えている。相対位置認識手段31、判定手段32、及び駆動力配分制御手段33は、例えば制御装置3のCPU(演算処理装置)が予め記憶されたプログラムを実行することにより実現される。
また、本実施の形態では、判定手段32が、車車間通信によって取得した他車両の属性情報が大型自動車であることを条件として、自車両1の車両挙動が走行風の影響を受けるか否かを判定する。すなわち、判定手段32は、自車両1の側方を追い越してゆく他車両が存在したとしても、その他車両が中型自動車や普通自動車であれば、自車両1の車両挙動が走行風の影響を受けないと判定する。このように、制御装置3は、車車間通信によって取得した他車両の属性情報が大型自動車であることを示す場合に、当該他車両の走行による風圧が自車両1の走行に与える影響を抑制するように駆動力伝達装置2を制御する。
図4は、制御装置3が行う処理の手順の一例を示すフローチャートである。制御装置3は、この一連の処理を所定の制御周期ごとに繰り返し実行する。
このフローチャートにおいて、制御装置3はまず、現在の駆動状態が2輪駆動状態であるか否かを判定する(ステップS1)。この判定は、例えば前回の制御周期におけるトルク指令値が後述するステップS5の所定値よりも小さいか否かによって行うことができる。ステップS1の判定の結果が正(Yes)の場合、制御装置3は、車車間通信装置4を用いた自車両1の周辺を走行する他車両との車車間通信により、当該他車両の属性情報、現在位置、及び車速の情報を取得する(ステップS2)。次に、制御装置3は、取得した属性情報が大型自動車であることを示すか否かを判定する(ステップS3)。
制御装置3は、ステップS3の判定の結果が正(Yes)である場合、車車間通信によって得られた情報に基づいて自車両1と他車両との相対的な位置関係を認識し、認識した位置関係の時間的な変化に基づく他車両の進路予想及び他車両の車速により、所定時間内に他車両が自車両1の側方を通過することによって自車両1の車両挙動が走行風の影響を受けるか否かを判定する(ステップS4)。この所定時間は、駆動力伝達装置2の電磁コイル263に電流を供給してから、その電流に応じた駆動力が左右後輪193,194に駆動力が伝達されるようになるまでの遅れ時間を考慮して設定されている。
このステップS3の判定の結果が正(Yes)である場合、制御装置3は、左右後輪193,194側に伝達すべき駆動力の大きさを示すトルク指令値を所定値に設定する(ステップS5)。この所定値は、駆動力伝達装置2によって伝達することができる駆動力の最大値の例えば30%の値である。一方、ステップS1の判定の結果、ステップS3の判定の結果、もしくはステップS4の判定の結果が否(No)である場合、制御装置3は、車輪速、アクセル開度、及び操舵角等の車両状態を示す状態量に基づいて、トルク指令値を設定する(ステップS6)。
次に、制御装置3は、ステップS4又はステップS5で設定されたトルク指令値に対応する電流を駆動力伝達装置2の電磁コイル263に供給する(ステップS7)。制御装置3は、例えば4輪駆動車1のバッテリーから供給される直流電圧をスイッチングするスイッチング素子を備え、このスイッチング素子をPWM制御することにより、トルク指令値に対応する電流を駆動力伝達装置2の電磁コイル263に供給する。
図5は、左右後輪193,194に伝達される駆動力の時間的な変化の一例を示すグラフであり、時間軸である横軸には、図3(a)〜(d)のそれぞれの状態を示す時点をT〜Tで示している。
図3(a)の状態を示す時刻Tでは、4輪駆動車1が2輪駆動状態で走行しており、左右後輪193,194に伝達される駆動力がゼロである。その後、他車両8が自車両1に接近し、所定時間内に他車両8が自車両1の側方を通過することによって自車両1の車両挙動が走行風Wの影響を受けるようになると判定されると、駆動力伝達装置2の電磁コイル263に供給される電流が増大し、左右後輪193,194に伝達される駆動力が徐々に大きくなる。そして、図3(b)の状態を示す時刻Tまでには、左右後輪193,194に伝達される駆動力が所定値Tqに到達し、4輪駆動状態となる。なお、左右後輪193,194に伝達される駆動力は、他車両8の自車両1の相対位置に応じて予測される走行風Wの影響の大きさに対応して、走行風Wの影響が大きくなるにつれて大きく、走行風Wの影響が小さくなるにつれて小さく制御することが望ましい。
また、図3(c)の状態を示す時刻Tの前後では、左右後輪193,194に伝達される駆動力が所定値Tqに維持される。その後、他車両8が自車両1の側方を通過する時刻Tまでには、左右後輪193,194に伝達される駆動力が徐々に減少し、4輪駆動車1の走行状態が2輪駆動状態に戻る。
このように、自車両1が他車両8の走行風Wの風圧の影響を大きく受ける時間帯では、自車両1が4輪駆動状態となり、走行安定性が高められるので、自車両1の側方を走行する他車両の走行風を受けても、走行風の風圧が自車両1の車両挙動に与える影響を抑制することができる。
(第1の実施の形態の効果)
以上説明したように、第1の実施の形態では、他車両の走行による風圧が自車両1の走行に与える影響を抑制するように、制御装置3が駆動力伝達装置2を制御する。この制御装置3による制御は、他車両の走行による風圧によってヨーレイトの発生等の外乱が発生してからではなく、自車両1と他車両との相対的な位置関係に基づいた予測によって行われるので、外乱が発生する前に左右後輪193,194に伝達される駆動力を増大させることができ、例えば風圧によるヨーレイトが発生してから制御を行う場合に比較して、他車両の走行による風圧が自車両の走行に与える影響をより確実に抑制することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図6を参照して説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態とは駆動力伝達装置5の構成が異なる4輪駆動車への制御装置3の適用例について説明する。
図6は、第2の実施の形態に係る4輪駆動車1Aの概略の構成例を示す概略構成図である。図6及び後述する図7において、第1の実施の形態に係る4輪駆動車1と共通する部材等については、図1に付したものと同一の符号を付して重複した説明を省略する。なお、以下の説明において、4輪駆動車1Aを自車両1Aともいう。
本実施の形態に係る駆動伝達装置5は、入力ギヤ50と、入力ギヤ50に噛み合うリングギヤ511を有する駆動軸51と、リングギヤ511と一体に回転する第1及び第2のクラッチハウジング52,53と、第1及び第2のクラッチハウジング52,53にそれぞれ収容された第1及び第2の多板クラッチ54,55と、第1及び第2の多板クラッチ54,55を介して駆動力が伝達される第1及び第2の出力シャフト56,57と、第1及び第2の多板クラッチ54,55を押圧する第1及び第2のアクチュエータ58,59とを有している。
入力ギヤ50には、プロペラシャフト15からエンジン11の駆動力が伝達され、この駆動力が駆動軸51に伝達される。第1の多板クラッチ54は、本発明の第1のクラッチの一態様であり、第2の多板クラッチ55は、本発明の第2のクラッチの一態様である。
駆動軸51ならびに第1及び第2のクラッチハウジング52,53は、車幅方向に並んで配置され、車幅方向に沿った回転軸を中心として一体に回転する。第1の出力シャフト56は、ドライブシャフト181によって左後輪193に連結され、第2の出力シャフト57は、ドライブシャフト182によって右後輪194に連結されている。
第1の多板クラッチ54は、第1のクラッチハウジング52と一体に回転する複数のアウタクラッチプレート541、及び第1の出力シャフト56と一体に回転する複数のインナクラッチプレート542からなり、第1のアクチュエータ58の押圧力を受けてアウタクラッチプレート541とインナクラッチプレート542とが摩擦接触して駆動力を伝達する。
同様に、第2の多板クラッチ55は、第2のクラッチハウジング53と一体に回転する複数のアウタクラッチプレート551、及び第2の出力シャフト57と一体に回転する複数のインナクラッチプレート552からなり、第2のアクチュエータ59の押圧力を受けてアウタクラッチプレート551とインナクラッチプレート552とが摩擦接触して駆動力を伝達する。
第1及び第2のアクチュエータ58,59は、例えば第1の実施の形態と同様に、スラスト力を発生させるカム機構と、制御装置3から電流の供給を受けてカム機構を作動させる電磁クラッチ機構とによって構成される。第1のアクチュエータ58は、制御装置3から供給される電流に応じた押圧力で第1の多板クラッチ54を押圧し、第2のアクチュエータ58は、制御装置3から供給される電流に応じた押圧力で第2の多板クラッチ55を押圧する。
また、第1及び第2のアクチュエータ58,59として、例えば電動モータによって駆動される油圧ポンプから吐出される作動油を電磁制御弁を介してシリンダに供給し、このシリンダの油圧を受けて動作するピストンによって第1及び第2の多板クラッチ54,55を押圧する油圧ユニットを用いてもよい。この場合、電磁制御弁の弁開度が制御装置3から供給される電流によって変化し、第1及び第2の多板クラッチ54,55を押圧する押圧力が弁開度に応じて変化する。
制御装置3は、第1の実施の形態と同様、相対位置認識手段31と、判定手段32と、駆動力配分制御手段33とを有している。また、本実施の形態では、判定手段32によって自車両1の車両挙動が走行風の影響を受けると判定されたとき、駆動力配分制御手段33が第1及び第2のアクチュエータ58,59に供給する電流を所定値以上にして後輪193,194への駆動力配分割合を高める。
また、本実施の形態では、左後輪193に伝達される駆動力と右後輪194に伝達される駆動力とを独立して調節することが可能であるので、例えば自車両1Aの右側方を他車両が走行する際には左後輪193に伝達される駆動力を右後輪194に伝達される駆動力よりも大きくし、自車両1Aの左側方を他車両が走行する際には右後輪194に伝達される駆動力を左後輪193に伝達される駆動力よりも大きくしてもよい。このような駆動力配分制御を実行することで、自車両1Aの側方を走行する他車両の走行風を受けても、走行風の風圧が自車両1Aの走行に与える影響をさらに抑制することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について、図7を参照して説明する。図7は、第3の実施の形態に係る4輪駆動車1Bの概略の構成例を示す構成図である。以下、4輪駆動車1Bを自車両1Bともいう。
第1及び第2の実施の形態では、4輪駆動車1,1Aが単一の駆動源としてのエンジン11の駆動力を左右前輪191,192及び左右後輪193,194に配分するように構成された場合について説明したが、本実施の形態に係る4輪駆動車1Bは、第1の駆動源としてのエンジン11によって左右前輪191,192を駆動し、第2の駆動源としての電動モータ6によって左右後輪193,194を駆動する。また、4輪駆動車1Bは、第2の実施の形態で説明した構成の駆動力伝達装置5を備えており、この駆動力伝達装置5が電動モータ6の駆動力を左右後輪193,194に伝達する。
電動モータ6の出力軸61の回転は、減速機構7によって減速されて駆動力伝達装置5の駆動軸51に伝達される。減速機構7は、電動モータ6の出力軸61に連結されたピニオンギヤ71と、ピニオンギヤ71に噛み合う大径ギヤ72と、大径ギヤ72と一体に回転する小径ギヤ73とを有し、小径ギヤ73が駆動軸51のリングギヤ511に噛み合わされている。電動モータ6は、例えば運転者のアクセル操作に応じてモータ電流を出力する図略の駆動制御装置によって制御される。
制御装置3は、第1及び第2の実施の形態と同様に、相対位置認識手段31と、判定手段32と、駆動力配分制御手段33とを有している。駆動力配分制御手段33は、判定手段32によって自車両1の車両挙動が走行風の影響を受けると判定されたとき、第1及び第2のアクチュエータ58,59に供給する電流を所定値以上にする。
本実施の形態では、主として駆動力伝達装置5による左右前輪191,192の差動制限効果によって4輪駆動車1Bの走行安定性を高めることにより、自車両1Bの側方を走行する他車両の走行風の風圧が自車両1Bの走行に与える影響を抑制する。換言すれば、左右前輪191,192の差動回転が駆動軸51の両端部にそれぞれ配置された第1及び第2の多板クラッチ54,55の締結力によって制限されることにより直進安定性が高まり、側方を走行する他車両の走行風の風圧を受けても、車両挙動が乱れにくくなる。なお、この左右前輪191,192の差動制限によって車両挙動を安定化させる効果は、第2の実施の形態に係る4輪駆動車1Aでも同様に得ることができる。
(付記)
以上、本発明を第1乃至第3の実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記第1乃至第3の実施の実施の形態では、左右前輪191,192が主駆動輪であり、左右後輪193,194が補助駆動輪である場合について説明したが、これとは逆に、左右前輪を補助駆動輪とし、左右後輪を主駆動輪としてもよい。この場合、駆動源の駆動力が左右後輪に常時伝達されると共に、制御装置3によって制御される駆動力伝達装置を介して左右前輪に駆動力が伝達される。
1,1A,1B…4輪駆動車(自車両) 11…エンジン(駆動源)
191,192…左右前輪 193,194…左右後輪
2…駆動力伝達装置 3…制御装置
5…駆動力伝達装置 51…駆動軸
6…電動モータ(駆動源) 8…他車両

Claims (4)

  1. 左右前輪及び左右後輪の少なくとも何れかに伝達される駆動力を調節可能な駆動力伝達装置を備えた4輪駆動車の制御装置であって、
    自車両と当該自車両の周辺を走行する他車両との相対的な位置関係に基づいて、前記他車両の走行による風圧が前記自車両の走行に与える影響を抑制するように前記駆動力伝達装置を制御する、
    4輪駆動車の制御装置。
  2. 前記左右前輪は、駆動源の駆動力が常時伝達される主駆動輪であり、
    前記左右後輪は、前記駆動力伝達装置を介して前記駆動源の駆動力が配分される補助駆動輪であり、
    前記風圧が前記自車両の走行に影響を与えるときに前記駆動力伝達装置を制御して前記左右後輪への駆動力配分割合を高める、
    請求項1に記載の4輪駆動車の制御装置。
  3. 前記駆動力伝達装置は、駆動源の駆動力が伝達される駆動軸と、前記駆動軸と前記左右後輪の一方との間に配置された第1のクラッチと、前記駆動軸と前記左右後輪の他方との間に配置された第2のクラッチとを備え、
    前記風圧が前記自車両の走行に影響を与えるときに前記第1及び第2のクラッチの締結力を高める、
    請求項1に記載の4輪駆動車の制御装置。
  4. 車車間通信によって前記他車両の属性情報を取得し、前記属性情報が大型自動車であることを示す場合に、当該他車両の走行による風圧が前記自車両の走行に与える影響を抑制するように前記駆動力伝達装置を制御する、
    請求項1乃至3の何れか1項に記載の4輪駆動車の制御装置。
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