JP2021145502A - 発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】グラフェンを用いた発電装置を提供する。【解決手段】本発明のある実施形態に係る発電装置1は、エレクトレット10と、エレクトレット10に隣接して配置された第1電極11と、第1電極11と接続されたグラフェン20と、グラフェン20に対向して配置された第2電極22とを備える。エレクトレット10に発生する固定電荷を−Q0とするとき、第1電極11には逆極性の誘導電荷+Q0が発生する。電荷保存の法則により、第1電極11とグラフェン20の総電荷量はゼロであるため、グラフェン20の電荷量は−Q0になる。グラフェン20の振動に応じてグラフェン20と第2電極22との間の静電容量の大きさが変化することにより、第2電極22に発生する電荷+Q1が変化し、電力を発生させることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、グラフェンを用いた発電装置に関する。
環境から得られる微弱なエネルギーを集めて利用するエネルギーハーベスティング技術がある。エネルギーハーベスティング技術では、例えば、環境中の振動、熱および電磁波などの様々な形態のエネルギーを電力に変換する。
特許文献1および2には、グラフェン(Graphene)が周期的に揺らいでいることが開示されている。グラフェンは、炭素原子のシート状の物質であり、六角形の格子構造を有している。グラフェンの周期的な揺らぎは熱運動により生じていると考えられている。
特許文献3は、エネルギーハーベストデバイスとして、エレクトレットを用いた振動発電装置を開示している。
国際公開第2018/119180号 国際公開第2019/232232号 特開2019−097381号公報
特許文献1および2では、グラフェンの揺らぎを利用して発電を行う発電装置が提案されているが、改善の余地がある。
本発明は、グラフェンを用いた発電装置を提供する。
本発明のある実施形態に係る発電装置は、エレクトレットと、前記エレクトレットに隣接して配置された第1電極と、前記第1電極と接続されたグラフェンと、前記グラフェンに対向して配置された第2電極と、を備え、前記グラフェンの振動に応じて前記グラフェンと前記第2電極との間の静電容量の大きさが変化することにより電力を発生させる。
エレクトレットに発生する固定電荷を−Qとするとき、第1電極には、エレクトレットの固定電荷−Qの逆極性の誘導電荷+Qが発生する。第1電極とグラフェンとは電気的に接続されている。電荷保存の法則により、第1電極とグラフェンの総電荷量はゼロであるため、グラフェンの電荷量は−Qになる。グラフェンの振動に応じてグラフェンと第2電極との間の静電容量の大きさが変化することにより、第2電極に発生する電荷+Qが変化し、電力を発生させることができる。
グラフェンの周囲の空間からグラフェンには熱が供給され、グラフェンは熱運動により振動する。このグラフェンの振動に応じて第2電極に発生する電荷+Qが変化し、電力を発生させることができる。すなわち、グラフェンの周囲の空間の熱を電力に変換することができる。
ある実施形態において、前記エレクトレットの面積は、前記グラフェンの面積よりも大きくてもよい。
エレクトレットの面積がグラフェンの面積より大きいことにより、グラフェンの表面電荷密度を高めることができる。これにより、発生する電力の最大出力を大きくすることができる。
ある実施形態において、前記第2電極はピン電極であってもよい。
グラフェンには複数の波が発生する。言い換えると、グラフェンには凹凸が複数個発生し、周期的に凹部と凸部とが入れ替わる。第2電極のグラフェン側の先端が細いことにより、グラフェンの振動の腹(Antinode)の部分に第2電極を対向させることができる。
ある実施形態において、前記グラフェンを振動可能に支持する支持部材をさらに備えてもよい。
支持部材がグラフェンを支持することで、グラフェンの端部を固定することができる。
ある実施形態において、前記静電容量の大きさの変化に応じて前記第2電極に流れる電流が供給される負荷をさらに備えてもよい。
これにより、グラフェンの振動を利用して発生させた電力を負荷で利用することができる。
ある実施形態において、前記電流が供給された前記負荷は、熱を発生させてもよい。
負荷が熱を発生させることにより、負荷が配置された特定のエリアに熱を発生させることができる。
ある実施形態において、前記グラフェンおよび前記第2電極は、第1エリアに位置し、前記負荷は、第1エリアとは異なる第2エリアに位置し、前記負荷が熱を発生させることで、前記第2エリアの温度は前記第1エリアの温度よりも高くなってもよい。
グラフェンの振動を利用して第2エリアに熱を発生させることができる。例えば、第1エリアおよび第2エリアの温度が均一であったとしても、そこから第1エリアと第2エリアとの間で温度差を発生させることができる。すなわち、エントロピーを減少させることができる。これにより、物理学においてマクスウェルの悪魔(Maxwell’s demon)と呼ばれている現象を実現できる。
ある実施形態において、前記第1エリアと前記第2エリアとの間には壁が設けられていてもよい。
第1エリアと第2エリアとの間の熱の移動を壁が抑制することにより、第1エリアと第2エリアとの間の温度差を大きくすることができる。すなわち、エントロピーをより大きく減少させることができる。
ある実施形態において、前記発電装置は、熱電素子をさらに備え、前記熱電素子には前記負荷が発生させた熱が供給されてもよい。
熱電素子に熱を供給することで、熱電素子に電力を発生させることができる。
ある実施形態において、前記発電装置は、前記第2電極に発生した電圧が供給される整流器と、前記整流器の出力信号が供給されるキャパシタと、をさらに備えてもよい。
第2電極に発生した電圧信号を整流し、整流された出力信号をキャパシタに供給する。これにより、キャパシタに電荷を蓄積することができる。キャパシタに蓄積した電力を出力することで、大きな電力を外部に出力させることができる。
ある実施形態において、前記発電装置は、前記第2電極を複数個備え、前記複数の第2電極と前記グラフェンとの間に複数の静電容量が形成され、前記グラフェンの振動に応じて前記複数の静電容量の大きさが変化してもよい。
グラフェンの振動に応じて複数の第2電極のそれぞれとグラフェンとの間の静電容量の大きさが変化することにより、複数の第2電極それぞれに発生する電荷+Qが変化し、複数の第2電極それぞれから電力を発生させることができる。
ある実施形態において、前記複数の第2電極は、前記グラフェンの第1の面に対向する位置に配置されてもよい。
グラフェンの振動に応じて複数の第2電極のそれぞれとグラフェンとの間の静電容量の大きさが変化することにより、複数の第2電極それぞれに発生する電荷+Qが変化し、複数の第2電極それぞれから電力を発生させることができる。
ある実施形態において、前記複数の第2電極のうちの所定の第2電極は、前記グラフェンの第1の面に対向する位置に配置され、前記複数の第2電極のうちの前記所定の第2電極とは異なる別の第2電極は、前記グラフェンの第1の面とは反対側の第2の面に対向する位置に配置されてもよい。
グラフェンの振動に応じて複数の第2電極のそれぞれとグラフェンとの間の静電容量の大きさが変化することにより、複数の第2電極それぞれに発生する電荷+Qが変化し、複数の第2電極それぞれから電力を発生させることができる。
ある実施形態において、前記発電装置は、前記複数の第2電極に発生した電圧が供給される複数の整流器と、前記複数の整流器の出力信号が供給されるキャパシタと、をさらに備えてもよい。
複数の第2電極に発生した電圧信号を整流し、整流された出力信号をキャパシタに供給する。これにより、キャパシタにより多くの電荷を蓄積することができる。キャパシタに蓄積した電力を出力することで、より大きな電力を外部に出力させることができる。
ある実施形態において、前記所定の第2電極と前記別の第2電極との間に負荷が接続されてもよい。
これにより、グラフェンの振動を利用して発生させた電力を負荷で利用することができる。
ある実施形態において、前記エレクトレットと前記第1電極のペアを含む構造体を複数個備え、複数の前記構造体に含まれる複数の前記第1電極は、前記グラフェンに並列に接続されていてもよい。
エレクトレットと第1電極のペアを含む構造体を複数個備えることで、エレクトレットの総面積を大きくすることができる。これにより、グラフェンの表面電荷密度を高めることができ、発生する電力の最大出力を大きくすることができる。また、エレクトレットの総面積を上記ペアの個数に応じて設定することができる。
ある実施形態において、複数の前記第1電極のそれぞれと前記グラフェンとの間の接続および非接続は切り替え可能であってもよい。
グラフェンに接続する第1電極の個数を変更することで、グラフェンの表面電荷密度を変更することができる。すなわち、グラフェンに接続する第1電極の個数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
ある実施形態において、複数の前記構造体のそれぞれは、前記グラフェンに対して着脱可能であってもよい。
グラフェンに接続する上記構造体の個数を変更することで、グラフェンの表面電荷密度を変更することができる。すなわち、グラフェンに接続する上記構造体の個数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
本発明のある実施形態に係る発電装置は、エレクトレットと、エレクトレットに隣接して配置された第1電極と、第1電極と接続されたグラフェンと、グラフェンに対向して配置された第2電極と、を備え、グラフェンの振動に応じてグラフェンと第2電極との間の静電容量の大きさが変化することにより電力を発生させる。
エレクトレットに発生する固定電荷を−Qとするとき、第1電極には、エレクトレットの固定電荷−Qの逆極性の誘導電荷+Qが発生する。第1電極とグラフェンとは電気的に接続されている。電荷保存の法則により、第1電極とグラフェンの総電荷量はゼロであるため、グラフェンの電荷量は−Qになる。グラフェンの振動に応じてグラフェンと第2電極との間の静電容量の大きさが変化することにより、第2電極に発生する電荷+Qが変化し、電力を発生させることができる。
本発明の実施形態に係る発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係るグラフェンを示す図である。 本発明の実施形態に係る発電装置の等価回路を示す図である。 本発明の実施形態に係る複数の第2電極を備えた発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る複数のエレクトレットを備えた発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る複数の第2電極を備えた発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る複数の第2電極を備えた発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る整流器およびキャパシタを備えた発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係るグラフェンと負荷とを互いに別の部屋に配置した発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る複数のエレクトレットを備えた発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係る熱電素子を備えた発電装置を示す図である。 本発明の実施形態に係るグラフェンとエレクトレットとを同じ部屋に配置した発電装置を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態に係る発電装置を説明する。同様の構成要素には同様の参照符号を付し、詳細な説明の繰り返しは省略する。また、以下に説明する実施形態は例であり、本発明を限定するものではない。
実施形態の説明において例示する発電装置の各部材の材料は一例であり、本発明の実施形態はそれらに限定されない。実施形態を分かりやすく説明するために、図面上の上下左右方向に基づいて各部材の形状および部材同士の位置関係などを説明する場合がある。但し、これは、実施形態を分かりやすく説明するためにそれらの方向を用いるのであって、発電装置の動作時の向きおよび各部材の位置関係を限定するものではない。また、実施形態を分かりやすく説明するために、図面において、発電装置の内部および各種構成要素の内部を透かして示している場合がある。
本発明の実施形態に係る発電装置は、微細加工技術を用いて製造される。実施形態に係る発電装置は、例えば、マイクロマシン、ナノマシンおよび分子マシンの製造方法を用いて製造される。分子マシンの製造方法は合成方法とも称される。実施形態に係る発電装置は、例えば、半導体製造技術を用いて製造することができる。実施形態に係る発電装置は、例えば、フォトリソグラフィを用いて製造することができる。実施形態に係る発電装置は、例えば、光リソグラフィ、X線リソグラフィおよび極端紫外線リソグラフィ(Extreme ultraviolet lithography)などのリソグラフィ技術を用いて製造することができる。実施形態に係る発電装置は、任意の微細加工技術を組み合わせて製造され得る。
図1は、本発明の実施形態に係る発電装置1を示す図である。発電装置1は、エレクトレット10と、第1電極11と、グラフェン20と、第2電極22とを備える。
エレクトレット10は、強い誘電性を有する絶縁体に電界を印加し、その結果生ずる恒久的あるいは半恒久的な電気分極により帯電が保たれる物質である。エレクトレット10として、公知の任意のエレクトレット材料が用いられ得る。例えば、エレクトレット10としてCYTOP(登録商標)が用いられ得るが、本発明の実施形態はこれに限定されない。
第1電極11は、エレクトレット10に隣接して配置されている。第1電極11はエレクトレット10を支持してもよい。エレクトレット10と第1電極11とは直接接触している。第1電極11にエレクトレット10の固定電荷の逆極性の誘導電荷が発生するのであれば、エレクトレット10と第1電極11とは直接接触していなくてもよい。
図3は、グラフェン20を示す図である。グラフェン20は、炭素原子のシート状の物質であり、六角形の格子構造を有している。グラフェン20は導電性物質である。第1電極11はグラフェン20と接続されている。特に断りがない限り、本明細書において“接続”とは電気的に接続されていることを意味する。第1電極11とグラフェン20とは、例えば配線41を介して接続される。グラフェン20は、後述するように、支持部材によって振動可能に支持され得る。支持部材がグラフェン20を支持することで、グラフェン20の端部を固定することができる。
第2電極22は、グラフェン20に対向して配置されている。図1に示す例では、図中のグラフェン20の上側の面に対向するように、第2電極22は配置されている。第2電極22には、出力端子25が接続されている。エレクトレット10には、出力端子26が接続されている。エレクトレット10は、GNDに接続され得る。
エレクトレット10には、固定電荷−Qが帯電している。エレクトレット10に隣接する第1電極11には、エレクトレット10の固定電荷−Qに対応する誘導電荷+Qが発生する。グラフェン20は第1電極11と接続されている。電荷保存の法則により、第1電極11とグラフェン20の総電荷量はゼロであるため、グラフェン20の電荷量は−Qになる。
上述したように、グラフェンは周期的に揺らいでいる。本実施形態のグラフェン20も同様に周期的に揺らいでいる。言い換えると、グラフェン20は周期的に振動している。図2は、振動するグラフェン20を示す図である。図1および図2に矢印7として示すように、グラフェン20は、図中の上下方向に振動する。
第2電極22はグラフェン20に対向して配置されており、グラフェン20と第2電極22との間には静電容量Cvが形成される。グラフェン20の振動に応じてグラフェン20と第2電極22との間の静電容量Cvの大きさは変化する。静電容量Cvの大きさが変化することにより、第2電極22の電荷量+Qは変化し、電力が発生する。発生した電力は、出力端子25および26を用いて取り出すことができる。
グラフェンの周期的な揺らぎは熱運動により生じていると考えられている。グラフェン20の運動エネルギーが電力に変換されると、グラフェン20の温度はその周囲の温度よりも低くなり得る。グラフェン20の温度が周囲の温度よりも低くなると、周囲の空間からグラフェン20には熱が供給され、グラフェン20は熱運動による振動を継続する。このグラフェン20の振動に応じて第2電極22に発生する電荷+Qが変化し、電力が発生する。すなわち、グラフェン20の周囲の空間の熱を電力に変換することができる。
図4は、発電装置1の等価回路を示す図である。グラフェン20と第2電極22とが形成する静電容量Cvは可変容量である。一方、エレクトレット10と第1電極11とが形成する静電容量Cfは固定的な静電容量(固定容量)とみなすことができる。すなわち、発電装置1は、固定容量Cfと可変容量Cvとが直列接続された回路構成を有すると言える。
エレクトレット10に固定電荷−Qが帯電する場合、グラフェン20にも同じ誘導電荷−Qが現れ、これは実質的に一定とみなすことができる。すなわち、グラフェン20に発生する誘導電荷−Qは、擬似的な固定電荷とみなすことができる。第2電極22には、グラフェン20の擬似的な固定電荷−Qに対応する誘導電荷+Qが現れる。
グラフェン20の電荷量は、グラフェン20の面積に依存せずに、エレクトレット10に帯電する電荷量−Qで決まる。このことは、可動部分(グラフェン20)の面積を大きくしなくても、エレクトレット10の電荷量Qを大きくすれば、発生する電力の最大出力を大きくできることを意味する。
本実施形態において、エレクトレット10の面積は、グラフェン20の面積よりも大きくてもよい。例えば、エレクトレット10の表面積は、グラフェン20の表面積よりも大きくてもよい。エレクトレット10の面積がグラフェン20の面積より大きいことにより、グラフェン20の表面電荷密度を高めることができる。これにより、発生する電力の最大出力を大きくすることができる。
本実施形態の第2電極22はピン電極であってもよい。このようなピン電極は針電極とも称され得る。第2電極22のグラフェン20側の先端は細くなっている。グラフェン20には複数の波が発生する。言い換えると、グラフェン20には凹凸が複数個発生し、周期的に凹部と凸部とが入れ替わる。第2電極22のグラフェン20側の先端が細いことにより、グラフェン20の振動の腹(Antinode)の部分に第2電極22を対向させることができる。これにより効率良く発電を行うことができる。第2電極22の先端の幅は、例えばグラフェン20に発生する波の半周期の長さと概ね同じであるが、本発明はそれに限定されない。
本実施形態の発電装置1では、エレクトレット10を含む固定容量Cfの部分と、グラフェン20を含む可変容量Cvの部分とが分離可能である。エレクトレット10を含む部分の製造プロセスと、グラフェン20を含む部分の製造プロセスとを分離することができ、それぞれのプロセスを、他方のプロセスの影響を受けずに最適化することができる。
本実施形態の発電装置1は、第2電極22を複数個備えていてもよい。図5は、複数の第2電極を備えた発電装置1を示す図である。
図5に示す例では、複数の第2電極22のうちのいくつかは、図中のグラフェン20の上面に対向する位置に配置されている。複数の第2電極22のうちの別の第2電極22は、図中のグラフェン20の下面に対向する位置に配置されている。グラフェン20の下面は上面とは反対側の面である。複数の第2電極22とグラフェン20との間には、それぞれ静電容量が形成される。グラフェン20の振動に応じてそれら複数の静電容量の大きさは変化する。
グラフェン20の振動に応じて複数の第2電極22のそれぞれとグラフェン20との間の静電容量の大きさが変化することにより、複数の第2電極22それぞれに発生する電荷+Qが変化する。複数の第2電極22それぞれに発生する電荷+Qが変化することにより、複数の第2電極22それぞれから電力を発生させることができる。
グラフェン20の上面に対向する第2電極22の位置と、グラフェン20の下面に対向する第2電極22の位置とは、図中の横方向において、グラフェン20に発生する波の半周期の長さだけずれていてもよい。これにより、上面側の第2電極22にグラフェン20が接近するタイミングと、下面側の第2電極22にグラフェン20が接近するタイミングとを概ね同じにすることができる。すなわち、上面側の第2電極22と下面側の第2電極22とにおいて、電荷+Qの変化の仕方を、概ね同じにすることができる。
次に、複数のエレクトレット10を備えた発電装置1を説明する。図6は、複数のエレクトレット10を備えた発電装置1を示す図である。上述した発電装置1は、エレクトレット10と第1電極11のペアを含む第1構造体15と、グラフェン20と第2電極22とを含む第2構造体16とに分けることができる。図6に示す例では、発電装置1は、エレクトレット10および第1電極11を含む第1構造体15を複数個備える。
複数の第1構造体15は、第2構造体16に並列に接続されている。すなわち、複数の第1構造体15に含まれる複数の第1電極11は、グラフェン20に並列に接続されている。第1構造体15を複数個備えることで、エレクトレット10の総面積を大きくすることができる。これにより、グラフェン20の表面電荷密度を高めることができ、発生する電力の最大出力を大きくすることができる。また、エレクトレット10の総面積を第1構造体15の個数に応じて設定することができる。
複数の第1電極11のそれぞれとグラフェン20との間の接続および非接続は切り替え可能であってもよい。例えば、発電装置1は、複数の第1電極11のそれぞれとグラフェン20との間の接続および非接続を切り替えるスイッチ素子を備えていてもよい。これにより、グラフェン20に接続する第1電極11の数を変更することができる。グラフェン20に接続する第1電極11の個数を変更することで、グラフェン20の表面電荷密度を変更することができる。すなわち、グラフェン20に接続する第1電極11の数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
また、第1構造体15のそれぞれは、第2構造体16に対して着脱可能であってもよい。グラフェン20に接続する第1電極11の個数を変更することで、グラフェン20の表面電荷密度を変更することができる。すなわち、第2構造体16に接続する第1構造体15の個数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
図7および図8は、複数の第2電極を備えた発電装置1を示す図である。図7および図8に示す例では、第2電極22の一方は、グラフェン20の上面に対向する位置に配置されている。第2電極22の他方は、グラフェン20の下面に対向する位置に配置されている。上面側の第2電極22および下面側の第2電極22には、負荷30が接続されている。
上面側の第2電極22の先端部と下面側の第2電極22の先端部とは、互いに対向している。例えば、図中の横方向において、上面側の第2電極22の先端部と下面側の第2電極22の先端部とは同じ位置にある。
グラフェン20は周期的に上下に振動する。図7に示す状態では、グラフェン20は上面側の第2電極22に接近し、上面側の第2電極22に電荷が誘導される。図17に示す状態では、グラフェン20は下面側の第2電極22に接近し、下面側の第2電極22に電荷が誘導される。負荷30には、静電容量の大きさの変化に応じて第2電極22に流れる電流が供給される。これにより、負荷30に交流の電力を供給することができる。グラフェン20の振動を利用して発生させた電力を負荷30で利用することができる。
図5に示す例と同様に、図7および図8に示す例においても、グラフェン20の上面側および下面側のそれぞれに、複数の第2電極22が配置されてもよい。
次に、整流器およびキャパシタを備えた発電装置1を説明する。図9は、整流器35およびキャパシタ36を備えた発電装置1を示す図である。図9に示す発電装置1は、エレクトレット10と第1電極11を含む第1構造体15として、オフチップエレクトレットを備える。
オフチップエレクトレット15では、エレクトレット10と誘電体12とが互いに隣接している。オフチップエレクトレット15は、そのエレクトレット10および誘電体12を、第1電極11と導体13とで挟み込む構造を有する。オフチップエレクトレット15の導体13はGNDに接続される。オフチップエレクトレット15の第1電極11は、配線41を介してグラフェン20に接続される。オフチップエレクトレット15は、図1−図2および図5−図8に示す発電装置1に適用されてもよい。なお、図1に示すエレクトレット10および第1電極11を含む構造体が、図9−図12に示す発電装置1に適用されてもよい。
例えば、エレクトレット10の材料はCYTOP(登録商標)であり、厚さは10μmであるが、本発明はそれに限定されない。例えば、誘電体12の材料はSU−8であり、厚さは400μmであるが、本発明はそれに限定されない。例えば、第1電極11および導体13は、N型の不純物をドープしたシリコンウェハであるが、本発明はそれに限定されない。シリコンウェハの直径は例えば4インチあるいはそれ以下の大きさであるが、本発明はそれに限定されない。
図9に示す例では、グラフェン20は、支持部材71および72によって振動可能に支持されている。支持部材71および72は基板70によって支持されている。支持部材71および72は、例えばレール形状を有し、それらの上部にグラフェン20が配置される。支持部材がグラフェン20を支持することで、グラフェン20の端部を固定することができる。例えば、支持部材71および72と導電材料73とでグラフェン20の端部を挟むことで、グラフェン20の端部を固定することができる。導電材料73としては、任意の導電性材料が用いられる。例えば、導電材料73として、グラフェン20よりも融点の低い金属材料が用いられる。溶解した導電材料73を用いて、グラフェン20の端部を支持部材71および72に固定してもよい。また、メッシュ構造の部材でグラフェン20を挟むことにより、グラフェン20を支持してもよい。この場合、メッシュの隙間の部分でグラフェン20は振動して波を発生させ得る。
図9に示す例では、複数の第2電極22のそれぞれは、整流器35を介してキャパシタ36に接続されている。整流器35は例えばダイオードである。ダイオードは例えばバックワードダイオードである。バックワードダイオードは例えばナノワイヤバックワードダイオードである。ナノワイヤバックワードダイオードは、低電圧下においても効率良く整流を行うことができる。整流器35としてブリッジダイオードが用いられてもよい。
整流器35は、第2電極22から発生する電圧信号を整流する。整流器35から整流された信号が出力され、キャパシタ36に供給される。これにより、キャパシタ36に電荷を蓄積することができる。整流器35は、キャパシタ36から第2電極22への電荷の逆流を抑制する。キャパシタ36に蓄積した電力を出力することで、大きな電力を出力させることができる。
図9に示す発電装置1は、複数の第2電極22に発生した電圧が供給される複数の整流器35を備える。複数の第2電極22に発生した電圧信号を整流し、整流された出力信号をキャパシタ36に供給する。これにより、キャパシタ36により多くの電荷を蓄積することができる。キャパシタ36に蓄積した電力を出力することで、より大きな電力を出力させることができる。
次に、グラフェン20と負荷30とを互いに別の部屋に配置した発電装置1を説明する。図10は、グラフェン20と負荷30とを互いに別の部屋に配置した発電装置1を示す図である。
図10に示す例では、発電装置1は、第1の部屋51と第2の部屋52とを備える。本明細書において、第1の部屋51を第1エリア、第2の部屋52は第2エリアとそれぞれ称する場合がある。発電装置1は、壁53および54を備える。壁53で周囲を囲まれたエリアが第1の部屋51である。壁54で周囲を囲まれたエリアが第2の部屋52である。第1の部屋51と第2の部屋52との間には、第1の部屋51と第2の部屋52とを隔てる隔壁60が設けられている。図中の上下方向において、第1の部屋51下部の底部分も壁53の一部であり得る。第2の部屋52上部の天井部分も壁54の一部であり得る。隔壁60は壁53の一部であってもよい。隔壁60は壁54の一部であってもよい。壁53、54および隔壁60の材料は任意である。壁53、54および隔壁60は、その材料として例えばシリコンを含む。壁53、54および隔壁60は、その材料として例えばガラスを含む。壁53、54および隔壁60の材料として、化合物半導体、不純物半導体などの半導体材料が用いられてもよい。壁53、54および隔壁60の材料として、例えば熱伝導性が比較的小さい材料が用いられ得る。
第1の部屋51の内部には、グラフェン20および第2電極22が配置されている。第1の部屋51内において、グラフェン20は支持部材71および72によって支持されている。第2電極22は、グラフェン20に対向するように隔壁60に設けられている。第1の部屋51のサイズは、グラフェン20および第2電極22を配置できる大きさであればよい。第1の部屋51のサイズは任意である。
第2電極22と負荷30とは配線42を介して接続されている。負荷30は、第2の部屋52の内部に配置されている。負荷30は、例えば抵抗器であるが、それに限定されない。負荷30は、例えば、第2電極22および配線42の材料よりも電気抵抗値が大きい材料を含む。負荷30は、例えば、コイル形状など、電気抵抗値が大きくなりやすい形状を有していてもよい。配線42が隔壁60を貫通することで、第1の部屋51内の第2電極22と、第2の部屋52内の負荷30とが接続される。第2の部屋52のサイズは、負荷30を配置できる大きさであればよい。第2の部屋52のサイズは任意であり、第1の部屋51と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
上述したように、グラフェン20の振動に応じて第2電極22に発生する電荷+Qが変化し、電力が発生する。これにより、すなわち、グラフェン20の周囲の空間の熱を電力に変換することができる。第2電極22には、負荷30が接続されている。第2電極22に流れる電流は、負荷30に供給される。このように、グラフェン20の振動に応じて発生した電力を負荷30で利用することができる。
例えば、電流が供給された負荷30は、熱を発生させる。これにより、グラフェン20の振動から特定のエリア(第2の部屋52)に熱を発生させることができる。
負荷30が熱を発生させることで、第2の部屋52の温度は第1の部屋51の温度よりも高くなる。例えば、第1の部屋51および第2の部屋52の温度が均一であったとしても、そこから第1の部屋51と第2の部屋52との間で温度差を発生させることができる。すなわち、エントロピーを減少させることができる。元々温度が均一な二つの部屋に対して、物理学上の仕事をすることなしに、それら二つの部屋の間で温度差を発生させる現象は、物理学において“マクスウェルの悪魔”と呼ばれる。本実施形態では、“マクスウェルの悪魔”と呼ばれる現象を実現できる。
本実施形態では、第1の部屋51と第2の部屋52との間には隔壁60が設けられている。第1の部屋51と第2の部屋52との間の熱の移動を隔壁60が抑制することにより、第1の部屋51と第2の部屋52との間の温度差を大きくすることができる。すなわち、エントロピーをより大きく減少させることができる。
配線42の断面積は、第1の部屋51では大きく、第2の部屋52では小さくてもよい。第1の部屋51内では、電気伝導性を高めるために配線42の断面積を大きくする。一方、第2の部屋52内では、熱伝導性を小さくするために配線42の断面積を小さくする。これにより、負荷30で発生した熱が第1の部屋51の方へ伝導することが抑制できる。また、負荷30にはヒートシンクが設けられていてもよい。負荷30で発生した熱がヒートシンクの方へ伝導することにより、負荷30で発生した熱が第1の部屋51の方へ伝導することを抑制できる。
発電装置1は第1の部屋51を複数個備えていてもよい。複数の第1の部屋51のそれぞれの内部に、グラフェン20および第2電極22が配置される。複数の第1の部屋51内の第2電極22のそれぞれは負荷30に接続され、それらの負荷30は同じ第2の部屋52に配置されてもよい。これにより、第2の部屋52内により多くの熱を発生させることができる。
上述したように、発電装置1は複数のエレクトレット10を備えていてもよい。図11は、複数の第1構造体15を備えた発電装置1を示す図である。
複数の第1構造体15は、第2構造体16に並列に接続されている。すなわち、複数の第1構造体15に含まれる複数の第1電極11は、グラフェン20に並列に接続されている。第1構造体15を複数個備えることで、エレクトレット10の総面積を大きくすることができる。これにより、グラフェン20の表面電荷密度を高めることができ、発生する電力の最大出力を大きくすることができる。また、エレクトレット10の総面積を第1構造体15の個数に応じて設定することができる。
複数の第1電極11のそれぞれとグラフェン20との間の接続および非接続は切り替え可能であってもよい。例えば、発電装置1は、複数の第1電極11のそれぞれとグラフェン20との間の接続および非接続を切り替えるスイッチ素子を備えていてもよい。これにより、グラフェン20に接続する第1電極11の数を変更することができる。グラフェン20に接続する第1電極11の個数を変更することで、グラフェン20の表面電荷密度を変更することができる。すなわち、グラフェン20に接続する第1電極11の数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
また、第1構造体15のそれぞれは、第2構造体16に対して着脱可能であってもよい。グラフェン20に接続する第1電極11の個数を変更することで、グラフェン20の表面電荷密度を変更することができる。すなわち、第2構造体16に接続する第1構造体15の個数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
次に、熱電素子を備える発電装置1を説明する。図12は、熱電素子33を備える発電装置1を示す図である。
熱電素子33は、例えばゼーベック素子である。熱電素子33は、負荷31に接続されている。熱電素子33は、その少なくとも一部が第2の部屋52に位置するように配置される。熱電素子33には複数の負荷30が発生させた熱が供給される。熱電素子33に熱を供給することで、熱電素子33に電力を発生させることができる。熱が供給された熱電素子33には電圧が発生し、負荷31に電流が供給される。複数の負荷30が発生させた熱が熱電素子33に供給されることで、より大きい電力を発生させ得る。
上記の例では、グラフェン20とエレクトレット10とは別々の空間に配置されていたが、同じ空間に配置されてもよい。図13は、グラフェン20とエレクトレット10とを同じ部屋に配置した発電装置1を示す図である。エレクトレット10、第1電極11、グラフェン20、第2電極22が第1の部屋51に配置されている。図13に示す例では、支持部材71は導電性を有し、支持部材71と第1電極11とが接続されている。すなわち、支持部材71を介して、第1電極11とグラフェン20とが接続されている。
本発明の実施形態において、グラフェン20は、単層でもよいし、二層以上の構造を有していてもよい。また、本発明の実施形態において、グラフェン20の代わりに別の材料が用いられてもよい。例えば、MOS2、MoSe2、WS2、WSe2、ReS2、ReSe2または窒化ホウ素(BN)をグラフェン20の代わりに用いてもよい。また、それらの材料を組み合わせたシートを用いてもよい。
以上、本発明の例示的な実施形態を説明した。
本発明のある実施形態に係る発電装置1は、エレクトレット10と、エレクトレット10に隣接して配置された第1電極11と、第1電極11と接続されたグラフェン20と、グラフェン20に対向して配置された第2電極22と、を備え、グラフェン20の振動に応じてグラフェン20と第2電極22との間の静電容量の大きさが変化することにより電力を発生させる。
エレクトレット10に発生する固定電荷を−Qとするとき、第1電極11には、エレクトレット10の固定電荷−Qの逆極性の誘導電荷+Qが発生する。第1電極11とグラフェン20とは電気的に接続されている。電荷保存の法則により、第1電極11とグラフェン20の総電荷量はゼロであるため、グラフェン20の電荷量は−Qになる。グラフェン20の振動に応じてグラフェン20と第2電極22との間の静電容量の大きさが変化することにより、第2電極22に発生する電荷+Qが変化し、電力を発生させることができる。
グラフェン20の周囲の空間からグラフェン20には熱が供給され、グラフェン20は熱運動により振動する。このグラフェン20の振動に応じて第2電極22に発生する電荷+Qが変化し、電力を発生させることができる。すなわち、グラフェン20の周囲の空間の熱を電力に変換することができる。
ある実施形態において、エレクトレット10の面積は、グラフェン20の面積よりも大きくてもよい。エレクトレット10の面積がグラフェン20の面積より大きいことにより、グラフェン20の表面電荷密度を高めることができる。これにより、発生する電力の最大出力を大きくすることができる。
ある実施形態において、第2電極22はピン電極であってもよい。グラフェン20には複数の波が発生する。言い換えると、グラフェン20には凹凸が複数個発生し、周期的に凹部と凸部とが入れ替わる。第2電極22のグラフェン20側の先端が細いことにより、グラフェン20の振動の腹の部分に第2電極22を対向させることができる。
ある実施形態において、発電装置1は、グラフェン20を振動可能に支持する支持部材71、72をさらに備えてもよい。支持部材71、72がグラフェン20を支持することで、グラフェン20の端部を固定することができる。
ある実施形態において、静電容量の大きさの変化に応じて第2電極22に流れる電流が供給される負荷30をさらに備えてもよい。これにより、グラフェン20の振動を利用して発生させた電力を負荷30で利用することができる。
ある実施形態において、電流が供給された負荷30は、熱を発生させてもよい。負荷30が熱を発生させることにより、負荷30が配置された特定のエリアに熱を発生させることができる。
ある実施形態において、グラフェン20および第2電極22は、第1エリア51に位置し、負荷30は、第1エリア51とは異なる第2エリア52に位置し、負荷30が熱を発生させることで、第2エリア52の温度は第1エリア51の温度よりも高くなってもよい。
グラフェン20の振動を利用して第2エリア52に熱を発生させることができる。例えば、第1エリア51および第2エリア52の温度が均一であったとしても、そこから第1エリア51と第2エリア52との間で温度差を発生させることができる。すなわち、エントロピーを減少させることができる。これにより、物理学においてマクスウェルの悪魔と呼ばれている現象を実現できる。
ある実施形態において、第1エリア51と第2エリア52との間には壁60が設けられていてもよい。第1エリア51と第2エリア52との間の熱の移動を壁60が抑制することにより、第1エリア51と第2エリア52との間の温度差を大きくすることができる。すなわち、エントロピーをより大きく減少させることができる。
ある実施形態において、発電装置1は、熱電素子33をさらに備え、熱電素子33には負荷30が発生させた熱が供給されてもよい。熱電素子33に熱を供給することで、熱電素子33に電力を発生させることができる。
ある実施形態において、発電装置1は、第2電極22に発生した電圧が供給される整流器35と、整流器35の出力信号が供給されるキャパシタ36と、をさらに備えてもよい。第2電極22に発生した電圧信号を整流し、整流された出力信号をキャパシタ36に供給する。これにより、キャパシタ36に電荷を蓄積することができる。キャパシタ36に蓄積した電力を出力することで、大きな電力を外部に出力させることができる。
ある実施形態において、発電装置1は、第2電極22を複数個備え、複数の第2電極22とグラフェン20との間に複数の静電容量が形成され、グラフェン20の振動に応じて複数の静電容量の大きさが変化してもよい。グラフェン20の振動に応じて複数の第2電極22のそれぞれとグラフェン20との間の静電容量の大きさが変化することにより、複数の第2電極22それぞれに発生する電荷+Qが変化し、複数の第2電極22それぞれから電力を発生させることができる。
ある実施形態において、複数の第2電極22は、グラフェン20の第1の面に対向する位置に配置されてもよい。グラフェン20の振動に応じて複数の第2電極22のそれぞれとグラフェン20との間の静電容量の大きさが変化することにより、複数の第2電極22それぞれに発生する電荷+Qが変化し、複数の第2電極22それぞれから電力を発生させることができる。
ある実施形態において、複数の第2電極22のうちの所定の第2電極22は、グラフェン20の第1の面に対向する位置に配置され、複数の第2電極22のうちの所定の第2電極22とは異なる別の第2電極22は、グラフェン20の第1の面とは反対側の第2の面に対向する位置に配置されてもよい。グラフェン20の振動に応じて複数の第2電極22のそれぞれとグラフェン20との間の静電容量の大きさが変化することにより、複数の第2電極22それぞれに発生する電荷+Qが変化し、複数の第2電極22それぞれから電力を発生させることができる。
ある実施形態において、発電装置1は、複数の第2電極22に発生した電圧が供給される複数の整流器35と、複数の整流器35の出力信号が供給されるキャパシタ36と、をさらに備えてもよい。複数の第2電極22に発生した電圧信号を整流し、整流された出力信号をキャパシタ36に供給する。これにより、キャパシタ36により多くの電荷を蓄積することができる。キャパシタ36に蓄積した電力を出力することで、より大きな電力を外部に出力させることができる。
ある実施形態において、所定の第2電極22と別の第2電極22との間に負荷30が接続されてもよい。これにより、グラフェン20の振動を利用して発生させた電力を負荷30で利用することができる。
ある実施形態において、発電装置1は、エレクトレット10と第1電極11のペアを含む第1構造体15を複数個備え、複数の第1構造体15に含まれる複数の第1電極11は、グラフェン20に並列に接続されていてもよい。エレクトレット10と第1電極11のペアを含む第1構造体15を複数個備えることで、エレクトレット10の総面積を大きくすることができる。これにより、グラフェン20の表面電荷密度を高めることができ、発生する電力の最大出力を大きくすることができる。また、エレクトレット10の総面積を第1構造体15の個数に応じて設定することができる。
ある実施形態において、複数の第1電極11のそれぞれとグラフェン20との間の接続および非接続は切り替え可能であってもよい。グラフェン20に接続する第1電極11の個数を変更することで、グラフェン20の表面電荷密度を変更することができる。すなわち、グラフェン20に接続する第1電極11の個数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
ある実施形態において、複数の第1構造体15のそれぞれは、グラフェン20に対して着脱可能であってもよい。グラフェン20に接続する第1構造体15の個数を変更することで、グラフェン20の表面電荷密度を変更することができる。すなわち、グラフェン20に接続する第1構造体15の個数を変更することで、電力の発電量を変更することができる。
以上、本発明の実施形態を説明した。上述の実施形態の説明は、本発明の例示であり、本発明を限定するものではない。また、上述した各種実施形態を適宜組み合わせた形態も本発明に含まれる。本発明は、特許請求の範囲またはその均等の範囲において、改変、置き換え、付加および省略などが可能である。
本発明は、例えば、熱エネルギーおよび電気エネルギーなどのエネルギーを発生させる技術分野において特に有用である。
1:発電装置
7:矢印(振動)
10:エレクトレット
11:第1電極
12:誘電体
13:導体
15:第1構造体
16:第2構造体
20:グラフェン
22:第2電極
25、26:出力端子
30:負荷
33:熱電素子(ゼーベック素子、熱電変換素子)
35:整流器
36:キャパシタ(平滑コンデンサ)
41、42:配線
51、52:部屋(空間)
53、54:壁
60:隔壁(パーティション、仕切り)
70:基板
71:支持部材
72:支持部材
73:導電材料

Claims (18)

  1. エレクトレットと、
    前記エレクトレットに隣接して配置された第1電極と、
    前記第1電極と接続されたグラフェンと、
    前記グラフェンに対向して配置された第2電極と、
    を備え、
    前記グラフェンの振動に応じて前記グラフェンと前記第2電極との間の静電容量の大きさが変化することにより電力を発生させる、発電装置。
  2. 前記エレクトレットの面積は、前記グラフェンの面積よりも大きい、請求項1に記載の発電装置。
  3. 前記第2電極はピン電極である、請求項1または2に記載の発電装置。
  4. 前記グラフェンを振動可能に支持する支持部材をさらに備える、請求項1から3のいずれかに記載の発電装置。
  5. 前記静電容量の大きさの変化に応じて前記第2電極に流れる電流が供給される負荷をさらに備える、請求項1から4のいずれかに記載の発電装置。
  6. 前記電流が供給された前記負荷は、熱を発生させる、請求項5に記載の発電装置。
  7. 前記グラフェンおよび前記第2電極は、第1エリアに位置し、
    前記負荷は、前記第1エリアとは異なる第2エリアに位置し、
    前記負荷が熱を発生させることで、前記第2エリアの温度は前記第1エリアの温度よりも高くなる、請求項6に記載の発電装置。
  8. 前記第1エリアと前記第2エリアとの間には壁が設けられている、請求項7に記載の発電装置。
  9. 熱電素子をさらに備え、
    前記熱電素子には前記負荷が発生させた熱が供給される、請求項6から8のいずれかに記載の発電装置。
  10. 前記第2電極に発生した電圧が供給される整流器と、
    前記整流器の出力信号が供給されるキャパシタと、
    をさらに備える、請求項1から9のいずれかに記載の発電装置。
  11. 前記第2電極を複数個備え、
    前記複数の第2電極と前記グラフェンとの間に複数の静電容量が形成され、
    前記グラフェンの振動に応じて前記複数の静電容量の大きさが変化する、請求項1から10のいずれかに記載の発電装置。
  12. 前記複数の第2電極は、前記グラフェンの第1の面に対向する位置に配置される、請求項11に記載の発電装置。
  13. 前記複数の第2電極のうちの所定の第2電極は、前記グラフェンの第1の面に対向する位置に配置され、
    前記複数の第2電極のうちの前記所定の第2電極とは異なる別の第2電極は、前記グラフェンの第1の面とは反対側の第2の面に対向する位置に配置される、請求項11に記載の発電装置。
  14. 前記複数の第2電極に発生した電圧が供給される複数の整流器と、
    前記複数の整流器の出力信号が供給されるキャパシタと、
    をさらに備える、請求項11から13のいずれかに記載の発電装置。
  15. 前記所定の第2電極と前記別の第2電極との間に負荷が接続される、請求項13に記載の発電装置。
  16. 前記エレクトレットと前記第1電極のペアを含む構造体を複数個備え、
    複数の前記構造体に含まれる複数の前記第1電極は、前記グラフェンに並列に接続されている、請求項1から15のいずれかに記載の発電装置。
  17. 複数の前記第1電極のそれぞれと前記グラフェンとの間の接続および非接続は切り替え可能である、請求項16に記載の発電装置。
  18. 複数の前記構造体のそれぞれは、前記グラフェンに対して着脱可能である、請求項16または17に記載の発電装置。
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