JP2021145224A - 板状アンテナ - Google Patents
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Abstract
Description
これらの図に示す従来の板状アンテナ100は、正方形状とされた金属製のアース素子111上にスペーサ114を介して正方形状とされた金属製の励振素子110が所定間隔になるように配置されている。励振素子110には、左下と右上に縮退分離素子が設けられており、縮退分離素子は直角三角形状のCカットで構成されている。励振素子110には給電ケーブル112から給電されている。この場合、給電ピン110aが励振素子110の所定位置に設けられており、給電ピン110aは、絶縁性のスペーサ114内に挿通されて、アース素子111の裏面において給電ケーブル112の中心導体にハンダ付け等により接続されている。また、給電ケーブル112のシールド導体はアース素子111の裏面にハンダ付け等により接続されて、板状アンテナ100は給電ケーブル112により給電されるようになる。すなわち、給電ケーブル112の一端に接続された通信機器からの送信信号は板状アンテナ100に給電されて右旋円偏波が放射され、板状アンテナ100で受信された右旋円偏波の受信信号は給電ケーブル112を伝播して通信機器に供給されるようになる。
アース素子111の長さW21を除いて上記した寸法とされた際の従来の板状アンテナ100において、周波数5.8GHzにおけるアース素子111の長さW21に対する半値角の特性を図12に示す。図12ではアース素子111の長さW21を20mm〜50mmまで変えたときの半値角特性を示しており、図12を参照すると、長さW21を20mmから50mmまで長くするにつれて半値角は約73°から約63°まで小さくなっていき放射ビームが次第に狭まっていくことが分かる。長さW21が約31mmを超えた時に目標とする70°の半値角が得られる。ここで、5.8GHzの自由空間波長をλとすると、約31mmの長さW21は約0.6λと表される。すなわち、アース素子111の長さW21を約0.6λ以上とすることで70°以下の半値角とされた指向性を得ることができるようになる。
上記した従来の板状アンテナ100の一例が特許文献1ないし特許文献3にそれぞれ記載されている。
そこで、本発明は、小型化した板状アンテナにおいて所望の半値角を得ることができる板状アンテナを提供することを目的としている。
さらに、上記本発明の板状アンテナは、前記アース素子は正方形状とされており、設計周波数の波長をλとしたときに、所定の半値角が得られる前記アース素子の1辺の長さを、約0.48λまで短くできることを主要な特徴としている。
さらにまた、上記本発明の板状アンテナは、前記第1所定間隔が約0.058λとされることを主要な特徴としている。
さらにまた、上記本発明の板状アンテナは、前記第2所定間隔が約0.077λとされることを主要な特徴としている。
本発明にかかる実施例の板状アンテナ1の構成を図1ないし図4に示す。図1は板状アンテナ1の構成を示す平面図であり、図2は板状アンテナ1の構成を示す下面図であり、図3は板状アンテナ1の構成を示す側面図であり、図4は板状アンテナ1の構成を示す背面図である。
これらの図に示す本発明の実施例の板状アンテナ1は、正方形状とされた導電性の励振素子10と、正方形状とされた導電性のアース素子11と、正方形状とされた導電性のアース素子11と、正方形状とされた導電性の無給電素子13とを備えている。励振素子10とアース素子11と無給電素子13とは金属板を加工して作成することができる。アース素子11の上に絶縁性のスペーサ14を介しての励振素子10が所定間隔D1となるよう配置されている。励振素子10には、左下と右上に縮退分離素子が設けられており、縮退分離素子は所定の大きさの直角三角形状のCカットで構成されている。また、本発明にかかる板状アンテナ1において特徴的な無給電素子13は、アース素子11の下に所定間隔D2となるよう配置されている。励振素子10には給電ケーブル12から給電されている。この場合、給電ピン10aが励振素子10の中心から距離L1の所定位置に設けられており、給電ピン10aは、絶縁性のスペーサ14内に挿通されて、アース素子11の裏面において給電ケーブル12の中心導体にハンダ付け等により接続されている。また、給電ケーブル12のシールド導体はアース素子11の裏面にハンダ付け等により接続されて、板状アンテナ1は給電ケーブル12により給電されるようになる。すなわち、給電ケーブル12の一端に接続された通信機器からの送信信号は板状アンテナ1に給電されて右旋円偏波が放射され、板状アンテナ1で受信された右旋円偏波の受信信号は給電ケーブル12を伝播して通信機器に供給されるようになる。
上記説明した本発明の実施例の板状アンテナ1において、設計周波数を5.8GHzとした時に、上記した寸法とされた際の本発明の実施例の板状アンテナ1において、周波数5.8GHzにおける方位角に対する放射強度特性を図7に示す。図7を参照すると、放射強度のピーク値として+4.22dBが得られており、この時の方位角は+0.4°となる。また、放射強度が3dB減衰するまでの方位角の範囲である半値角は63.55°が得られており、アース素子11の1辺の長さが従来の板状アンテナ100より短くなってもビームがより絞られた放射強度特性が得られることが分かる。すなわち、本発明の実施例の板状アンテナ1では、設計周波数の波長をλとした際に板状アンテナ1の大きさが約0.5λ以下に小型化されても、70°以下の半値角が得られる板状アンテナとすることができる。これにより、本発明の実施例の板状アンテナ1では、板状アンテナ1の大きさが約0.5λ以下に小型化されても、所望の方向以外からの電波を受けない指向性とすることができる。なお、図7に示す方位角に対する放射強度特性は、5.79GHz〜5.84GHzの周波数帯域においてもほぼ同様の特性となる。
アース素子11の1辺の長さW1を除いて上記した寸法とされた際の本発明の実施例の板状アンテナ1において、周波数5.8GHzにおけるアース素子11の1辺の長さW1に対する半値角の特性を図5に示す。図5ではアース素子11の1辺の長さW1を20mm〜50mmまで変えたときの半値角特性を示しており、図5を参照すると、長さW1を20mmから50mmまで長くするにつれて半値角は約73°から約63°まで小さくなっていき放射ビームが次第に狭まっていくことが分かる。長さW1が約25mmとなった時に目標とする70°の半値角が得られる。ここで、5.8GHzの自由空間波長をλとすると、約25mmの長さW1は約0.48λと表される。すなわち、本発明の実施例の板状アンテナ1では、アース素子11の1辺の長さW1を0.5λ以下である約0.48λまで短くして小型化しても、70°以下の半値角を得ることができるようになる。これにより、本発明の実施例の板状アンテナ1では、アース素子11の1辺の長さW1を0.5λ以下である約0.48λまで短くして小型化しても、所望の方向以外からの電波を受けない指向性とすることができる。なお、図5に示す長さW1に対する半値角の特性は、5.79GHz〜5.84GHzの周波数帯域においてもほぼ同様の特性となる。
無給電素子13の1辺の長さW3を除いて上記した寸法とされた際の本発明の実施例の板状アンテナ1において、周波数5.8GHzにおける無給電素子13の1辺の長さW3に対する半値角の特性を図6に示す。図6では、長さW3を5mm〜20mmまで変えたときの半値角特性を示しており、図6を参照すると、長さW3を5mmから20mmまで長くするにつれて半値角は約71°から約63°まで小さくなっていき放射ビームが次第に狭まっていくことが分かる。長さW3が約11mmとなった時に目標とする70°の半値角が得られる。ここで、5.8GHzの自由空間波長をλとすると、約11mmの長さL1は約0.21λと表される。すなわち、無給電素子13の1辺の長さW3を0.5λ以下である約0.21λまで短くして小型化しても、70°以下の半値角を得ることができるようになる。これにより、本発明の実施例の板状アンテナ1では、無給電素子13の1辺の長さW3を0.5λ以下である約0.21λまで短くして小型化しても、所望の方向以外からの電波を受けない指向性とすることができる。なお、図6に示す長さW3に対する半値角の特性は、5.79GHz〜5.84GHzの周波数帯域においてもほぼ同様の特性となる。
このように、アース素子11の1辺の長さW1を約0.48λの長さと小型化しても半値角の目標である70°の半値角を得ることができる。その際に、無給電素子13は1辺の長さW3を約0.21λとアース素子11より小型化することができると共に、励振素子10の1辺の長さW2は約0.37λとアース素子11より小型化することができる。このように、本発明にかかる板状アンテナ1においては、設計周波数の波長をλとした際に板状アンテナ1の大きさが約0.5λ以下に小型化されても、半値角として70°以下を得ることができ、所望の方向以外からの電波を受けない指向性とすることができるようになる。
以上説明した本発明の板状アンテナでは、DSRCやETCのアンテナに適用することができ、5.79GHz〜5.84GHzとされる5.8GHz帯を利用したETC用のアンテナとして使用することができる。そして使用された際に、上記説明したように板状アンテナの大きさを小型化しても目標とする半値角を得ることができるようになる。また、本発明の板状アンテナは、右旋円偏波のアンテナとして説明したが、左旋円偏波のアンテナとしても良い。この場合は、縮退分離素子を左上と右下に設けるようにすればよい。
以上説明した本発明にかかる実施例の板状アンテナにおいて、アース素子の上に所定間隔で励振素子を配置するために、アース素子と励振素子との間にスペーサを設けているが、スペーサを複数設けるようにしたり、励振素子の外辺に沿った枠状のスペーサを設けることができる。また、アース素子の下に所定間隔で無給電素子を配置するために、アース素子と無給電素子との間にスペーサを設けることができる。このスペーサは、複数設けるようにしたり、無給電素子の外辺に沿った枠状のスペーサを設けることができる。
10 励振素子
10a 給電ピン
11 アース素子
12 給電ケーブル
13 無給電素子
14 スペーサ
100 板状アンテナ
110 励振素子
110a 給電ピン
111 アース素子
112 給電ケーブル
114 スペーサ
Claims (5)
- 矩形状のアース素子と、
該アース素子上に第1所定間隔で配置された前記アース素子より小さい矩形状の励振素子と、
前記アース素子から第2所定間隔で下方に配置される前記アース素子より小さい矩形状の無給電素子と、
を備えることを特徴とする板状アンテナ。 - 前記無給電素子は正方形状とされており、所定の半値角が得られる前記無給電素子の1辺の長さを、設計周波数の波長をλとしたときに、約0.21λまで短くできることを特徴とする請求項1に記載の板状アンテナ。
- 前記アース素子は正方形状とされており、所定の半値角が得られる前記アース素子の1辺の長さを、設計周波数の波長をλとしたときに、約0.48λまで短くできることを特徴とする請求項1に記載の板状アンテナ。
- 前記第1所定間隔が約0.058λとされることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の板状アンテナ。
- 前記第2所定間隔が約0.077λとされることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の板状アンテナ。
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