JP2021144798A - 鉛蓄電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質利用率に優れる鉛蓄電池を提供すること。【解決手段】正極活物質14を備える正極9と、負極活物質16を備える負極10と、開孔12aを有し、正極9と負極10との間において正極活物質14と接触する、金属シート12と、を備える、鉛蓄電池1。【選択図】図1

Description

本発明は、鉛蓄電池に関するものである。
鉛蓄電池は、産業用に広く用いられており、例えば自動車のバッテリー、バックアップ用電源、及び電動車の主電源に用いられる。鉛蓄電池における正極には、正極活物質の利用率(正極活物質利用率)を向上させることが求められる。正極活物質利用率に優れる正極を用いると、例えば、所定の放電容量を得るための正極活物質の使用量を減らすことができ、その結果、鉛蓄電池の軽量化を図ることができる。
これに対して、例えば特許文献1には、正極活物質利用率を高めるために、正極活物質中に塩基性硫酸鉛及び黒鉛を添加し、電解液中にリン酸を1質量%以下含有した鉛蓄電池が開示されている。
特開2011−165378号公報
しかし、正極活物質利用率には、未だ改善の余地がある。そこで、本発明は、正極活物質利用率に優れる鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明の一側面は、正極活物質を備える正極と、負極活物質を備える負極と、開孔を有し、正極と負極との間において正極活物質と接触する、金属シートと、を備える、鉛蓄電池に関する。
上記側面の鉛蓄電池によれば、優れた正極活物質利用率が得られる。
上記側面において、金属シートの開孔率は、好ましくは、10〜99%である。この場合、より優れた正極活物質利用率が得られる。
上記側面において、正極活物質の多孔度は、好ましくは、40〜95体積%である。この場合、より優れた正極活物質利用率が得られる。
本発明によれば、正極活物質利用率に優れる鉛蓄電池を提供することができる。
一実施形態に係る鉛蓄電池の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。 図1に示した鉛蓄電池の電極群を示す斜視図である。 正極板と負極板の積層方向から視た、正極板及び金属シートを示す図である。 実施例で用いた金属シートを示す平面図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
<鉛蓄電池>
図1は、一実施形態に係る鉛蓄電池の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。図1に示す鉛蓄電池1は、液式鉛蓄電池であり、上面が開口している電槽2と、電槽2の開口を閉じる蓋3とを備えている。電槽2及び蓋3は、例えばポリプロピレンで形成されている。蓋3には、正極端子4と、負極端子5と、蓋3に設けられた注液口を閉塞する液口栓6とが設けられている。
電槽2の内部には、電極群7と、電極群7を正極端子4に接続する正極柱(図示せず)と、電極群7を負極端子5に接続する負極柱8と、電解液とが収容されている。
電解液は、希硫酸を含有する。希硫酸は、例えば、化成後の比重(20℃)が1.25〜1.33である希硫酸であってよい。電解液は、例えば、ナトリウムイオンを更に含有していてもよい。ナトリウムイオンは、例えば硫酸ナトリウムを希硫酸に溶解させることにより電解液に含有させることができる。電解液におけるナトリウムイオンの濃度は、例えば、0.005mol/L以上であってよく、0.4mol/L以下であってよい。
図2は、電極群7を示す斜視図である。図2に示すように、電極群7は、板状の正極(正極板)9と、板状の負極(負極板)10と、正極9と負極10との間に配置されたセパレータ11及び金属シート12と、を備えている。正極9は、正極集電体(正極格子体)13と、正極集電体13に保持された正極活物質14と、を備えている。負極10は、負極集電体(負極格子体)15と、負極集電体15に保持された負極活物質16と、を備えている。なお、本明細書では、化成後の正極から正極集電体を除いたものを「正極活物質」、化成後の負極から負極集電体を除いたものを「負極活物質」とそれぞれ定義する。
電極群7は、複数の正極9と負極10とが、セパレータ11及び金属シート12を介して、電槽2の開口面と略平行方向に交互に積層された構造を有している。すなわち、正極9及び負極10は、それらの主面が電槽2の開口面と垂直方向に広がるように配置されている。電極群7において、複数の正極9における各正極集電体13が有する耳部13a同士は、正極ストラップ17で集合溶接されている。同様に、複数の負極10における各負極集電体15が有する耳部15a同士は、負極ストラップ18で集合溶接されている。正極ストラップ17及び負極ストラップ18は、それぞれ、正極柱及び負極柱8を介して正極端子4及び負極端子5に接続されている。
セパレータ11は、例えば袋状に形成されており、負極10を収容している。セパレータ11は、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等で形成されている。セパレータ11は、これらの材料で形成された織布、不織布、多孔質膜等にSiO、Al等の無機系粒子を付着させたものであってよい。
正極集電体13及び負極集電体15は、それぞれ、鉛合金で形成されている。鉛合金は、鉛に加えて、スズ、カルシウム、アンチモン、セレン、銀、ビスマス等を含有する合金であってよく、具体的には、例えば、鉛、スズ及びカルシウムを含有する合金(Pb−Sn−Ca系合金)であってよい。
正極活物質14は、Pb成分であるPbOを含む。正極活物質14は、必要に応じて、PbO以外のPb成分(例えばPbSO)及び添加剤を更に含んでいてよい。
正極活物質14は、好ましくは、Pb成分としてβ−PbOを含む。正極活物質14は、Pb成分として、α−PbOを更に含んでいてもよい。
Pb成分の含有量は、低温高率放電性能及びサイクル性能が更に向上する観点から、正極活物質の全質量を基準として、好ましくは90質量%以上、より好ましくは95質量%以上である。Pb成分の含有量は、製造コストの低減及び軽量化の観点から、正極活物質の全質量を基準として、好ましくは99.9質量%以下、より好ましくは98質量%以下である。なお、正極活物質の全質量は、例えば、鉛蓄電池から正極(正極集電体及び正極活物質)を取り出して水洗し、正極を充分に乾燥させた後に測定した正極の質量と、正極集電体の質量との差から算出することができる。乾燥は、例えば、50℃で24時間行う。
添加剤としては、例えば、炭素材料(炭素繊維を除く)及び繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラックが挙げられる。
正極活物質の多孔度は、特に限定されないが、40体積%以上、55体積%以上又は70体積%以上であってよい。本実施形態の鉛蓄電池は正極活物質利用率に優れため、正極活物質の使用量を低減し、正極活物質の多孔度を80体積%以上とした場合にも優れた電池性能(充放電性能等)が得られる傾向がある。正極活物質の多孔度は、電池性能(充放電性能等)を向上させる観点から、95体積%以下、93体積%以下又は90体積%以下であってよい。なお、正極活物質の多孔度は、化成後の多孔度であり、例えば、水銀ポロシメーター測定から得られる値(体積基準の割合)である。正極活物質の多孔度は、正極活物質ペーストを作製する際に加える希硫酸量、化成温度等によって調整することができる。例えば、正極活物質ペーストを作製する際に加える希硫酸量が多く、化成温度が高いほど、正極活物質の多孔度が高くなる傾向がある。
負極活物質16は、Pb成分として少なくともPbを含み、必要に応じて、Pb以外のPb成分(例えばPbSO)及び添加剤を更に含む。負極活物質16は、好ましくは、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)を含む。Pb成分の含有量は、負極活物質の全質量を基準として、90質量%以上又は95質量%以上であってよく、99質量%以下又は98質量%以下であってよい。なお、負極活物質の全質量は、例えば、鉛蓄電池から負極(負極集電体及び負極活物質)を取り出して水洗し、負極を充分に乾燥させた後に測定した負極の質量と、負極集電体の質量との差から算出することができる。乾燥は、例えば、50℃で24時間行う。
添加剤としては、例えば、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂、硫酸バリウム、炭素材料(炭素繊維を除く)及び繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂は、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、及び、フェノール類とアミノアリールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、ビスフェノールとアミノベンゼンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物)からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラックが挙げられる。
図3は、正極9及び負極10の積層方向から視た、正極9及び金属シート12を示す図である。金属シート12は、正極9の一方の主面における正極活物質14に接触しており、当該正極活物質14によって構成される領域Aの少なくとも一部を覆うように設けられている。正極活物質14と金属シート12とは、接触部分において結着(例えば化学的に結合)していてよい。ここで、正極9の主面における正極活物質14によって構成される領域Aは、正極9の主面のうち、正極活物質14が存在している領域と言い換えてよく、正極9の主面のうち、正極活物質14によって覆われている領域と言い換えてもよい。図3では、金属シート12が領域Aのみを覆うように設けられているが、金属シート12は、正極集電体13の露出部分(耳部13a等)を覆うように設けられていてもよい。
正極活物質14によって構成される領域Aと、金属シート12とが重なる部分の面積は、正極耐久性をより向上させ、正極利用率をより向上させる観点から、好ましくは、領域Aの面積の20%以上であり、より好ましくは、領域Aの面積の30%以上であり、更に好ましくは、領域Aの面積の40%以上である。領域Aと、金属シート12とが重なる部分の面積は、正極利用率をより向上させる観点から、好ましくは、領域Aの面積の99%以下であり、より好ましくは、領域Aの面積の95%以下であり、更に好ましくは、領域Aの面積の90%以下である。なお、図3において、砂地上のハッチングで示す部分が正極9の積層方向に垂直な面(正極9の主面)における正極活物質によって構成される領域Aであり、斜線のハッチングで示す部分が、領域Aと金属シート12とが重なる部分である。
金属シート12は、1種又は複数種の金属を含有しており、正極活物質14と接触する面の少なくとも一部が当該金属で構成されている。金属シート12は電気伝導性を有しており、正極集電体と同様に、電極活物質からの電流の導電経路を構成する。金属シートにおける金属の含有量は、例えば、金属シートの全質量を基準として、60質量%以上であり、80質量%以上、90質量%以上又は95質量%以上であってもよい。金属シート12の正極活物質14と接触する面のうち、金属で構成されている領域の割合は、好ましくは60面積%以上であり、より好ましくは80面積%以上であり、更に好ましくは90面積%以上であり、特に好ましくは95質量%以上である。
金属としては、例えば、鉛及び鉛合金が挙げられる。合金としては、スズ、カルシウム、アンチモン、セレン、銀、ビスマス等を含有する鉛合金であってよく、具体的には、例えば、鉛、スズ及びカルシウムを含有する合金(Pb−Sn−Ca系合金)であってよい。より優れた正極活物質利用率が得られる観点では、金属シートが鉛又は鉛合金を含有することが好ましい。
金属シート12は、金属シート12の主面(正極9及び負極10の積層方向に垂直な面)の一方から他方に貫通する開孔(貫通孔)12aを有している。開孔12aの数は、1つであっても複数であってもよい。金属シート12の表面における開孔12aの形状(金属シート12を厚さ方向から平面視した際に観察される形状)は、特に限定されず、例えば、図3に示すような円形の他、楕円形、三角形、四角形、多角形等であってよい。開孔12aの形状が円形である場合、開孔径は、例えば、0.1mm以上、5mm以上又は10mm以上であってよく、50mm以下、30mm以下又は20mm以下であってよい。
平均開孔面積は、0.01mm以上、25mm以上又は100mm以上であってよく、2500mm以下、900mm以下又は400mm以下であってよい。
金属シート12が複数の開孔12aを有する場合、隣接する開孔間の距離は、例えば、0.01mm以上、5mm以上又は10mm以上であってよく、50mm以下、30mm以下又は20mm以下であってよい。
金属シート12の開孔率は、正極活物質14における反応が起こりやすくなり、正極利用率をより向上させやすくなる観点から、好ましくは1%以上であり、より好ましくは5%以上であり、更に好ましくは10%以上であり、15%以上又は20%以上であってもよい。金属シート12の開孔率は、正極活物質14の泥状化による脱落を防止しやすくなり、正極利用率をより向上させやすくなる観点から、好ましくは99%以下であり、より好ましくは80%以下であり、更に好ましくは70%以下であり、特に好ましくは60%以下であり、50%以下又は40%以下であってもよい。ここで、金属シート12の開孔率は、金属シート12の主面のうち上記領域Aと重なる部分の面積(開孔面積を含む)に対する開孔面積の割合をいう。
金属シート12を電槽の開口面に垂直な方向の中央で二分割したとき、電槽の開口側に位置する部分(金属シート12の上部)の開孔率と、電槽の底部側に位置する部分(金属シート12の下部)の開孔率とは、同一であっても異なっていてもよい。正極活物質の泥状化は正極の上部側でより発生しやすいため、例えば、金属シート12の下部の開孔率を金属シート12の上部の開孔率よりも大きくしてよい。
上述した開孔径、平均開孔面積、隣接する開孔間の距離及び開孔率は、金属シート12の一方の主面と他方の主面とにおいて、同一であっても異なっていてもよい。
金属シートの厚さは、特に限定されず、例えば、0.01〜1mmであってよい。金属シートは、例えば、金属箔であってよく、金属板であってもよい。
電極群7における金属シート12の数は、1つであっても複数であってもよい。金属シート12は、正極9の一方の主面側にのみ配置されてよく、正極9の両方の主面側にそれぞれ配置されてもよい。正極利用率をより向上させる観点では、金属シート12が正極9の両方の主面側に配置されることが好ましい。図1及び図2に示すように、電極群7が正極9を複数備える場合、少なくとも1つの正極9の正極活物質14が金属シート12と接触していればよいが、正極利用率をより向上させる観点では、複数の正極9の各正極活物質14が金属シート12と接触するように、複数の金属シート12を用いることが好ましい。この場合、隣り合う正極9と負極10の間には、少なくとも1つずつ金属シート12が配置されることとなる。
以上説明した鉛蓄電池1によれば、優れた正極活物質利用率が得られる。かかる効果が得られる原因は、明らかではないが、開孔を有する金属シートが正極活物質と接触していることで、正極活物質と金属シートとが結着し、充放電による電極の構造変化(例えば、正極活物質の粗大化等)が抑制されることが原因の一つとして推察される。また、軽量化の観点から正極活物質が高多孔度化された場合(例えば多孔度が80体積%以上である場合)には、正極利用率が低くなってしまう傾向があるが、上記鉛蓄電池1によれば、優れた正極活物質利用率が得られる。これは、従来の鉛蓄電池では、正極活物質間の隙間の存在によって、正極表面での電気伝導が起こり難くなり、また、泥状化が進行しやすくなることで正極利用率が低下すると推察されるのに対し、上記鉛蓄電池1では、金属シートにより正極表面の導電経路を確保しつつ、正極活物質と金属シートとの結着により上記泥状化を抑制できるためであると推察される。
鉛蓄電池1は、車両のエンジン始動用及び補機用の鉛蓄電池として好適に用いられる。すなわち、本発明の一実施形態は、上述した鉛蓄電池1の車両のエンジン始動、又は車両の補機への応用である。
鉛蓄電池1は、例えば、電極(負極及び正極)を得る電極製造工程と、電極を含む構成部材を組み立てて鉛蓄電池1を得る組立工程とを備える製造方法により製造される。鉛蓄電池1の製造方法は、未化成の正極を化成して上記正極9を得る化成工程を備える。未化成の正極は、正極集電体13及び正極集電体13に保持された未化成の正極活物質を備える。化成工程は、上述した金属シート12を未化成の正極活物質に接触させた状態で実施されることが好ましい。化成工程は、上記電極製造工程で実施されてよく、組立工程で実施されてもよい。以下、電極製造工程及び組立工程について説明する。
電極製造工程は、正極製造工程と、負極製造工程と、を備える。
正極製造工程では、例えば、正極集電体13にペースト状の正極活物質14(正極活物質ペースト)を保持させた後に、熟成及び乾燥することにより未化成の正極を得る。正極活物質ペーストは、例えば、鉛粉、添加剤及び硫酸(例えば希硫酸)を含んでいる。正極活物質ペーストは、例えば、鉛粉と添加剤とを混合することにより混合物を得た後に、この混合物に溶媒及び硫酸を加えて混練することにより得られる。正極活物質ペースト中の水分量は、例えば、5質量%以上、10質量%以上又は15質量%以上であり、30質量%以下、25質量%以下又は20質量%以下である。
負極製造工程では、例えば、負極集電体15にペースト状の負極活物質16(負極活物質ペースト)を保持させた後に、熟成及び乾燥することにより未化成の負極を得る。負極活物質ペーストは、例えば、鉛粉、添加剤及び硫酸(例えば希硫酸)を含んでいる。負極活物質ペーストは、例えば、鉛粉と添加剤とを混合することにより混合物を得た後に、この混合物に溶媒及び硫酸を加えて混練することにより得られる。負極活物質ペースト中の水分量は、例えば、5質量%以上、10質量%以上又は15質量%以上であり、30質量%以下、25質量%以下又は20質量%以下である。
組立工程では、例えば、得られた未化成の正極及び負極を、セパレータ11及び金属シート12を介して積層し、同極性の電極の集電部をストラップで溶接させて未化成の電極群を得る。この際、金属シート12は、未化成の正極における未化成の正極活物質と接触するように配置する。この電極群を電槽内に配置して未化成の鉛蓄電池を作製する。次に、未化成の鉛蓄電池に希硫酸を入れて、直流電流を通電して電槽化成する。続いて、化成後の硫酸の比重(20℃)を適切な電解液の比重に調整することで、鉛蓄電池1が得られる。
化成に用いる硫酸の比重(20℃)は、1.15〜1.25であってよい。化成後の硫酸の比重(20℃)は、好ましくは1.25〜1.33、より好ましくは1.26〜1.30である。化成条件及び硫酸の比重は、電極のサイズに応じて調整することができる。化成処理は、組立工程において実施されてもよく、電極製造工程において実施されてもよい(タンク化成)。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
<金属シートの用意>
図4に示すように、円形の開孔(開孔径:12mmφ)を有する金属シート1〜3を用意した。金属シート1は、開孔を12個有し、開孔率は14%である(図4(a)参照)。金属シート2は、開孔を16個有し、開孔率は18%である(図4(b)参照)。金属シート3は開孔を24個有し、開孔率は28%である(図4(c)参照)。いずれのシートにおいても、高さ方向(Y)に隣り合う開孔間の距離、並びに、金属シートの上端から開孔までの最短距離及び金属シートの下端から開孔までの最短距離は約1.1cmである。金属シート1及び2における、幅方向(X)に隣り合う開孔間の距離、並びに、金属シートの左端から開孔までの最短距離及び金属シートの右端から開孔までの最短距離は約1cmである。金属シート3における、幅方向(X)に隣り合う開孔間の距離、並びに、金属シートの左端から開孔までの最短距離及び金属シートの右端から開孔までの最短距離は約約0.4cmである。
<実験例1>
(正極の作製)
鉛粉100質量部に対して、アクリル繊維0.224質量部と、硫酸ナトリウム0.025質量部、鉛丹とを加えて乾式混合した。次に、鉛粉及び繊維からなる混合物100質量部に対して、水を加えると共に、鉛丹を含む希硫酸(比重1.28)を段階的に加え、40分混練して正極活物質ペーストを作製した。なお、鉛丹の配合量は、合計で10質量部とし、正極活物質ペースト中の水分量は、18質量%とした。鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式正極集電体に、正極活物質ペーストを充填した後、正極活物質ペースト中の水分量が12%になるまで50℃で30分間乾燥させた。次いで、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度60℃で24時間以上乾燥して、未化成の正極を得た。
(負極の作製)
鉛粉100質量部に対して、バニレックスN(高純部分脱スルホンリグニンスルホン酸ナトリウム、商品名、日本製紙株式会社製)0.3質量部、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維0.1質量部、硫酸バリウム1.0質量部、及びファーネスブラック0.1質量部の混合物を添加し、乾式混合した。次に、この混合物に水を加えて混練した後、比重1.280の希硫酸を少量ずつ添加しながら更に混練して、負極活物質ペーストを作製した。鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式負極集電体に、この負極活物質ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の負極を得た。
(評価用鉛蓄電池の組み立て)
袋状に加工したポリエチレン製のセパレータに、未化成の負極を挿入した。次に、未化成の正極の両主面に金属シートを1枚ずつ貼り合わせ、金属シート1、正極及び金属シート1がこの順で積層された積層体を得た。セパレータに挿入された未化成の負極2つと、上記で得られた積層体1つを交互に積層した。続いて、各電極に対して、板状の鉛シートを用いてアーク溶接することで端子を作製した。その後、電極を電槽に挿入すると共に、ナトリウムイオン濃度が0.05mol/Lになるように硫酸ナトリウムを溶解させた比重1.26の希硫酸を電槽内に注入し、40℃の水槽に入れて40分間静置した。その後、課電量(基準:正極活物質の理論化成電気量)370%で化成を行った。なお、化成後の電解液(硫酸溶液)の比重を1.29(20℃)に調整した。以上のようにして、2V単板セル(評価用鉛蓄電池)を組み立てた。正極活物質によって構成される領域Aと、金属シートとが重なる部分の面積は、上記領域Aの面積の86%である。
[多孔度の測定]
まず、上記化成した電池を解体して正極を取り出して水洗をした後、50℃で24時間乾燥した。次に、乾燥後の正極の中央部から活物質の塊を3g採取した。この塊を、最大径が5mm程度の小片に砕き、この小片の合計3gを測定セルに入れた。そして、下記の条件に基づき、水銀ポロシメーターを用いて化成後の正極活物質の多孔度(正極多孔度)を測定した。多孔度は、82%であった。
・装置:オートポアIV9520(株式会社島津製作所製)
・水銀圧入圧:0〜354kPa(低圧)、大気圧〜414MPa(高圧)
・各測定圧力での圧力保持時間:900秒(低圧)、1200秒(高圧)
・試料と水銀との接触角:130°
・水銀の表面張力:480〜490mN/m
・水銀の密度:13.5335g/mL
<実験例2>
金属シート1に代えて金属シート2を用いたこと以外は、実験例1と同様にして、評価用鉛蓄電池を作製し、多孔度を測定した。正極活物質によって構成される領域Aと、金属シートとが重なる部分の面積は、上記領域Aの面積の82%であり、多孔度は、82%であった。
<実験例3>
金属シート1に代えて金属シート3を用いたこと、及び、化成後の電解液(硫酸溶液)の比重を1.30(20℃)に調整したこと以外は、実験例1と同様にして、評価用鉛蓄電池を作製し、多孔度を測定した。正極活物質によって構成される領域Aと、金属シートとが重なる部分の面積は、上記領域Aの面積の72%であり、多孔度は、82%であった。
<実験例4>
金属シートを用いなかったこと以外は、実施例1と同様にして、評価用鉛蓄電池を作製を行った。多孔度は、82%であった。なお、実験例4では、化成時に正極活物質の泥状化の進行が確認された。
<実験例5>
正極活物質ペースト中の水分量が12%となるように添加する水の量を調整したこと以外は、実験例1と同様にして、正極活物質ペーストを作製した。次いで、鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式正極集電体に、正極活物質ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度60℃で24時間乾燥して、未化成の正極を得た。
実験例1と同様にして未化成の負極を作製した後、金属シート1を用いなかったこと以外は、実験例1と同様にして、評価用鉛蓄電池を作製し、多孔度を測定した。多孔度は、52%であった。
(活物質利用率の評価)
各実験例の評価用鉛蓄電池を用いて、正極における活物質利用率(正極活物質利用率)を以下のとおり評価した。
25℃環境下において、0.05Cで終止電圧1.75Vの定電流放電を行い、このときの放電容量を測定した。測定された放電容量を用いて、活物質利用率を下記式により算出した。実験例1の活物質利用率は42.4%であり、実験例2の活物質利用率は46.3%であり、実験例3の活物質利用率は65.1%であり、実験例4の活物質利用率は14.4%であり、実験例5の活物質利用率は58.4%であった。
活物質利用率(%)=[測定された放電容量]/[正極活物質の理論容量]×100
なお、正極活物質の理論容量は、「正極内の酸化鉛重量(g)×0.22(Ah/g)」により求められる。
1…鉛蓄電池、9…正極、10…負極、11…セパレータ、12…金属シート、12a…開孔、13…正極集電体、14…正極活物質、15…負極集電体、16…負極活物質。


Claims (4)

  1. 正極活物質を備える正極と、
    負極活物質を備える負極と、
    開孔を有し、前記正極と前記負極との間において前記正極活物質と接触する、金属シートと、を備える、鉛蓄電池。
  2. 前記金属シートの開孔率は、10〜99%である、請求項1に記載の鉛蓄電池。
  3. 前記正極活物質の多孔度は、40〜95体積%である、請求項1又は2に記載の鉛蓄電池。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の鉛蓄電池の製造方法であって、
    未化成の正極活物質を備える未化成の正極を化成して前記正極を得る化成工程を備え、
    前記化成工程は、前記金属シートを前記未化成の正極活物質に接触させた状態で実施される、鉛蓄電池の製造方法。


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