本発明は、二連式の光コネクタプラグに関する。
第1光ファイバを保持して軸方向へ延びる第1フェルールを収容する第1プラグフレーム、第1プラグフレームに係入する第1ストップリング、第1フェルールと第1ストップリングとの間に設置されて第1フェルールを軸方向前方へ付勢する第1ばねを有する第1光コネクタアセンブリと、第2光ファイバを保持して軸方向へ延びる第2フェルールを収容する第2プラグフレーム、第2プラグフレームに係入する第2ストップリング、第2フェルールと第2ストップリングとの間に設置されて第2フェルールを軸方向前方へ付勢する第2ばねを有して第1光コネクタアセンブリに並行する第2光コネクタアセンブリと、第1ストップリングの後端部及び第2ストップリングの後端部を収容するインナーハウジングと、インナーハウジングを収容するアウターハウシングとを備えた二連式の光コネクタプラグが開示されている(特許文献1参照)。
二連式の光コネクタプラグは、第1ストップリングの後端部に形成された第1歯車と、第2歯車が第2ストップリングの後端部に形成された第2歯車と、第1歯車と第2歯車との間に介在して第1及び第2歯車のうちの一方の歯車の回転力を他方の歯車に伝達しつつ他方の歯車を一方の歯車と同一の方向へ回転させる中間歯車とを有し、第1及び第2光コネクタアセンブリのうちの一方の光コネクタアセンブリがその軸を中心に回転すると、それに連動して他方の光コネクタアセンブリがその軸を中心に一方の光コネクタアセンブリと同一の方向へ回転する。
光コネクタプラグは、アウターハウシングの頂壁の一方の側部から軸方向前方へ延びる第1係合ラッチと、アウターハウシングの頂壁の他方の側部から軸方向前方へ延びる第2係合ラッチとを有する。第1係合ラッチの前端部には、第1係合部が形成され、第2係合ラッチの前端部には、第2係合部が形成されている。二連式の光コネクタプラグでは、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入すると、第1及び第2係合部が光コネクタアダプタに係合し、光コネクタプラグが光コネクタアダプタに連結されて光接続状態になる。
前記特許文献1に開示の二連式の光コネクタプラグは、第1係合ラッチの前端部が第1プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間し、第2係合ラッチの前端部が第2プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間している。第1及び第2係合ラッチの前端部が第1及び第2プラグフレームの頂壁に向かって下方へ弾性変形することで、第1及び第2係合部の光コネクタアダプタに対する係合が解除され、光コネクタプラグの光コネクタアダプタに対する連結が解除される。
この光コネクタプラグは、第1及び第2係合ラッチの前端部が第1及び第2プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間しているから、第1及び第2係合ラッチの弾性力が弱く、カシメリングに固定されたブーツやブーツから軸方向後方へ延出する光ファイバコードが引っ張られ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用した場合、第1及び第2係合ラッチが下方へ弾性変形し、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除され、光接続が切断される場合がある。又、光コネクタプラグの第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチが上方へ戻り難い場合があり、第1及び第2係合ラッチと光コネクタアダプタとが確実な係合をしない事象がある。
本発明の目的は、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られたとしても、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる二連式の光コネクタプラグを提供することにある。本発明の他の目的は、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、第1及び第2係合ラッチと光コネクタアダプタとを確実に係合させることができる二連式の光コネクタプラグを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、第1光ファイバを保持して軸方向へ延びる第1フェルールを収容する第1プラグフレーム、第1プラグフレームに係入する第1ストップリング、第1フェルールと第1ストップリングとの間に設置されて第1フェルールを軸方向前方へ付勢する第1ばねを有する第1光コネクタアセンブリと、第2光ファイバを保持して軸方向へ延びる第2フェルールを収容する第2プラグフレーム、第2プラグフレームに係入する第2ストップリング、第2フェルールと第2ストップリングとの間に設置されて第2フェルールを軸方向前方へ付勢する第2ばねを有して第1光コネクタアセンブリに並行する第2光コネクタアセンブリと、第1ストップリングの後端部及び第2ストップリングの後端部を収容するインナーハウシングと、インナーハウジングを収容するアウターハウシングとを備えた二連式の光コネクタプラグである。
前記前提における本発明の特徴は、アウターハウシングが、その前端に開口する前端開口と、アウターハウシングの頂壁の一方の側部から軸方向へ延びていて前端開口から軸方向前方へ延出する弾性変形可能な第1係合ラッチと、アウターハウシングの頂壁の他方の側部から軸方向へ延びていて前端開口から軸方向前方へ延出する弾性変形可能な第2係合ラッチとを有し、第1係合ラッチが、その前端に形成されて第1プラグフレームの頂壁の軸方向前方に位置する前端部に当接する第1当接凸部と、第1当接凸部の軸方向後方に形成されて第1コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに該光コネクタアダプタに係合する第1係合部とを有し、第2係合ラッチが、その前端に形成されて第2プラグフレームの頂壁の軸方向前方に位置する前端部に当接する第2当接凸部と、第2当接凸部の軸方向後方に形成されて第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに該光コネクタアダプタに係合する第2係合部とを有することにある。
本発明の一例としては、第1係合ラッチが、アウターハウシングの頂壁に連結された第1連結部と、第1連結部に繋がって第1連結部から軸方向前方へ延びていてアウターハウシングの前端開口から軸方向前方へ延出する第1弾性変形部とから形成され、第2係合ラッチが、アウターハウシングの頂壁に連結された第2連結部と、第2連結部に繋がって第2連結部から軸方向前方へ延びていてアウターハウシングの前端開口から軸方向前方へ延出する第2弾性変形部とから形成され、第1弾性変形部が、第1連結部から軸方向前方へ水平に延びる第1水平部分と、第1水平部分に繋がって第1水平部分から第1プラグフレームの頂壁に向かって軸方向前方へ下り勾配に傾斜して延びる第1傾斜部分とを有し、第2弾性変形部が、第2連結部から軸方向前方へ水平に延びる第2水平部分と、第2水平部分に繋がって第2水平部分から第2プラグフレームの頂壁に向かって軸方向前方へ下り勾配に傾斜して延びる第2傾斜部分とを有し、二連式の光コネクタプラグでは、第1係合ラッチの第1連結部がアウターハウシングの頂壁に連結され、第1係合ラッチの第1当接凸部が第1プラグフレームの頂壁に当接することで、第1弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなり、第2係合ラッチの第2連結部がアウターハウシングの頂壁に連結され、第2係合ラッチの第2当接凸部が第2プラグフレームの頂壁に当接することで、第2弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなっている。
本発明の他の一例としては、第1及び第2傾斜部分の厚み寸法が、第1及び第2水平部分の厚み寸法よりも小さく、第1及び第2傾斜部分の弾性力が、第1及び第2水平部分の弾性力よりも弱い。
本発明の他の一例としては、第1プラグフレームの頂壁から上方へ凸となる第1案内凸部が、第1プラグフレームの頂壁の前端部に形成され、第2プラグフレームの頂壁から上方へ凸となる第2案内凸部が、第2プラグフレームの頂壁の前端部に形成され、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が、第1案内凸部の直後に位置しつつ、第1当接凸部が、第1案内凸部の直後に延びる第1プラグフレームの頂壁に当接し、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が、第2案内凸部の直後に位置しつつ、第2当接凸部が、第2案内凸部の直後に延びる第2プラグフレームの頂壁に当接する。
本発明の他の一例として、二連式の光コネクタプラグでは、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチが軸方向へ伸長したときに、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の後端に当接しつつ、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の後端に当接することで、第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチの係合状態が維持される。
本発明の他の一例としては、第1係合ラッチの前端と第1案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が、0.1〜0.6mmの範囲にあり、第2係合ラッチの前端と第2案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が、0.1〜0.6mmの範囲にある。
本発明の他の一例としては、二連式の光コネクタプラグが、アウターハウシングに対して軸方向へスライド可能に連結されたスライダーを含み、二連式の光コネクタプラグでは、アウターハウシングに対してスライダーを軸方向後方へスライドさせる前の状態において第1及び第2係合ラッチの光コネクタアダプタに対する係合状態が維持され、アウターハウシングに対してスライダーを軸方向後方へスライドさせると、所定の押下げ機構によってスライダーが第1及び第2係合ラッチを下方へ押し下げて第1及び第2係合ラッチの光コネクタアダプタに対する係合状態が解除される。
本発明の他の一例としては、押下げ機構が、第1係合部の軸方向後方に延びる第1係合ラッチの第1水平部分に作られて軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する第1傾斜凸部と、第2係合部の軸方向後方に延びる第2係合ラッチの第2水平部分に作られて軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する第2傾斜凸部と、スライダーの一方の側部に作られて第1傾斜凸部に摺動可能に当接し、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜して凹む第1傾斜凹部と、スライダーの他方の側部に位置して第2傾斜凸部に摺動可能に当接し、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜して凹む第2傾斜凹部とから形成されている。
本発明の他の一例としては、二連式の光コネクタプラグが、その軸方向後方に取り付けられた光ファイバコードを含む。
本発明に係る二連式の光コネクタプラグによれば、第1係合ラッチの前端に形成された第1当接凸部が第1プラグフレームの頂壁の前端部に当接し、第2係合ラッチの前端に形成された第2当接凸部が第2プラグフレームの頂壁の前端部に当接するから、第1及び第2係合ラッチの前端部が第1及び第2プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間する場合と比較し、第1及び第2係合ラッチの弾性力が強くなり、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られ、第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる。光コネクタプラグは、第1及び第2係合ラッチの弾性力が強いから、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチが上方へ戻り易く、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2係合部と光コネクタアダプタとを確実に係合させることにより、第1及び第2係合部を光コネクタアダプタに強固に係合させることができ、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグの連結(光接続状態)を確実に維持することができる。
請求項2に記載の光コネクタプラグは、第1係合ラッチの第1連結部がアウターハウシングの頂壁に連結され、第1係合ラッチの第1当接凸部が第1プラグフレームの頂壁に当接することで、第1弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなり、第1弾性変形部が第1プラグフレームの頂壁に向かって下方へ弾性変形することはなく、第2係合ラッチの第2連結部がアウターハウシングの頂壁に連結され、第2係合ラッチの第2当接凸部が第2プラグフレームの頂壁に当接することで、第2弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなり、第2弾性変形部が第2プラグフレームの頂壁に向かって下方へ弾性変形することはないから、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られ、第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチの下方への弾性変形が確実に抑制され、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる。
請求項3に記載の光コネクタプラグは、第1及び第2傾斜部分の厚み寸法が第1及び第2水平部分の厚み寸法よりも小さく、第1及び第2傾斜部分の弾性力が第1及び第2水平部分の弾性力よりも弱いから、第1弾性変形部のうちの第1傾斜部分が第1水平部分よりも弾性変形し、第2弾性変形部のうちの第2傾斜部分が第2水平部分よりも弾性変形し、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、第1及び第2係合部を光コネクタアダプタにスムーズに係合させることができ、光コネクタプラグを光コネクタアダプタにスムーズに連結させることができる。光コネクタプラグは、第1及び第2水平部分の厚み寸法が第1及び第2傾斜部分の厚み寸法よりも大きく、第1及び第2水平部分の弾性力が第1及び第2傾斜部分の弾性力よりも強いから、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られ、第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2水平部分の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
請求項4に記載の光コネクタプラグは、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の直後に位置しつつ、第1当接凸部が第1案内凸部の直後に延びる第1プラグフレームの頂壁に当接し、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の直後に位置しつつ、第2当接凸部が第2案内凸部の直後に延びる第2プラグフレームの頂壁に当接することで、第1係合ラッチの第1弾性変形部の弾性力が強くなるとともに、第2係合ラッチの第2弾性変形部の弾性力が強くなり、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られ、第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。光コネクタプラグは、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部の弾性力が強いから、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチが上方へ戻り易く、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2係合部と光コネクタアダプタとを確実に係合させることにより、第1及び第2係合部を光コネクタアダプタに強固に係合させることができ、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグの連結(光接続状態)を確実に維持することができる。
請求項5に記載の光コネクタプラグは、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が軸方向へ伸長したときに、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の後端に当接しつつ、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の後端に当接することで、第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する該第1及び第2係合ラッチの係合状態が維持されるから、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
請求項6に記載の光コネクタプラグは、第1係合ラッチの前端と第1案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が0.1〜0.6mmの範囲にあり、第2係合ラッチの前端と第2案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が0.1〜0.6mmの範囲にあるから、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が軸方向へ伸長したときに、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の後端に確実に当接しつつ、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の後端に確実に当接し、第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する該第1及び第2係合ラッチの係合状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
請求項7に記載の光コネクタプラグは、アウターハウシングに対してスライダーを軸方向後方へスライドさせると、所定の押下げ機構によってスライダーが第1及び第2係合ラッチを下方へ押し下げて第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が下方へ弾性変形し、第1及び第2係合部の光コネクタアダプタに対する係合状態が解除されるから、スライダーを軸方向後方へスライドさせる操作だけで光コネクタアダプタから光コネクタプラグの第1及び第2コネクタアセンブリを引き抜くことができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を容易に解除することができる。
請求項8に記載の光コネクタプラグは、スライダーを軸方向後方へスライドさせることによってスライダーの一方の側部に作られた第1傾斜凹部が第1傾斜凸部を下方へ押し下げるとともに、スライダーの他方の側部に作られた第2傾斜凹部が第2傾斜凸部を下方へ押し下げ、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が下方へ弾性変形し、第1及び第2係合部の光コネクタアダプタに対する係合状態が解除されるから、スライダーを軸方向後方へスライドさせる操作だけで光コネクタアダプタから光コネクタプラグの第1及び第2コネクタアセンブリを引き抜くことができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を容易に解除することができる。
一例として示す二連式の光コネクタプラグ10の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る二連式の光コネクタプラグの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、二連式の光コネクタプラグ10の側面図であり、図3は、二連式の光コネクタプラグ10の分解斜視図である。図4は、第1及び第2プラグフレーム20a,20bの斜視図であり、図5は、図4のA−A線矢視断面図である。図6は、第1及び第2ストップリング21a,21bの斜視図である。図1,2では、軸方向を矢印A、径方向(横方向又は上下方向)を矢印Bで示し、周り方向を矢印Cで示す。
二連式の光コネクタプラグ10は、光ファイバコード96の端末部に取り付けられ、光コネクタアダプタ(図示せず)に接続することで光ファイバどうしの光接続に使用される。光コネクタプラグ10は、第1光コネクタアセンブリ11a及び第2光コネクタアセンブリ11bと、第1歯車12a及び第2歯車12bと、中間歯車13と、インナーハウジング14及びアウターハウシング15と、スライダー16及びカシメリング17と、ブーツ18及びパイプ28とから形成されている。光コネクタプラグ10は、図3の分解斜視図に示すように、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの軸方向後方にインナーハウジング14及びアウターハウシング15とパイプ28及びスライダー16とが並び、スライダー16の軸方向後方にカシメリング17とブーツ18とが並んでいる。
第1光コネクタアセンブリ11aは、軸方向へ延びる第1フェルール19aと、第1フェルール19aを収容する第1プラグフレーム20aと、第1プラグフレーム20aに係入する第1ストップリング21aと、第1ばね22a(コイルスプリング)とを有する。第1フェルール19aは、軸方向へ延びる第1キャピラリ23aと、軸方向へ延びる円筒状に成形された第1スリーブ24aとから形成されている。第1キャピラリ23aには、少なくとも1本の第1光ファイバ25aが保持されている。
第1キャピラリ23aは、軸方向へ長い略円柱状に成形され、その軸方向先端に第1光ファイバ25aの端面が露出する先端面26を有するとともに、先端面26の端面外径域に面取り部27を有する。尚、面取り部27の形状には、角面や丸面等の形状があるが、いずれの形状であってもよい。先端面26は、径方向へ垂直に延びる垂直な面である。面取り部27は、先端面26から軸方向後方に向かうにつれて径方向外方へ次第に傾斜している。
第1キャピラリ23aは、ジルコニア等のセラミックス材料、プラスチック材料、結晶化ガラスやホウケイ酸ガラス、石英等のガラス材料等から作られている。尚、図示の第1キャピラリ23aには、ジルコニアから作られたジルコニアキャピラリが使用されている。第1キャピラリ23aの外径は、1.2485mm〜1.2495mmである。第1キャピラリ23a(フェルール)の内部には、軸方向へ延びる光ファイバ挿入孔が形成(穿孔)されている。第1光ファイバ25aは、第1キャピラリ23aに形成された光ファイバ挿入孔に挿入されている。
第1スリーブ24aは、第1キャピラリ23a(第1フェルール19a)の軸方向後方に連結されている。第1スリーブ24aの軸方向後方には、第1光ファイバ25aの外周全域を被覆して軸方向へ延びる第1心線カバー29a(PTFEチューブ)が連結されている。第1スリーブ24aの前端には、その径が第1キャピラリ23aや第1心線カバー29aのそれよりも大きい多角筒状の第1フランジ30aが一体に成形されている。第1スリーブ24aや第1フランジ30aは、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料、又は、合成樹脂材料から作られている。第1スリーブ24aの内部には、第1キャピラリ23aを挿入保持するキャピラリ挿入孔と、第1光ファイバ25aを内蔵する第1光ファイバ心線を挿入保持する心線挿入孔とが形成(穿孔)されている。
第1キャピラリ23aの後端部が第1スリーブ24aのキャピラリ挿入孔に挿入され、第1キャピラリ23aの後端部が第1スリーブ24aのキャピラリ挿入孔に固定保持されている。第1光ファイバ心線の一端部が第1スリーブ24aの心線挿入孔に挿入され、第1光ファイバ心線の一端部が第1スリーブ24aの心線挿入孔に固定保持されている。尚、第1スリーブ24aの軸方向の断面形状は図示の円筒状に限定されず、軸方向へ長い角筒状であってもよい。
第1プラグフレーム20aは、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。第1プラグフレーム20aは、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる略矩形の頂壁31及び底壁32と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる略矩形の両側壁33,34とを有する。第1プラグフレーム20aの頂壁31の軸方向前方には、頂壁31の上面35から上方へ凸となる第1案内凸部36aが形成されている。
第1プラグフレーム20aの軸方向後方における各壁31〜34には、インナーハウジング14の後記する第1開口55aの開口端に当接する第1フランジ37aが形成されている。第1フランジ37aは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第1プラグフレーム20aを囲繞している。第1プラグフレーム20aの第1フランジ37aの軸方向後方における側壁31〜34には、インナーハウジング14の第1開口55aの直後に形成された後記する第1係入凸部57aが係入する第1係入凹部38aが形成されている。第1係入凹部38aは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第1プラグフレーム20aを囲繞している。
第1プラグフレーム20aの内部には、それら各壁31〜34に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース39が形成され、第1キャピラリ23aの先端部が露出する前端露出口40が開口しているとともに、第1フェルール19aを挿入する後端挿入口41が開口している。第1プラグフレーム20aの前端露出口40の軸方向後方には、第1プラグフレーム20a(フェルール収容スペース39を囲繞するそれら壁31〜34)の内周面から径方向内方へ当接部42が延びている。当接部42には、第1スリーブ24aの第1フランジ30aが当接する。第1スリーブ24aの第1フランジ30aが当接部42に当接することで、第1プラグフレーム20aに対する第1スリーブ24aの軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。第1プラグフレーム20aの内周面には、後端挿入口41から軸方向前方へ延びる一対のガイド凹部43が形成されている。
第1ストップリング21aは、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。第1ストップリング21aは、軸方向前方に位置する前端部44(前端筒部)と、軸方向前方に位置する後端部46(後端筒部)と、前端部44及び後端部46の間に延びる中間部45(中間筒部)とを有する。第1ストップリング21aの前端部44には、第1光ファイバ心線が露出する心線露出口47が開口し、後端部46には、第1光ファイバ心線を挿入する心線挿入口48が開口している。第1ストップリング21aの前端部44及び中間部45の外周面には、軸方向へ延びる一対のガイド凸部49が形成されている。ガイド凸部49は、第1プラグフレーム20aの内周面に形成されたガイド凹部43に嵌合する。
第1プラグフレーム20aの内部に第1ストップリング21aを挿入するには、第1プラグフレーム20aの後端挿入口41から第1ストップリング21aの前端部44を圧入し、第1プラグフレーム20aのフェルール収容スペース39(内部)において第1ストップリング21aを圧入下に軸方向前方へ移動させる。第1ストップリング21aを第1プラグフレーム20aのフェルール収容スペース39に収容(圧入)するときに、第1ストップリング21aのガイド凸部49を第1プラグフレーム20aのガイド凹部43に合わせ、ガイド凸部49をガイド凹部43に挿入し、第1プラグフレーム20aに対する第1ストップリング21aの位置決めをする。第1ストップリング21aの前端部44及び中間部45を第1プラグフレーム20aのフェルール収容スペース39(内部)に圧入することで、第1ストップリング21aが第1プラグフレーム20aに連結固定される。
第1ばね22aは、第1フェルール19aと第1ストップリング21aとの間に設置され、第1心線カバー29aに挿通されて軸方向へ延びている。第1ばね22aは、その前端が第1スリーブ24aの第1フランジ30aに当接し、その後端が第1ストップリング21aの前端部44に当接している。第1ばね22aは、軸方向への弾性力によって第1フェルール19aを軸方向前方へ付勢する。
第1歯車12aは、第1ストップリング21aの後端部46に形成されて軸方向へ延びている。第1歯車12aには、第1歯車12aの径方向外方へ凸となる1つの第1回転停止凸部50a(回転角度規制手段)が形成されている。第1回転停止凸部50aは、その高さが第1歯車12aの各歯の歯たけ(歯高さ)よりも大きく、第1歯車12aの各歯よりも径方向外方へ突出している。第1回転停止凸部50aは、インナーハウジング14の第1開口55aの軸方向後方に形成された後記する第1回転規制凸部58aに対向する位置に作られている。
第2光コネクタアセンブリ11bは、第1光コネクタアセンブリ11aに隣接し、第1光コネクタアセンブリ11aに並行して軸方向へ延びている。第2光コネクタアセンブリ11bは、軸方向へ延びる第2フェルール19bと、第2フェルール19bを収容する第2プラグフレーム20bと、第2プラグフレーム20bに係入する第2ストップリング21bと、第2ばね22b(コイルスプリング)とを有する。第2フェルール19bは、軸方向へ延びる第2キャピラリ23bと、軸方向へ延びる円筒状に成形された第2スリーブ24bとから形成されている。第2キャピラリ23bには、少なくとも1本の第2光ファイバ25bが保持されている。
第2キャピラリ23bは、第1キャピラリ23aの横方向に隣接し、第1キャピラリ23aに並行して軸方向へ延びている。第2キャピラリ23bは、軸方向へ長い略円柱状に成形され、その軸方向先端に第2光ファイバ25bの端面が露出する先端面26を有するとともに、先端面26の端面外径域に面取り部27を有する。先端面26は、径方向へ垂直に延びる垂直の面であり、面取り部27の形状は、第1キャピラリ23aのそれと同一である。第2キャピラリ23b(フェルール)の内部には、軸方向へ延びる光ファイバ挿入孔が形成(穿孔)されている。第2光ファイバ25bは、第2キャピラリ23bに形成された光ファイバ挿入孔に挿入されている。第2キャピラリ23bの材質や外径は、第1キャピラリ23aのそれらと同一である。
第2スリーブ24bは、第2キャピラリ23b(第2フェルール19b)の軸方向後方に連結されている。第2スリーブ24bの軸方向後方には、第2光ファイバ25bの外周全域を被覆して軸方向へ延びる第2心線カバー29b(PTFEチューブ)が連結されている。第2心線カバー29bは、第1心線カバー29aの横方向に隣接し、第1心線カバー29aに並行して軸方向へ延びている。
第2スリーブ24bの前端には、その径が第2キャピラリ23bや第2心線カバー29bのそれよりも大きい多角筒状の第2フランジ30bが一体に成形されている。第2フランジ30bは、第1フランジ30aの横方向に隣接している。第2スリーブ24bや第2フランジ30bは、第1スリーブ24aや第1フランジ30aと同様に、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料、又は、合成樹脂材料から作られている。第2スリーブ24bの内部には、第2キャピラリ23bを挿入保持するキャピラリ挿入孔と、第2光ファイバ25bを内蔵する第2光ファイバ心線を挿入保持する心線挿入孔とが形成(穿孔)されている。
第2キャピラリ23bの後端部が第2スリーブ24bのキャピラリ挿入孔に挿入され、第2キャピラリ23bの後端部が第2スリーブ24bのキャピラリ挿入孔に固定保持されている。第2光ファイバ心線の一端部が第2スリーブ24bの心線挿入孔32に挿入され、第2光ファイバ心線の一端部が第2スリーブ24bの心線挿入孔に固定保持されている。尚、第2スリーブ24bの軸方向の断面形状は図示の円筒状に限定されず、軸方向へ長い角筒状であってもよい。
第2プラグフレーム20bは、第1プラグフレーム20aの横方向に隣接し、第1プラグフレーム20aに並行して軸方向へ延びている。第2プラグフレーム20bは、第1プラグフレーム20aと同様に、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。第2プラグフレーム20bは、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁31及び底壁32と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁33,34とを有する。第2プラグフレーム20bの頂壁31の軸方向前方には、頂壁31の上面35から上方へ凸となる第2案内凸部36bが形成されている。尚、第1プラグフレーム20aの頂壁31に形成された第1案内凸部36aや第2プラグフレーム20bの頂壁31に形成された第2案内凸部36bは、光コネクタプラグ10の第1及び第2プラグフレーム20a,20bを光コネクタアダプタに挿入するときのガイドになる。
第2プラグフレーム20bの軸方向後方における各壁31〜34には、インナーハウジング14の後記する第2開口55bの開口端に当接する第2フランジ37bが形成されている。第2フランジ37bは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第2プラグフレーム20bを囲繞している。第2プラグフレーム20bの第2フランジ37bの軸方向後方における側壁31〜34には、インナーハウジング14の第2開口55bの直後に形成された後記する第2係入凸部57bが係入する第2係入凹部38bが形成されている。第2係入凹部38bは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第2プラグフレーム20bを囲繞している。
第2プラグフレーム20bの内部には、それら壁31〜34に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース39が形成され、第2キャピラリ23bの先端部が露出する前端露出口40が開口しているとともに、第2フェルール19bを挿入する後端挿入口41が開口している。第2プラグフレーム20bの前端露出口40の軸方向後方には、第2プラグフレーム20b(フェルール収容スペース39を囲繞するそれら壁31〜34)の内周面から径方向内方へ当接部42が延びている。当接部42には、第2スリーブ24bの第2フランジ30bが当接する。第2スリーブ24bの第2フランジ30bが当接部42に当接することで、第2プラグフレーム20bに対する第2スリーブ24bの軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。第2プラグフレーム20bの内周面には、後端挿入口41から軸方向前方へ延びる一対のガイド凹部43が形成されている。
第2ストップリング21bは、第1ストップリング21aの横方向に隣接し、第1ストップリング21aに並行して軸方向へ延びている。第2ストップリング21bは、第1ストップリング21aと同様に、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されている。第2ストップリング21bは、軸方向前方に位置する前端部44(前端筒部)と、軸方向前方に位置する後端部46(後端筒部)と、前端部44及び後端部46の間に延びる中間部45(中間筒部)とを有する。第2ストップリング21bの前端部44には、第2光ファイバ心線が露出する心線露出口47が開口し、後端部46には、第2光ファイバ心線を挿入する心線挿入口48が開口している。第2ストップリング21bの前端部44及び中間部45の外周面には、軸方向へ延びる一対のガイド凸部49が形成されている。ガイド凸部49は、第2プラグフレーム20bの内周面に形成されたガイド凹部43に嵌合する。
第2プラグフレーム20bの内部に第2ストップリング21bを挿入するには、第2プラグフレーム20bの後端挿入口41から第2ストップリング21bの前端部44を圧入し、第2プラグフレーム20bのフェルール収容スペース39(内部)において第2ストップリング21bを圧入下に軸方向前方へ移動させる。第2ストップリング21bを第2プラグフレーム20bのフェルール収容スペース39に収容(圧入)するときに、第2ストップリング21bのガイド凸部49を第2プラグフレーム20bのガイド凹部43に合わせ、ガイド凸部49をガイド凹部43に挿入し、第2プラグフレーム20bに対する第2ストップリング21bの位置決めをする。第2ストップリング21bの前端部44及び中間部45を第2プラグフレーム20bのフェルール収容スペース39(内部)に圧入することで、第2ストップリング21bが第2プラグフレーム20bに連結固定される。
第2ばね22bは、第2フェルール19bと第2ストップリング21bとの間に設置され、第2心線カバー29bに挿通されている。第2ばね22bは、第1ばね22aの横方向に隣接し、第1ばね22aに並行して軸方向へ延びている。第2ばね22bは、その前端が第2スリーブ24bの第2フランジ30bに当接し、その後端が第2ストップリング21bの前端部44に当接している。第2ばね22bは、軸方向への弾性力によって第2フェルール19bを軸方向前方へ付勢する。
第2歯車12bは、第2ストップリング21bの後端部46に形成されて軸方向へ延びている。第2歯車12bには、第2歯車12bの径方向外方へ凸となる1つの第2回転停止凸部50b(回転角度規制手段)が形成されている。第2回転停止凸部50bは、その高さが第2歯車12bの各歯の歯たけ(歯高さ)よりも長く、第2歯車12bの各歯よりも径方向外方へ突出している。第2回転停止凸部50bは、インナーハウジング14の第2開口55bの軸方向後方に形成された後記する第2回転規制凸部58bに対向する位置に作られている。
中間歯車13は、第1歯車12aと第2歯車12bとの間に介在して軸方向へ延びている。中間歯車13は、第1及び第2歯車12a,12bに外接し、第1及び第2歯車12a,12bのうちの一方の歯車の回転力を他方の歯車に伝達しつつ他方の歯車を一方の歯車と同一の方向へ回転させる。尚、第1歯車12aと第2歯車12bと中間歯車13との歯車比は1である。従って、第1歯車12aが時計回り方向へ1回転すると、中間歯車13が反時計回り方向へ1回転するとともに、第2歯車12bが時計回り方向へ1回転する。逆に、第1歯車12aが反時計回り方向へ1回転すると、中間歯車13が時計回り方向へ1回転するとともに、第2歯車12bが反時計回り方向へ1回転する。
図7は、2つに分離した状態で示すインナーハウジング14の斜視図であり、図8は、インナーハウジング14の外面図である。インナーハウジング14は、合成樹脂材料から作られて中空に成形されている。インナーハウジング14は、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁51及び底壁52と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁53,54とを有し、その前端に開口して第1ストップリング21aを挿通する第1開口55aと、その前端に開口して第2ストップリング21bを挿通する第2開口55bとを有する。
インナーハウジング14の軸方向後方には、パイプ28を嵌め込む筒部56が一体に連結されている。第1開口55aの直後におけるインナーハウジング14の内部には、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第1係入凸部57aが形成されている。第2開口55bの直後におけるインナーハウジング14の内部には、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第2係入凸部57bが形成されている。
第1開口55aの軸方向後方におけるインナーハウジング14の内部には、図7に示すように、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第1回転規制凸部58a(回転角度規制手段)が形成されている。第2開口55bの軸方向後方におけるインナーハウジング14の内部には、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第2回転規制凸部58b(回転角度規制手段)が形成されている。
インナーハウジング14の内部には、それら壁51〜54及び仕切壁59に囲繞された第1歯車収容部60と、それら壁51〜54及び仕切壁59に囲繞された第2歯車収容部61と、仕切壁59に囲繞されて第1及び第2歯車収容部60,61の間に位置する中間歯車収容部62とが形成されている。第1歯車収容部60には、第1ストップリング21aの後端部46に形成された第1歯車12aが回転可能に収容(配置)され、第2歯車収容部61には、第2ストップリング21bの後端部46に形成された第2歯車12bが回転可能に収容(配置)される。中間歯車収容部62には、中間歯車13が回転可能に収容(配置)される。インナーハウジング14の中間歯車収容部62の軸方向後方(直後)には、インナーハウジング14の頂壁51及び底壁52を貫通する嵌合孔63と、嵌合孔63に嵌合する嵌合爪64とが形成されている。嵌合爪64は、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ延びている。
インナーハウジング14の頂壁51における一方の側部及び他方の側部には、図8に示すように、互いに並行して軸方向へ延びる一対の第1ガイド溝65aと、第1ガイド溝65aの上面から上方へ凸となる一対の第1凸部66aと、第1ガイド溝66aの上面から下方へ凹む一対の第1凹部67aとが形成されている。第1凸部66aは、第1ガイド溝65aに繋がって第1ガイド溝65aの軸方向前方に形成され、第1凹部67aは、第1凸部66aに繋がって第1凸部66aの軸方向の直前に形成されている。
インナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部には、互いに並行して軸方向へ延びる一対の第2ガイド溝65bと、第2ガイド溝65bの下面から下方へ凸となる一対の第2凸部66bと、第2ガイド溝65bの下面から上方へ凹む一対の第2凹部67bとが形成されている。第2凸部66bは、第2ガイド溝65bに繋がって第2ガイド溝65bの軸方向前方に形成され、第2凹部67bは、第2凸部66bに繋がって第2凸部66bの軸方向の直前に形成されている。インナーハウジング14の両側壁53,54には、両側壁53,54から幅方向外方へ凸となって軸方向へ延びるガイド凸部68が形成されている。
インナーハウジング14では、第1及び第2歯車12a,12bと中間歯車13とが第1及び第2歯車収容部60,61と中間歯車収容部62とに収容されることで、それら歯車12a,12b,13が横方向に並びつつ、第1歯車12aと中間歯車13とが外接し、第2歯車12bと中間歯車13とが外接する。インナーハウジング14は、上下方向へ2つに分離(分割)された外形が同形同大の各インナーハウジング14を連結することから作られている。各インナーハウジング14を連結すると、下方のインナーハウジング14に形成された嵌合爪64が上方のインナーハウジング14に形成された嵌合孔63に嵌合するとともに、上方のインナーハウジング14に形成された嵌合爪64が下方のインナーハウジング14に形成された嵌合孔63に嵌合し、それら各インナーハウジング14が固定されて一体になる。
第1プラグフレーム20aの第1フランジ37aの軸方向後方における側壁31〜34に形成された第1係入凹部38aがインナーハウジング14の内部に形成された第1係入凸部57aに係入しつつ、第1プラグフレーム20aがインナーハウジング14に対して回転可能に連結(接続)される。第2プラグフレーム20bの第2フランジ37bの軸方向後方における側壁31〜34に形成された第2係入凹部38bがインナーハウジング14の内部に形成された第2係入凸部57bに係入しつつ、第2プラグフレーム20bがインナーハウジング14に対して回転可能に連結(接続)される。パイプ28は、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料から作られ、カシメリング17に連結されるとともに、インナーハウジング14の筒部56に連結される。
図9は、アウターハウシング15の斜視図であり、図10は、アウターハウシング15の正面図である。アウターハウシング15は、合成樹脂材料から作られ、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁69及び略矩形の底壁70と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる略矩形の両側壁71,72とを有する。アウターハウシング15は、その前端に開口する前端開口73と、その後端に開口する後端開口74と、頂壁69に連結された一対の弾性変形可能な第1係合ラッチ75a及び弾性変形可能な第2係合ラッチ75bとを有する。
アウターハウシング15の頂壁69の前端部における幅方向中央には、軸方向へ延びる係入キー76が形成されている。係入キー76は、アウターハウシング15の頂壁69の上面から上方へ延出している。アウターハウシング15の底壁70の一方の側部及び他方の側部における前後方向中央には、底壁70の内面から頂壁69に向かって上方へ凸となる一対の係合凸部77が形成されている。アウターハウシング15の両側壁71,72には、側壁71,72の内面から幅方向外方へ凹む一対のガイド凹部78が形成されている。それらガイド凹部78は、アウターハウシング15の前端開口73から後端開口74に向かって軸方向へ延びている。
第1及び第2係合ラッチ75a,75bは、幅方向へ所定寸法離間対向し、互いに並行して軸方向へ直状に延びている。第1係合ラッチ75aは、アウターハウシング15の頂壁69の一方の側部に位置している。第1係合ラッチ75aは、アウターハウシング15の頂壁69の一方の側部の後半分に連結されてアウターハウシング15と一体になった第1連結部79aと、第1連結部79aに繋がって第1連結部79aから軸方向前方へ延びる第1弾性変形部80aとから形成されている。第1係合ラッチ75aは、その前端に形成された第1当接凸部81aと、第1当接凸部81aの軸方向後方に形成されて幅方向へ張り出す第1係合部82aとを有する。
第1弾性変形部80aは、可撓性を有し、上下方向へ弾性変形する。第1弾性変形部80aは、第1連結部79aに繋がって第1連結部79aから軸方向前方へ水平に延びる第1水平部分83aと、第1水平部分83aに繋がって第1水平部分83aから軸方向前方へ延びる第1傾斜部分84aとを有する。第1弾性変形部80aの第1水平部分83aは、その後半分がアウターハウシング15の頂壁69の上方へ離間してアウターハウシング15の頂壁69と並行し、その前半分がアウターハウシング15の前端開口73から軸方向前方へ延出している。第1弾性変形部80aの第1傾斜部分84aは、軸方向前方に向かうにつれて第1プラグフレーム20aの頂壁31に次第に近づくように、下り勾配に傾斜している。第1係合部82aの軸方向後方に延びる第1係合ラッチ75aの第1水平部分83aには、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面85を備えた第1傾斜凸部86a(押下げ機構)が形成されている。
第1傾斜部分84aは、その厚み寸法が第1水平部分83aの厚み寸法よりも小さく、その弾性力が第1水平部分83aの弾性力よりも弱い。第1当接凸部81aは、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端から第1プラグフレーム20aの頂壁31に向かって下方へ延出し、第1プラグフレーム20aの頂壁31の軸方向前方に位置する前端部に当接している。第1係合部82aは、アウターハウシング15の前端開口73から軸方向前方へ延出する第1水平部分83aの前半分の前方に位置し、第1コネクタアセンブリ11aを光コネクタアダプタに挿入したときに光コネクタアダプタに係合する。
第2係合ラッチ75bは、アウターハウシング15の頂壁69の他方の側部に位置している。第2係合ラッチ75bは、アウターハウシング15の頂壁69の他方の側部の後半分に連結されてアウターハウシング15と一体になった第2連結部79bと、第2連結部79bに繋がって第2連結部79bから軸方向前方へ延びる第2弾性変形部80bとから形成されている。第2係合ラッチ75bは、その前端に形成された第2当接凸部81bと、第2当接凸部81bの軸方向後方に形成されて幅方向へ張り出す第2係合部82bとを有する。
第2弾性変形部80bは、可撓性を有し、上下方向へ弾性変形する。第2弾性変形部80bは、第2連結部79bに繋がって第2連結部79bから軸方向前方へ水平に延びる第2水平部分83bと、第2水平部分83bに繋がって第2水平部分83bから軸方向前方へ延びる第2傾斜部分84bとを有する。第2弾性変形部80bの第2水平部分83bは、その後半分がアウターハウシング15の頂壁69の上方へ離間してアウターハウシング15の頂壁69と並行し、その前半分がアウターハウシング15の前端開口73から軸方向前方へ延出している。第2弾性変形部80bの第2傾斜部分84bは、軸方向前方に向かうにつれて第2プラグフレーム20bの頂壁31に次第に近づくように、下り勾配に傾斜している。第2係合部82bの軸方向後方に延びる第2係合ラッチ75bの第2水平部分83bには、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面85を備えた第2傾斜凸部86b(押下げ機構)が形成されている。
第2傾斜部分84bは、その厚み寸法が第2水平部分83bの厚み寸法よりも小さく、その弾性力が第2水平部分83bの弾性力よりも弱い。第2当接凸部81bは、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端から第2プラグフレーム20bの頂壁31に向かって下方へ延出し、第2プラグフレーム20bの頂壁31の軸方向前方に位置する前端部に当接している。第2係合部82bは、アウターハウシング15の前端開口73から軸方向前方へ延出する第2水平部分83bの前半分の前方に位置し、第2コネクタアセンブリ11bを光コネクタアダプタに挿入したときに光コネクタアダプタに係合する。
アウターハウシング15は、その頂壁69にインナーハウジング14の頂壁51を対向させるとともにその底壁70にインナーハウジング14の底壁52を対向させた状態で、インナーハウジング14を収容することができ、逆に、その頂壁69にインナーハウジング14の底壁52を対向させるとともにその底壁70にインナーハウジング14の頂壁51を対向させた状態で、インナーハウジング14を収容することができる。このように、アウターハウシング15は、インナーハウジング14を上下反転させた状態で収容することができる。
例えば、アウターハウシング15の頂壁69にインナーハウジング14の頂壁51を対向させた状態で、アウターハウシング15にインナーハウジング14を収容すると、インナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部に形成された第1及び第2ガイド溝65a,65bに、アウターハウシング15の底壁70の一方の側部及び他方の側部における前後方向中央に形成された係合凸部77が摺動可能に進入するとともに、アウターハウシング15の両側壁71,72に形成されたガイド凹部78に、インナーハウジング14の両側壁53,54に形成されたガイド凸部68が進入する。
アウターハウシング15の内部において更にインナーハウジング14を軸方向後方へ押し入れると、アウターハウシング15の係合凸部77がインナーハウジング14の第1及び第2ガイド溝65a,65bにおいて軸方向後方へ移動し、インナーハウジング14のガイド凸部68がアウターハウシング15のガイド凹部78において軸方向後方へ移動し、アウターハウシング15の係合凸部77がインナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部に形成された第1及び第2凸部66a,66bを乗り越え、アウターハウシング15の係合凸部77がインナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部に形成された第1及び第2凹部67a,67bに係入し、インナーハウジング14がアウターハウシング15の内部に連結固定される。
図11は、上方から見たスライダー16の斜視図であり、図12は、下方から見たスライダー16の斜視図である。図13は、図11のB−B線矢視断面図である。スライダー16は、アウターハウシング15に対して軸方向へスライド可能に連結される。スライダー16は、合成樹脂材料から作られ、アウターハウシング15の後端開口74の後方に配置されるフレーム87と、フレーム87の頂部から軸方向前方に延びる摺動頂壁88(摺動プレート)とから形成されている。
摺動頂壁88には、その一方の側縁から下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第1外側ガイド壁89aと、第1外側ガイド壁89aの幅方向内方に位置して摺動頂壁88の幅方向中央において下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第1内側ガイド壁90aと、その他方の側縁から下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第2外側ガイド壁89bと、第2外側ガイド壁89bの幅方向内方に位置して摺動頂壁88の幅方向中央において下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第2内側ガイド壁90bとが形成されている。
摺動頂壁88の一方の側部には、第1外側ガイド壁89aと第1内側ガイド壁90aとの間において軸方向へ延びていて第1係合ラッチ75aの第1連結部79aと第1弾性変形部80aの後半分とが進入する第1進入路91aが形成されている。摺動頂壁88の他方の側部には、第2外側ガイド壁89bと第2内側ガイド壁90bとの間において軸方向へ延びていて第2係合ラッチ75bの第2連結部79bと第2弾性変形部80bの後半分とが進入する第2進入路91bが形成されている。
スライダー16の一方の側部における第1進入路91aの前方には、スライダー16の上面に向かって凹む第1傾斜凹部92a(押下げ機構)を備えた第1貫通孔93aが形成(穿孔)されている。第1傾斜凹部92aは、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面94を有する。第1貫通孔93aには、第1係合ラッチ75aの第1水平部分83aに形成された第1傾斜凸部86aが進入し、第1傾斜凹部92aの斜面94に第1傾斜凸部86aの斜面85が摺動可能に当接する。
スライダー16の他方の側部における第2進入路91bの前方には、スライダー16の上面に向かって凹む第2傾斜凹部92b(押下げ機構)を備えた第2貫通孔93bが形成(穿孔)されている。第2傾斜凹部92bは、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面94を有する。第2貫通孔93bには、第2係合ラッチ75bの第2水平部分83bに形成された第2傾斜凸部86bが進入し、第2傾斜凹部92bの斜面94に第2傾斜凸部86bの斜面85が摺動可能に当接する。摺動頂壁88の幅方向中央における第1内側ガイド壁90aと第2内側ガイド壁90bとの間には、アウターハウシング15の頂壁69の前端部における幅方向中央に形成された係入キー76が係入するキー係入部95が形成されている。
アウターハウシング15の係入キー76をスライダー16のキー係入部95に係入することで、スライダー16をアウターハウシング15に連結(接続)する。スライダー16がアウターハウシング15に連結された状態では、スライダー16のフレーム87がアウターハウシング15の後端開口74の軸方向後方(直後)に位置し、スライダー16の第1進入路91aに第1係合ラッチ75aの第1連結部79aと第1弾性変形部80aの後半分とが進入するとともに、スライダー16の第2進入路91bに第2係合ラッチ75bの第2連結部79bと第2弾性変形部80bの後半分とが進入する。
更に、スライダー16の第1貫通孔93aに第1係合ラッチ75aの第1水平部分83aに形成された第1傾斜凸部86aが進入して第1貫通孔93aの第1傾斜凹部92aの斜面94に第1傾斜凸部86aの斜面85が摺動可能に当接し、スライダー16の第2貫通孔93bに第2係合ラッチ75bの第2水平部分83bに形成された第2傾斜凸部86bが進入して第2貫通孔93bの第2傾斜凹部92bの斜面94に第2傾斜凸部86bの斜面85が摺動可能に当接する。スライダー16は、アウターハウジング15の頂壁69の上面において、第1及び第2傾斜凹部92a,92bの軸方向の長さ寸法だけ軸方向前方と後方とへ摺動(スライド)する。
カシメリング17は、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。パイプ28は、インナーハウジング14の軸方向後方に位置する筒部56に挿通されている。ブーツ18は、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。ブーツ18は、その内周面とカシメリング17の前端部の外周面とが密着するように、カシメリング17及びパイプ28を介してインナーハウジング14の筒部56に嵌め込まれている。尚、第1光ファイバ25aを内蔵した第1光ファイバ心線と第2光ファイバ25bを内蔵した第2光ファイバ心線とがインナーハウジング14において1つに纏まって光ファイバコード96となり、その光ファイバコード96がカシメリング17及びブーツ18に挿通されてブーツ18の後端から軸方向後方へ延出している。
光コネクタプラグ10では、インナーハウジング14の第1開口55aの軸方向後方に形成された第1回転規制凸部58a(回転角度規制手段)に第1歯車12aに形成された第1回転停止凸部50a(回転角度規制手段)が当接することで、第1光コネクタアセンブリ11a(第1ストップリング21a)の回転が阻止される。インナーハウジング14の第2開口55bの軸方向後方に形成された第2回転規制凸部58b(回転角度規制手段)に第2歯車12bに形成された第2回転停止凸部50b(回転角度規制手段)が当接することで、第2光コネクタアセンブリ11b(第2ストップリング21b)の回転が阻止される。
第1回転停止凸部50aや第2回転停止凸部50bの第1及び第2歯車12a,12bにおける形成範囲(形成位置)、又は、第1回転規制凸部58aや第2回転規制凸部58bのインナーハウジング14における形成範囲(形成位置)によって第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11b(第1及び第2ストップリング21a,21b)の回転角度(回転範囲)が決まるが、光コネクタプラグ10では、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの回転始点から回転終点までの回転範囲が半回転(回転角度が180度)に規制(設定)されている。
組み立てられた二連式の光コネクタプラグ10では、図1,2に示すように、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1プラグフレーム20aの頂壁31の前端部に形成された第1案内凸部36aの後端の直後に位置しつつ、第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの後端の直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2プラグフレーム20bの頂壁31の前端部に形成された第2案内凸部36bの後端の直後に位置しつつ、第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの後端の直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接している。
二連式の光コネクタプラグ10では、第1係合ラッチ75aの第1連結部79aがアウターハウシング15の頂壁69に連結され、第1係合ラッチ75aの第1当接凸部81aが第1プラグフレーム20aの第1案内凸部36aの後端の直後に延びる頂壁31の上面35に当接することで、第1係合ラッチ75aの第1弾性変形部80aが第1プラグフレーム20aの頂壁31の上方へ離間する場合と比較し、第1弾性変形部80a(第1水平部分83aび第1傾斜部分84a)の上下方向の弾性力が強くなっている。
第2係合ラッチ75bの第2連結部79bがアウターハウシング15の頂壁69に連結され、第2係合ラッチ75bの第2当接凸部81bが第2プラグフレーム20bの第2案内凸部36bの後端の直後に延びる頂壁31の上面35に当接することで、第2係合ラッチ75bの第2弾性変形部80bが第2プラグフレーム20bの頂壁31の上方へ離間する場合と比較し、第2弾性変形部80b(第2水平部分83b及び第2傾斜部分84b)の上下方向の弾性力が強くなっている。
二連式の光コネクタプラグ10では、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタ(図示せず)に挿入し、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタの内部に押し入れると、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ弾性変形しつつ、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bが光コネクタアダプタの係合部に係合し、光コネクタプラグ10が光コネクタアダプタに連結されて光接続状態になる。アウターハウシング15に対してスライダー16を軸方向後方へスライドさせる前の状態では、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ押し下げられることはなく、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11b(第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82b)の光コネクタアダプタに対する係合状態が維持される。
アウターハウシング15に対してスライダー16を軸方向後方へスライドさせると、スライダー16の第1貫通孔93aの第1傾斜凹部92a(押下げ機構)の斜面94が第1係合ラッチ75aの第1傾斜凸部86a(押下げ機構)の斜面85を下方へ押圧して第1傾斜凹部92aが第1傾斜凸部86aを下方へ押し下げ、それによって第1係合ラッチ78aの第1弾性変形部80aが下方へ押し下げられるとともに、スライダー16の第2貫通孔93bの第2傾斜凹部92b(押下げ機構)の斜面94が第2係合ラッチ75bの第2傾斜凸部86b(押下げ機構)の斜面85を下方へ押圧して第2傾斜凹部92bが第2傾斜凸部86bを下方へ押し下げ、それによって第2係合ラッチ75bの第2弾性変形部80bが下方へ押し下げられる。
第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ押し下げられると、それによって光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合が解除され、光コネクタアダプタから第1及び第2コネクタセンブリ11a,11bを引き抜くことができ、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプとの連結(光接続)が解除される。
図14は、光コネクタプラグ10に大きな引っ張り荷重が作用した場合の光コネクタプラグ10の側面図である。二連式の光コネクタプラグ10では、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11b(第1及び第2係合ラッチ75a,75b)を光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が強く引っ張られて第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向(軸方向後方)への大きな引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが軸方向へ弾性変形して伸長したときに、図14に示すように、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接しつつ、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接する(75b,84b,36bは図14に図示せず)。
それにより、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合が解除されることはなく、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10(第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82b)の連結状態(係合状態)が維持される。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が強く引っ張られて第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向の大きな引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが軸方向へ弾性変形して伸長したときに、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接しつつ、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接することで、第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する該第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合状態が維持されるから、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端と第1案内凸部36aの後端との軸方向の離間寸法は、0.1〜0.6mmの範囲にあり、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端と第2案内凸部36bの後端との軸方向の離間寸法は、0.1〜0.6mmの範囲にある。第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端と第1案内凸部36aの後端との軸方向の離間寸法が0.6mmを超過するとともに、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端と第2案内凸部36bの後端との軸方向の離間寸法が0.6mmを超過すると、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が引っ張られて第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向(軸方向後方)への引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが軸方向へ弾性変形して伸長したときに、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接せず、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接せず、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ弾性変形し、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合状態が不用意に解除されてしまう場合がある。
第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端と第1案内凸部36aの後端との軸方向の離間寸法が0.1mm未満であって、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端と第2案内凸部36bの後端との軸方向の離間寸法が0.1mm未満では、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10の連結時又は光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10の連結解除時において、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ弾性変形したときに、わずかな弾性変形で第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接し、第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対して第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bをスムーズに係合させることができないとともに、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合をスムーズに解除することができず、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとをスムーズに連結(光接続)することができない場合があるとともに、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結(光接続)をスムーズに解除することができない場合がある。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの直後に位置しつつ、第1係合ラッチ75aの前端に形成された第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの直後に位置しつつ、第2係合ラッチ75bの前端に形成された第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接することで、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの前端部が第1及び第2プラグフレーム20a,20bの頂壁31の前端部から上方へ離間する場合と比較し、第1係合ラッチ75aの第1弾性変形部80aの弾性力が強くなるとともに、第2係合ラッチ75bの第2弾性変形部80bの弾性力が強くなり、更に、第1及び第2弾性変形部80a,80bの第1及び第2水平部分83a,83bの厚み寸法が第1及び第2傾斜部分84a,84bの厚み寸法よりも大きく、第1及び第2水平部分83a,83bの弾性力が第1及び第2傾斜部分84a,84bの弾性力よりも強いから、光コネクタアダプタとの連結状態(光接続状態)において光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が引っ張られ、第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bの弾性力が強いから、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが上方へ戻り易く、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bと光コネクタアダプタとを確実に係合させることにより、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bを光コネクタアダプタに強固に係合させることができ、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10の連結(光接続状態)を確実に維持することができる。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1及び第2弾性変形部80a,80bの第1及び第2傾斜部分84a,84bの厚み寸法が第1及び第2水平部分83a,83bの厚み寸法よりも小さく、第1及び第2傾斜部分84a,84bの弾性力が第1及び第2水平部分83a,83bの弾性力よりも弱いから、第1弾性変形部80aのうちの第1傾斜部分84aが第1水平部分83aよりも容易に弾性変形し、第2弾性変形部80bのうちの第2傾斜部分84bが第2水平部分83bよりも容易に弾性変形し、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタに挿入したときに、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bを光コネクタアダプタにスムーズに係合させることができ、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタにスムーズに連結させることができる。
図15は、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを回転させる手順を説明する斜視図であり、図16は、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを半回転(180度)回転させた後の斜視図である。二連式の光コネクタプラグ10の第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを回転させる手順(極性変換手順)を説明すると、以下のとおりである。
インナーハウジング14とアウターハウシング15とが連結(接続)された状態から、ブーツ18を軸方向前方へ押し出すと、アウターハウシング15の底壁70に形成された係合凸部77がインナーハウジング14の底壁52に形成された第1及び第2凹部67a,67bから第1及び第2凸部66a,66bを乗り越えて第1及び第2ガイド溝65a,65bに進入し、インナーハウジング14とアウターハウシング15との連結(固定)が解除され、図15に示すように、インナーハウジング14がアウターハウシング15から軸方向前方へ引き出される。インナーハウジング14をアウターハウシング15から引き出した後、例えば、図15に矢印C1で示すように、第1光コネクタアセンブリ11a(一方の光コネクタアセンブリ)を時計回り方向へ回転させる。
光コネクタプラグ10では、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bのうちの第1光コネクタアセンブリ11a(一方の光コネクタアセンブリ)がその軸を中心に時計回り方向へ回転すると、第1歯車12a(一方の歯車)が時計回り方向へ回転し、第1歯車12aの回転によって中間歯車13が反時計回り方向へ回転する。中間歯車13によって第1歯車12aの回転力(回転)が第2歯車12b(他方の歯車)に伝達され、第1歯車12aに連動して第2歯車12bがその軸を中心に第1歯車12aと同一の時計回り方向(同一方向)へ回転し、それによって第2光コネクタアセンブリ11bが時計回り方向へ回転する。
それら歯車12a,12b,13の歯車比が1であるから、第1光コネクタアセンブリ11aを時計回り方向へ回転させたときに、第2光コネクタアセンブリ11b(他方の光コネクタアセンブリ)が第1光コネクタアセンブリ11aと同一の回転角度で時計回り方向へ回転する。尚、第2光コネクタアセンブリ11b(一方の光コネクタアセンブリ)を時計回り方向へ回転させると、第1光コネクタアセンブリ11a(他方の光コネクタアセンブリ)が第2光コネクタアセンブリ11bと同一の回転角度で時計回り方向へ回転する。
第1及び第2歯車収容部60,61に回転可能に収容された第1及び第2歯車12a,12bの回転力が第1及び第2歯車12a,12bの一方の歯車12a,12bから中間歯車収容部62に回転可能に収容された中間歯車13を介して他方の歯車12a,12bに伝達されるから、それら歯車12a,12b,13を利用することで、他方の光コネクタアセンブリ11a,11bを一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の方向へ同時に回転させることができる。
又、それら歯車12a,12b,13の歯車比が1であるから、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bのうちの一方の光コネクタアセンブリ11a,11bが回転したときに、他方の光コネクタアセンブリ11a,11bが一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の回転角度で回転し、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの回転始点から回転終点までの回転範囲を同一にすることができ、一方の光コネクタアセンブリ11a,11bを回転させることで他方の光コネクタアセンブリ11a,11bを一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の位置まで回転させることができる。
図15の状態から第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを時計回り方向へ半回転(180度)回転(回転始点から回転終点まで半回転回転)させると、インナーハウジング14の第1開口55aの軸方向後方に形成された第1回転規制凸部58a(回転角度規制手段)に第1歯車12aに形成された第1回転停止凸部50a(回転角度規制手段)が当接するとともに、インナーハウジング14の第2開口55bの軸方向後方に形成された第2回転規制凸部58b(回転角度規制手段)に第2歯車12bに形成された第2回転停止凸部50b(回転角度規制手段)が当接し、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの時計回り方向への回転が停止する。
第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを時計回り方向へ半回転(180度)回転させた後、図15に矢印C2で示すように、アウターハウシング15(スライダー16を含む)を時計回り方向(又は、反時計回り方向)へ半回転(180度)回転させる。アウターハウシング15を半回転(180度)回転させると、アウターハウシング15の頂壁69がインナーハウジング14の底壁52の側に位置し、アウターハウシング15の底壁70がインナーハウジング14の頂壁51の側に位置する。
次に、アウターハウシング15の頂壁69にインナーハウジング14の底壁52が対向するとともにアウターハウシング15の底壁70にインナーハウジング14の頂壁51が対向した状態で、アウターハウシング15をインナーハウジング14に向かって前後方向前方へ移動させ、インナーハウジング14をアウターハウシング15の内部に収容し(押し入れ)、既述のように、インナーハウジング14の頂壁51に形成された第1及び第2凹部67a,67bにアウターハウシング15の底壁70に形成された係合凸部77を係入させ、インナーハウジング14とアウターハウシング15とを連結(接続)する。図1の状態から第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを時計回り方向へ同時に半回転(180度)回転させて図16の状態にすることで、二連式の光コネクタプラグ10の極性が変換される。
図16に示す光コネクタプラグ10の極性を変換した後、既述の手順によってインナーハウジング14をアウターハウシング15から軸方向前方へ引き出し、第2光コネクタアセンブリ11b(一方の光コネクタアセンブリ)を反時計回り方向へ回転させるとともに、第1光コネクタアセンブリ11aを反時計回り方向へ回転させる。第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを反時計回り方向へ半回転(180度)回転させた後、アウターハウシング15(スライダー16を含む)を反時計回り方向(又は、時計回り方向)へ半回転(180度)回転させる。
次に、アウターハウシング15の頂壁69にインナーハウジング14の頂壁51が対向するとともにアウターハウシング15の底壁70にインナーハウジング14の底壁52が対向した状態で、アウターハウシング15をインナーハウジング14に向かって前後方向前方へ移動させ、インナーハウジング14をアウターハウシング15の内部に収容し(押し入れ)、インナーハウジング14の底壁52に形成された第1及び第2凹部67a,67bにアウターハウシング15の底壁70に形成された係合凸部77を係入させ、インナーハウジング14とアウターハウシング15とを連結(接続)する。図16の状態から第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを反時計回り方向へ同時に半回転(180度)回転させて図1の状態にすることで、二連式の光コネクタプラグ10の極性が変換される。
極性変換手順を実施し、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bのうちの一方の光コネクタアセンブリ11a,11bをその軸を中心に回転始点から回転終点まで半回転(180度)回転させると、それに連動して他方の光コネクタアセンブリ11a,11bがそれぞれの軸を中心に一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の方向へ回転始点から回転終点まで半回転(180度)回転するから、図1の状態から図16の状態に二連式の光コネクタプラグ10の極性を変換することができ、図16の状態から図1の状態に二連式の光コネクタプラグ10の極性を変換することができる。
図1の状態から図16の状態に極性変換した後の二連式の光コネクタプラグ10及び図16の状態から図1の状態に極性変換した後の二連式の光コネクタプラグ10では、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1プラグフレーム20aの頂壁31の前端部に形成された第1案内凸部36aの後端の直後に位置しつつ、第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの後端の直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2プラグフレーム20bの頂壁31の前端部に形成された第2案内凸部36bの後端の直後に位置しつつ、第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの後端の直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接する。
二連式の光コネクタプラグ10は、図1の状態から図16の状態に極性変換した後及び図16の状態から図1の状態に極性変換した後であっても、第1係合ラッチ75aの第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの後端の直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接するから、第1弾性変形部80a(第1水平部分83a及び第1傾斜部分84a)の上下方向の弾性力を高く維持することができ、第2係合ラッチ75bの第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの後端の直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接するから、第2弾性変形部80b(第2水平部分83b及び第2傾斜部分84b)の上下方向の弾性力を高く維持することができる。
一例として示す二連式の光コネクタプラグの斜視図。
二連式の光コネクタプラグの側面図。
二連式の光コネクタプラグの分解斜視図。
第1及び第2プラグフレームの斜視図。
図4のA−A線矢視断面図。
第1及び第2ストップリングの斜視図。
2つに分離した状態で示すインナーハウジングの斜視図。
インナーハウジングの外面図。
アウターハウシングの斜視図。
アウターハウシングの正面図。
上方から見たスライダーの斜視図。
下方から見たスライダーの斜視図。
図11のB−B線矢視断面図。
光コネクタプラグに大きな引っ張り荷重が作用した場合の光コネクタプラグの側面図。
第1及び第2光コネクタアセンブリを回転させる手順を説明する斜視図。
第1及び第2光コネクタアセンブリを半回転(180度)回転させた後の斜視図。
10 二連式の光コネクタプラグ
11a 第1光コネクタアセンブリ
11b 第2光コネクタアセンブリ
12a 第1歯車
12b 第2歯車
13 中間歯車
14 インナーハウジング
15 アウターハウシング
16 スライダー
17 カシメリング
18 ブーツ
19a 第1フェルール
19b 第2フェルール
20a 第1プラグフレーム
20b 第2プラグフレーム
21a 第1ストップリング
21b 第2ストップリング
22a 第1ばね
22b 第2ばね
23a 第1キャピラリ
23b 第2キャピラリ
24a 第1スリーブ
24b 第2スリーブ
25a 第1光ファイバ
25b 第2光ファイバ
26 先端面
27 面取り部
28 パイプ
29a 第1心線カバー
29b 第2心線カバー
30a 第1フランジ
30b 第2フランジ
31 頂壁
32 底壁
33 側壁
34 側壁
35 上面
36a 第1案内凸部
36b 第2案内凸部
37a 第1フランジ
37b 第2フランジ
38a 第1係入凹部
38b 第2係入凹部
39 フェルール収容スペース
40 前端露出口
41 後端挿入口
42 当接部
43 ガイド凹部
44 前端部
45 中間部
46 後端部
47 心線露出口
48 心線挿入口
49 ガイド凸部
50a 第1回転停止凸部(回転角度規制手段)
50b 第2回転停止凸部(回転角度規制手段)
51 頂壁
52 底壁
53 側壁
54 側壁
55a 第1開口
55b 第2開口
56 筒部
57a 第1係入凸部
57b 第2係入凸部
58a 第1回転規制凸部(回転角度規制手段)
58b 第2回転規制凸部(回転角度規制手段)
59 仕切壁
60 第1歯車収容部
61 第2歯車収容部
62 中間歯車収容部
63 嵌合孔
64 嵌合爪
65a 第1ガイド溝
65b 第2ガイド溝
66a 第1凸部
66b 第2凸部
67a 第1凹部
67b 第2凹部
68 ガイド凸部
69 頂壁
70 底壁
71 側壁
72 側壁
73 前端開口
74 後端開口
75a 第1係合ラッチ
75b 第2係合ラッチ
76 係入キー
77 係合凸部
78 ガイド凹部
79a 第1連結部
79b 第2連結部
80a 第1弾性変形部
80b 第2弾性変形部
81a 第1当接凸部
81b 第2当接凸部
82a 第1係合部
82b 第2係合部
83a 第1水平部分
83b 第2水平部分
84a 第1傾斜部分
84b 第2傾斜部分
85 斜面
86a 第1傾斜凸部
86b 第2傾斜凸部
87 フレーム
88 摺動頂壁
89a 第1外側ガイド壁
89b 第2外側ガイド壁
90a 第1内側ガイド壁
90b 第2内側ガイド壁
91a 第1進入路
91b 第2進入路
92a 第1傾斜凹部
92b 第2傾斜凹部
93a 第1貫通孔
93b 第2貫通孔
94 斜面
95 キー係入部
96 光ファイバコード
本発明は、二連式の光コネクタプラグに関する。
第1光ファイバを保持して軸方向へ延びる第1フェルールを収容する第1プラグフレーム、第1プラグフレームに係入する第1ストップリング、第1フェルールと第1ストップリングとの間に設置されて第1フェルールを軸方向前方へ付勢する第1ばねを有する第1光コネクタアセンブリと、第2光ファイバを保持して軸方向へ延びる第2フェルールを収容する第2プラグフレーム、第2プラグフレームに係入する第2ストップリング、第2フェルールと第2ストップリングとの間に設置されて第2フェルールを軸方向前方へ付勢する第2ばねを有して第1光コネクタアセンブリに並行する第2光コネクタアセンブリと、第1ストップリングの後端部及び第2ストップリングの後端部を収容するインナーハウジングと、インナーハウジングを収容するアウターハウジングとを備えた二連式の光コネクタプラグが開示されている(特許文献1参照)。
二連式の光コネクタプラグは、第1ストップリングの後端部に形成された第1歯車と、第2歯車が第2ストップリングの後端部に形成された第2歯車と、第1歯車と第2歯車との間に介在して第1及び第2歯車のうちの一方の歯車の回転力を他方の歯車に伝達しつつ他方の歯車を一方の歯車と同一の方向へ回転させる中間歯車とを有し、第1及び第2光コネクタアセンブリのうちの一方の光コネクタアセンブリがその軸を中心に回転すると、それに連動して他方の光コネクタアセンブリがその軸を中心に一方の光コネクタアセンブリと同一の方向へ回転する。
光コネクタプラグは、アウターハウジングの頂壁の一方の側部から軸方向前方へ延びる第1係合ラッチと、アウターハウジングの頂壁の他方の側部から軸方向前方へ延びる第2係合ラッチとを有する。第1係合ラッチの前端部には、第1係合部が形成され、第2係合ラッチの前端部には、第2係合部が形成されている。二連式の光コネクタプラグでは、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入すると、第1及び第2係合部が光コネクタアダプタに係合し、光コネクタプラグが光コネクタアダプタに連結されて光接続状態になる。
前記特許文献1に開示の二連式の光コネクタプラグは、第1係合ラッチの前端部が第1プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間し、第2係合ラッチの前端部が第2プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間している。第1及び第2係合ラッチの前端部が第1及び第2プラグフレームの頂壁に向かって下方へ弾性変形することで、第1及び第2係合部の光コネクタアダプタに対する係合が解除され、光コネクタプラグの光コネクタアダプタに対する連結が解除される。
この光コネクタプラグは、第1及び第2係合ラッチの前端部が第1及び第2プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間しているから、第1及び第2係合ラッチの弾性力が弱く、カシメリングに固定されたブーツやブーツから軸方向後方へ延出する光ファイバコードが引っ張られ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用した場合、第1及び第2係合ラッチが下方へ弾性変形し、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除され、光接続が切断される場合がある。又、光コネクタプラグの第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチが上方へ戻り難い場合があり、第1及び第2係合ラッチと光コネクタアダプタとが確実な係合をしない事象がある。
本発明の目的は、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られたとしても、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる二連式の光コネクタプラグを提供することにある。本発明の他の目的は、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、第1及び第2係合ラッチと光コネクタアダプタとを確実に係合させることができる二連式の光コネクタプラグを提供することにある。
前記課題を解決するための本発明の前提は、第1光ファイバを保持して軸方向へ延びる第1フェルールを収容する第1プラグフレーム、第1プラグフレームに係入する第1ストップリング、第1フェルールと第1ストップリングとの間に設置されて第1フェルールを軸方向前方へ付勢する第1ばねを有する第1光コネクタアセンブリと、第2光ファイバを保持して軸方向へ延びる第2フェルールを収容する第2プラグフレーム、第2プラグフレームに係入する第2ストップリング、第2フェルールと第2ストップリングとの間に設置されて第2フェルールを軸方向前方へ付勢する第2ばねを有して第1光コネクタアセンブリに並行する第2光コネクタアセンブリと、第1ストップリングの後端部及び第2ストップリングの後端部を収容するインナーハウジングと、インナーハウジングを収容するアウターハウジングとを備えた二連式の光コネクタプラグである。
前記前提における本発明の特徴は、第1プラグフレームの頂壁から上方へ凸となる第1案内凸部が、第1プラグフレームの頂壁の前端部に形成され、第2プラグフレームの頂壁から上方へ凸となる第2案内凸部が、第2プラグフレームの頂壁の前端部に形成され、
アウターハウジングが、その前端に開口する前端開口と、アウターハウジングの頂壁の一方の側部から軸方向へ延びていて前端開口から軸方向前方へ延出する弾性変形可能な第1係合ラッチと、アウターハウジングの頂壁の他方の側部から軸方向へ延びていて前端開口から軸方向前方へ延出する弾性変形可能な第2係合ラッチとを有する。
そして第1係合ラッチが、その前端に形成されて第1プラグフレームの頂壁の軸方向前方に位置する前端部に当接する第1当接凸部と、第1当接凸部の軸方向後方に形成されて第1コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに該光コネクタアダプタに係合する第1係合部とを有し、
前記アウターハウジングの頂壁に連結された第1連結部と、第1連結部に繋がって第1連結部から軸方向前方へ延びていてアウターハウジングの前端開口から軸方向前方へ延出する第1弾性変形部とから形成され、
第1弾性変形部が、第1連結部から軸方向前方へ水平に延びる第1水平部分と、第1水平部分に繋がって第1水平部分から第1プラグフレームの頂壁に向かって軸方向前方へ下り勾配に傾斜して延びる第1傾斜部分とを有する。
同じく第2係合ラッチが、その前端に形成されて第2プラグフレームの頂壁の軸方向前方に位置する前端部に当接する第2当接凸部と、第2当接凸部の軸方向後方に形成されて第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに該光コネクタアダプタに係合する第2係合部とを有し、
前記アウターハウジングの頂壁に連結された第2連結部と、第2連結部に繋がって第2連結部から軸方向前方へ延びていてアウターハウジングの前端開口から軸方向前方へ延出する第2弾性変形部とから形成され、
第2弾性変形部が、第2連結部から軸方向前方へ水平に延びる第2水平部分と、第2水平部分に繋がって第2水平部分から第2プラグフレームの頂壁に向かって軸方向前方へ下り勾配に傾斜して延びる第2傾斜部分とを有する。
さらに第1係合ラッチの第1連結部がアウターハウジングの頂壁に連結され、第1係合ラッチの第1当接凸部が第1プラグフレームの頂壁に当接することで、第1弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなり、
第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が、第1案内凸部の直後に位置しつつ、第1当接凸部が、第1案内凸部の直後に延びる第1プラグフレームの頂壁に当接し、
第2係合ラッチの第2連結部がアウターハウジングの頂壁に連結され、第2係合ラッチの第2当接凸部が第2プラグフレームの頂壁に当接することで、第2弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなり、
第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が、第2案内凸部の直後に位置しつつ、第2当接凸部が、第2案内凸部の直後に延びる第2プラグフレームの頂壁に当接する。
前記特徴を兼ね備えた二連式の光コネクタプラグであり、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチが軸方向へ伸長したときに、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の後端に当接しつつ、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の後端に当接することで、第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチの係合状態が維持されることにある。
本発明の他の一例としては、第1係合ラッチの前端と第1案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が、0.1〜0.6mmの範囲にあり、第2係合ラッチの前端と第2案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が、0.1〜0.6mmの範囲にある。
本発明の他の一例としては、二連式の光コネクタプラグが、アウターハウジングに対して軸方向へスライド可能に連結されたスライダーを含み、二連式の光コネクタプラグでは、アウターハウジングに対してスライダーを軸方向後方へスライドさせる前の状態において第1及び第2係合ラッチの光コネクタアダプタに対する係合状態が維持され、アウターハウジングに対してスライダーを軸方向後方へスライドさせると、所定の押下げ機構によってスライダーが第1及び第2係合ラッチを下方へ押し下げて第1及び第2係合ラッチの光コネクタアダプタに対する係合状態が解除される。
本発明の他の一例としては、押下げ機構が、第1係合部の軸方向後方に延びる第1係合ラッチの第1水平部分に作られて軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する第1傾斜凸部と、第2係合部の軸方向後方に延びる第2係合ラッチの第2水平部分に作られて軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する第2傾斜凸部と、スライダーの一方の側部に作られて第1傾斜凸部に摺動可能に当接し、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜して凹む第1傾斜凹部と、スライダーの他方の側部に位置して第2傾斜凸部に摺動可能に当接し、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜して凹む第2傾斜凹部とから形成されている。
本発明の他の一例としては、二連式の光コネクタプラグが、その軸方向後方に取り付けられた光ファイバコードを含む。
本発明に係る二連式の光コネクタプラグによれば、第1係合ラッチの前端に形成された第1当接凸部が第1プラグフレームの頂壁の前端部に当接し、第2係合ラッチの前端に形成された第2当接凸部が第2プラグフレームの頂壁の前端部に当接するから、第1及び第2係合ラッチの前端部が第1及び第2プラグフレームの頂壁の前端部から上方へ離間する場合と比較し、第1及び第2係合ラッチの弾性力が強くなり、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られ、第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる。
また本光コネクタプラグは、第1及び第2係合ラッチの弾性力が強いから、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチが上方へ戻り易く、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2係合部と光コネクタアダプタとを確実に係合させることにより、第1及び第2係合部を光コネクタアダプタに強固に係合させることができ、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグの連結(光接続状態)を確実に維持することができる。
さらに本光コネクタプラグは、第1係合ラッチの第1連結部がアウターハウジングの頂壁に連結され、第1係合ラッチの第1当接凸部が第1プラグフレームの頂壁に当接することで、第1弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなり、第1弾性変形部が第1プラグフレームの頂壁に向かって下方へ弾性変形することはなく、第2係合ラッチの第2連結部がアウターハウジングの頂壁に連結され、第2係合ラッチの第2当接凸部が第2プラグフレームの頂壁に当接することで、第2弾性変形部の上下方向の弾性力が強くなり、第2弾性変形部が第2プラグフレームの頂壁に向かって下方へ弾性変形することはないから、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られ、第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチの下方への弾性変形が確実に抑制され、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる。
そのうえ本光コネクタプラグは、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の直後に位置しつつ、第1当接凸部が第1案内凸部の直後に延びる第1プラグフレームの頂壁に当接し、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の直後に位置しつつ、第2当接凸部が第2案内凸部の直後に延びる第2プラグフレームの頂壁に当接することで、第1係合ラッチの第1弾性変形部の弾性力が強くなるとともに、第2係合ラッチの第2弾性変形部の弾性力が強くなり、光コネクタアダプタとの光接続状態において光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られ、第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。光コネクタプラグは、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部の弾性力が強いから、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチが上方へ戻り易く、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2係合部と光コネクタアダプタとを確実に係合させることにより、第1及び第2係合部を光コネクタアダプタに強固に係合させることができ、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグの連結(光接続状態)を確実に維持することができる。
加えて本光コネクタプラグは、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が軸方向へ伸長したときに、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の後端に当接しつつ、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の後端に当接することで、第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する該第1及び第2係合ラッチの係合状態が維持されるから、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
請求項3に記載の光コネクタプラグは、第1係合ラッチの前端と第1案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が0.1〜0.6mmの範囲にあり、第2係合ラッチの前端と第2案内凸部の後端との軸方向の離間寸法が0.1〜0.6mmの範囲にあるから、第1及び第2コネクタアセンブリを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグが引っ張られて第1及び第2係合ラッチに軸方向の引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が軸方向へ伸長したときに、第1係合ラッチの第1傾斜部分の前端が第1案内凸部の後端に確実に当接しつつ、第2係合ラッチの第2傾斜部分の前端が第2案内凸部の後端に確実に当接し、第1及び第2弾性変形部の下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する該第1及び第2係合ラッチの係合状態を維持することができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
請求項4に記載の光コネクタプラグは、アウターハウジングに対してスライダーを軸方向後方へスライドさせると、所定の押下げ機構によってスライダーが第1及び第2係合ラッチを下方へ押し下げて第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が下方へ弾性変形し、第1及び第2係合部の光コネクタアダプタに対する係合状態が解除されるから、スライダーを軸方向後方へスライドさせる操作だけで光コネクタアダプタから光コネクタプラグの第1及び第2コネクタアセンブリを引き抜くことができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を容易に解除することができる。
請求項5に記載の光コネクタプラグは、スライダーを軸方向後方へスライドさせることによってスライダーの一方の側部に作られた第1傾斜凹部が第1傾斜凸部を下方へ押し下げるとともに、スライダーの他方の側部に作られた第2傾斜凹部が第2傾斜凸部を下方へ押し下げ、第1及び第2係合ラッチの第1及び第2弾性変形部が下方へ弾性変形し、第1及び第2係合部の光コネクタアダプタに対する係合状態が解除されるから、スライダーを軸方向後方へスライドさせる操作だけで光コネクタアダプタから光コネクタプラグの第1及び第2コネクタアセンブリを引き抜くことができ、光コネクタプラグと光コネクタアダプタとの連結を容易に解除することができる。
一例として示す二連式の光コネクタプラグ10の斜視図である図1等の添付の図面を参照し、本発明に係る二連式の光コネクタプラグの詳細を説明すると、以下のとおりである。尚、図2は、二連式の光コネクタプラグ10の側面図であり、図3は、二連式の光コネクタプラグ10の分解斜視図である。図4は、第1及び第2プラグフレーム20a,20bの斜視図であり、図5は、図4のA−A線矢視断面図である。図6は、第1及び第2ストップリング21a,21bの斜視図である。図1,2では、軸方向を矢印A、径方向(横方向又は上下方向)を矢印Bで示し、周り方向を矢印Cで示す。
二連式の光コネクタプラグ10は、光ファイバコード96の端末部に取り付けられ、光コネクタアダプタ(図示せず)に接続することで光ファイバどうしの光接続に使用される。光コネクタプラグ10は、第1光コネクタアセンブリ11a及び第2光コネクタアセンブリ11bと、第1歯車12a及び第2歯車12bと、中間歯車13と、インナーハウジング14及びアウターハウジング15と、スライダー16及びカシメリング17と、ブーツ18及びパイプ28とから形成されている。光コネクタプラグ10は、図3の分解斜視図に示すように、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの軸方向後方にインナーハウジング14及びアウターハウジング15とパイプ28及びスライダー16とが並び、スライダー16の軸方向後方にカシメリング17とブーツ18とが並んでいる。
第1光コネクタアセンブリ11aは、軸方向へ延びる第1フェルール19aと、第1フェルール19aを収容する第1プラグフレーム20aと、第1プラグフレーム20aに係入する第1ストップリング21aと、第1ばね22a(コイルスプリング)とを有する。第1フェルール19aは、軸方向へ延びる第1キャピラリ23aと、軸方向へ延びる円筒状に成形された第1スリーブ24aとから形成されている。第1キャピラリ23aには、少なくとも1本の第1光ファイバ25aが保持されている。
第1キャピラリ23aは、軸方向へ長い略円柱状に成形され、その軸方向先端に第1光ファイバ25aの端面が露出する先端面26を有するとともに、先端面26の端面外径域に面取り部27を有する。尚、面取り部27の形状には、角面や丸面等の形状があるが、いずれの形状であってもよい。先端面26は、径方向へ垂直に延びる垂直な面である。面取り部27は、先端面26から軸方向後方に向かうにつれて径方向外方へ次第に傾斜している。
第1キャピラリ23aは、ジルコニア等のセラミックス材料、プラスチック材料、結晶化ガラスやホウケイ酸ガラス、石英等のガラス材料等から作られている。尚、図示の第1キャピラリ23aには、ジルコニアから作られたジルコニアキャピラリが使用されている。第1キャピラリ23aの外径は、1.2485mm〜1.2495mmである。第1キャピラリ23a(フェルール)の内部には、軸方向へ延びる光ファイバ挿入孔が形成(穿孔)されている。第1光ファイバ25aは、第1キャピラリ23aに形成された光ファイバ挿入孔に挿入されている。
第1スリーブ24aは、第1キャピラリ23a(第1フェルール19a)の軸方向後方に連結されている。第1スリーブ24aの軸方向後方には、第1光ファイバ25aの外周全域を被覆して軸方向へ延びる第1心線カバー29a(PTFEチューブ)が連結されている。第1スリーブ24aの前端には、その径が第1キャピラリ23aや第1心線カバー29aのそれよりも大きい多角筒状の第1フランジ30aが一体に成形されている。第1スリーブ24aや第1フランジ30aは、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料、又は、合成樹脂材料から作られている。第1スリーブ24aの内部には、第1キャピラリ23aを挿入保持するキャピラリ挿入孔と、第1光ファイバ25aを内蔵する第1光ファイバ心線を挿入保持する心線挿入孔とが形成(穿孔)されている。
第1キャピラリ23aの後端部が第1スリーブ24aのキャピラリ挿入孔に挿入され、第1キャピラリ23aの後端部が第1スリーブ24aのキャピラリ挿入孔に固定保持されている。第1光ファイバ心線の一端部が第1スリーブ24aの心線挿入孔に挿入され、第1光ファイバ心線の一端部が第1スリーブ24aの心線挿入孔に固定保持されている。尚、第1スリーブ24aの軸方向の断面形状は図示の円筒状に限定されず、軸方向へ長い角筒状であってもよい。
第1プラグフレーム20aは、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。第1プラグフレーム20aは、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる略矩形の頂壁31及び底壁32と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる略矩形の両側壁33,34とを有する。第1プラグフレーム20aの頂壁31の軸方向前方には、頂壁31の上面35から上方へ凸となる第1案内凸部36aが形成されている。
第1プラグフレーム20aの軸方向後方における各壁31〜34には、インナーハウジング14の後記する第1開口55aの開口端に当接する第1フランジ37aが形成されている。第1フランジ37aは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第1プラグフレーム20aを囲繞している。第1プラグフレーム20aの第1フランジ37aの軸方向後方における側壁31〜34には、インナーハウジング14の第1開口55aの直後に形成された後記する第1係入凸部57aが係入する第1係入凹部38aが形成されている。第1係入凹部38aは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第1プラグフレーム20aを囲繞している。
第1プラグフレーム20aの内部には、それら各壁31〜34に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース39が形成され、第1キャピラリ23aの先端部が露出する前端露出口40が開口しているとともに、第1フェルール19aを挿入する後端挿入口41が開口している。第1プラグフレーム20aの前端露出口40の軸方向後方には、第1プラグフレーム20a(フェルール収容スペース39を囲繞するそれら壁31〜34)の内周面から径方向内方へ当接部42が延びている。当接部42には、第1スリーブ24aの第1フランジ30aが当接する。第1スリーブ24aの第1フランジ30aが当接部42に当接することで、第1プラグフレーム20aに対する第1スリーブ24aの軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。第1プラグフレーム20aの内周面には、後端挿入口41から軸方向前方へ延びる一対のガイド凹部43が形成されている。
第1ストップリング21aは、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。第1ストップリング21aは、軸方向前方に位置する前端部44(前端筒部)と、軸方向前方に位置する後端部46(後端筒部)と、前端部44及び後端部46の間に延びる中間部45(中間筒部)とを有する。第1ストップリング21aの前端部44には、第1光ファイバ心線が露出する心線露出口47が開口し、後端部46には、第1光ファイバ心線を挿入する心線挿入口48が開口している。第1ストップリング21aの前端部44及び中間部45の外周面には、軸方向へ延びる一対のガイド凸部49が形成されている。ガイド凸部49は、第1プラグフレーム20aの内周面に形成されたガイド凹部43に嵌合する。
第1プラグフレーム20aの内部に第1ストップリング21aを挿入するには、第1プラグフレーム20aの後端挿入口41から第1ストップリング21aの前端部44を圧入し、第1プラグフレーム20aのフェルール収容スペース39(内部)において第1ストップリング21aを圧入下に軸方向前方へ移動させる。第1ストップリング21aを第1プラグフレーム20aのフェルール収容スペース39に収容(圧入)するときに、第1ストップリング21aのガイド凸部49を第1プラグフレーム20aのガイド凹部43に合わせ、ガイド凸部49をガイド凹部43に挿入し、第1プラグフレーム20aに対する第1ストップリング21aの位置決めをする。第1ストップリング21aの前端部44及び中間部45を第1プラグフレーム20aのフェルール収容スペース39(内部)に圧入することで、第1ストップリング21aが第1プラグフレーム20aに連結固定される。
第1ばね22aは、第1フェルール19aと第1ストップリング21aとの間に設置され、第1心線カバー29aに挿通されて軸方向へ延びている。第1ばね22aは、その前端が第1スリーブ24aの第1フランジ30aに当接し、その後端が第1ストップリング21aの前端部44に当接している。第1ばね22aは、軸方向への弾性力によって第1フェルール19aを軸方向前方へ付勢する。
第1歯車12aは、第1ストップリング21aの後端部46に形成されて軸方向へ延びている。第1歯車12aには、第1歯車12aの径方向外方へ凸となる1つの第1回転停止凸部50a(回転角度規制手段)が形成されている。第1回転停止凸部50aは、その高さが第1歯車12aの各歯の歯たけ(歯高さ)よりも大きく、第1歯車12aの各歯よりも径方向外方へ突出している。第1回転停止凸部50aは、インナーハウジング14の第1開口55aの軸方向後方に形成された後記する第1回転規制凸部58aに対向する位置に作られている。
第2光コネクタアセンブリ11bは、第1光コネクタアセンブリ11aに隣接し、第1光コネクタアセンブリ11aに並行して軸方向へ延びている。第2光コネクタアセンブリ11bは、軸方向へ延びる第2フェルール19bと、第2フェルール19bを収容する第2プラグフレーム20bと、第2プラグフレーム20bに係入する第2ストップリング21bと、第2ばね22b(コイルスプリング)とを有する。第2フェルール19bは、軸方向へ延びる第2キャピラリ23bと、軸方向へ延びる円筒状に成形された第2スリーブ24bとから形成されている。第2キャピラリ23bには、少なくとも1本の第2光ファイバ25bが保持されている。
第2キャピラリ23bは、第1キャピラリ23aの横方向に隣接し、第1キャピラリ23aに並行して軸方向へ延びている。第2キャピラリ23bは、軸方向へ長い略円柱状に成形され、その軸方向先端に第2光ファイバ25bの端面が露出する先端面26を有するとともに、先端面26の端面外径域に面取り部27を有する。先端面26は、径方向へ垂直に延びる垂直の面であり、面取り部27の形状は、第1キャピラリ23aのそれと同一である。第2キャピラリ23b(フェルール)の内部には、軸方向へ延びる光ファイバ挿入孔が形成(穿孔)されている。第2光ファイバ25bは、第2キャピラリ23bに形成された光ファイバ挿入孔に挿入されている。第2キャピラリ23bの材質や外径は、第1キャピラリ23aのそれらと同一である。
第2スリーブ24bは、第2キャピラリ23b(第2フェルール19b)の軸方向後方に連結されている。第2スリーブ24bの軸方向後方には、第2光ファイバ25bの外周全域を被覆して軸方向へ延びる第2心線カバー29b(PTFEチューブ)が連結されている。第2心線カバー29bは、第1心線カバー29aの横方向に隣接し、第1心線カバー29aに並行して軸方向へ延びている。
第2スリーブ24bの前端には、その径が第2キャピラリ23bや第2心線カバー29bのそれよりも大きい多角筒状の第2フランジ30bが一体に成形されている。第2フランジ30bは、第1フランジ30aの横方向に隣接している。第2スリーブ24bや第2フランジ30bは、第1スリーブ24aや第1フランジ30aと同様に、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料、又は、合成樹脂材料から作られている。第2スリーブ24bの内部には、第2キャピラリ23bを挿入保持するキャピラリ挿入孔と、第2光ファイバ25bを内蔵する第2光ファイバ心線を挿入保持する心線挿入孔とが形成(穿孔)されている。
第2キャピラリ23bの後端部が第2スリーブ24bのキャピラリ挿入孔に挿入され、第2キャピラリ23bの後端部が第2スリーブ24bのキャピラリ挿入孔に固定保持されている。第2光ファイバ心線の一端部が第2スリーブ24bの心線挿入孔32に挿入され、第2光ファイバ心線の一端部が第2スリーブ24bの心線挿入孔に固定保持されている。尚、第2スリーブ24bの軸方向の断面形状は図示の円筒状に限定されず、軸方向へ長い角筒状であってもよい。
第2プラグフレーム20bは、第1プラグフレーム20aの横方向に隣接し、第1プラグフレーム20aに並行して軸方向へ延びている。第2プラグフレーム20bは、第1プラグフレーム20aと同様に、合成樹脂材料から作られ、中空の略四角柱状に成形されている。第2プラグフレーム20bは、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁31及び底壁32と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁33,34とを有する。第2プラグフレーム20bの頂壁31の軸方向前方には、頂壁31の上面35から上方へ凸となる第2案内凸部36bが形成されている。尚、第1プラグフレーム20aの頂壁31に形成された第1案内凸部36aや第2プラグフレーム20bの頂壁31に形成された第2案内凸部36bは、光コネクタプラグ10の第1及び第2プラグフレーム20a,20bを光コネクタアダプタに挿入するときのガイドになる。
第2プラグフレーム20bの軸方向後方における各壁31〜34には、インナーハウジング14の後記する第2開口55bの開口端に当接する第2フランジ37bが形成されている。第2フランジ37bは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第2プラグフレーム20bを囲繞している。第2プラグフレーム20bの第2フランジ37bの軸方向後方における側壁31〜34には、インナーハウジング14の第2開口55bの直後に形成された後記する第2係入凸部57bが係入する第2係入凹部38bが形成されている。第2係入凹部38bは、各壁31〜34の周り方向に形成されて第2プラグフレーム20bを囲繞している。
第2プラグフレーム20bの内部には、それら壁31〜34に囲繞されて軸方向へ延びるフェルール収容スペース39が形成され、第2キャピラリ23bの先端部が露出する前端露出口40が開口しているとともに、第2フェルール19bを挿入する後端挿入口41が開口している。第2プラグフレーム20bの前端露出口40の軸方向後方には、第2プラグフレーム20b(フェルール収容スペース39を囲繞するそれら壁31〜34)の内周面から径方向内方へ当接部42が延びている。当接部42には、第2スリーブ24bの第2フランジ30bが当接する。第2スリーブ24bの第2フランジ30bが当接部42に当接することで、第2プラグフレーム20bに対する第2スリーブ24bの軸方向前方へのそれ以上の移動が阻止される。第2プラグフレーム20bの内周面には、後端挿入口41から軸方向前方へ延びる一対のガイド凹部43が形成されている。
第2ストップリング21bは、第1ストップリング21aの横方向に隣接し、第1ストップリング21aに並行して軸方向へ延びている。第2ストップリング21bは、第1ストップリング21aと同様に、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されている。第2ストップリング21bは、軸方向前方に位置する前端部44(前端筒部)と、軸方向前方に位置する後端部46(後端筒部)と、前端部44及び後端部46の間に延びる中間部45(中間筒部)とを有する。第2ストップリング21bの前端部44には、第2光ファイバ心線が露出する心線露出口47が開口し、後端部46には、第2光ファイバ心線を挿入する心線挿入口48が開口している。第2ストップリング21bの前端部44及び中間部45の外周面には、軸方向へ延びる一対のガイド凸部49が形成されている。ガイド凸部49は、第2プラグフレーム20bの内周面に形成されたガイド凹部43に嵌合する。
第2プラグフレーム20bの内部に第2ストップリング21bを挿入するには、第2プラグフレーム20bの後端挿入口41から第2ストップリング21bの前端部44を圧入し、第2プラグフレーム20bのフェルール収容スペース39(内部)において第2ストップリング21bを圧入下に軸方向前方へ移動させる。第2ストップリング21bを第2プラグフレーム20bのフェルール収容スペース39に収容(圧入)するときに、第2ストップリング21bのガイド凸部49を第2プラグフレーム20bのガイド凹部43に合わせ、ガイド凸部49をガイド凹部43に挿入し、第2プラグフレーム20bに対する第2ストップリング21bの位置決めをする。第2ストップリング21bの前端部44及び中間部45を第2プラグフレーム20bのフェルール収容スペース39(内部)に圧入することで、第2ストップリング21bが第2プラグフレーム20bに連結固定される。
第2ばね22bは、第2フェルール19bと第2ストップリング21bとの間に設置され、第2心線カバー29bに挿通されている。第2ばね22bは、第1ばね22aの横方向に隣接し、第1ばね22aに並行して軸方向へ延びている。第2ばね22bは、その前端が第2スリーブ24bの第2フランジ30bに当接し、その後端が第2ストップリング21bの前端部44に当接している。第2ばね22bは、軸方向への弾性力によって第2フェルール19bを軸方向前方へ付勢する。
第2歯車12bは、第2ストップリング21bの後端部46に形成されて軸方向へ延びている。第2歯車12bには、第2歯車12bの径方向外方へ凸となる1つの第2回転停止凸部50b(回転角度規制手段)が形成されている。第2回転停止凸部50bは、その高さが第2歯車12bの各歯の歯たけ(歯高さ)よりも長く、第2歯車12bの各歯よりも径方向外方へ突出している。第2回転停止凸部50bは、インナーハウジング14の第2開口55bの軸方向後方に形成された後記する第2回転規制凸部58bに対向する位置に作られている。
中間歯車13は、第1歯車12aと第2歯車12bとの間に介在して軸方向へ延びている。中間歯車13は、第1及び第2歯車12a,12bに外接し、第1及び第2歯車12a,12bのうちの一方の歯車の回転力を他方の歯車に伝達しつつ他方の歯車を一方の歯車と同一の方向へ回転させる。尚、第1歯車12aと第2歯車12bと中間歯車13との歯車比は1である。従って、第1歯車12aが時計回り方向へ1回転すると、中間歯車13が反時計回り方向へ1回転するとともに、第2歯車12bが時計回り方向へ1回転する。逆に、第1歯車12aが反時計回り方向へ1回転すると、中間歯車13が時計回り方向へ1回転するとともに、第2歯車12bが反時計回り方向へ1回転する。
図7は、2つに分離した状態で示すインナーハウジング14の斜視図であり、図8は、インナーハウジング14の外面図である。インナーハウジング14は、合成樹脂材料から作られて中空に成形されている。インナーハウジング14は、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁51及び底壁52と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる両側壁53,54とを有し、その前端に開口して第1ストップリング21aを挿通する第1開口55aと、その前端に開口して第2ストップリング21bを挿通する第2開口55bとを有する。
インナーハウジング14の軸方向後方には、パイプ28を嵌め込む筒部56が一体に連結されている。第1開口55aの直後におけるインナーハウジング14の内部には、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第1係入凸部57aが形成されている。第2開口55bの直後におけるインナーハウジング14の内部には、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第2係入凸部57bが形成されている。
第1開口55aの軸方向後方におけるインナーハウジング14の内部には、図7に示すように、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第1回転規制凸部58a(回転角度規制手段)が形成されている。第2開口55bの軸方向後方におけるインナーハウジング14の内部には、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ凸となる第2回転規制凸部58b(回転角度規制手段)が形成されている。
インナーハウジング14の内部には、それら壁51〜54及び仕切壁59に囲繞された第1歯車収容部60と、それら壁51〜54及び仕切壁59に囲繞された第2歯車収容部61と、仕切壁59に囲繞されて第1及び第2歯車収容部60,61の間に位置する中間歯車収容部62とが形成されている。第1歯車収容部60には、第1ストップリング21aの後端部46に形成された第1歯車12aが回転可能に収容(配置)され、第2歯車収容部61には、第2ストップリング21bの後端部46に形成された第2歯車12bが回転可能に収容(配置)される。中間歯車収容部62には、中間歯車13が回転可能に収容(配置)される。インナーハウジング14の中間歯車収容部62の軸方向後方(直後)には、インナーハウジング14の頂壁51及び底壁52を貫通する嵌合孔63と、嵌合孔63に嵌合する嵌合爪64とが形成されている。嵌合爪64は、インナーハウジング14の内部から径方向内方へ延びている。
インナーハウジング14の頂壁51における一方の側部及び他方の側部には、図8に示すように、互いに並行して軸方向へ延びる一対の第1ガイド溝65aと、第1ガイド溝65aの上面から上方へ凸となる一対の第1凸部66aと、第1ガイド溝66aの上面から下方へ凹む一対の第1凹部67aとが形成されている。第1凸部66aは、第1ガイド溝65aに繋がって第1ガイド溝65aの軸方向前方に形成され、第1凹部67aは、第1凸部66aに繋がって第1凸部66aの軸方向の直前に形成されている。
インナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部には、互いに並行して軸方向へ延びる一対の第2ガイド溝65bと、第2ガイド溝65bの下面から下方へ凸となる一対の第2凸部66bと、第2ガイド溝65bの下面から上方へ凹む一対の第2凹部67bとが形成されている。第2凸部66bは、第2ガイド溝65bに繋がって第2ガイド溝65bの軸方向前方に形成され、第2凹部67bは、第2凸部66bに繋がって第2凸部66bの軸方向の直前に形成されている。インナーハウジング14の両側壁53,54には、両側壁53,54から幅方向外方へ凸となって軸方向へ延びるガイド凸部68が形成されている。
インナーハウジング14では、第1及び第2歯車12a,12bと中間歯車13とが第1及び第2歯車収容部60,61と中間歯車収容部62とに収容されることで、それら歯車12a,12b,13が横方向に並びつつ、第1歯車12aと中間歯車13とが外接し、第2歯車12bと中間歯車13とが外接する。インナーハウジング14は、上下方向へ2つに分離(分割)された外形が同形同大の各インナーハウジング14を連結することから作られている。各インナーハウジング14を連結すると、下方のインナーハウジング14に形成された嵌合爪64が上方のインナーハウジング14に形成された嵌合孔63に嵌合するとともに、上方のインナーハウジング14に形成された嵌合爪64が下方のインナーハウジング14に形成された嵌合孔63に嵌合し、それら各インナーハウジング14が固定されて一体になる。
第1プラグフレーム20aの第1フランジ37aの軸方向後方における側壁31〜34に形成された第1係入凹部38aがインナーハウジング14の内部に形成された第1係入凸部57aに係入しつつ、第1プラグフレーム20aがインナーハウジング14に対して回転可能に連結(接続)される。第2プラグフレーム20bの第2フランジ37bの軸方向後方における側壁31〜34に形成された第2係入凹部38bがインナーハウジング14の内部に形成された第2係入凸部57bに係入しつつ、第2プラグフレーム20bがインナーハウジング14に対して回転可能に連結(接続)される。パイプ28は、ステンレスや真鍮、鉄鋼等の金属材料から作られ、カシメリング17に連結されるとともに、インナーハウジング14の筒部56に連結される。
図9は、アウターハウジング15の斜視図であり、図10は、アウターハウジング15の正面図である。アウターハウジング15は、合成樹脂材料から作られ、上下方向へ離間対向して軸方向へ延びる頂壁69及び略矩形の底壁70と、横方向へ離間対向して軸方向へ延びる略矩形の両側壁71,72とを有する。アウターハウジング15は、その前端に開口する前端開口73と、その後端に開口する後端開口74と、頂壁69に連結された一対の弾性変形可能な第1係合ラッチ75a及び弾性変形可能な第2係合ラッチ75bとを有する。
アウターハウジング15の頂壁69の前端部における幅方向中央には、軸方向へ延びる係入キー76が形成されている。係入キー76は、アウターハウジング15の頂壁69の上面から上方へ延出している。アウターハウジング15の底壁70の一方の側部及び他方の側部における前後方向中央には、底壁70の内面から頂壁69に向かって上方へ凸となる一対の係合凸部77が形成されている。アウターハウジング15の両側壁71,72には、側壁71,72の内面から幅方向外方へ凹む一対のガイド凹部78が形成されている。それらガイド凹部78は、アウターハウジング15の前端開口73から後端開口74に向かって軸方向へ延びている。
第1及び第2係合ラッチ75a,75bは、幅方向へ所定寸法離間対向し、互いに並行して軸方向へ直状に延びている。第1係合ラッチ75aは、アウターハウジング15の頂壁69の一方の側部に位置している。第1係合ラッチ75aは、アウターハウジング15の頂壁69の一方の側部の後半分に連結されてアウターハウジング15と一体になった第1連結部79aと、第1連結部79aに繋がって第1連結部79aから軸方向前方へ延びる第1弾性変形部80aとから形成されている。第1係合ラッチ75aは、その前端に形成された第1当接凸部81aと、第1当接凸部81aの軸方向後方に形成されて幅方向へ張り出す第1係合部82aとを有する。
第1弾性変形部80aは、可撓性を有し、上下方向へ弾性変形する。第1弾性変形部80aは、第1連結部79aに繋がって第1連結部79aから軸方向前方へ水平に延びる第1水平部分83aと、第1水平部分83aに繋がって第1水平部分83aから軸方向前方へ延びる第1傾斜部分84aとを有する。第1弾性変形部80aの第1水平部分83aは、その後半分がアウターハウジング15の頂壁69の上方へ離間してアウターハウジング15の頂壁69と並行し、その前半分がアウターハウジング15の前端開口73から軸方向前方へ延出している。第1弾性変形部80aの第1傾斜部分84aは、軸方向前方に向かうにつれて第1プラグフレーム20aの頂壁31に次第に近づくように、下り勾配に傾斜している。第1係合部82aの軸方向後方に延びる第1係合ラッチ75aの第1水平部分83aには、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面85を備えた第1傾斜凸部86a(押下げ機構)が形成されている。
第1傾斜部分84aは、その厚み寸法が第1水平部分83aの厚み寸法よりも小さく、その弾性力が第1水平部分83aの弾性力よりも弱い。第1当接凸部81aは、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端から第1プラグフレーム20aの頂壁31に向かって下方へ延出し、第1プラグフレーム20aの頂壁31の軸方向前方に位置する前端部に当接している。第1係合部82aは、アウターハウジング15の前端開口73から軸方向前方へ延出する第1水平部分83aの前半分の前方に位置し、第1コネクタアセンブリ11aを光コネクタアダプタに挿入したときに光コネクタアダプタに係合する。
第2係合ラッチ75bは、アウターハウジング15の頂壁69の他方の側部に位置している。第2係合ラッチ75bは、アウターハウジング15の頂壁69の他方の側部の後半分に連結されてアウターハウジング15と一体になった第2連結部79bと、第2連結部79bに繋がって第2連結部79bから軸方向前方へ延びる第2弾性変形部80bとから形成されている。第2係合ラッチ75bは、その前端に形成された第2当接凸部81bと、第2当接凸部81bの軸方向後方に形成されて幅方向へ張り出す第2係合部82bとを有する。
第2弾性変形部80bは、可撓性を有し、上下方向へ弾性変形する。第2弾性変形部80bは、第2連結部79bに繋がって第2連結部79bから軸方向前方へ水平に延びる第2水平部分83bと、第2水平部分83bに繋がって第2水平部分83bから軸方向前方へ延びる第2傾斜部分84bとを有する。第2弾性変形部80bの第2水平部分83bは、その後半分がアウターハウジング15の頂壁69の上方へ離間してアウターハウジング15の頂壁69と並行し、その前半分がアウターハウジング15の前端開口73から軸方向前方へ延出している。第2弾性変形部80bの第2傾斜部分84bは、軸方向前方に向かうにつれて第2プラグフレーム20bの頂壁31に次第に近づくように、下り勾配に傾斜している。第2係合部82bの軸方向後方に延びる第2係合ラッチ75bの第2水平部分83bには、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面85を備えた第2傾斜凸部86b(押下げ機構)が形成されている。
第2傾斜部分84bは、その厚み寸法が第2水平部分83bの厚み寸法よりも小さく、その弾性力が第2水平部分83bの弾性力よりも弱い。第2当接凸部81bは、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端から第2プラグフレーム20bの頂壁31に向かって下方へ延出し、第2プラグフレーム20bの頂壁31の軸方向前方に位置する前端部に当接している。第2係合部82bは、アウターハウジング15の前端開口73から軸方向前方へ延出する第2水平部分83bの前半分の前方に位置し、第2コネクタアセンブリ11bを光コネクタアダプタに挿入したときに光コネクタアダプタに係合する。
アウターハウジング15は、その頂壁69にインナーハウジング14の頂壁51を対向させるとともにその底壁70にインナーハウジング14の底壁52を対向させた状態で、インナーハウジング14を収容することができ、逆に、その頂壁69にインナーハウジング14の底壁52を対向させるとともにその底壁70にインナーハウジング14の頂壁51を対向させた状態で、インナーハウジング14を収容することができる。このように、アウターハウジング15は、インナーハウジング14を上下反転させた状態で収容することができる。
例えば、アウターハウジング15の頂壁69にインナーハウジング14の頂壁51を対向させた状態で、アウターハウジング15にインナーハウジング14を収容すると、インナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部に形成された第1及び第2ガイド溝65a,65bに、アウターハウジング15の底壁70の一方の側部及び他方の側部における前後方向中央に形成された係合凸部77が摺動可能に進入するとともに、アウターハウジング15の両側壁71,72に形成されたガイド凹部78に、インナーハウジング14の両側壁53,54に形成されたガイド凸部68が進入する。
アウターハウジング15の内部において更にインナーハウジング14を軸方向後方へ押し入れると、アウターハウジング15の係合凸部77がインナーハウジング14の第1及び第2ガイド溝65a,65bにおいて軸方向後方へ移動し、インナーハウジング14のガイド凸部68がアウターハウジング15のガイド凹部78において軸方向後方へ移動し、アウターハウジング15の係合凸部77がインナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部に形成された第1及び第2凸部66a,66bを乗り越え、アウターハウジング15の係合凸部77がインナーハウジング14の底壁52における一方の側部及び他方の側部に形成された第1及び第2凹部67a,67bに係入し、インナーハウジング14がアウターハウジング15の内部に連結固定される。
図11は、上方から見たスライダー16の斜視図であり、図12は、下方から見たスライダー16の斜視図である。図13は、図11のB−B線矢視断面図である。スライダー16は、アウターハウジング15に対して軸方向へスライド可能に連結される。スライダー16は、合成樹脂材料から作られ、アウターハウジング15の後端開口74の後方に配置されるフレーム87と、フレーム87の頂部から軸方向前方に延びる摺動頂壁88(摺動プレート)とから形成されている。
摺動頂壁88には、その一方の側縁から下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第1外側ガイド壁89aと、第1外側ガイド壁89aの幅方向内方に位置して摺動頂壁88の幅方向中央において下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第1内側ガイド壁90aと、その他方の側縁から下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第2外側ガイド壁89bと、第2外側ガイド壁89bの幅方向内方に位置して摺動頂壁88の幅方向中央において下方へ延出しつつ軸方向へ延びる第2内側ガイド壁90bとが形成されている。
摺動頂壁88の一方の側部には、第1外側ガイド壁89aと第1内側ガイド壁90aとの間において軸方向へ延びていて第1係合ラッチ75aの第1連結部79aと第1弾性変形部80aの後半分とが進入する第1進入路91aが形成されている。摺動頂壁88の他方の側部には、第2外側ガイド壁89bと第2内側ガイド壁90bとの間において軸方向へ延びていて第2係合ラッチ75bの第2連結部79bと第2弾性変形部80bの後半分とが進入する第2進入路91bが形成されている。
スライダー16の一方の側部における第1進入路91aの前方には、スライダー16の上面に向かって凹む第1傾斜凹部92a(押下げ機構)を備えた第1貫通孔93aが形成(穿孔)されている。第1傾斜凹部92aは、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面94を有する。第1貫通孔93aには、第1係合ラッチ75aの第1水平部分83aに形成された第1傾斜凸部86aが進入し、第1傾斜凹部92aの斜面94に第1傾斜凸部86aの斜面85が摺動可能に当接する。
スライダー16の他方の側部における第2進入路91bの前方には、スライダー16の上面に向かって凹む第2傾斜凹部92b(押下げ機構)を備えた第2貫通孔93bが形成(穿孔)されている。第2傾斜凹部92bは、軸方向後方へ向かうにつれて登り勾配に傾斜する斜面94を有する。第2貫通孔93bには、第2係合ラッチ75bの第2水平部分83bに形成された第2傾斜凸部86bが進入し、第2傾斜凹部92bの斜面94に第2傾斜凸部86bの斜面85が摺動可能に当接する。摺動頂壁88の幅方向中央における第1内側ガイド壁90aと第2内側ガイド壁90bとの間には、アウターハウジング15の頂壁69の前端部における幅方向中央に形成された係入キー76が係入するキー係入部95が形成されている。
アウターハウジング15の係入キー76をスライダー16のキー係入部95に係入することで、スライダー16をアウターハウジング15に連結(接続)する。スライダー16がアウターハウジング15に連結された状態では、スライダー16のフレーム87がアウターハウジング15の後端開口74の軸方向後方(直後)に位置し、スライダー16の第1進入路91aに第1係合ラッチ75aの第1連結部79aと第1弾性変形部80aの後半分とが進入するとともに、スライダー16の第2進入路91bに第2係合ラッチ75bの第2連結部79bと第2弾性変形部80bの後半分とが進入する。
更に、スライダー16の第1貫通孔93aに第1係合ラッチ75aの第1水平部分83aに形成された第1傾斜凸部86aが進入して第1貫通孔93aの第1傾斜凹部92aの斜面94に第1傾斜凸部86aの斜面85が摺動可能に当接し、スライダー16の第2貫通孔93bに第2係合ラッチ75bの第2水平部分83bに形成された第2傾斜凸部86bが進入して第2貫通孔93bの第2傾斜凹部92bの斜面94に第2傾斜凸部86bの斜面85が摺動可能に当接する。スライダー16は、アウターハウジング15の頂壁69の上面において、第1及び第2傾斜凹部92a,92bの軸方向の長さ寸法だけ軸方向前方と後方とへ摺動(スライド)する。
カシメリング17は、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。パイプ28は、インナーハウジング14の軸方向後方に位置する筒部56に挿通されている。ブーツ18は、金属材料又は合成樹脂材料から作られ、略円筒状に成形されて軸方向へ延びている。ブーツ18は、その内周面とカシメリング17の前端部の外周面とが密着するように、カシメリング17及びパイプ28を介してインナーハウジング14の筒部56に嵌め込まれている。尚、第1光ファイバ25aを内蔵した第1光ファイバ心線と第2光ファイバ25bを内蔵した第2光ファイバ心線とがインナーハウジング14において1つに纏まって光ファイバコード96となり、その光ファイバコード96がカシメリング17及びブーツ18に挿通されてブーツ18の後端から軸方向後方へ延出している。
光コネクタプラグ10では、インナーハウジング14の第1開口55aの軸方向後方に形成された第1回転規制凸部58a(回転角度規制手段)に第1歯車12aに形成された第1回転停止凸部50a(回転角度規制手段)が当接することで、第1光コネクタアセンブリ11a(第1ストップリング21a)の回転が阻止される。インナーハウジング14の第2開口55bの軸方向後方に形成された第2回転規制凸部58b(回転角度規制手段)に第2歯車12bに形成された第2回転停止凸部50b(回転角度規制手段)が当接することで、第2光コネクタアセンブリ11b(第2ストップリング21b)の回転が阻止される。
第1回転停止凸部50aや第2回転停止凸部50bの第1及び第2歯車12a,12bにおける形成範囲(形成位置)、又は、第1回転規制凸部58aや第2回転規制凸部58bのインナーハウジング14における形成範囲(形成位置)によって第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11b(第1及び第2ストップリング21a,21b)の回転角度(回転範囲)が決まるが、光コネクタプラグ10では、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの回転始点から回転終点までの回転範囲が半回転(回転角度が180度)に規制(設定)されている。
組み立てられた二連式の光コネクタプラグ10では、図1,2に示すように、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1プラグフレーム20aの頂壁31の前端部に形成された第1案内凸部36aの後端の直後に位置しつつ、第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの後端の直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2プラグフレーム20bの頂壁31の前端部に形成された第2案内凸部36bの後端の直後に位置しつつ、第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの後端の直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接している。
二連式の光コネクタプラグ10では、第1係合ラッチ75aの第1連結部79aがアウターハウジング15の頂壁69に連結され、第1係合ラッチ75aの第1当接凸部81aが第1プラグフレーム20aの第1案内凸部36aの後端の直後に延びる頂壁31の上面35に当接することで、第1係合ラッチ75aの第1弾性変形部80aが第1プラグフレーム20aの頂壁31の上方へ離間する場合と比較し、第1弾性変形部80a(第1水平部分83aび第1傾斜部分84a)の上下方向の弾性力が強くなっている。
第2係合ラッチ75bの第2連結部79bがアウターハウジング15の頂壁69に連結され、第2係合ラッチ75bの第2当接凸部81bが第2プラグフレーム20bの第2案内凸部36bの後端の直後に延びる頂壁31の上面35に当接することで、第2係合ラッチ75bの第2弾性変形部80bが第2プラグフレーム20bの頂壁31の上方へ離間する場合と比較し、第2弾性変形部80b(第2水平部分83b及び第2傾斜部分84b)の上下方向の弾性力が強くなっている。
二連式の光コネクタプラグ10では、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタ(図示せず)に挿入し、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタの内部に押し入れると、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ弾性変形しつつ、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bが光コネクタアダプタの係合部に係合し、光コネクタプラグ10が光コネクタアダプタに連結されて光接続状態になる。アウターハウジング15に対してスライダー16を軸方向後方へスライドさせる前の状態では、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ押し下げられることはなく、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11b(第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82b)の光コネクタアダプタに対する係合状態が維持される。
アウターハウジング15に対してスライダー16を軸方向後方へスライドさせると、スライダー16の第1貫通孔93aの第1傾斜凹部92a(押下げ機構)の斜面94が第1係合ラッチ75aの第1傾斜凸部86a(押下げ機構)の斜面85を下方へ押圧して第1傾斜凹部92aが第1傾斜凸部86aを下方へ押し下げ、それによって第1係合ラッチ78aの第1弾性変形部80aが下方へ押し下げられるとともに、スライダー16の第2貫通孔93bの第2傾斜凹部92b(押下げ機構)の斜面94が第2係合ラッチ75bの第2傾斜凸部86b(押下げ機構)の斜面85を下方へ押圧して第2傾斜凹部92bが第2傾斜凸部86bを下方へ押し下げ、それによって第2係合ラッチ75bの第2弾性変形部80bが下方へ押し下げられる。
第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ押し下げられると、それによって光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合が解除され、光コネクタアダプタから第1及び第2コネクタセンブリ11a,11bを引き抜くことができ、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプとの連結(光接続)が解除される。
図14は、光コネクタプラグ10に大きな引っ張り荷重が作用した場合の光コネクタプラグ10の側面図である。二連式の光コネクタプラグ10では、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11b(第1及び第2係合ラッチ75a,75b)を光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が強く引っ張られて第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向(軸方向後方)への大きな引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが軸方向へ弾性変形して伸長したときに、図14に示すように、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接しつつ、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接する(75b,84b,36bは図14に図示せず)。
それにより、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合が解除されることはなく、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10(第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82b)の連結状態(係合状態)が維持される。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタに挿入した光コネクタアダプタとの連結状態において、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が強く引っ張られて第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向の大きな引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが軸方向へ弾性変形して伸長したときに、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接しつつ、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接することで、第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対する該第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合状態が維持されるから、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができる。
第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端と第1案内凸部36aの後端との軸方向の離間寸法は、0.1〜0.6mmの範囲にあり、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端と第2案内凸部36bの後端との軸方向の離間寸法は、0.1〜0.6mmの範囲にある。第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端と第1案内凸部36aの後端との軸方向の離間寸法が0.6mmを超過するとともに、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端と第2案内凸部36bの後端との軸方向の離間寸法が0.6mmを超過すると、光コネクタアダプタに対する連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が引っ張られて第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向(軸方向後方)への引っ張り荷重が作用し、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが軸方向へ弾性変形して伸長したときに、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接せず、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接せず、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ弾性変形し、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合状態が不用意に解除されてしまう場合がある。
第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端と第1案内凸部36aの後端との軸方向の離間寸法が0.1mm未満であって、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端と第2案内凸部36bの後端との軸方向の離間寸法が0.1mm未満では、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10の連結時又は光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10の連結解除時において、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが下方へ弾性変形したときに、わずかな弾性変形で第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの後端に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの後端に当接し、第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタアダプタに対して第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bをスムーズに係合させることができないとともに、光コネクタアダプタに対する第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bの係合をスムーズに解除することができず、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとをスムーズに連結(光接続)することができない場合があるとともに、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結(光接続)をスムーズに解除することができない場合がある。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1案内凸部36aの直後に位置しつつ、第1係合ラッチ75aの前端に形成された第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2案内凸部36bの直後に位置しつつ、第2係合ラッチ75bの前端に形成された第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接することで、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの前端部が第1及び第2プラグフレーム20a,20bの頂壁31の前端部から上方へ離間する場合と比較し、第1係合ラッチ75aの第1弾性変形部80aの弾性力が強くなるとともに、第2係合ラッチ75bの第2弾性変形部80bの弾性力が強くなり、更に、第1及び第2弾性変形部80a,80bの第1及び第2水平部分83a,83bの厚み寸法が第1及び第2傾斜部分84a,84bの厚み寸法よりも大きく、第1及び第2水平部分83a,83bの弾性力が第1及び第2傾斜部分84a,84bの弾性力よりも強いから、光コネクタアダプタとの連結状態(光接続状態)において光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結を解除する方向へ光コネクタプラグ10が引っ張られ、第1及び第2係合ラッチ75a,75bに軸方向の引っ張り荷重が作用したとしても、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bの下方への弾性変形が抑制され、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除されることはなく、光コネクタアダプタとの光接続状態を維持することができ、光コネクタプラグ10と光コネクタアダプタとの連結が不用意に解除される切断事故を防ぐことができる。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bの弾性力が強いから、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタに挿入したときに、下方へ弾性変形した第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2弾性変形部80a,80bが上方へ戻り易く、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bと光コネクタアダプタとを確実に係合させることにより、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bを光コネクタアダプタに強固に係合させることができ、光コネクタアダプタに対する光コネクタプラグ10の連結(光接続状態)を確実に維持することができる。
二連式の光コネクタプラグ10は、第1及び第2弾性変形部80a,80bの第1及び第2傾斜部分84a,84bの厚み寸法が第1及び第2水平部分83a,83bの厚み寸法よりも小さく、第1及び第2傾斜部分84a,84bの弾性力が第1及び第2水平部分83a,83bの弾性力よりも弱いから、第1弾性変形部80aのうちの第1傾斜部分84aが第1水平部分83aよりも容易に弾性変形し、第2弾性変形部80bのうちの第2傾斜部分84bが第2水平部分83bよりも容易に弾性変形し、第1及び第2コネクタアセンブリ11a,11bを光コネクタアダプタに挿入したときに、第1及び第2係合ラッチ75a,75bの第1及び第2係合部82a,82bを光コネクタアダプタにスムーズに係合させることができ、光コネクタプラグ10を光コネクタアダプタにスムーズに連結させることができる。
図15は、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを回転させる手順を説明する斜視図であり、図16は、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを半回転(180度)回転させた後の斜視図である。二連式の光コネクタプラグ10の第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを回転させる手順(極性変換手順)を説明すると、以下のとおりである。
インナーハウジング14とアウターハウジング15とが連結(接続)された状態から、ブーツ18を軸方向前方へ押し出すと、アウターハウジング15の底壁70に形成された係合凸部77がインナーハウジング14の底壁52に形成された第1及び第2凹部67a,67bから第1及び第2凸部66a,66bを乗り越えて第1及び第2ガイド溝65a,65bに進入し、インナーハウジング14とアウターハウジング15との連結(固定)が解除され、図15に示すように、インナーハウジング14がアウターハウジング15から軸方向前方へ引き出される。インナーハウジング14をアウターハウジング15から引き出した後、例えば、図15に矢印C1で示すように、第1光コネクタアセンブリ11a(一方の光コネクタアセンブリ)を時計回り方向へ回転させる。
光コネクタプラグ10では、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bのうちの第1光コネクタアセンブリ11a(一方の光コネクタアセンブリ)がその軸を中心に時計回り方向へ回転すると、第1歯車12a(一方の歯車)が時計回り方向へ回転し、第1歯車12aの回転によって中間歯車13が反時計回り方向へ回転する。中間歯車13によって第1歯車12aの回転力(回転)が第2歯車12b(他方の歯車)に伝達され、第1歯車12aに連動して第2歯車12bがその軸を中心に第1歯車12aと同一の時計回り方向(同一方向)へ回転し、それによって第2光コネクタアセンブリ11bが時計回り方向へ回転する。
それら歯車12a,12b,13の歯車比が1であるから、第1光コネクタアセンブリ11aを時計回り方向へ回転させたときに、第2光コネクタアセンブリ11b(他方の光コネクタアセンブリ)が第1光コネクタアセンブリ11aと同一の回転角度で時計回り方向へ回転する。尚、第2光コネクタアセンブリ11b(一方の光コネクタアセンブリ)を時計回り方向へ回転させると、第1光コネクタアセンブリ11a(他方の光コネクタアセンブリ)が第2光コネクタアセンブリ11bと同一の回転角度で時計回り方向へ回転する。
第1及び第2歯車収容部60,61に回転可能に収容された第1及び第2歯車12a,12bの回転力が第1及び第2歯車12a,12bの一方の歯車12a,12bから中間歯車収容部62に回転可能に収容された中間歯車13を介して他方の歯車12a,12bに伝達されるから、それら歯車12a,12b,13を利用することで、他方の光コネクタアセンブリ11a,11bを一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の方向へ同時に回転させることができる。
又、それら歯車12a,12b,13の歯車比が1であるから、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bのうちの一方の光コネクタアセンブリ11a,11bが回転したときに、他方の光コネクタアセンブリ11a,11bが一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の回転角度で回転し、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの回転始点から回転終点までの回転範囲を同一にすることができ、一方の光コネクタアセンブリ11a,11bを回転させることで他方の光コネクタアセンブリ11a,11bを一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の位置まで回転させることができる。
図15の状態から第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを時計回り方向へ半回転(180度)回転(回転始点から回転終点まで半回転回転)させると、インナーハウジング14の第1開口55aの軸方向後方に形成された第1回転規制凸部58a(回転角度規制手段)に第1歯車12aに形成された第1回転停止凸部50a(回転角度規制手段)が当接するとともに、インナーハウジング14の第2開口55bの軸方向後方に形成された第2回転規制凸部58b(回転角度規制手段)に第2歯車12bに形成された第2回転停止凸部50b(回転角度規制手段)が当接し、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bの時計回り方向への回転が停止する。
第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを時計回り方向へ半回転(180度)回転させた後、図15に矢印C2で示すように、アウターハウジング15(スライダー16を含む)を時計回り方向(又は、反時計回り方向)へ半回転(180度)回転させる。アウターハウジング15を半回転(180度)回転させると、アウターハウジング15の頂壁69がインナーハウジング14の底壁52の側に位置し、アウターハウジング15の底壁70がインナーハウジング14の頂壁51の側に位置する。
次に、アウターハウジング15の頂壁69にインナーハウジング14の底壁52が対向するとともにアウターハウジング15の底壁70にインナーハウジング14の頂壁51が対向した状態で、アウターハウジング15をインナーハウジング14に向かって前後方向前方へ移動させ、インナーハウジング14をアウターハウジング15の内部に収容し(押し入れ)、既述のように、インナーハウジング14の頂壁51に形成された第1及び第2凹部67a,67bにアウターハウジング15の底壁70に形成された係合凸部77を係入させ、インナーハウジング14とアウターハウジング15とを連結(接続)する。図1の状態から第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを時計回り方向へ同時に半回転(180度)回転させて図16の状態にすることで、二連式の光コネクタプラグ10の極性が変換される。
図16に示す光コネクタプラグ10の極性を変換した後、既述の手順によってインナーハウジング14をアウターハウジング15から軸方向前方へ引き出し、第2光コネクタアセンブリ11b(一方の光コネクタアセンブリ)を反時計回り方向へ回転させるとともに、第1光コネクタアセンブリ11aを反時計回り方向へ回転させる。第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを反時計回り方向へ半回転(180度)回転させた後、アウターハウジング15(スライダー16を含む)を反時計回り方向(又は、時計回り方向)へ半回転(180度)回転させる。
次に、アウターハウジング15の頂壁69にインナーハウジング14の頂壁51が対向するとともにアウターハウジング15の底壁70にインナーハウジング14の底壁52が対向した状態で、アウターハウジング15をインナーハウジング14に向かって前後方向前方へ移動させ、インナーハウジング14をアウターハウジング15の内部に収容し(押し入れ)、インナーハウジング14の底壁52に形成された第1及び第2凹部67a,67bにアウターハウジング15の底壁70に形成された係合凸部77を係入させ、インナーハウジング14とアウターハウジング15とを連結(接続)する。図16の状態から第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bを反時計回り方向へ同時に半回転(180度)回転させて図1の状態にすることで、二連式の光コネクタプラグ10の極性が変換される。
極性変換手順を実施し、第1及び第2光コネクタアセンブリ11a,11bのうちの一方の光コネクタアセンブリ11a,11bをその軸を中心に回転始点から回転終点まで半回転(180度)回転させると、それに連動して他方の光コネクタアセンブリ11a,11bがそれぞれの軸を中心に一方の光コネクタアセンブリ11a,11bと同一の方向へ回転始点から回転終点まで半回転(180度)回転するから、図1の状態から図16の状態に二連式の光コネクタプラグ10の極性を変換することができ、図16の状態から図1の状態に二連式の光コネクタプラグ10の極性を変換することができる。
図1の状態から図16の状態に極性変換した後の二連式の光コネクタプラグ10及び図16の状態から図1の状態に極性変換した後の二連式の光コネクタプラグ10では、第1係合ラッチ75aの第1傾斜部分84aの前端が第1プラグフレーム20aの頂壁31の前端部に形成された第1案内凸部36aの後端の直後に位置しつつ、第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの後端の直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接し、第2係合ラッチ75bの第2傾斜部分84bの前端が第2プラグフレーム20bの頂壁31の前端部に形成された第2案内凸部36bの後端の直後に位置しつつ、第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの後端の直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接する。
二連式の光コネクタプラグ10は、図1の状態から図16の状態に極性変換した後及び図16の状態から図1の状態に極性変換した後であっても、第1係合ラッチ75aの第1当接凸部81aが第1案内凸部36aの後端の直後に延びる第1プラグフレーム20aの頂壁31の上面35に当接するから、第1弾性変形部80a(第1水平部分83a及び第1傾斜部分84a)の上下方向の弾性力を高く維持することができ、第2係合ラッチ75bの第2当接凸部81bが第2案内凸部36bの後端の直後に延びる第2プラグフレーム20bの頂壁31の上面35に当接するから、第2弾性変形部80b(第2水平部分83b及び第2傾斜部分84b)の上下方向の弾性力を高く維持することができる。
一例として示す二連式の光コネクタプラグの斜視図。
二連式の光コネクタプラグの側面図。
二連式の光コネクタプラグの分解斜視図。
第1及び第2プラグフレームの斜視図。
図4のA−A線矢視断面図。
第1及び第2ストップリングの斜視図。
2つに分離した状態で示すインナーハウジングの斜視図。
インナーハウジングの外面図。
アウターハウジングの斜視図。
アウターハウジングの正面図。
上方から見たスライダーの斜視図。
下方から見たスライダーの斜視図。
図11のB−B線矢視断面図。
光コネクタプラグに大きな引っ張り荷重が作用した場合の光コネクタプラグの側面図。
第1及び第2光コネクタアセンブリを回転させる手順を説明する斜視図。
第1及び第2光コネクタアセンブリを半回転(180度)回転させた後の斜視図。
10 二連式の光コネクタプラグ
11a 第1光コネクタアセンブリ
11b 第2光コネクタアセンブリ
12a 第1歯車
12b 第2歯車
13 中間歯車
14 インナーハウジング
15 アウターハウジング
16 スライダー
17 カシメリング
18 ブーツ
19a 第1フェルール
19b 第2フェルール
20a 第1プラグフレーム
20b 第2プラグフレーム
21a 第1ストップリング
21b 第2ストップリング
22a 第1ばね
22b 第2ばね
23a 第1キャピラリ
23b 第2キャピラリ
24a 第1スリーブ
24b 第2スリーブ
25a 第1光ファイバ
25b 第2光ファイバ
26 先端面
27 面取り部
28 パイプ
29a 第1心線カバー
29b 第2心線カバー
30a 第1フランジ
30b 第2フランジ
31 頂壁
32 底壁
33 側壁
34 側壁
35 上面
36a 第1案内凸部
36b 第2案内凸部
37a 第1フランジ
37b 第2フランジ
38a 第1係入凹部
38b 第2係入凹部
39 フェルール収容スペース
40 前端露出口
41 後端挿入口
42 当接部
43 ガイド凹部
44 前端部
45 中間部
46 後端部
47 心線露出口
48 心線挿入口
49 ガイド凸部
50a 第1回転停止凸部(回転角度規制手段)
50b 第2回転停止凸部(回転角度規制手段)
51 頂壁
52 底壁
53 側壁
54 側壁
55a 第1開口
55b 第2開口
56 筒部
57a 第1係入凸部
57b 第2係入凸部
58a 第1回転規制凸部(回転角度規制手段)
58b 第2回転規制凸部(回転角度規制手段)
59 仕切壁
60 第1歯車収容部
61 第2歯車収容部
62 中間歯車収容部
63 嵌合孔
64 嵌合爪
65a 第1ガイド溝
65b 第2ガイド溝
66a 第1凸部
66b 第2凸部
67a 第1凹部
67b 第2凹部
68 ガイド凸部
69 頂壁
70 底壁
71 側壁
72 側壁
73 前端開口
74 後端開口
75a 第1係合ラッチ
75b 第2係合ラッチ
76 係入キー
77 係合凸部
78 ガイド凹部
79a 第1連結部
79b 第2連結部
80a 第1弾性変形部
80b 第2弾性変形部
81a 第1当接凸部
81b 第2当接凸部
82a 第1係合部
82b 第2係合部
83a 第1水平部分
83b 第2水平部分
84a 第1傾斜部分
84b 第2傾斜部分
85 斜面
86a 第1傾斜凸部
86b 第2傾斜凸部
87 フレーム
88 摺動頂壁
89a 第1外側ガイド壁
89b 第2外側ガイド壁
90a 第1内側ガイド壁
90b 第2内側ガイド壁
91a 第1進入路
91b 第2進入路
92a 第1傾斜凹部
92b 第2傾斜凹部
93a 第1貫通孔
93b 第2貫通孔
94 斜面
95 キー係入部
96 光ファイバコード