JP2021143244A - 超撥水性表面処理組成物、超撥水性表面処理基材及び表面処理方法 - Google Patents
超撥水性表面処理組成物、超撥水性表面処理基材及び表面処理方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】被処理基材の表面に対して超撥水性を付与可能な超撥水性表面処理組成物、超撥水性表面処理基材及び表面処理方法を提供する。【解決手段】式(1)で示されるフッ素含有化合物を含む第1の粒子と、シリコーン樹脂を含む第2の粒子とを含有し、第1の粒子は、第1の粒子径をピークとする第1の粒度分布と、第1の粒子径よりも大きい第2の粒子径をピークとする第2の粒度分布とを含む粒度分布を有し、第2の粒子は、所定の粒子径をピークとする粒度分布を有し、第1の粒子の含有量が0.2〜0.3質量部であり、第2の粒子の含有量が0.03〜0.3質量部である。式(1)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。【選択図】なし
Description
本発明は、超撥水性表面処理組成物、超撥水性表面処理基材及び表面処理方法に関する。
インクジェット記録装置を用いたインクジェット記録方法では、画像解像度の向上を目的とし、高浸透性を有するインクがしばしば使用されている。しかし、高浸透性のインクは表面張力が低いことから非常に濡れやすく、インクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)のノズル表面が汚染しやすいという問題がある。インクジェットヘッドのノズル表面の汚染を防止することを目的として、従来、金属製のノズル基材に撥水層が設けられたインクジェットヘッドが知られている。
上記特許文献1に記載されている撥水層等を形成するための表面処理組成物等の技術分野においては、極めて優れた撥水性を有する材料が必須であり、当該撥水性をさらに向上させてなる材料の提案に対する要望が高まっている。
上記課題に鑑みて、本発明は、被処理基材の表面に対して超撥水性を付与可能な超撥水性表面処理組成物、当該超撥水性表面処理組成物により表面処理がなされた超撥水性表面処理基材及び表面処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、下記式(1)で示されるフッ素含有化合物を含む第1の粒子と、シリコーン樹脂を含む第2の粒子とを含有し、前記第1の粒子は、第1の粒子径をピークとする第1の粒度分布と、前記第1の粒子径よりも大きい第2の粒子径をピークとする第2の粒度分布とを含む粒度分布を有し、前記第2の粒子は、所定の粒子径をピークとする粒度分布を有し、前記第1の粒子の含有量が、0.2〜0.3質量部であり、前記第2の粒子の含有量が、0.03〜0.3質量部であることを特徴とする超撥水性表面処理組成物を提供する。
上記式(1)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。
前記第1の粒子の前記第1の粒度分布は、前記第1の粒子の一次粒子の粒度分布であり、前記第1の粒子の前記第2の粒度分布は、前記第1の粒子の前記一次粒子が凝集した二次粒子の粒度分布であればよく、前記第1の粒子の前記第1の粒度分布の前記ピークである前記第1の粒子径が、200nm〜1.0μmの範囲内であればよく、前記第2の粒子の前記粒度分布の前記ピークである前記粒子径が、1〜10μmの範囲内であればよい。
前記式(1)において、yが0であってもよく、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基が、下記式(2)で表される基であってもよく、R2はメチル基であってもよく、xが1〜10の整数であってもよい。
本発明は、第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、少なくとも前記第1面に設けられている表面処理層とを備え、前記表面処理層は、上記超撥水性表面処理組成物を用いた表面処理により形成されているものであることを特徴とする超撥水性表面処理基材を提供する。
上記超撥水性表面処理基材において、前記表面処理層は、海島状に存在する凝集物を含み、前記凝集物は、前記第1の粒子が複数の前記第2の粒子同士を接合するようにして構成されていればよい。
本発明は、上記超撥水性表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法を提供する。
本発明によれば、被処理基材の表面に対して超撥水性を付与可能な超撥水性表面処理組成物、当該超撥水性表面処理組成物により表面処理がなされた超撥水性表面処理基材及び表面処理方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について説明する。
[超撥水性表面処理組成物]
本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物は、下記式(1)で示されるフッ素含有化合物を含む第1の粒子と、シリコーン樹脂を含む第2の粒子とを含有する。
[超撥水性表面処理組成物]
本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物は、下記式(1)で示されるフッ素含有化合物を含む第1の粒子と、シリコーン樹脂を含む第2の粒子とを含有する。
式(1)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。
式(1)において、R1で表されるフルオロアルキル基を含有する基としては、例えば、−CF3、−C2F5、−C3F7、−C6F13、−C7F15等の−CqF2q+1(q=1〜10)で表されるフルオロアルキル基;オキシフルオロアルキレン基等を挙げることができ、これらのうち、下記式(2)で示されるオキシフルオロアルキレン基であるのが好ましい。
式(1)において、R2で表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基等の炭素数1〜2のアルキル基が挙げられ、R2で表されるアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基等の炭素数2〜4のアルコキシアルキル基が挙げられる。これらのうち、R2で表される基としては、アルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
式(1)において、R3及びR4で表される有機基としては、例えば、下記式(i)〜(v)で示される基を挙げることができる。
式(1)において、トリアルコキシシリル基又はトリアルコキシアルコキシシリル基(−Si(OR2)3)が結合する中間鎖(−CH2−CH−)の数xは、1〜100であり、好ましくは1〜50、より好ましくは1〜10、特に好ましくは2〜5である。また、中間鎖(−CH2−CR3R4−)の数yは、0〜100であり、好ましくは0〜50、より好ましくは0〜10である。
上記フッ素含有化合物として好適な化合物としては、下記式(3)〜(7)で示される化合物を例示することができる。特に、上記フッ素含有化合物が式(3)又は式(6)で示される化合物(式(1)においてy=0である化合物)であると、1分子中に占められるフッ素原子の割合が大きくなる。これにより、フッ素による撥水性も相乗的に作用し、本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物において超撥水性が奏されやすくなる。
式(4)及び式(5)中、R1’は、−CF(CF3)OCF2CF(CF3)OC3F7で表される基である。式(4)中、xaは1〜100の整数である。式(5)中、xbは1〜100の整数であり、ybは1〜500の整数である。
上記式(1)で示されるフッ素含有化合物は、下記式(Ia)で示されるフッ素含有過酸化物の存在下に、下記式(Ib)で示される単量体と、下記式(Ic)で示される単量体とを重合させることにより得られる。なお、この反応生成物(フッ素含有化合物)中には、フルオロアルキル基を含有する基(R1)が片末端のみに導入されているオリゴマーが任意の割合で含まれていてもよい。
第2の粒子は、シリコーン樹脂を含む。シリコーン樹脂を含む第2の粒子としては、例えば、球状シリコーンゴムパウダー、ポリスチレン、アクリル、ポリウレタン、シリカ、アルミナ又は酸化チタン等からなるコア粒子の表面をシリコーン樹脂で被覆した粒子、ジメチルポリシロキサンを架橋したシリコーンゴム粒子、(RSiO3/2)nで表されるポリオルガノシルセスキオキサン硬化物粒子等が挙げられる。これらのシリコーン樹脂を含む第2の粒子としては、例えば、HS−4(製品名,モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)に含まれるシリコーンビーズ等が用いられてもよい。
第1の粒子は、一次粒子と、当該一次粒子の凝集体である二次粒子とを含む。第2の粒子は、一次粒子を含む。第1の粒子の一次粒子の数平均粒子径は、第2の粒子の数平均粒子径よりも小さければよく、好ましくは1桁以上小さく、より好ましくは2桁以上小さい。例えば、第1の粒子の一次粒子の数平均粒子径がナノオーダーであって、第2の粒子の数平均粒子径がミクロンオーダーであってもよい。例えば、第1の粒子の一次粒子の数平均粒子径は200〜2000nmの範囲内であればよく、第2の粒子の一次粒子の数平均粒子径は1〜10μmの範囲内であればよい。
第1の粒子における一次粒子の含有量が二次粒子の含有量よりも多くてもよいし、一次粒子の含有量が二次粒子の含有量よりも少なくてもよい。後述するように、第1の粒子における一次粒子及び二次粒子の含有量によって、表面処理組成物の調製時における第1の粒子及び第2の粒子の仕込み量を調整することで、当該表面処理組成物を用いて表面処理された被処理基材の表面に優れた超撥水性を付与することができる。
第1の粒子における一次粒子の含有量と二次粒子の含有量との比は、例えば、ゼータ電位・粒径・分子量測定システム(大塚電子社製,製品名:ELSZ−2000ZS)を用いて得られる粒度分布曲線における一次粒子の分布面積と二次粒子の分布面積との比で表され得る。一次粒子の含有量が二次粒子の含有量よりも多い場合、一次粒子の分布面積と二次粒子の分布面積との比は、1:0.1〜1:0.5程度であればよく、1:0.1〜1:0.3程度であるのが好ましい。一方、一次粒子の含有量が二次粒子の含有量よりも少ない場合、一次粒子の分布面積と二次粒子の分布面積との比は、1:1.3〜1:5.0程度であればよく、1:1.3〜1:2.5程度であるのが好ましい。なお、分布面積は、粒度分布曲線において対象となる粒子の粒度分布を示す曲線により囲まれた領域の面積であって、上記粒度分布曲線の積分により算出されてもよいし、粒度分布曲線を、所定の粒度範囲を幅とする棒グラフで近似し、当該棒グラフの面積の合計として算出されてもよい。
第1の粒子の粒度分布は、第1の粒子径をピークとする第1の粒度分布と、第1の粒子径よりも大きい第2の粒子径をピークとする第2の粒度分布とを有する、いわゆるダブルピークの粒度分布である。第1の粒度分布のピークである第1の粒子径は、200nm〜1.5μmの範囲内であればよく、200〜800nmの範囲内であるのが好ましい。第2の粒度分布のピークである第2の粒子径は、2.0〜150μmの範囲内であればよく、10〜100μmの範囲内であればよい。
第2の粒子の粒度分布は、所定の粒子径をピークとする粒度分布を有する、いわゆるシングルピークの粒度分布である。第2の粒子の粒度分布のピークである粒子径は、1.0〜10μmの範囲内であればよく、1.0〜6.0μmの範囲内であるのが好ましい。
なお、粒度分布におけるピークとは、当該粒度分布を示す粒度分布曲線の粒子径が最小となる点から、粒子径が最大となる点の範囲内において、当該粒度分布曲線の傾きがゼロになる点を意味するものとする。
第1の粒子の第1の粒度分布の幅は、第2の粒子の一次粒子の粒度分布の幅よりも小さければよく、好ましくは1桁以上小さく、より好ましくは2桁以上小さい。例えば、第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅がナノオーダーであって、第2の粒子の一次粒子の粒度分布の幅がミクロンオーダーであってもよい。第1の粒子の二次粒子の粒度分布の幅は、第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅の10〜100倍程度の範囲内であればよい。本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物を用いて被処理基材等の表面処理を行うと、一次粒子の粒度分布の幅が相対的に小さい第1の粒子の一次粒子が凝集体(二次粒子)を形成し、当該第1の粒子の凝集体(二次粒子)が、一次粒子の粒度分布の幅が相対的に大きい第2の粒子を凝集させるためのバインダーとしての役割を果たし、被処理基材上に凝集した第2の粒子の凝集物を海島状に存在させることができると考えられる。このような表面状態(第2の粒子の凝集物が海島状に存在している状態)によって被処理基材の表面を超撥水表面とすることができる具体的なメカニズムは必ずしも明らかではないが、当該超撥水表面は、所定の凹凸を有するようになることで、被処理基材の表面を超撥水表面とすることができるものと推認される。
具体的には、第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅は、200nm〜1.5μmの範囲内であればよく、好ましくは200〜600nmの範囲内であればよい。一方で、第1の粒子の二次粒子の粒度分布の幅は、10〜100μmの範囲内であればよい。第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅が200nm未満であったり、1.5μmを超えたりすると、第1の粒子の凝集体(二次粒子)が第2の粒子を凝集させるためのバインダーとしての役割を果たし難くなるおそれがある。
一方、第2の粒子の粒度分布の幅は、1.0〜10.0μmの範囲内であればよく、4.0〜6.0μmの範囲内であればよい。第2の粒子の粒度分布の幅が上記範囲内であることで、第1の粒子の凝集体(二次粒子)のバインダーとしての役割により第2の粒子が凝集し、被処理基材上に凝集した第2の粒子の凝集物を海島状に存在させることができる。なお、第1の粒子及び第2の粒子の一次粒子の数平均粒子径、第1の粒子の一次粒子及び二次粒子の粒度分布の幅、並びに第2の粒子の粒度分布の幅は、例えば、ゼータ電位・粒径・分子量測定システム(大塚電子社製,製品名:ELSZ−2000ZS)を用いて測定される値である。
本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物において、第1の粒子の含有量が0.2〜0.3質量部であり、第2の粒子の含有量が0.03〜0.3質量部であればよい。本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物が表面処理基材上に塗布されると、第1の粒子がバインダーとしての役割を果たして第2の粒子を凝集させ、当該表面処理基材上に第1の粒子と第2の粒子との凝集物が海島状にランダムに存在することになる。これにより、表面処理基材上に所定の表面粗さの凹凸を形成させることにより、表面処理基材の表面を超撥水表面とすることができる。本実施形態においては、後述する実施例に示すように、第1の粒子の含有量と第2の含有量とが上記範囲であることで、表面処理基材に超撥水性を付与することができる。
本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物は、炭素数1〜5のアルコール系溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)等の、第1の粒子及び第2の粒子を略均一に分散させ得る分散媒を含有していてもよい。
なお、本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物は、塩基触媒(例えば、アンモニア水等)を含む反応系で上記フッ素含有化合物を含む第1の粒子を作製するときの反応溶液と、第2の粒子との混合物であってもよい。
上述した本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物は、後述する実施例からも明らかなように、優れた超撥水性を表面処理基材に付与することができる。ここで、超撥水性とは、例えば、上記超撥水性表面処理組成物により表面処理が施された表面処理基材(金属基材、ガラス基材、ゴム基材等)の表面について接触角計(例えば、協和界面科学社製のDropMaster300(製品名)等)を用いて水の接触角(deg)を測定したとき、水の接触角が180°であることを意味する。
本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物によれば、ガラス、金属、ゴム、プラスチック、繊維等の被処理基材の表面処理に用いることで、当該被処理基材の表面に超撥水層等の機能性薄膜(表面処理層)を形成することができる。すなわち、本実施形態に係る超撥水性を付与可能な超撥水性表面処理組成物は、超撥水層形成用表面処理組成物として利用することができる。
[超撥水性表面処理組成物の製造方法]
本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物は、例えば、上記フッ素含有化合物と、溶媒と、アルカリ触媒とを混合して得られた溶液から溶媒を除去することで第1の粒子を作製し、当該第1の粒子と、シリコーン樹脂を含む第2の粒子とを、溶媒中で混合させることにより製造され得る。
本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物は、例えば、上記フッ素含有化合物と、溶媒と、アルカリ触媒とを混合して得られた溶液から溶媒を除去することで第1の粒子を作製し、当該第1の粒子と、シリコーン樹脂を含む第2の粒子とを、溶媒中で混合させることにより製造され得る。
上記第1の粒子と上記第2の粒子との混合比は、例えば、超撥水性表面処理組成物における第1の粒子の含有量が0.2〜0.3質量部、第2の粒子の含有量が0.03〜0.3質量部となるように適宜調整されればよい。超撥水性表面処理組成物における第1の粒子及び第2の粒子の含有量が上記範囲内であることで、得られる超撥水性表面処理組成物において優れた超撥水性が発現され得る。
上記溶媒は、上記第1の粒子と上記第2の粒子とを略均一に分散させ得るものであればよく、例えば、炭素数1〜5のアルコール系溶媒(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等)であればよい。
一次粒子の含有量が二次粒子の含有量よりも多い第1の粒子を作製するときに添加される上記アルカリ触媒の添加量は、上記フッ素含有化合物の添加量に対して9〜10倍量(質量基準)であればよい。上記アルカリ触媒の添加量が上記フッ素含有化合物の添加量に対する10倍量を超えると、アルカリ触媒の添加量が多く反応が進行し難くなるおそれがあり、9倍量未満であると、二次粒子の含有量が多い第1の粒子が作製されてしまうおそれがある。一方、一次粒子の含有量が二次粒子の含有量よりも少ない第1の粒子を作製するときに添加される上記アルカリ触媒の添加量は、上記フッ素含有化合物の添加量に対して7倍量以上9倍量未満(質量基準)であればよい。上記アルカリ触媒の添加量が上記フッ素含有化合物の添加量に対する9倍量以上であると、二次粒子の含有量の少ない第1の粒子が作製されてしまうおそれがあり、7倍量未満であると、第1の粒子が作製されないおそれがある。
また、第1の粒子を作製する際に上記溶液から上記溶媒を除去する方法としては、上記溶液を加熱して上記溶媒を揮発させる方法以外の方法であればよく、例えば、真空乾燥処理方法、ロータリーエバポレーターを用いて上記溶媒を揮発させる方法等が挙げられる。上記溶液を加熱してしまうと、作製される第1の粒子(特に一次粒子)が凝集してしまうおそれがある。
[表面処理方法]
本実施形態における表面処理方法は、本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する工程を含む。超撥水性表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、刷毛、ローラー、スプレー等を用いて塗布する方法や、超撥水性表面処理組成物に被処理基材を浸漬させる方法等が挙げられる。
本実施形態における表面処理方法は、本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する工程を含む。超撥水性表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布する方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、刷毛、ローラー、スプレー等を用いて塗布する方法や、超撥水性表面処理組成物に被処理基材を浸漬させる方法等が挙げられる。
本実施形態において、超撥水性表面処理組成物を被処理基材の表面に塗布することで形成された塗膜を加熱することで、溶媒を除去してもよい。塗膜を加熱する方法としては、オーブンによる加熱等が挙げられるが、特に制限されるものではない。加熱条件としては、例えば、100〜180℃で10〜60分程度、好ましくは100〜130℃で10〜30分程度である。
上述したように、本実施形態に係る超撥水性表面処理組成物を用いた表面処理方法を実施することで、被処理基材の表面(被処理面)に表面処理層が形成されてなる表面処理基材を作製することができる。かかる表面処理基材において、表面処理層は、基部としての被処理基材の表面(第1面)に少なくとも形成されていればよいが、裏面(第2面)に形成されていてもよいし、表面(第1面)及び裏面(第2面)に形成されていてもよい。このようにして作製された表面処理基材は、その表面処理層が優れた超撥水性を発現することのできる超撥水性表面処理基材である。
被処理基材(基部)としては、超撥水表面が求められるものであれば特に制限されないが、例えば、PET(polyethylene terephthalate)、PE(polyethylene)、Polyurethane、Polycarbonate等の樹脂基材;アルミニウム、ステンレス等の金属基材;ガラス基材等を例示することができる。
上記表面処理基材の基部の第1面に形成されている表面処理層は、海島状に存在する凝集物を含んでおり、当該凝集物は、第2の粒子同士が第1の粒子を介して接合されるようにして凝集している。すなわち、第1の粒子が、第2の粒子同士を接合するバインダーとしての役割を果たしている。上記表面処理基材においては、上記表面処理層が所定の凹凸を有するようになることで、被処理基材の表面が超撥水性を発現することができるものと推認される。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属するすべての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
以下、製造例、試験例等を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は下記の試験例等に何ら限定されるものではない。
〔製造例〕
[超撥水性表面処理組成物の製造例1]
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2gとメタノール60mLとを混合し、攪拌しながら28質量%アンモニア水5mLを添加し、さらに攪拌することで第1の粒子を含有する溶液を得た。得られた溶液に遠心分離処理を施し、上澄み液を除去した後、メタノールを添加して攪拌した。遠心分離処理及び上澄み液の除去処理を5回繰り返した後、50℃で8時間真空乾燥処理を施すことで、第1の粒子を得た。得られた第1の粒子を、ゼータ電位・粒径・分子量測定システム(大塚電子社製,製品名:ELSZ−2000ZS)を用いて測定したところ、粒子径が554.4nmをピークとする第1の粒度分布と、粒子径が54.5μmをピークとする第2の粒度分布とを有していることが確認された。また、第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅は392.2nmであり、第1の粒子の二次粒子の粒度分布の幅は52.0μmであった。また、粒度分布曲線における第1の粒子の一次粒子の分布面積と二次粒子の分布面積との面積比は、1:2.93であった。
[超撥水性表面処理組成物の製造例1]
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物2gとメタノール60mLとを混合し、攪拌しながら28質量%アンモニア水5mLを添加し、さらに攪拌することで第1の粒子を含有する溶液を得た。得られた溶液に遠心分離処理を施し、上澄み液を除去した後、メタノールを添加して攪拌した。遠心分離処理及び上澄み液の除去処理を5回繰り返した後、50℃で8時間真空乾燥処理を施すことで、第1の粒子を得た。得られた第1の粒子を、ゼータ電位・粒径・分子量測定システム(大塚電子社製,製品名:ELSZ−2000ZS)を用いて測定したところ、粒子径が554.4nmをピークとする第1の粒度分布と、粒子径が54.5μmをピークとする第2の粒度分布とを有していることが確認された。また、第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅は392.2nmであり、第1の粒子の二次粒子の粒度分布の幅は52.0μmであった。また、粒度分布曲線における第1の粒子の一次粒子の分布面積と二次粒子の分布面積との面積比は、1:2.93であった。
上記のようにして得られた第1の粒子を、第2の粒子としてのシリコーン粒子を含むシリコーン溶液(製品名:HS−4、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)に添加して攪拌することで、超撥水性表面処理組成物を得た。なお、上記第2の粒子を、ゼータ電位・粒径・分子量測定システム(大塚電子社製,製品名:ELSZ−2000ZS)を用いて測定したところ、粒子径4.9μmをピークとする1つの粒度分布を有することが確認された。また、第2の粒子の粒度分布の幅は1.3μmであった。
[超撥水性表面処理組成物の製造例2]
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物1gとメタノール100mLとを混合し、攪拌しながら28質量%アンモニア水10mLを添加し、さらに攪拌することで第1の粒子を含有する溶液を得た。得られた溶液に遠心分離処理を施し、上澄み液を除去した後、メタノールを添加して攪拌した。遠心分離処理及び上澄み液の除去処理を5回繰り返した後、50℃で8時間真空乾燥処理を施すことで、第1の粒子を得た。得られた第1の粒子の数平均粒子径及び粒度分布の幅を、ゼータ電位・粒径・分子量測定システム(大塚電子社製,製品名:ELSZ−2000ZS)を用いて測定したところ、第1の粒子の一次粒子の数平均粒子径は510.6nmであり、第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅は381.5nmであり、第1の粒子の二次粒子の粒度分布の幅は14.6μmであった。また、粒度分布曲線における第1の粒子の一次粒子の分布面積と二次粒子の分布面積との面積比は、1:0.26であった。
上記式(5)で示されるフッ素含有化合物1gとメタノール100mLとを混合し、攪拌しながら28質量%アンモニア水10mLを添加し、さらに攪拌することで第1の粒子を含有する溶液を得た。得られた溶液に遠心分離処理を施し、上澄み液を除去した後、メタノールを添加して攪拌した。遠心分離処理及び上澄み液の除去処理を5回繰り返した後、50℃で8時間真空乾燥処理を施すことで、第1の粒子を得た。得られた第1の粒子の数平均粒子径及び粒度分布の幅を、ゼータ電位・粒径・分子量測定システム(大塚電子社製,製品名:ELSZ−2000ZS)を用いて測定したところ、第1の粒子の一次粒子の数平均粒子径は510.6nmであり、第1の粒子の一次粒子の粒度分布の幅は381.5nmであり、第1の粒子の二次粒子の粒度分布の幅は14.6μmであった。また、粒度分布曲線における第1の粒子の一次粒子の分布面積と二次粒子の分布面積との面積比は、1:0.26であった。
上記のようにして得られた第1の粒子を、第2の粒子としてのシリコーン粒子を含むシリコーン溶液(製品名:HS−4、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)に添加して攪拌することで、超撥水性表面処理組成物を得た。
〔試験例1〕
上記製造例1により作製した第1の粒子及び第2の粒子の含有量を調整した種々の表面処理組成物(試料1〜15)と、第2の粒子としてのシリコーン粒子を含まないシリコーン樹脂に第1の粒子の含有量を調整した表面処理組成物(試料16〜20)と、第1の粒子を含まず、第2の粒子としてのシリコーン粒子の含有量を調整した表面処理組成物(試料21〜23)と、上記製造例2により作製した第1の粒子及び第2の粒子の含有量を調整した種々の表面処理組成物(試料24〜26)とを準備し、当該超撥水性表面処理組成物を表面処理基材としてのアルミニウム板に塗布することで表面処理層を形成した。当該表面処理層の水接触角(deg)を、接触角計(協和界面科学社製,製品名:DropMaster300)を用いて測定した。なお、表面処理層を形成していない表面処理基材についても、同様にして水接触角を測定した。結果を表1に示す。
上記製造例1により作製した第1の粒子及び第2の粒子の含有量を調整した種々の表面処理組成物(試料1〜15)と、第2の粒子としてのシリコーン粒子を含まないシリコーン樹脂に第1の粒子の含有量を調整した表面処理組成物(試料16〜20)と、第1の粒子を含まず、第2の粒子としてのシリコーン粒子の含有量を調整した表面処理組成物(試料21〜23)と、上記製造例2により作製した第1の粒子及び第2の粒子の含有量を調整した種々の表面処理組成物(試料24〜26)とを準備し、当該超撥水性表面処理組成物を表面処理基材としてのアルミニウム板に塗布することで表面処理層を形成した。当該表面処理層の水接触角(deg)を、接触角計(協和界面科学社製,製品名:DropMaster300)を用いて測定した。なお、表面処理層を形成していない表面処理基材についても、同様にして水接触角を測定した。結果を表1に示す。
表1に示すように、いわゆるダブルピークの粒度分布を有する第1の粒子と、いわゆるシングルピークの粒度分布を有する第2の粒子との含有量が所定の割合である表面処理組成物(試料8〜15,25〜26)を用いることで、表面処理基材に超撥水性(水接触角が180°)を付与することができることが確認された。各試料(試料1〜23)にて形成された表面処理層を電子顕微鏡(SEM)で確認したところ、水接触角が180°となる各試料(試料8〜15,25〜26)にて形成された表面処理層においては、第1の粒子を介して第2の粒子としてのシリコーン粒子が凝集し、海島状に存在している(凝集した第2の粒子が点在している)ことが確認された。一方で、水接触角が180°に至らない各試料(試料1〜7及び試料16〜24)にて形成された表面処理層においては、第1の粒子及び第2の粒子が略均一に散在していることが確認された。この結果から、超撥水性表面処理組成物における第1の粒子及び第2の粒子の含有比が所定の範囲内であることで、第1の粒子がバインダーとしての役割を果たして第2の粒子を凝集させ、それにより表面処理層に所定の凹凸を形成することで、表面処理基材に超撥水性を付与し得ると推認された。
本発明は、撥水性が要求される製品の技術分野において有用である。
Claims (11)
- 下記式(1)で示されるフッ素含有化合物を含む第1の粒子と、シリコーン樹脂を含む第2の粒子とを含有し、
前記第1の粒子は、第1の粒子径をピークとする第1の粒度分布と、前記第1の粒子径よりも大きい第2の粒子径をピークとする第2の粒度分布とを含む粒度分布を有し、
前記第2の粒子は、所定の粒子径をピークとする粒度分布を有し、
前記第1の粒子の含有量が、0.2〜0.3質量部であり、
前記第2の粒子の含有量が、0.03〜0.3質量部であることを特徴とする超撥水性表面処理組成物。
上記式(1)中、R1はフルオロアルキル基を含有する基を表し、R2はアルキル基又はアルコキシアルキル基を表し、R3及びR4は各々独立して水素原子又は1価の有機基を表し、xは1〜100の整数であり、yは0〜100の整数である。 - 前記第1の粒子の前記第1の粒度分布は、前記第1の粒子の一次粒子の粒度分布であり、
前記第1の粒子の前記第2の粒度分布は、前記第1の粒子の前記一次粒子が凝集した二次粒子の粒度分布であることを特徴とする請求項1に記載の超撥水性表面処理組成物。 - 前記第1の粒子の前記第1の粒度分布の前記ピークである前記第1の粒子径が、200nm〜1.5μmの範囲内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の超撥水性表面処理組成物。
- 前記第2の粒子の前記粒度分布の前記ピークである前記粒子径が、1〜10μmの範囲内であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の超撥水性表面処理組成物。
- 前記式(1)において、yが0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の超撥水性表面処理組成物。
- 前記式(1)において、R2はメチル基であることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の超撥水性表面処理組成物。
- 前記式(1)において、xが1〜10の整数であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の超撥水性表面処理組成物。
- 第1面及び当該第1面に対向する第2面を有する基部と、
少なくとも前記第1面に設けられている表面処理層と
を備え、
前記表面処理層は、請求項1〜8のいずれかに記載の超撥水性表面処理組成物を用いた表面処理により形成されているものであることを特徴とする超撥水性表面処理基材。 - 前記表面処理層は、海島状に存在する凝集物を含み、
前記凝集物は、前記第1の粒子が複数の前記第2の粒子同士を接合するようにして構成されることを特徴とする請求項9に記載の超撥水性表面処理基材。 - 請求項1〜8のいずれかに記載の超撥水性表面処理組成物を用いて被処理基材に表面処理を施すことを特徴とする表面処理方法。
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