JP2021142536A - プレス成形金型及びプレス成形方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成型不良を招くことなく、波型形状部を有する差厚鋼板を、一回のプレス成形で所定形状に成形する。【解決手段】プレス成形金型20は、板幅方向に延びる山部2及び谷部3が隣接して設けられた波型形状部4と、波型形状部4よりも板厚が厚い厚肉部(平坦部6)とを有する差厚鋼板1’をプレス成形するためのものであり、互いに接近離反可能な上型21と下型22とを有する。下型22に、凹凸のある第1成形面22aを有する下型本体23と、板長方向(A方向)で凹凸の無い第2成形面22bを有し、下型本体23に対して昇降可能な支持部材24とを備える。支持部材24は、第2成形面22bを第1成形面22aよりも上方に配した位置と、第2成形面22bを第1成形面22aよりも下方に配した位置との間で昇降可能である。【選択図】図9

Description

本発明は、波型形状部を有する差厚鋼板を所定形状にプレス成形するための金型及び方法に関する。
近年、自動車においては、必要とされる車体剛性や衝突強度等を確保しつつ、低燃費化(軽量化)を図ることが強く求められている。このような要請に応えるため、例えば自動車の構成部材の材料として、板厚分布を有するいわゆる差厚鋼板を採用する場合がある。すなわち、差厚鋼板であれば、その特性を部分的に変えることができるので、例えば高い強度が必要とされる部位は厚肉にする一方、高い強度を必要としない部位は薄肉にして軽量化に寄与することができる。
差厚鋼板としては、例えば、個別に作製した薄板と厚板とを突き合わせ溶接することにより得られるもの(「テーラーウエルドブランク」とも言う。特許文献1参照。)や、板厚一定の帯状鋼板を板長方向に搬送しながらその板長方向所定部位を圧延して薄肉化することにより得られるもの(「テーラーロールドブランク」とも言う。特許文献2参照。)が知られている。
特開平7−290182号公報 特開2014−161900号公報
しかし、上記のような方法で差厚鋼板を製造するためには、溶接設備や圧延設備を要するため、製造工場の大型化及び高コスト化を招く。
そこで、本出願人は、特願2019−120648において、プレス成形により差厚鋼板を形成する方法を提案した。具体的には、平板状の鋼板を金型でプレスして山部及び谷部を有する波型形状部を成形することで、この波型形状部が引き延ばされて他の部分よりも薄肉化されることで、差厚鋼板を形成することができる。このような波型形状部を有する差厚鋼板を、一旦平板状にプレス成形した後、所定形状にプレス成形することで、部分的に厚肉化した所定形状のプレス成形品を得ることができる。このように、上記の差厚鋼板は、溶接や圧延が不要である反面、波型形状部を平板状に成形する工程を要するため、工数の削減によるコスト低減効果は小さくなる。
そこで、本発明者らは、波型形状部を有する差厚鋼板を平板状に成形する工程と、平板状にした差厚鋼板を所定形状に成形する工程とを、同一の金型で行うことを検討した。例えば、図17に示すように、波型形状部102を有する差厚鋼板101を下型120の成形面121の上に載置し、上型110を降下させると、図18に示すように、波型形状部102が上型110と下型120とでプレスされて、波型形状部102の山部103及び谷部104が上型110の成形面111及び下型120の成形面121と摺動しながら、波型形状部102が図中左右方向に広がる。その後、さらに上型110を降下させると、図19に示すように、上型110の成形面111と下型120の成形面121とで差厚鋼板101が上下から挟持され、所定形状(図示例では上に凸の曲面状)に成形される。
しかし、実際のプレス成形工程の金型の成形面111、121は、平滑な面であることは少なく、凹凸を有することが多い。例えば、図20に示すような凹凸を有する成形面111、121で差厚鋼板101の波型形状部102を上下からプレスしたとき、波型形状部102の山部103や谷部104が成形面111、121の凹凸に引っかかることがある。例えば、図20に示す例では、差厚鋼板101の波型形状部102の谷部104が、下型120の成形面121に設けられた突部121aに引っかかっている(図中P部参照)。このような状態で、さらに上型110を降下させると、波型形状部102が図中左右方向に広がらないまま上下から押しつぶされて、成型不良となる恐れがある。
以上のような事情から、本発明は、成形不良を招くことなく、波型形状部を有する差厚鋼板を、一回のプレス成形で所定形状に成形することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、所定方向に延びる山部及び谷部が隣接して設けられた波型形状部と、前記波型形状部よりも板厚が厚い厚肉部とを有する差厚鋼板をプレス成形するためのプレス成形金型であって、互いに接近離反可能な一方の金型と他方の金型とを有し、前記一方の金型に、凹凸のある第1成形面を有する金型本体と、前記所定方向と直交する方向で凹凸の無い第2成形面を有し、前記金型本体に対して型開閉方向に移動可能である可動支持部とを備え、前記可動支持部が、前記第2成形面を前記第1成形面よりも前記他方の金型側に配した位置と、前記第2成形面を前記第1成形面よりも前記他方の金型から離反した側に配した位置との間で移動可能であるプレス成形金型を提供する。
上記のプレス成形金型によれば、可動支持部の第2成形面を下型本体の第1成形面よりも他方の金型側に配した状態で、第2成形面と他方の金型とで差厚鋼板をプレスして波型形状部を略平坦化することができる。このように、差厚鋼板の波型形状部を、凹凸を有する第1成形面から浮かせた状態で、凹凸の無い第2成形面でプレスすることで、波型形状部の山部又は谷部が第1成形面の凹凸に引っかかる事態を防止できる。その後、可動支持部を他方の金型から離反する側に後退させながら、一方の金型の第1成形面と他方の金型とで差厚鋼板をプレスすることで、差厚鋼板を凹凸のある所定形状に成形することができる。
すなわち、本発明は、所定方向に延びる山部及び谷部が隣接して設けられた波型形状部と、前記波型形状部よりも板厚が厚い厚肉部とを有する差厚鋼板を、一方の金型と他方の金型とでプレス成形するための方法であって、前記一方の金型が、凹凸のある第1成形面を有する金型本体と、前記所定方向と直交する方向で凹凸の無い第2成形面を有し、前記金型本体に対して型開閉方向に移動可能である可動支持部とを備え、前記可動支持部の前記第2成形面を、前記第1成形面よりも前記他方の金型側に配した状態で、前記第2成形面と前記他方の金型とで前記差厚鋼板をプレスすることにより、前記波型形状部を前記所定方向と直交する方向に広げる工程と、前記可動支持部を前記他方の金型から離反する側に後退させると共に、前記金型本体の第1成形面と前記他方の金型とで前記差厚鋼板をプレス成形する工程とを有するプレス成形方法としても特徴づけることができる。
上記のプレス成形金型では、可動支持部に、第2成形面から出没可能であり、差厚鋼板の波型形状部を、前記所定方向と直交する方向で位置決めする位置決め部材を設けることが好ましい。この位置決め部材を第2成形面から突出させた状態で、第2成形面に波型形状部を有する差厚鋼板をセットすることで、差厚鋼板を第2成形面上の所定の初期位置に正確に配置することができる。そして、第2成形面と他方の金型とで差厚鋼板をプレスする際には、位置決め部材を第2成形面よりも後退させることで、位置決め部材が差厚鋼板の平坦化を妨げることがない。
以上のように、本発明によれば、成型不良を招くことなく、波型形状部を有する差厚鋼板を、一回のプレス成形で所定形状に成形することができる。
第1プレス成形金型の断面図であり、成形直前の状態を示す。 第1プレス成形金型の断面図であり、成形完了時の状態を示す。 第2プレス成形金型の断面図(図6のY−Y断面図)であり、成形前の状態を示す。 第2プレス成形金型の上型の下面図である。 第2プレス成形金型の下型の上面図である。 図3のX−X断面図である。 図6のZ−Z断面図(下型のみ)である。 位置決め部材の側面図である。 第2プレス成形金型の断面図であり、差厚鋼板の波型形状部を平坦化する途中の状態を示す。 図9のX−X断面図である。 第2プレス成形金型の断面図であり、差厚鋼板の波型形状部を平坦化した状態を示す。 図11のX−X断面図である。 第2プレス成形金型の断面図であり、差厚鋼板を所定形状に成形した状態を示す。 図13のX−X断面図である。 他の実施形態に係る第2プレス成形金型の断面図であり、成形直前の状態を示す。 図15の第2プレス成形金型で、差厚鋼板の波型形状部を平坦化した状態を示す断面図である。 比較例に係るプレス成形金型の断面図であり、成形前の状態を示す。 図17のプレス成形金型による成形途中の状態を示す。 図17のプレス成形金型による成形が完了した状態を示す。 他の比較例に係るプレス成形金型の断面図であり、成形途中の状態を示す。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本実施形態では、肉厚が均一な鋼板をプレス成形して、波型形状部を有する差厚鋼板を形成する差厚鋼板形成工程と、波型形状を有する差厚鋼板を所定形状にプレス成形するプレス成形工程とを経て、所定形状のプレス成形品が形成される。
差厚鋼板形成工程は、図1に示す第1プレス成形金型10を用いて行われる。第1プレス成形金型10は、上型11と、下型12と、ブランクホルダ13とを有する。尚、以下の説明では、図1中の左右方向(A方向)を「板長方向」と言い、図1の紙面と直交する方向を「板幅方向」と言う。
上型11には、板幅方向に延びる複数(図示例では4つ)の第1パンチ14が設けられ、下型12には、板幅方向に延びる複数(図示例では5つ)の第2パンチ15が設けられる。第1パンチ14と第2パンチ15は、板長方向で交互に設けられる。各第1パンチ14及び各第2パンチ15の先端14a、15aは凸曲面状を成している。
まず、ブランクホルダ13の上に、肉厚が均一な平板状の鋼板1を載置した後、上型11を降下させることにより、ブランクホルダ13の上面13aと上型11の下面11aとで鋼板1の板長方向両端が挟持固定される(図1参照)。その後、さらに上型11を降下させることにより、図2に示すように、上型11の各第1パンチ14の先端14aで鋼板1を上方から下向きに加圧して鋼板1に谷部3を成形すると共に、下型12の各第2パンチ15の先端15aで鋼板1を下方から上向きに加圧して鋼板1に山部2を成形する。これにより、鋼板1に、板幅方向に延びる山部2と谷部3が板長方向で交互に設けられた波型形状部4が形成される。
上記のように、鋼板1の板長方向両端を固定した状態で、鋼板1を第1パンチ14及び第2パンチ15で成形することで、鋼板1の波型形状部4(特に、各頂部間に設けられた傾斜部5)が上下に引き伸ばされる。これにより、波型形状部4の板厚(平均板厚)が、成型前の平板状の鋼板1よりも板厚が小さくなる。これに対し、鋼板1の板長方向両端に設けられた平坦部6は、上型11とブランクホルダ13とで挟持された部位であるため、その板厚は、成型前の平板状の鋼板1の板厚とほとんど変わらない。以上の工程により、鋼板1に、相対的に肉厚が薄い波型形状部4と、相対的に肉厚が厚い厚肉部としての平坦部6とが形成される。以下では、波型形状部4が形成された鋼板1を「差厚鋼板1’」と言う。
プレス成形工程は、図3に示す第2プレス成形金型20を用いて行われる。第2プレス成形金型20は、上型21と、下型22とを有する。上型21と下型22とは互いに接近離反可能とされ、図示例では、上型21が上下方向に移動可能な可動型であり、下型22が固定型である。
上型21は、凹凸を有する第1成形面21aと、板長方向で凹凸を有しない第2成形面21bとを有する。本実施形態では、第1成形面21aに、板幅方向に延びる凸部と凹部とが板幅方向で交互に設けられる。また、本実施形態の第2成形面21bは、板長方向及び板幅方向で凹凸を有しない平滑面であり、図示例では、型締め方向(図中上下方向)と直交する平坦面である。第2成形面21bは、全域が第1成形面21aよりも下方に設けられる。本実施形態では、図4に示すように、上型21の下面の板幅方向中央に第1成形面21aが設けられ、その板幅方向両側に第2成形面21bが設けられる。
図3に示すように、下型22は、凹凸を有する第1成形面22aと、板長方向で凹凸を有しない第2成形面22bとを有する。第1成形面22aは、上型21の第1成形面21aと対応した形状を有する。本実施形態では、第1成形面22aに、上型21の第1成形面21aの凸部と嵌合する凹部と、上型21の第1成形面21aの凹部と嵌合する凸部とが板幅方向で交互に設けられる。また、本実施形態の第2成形面22bは、板長方向及び板幅方向で凹凸を有しない平滑面であり、図示例では、型締め方向(図中上下方向)と直交する平坦面である。本実施形態では、図5に示すように、下型22の上面の板幅方向中央に第1成形面22aが設けられ、その板幅方向両側に第2成形面22bが設けられる。図6に示すように、下型22の第1成形面22a及び第2成形面22bは、それぞれ上型21の第1成形面21a及び第2成形面22bと上下方向で対向している。
下型22は、下型本体23と、下型本体23に対して上下動可能な可動支持部としての支持部材24とを有する。下型本体23の上面には第1成形面22aが設けられ、支持部材24の上面には第2成形面22bが設けられる。本実施形態では、図6、7に示すように、支持部材24がスプリング25を介して下型本体23に取り付けられる。支持部材24に負荷がかかっていない状態(差厚鋼板1’が載置されていない状態)では、支持部材24に設けられた第2成形面22bが、下型本体23に設けられた第1成形面22aよりも上方に配される(図7の実線参照)。そして、スプリング25を圧縮しながら支持部材24を下方に押し下げることにより、支持部材24に設けられた第2成形面22bが下型本体23に設けられた第1成形面22aよりも下方に配される(図7の鎖線参照)。
支持部材24には、位置決め部材26が取り付けられる。本実施形態では、板幅方向に離隔した一対の支持部材24のそれぞれに、板長方向に離隔した一対の位置決め部材26が設けられる(図5参照)。各支持部材24に設けられた一対の位置決め部材26の一方が、第2成形面22b上にセットされた差厚鋼板1’の波型形状部4に板長方向一方から係合し、一対の位置決め部材26の他方が、差厚鋼板1’の波型形状部4に板長方向他方から係合する(図3参照)。この他、一方の支持部材24のみに位置決め部材26を設けたり、各支持部材24の板長方向一箇所に位置決め部材26を設けたりしてもよい。
位置決め部材26は、支持部材24の上面(第2成形面22b)から出没可能に設けられる。本実施形態では、図8に示すように、位置決め部材26が回転軸26aを介して支持部材24に取り付けられる。図示例の位置決め部材26は、係止部26bと錘部26cとを有し、常時は、錘部26cの重みで係止部26bが支持部材24の上面(第1成形面22a)から上方に突出した状態で保持される(図8の実線参照)。係止部26bが上方から押さえられると、位置決め部材26が回転軸26aを中心に矢印方向に回転し、係止部26bが第2成形面22bと同じ高さかそれよりも下方に配される(図8の点線参照)。
以下、第2プレス成形金型20によるプレス成形の手順を説明する。
まず、図3に示すように、下型22の第2成形面22bの上に差厚鋼板1’を載置する。このとき、下型22の第2成形面22bは、凹凸を有する第1成形面22aよりも上方に配されるため、第2成形面22b上に載置された差厚鋼板1’全体が第1成形面22aよりも上方に配される。また、このとき、第2成形面22bから上方に突出している位置決め部材26の係止部26b(図8参照)に、差厚鋼板1’の波型形状部4を板長方向で係合させることで、差厚鋼板1’が下型22に対して板長方向で位置決めされる。図示例では、差厚鋼板1’の何れかの谷部3に、一方の位置決め部材26の係止部26bを板長方向一方側から係合させると共に、差厚鋼板1’の他の谷部3に、他方の位置決め部材26の係止部26bを板長方向他方側から係合させることで、差厚鋼板1’が下型22に対して板長方向で確実に位置決めされる。
この状態で、上型21を降下させることにより、上型21の第2成形面21bと下型22の第2成形面22b(支持部材24の上面)とで、差厚鋼板1’の波型形状部4を上下からプレスする。これにより、波型形状部4の山部2及び谷部3の頂角(山部2又は谷部3を挟んで隣接する一対の傾斜部5の間の角度)が拡大しながら、波型形状部4が板長方向に広がる(図9、10参照)。さらに上型21を降下させることで、上型21の第2成形面21bと下型22の第2成形面22bとで差厚鋼板1’が完全に平坦化される(図11、12参照)。こうして平坦化された差厚鋼板1’には、波型形状部4が平坦化された薄肉部4’と、板長方向両端に設けられた厚肉部6’(すなわち平坦部6)が設けられる。
上記のように波型形状部4を平坦化する際、支持部材24は、スプリング25の弾性力により、降下することなくその場で差厚鋼板1’を下方から支持している。すなわち、支持部材24を支持するスプリング25の弾性力は、波型形状部4を平坦化する際に支持部材24に加わる下向きの負荷よりも大きくなるように設定される。
上記のように、差厚鋼板1’を、下型22の凹凸のある第1成形面22aから離反させた状態で、凹凸のない第2成形面21b、22bで上下からプレスすることで、差厚鋼板1’の波型形状部4の山部2及び谷部3が凹凸の無い第2成形面21b、22b上を板長方向に滑りながら、波型形状部4が平坦化される。これにより、波型形状部4の山部2及び谷部3が第2成形面21b、22bの凹凸に引っかかって成形不良が生じる事態を防止できる。
また、差厚鋼板1’の波型形状部4が平坦化しながら、下型22の第2成形面22bから上方に突出した位置決め部材26の係止部26bを押し下げる。これにより、位置決め部材26が図8の矢印方向に回転し、係止部26bが第2成形面22bよりも下方に配されるため、位置決め部材26が差厚鋼板1’の平坦化を妨げることがない。
その後、さらに上型21を降下させることで、上型21の第2成形面21bで支持部材24をスプリング25の弾性力に抗して押し下げながら、上型21の第1成形面21aと下型22の第1成形面22aとで差厚鋼板1’を上下からプレスする(図13、14参照)。これにより、差厚鋼板1’が凹凸を有する所定形状に成形される。その後、上型21を上昇させることにより、支持部材24がスプリング25の弾性力で上昇し、この支持部材24の上面(第2成形面22b)で成形品が持ち上げられて下型22の第1成形面22aから分離され、第2プレス成形金型20から排出される。尚、成形品のうち、第1成形面21a、22aで成形された領域以外の領域は、その後の工程において切断除去あるいは再成形される。
本発明は上記の実施形態に限られない。以下、本発明の他の実施形態を説明するが、上記の実施形態と同様の点については重複説明を省略する。
例えば、図15に示す実施形態では、位置決め部材26が略V字形状の板バネで構成される。この実施形態では、下型22に複数(図示例では3つ)の位置決め部材26が設けられ、上型21に複数(図示例では2つ)の位置決め部材26が設けられる。
下型22に設けられた複数の位置決め部材26は、板長方向に相対移動可能とされる。図示例では、複数の位置決め部材26の何れか1つが支持部材24に固定され、他の位置決め部材26が板長方向に移動可能とされる。具体的には、支持部材24の上面に板長方向に延びる直線状のレール27が固定される。レール27には固定部材28が固定され、この固定部材28に何れかの位置決め部材26が固定される。また、レール27に沿ってスライド可能なスライド部材29が設けられ、このスライド部材29に他の位置決め部材26が固定される。固定部材28と各スライド部材29とはスプリング30を介して連結される。
上型21に設けられた複数の位置決め部材26は、板長方向に相対移動可能な状態で設けられる。具体的には、上型21の下面に板長方向に延びる直線状のレール27が固定される。レール27には固定部材28が固定される。レール27に沿ってスライド可能なスライド部材29が設けられ、このスライド部材29に位置決め部材26が固定される。固定部材28と各スライド部材29とはスプリング30を介して連結される。
上記構成のプレス成形金型の下型22に差厚鋼板1’をセットした状態では、差厚鋼板1’の波型形状部4の谷部3が略V字形状の位置決め部材26に嵌め込まれることにより、差厚鋼板1’が下型22に対して板長方向で位置決めされる。特に、図示例では、下型22に複数の位置決め部材26を設けることで、差厚鋼板1’をより正確に位置決めすることができる。
この状態で上型21を降下させることで、上型21に設けられた位置決め部材26が差厚鋼板1’の山部2に嵌め込まれ、山部2が板長方向で位置決めされる(図15参照)。特に、図示例では、上型21に複数の位置決め部材26を設けることで、差厚鋼板1’をより正確に位置決めすることができる。
その後、さらに上型21を降下させることにより、複数の山部2及び谷部3の板長方向間隔が広がりながら、波型形状部4が平坦化される(図16参照)。このとき、中央の谷部3は、支持部材24に固定された位置決め部材26で板長方向に位置決めされているため、この谷部3は板長方向に動かない。一方、他の谷部3は、スライド部材29に固定された位置決め部材26に嵌まり込んでいるため、レール27に沿って板長方向にスライド可能とされる。従って、他の谷部3がレール27に沿って板長方向にスライドすることで、隣接する谷部3の間隔が広がる。また、山部2は、何れもスライド部材29に固定された位置決め部材26に嵌まり込んでいるため、山部2が嵌まり込んだ位置決め部材26がレール27に沿って板長方向にスライドすることで、隣接する山部2の間隔が広がる。
こうして、上型21のレール27の下面と下型22のレール27の上面とで波型形状部4を上下からプレスすることで、差厚鋼板1’の山部2及び谷部3を上型21のレール27の下面及び下型22のレール27の上面と摺動させながら、波型形状部4を板長方向に広げて平坦化する。すなわち、この実施形態では、上型21のレール27の下面と下型22のレール27の上面が、それぞれ第2成形面21b、22bとして機能する。こうして波型形状部4を平坦化する過程において、位置決め部材26が平板状に弾性変形することにより、位置決め部材26が差厚鋼板1’の平坦化を妨げることがない。また、波型形状部4を平坦化する過程において、複数の山部2及び谷部3の板幅方向両端付近を位置決め部材26で保持することで、差厚鋼板1’の成形中の姿勢を安定させることができるため、成形品質が高められる。
プレス完了後、上型21を上昇させると、支持部材24が上昇してその上面に固定されたレール27の上面(第2成形面22b)で成形品が持ち上げられると共に、位置決め部材26がV字形状に弾性復元することで、成形品が第2成形面22bから分離される。また、上型21を上昇させることで、スプリング30の弾性力により、各スライド部材29及びこれに固定された位置決め部材26が初期位置に復帰される。
尚、図15、16に示す実施形態において、上型21及び下型22に設ける位置決め部材26の数は限定されず、例えば、下型22の位置決め部材26を1個又は2個としたり、上型21の位置決め部材26を1個、3個、又は4個としたりしてもよい。また、上型21の位置決め部材26又は下型22の位置決め部材26を省略してもよい。また、下型22の位置決め部材26を全てレール27に沿ってスライド可能としてもよい。このとき、上型21の位置決め部材26の1つを支持部材24に固定してもよい。
また、上記の実施形態では、可動支持部を構成する支持部材24をスプリング25で支持する場合を示したが、これに限らず、支持部材24をエアシリンダやダンパー等で支持し、所定以上の荷重が加わったときに降下させてもよい。また、支持部材24を、昇降を制御可能な支持手段(例えば電動シリンダ)で支持してもよい。この場合、支持部材24に加わる荷重を検知する検知手段を設け、検知手段が検知する荷重が所定値以下の場合は支持部材24を降下させず、検知手段が検知する荷重が所定値を越えたら支持部材24を降下させる。
以上の実施形態では、差厚鋼板1’を平坦化した後に支持部材24を降下させることで、平坦な差厚鋼板1’を第1成形面21a、22aでプレスして所定形状に成形した場合を示したが、これに限られない。例えば、差厚鋼板1’が完全に平坦化する直前に支持部材24を降下させて、この差厚鋼板1’を第1成形面21a、22aでプレスして所定形状に成形してもよい。
また、下型22の第2成形面22bは、板長方向で凹凸が無い面であればよく、板長方向中央部を上方に膨出させた湾曲面や、板幅方向で凹凸のある面(例えば、板長方向の溝を有する面)であってもよい。
また、凹凸を有する第1成形面が、相手方の金型に対して凸となっている金型に、金型本体に対して昇降可能な支持部材を設けることが好ましい。上記の実施形態では、上方に向けて凸を成した第1成形面22aを有する下型22に、下型本体23に対して昇降可能な支持部材24を設けている。この他、上型21の第1成形面21aが、下方に向けて凸を成している場合は、上型21に、第1成形面21aを有する上型本体に対して昇降可能な支持部材24を設けてもよい。あるいは、上型21及び下型22の双方に支持部材24を設けてもよい。
1 鋼板
1’ 差厚鋼板
2 山部
3 谷部
4 波型形状部
4’ 薄肉部
5 傾斜部
6 平坦部
6’ 厚肉部
10 第1プレス成形金型
20 第2プレス成形金型
21 上型
21a 第1成形面
21b 第2成形面
22 下型
22a 第1成形面
22b 第2成形面
23 下型本体
24 支持部材(可動支持部)
25 スプリング(支持手段)
26 位置決め部材

Claims (2)

  1. 所定方向に延びる山部及び谷部が隣接して設けられた波型形状部と、前記波型形状部よりも板厚が厚い厚肉部とを有する差厚鋼板をプレス成形するためのプレス成形金型であって、
    互いに接近離反可能な一方の金型と他方の金型とを有し、
    前記一方の金型に、凹凸のある第1成形面を有する金型本体と、前記所定方向と直交する方向で凹凸の無い第2成形面を有し、前記金型本体に対して型開閉方向に移動可能である可動支持部とを備え、
    前記可動支持部が、前記第2成形面を前記第1成形面よりも前記他方の金型側に配した位置と、前記第2成形面を前記第1成形面よりも前記他方の金型から離反した側に配した位置との間で移動可能であるプレス成形金型。
  2. 所定方向に延びる山部及び谷部が隣接して設けられた波型形状部と、前記波型形状部よりも板厚が厚い厚肉部とを有する差厚鋼板を、一方の金型と他方の金型とでプレス成形するための方法であって、
    前記一方の金型が、凹凸のある第1成形面を有する金型本体と、前記所定方向と直交する方向で凹凸の無い第2成形面を有し、前記金型本体に対して型開閉方向に移動可能である可動支持部とを備え、
    前記可動支持部の前記第2成形面を、前記第1成形面よりも前記他方の金型側に配した状態で、前記第2成形面と前記他方の金型とで前記差厚鋼板をプレスすることにより、前記波型形状部を前記所定方向と直交する方向に広げる工程と、
    前記可動支持部を前記他方の金型から離反する側に後退させると共に、前記金型本体の第1成形面と前記他方の金型とで前記差厚鋼板をプレス成形する工程とを有するプレス成形方法。
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